説明

ダイシング−ダイボンディングテープ及び半導体チップの製造方法

【課題】半導体ウェーハの貼り付けが容易であり、ダイシングの際の切削性を高めることができ、かつダイシングの後の粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることできるダイシング−ダイボンディングテープを提供する。
【解決手段】非粘着層4と、非粘着層4の一方の面4aに積層された粘接着剤層3とを備え、非粘着層4が粘接着剤層3よりも小さく、非粘着層4が、粘接着剤層3の外周側面3aよりも外側に張り出している領域4Aを有し、かつ粘接着剤層3は、該粘接着剤層3に貼り付けられる半導体ウェーハよりも大きいダイシング−ダイボンディングテープ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハをダイシングし、ダイシングされた半導体チップをダイボンディングするために用いられるダイシング−ダイボンディングテープ、並びに該ダイシング−ダイボンディングテープを用いた半導体チップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェーハから半導体チップを切り出して、基板等に実装するために、ダイシング−ダイボンディングテープが用いられている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、接着剤層と、該接着剤層の片面に積層された放射線硬化型の粘着剤層とを有するダイシング−ダイボンディングテープが開示されている。上記接着剤層は、半導体チップのダイボンディングに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−292821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダイシングの際には、上記接着剤層の上記粘着剤層が積層された面とは反対側の面に半導体ウェーハを貼り付けて、半導体ウェーハを上記接着剤層ごとダイシングする。ダイシングの後に、半導体チップが貼り付けられた上記接着剤層を上記粘着剤層から剥離して、上記接着剤層ごと半導体チップを取り出す。その後、上記接着剤層側から半導体チップを、基板上に実装する。
【0006】
特許文献1に記載のダイシング−ダイボンディングテープでは、半導体ウェーハを上記接着剤層ごとダイシングする際に、切削性が十分ではないことがあった。さらに、ダイシングの後に、半導体チップのピックアップ性が低いことがあった。
【0007】
本発明の目的は、半導体ウェーハの貼り付けが容易であり、ダイシングの際の切削性を高めることができ、かつダイシングの後の粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることできるダイシング−ダイボンディングテープ、並びに該ダイシング−ダイボンディングテープを用いた半導体チップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の広い局面によれば、非粘着層と、前記非粘着層の一方の面に積層された粘接着剤層とを備え、前記非粘着層が前記粘接着剤層よりも大きく、前記非粘着層が、前記粘接着剤層の外周側面よりも外側に張り出している領域を有し、かつ前記粘接着剤層が、該粘接着剤層に貼り付けられる半導体ウェーハよりも大きい、ダイシング−ダイボンディングテープが提供される。
【0009】
上記粘接着剤層は、ダイボンディング層として用いられる部分である。すなわち、粘接着剤層が、半導体チップのピックアップの際に、半導体チップとともに取り出される部分である。
【0010】
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープでは、上記非粘着層がダイシング時のダイシング層を兼ねていてもよい。この場合には、本発明のダイシング−ダイボンディングテープに半導体ウェーハを貼り付けて、ダイシングを行うことができる。
【0011】
また、本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープでは、前記非粘着層の他方の面に積層されたダイシング層がさらに備えられてもよい。この場合には、ダイシング層により、ダイシングにおけるエクスパンド等が確実に行われ得る。従って、非粘着層には、ダイシング層としての機能が要求されないので、様々な材料及び組成により非粘着層を自由に設計できる。
【0012】
本発明に係る半導体チップの製造方法は、前記粘接着剤層が半導体ウェーハの外周側面よりも外側に張り出している領域を有するように、本発明に従って構成されたダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層の前記非粘着層が積層されている面とは反対側の面に、前記粘接着剤層よりも小さい半導体ウェーハを貼り付ける工程と、前記半導体ウェーハを前記粘接着剤層ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、ダイシングの後に、分割された前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離して、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープでは、非粘着層が粘接着剤層よりも大きく、非粘着層が粘接着剤層の外周側面よりも外側に張り出している領域を有するので、粘接着剤層上に半導体ウェーハを貼り付ける際に、下方に非粘着層が設けられている粘接着剤層部分に半導体ウェーハを確実に貼り付けることができる。従って、切削性を高めることができる。さらに、ダイシングの後に、半導体チップが破損することなく、半導体チップ付き粘接着剤層を非粘着層から容易に剥離できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを示す部分切欠正面断面図及び部分切欠平面図である。
【図2】図2は、半導体チップの製造に用いられる半導体ウェーハを示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを用いて半導体チップを製造する方法の一例を説明するための図であり、半導体ウェーハがステージ上に置かれた状態を示す正面断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを用いて、粘接着剤層に半導体ウェーハを貼り付けた状態を示す正面断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを用いて、粘接着剤層に貼り付けられた半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割した状態を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0016】
図1(a)及び(b)に、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを部分切欠正面断面図及び部分切欠平面図で示す。
【0017】
図1(a)及び(b)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1は、離型層2と、粘接着剤層3と、非粘着層4と、ダイシング層5とを備える。非粘着層4の一方の面4aに、粘接着剤層3が積層されており、非粘着層4の一方の面4aとは反対側の他方の面4bに、ダイシング層5が積層されている。
【0018】
粘接着剤層3の非粘着層4が貼り付けられた面とは反対側の表面3aに、離型層2が積層され、貼り付けられている。粘接着剤層3は、半導体チップのダイボンディングに用いられる層である。粘接着剤層3の離型層2が貼り付けられた表面3aは、半導体ウェーハが貼り付けられる面である。
【0019】
離型層2の形状は長尺状である。粘接着剤層3、非粘着層4及びダイシング層5の平面形状は、円形である。非粘着層4の外周側面4cは、粘接着剤層3により覆われていない。平面視において、離型層2、非粘着層4及びダイシング層5は、粘接着剤層3よりも大きい。平面視において、ダイシング層5は、非粘着層4よりも大きい。
【0020】
非粘着層4は粘接着剤層3よりも大きいので、非粘着層4は、粘接着剤層3の外周側面3bよりも外側に張り出している領域4Aを有する。
【0021】
また、平面視において、粘接着剤層3は、該粘接着剤層3に貼り付けられる半導体ウェーハよりも大きい。半導体ウェーハと粘接着剤層3と非粘着層4との大きさは、下記式(1)の関係を満たす。
【0022】
(半導体ウェーハの大きさ)<(粘接着剤層の大きさ)<(非粘着層の大きさ) ・・・式(1)
【0023】
本実施形態の主な特徴は、非粘着層4が粘接着剤層3よりも大きく、非粘着層4が、粘接着剤層3の外周側面3bよりも外側に張り出している領域4Aを有し、かつ粘接着剤層3が半導体ウェーハよりも大きいことにある。これにより、半導体ウェーハを粘接着剤層3上にはみ出すことなく容易に貼り付けることができる。さらに、粘接着剤層3上に半導体ウェーハを貼り付ける際に、下方に非粘着層4が設けられている粘接着剤層3部分に半導体ウェーハを確実に貼り付けることができる。すなわち、非粘着層4が粘接着剤層3よりも大きいので、貼り付けの後に、半導体ウェーハが貼り付けられた粘接着剤層3部分の片面には非粘着層4が確実にある。このため、ダイシングの際の切削性及びダイシングの後のピックアップ性を高めることができる。従って、生産ロスを低減でき、歩留まりを向上できる。
【0024】
これに対して、上記のようなサイズ構成でなく、半導体ウェーハの大きさと粘接着剤層3又は非粘着層4の大きさとが同じ場合、半導体ウェーハの貼り付けが困難なことがあったり、下方に非粘着層4が設けられている粘接着剤層3部分に半導体ウェーハを確実に貼り付けられないことがあったりする。さらに、非粘着層4が粘接着剤層3よりも小さく、非粘着層4が粘接着剤層3に覆い隠されている場合、下方に非粘着層4が設けられている粘接着剤層3部分に半導体ウェーハを確実に貼り付けられないことがある。このため、ダイシングの際にチップ飛びが生じたり、ダイシングの後のピックアップの際に、チップ割れが生じたりする。さらに、非粘着層4から、半導体ウェーハを粘接着剤層3ごと剥離することが困難なことがある。
【0025】
本実施形態では、上記のサイズ構成を備えることにより、上記のような問題点が生じ難く、生産ロスを大きく低減でき、歩留まりをかなり向上させることができる。
【0026】
平面視において、粘接着剤層3の半導体ウェーハの外側側面よりも外側に張り出している領域の面積Xは、粘接着剤層3の全面積を100%とした場合、0.5%以上であることが好ましい。上記面積Xのより好ましい下限は6%である。上記面積Xの好ましい上限は24%であり、より好ましい上限は20%である。上記好ましい面積Xを満たすと、半導体ウェーハの貼り付けが容易である。
【0027】
また、平面視において、非粘着層4の粘接着剤層3の外周側面3bよりも外側に張り出している領域の面積Yは、非粘着層4の全面積を100%とした場合、0.5%以上であることが好ましい。上記面積Yのより好ましい下限は、5%である。上記面積Yの好ましい上限は24%であり、より好ましい上限は20%である。上記好ましい面積Yを満たすと、ダイシングプロセスで粘着剤層5bが刃に付着して汚染され難くなり、綺麗に切削できる。
【0028】
ダイシング層5は、基材層5aと、基材層5aの片面に積層された粘着剤層5bとを有する。非粘着層4の他方の面4bに、ダイシング層5が粘着剤層5b側から貼り付けられている。
【0029】
ダイシング層5は粘接着剤層3及び非粘着層4よりも大きいので、ダイシング層5は、粘接着剤層3及び非粘着層4の外周側面3b,4cよりも外側に張り出している領域5Aを有する。上記張り出している領域5Aにおいて、ダイシング層5が粘着剤層5bにより離型層2の上面2aに貼り付けられている。
【0030】
ただし、ダイシング層は、粘着剤層を必ずしも有しなくてもよい。ダイシング層自体が、例えば粘着力を有する材料により構成されていてもよい。
【0031】
図1(b)に示すように、長尺状の離型層2の上面2aに、粘接着剤層3、非粘着層4及びダイシング層5を有する複数の積層体が等間隔に配置されている。また、離型層2の上面2aに保護シート6,7が設けられている。なお、保護シート6,7は設けられていなくてもよい。また、離型層2、粘接着剤層3、非粘着層4及びダイシング層5の厚み及び形状は特に限定されない。
【0032】
次に、図2〜図5を用いて、上述した本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた場合の半導体チップの製造方法の一例を、以下説明する。
【0033】
先ず、ダイシング−ダイボンディングテープ1と、半導体ウェーハ21とを用意する。図2に示すように、半導体ウェーハ21の平面形状は円形である。半導体ウェーハ21の表面21aには、ストリートによってマトリックス状に区画された各領域に、個々の半導体チップを構成するための回路が形成されている。
【0034】
図3に示すように、半導体ウェーハ21を裏返して、裏返された半導体ウェーハ21をステージ22上に載せる。すなわち、半導体ウェーハ21を表面21a側からステージ22上に載せる。ステージ22上には、半導体ウェーハ21の外周側面21cから間隔を隔てられた位置に、円環状のダイシングリング23が設けられている。
【0035】
次に、図4に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1の離型層2を剥離して、露出した粘接着剤層3の表面3aを、半導体ウェーハ21の裏面21bに貼り付ける。また、ダイシング−ダイボンディングテープ1の離型層2を剥離して、露出したダイシング層5の上記張り出している領域5Aを、ダイシングリング23に貼り付ける。ダイシング層5は、粘接着剤層3の外周側面3bよりも側方に張り出している領域5Aを有するので、ダイシング層5にダイシングリング23を貼り付けることができる。
【0036】
上記のようにして、ダイシング−ダイボンディングテープ1と半導体ウェーハ21とを備える積層体が得られる。
【0037】
平面視において、半導体ウェーハ21は、粘接着剤層3よりも小さい。半導体ウェーハ21と粘接着剤層3と非粘着層4との大きさは、下記式(1)の関係を満たす。
【0038】
(半導体ウェーハの大きさ)<(粘接着剤層の大きさ)<(非粘着層の大きさ) ・・・式(1)
【0039】
半導体ウェーハ21と粘接着剤層3との大きさが上記式(1)の関係を満たすため、半導体ウェーハ21の貼り付けが容易となり、作業性を高めることができる。また、貼り付けの後に、半導体ウェーハが貼り付けられた粘接着剤層3部分の片面には非粘着層4が確実にある。このため、ダイシングの際の切削性及びダイシングの後のピックアップ性を高めることができる。例えば、ダイシング後に個片化された複数の半導体チップの全ての部位において、半導体チップのピックアップを容易に行うことができる。従って、生産ロスを低減でき、歩留まりを向上できる。
【0040】
本実施形態では、上記の構成を備えることにより、生産ロスを大きく低減でき、歩留まりをかなり向上させることができる。
【0041】
次に、粘接着剤層3が貼り付けられた半導体ウェーハ21をステージ22から取り出して、裏返す。このとき、ダイシングリング23がダイシング層5に貼り付けられた状態で取り出される。
【0042】
図5に示すように、取り出した半導体ウェーハ21を表面21aが上方になるように裏返して、別のステージ24上に載せる。次に、図5に矢印Xを付して示すように、半導体ウェーハ21を粘接着剤層3ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する。半導体ウェーハ21及び粘接着剤層3をそれぞれ、両面を貫通するように切断する。
【0043】
ダイシングは、半導体ウェーハ21及び粘接着剤層3を貫通するように行われれば特に限定されない。例えば、粘接着剤層3と非粘着層4との界面よりも深い位置に至るようにダイシングブレードを挿入し、非粘着層4に切り込みを形成してもよい。粘接着剤層3と非粘着層4との界面よりも深い位置に至るようにダイシングブレードを挿入する場合には、ピックアップ性を高めるために、非粘着層4を分断しないことが好ましい。
【0044】
半導体ウェーハ21をダイシングする方法としては、ダイシングブレードを用いる方法、又はレーザーダイシングする方法等が挙げられる。
【0045】
半導体ウェーハをダイシングし、個々の半導体チップに分割した後、ダイシング層5を引き延ばして、分割された個々の半導体チップ間の間隔を拡張する。その後、半導体チップが貼り付けられた粘接着剤層3を非粘着層4から剥離して、取り出す。このようにして、粘接着剤層3付き半導体チップを得ることができる。
【0046】
(非粘着層4の詳細)
非粘着層4は、アクリル系ポリマーを含む組成物により形成されていることが好ましい。組成物は、粘着性を有することが好ましい。組成物は、粘着剤組成物であることが好ましい。組成物としては、熱硬化型又は活性エネルギー線硬化型の組成物が挙げられる。非粘着層4の粘着力を容易に制御できるので、組成物は、活性エネルギー線硬化型の組成物であることが好ましい。
【0047】
非粘着層4は、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体により形成されていることが好ましい。この場合には、ダイシングの際の切削性をより一層高くすることができる。また、非粘着層4の極性、貯蔵弾性率又は破断伸度を容易に制御及び設計できる。
【0048】
上記アクリル系ポリマーは特に限定されない。上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーとして、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーが好適に用いられる。炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーの使用により、非粘着層4の極性を充分に低くすることができ、非粘着層4の表面エネルギーを低くすることができ、かつ粘接着剤層3の非粘着層4からの剥離性を高くすることができる。上記アルキル基の炭素数が18を超えると、非粘着層4の製造が困難になることがある。上記アルキル基の炭素数は、6以上であることが好ましい。この場合には、非粘着層4の極性をより一層低くすることができる。上記「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。
【0049】
上記アクリル系ポリマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを主モノマーとして用いて得られたポリマーであることが好ましい。上記アクリル系ポリマーは、上記主モノマーと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させて得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーであることがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーのアルキル基の炭素数は2以上であることが好ましく、6以上であることが特に好ましい。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は20万〜200万程度である。
【0050】
上記他の改質用モノマーは特に限定されない。上記他の改質用モノマーは、カルボキシル基を有するモノマーではないことが好ましい。カルボキシル基を有するモノマーが用いられた場合、非粘着層4の極性が高くなる。この結果、ピックアップ性が低下することがある。
【0051】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは特に限定されない。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有する一級又は二級のアルキルアルコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーであることが好ましい。
【0052】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル又は(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0053】
上記官能基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル又は(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー等が挙げられる。
【0054】
上記アクリル系ポリマーは、反応性二重結合を有する硬化型アクリル系ポリマーであることが好ましい。この場合には、該硬化型アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体の架橋密度を高くすることができる。上記硬化型アクリル系ポリマーとして、反応性二重結合を側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有する硬化型アクリル系ポリマー等が挙げられる。
【0055】
上記アクリル系ポリマーに反応性二重結合を導入する方法は、特に制限されない。分子設計が容易であるため、上記反応性二重結合は、側鎖に導入されていることが好ましい。例えば、アクリル系ポリマーに官能基含有モノマーが共重合された官能基含有アクリル系ポリマーを用意した後に、この官能基(以下、官能基Aともいう)と反応し得る官能基(以下、官能基Bともいう)、及び反応性二重結合の両方を有する化合物(以下、化合物Cともいう)を、反応性二重結合が残存するように、上記官能基含有アクリル系ポリマーに縮合反応又は付加反応によって導入する方法が挙げられる。
【0056】
上記官能基Aと官能基Bとの組合せの例としては、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジル基、又は水酸基とイソシアネート基等の組合せが挙げられる。これら官能基の組合せのなかでも、反応を容易に制御できるため、水酸基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせでは、どの官能基を上記官能基含有アクリル系ポリマーが含有していてもよく、またどの官能基を上記化合物Cが含有していてもよい。水酸基を有する官能基含有アクリル系ポリマーと、イソシアネート基を有する上記化合物の組合せが好ましい。
【0057】
上記イソシアネート基及び反応性二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、又はm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
【0058】
上記組成物は、アクリル基と反応可能な二重結合を有し、かつ重量平均分子量が100〜50,000の範囲内にあるオリゴマーをさらに含んでいてもよい。
【0059】
上記組成物は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。また、組成物は、活性エネルギー線反応開始剤及び熱反応開始剤の内の少なくとも一方を含むことが好ましく、活性エネルギー線反応開始剤を含むことがより好ましい。活性エネルギー線反応開始剤は、光反応開始剤であることが好ましい。
【0060】
上記活性エネルギー線には、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のなかでも、硬化性に優れ、かつ硬化物が劣化し難いため、紫外線又は電子線が好ましい。
【0061】
上記光反応開始剤は特に限定されない。上記光反応開始剤として、例えば、光ラジカル発生剤又は光カチオン発生剤等を使用できる。また、上記熱反応開始剤は特に限定されない。上記熱反応開始剤としては、熱ラジカル発生剤等が挙げられる。
【0062】
上記光ラジカル発生剤は特に限定されない。上記光ラジカル発生剤の市販品としては、例えば、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュア651、イルガキュア369及びイルガキュア379(以上、いずれもチバ・ジャパン社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、並びにルシリンTPO(BASF Japan社製)等が挙げられる。
【0063】
上記光カチオン発生剤として、オニウム塩類又は有機金属錯体類を使用できる。上記オニウム塩類としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩又は芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。上記有機金属錯体類としては、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体又はアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0064】
上記熱ラジカル発生剤としては、有機過酸化物又はアゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート又はt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)又はジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
【0065】
非粘着層4の厚みは特に限定されない。非粘着層4の厚みは、1〜100μmの範囲内にあることが好ましい。非粘着層4の厚みのより好ましい下限は5μmであり、より好ましい上限は60μmである。非粘着層4の厚みが薄すぎると、エクスパンド性が不足することがある。非粘着層4の厚みが厚すぎると、厚みが不均一になり、ダイシングを適切に行えないことがある。
【0066】
非粘着層4は、例えば上記組成物を用いて、以下のようにして得られる。
【0067】
非粘着層4を形成するための粘着性を有する組成物層を、例えば離型層上に形成する。次に、活性エネルギー線の照射及び熱の付与の内の少なくとも一つの処理を行う。活性エネルギー線硬化もしくは熱硬化により、又は活性エネルギー線硬化及び熱硬化により、組成物層を硬化(架橋)させ、非粘着層4を得る。
【0068】
非粘着層4がダイシング時のダイシング層を兼ねていてもよい。この場合には、後述のダイシング層5は必ずしも用いられている必要はない。
【0069】
(ダイシング層5の詳細)
ダイシング層5は特に限定されない。ダイシング層5を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。
【0070】
ダイシング層5の厚みは特に限定されない。ダイシング層5の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましい。ダイシング層5の厚みのより好ましい下限は60μmであり、より好ましい上限は150μmである。ダイシング層5の厚みが上記範囲内にあると、離型層2の剥離性及びダイシング層5のエクスパンド性をより一層高くすることができる。
【0071】
(離型層2の詳細)
離型層2を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック樹脂等が挙げられる。
【0072】
離型層2の取扱い性又は剥離性をより一層高めるために、離型層2の厚みは、10〜100μmの範囲内にあることが好ましい。
【0073】
(粘接着剤層3の詳細)
粘接着剤層3は、半導体チップを基板又は他の半導体チップ等に接合するために用いられる。粘接着剤層3は、ダイシングの際に、半導体ウェーハごと切断される。
【0074】
粘接着剤層3は、例えば適宜の硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物、又は熱可塑性樹脂等により形成される。硬化前の上記硬化性樹脂組成物は柔らかいので、外力により容易に変形する。粘接着剤層3付き半導体チップを得た後に、得られた粘接着剤層3付き半導体チップを粘接着剤層3側から基板等の被着体に積層する。その後、熱又は光のエネルギーを与えて、粘接着剤層3を硬化させることにより、粘接着剤層3を介して、被着体に半導体チップを強固に接合させることができる。上記硬化性樹脂にかえて、熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【0075】
上記硬化性樹脂は特に限定されない。上記硬化性樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂等が挙げられる。
【0076】
上記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂又はポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記光硬化性樹脂としては、例えば感光性オニウム塩等の光カチオン触媒により重合するエポキシ樹脂、又は感光性ビニル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。また、上記硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル酸メチル又はホットメルト型接着樹脂が好適に用いられる。上記ホットメルト型接着樹脂としては、アクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
【0077】
上記エポキシ樹脂は、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂であることが好ましい。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は特に限定されない。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、又は3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。
【0078】
上記硬化性樹脂とともに、上記エポキシ基と反応する官能基を有する高分子ポリマーを用いてもよい。上記エポキシ基を有する高分子ポリマーとしては、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂又はエポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。上記エポキシ基を有する高分子ポリマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0079】
上記硬化性樹脂組成物を硬化させるために、硬化剤が用いられる。硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤もしくはジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、又はカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、硬化速度又は硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤と、硬化促進剤とを併用してもよい。
【0080】
粘接着剤層3の厚みは特に限定されない。粘接着剤層3の厚みは、1〜100μmの範囲内にあることが好ましい。粘接着剤層3の厚みのより好ましい下限は3μmであり、より好ましい上限は60μmである。粘接着剤層3の厚み上記範囲内にあると、粘接着剤層3を介して半導体チップを基板上により一層容易に貼り付けることができ、又は半導体装置の薄型化に対応できる。
【0081】
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0082】
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光ラジカル発生剤としてのイルガキュア651(チバガイギー社製、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、及びラウリルメルカプタン0.01重量部を酢酸エチルに溶解させ、溶液を得た。この溶液に紫外線を照射して重合を行い、ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。さらに、この溶液の固形分100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)を3.5重量部反応させて(メタ)アクリル樹脂架橋体であるアクリル共重合体を得た。アクリル共重合体は、重量平均分子量が70万であり、酸価が0.86(mgKOH/g)であった。
【0083】
得られたアクリル共重合体100重量部、U−324A(新中村化学工業社製、ウレタンアクリルオリゴマー)2重量部、光ラジカル発生剤としてのイルガキュア651(チバガイギー社製)1重量部を配合し、酢酸エチルに溶解し、組成物を得た。この組成物を離型PETフィルム上にアプリケーターを用いて塗工し、110℃で3分間加熱乾燥し、厚み50μmのフィルム状の組成物層を形成した。この組成物層上に離型PETフィルムを貼り付けた。その後、上記組成物層に高圧水銀灯下で365nmの紫外線を2000mJ/cmで照射し、非粘着層を形成した。
【0084】
また、G−2050M(日油社製、エポキシ基含有アクリル系高分子ポリマー、重量平均分子量Mw20万)15重量部と、EXA−7200HH(DIC社製、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)80重量部と、HP−4032D(DIC社製、ナフタレン型エポキシ樹脂)5重量部と、YH−309(ジャパンエポキシレジン社製、酸無水物系硬化剤)35重量部と、2MAOK−PW(四国化成社製、イミダゾール)8重量部と、S320(チッソ社製、アミノシラン)2重量部とを配合し、配合物を得た。この配合物をアプリケーターにて厚さ40μmになるようにリンテック社製PET38CS上に塗布し、110℃で3分間加熱乾燥して、粘接着剤層を得た。
【0085】
上記非粘着層の両面に貼り付けられた離型PETフィルムの一方を剥がし、直径306.8mmの円形の非粘着層を得た。上記PET38CS上の粘接着剤層を直径305.8mmの円形に加工した。非粘着層と粘接着剤層とを、円の中心が合うように貼り合せた。非粘着層の片面に貼り付けられた離型PETフィルムを剥がし、ダイシング層(PEテープ#6318−B(積水化学工業社製粘着フィルム、厚み70μmのポリエチレン基材の片面に、厚み10μmのゴム系粘着剤層が形成されている粘着フィルム)を、粘着剤層側から非粘着層に貼り付けた。また、ダイシング層の粘接着剤層及び非粘着層の外周側面よりも側方に張り出している領域を、上記PET38CS上に貼り付けた。このようにして離型層と粘接着剤層と非粘着層とダイシング層とがこの順で積層されたダイシング−ダイボンディングテープを得た。
【0086】
(実施例2〜7及び比較例1,2)
粘接着剤層及び非粘着層の大きさを下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
【0087】
(半導体チップの製造時の評価)
ダイシング−ダイボンディングテープのPET38CSを粘接着剤層から剥離し、粘接着剤層を露出させた。露出した粘接着剤層を直径304.8mm(12inch)のシリコンウェーハ(厚み80μm)の一方の面に60℃の温度でラミネートし、評価サンプルを作製した。
【0088】
キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX100Sにて、半導体ウェーハを貼り付けた上記評価サンプル(積層体)の端部を観察し、ウェーハ貼り合せ性を下記の評価基準で評価した。
【0089】
[ウェーハ貼り合せ性の評価基準]
◎:ウェーハを貼り合せた部分に粘接着剤層及び非粘着層が明らかにある
○:ウェーハを貼り合せた部分に粘接着剤層及び非粘着層がある
×:ウェーハを貼り合せた部分に粘接着剤層及び非粘着層がない
【0090】
次に、ダイシング装置DFD651(ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、評価サンプルを10mm×10mmのチップサイズにダイシングした。ダイシング時の切削性を下記の評価基準で評価した。
【0091】
[切削性の評価基準]
○:チップ飛び及びクラックの内のいずれもなし
×:チップ飛び及びクラックの内のいずれかあり
【0092】
ダイシングの後に、ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、コレットサイズ8mm角、突き上げ速度5mm/秒、ピックアップ温度23℃の条件で、分割された半導体チップの連続ピックアップを行い、ピックアップ性を下記の評価基準で評価した。
【0093】
[ピックアップ性の評価基準]
○:ピックアップできなかった半導体チップの個数の割合が1%以下
△:ピックアップできなかった半導体チップの個数の割合が1%を超え、2%未満
×:ピックアップできなかった半導体チップの個数の割合が2%以上
【0094】
結果を下記の表1に示す。
【0095】
【表1】

【符号の説明】
【0096】
1…ダイシング−ダイボンディングテープ
2…離型層
2a…上面
3…粘接着剤層
3a…表面
3b…外周側面
3A…張り出している領域
4…非粘着層
4a…一方の面
4b…他方の面
4c…外周側面
4A…張り出している領域
5…ダイシング層
5a…基材層
5b…粘着剤層
5A…張り出している領域
6,7…保護シート
21…半導体ウェーハ
21a…表面
21b…裏面
21c…外周側面
22…ステージ
23…ダイシングリング
24…ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非粘着層と、前記非粘着層の一方の面に積層された粘接着剤層とを備え、
前記非粘着層が前記粘接着剤層よりも大きく、前記非粘着層が、前記粘接着剤層の外周側面よりも外側に張り出している領域を有し、かつ、
前記粘接着剤層は、該粘接着剤層に貼り付けられる半導体ウェーハよりも大きい、ダイシング−ダイボンディングテープ。
【請求項2】
前記非粘着層の他方の面に積層されたダイシング層をさらに備える、請求項1に記載のダイシング−ダイボンディングテープ。
【請求項3】
前記粘接着剤層が半導体ウェーハの外周側面よりも外側に張り出している領域を有するように、請求項1又は2に記載のダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層の前記非粘着層が積層されている面とは反対側の面に、前記粘接着剤層よりも小さい半導体ウェーハを貼り付ける工程と、
前記半導体ウェーハを前記粘接着剤層ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と、
ダイシングの後に、分割された前記半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離して、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、半導体チップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−287848(P2010−287848A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142453(P2009−142453)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】