説明

ダーツを設けたパイプリフォームの強化材、その強化材を含むパイプリフォーム、およびパイプリフォームの強化方法

【課題】三次元のパイあるいはT型のプリフォーム(101)のための強化材(201)、その製法、ならびにその強化材を含むコンポジット構造物の提供。
【解決手段】強化材(201)は操り織りファブリックであって、幅、長さ、厚さ(t)で別れた第1面(212)および第2面(213)をもつ。操り織りファブリックの第1面は、プリフォームのダーツ構成部分に添付する。操り織りファブリック強化材は、単一の層あるいは多層のファブリックであり、プログラム可能なテークアップ機構を用いて織ることができる。

【発明の詳細な説明】
【引用による組み入れ】
【0001】
ここで述べる製品についてのすべての特許、特許出願、文書、文献、製造者の使用説明書、解説、製品仕様書、および製品説明書を引用によってここに組み入れ、しかもまた、この発明を実施する上で使用する。
【技術分野】
【0002】
この発明は、一般的には、織りプリフォームに関し、特には、強化ないしは補強コンポジット材料に用いる織りプリフォームに関する。より具体的には、この発明は、大きく曲げた形を得ることができる、ダーツを設けたパイ型プリフォームに関する。さらに特定すれば、この発明は、ダーツを設けたパイ型プリフォームのための強化材に関する。
【背景技術】
【0003】
構造的な構成要素あるいは部品を製造するために、強化コンポジット材料を用いることは、今や一般的である。特に、軽量、高強度、丈夫、耐熱性、および形成性の望ましい特性は、大きな利点を生むものである。そのような構成要素あるいは部品は、たとえば、航空、航空宇宙産業、人工衛星、高性能レクレーション製品、およびその他の分野で用いられる。
【0004】
そのような構成要素あるいは部品は、典型的に、マトリックス材料の中に埋め込んだ強化素材から構成される。強化の構成部分は、ガラス、炭素、セラミック、アラミド、ポリエチレン、および/または、物理的、熱的、化学的および/またはその他の好ましい特性、第1には応力に対する大きな耐久性を示すその他の材料から構成される。
【0005】
そのような強化材料、それらは結局のところ完成品の構成要素になるのであるが、それらを使用するとき、たとえば非常に大きな強度のようなそれら強化素材の望ましい特性が、完成したコンポジット部品に授けられることになる。構成要素である典型的な強化材料は、織ったり編んだり、あるいは方向付けることにより、強化プリフォームのための必要な構成および形にする。通常、選択理由である強化材料の特性が最大限に活用されるように注意が図られる。また、そのような強化プリフォームについては、マトリックス材料と組み合わせることにより必要な完成品を得、あるいは、完成品の最終生産のために役立つ在庫品を得る。
【0006】
必要な強化プリフォームを構成した後、マトリックス材料をプリフォームおよびその中に加えるようにする。それにより、強化プリフォームは、マトリックス材料で包まれ、マトリックス材料は強化プリフォームの構成要素の間のすき間部分を埋める。マトリックス材料としては、たとえば、エポキシ、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミック、炭素および/またはその他の材料で、必要とする物理的、熱的、化学的および/または他の特性を示すものなど、いろいろな材料を広く適用することができる。マトリックスとして用いる材料としては、強化プリフォームの材料と同じものでも良いし、異なるものでも良く、また、物理的、化学的、熱的あるいは他の特性が類似したものでも良いし、類似しないものでも良い。しかし、通常、それらは強化プリフォームと同じ材料ではなく、また、物理的、化学的、熱的あるいは他の特性が類似しない。なぜなら、第1にコンポジットを用いる通常の目的は、ただ一つの構成材料だけでは得ることができない組合せ特性を完成品で得ることにあるからである。強化プリフォームおよびマトリックス材料は、そのように組み合わされた後、熱硬化処理あるいは他の公知の方法で同じ作業工程において硬化および安定化され、さらに、目的とする構成部品を製造するための他の作業工程に入る。ここで、そのように硬化した時点において、マトリックス材料の固体化したものが、通常、強化材料(たとえば、強化プリフォーム)に非常に強く付着していることに気付くことが大事である。結局、完成品上の応力が、繊維間の接着剤として機能するそのマトリックス材料を特に通して、補強された強化プリフォームの構成材料に有効に移され保持される。強化プリフォームに破壊あるいは途切れがあると、完成した構成部品に加わる応力を伝えて持ちこたえる能力を制限する。
【0007】
たとえば、プレート、シート、長方形あるいは正方形の立体などの単純な幾何学的な形以外の形の構成要素(部品)を製造することがしばしば求められる。これを行う一つの方法は、そのような基本的な幾何学的な形を組み合わせることにより、必要とされる複雑な形態にすることである。そのような典型的な組み合わせの一つは、上で述べたようにして作った強化プリフォームを互いに角度をもって(典型的には、直角)接合することにより作ったものである。そのような角度をもって強化プリフォームを接合し配列する通常の目的は、1または2以上の端壁やたとえば「T」交差を含む強化プリフォームを形作る必要な形を作り出すこと、あるいは、強化プリフォームの組み合わせで得たものおよびコンポジット構造について、圧力や張力などの外力を受けた場合でもたわみや破損に耐えられるように強化することである。どのようなものであれ、構成要素間の各連結箇所をできるだけ強くすることを考慮すべきである。補強プリフォームの構成要素それ自体に必要とされる非常に大きな強度が与えられると、連結箇所の弱さが、実際上、構造的な「チェーン」における「弱いリンク」になる。
【0008】
交差構造の一例について、米国特許第6,103,337号が示している。その文献に示す内容を、参照によってこの中に含ませる。その文献は、2つの強化プレートをT型に結合する有効な方法を示している。その方法では、第1の強化パネルを第2の強化パネルに結合するに際し、第2の強化パネルを第1のパネルの端に置くようにしている。
【0009】
今まで、そのような結合を作るために、いろいろな他の提案がなされている。パネル構成要素と、角度をもって置く強化のための構成要素とを互いに別々に作り硬化することが提案されている。後者の構成要素は、単一のパネル接触面をもつか、あるいは、一端が二股に分かれて分岐した同一平面上の2つのパネル接触面をもっている。そして、2つの構成要素は、強化のための構成要素のパネル接触面を他の構成要素の接触面に対し、熱硬化接着剤あるいは他の接着材料を用いて結合する。しかし、硬化したパネルあるいはコンポジット構造の外皮に張力がかかると、受け入れることができないような小さな値の負荷が「はがし(ピール)」力となり、強化のための構成要素をパネルとの界面でパネルから分離してしまう。それは、結合の有効強度が接着剤のそれであり、マトリックスあるいは強化材料のそれではないからである。
【0010】
そのような構成要素の界面に金属ボルトやリベットを用いることはできない。なぜなら、そのようなことをすれば、コンポジット構造自体の完全な形の少なくとも一部を破壊し弱めてしまうし、重さを増すことになり、しかも、そのような構成要素と周囲の材料との間に熱膨張係数の違いを生じてしまうからである。
【0011】
この問題を解決する他の方法は、結合領域の全域に高強度の繊維を加える考え方に基づく。すなわち、2つの構成要素の一方を他方に縫い、縫い糸によってそのような強化繊維が加わるようにする。そのような技術の一つについて、米国特許第4,331,495号、およびその分割による米国特許第4,256,790号が示す。これらの特許は、繊維層を接着によって結合した第1および第2のコンポジットパネル間の接合について示している。第1のパネルは、一端が二股に分かれ、従来技術のように同一平面上の2つのパネル接触面をもつ。第1のパネルと第2のパネルとを結合するため、両パネルを貫く未硬化のフレキシブルなコンポジット糸を縫い込んでいる。その後、両パネルおよび縫い込んだ糸は、同時に硬化、つまり「共に硬化」を行う。また、米国特許第5,429,853号は、結合強度を改良する他の方法を示す。
【0012】
今までも強化コンポジットについて構造的に一体化しようとする改良がなされ、成功している。特に、米国特許第6,103,337号のものでは、接着剤あるいは機械的な結合部材を用いるのとは異なる方法によって問題に取り組みあるいは改良するという求めがある。この点から、一つの対応として、専用機械によって三次元(「3D」)の織り構造を作り出す方法が考えられる。しかし、それにはかなりの費用がかかるし、しかも、織機で単純な構造を作り出すということが強く求められる。この事実にもかかわらず、繊維強化コンポジット構成要素に加工することができる3Dプリフォームは、魅力的である。なぜなら、それらの構成要素は、今までの二次元(「2D」)積層コンポジットよりも大きな強度および損傷耐性を提供するからである。これらのプリフォームは、面外荷重を支えるコンポジットを必要とする用途に特に有用である。しかし、上に述べた今までのプリフォームでは、大きな面外荷重に耐える上、自動織機で織る上、およびプリフォームに厚さの異なる部分を得る上で能力的な制限がある。
【0013】
他の対応として、平らな多層の構造に織りそれを3D形に折り込むことが考えられる。多層のプリフォームを3D形に折る場合、初期の試みでは、プリフォームを折ったとき一般的にところどころひずみを生じてしまった。ひずみが生じる原因は、織られた繊維の長さがプリフォームを折り込むときの長さと異なるからである。これによって、織られた繊維の長さが短すぎる領域には、くぼみや波状を生じ、また、繊維長さが長すぎる領域には、曲げを生じる。3Dプリフォーム織り構造物の一例について、そのものでは、プリフォームを折るとき領域に波状あるいはループを生じるだろうが、米国特許第6,874,543号が示す。その特許のすべての内容を参照によってここに組み込む。
【0014】
折りの際のゆがみの問題を解決する一つの方法を、米国特許第6,466,675号が示す。その特許のすべての内容を参照によってここに組み入れる。この特許文献は、T型あるいはパイ型に折ることができる、平らな多層の構造を備える。T型あるいはパイ型と称するのは、プリフォームの折り部分が、フランジあるいは母材に直立する1あるいは2の脚(Tおよびパイの形の)を生み出すからである。これを成し遂げるため、折りの場所で上述したくぼみやゆがみが生じるのを防ぐため、織り時に繊維長さを整える。織り処理のとき、折り領域において、ある繊維は長く織り、他の繊維は短く織る。それらの短い繊維および長い繊維は、その後、プリフォームを折るとき、長さが一様になり、折りにスムーズな変化を生じる。
【0015】
折ったプリフォームの利点は、強化すべきパネルと強化パネルとの間の結合の強さである。それらを一緒に織るので、両パネルは、強化材料とマトリックス材料とを共有し、単一の構造を作り出す。一体に織った強化パネルつまり脚と母材材料つまりフランジとの間の連結は、今までの強化におけるように、接合強度を接着剤の強度だけに頼るような、もはや弱いリンクではない。むしろ、プリフォームの繊維は、脚とフランジとを一緒に一体的に織るのである。
【0016】
しかし、曲線状のもののような複雑な形の強化がしばしば求められる。折ったT型あるいはパイ型の強化には、曲線状の面に適合させるため、脚にダーツを設けることが必要である。折りプリフォームのフランジ材料が曲線状の形になるので、湾曲する外側と内側とで、曲線状の面の長さが必然的に異なる。曲げるとき、湾曲する外側、つまりより大きな径をもつ面の円弧の長さは増大し、それに対し、湾曲する内側では、円弧の長さが減少する。一般的な折りプリフォームの脚は、曲線状の面に適合させることが必要であるため、長さを変えることができない。曲線状の面に適合させるため、脚にダーツを設けること、すなわち、変化する円弧長さに合致させるように裁断することが必要である。
【0017】
一般に、長さの変化に適合させるため、裁断は湾曲半径の部分に沿うが、その他、湾曲半径に沿わないように行うこともある。曲線状のプリフォームの内側の長さが減少することを許すため、脚を裁断し、しかも、裁断した端を重なり合わせるか、あるいは、余分な材料を取り除く。同様に、湾曲した外側の長さが大きくなることに合わせるため、脚を裁断し、脚の裁断端間に三角形のギャップを生じるようにする。いずれの配置あるいは配列においても、ダーツが各脚の強化材料の連続性を損なう。T型あるいはパイ型の3Dプリフォームの脚にダーツを設けることは、プリフォームの荷重運搬能力をひどく落とす。それは、ダーツによって、コーナー周辺の主要な荷重経路を切断していたからである。今までの技術によっては、ダーツのあるプリフォームとして、湾曲面の強化に用いることにより充分な強化に応えることができない。
【0018】
この発明は、今までの技術の欠点に取り組むことにより、3Dプリフォーム、特にはダーツを設けたプリフォームのための新しい強化材を提供する。
【発明の概要】
【0019】
したがって、この発明の目的は、3Dプリフォームのための強化材を提供することである。
【0020】
この発明の他の目的は、T型あるいはパイ型の3Dプリフォームのための強化材を提供することである。
【0021】
この発明のさらに他の目的は、ダーツを設けたプリフォームに対する、操り織りファブリック強化材を提供することである。
【0022】
この発明のさらに他の目的は、強化のため、3Dパイプリフォームの脚間のクレビスを占める構成の操り織りファブリックを提供することである。
【0023】
この発明、ならびに、それを使用することによって得る作用効果および特定の目的について良く理解するため、詳細な説明を参照されたい。そこには、この発明の好ましい実施形態(これに限定されない)が図面に示されている。
【0024】
この中、特には、クレームおよび/または段落で用いる用語「備える(comprises)」、「備えた(comprised)」、および「備えている(comprising)」は、米国特許法におけるそれらの意味になり、たとえば、「含む(includes)」、「含んだ(included)」、および「含んでいる(including)」という意味にもなる。また、「本質的に有している(consisting essentially
of)」および「本質的に有する(consists essentially of)」の用語は、米国特許法におけるそれらの意味になり、たとえば、明示しない要素を考慮に入れるが、従来技術に示す要素、つまり、この発明の基礎的あるいは新規な特徴に影響する要素は除外する。
【0025】
それらおよび他の実施形態は、以下の説明に記載されているか、その記載から自明である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】在来の3Dパイプリフォームの側面図である。
【図2】図1の在来の3DパイプリフォームにおけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】ダーツを設けた在来の3Dパイプリフォームの側面図である。
【図4】ダーツを設けた在来の3Dパイプリフォームについて、湾曲あるいは曲線状にした状態を示す側面図である。
【図5】この発明の一実施形態であり、操り織りファブリック強化材の側面図である。
【図6】この発明の一実施形態であり、プリフォームの脚間に配列した図5の操り織りファブリック強化材を伴う図2の3Dプリフォームである。
【図7】この発明の一実施形態であり、操り織りファブリック強化材を含む図2の3Dプリフォームである。
【図8】この発明の一実施形態であり、操り織りファブリック強化材を含むT型プリフォームの断面図である。
【図9】この発明の一実施形態による操り織りファブリック強化材についての端部断面図である。
【図10】この発明の一実施形態であり、プリフォームの脚間に配列した図9の操り織りファブリック強化材を伴う図2の3Dプリフォームである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および2は、一体に織った従属脚102(a)および102(b)(まとめて「脚102」)を備える3Dパイプリフォームを示す。そのプリフォームは、平らな多層の織り構造物を織り、折ることによりフランジ104から伸びる脚102(a)および102(b)を作るように形成する。当業者であれば、折りプリフォームから他の断面形状のものを得ることができるのは明らかである。たとえば、一つの脚102を形成するなら、平らな織りプリフォームからT型(Tの形)を作り出すことができる。同様に、たとえば、内側の対向面106(a)および106(b)が接触する配列とすれば、脚102を分離する間隔dがないパイプリフォームもまたT型を生じるであろう。
【0028】
この開示の中で、「繊維(ファイバ)」は広い意味をもち、繊維、糸、あるいはブレードを包含する。カーボン・ファイバ(炭素繊維)が好ましいが、この発明は、実際上、他のどのようなファイバにも適用することができる。限定されるわけではないが、ストレッチ・ブロークン可能なもの、たとえばストレッチ・ブロークン・カーボン・ファイバ、ガラスがその例である。
【0029】
明確にするため、図1〜4には、任意に選んだ座標系を設け、互いに異なる図の方向性を示す。これは、図の理解を助けるためであり、決してこの発明の開示の一部に影響を与えるものではない。図に用いる座標系において、よこあるいはフィル(F)繊維あるいは糸はX軸方向に並び、たて(W)繊維あるいは糸はY軸方向に並ぶ。Z軸は、平らなフランジ104に垂直である。
【0030】
プリフォーム100は、図1に示すように、たて(W)繊維あるいは糸103と、よこ(F)繊維あるいは糸105とから作る。いくつかの実施例では、個々のたて(W)繊維103とよこ(F)繊維105を公知のパターンに互いに織り込んで織りプリフォームを形成する。公知の織り方法によって、たて(W)繊維103とよこ(F)繊維105をフランジ104および脚102に織り、たて(W)繊維103がフランジ104および脚102の両方においてY軸方向に連続的に進むようにする。よこ(F)繊維105は、開いたプリフォームのX軸方向に進む。脚を折って3Dプリフォームを形成すると、脚102中のよこ(F)繊維105は、Z軸方向に向くことになる。
【0031】
図2に示すように、脚102は、フランジ104から離れた位置に自由端108(a)および108(b)をもつ。108の符号でまとめる自由端は、図2に示すように、テーパーをもたせることができる。自由端の形状については、設計基準あるいは他の理由に応じて他のものにすることができる。そのような自由端の形状の例として、限定するわけではないが、正方形、丸い、あるいは球根状の断面がある。隣接する脚102は、自由端が同じ形状にすることができるし、あるいは、異なる形状にすることもできる。必要なら、プリフォームの長さに沿って各形状を変えることができる。
【0032】
同様に、フランジ104は、そのフランジ104の端に端部分110(a)および110(b)(これらをまとめて端部分110)を備える。図に示すように、端部分110はテーパー状である。上に述べた自由端108のように、フランジ104の端部分は、図に示すテーパー形状以外の形状にすることができる。限定するわけではないが、代わりのものとして、たとえば、端部分110を正方形、丸い、あるいは球根状、またはそれらを組み合わせた形状にすることができる。脚102およびフランジ104のいずれの側の両方が、等しい長さであっても良いし、等しくない長さであっても良いことに留意されたい。たとえば、脚102(a)が脚102(b)よりも長くても良いし、その逆でも良い。同様に、フランジ104の一方の側104の幅を他方の側よりも広くすることができる。
【0033】
図1の3Dプリフォームは、直線形状であり、フランジの上面112はX軸およびY軸方向にだいたい平らである。そのような形状は、平らなパネルを必要とする用途に有用である。しかし、多くの用途あるいは多くの場合、曲線状あるいは曲線を作る3Dパネルを作り出す湾曲プリフォームをもつことが好ましい。図4は、いくつかの用途に有用な湾曲パネルの一例(これに限定されるわけではない)である。図示するように、フランジ104は、X軸の方向、あるいはよこ(F)方向に平らのまま、あるいはほぼ平らのままである。図に示す形状あるいは配列は、Y軸方向の繊維あるいはたて(W)繊維103であり、ほぼ90°に折り曲がるか湾曲している。そのように、たて(W)繊維103は、初めはY軸方向に向いているが、折り曲げによって、Z軸方向に向いた配列に変わる。
【0034】
図3は、その分野で知られているように、曲げるに先立つ、在来のダーツを設けた3Dプリフォーム101を示す。ダーツ116は、一般に、脚102における裁断(カット)であり、自由端108から伸びてフランジ104の下側114で終わる。ダーツは、図3に示すように、ダーツを設けるべき各脚から三角形の部分を裁断することによって形成する。脚102から取り除く三角形の部分の第1の側は、脚の自由端108と一直線になっている。ダーツ116のさらなる2つの側は、三角形の第1の側の各端から、フランジ104の下側114に向かって伸びてその下側114で一点に集まる。
【0035】
その代わりに、ダーツは、脚102の自由端108から、フランジ104の下側114に向かって伸びてその下側114で終わる単一の裁断にすることができる。
【0036】
三角形のダーツを備える、ダーツを設けたプリフォーム101(図3)を図4に示すような形状に曲げると、取り除いた三角形の部分の角部、たとえば118(a)および108(b)、が結びつき、プリフォームのフランジ104を曲線状の形にする。隣接する対の角部、たとえば118a/118b,118c/118d,118e/118f(図3)、が同一面に集まり、図2に示すような脚102の内側面(106(a)および106(b))、ならびに外側面(107(a)および107(b))を滑らかにする。ある用途では、脚102の滑らかで平坦な面は不要である。そのような場合、単一の裁断(カット)ダーツを用いて、プリフォームを曲げるときカット端(縁)を重ねる。用途によっては、どちらか一方のタイプのダーツを多数用いることができる。
【0037】
用いるダーツの数あるいはタイプにかかわらず、プリフォームへの効果は普通同じである。脚102上、自由端108からフランジ104の下側114に向かって伸びる、いずれの裁断(カット)も、そのカットの長さ方向に沿う脚102のたて(W)繊維103のすべてを切断する。湾曲プリフォーム101の角部周りの主荷重を支える経路については、たて(W)繊維103が与えるため、たて(W)繊維103を切断することによって、荷重経路を妨げ、荷重を支える能力をひどく落とす。
【0038】
脚102のよこ(F)繊維105に平行でない裁断をすれば、1もしくは2以上のよこ(F)繊維105を切断することになるだろう。一般的に理解されるように、脚102における強化繊維あるいは糸を切断すれば、強化の連続性を破壊し、強化の有効性を減じる。特に、たて(W)繊維103を破壊すれば、プリフォームの強度を大きく落とす。
【0039】
図4に示すダーツを設けた湾曲プリフォーム101において、プリフォームを曲げるとき、脚102は曲率半径(曲げ)の内側、すなわち、脚側の凹みに位置する。ある場合には、ダーツを設けたプリフォーム(図示しない)の曲げの外側に脚が位置するようにすることが求められる。同様のダーツ形成は、3Dプリフォームが脚側に凸になった曲げを形作るために用いられる。脚が曲率半径(曲げ)の外側にあるとき、直線的な裁断を普通行う。一般に知られているように、プリフォームを曲げるとき、ダーツは上に開き、直線的な裁断から三角形の空間が形成される。
【0040】
多くの用途において、複雑な曲げをもつプリフォームを作ることが求められる。複雑な曲げは、長さ方向に沿って凹状および凸状の両方を含む。そのような場合、プリフォームは、長さ方向に沿うある領域において、脚側に凹、あるいは脚側に凸になる。したがって、脚102は、ある領域において、曲げの内側に位置し(たとえば、図4に示すように)、他の領域において、曲げの外側に位置する。
【0041】
曲げの方向性にかかわらず、あるいはまた、曲げが全くないとすれば、脚102におけるたて(W)およびよこ(F)の強化繊維103および105の連続性の中断あるいは破壊によって、プリフォームは弱くなる。なぜなら、プリフォームは、その強度の多くを強化繊維、特にたて(W)方向の繊維の連続性によって得るからである。切断あるいは中断したたて(W)方向の強化繊維103を伴うプリフォームをマトリックス材料で含浸しても、強度をほとんど改良することにはならない。なぜなら、プリフォームの強度は、マトリックス材料の強度に著しく頼るからである。
【0042】
ダーツを設けたプリフォーム101を強化するため、図5に示すように、そのプリフォーム101の脚102の一方あるいは両方に添えるように操り織りファブリック201を設ける。そして、改変したプリフォームに樹脂を含浸する。いわゆる当業者には明らかであるが、同じあるいは同様の操り織りファブリック201をダーツのないプリフォームに添えることにより、プリフォームの強度、剛性、あるいは他の強化特性を増す。
【0043】
操り織りファブリック201は、平らに織り、図5に示すようにファブリックの全体を互いに本質的に直角をなすたて(W)繊維あるいは糸203と、よこ(F)繊維あるいは糸205とから構成することができる。一般的に、ファブリックの平らな面212,213は間隔をおいて離れており、図6に示すファブリック201の厚さtを定める。厚さtは、また、2あるいは3以上の操り織りファブリックを組み合わせることにより得ることができるし、あるいは、単一の多層の操り織りファブリックを織り、それをファブリックの長さに沿って折ることにより得ることができる。どの場合でも、操り織りファブリック201の厚さtは、図2のdよりも大きくすべきでない。そのdは、脚102(a)と102(b)との間隔であり、クレビスのことを言う。図5は、操り織りファブリック201上、3つの場所に直角の同等のもの206がある。局部的なたて(W)繊維203とよこ(F)繊維205の方向性について、それらの互いおよびファブリック201自体に関して示す。有利なことに、図5に示すように、たて(W)繊維203は、曲げ周りに連続している。
【0044】
ある場合には、厚さtをクレビス幅、つまり、パイプリフォームの脚102間の間隔dよりも小さくし、脚間にファブリックを満たさずにある空間を残すようにする。たとえば、操り織りファブリックのほかに、クレビス内部に他の材料、部品あるいは構成要素を配置する上で有益である。他の材料、部品あるいは構成要素によって、プリフォームに対し機能性を加えることができるし、あるいはまた、ファブリックあるいはプリフォームでは容易には達しえない機械的あるいは物理的な特性を加えることができる。
【0045】
図9は、この発明による、他の実施例である操り織りファブリック214の断面図を表す。図6のように脚102(a)と102(b)との間のクレビスを平らな操り織りファブリック201で満たすというよりもむしろ、操り織りファブリック214においては、最初に平らに織り、その後長さに沿ってほぼU形の形状に折り、脚102間に差し込む。U形の形状において、ほぼ平らな面212を互いに接近するように折り、図9に示すようにそれらの面が互いにほぼ平行するようにする。図10は、U形の形状に折り、幅dのクレビスの中に挿入した操り織りファブリックを示す。一つの実施例(図示しない)において、操り織りファブリック214について、平らに織ってから、ほぼ平らな面212(あるいは213)の部分を折ることにより、傾斜角を0°〜180°に形成した。
【0046】
折った操り織りファブリック214は、クレビスを満たすか、実質的に満たす。それとは別に、折った操り織りファブリック214がクレビスを満たさずに、図9および10に示すように、折った脚216(a)および216(b)間に空間を残すようにすることができる。ある例では、折った操り織りファブリック214の脚216(a)あるいは216(b)の一方と、脚102(a)あるいは102(b)の内側面との間に空間を残すことが求められる。
【0047】
図解を容易にするため、図10の折った操り織りファブリック214では、閉じ端218がクレビスの閉じ側に隣接している。しかし、折った操り織りファブリック214について、そこに示すものを180°回転させてクレビス中に配置することもできる。そうすることによって、ファブリック214によってクレビスを満たすか、実質的に満たすように見せることができるが、クレビスは開放コアを維持する。
【0048】
操り織りファブリック201は、たて(W)繊維の方向に測った長さ、およびよこ(F)繊維の方向に測った幅をもつ。一般的に、ダーツを設けたプリフォーム101の脚102に添えるとき、操り織りファブリック201の長さは、たて(W)繊維の方向に測るとき、ダーツを設けたプリフォーム101の長さに合わせる。曲げあるいは湾曲した形状の場合、長さは直線の測定であるが、曲線状の領域における円弧の長さを含む。操り織りファブリック201の幅は、よこ(F)繊維の方向に測るが、強化すべき脚102の長さに合わせる。ある例の場合、ファブリック201の幅は、強化すべき脚の長さよりも小さいこともあるし、あるいは、大きいこともある。
【0049】
図に示すように、操り織りファブリック201には、図4のダーツを設けた湾曲プリフォームに合致させるため、本質的に90°の一つの曲げが備わっている。操り織りファブリック201は、内側の端208および外側の端210をもつ。図に示すように、外側の端210は、湾曲プリフォーム101のフランジ104の下側114が作る半径に合致する形である。同様に、内側の端208は、脚102の自由端108に合致する形であり、図4の湾曲プリフォーム101の曲がり部Rの内径を含む。
【0050】
湾曲プリフォーム101および操り織りファブリック201について、湾曲あるいは曲線状の部分を一つ、約90°の曲げで示すが、それは図を簡単にするためである。上に述べたように、プリフォームは、脚側に凹あるいは凸のいずれかにすることができるし、あるいはまた、湾曲プリフォーム101の長さに沿って凹および凸を組み合わせることができる。湾曲プリフォーム101は、図のような90°よりも大あるいは小の曲がりを構成することができる。また、操り織りファブリック201は、そのファブリックを添えるべき湾曲プリフォーム101の曲がりに合うように織る。
【0051】
操り織りファブリック201は、曲がり領域の内側端208の繊維を短く織り、しかも、その後に続く繊維を、曲がりあるいは湾曲のある部分的な領域における、ファブリック201の外側端210に向かって長く織ることによって作り出す。たとえば、操り織りファブリック201の内側の曲がりRにおける、最も内部のたて(W)繊維は、曲がりあるいは湾曲の角度の全体にわたって曲がりRの円弧長さに等しい長さである。最も内部の繊維から曲がりの外側に向かって距離xだけ離れた次の繊維は、曲がりあるいは湾曲の同じ角度の全体にわたって(R+x)の円弧長さに等しい長さになる。曲がりのない部分における、内側端および外側端に沿う繊維は、同じ長さになる。
【0052】
折った操り織りファブリック214は、たて(W)繊維あるいは糸と同様の方法で、つまり、図5の曲がりの内側端208で短く、曲がりの外側端210に近づくにつれて長く織ることにより作る。
【0053】
操り織りファブリックについては、たとえば、ファブリックの各端でテークアップ量を異ならせることができる差動テークアップ機構を備える織機で作り上げることができる。差動テークアップ機構によれば、曲がりと直線の部分の任意の組み合わせ(それによって、曲げのどのような形状にも近づけることができる)をもつファブリックを作り出すことができる。
【0054】
平易にするため、ここでは、2つの脚をもつパイプリフォームの強化について述べる。同じ操り織りファブリック201および方法を用いて、1つの脚あるいは2以上の脚をもつTプリフォームを強化することができる。湾曲プリフォーム101に合わせるように操り織りファブリック201を織った後、ファブリック201をプリフォームに添える。少なくとも2つの脚102をもつ、ダーツを設けた湾曲プリフォーム101の場合、操り織りファブリックは、一方あるいは両方の脚102に添える。ある場合には、操り織りファブリック201を一対の隣接する脚102間に添えることが求められる。そのような配置において、脚間の空間は、クレビスとして一般に知られる。図6は、そのような配置における操り織りファブリックの使用を示す。
【0055】
図6は、図2のそれと同様のパイプリフォームの断面図であり、隣接する脚102(a)と102(b)との間に配置した操り織りファブリック201を伴い、ほぼ平らな面212,213がその内側面106(a)および106(b)の少なくとも一方に接触している。その操り織りファブリックの厚さは、脚102の内側面106(a)と106(b)との間の間隔に等しい。このように脚102間に配置することにより、操り織りファブリック201は、この分野で良く知られた手段によって、脚の一方あるいは両方に添えるかあるいは添付する。たとえば、操り織りファブリック201は、縫うこと、針縫い、ステープル、接着剤、含浸、あるいは他の公知方法で、脚の一方あるいは両方に付ける。
【0056】
また別に、操り織りファブリックは、図7に示すように、ダーツを設けたプリフォームの外側面107(a)および107(b)の一方あるいは両方に添付することができる。操り織りファブリック201を脚102の外側面107に添付するとき、上に述べたものと同様の方法を用いることができる。
【0057】
同様に、ファブリック201をプリフォームの脚の一方あるいは両方の側に添えることにより、T型のプリフォームを強化するようにすることができる。図8に示すように、操り織りファブリック201は、T型のプリフォーム301に対し、プリフォームの脚102の一方の側面に添付する。その操り織りファブリックの添付については、公知の方法を用いる。
【0058】
ある場合の利点であるが、ダーツを設けたパイプリフォーム101について、隣接の脚102(a)と102(b)との間に操り織りファブリック201を配置する場合、プリフォームの脚の外側面に操り織りファブリックによる強化を行ったダーツプリフォームに比べて、より滑らかでより均一な外側面107を得ることができる。
【0059】
1もしくは2以上の操り織りファブリック201でひとたび強化し、ダーツを設けた湾曲プリフォーム101に操り織りファブリック201を適切に添付すると、プリフォーム101および操り織りファブリック201は、マトリックス材料(たとえば、樹脂)で含浸して良く知られるように単一の構造になる。マトリックス材料としては、たとえば、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミック、炭素および/またはその他の材料で、必要とする物理的、熱的、化学的および/または他の特性を示すものなど、いろいろな材料を広く適用することができる。続いて、いまや強化したプリフォームに硬化処理工程を通して、完成品の強化コンポジット構造を得る。良く知られているように、含浸によって、マトリックス材料は強化のためのたて(W)繊維203およびよこ(F)繊維205を包み、繊維間のすき間部分を満たす。ひとたび硬化すると、固体化したマトリックス材料が強化ダーツプリフォームの繊維103,105,203,205と非常に強い結合を形成し、その結果、パイあるいはT型のプリフォーム、操り織りファブリック強化材、ならびにプリフォームおよび操り織りファブリックに少なくとも部分的に含浸するマトリックス材料を含む三次元のコンポジット構造物を生む。結果的に、完成部品への応力は、繊維103,105,203,205に有効に移り、支持される。特に留意すべきことは、ダーツを設けた湾曲プリフォーム101の領域における荷重経路である。脚102におけるたて(W)繊維がダーツ処理で切断されるので、主な荷重運搬経路が弱体化している。脚102に操り織りファブリックを添付し、しかも、続いてマトリックス材料を含浸および硬化させることによって、機械的に改善された新しい荷重運搬経路ができる。プリフォームの脚102によって一般に運ばれる荷重は、湾曲あるいは曲がった領域中の操り織りファブリック201に進み、プリフォームのダーツ部分を有効に迂回する。したがって、荷重運搬能力は、曲がり領域において、回復し改善される。
【0060】
この発明の有利な点には、3Dプリフォームの強化技術を提供することを含む。特に、この発明は、単一の脚あるいは複数の脚にダーツを設け、プリフォームに曲がった配置を与えるとき、3Dプリフォームの単一の脚あるいは複数の脚を強化する。その強化は、3Dプリフォームと同じ曲がりパターンに織った操り織りファブリック、および少なくともプリフォームの曲がった部分全体に連続的な繊維があることによって与えられる。
【0061】
操り織りファブリック強化材は、繊維あるいは糸を織って構成することができる。繊維あるいは糸の材料として、たとえば、ガラス、炭素、セラミック、アラミド(たとえば、商品名「ケブラー」)、ポリエチレン、および/または、物理的、熱的、化学的および/またはその他の好ましい特性を示すその他の材料を挙げることができる。
【0062】
この発明の好ましい実施例および変形例について詳しく述べたが、この発明は、それらの実施例や変形例に限定されるわけではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載するこの発明の考え方の範囲内において、他の変形や修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
101 ダーツを設けたプリフォーム
102,102(a),102(b) 脚
103 たて(W)繊維あるいは糸
105 よこ(F)繊維あるいは糸
104 フランジ
107(a),107(b) 外側面
114 下側
201 操り織りファブリック
203 たて(W)繊維あるいは糸
205 よこ(F)繊維あるいは糸
208 内側端
210 外側端
212,213 平らな面
214 操り織りファブリック
216(a),216(b) 脚
301 T型プリフォーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのダーツ構成部分をもつ、三次元のパイ型あるいはT型のプリフォームの強化材であって、幅、長さ、ならびに、厚さによって分かれる第1の面表面および第2の面表面をもつ操り織りファブリックから構成され、その操り織りファブリックの前記第1の面表面を前記プリフォームのダーツ構成部分に添付する、強化材。
【請求項2】
前記操り織りファブリックは、織ったものである、請求項1の強化材。
【請求項3】
前記操り織りファブリックは、プログラム可能なテークアップ機構を用いて織ったものである、請求項1の強化材。
【請求項4】
前記第1の面表面および第2の面表面は、互いに平行である、請求項1の強化材。
【請求項5】
前記第1の面表面および第2の面表面は、平らである、請求項4の強化材。
【請求項6】
前記強化材の長さは、前記ダーツのあるプリフォームのたて糸方向に整列している、請求項1の強化材。
【請求項7】
前記操り織りファブリックは、ガラス、炭素、セラミック、アラミド、およびポリエチレンの中から選択する材料からなる繊維あるいは糸から織る、請求項1の強化材。
【請求項8】
請求項1の強化材を備える、三次元のパイ型あるいはT型のダーツのあるプリフォーム。
【請求項9】
前記操り織りファブリックおよびダーツ構成部分は、マトリックス材料で同時に含浸される、請求項8の強化したダーツのあるプリフォーム。
【請求項10】
前記マトリックス材料は、硬化される、請求項9の強化したダーツのあるプリフォーム。
【請求項11】
前記マトリックス材料は、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミック、および炭素の中から選択する、請求項9の強化したダーツのあるプリフォーム。
【請求項12】
三次元のパイ型あるいはT型のプリフォームを強化する方法であって、次の各工程を備える方法。
・前記三次元のパイ型あるいはT型のプリフォームにダーツを設ける工程
・ダーツを設けたプリフォームに適合する操り織りファブリック強化材を形成する工程
・前記操り織りファブリック強化材を、前記ダーツを設けたプリフォーム上、少なくともダーツのある領域に添える工程
【請求項13】
前記操り織りファブリック強化材は、プログラム可能なテークアップ機構を用いて織る、請求項12の方法。
【請求項14】
前記ダーツを設けたプリフォームおよび前記操り織りファブリック強化材を、マトリックス材料で同時に含浸させる工程をさらに備える、請求項12の方法。
【請求項15】
前記マトリックス材料は、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミック、および炭素の中から選択する、請求項14の方法。
【請求項16】
前記マトリックス材料を硬化する工程をさらに備える、請求項14の方法。
【請求項17】
前記操り織りファブリック強化材は、ガラス、炭素、セラミック、アラミド、およびポリエチレンの中から選択する材料からなる繊維あるいは糸から織る、請求項12の方法。
【請求項18】
次の各構成を備える、三次元のコンポジット構造物。
・少なくとも1つのダーツ構成部分をもつ、三次元のパイ型あるいはT型のプリフォーム
・幅、長さ、ならびに、厚さによって分かれる第1の面表面および第2の面表面をもつ操り織りファブリックであって、その操り織りファブリックの前記第1の面表面を前記プリフォームのダーツ構成部分に添付するもの
・前記プリフォームおよび前記操り織りファブリックの強化材を、少なくとも部分的に含浸するマトリックス材料
【請求項19】
前記操り織りファブリックは、プログラム可能なテークアップ機構を用いて織る、請求項18のコンポジット構造物。
【請求項20】
前記マトリックス材料は、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミック、および炭素の中から選択する、請求項18のコンポジット構造物。
【請求項21】
前記操り織りファブリックは、長さに沿って折る、請求項1の強化材。
【請求項22】
前記第2の面表面の第1部分と前記第2の面表面の第2部分とが、0°〜180°の傾斜角を形作る、請求項21の強化材。
【請求項23】
前記第2の面表面の第1部分は、前記第2の面表面の第2部分に平行である、請求項21の強化材。
【請求項24】
前記操り織りファブリックを前記ダーツを設けたプリフォームに添えるに先立ち、前記操り織りファブリックを長さに沿って折る工程をさらに備える、請求項12の方法。
【請求項25】
前記操り織りファブリックを長さに沿って折るに際し、前記第2の面表面の第1部分と前記第2の面表面の第2部分とが、0°〜180°の傾斜角を形作る、請求項18の三次元の構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−510740(P2013−510740A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538872(P2012−538872)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/055845
【国際公開番号】WO2011/059922
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(508135080)アルバニー エンジニアード コンポジッツ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】