説明

チャージポンプ型の昇圧回路及び昇圧方法

【課題】 昇圧動作開始時に入力電圧のレベル低下を招くことなく入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧することができるチャージポンプ型の昇圧回路及び昇圧方法を提供する。
【解決手段】 入力電圧を第1コンデンサに印加する充電手段と、昇圧動作開始からの第1所定期間内において入力電圧を第2コンデンサに印加しつつ入力電圧と第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を出力コンデンサに印加する2倍昇圧手段と、第1所定期間の終了後、入力電圧と第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を第2コンデンサに印加する工程と、第1コンデンサの両端電圧と第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を出力コンデンサに印加する工程とをその順番で繰り返す3倍昇圧手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧するチャージポンプ型の昇圧回路及び昇圧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、液晶パネルを駆動するために電源電圧より高い電圧が必要とされている。また、小型軽量化のために駆動回路を構成する半導体集積回路内に電源電圧を昇圧するチャージポンプ型の昇圧回路を備えることが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
図1は従来のチャージポンプ型の3倍昇圧回路の構成を示している。この従来の昇圧回路は、スイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bを半導体回路1内に備えている。スイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bはオンオフスイッチであり、そのオンオフが図示しないコントローラによって制御される。半導体集積回路1には外付け部品の接続端子としてA1〜A3,AC+,AC−,AGが設けられている。スイッチ素子SW1A,SW2B各々の一端が接続端子A1に接続され、スイッチ素子SW2A,SW3B各々の一端が接続端子A2に接続され、スイッチ素子SW3Aの一端が接続端子A3に接続されている。スイッチ素子SW1Bの一端はグランド端子である接続端子AGに接続されている。更に、スイッチ素子SW1A,SW2A,SW3A各々の他端が接続端子AC+に接続され、スイッチ素子SW1B,SW2B,SW3B各々の他端が接続端子AC−に接続されている。また、この昇圧回路は半導体集積回路1外の外付け部品として電荷蓄積のためのコンデンサCa,C1,C2,C3を含んでいる。ポンピング用コンデンサCaの一端は接続端子AC+に接続され、他端はAC−に接続される。コンデンサC1の一端は接続端子A1に接続され、コンデンサC2の一端は接続端子A2に接続され、コンデンサC3の一端は接続端子A3に接続される。コンデンサC1,C2,C3各々の他端は接続端子AGと共にグランド(Vss)に接続されている。以下の説明を容易にするためにグランドの電位Vssを0Vとする。
【0004】
かかる従来の3倍昇圧回路においては、入力電圧がコンデンサC1に印加される。この入力電圧をVL1とする。昇圧動作時には第1工程〜第4工程の各動作が繰り返される。第1工程〜第4工程各々の時間的長さは等しい。図2に示すように、最初の第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなる。次の第2工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW3A,SW3Bがオフとなり、スイッチ素子SW2A,SW2Bがオンとなる。第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなる。第4工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2Bがオフとなり、スイッチ素子SW3A,SW3Bがオンとなる。
【0005】
第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0006】
第2工程ではスイッチ素子SW2A,SW2B各々のオンにより入力電圧VL1とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC2に印加されるので、コンデンサC2が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL1+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVL1となる。コンデンサC2の接続端子A2の電圧VL2はVL1+VL1となる。
【0007】
第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0008】
第4工程ではスイッチ素子SW3A,SW3B各々のオンによりコンデンサC2の電圧VL2とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC3に印加されるので、コンデンサC3が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL2+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がコンデンサC2のVL2に等しくなる。よって、コンデンサC3の接続端子A3の電圧VL3はVL2+VL1、すなわち3VL1となる。
【0009】
第1工程〜第4工程の順に動作が繰り返されることにより接続端子A3の電圧VL3が3倍昇圧電圧3VL1となり、接続端子A2の電圧VL2が2倍昇圧電圧2VL1となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−64937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
かかる従来の昇圧回路においては、昇圧動作開始時には未充電にあるコンデンサC2,C3へ比較的大なる電流が一時的に流れ込みピーク電流が生じる。ところで、かかる従来の昇圧回路の入力電圧VL1は他の回路の電源電圧として用いられる。例えば、昇圧回路がSTN液晶表示用チップの駆動電圧発生回路として用いられる場合には、入力電圧VL1はその半導体チップ内のロジック回路や発振回路等の他の回路の電源電圧として用いられる。しかしながら、半導体チップではチップサイズ縮小のため電源電圧の入力端子はそれらの回路のために兼用されているので、昇圧回路の昇圧動作開始時に上記のコンデンサC2,C3へ流れるピーク電流の影響で、電圧VL1のレベルダウンが一時的発生して正常動作電圧以下となりチップ自体が誤動作を起こすという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明の目的は、昇圧動作開始時に入力電圧のレベル低下を招くことなく入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧することができるチャージポンプ型の昇圧回路及び昇圧方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の昇圧回路は、入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧するチャージポンプ型の昇圧回路であって、前記入力電圧を第1コンデンサに印加する充電手段と、昇圧動作開始からの第1所定期間内において前記入力電圧を第2コンデンサに印加しつつ前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を出力コンデンサに印加する2倍昇圧手段と、前記第1所定期間の終了後、前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する工程と、前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサに印加する工程とをその順番で繰り返す3倍昇圧手段と、を備えることを特徴としている。
【0014】
本発明の昇圧方法は、入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧する昇圧方法であって、昇圧動作開始からの第1所定期間内において前記入力電圧を第1コンデンサに印加しつつ前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を出力コンデンサに印加する一方、前記入力電圧を第2コンデンサに印加する2倍昇圧ステップと、前記第1所定期間の終了後、前記入力電圧を第1コンデンサに印加しつつ前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する第1印加工程と、前記入力電圧を第1コンデンサに印加しつつ前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサに印加する第2印加工程とをその順番で繰り返す3倍昇圧ステップと、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の昇圧回路及び方法によれば、昇圧動作開始からの第1所定期間内において出力コンデンサへの印加電圧は入力電圧の2倍の電圧となり、第1所定期間の終了後において出力コンデンサへの印加電圧は入力電圧の3倍の電圧となる。また、第1所定期間内において入力電圧が第2コンデンサに印加されて第2コンデンサの両端電圧は入力電圧に等しい電圧にされ、第1所定期間の終了後において第2コンデンサへの印加電圧は入力電圧の2倍の電圧となる。すなわち、第2コンデンサ及び出力コンデンサ各々の両端電圧は段階的に上昇する。よって、昇圧動作開始時に第2コンデンサ及び出力コンデンサ各々に流れ込むピーク電流を従来の昇圧回路よりも抑えることができ、これにより、入力電圧のレベル低下を招くことなく入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の3倍昇圧回路を示す回路図である。
【図2】図1の昇圧回路のスイッチ素子のオンオフ及びポンピング用コンデンサの端子電圧を示す図である。
【図3】本発明の実施例として3倍昇圧回路を示す回路図である。
【図4】図3の昇圧回路のスイッチ素子のオンオフ及びポンピング用コンデンサの端子電圧を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例として4倍昇圧回路を示す回路図である。
【図6】図5の昇圧回路のスイッチ素子のオンオフ及びポンピング用コンデンサの端子電圧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図3は本発明の実施例としてチャージポンプ型の3倍昇圧回路を示している。この昇圧回路は、図1の回路と同様に、スイッチ素子SW1A(第1スイッチ素子A),SW1B(第1スイッチ素子B),SW2A(第2スイッチ素子A),SW2B(第2スイッチ素子B),SW3A(第3スイッチ素子A),SW3B(第3スイッチ素子B)を半導体集積回路1内に備え、半導体集積回路1の外付け部品の接続端子A1〜A3,AC+,AC−,AGが設けられている。接続端子A1が非基準電位側入力端子であり、接続端子AGが基準電位側入力端子である。
【0019】
また、スイッチ素子SWC(第4スイッチ素子)が半導体集積回路1内に備えている。スイッチ素子SWCもオンオフスイッチである。スイッチ素子SWCの一端は接続端子A1に接続され、他端は接続端子A2に接続されている。また、スイッチ素子SWCは、スイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bと同様に図示しないコントローラによってオンオフ制御される。そのコントローラは図示しないクロック発生器から生成されるクロックに応じてスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SWC各々のオンオフの切り替えを行う。
【0020】
更に、半導体集積回路1外の外付け部品として電荷蓄積のためのコンデンサCa,C1,C2,C3が図1の回路と同様に接続される。ポンピング用のコンデンサCaが第1コンデンサ、コンデンサC1が入力コンデンサ、コンデンサC2が第2コンデンサ、コンデンサC3が出力コンデンサである。
【0021】
なお、その他の構成は図1の3倍昇圧回路の構成と同一であるので、ここでの説明は省略される。
【0022】
かかる本発明の3倍昇圧回路においては、図4に示すように、動作モードが2倍昇圧動作モードと3倍昇圧動作モードとに分けられる。3倍昇圧出力のためには、先ず、起動時には2倍昇圧動作モードが第1所定期間において行われ、その後、3倍昇圧動作モードに移行することが行われる。2倍昇圧動作モードではスイッチ素子SWCがオンとなり、3倍昇圧動作モードではスイッチ素子SWCがオフとなる。
【0023】
2倍昇圧動作モードでは図4に示すように第1工程(2倍昇圧用第1工程)及び第2工程(2倍昇圧用第2工程)の各動作が繰り返される。スイッチ素子SW2A,SW2Bは常時オフである。スイッチ素子SWCが上記のように常時オンとなる。第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW3A,SW3Bがオフとなる。次の第2工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオフとなり、スイッチ素子SW3A,SW3Bがオンとなる。
【0024】
第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCa及びコンデンサC2に印加されるので、コンデンサCa,C2が充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0025】
第2工程ではスイッチ素子SW3A,SW3B各々のオンによりコンデンサCaの電圧VL1と入力電圧VL1とが加算されてコンデンサC3に印加されるので、コンデンサC3が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL1+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVL1となる。コンデンサC3の接続端子A3の電圧VL3はVL1+VL1となる。
【0026】
第1工程及び第2工程の順に動作が第1所定期間に亘って繰り返されることにより接続端子A3の電圧VL3が2倍昇圧電圧2VL1となる。図4において第1所定期間は2倍昇圧用第1工程と2倍昇圧用第2工程との期間を1周期として4周期分に対応するが、これに限定されず、例えば、1周期分であっても良い。
【0027】
次に、3倍昇圧動作モードでは図4に示すように第1工程〜第4工程(3倍昇圧用第1工程〜3倍昇圧用第4工程)の各動作が繰り返される。スイッチ素子SWCが上記のように常時オフとなる。第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなる。次の第2工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW3A,SW3Bがオフとなり、スイッチ素子SW2A,SW2Bがオンとなる。第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなる。第4工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2Bがオフとなり、スイッチ素子SW3A,SW3Bがオンとなる。
【0028】
第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0029】
第2工程ではスイッチ素子SW2A,SW2B各々のオンにより入力電圧VL1とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC2に印加されるので、コンデンサC2が充電される。すなわち、コンデンサCaの電圧C+=VL1+VL1がコンデンサC2に印加され、接続端子AC−の電圧C−がVL1となる。3倍昇圧動作モードになった直後においてコンデンサC2は既に充電されており、接続端子A2の電圧はVL1であるので、第2工程においてコンデンサCaの電圧C+のコンデンサC2への印加によりコンデンサC2に流れ込む電流のピークは図1の従来回路に比べて抑えられる。
【0030】
第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0031】
第4工程ではスイッチ素子SW3A,SW3B各々のオンによりコンデンサC2の電圧VL2とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC3に印加されるので、コンデンサC3が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL2+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がコンデンサC2のVL2に等しくなる。3倍昇圧動作モードになった直後においてコンデンサC3は既に充電されており、接続端子A3の電圧は2VL1であるので、第4工程においてコンデンサCaの電圧C+のコンデンサC3への印加によりコンデンサC3に流れ込む電流のピークは図1の従来回路に比べて抑えられる。よって、コンデンサC3の接続端子A3の電圧VL3はVL2+VL1、すなわち3VL1となる。
【0032】
その後、3倍昇圧動作モードで第1工程〜第4工程の順に動作が繰り返されることにより接続端子A3の電圧VL3が3倍昇圧電圧3VL1となり、接続端子A2の電圧VL2が2倍昇圧電圧2VL1となる。
【0033】
かかる実施例の本発明の3倍昇圧回路によれば、昇圧動作開始からの第1所定期間内の2倍昇圧動作モードにおいてコンデンサC2が入力電圧VL1の印加によって充電されてコンデンサC2の両端電圧はVL1に等しくなり、第1所定期間の終了後の3倍昇圧用第2工程においてコンデンサC2への印加電圧は入力電圧VL1の2倍の電圧VL1+VL1となる。また、第1所定期間内の2倍昇圧用第2工程においてコンデンサC3への電圧VL1+VL1の印加によってコンデンサC3の両端電圧は入力電圧VL1の2倍の2VL1に等しくなり、第1所定期間の終了後の3倍昇圧用第4工程においてコンデンサC3への印加電圧は入力電圧の3倍の電圧3VL1に等しくなる。すなわち、コンデンサC2,C3各々の両端電圧は段階的に上昇する。よって、昇圧動作開始時にコンデンサC2,C3各々に流れ込むピーク電流を従来の昇圧回路よりも抑えることができ、これにより、入力電圧のレベル低下を招くことなく入力電圧を3倍電圧に昇圧することができる。
【0034】
図5は本発明の他の実施例としてチャージポンプ型の4倍昇圧回路を示している。この昇圧回路は、スイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SW4A,SW4B,SWC,SWDを半導体集積回路1内に備え、半導体集積回路1の外付け部品の接続端子A1〜A4,AC+,AC−,AGが設けられている。
【0035】
図3の3倍昇圧回路の構成に対してスイッチ素子SW4A,SW4B,SWDと接続端子A4とが追加されている。スイッチ素子SW4A,SW4B,SWD各々はオンオフスイッチである。
【0036】
スイッチ素子SW4Aの一端が接続端子A4に接続され、その他端が接続端子AC+に接続されている。スイッチ素子SW4Bの一端が接続端子A3に接続され、その他端が接続端子AC−に接続されている。スイッチ素子SWDの一端は接続端子A3に接続され、その他端は接続端子A4に接続されている。また、スイッチ素子SW4A,SW4B,SWDは、スイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SWCと同様に図示しないコントローラによってオンオフ制御される。そのコントローラは図示しないクロック発生器から生成されるクロックに応じてスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SW4A,SW4B,SWC,SWD各々のオンオフの切り替えを行う。
【0037】
接続端子A4とグランド(Vss)との間にコンデンサC4が接続される。
【0038】
なお、その他の構成は図3の3倍昇圧回路の構成と同一であるので、ここでの説明は省略される。
【0039】
かかる本発明の4倍昇圧回路においては、図6に示すように、動作モードが2倍昇圧動作モードと3倍昇圧動作モードと4倍昇圧動作モードとに分けられる。4倍昇圧出力のためには、先ず、起動時には2倍昇圧動作モードが第1所定期間に亘って行われ、その後、3倍昇圧動作モードが第2所定期間に亘って行われ、第2所定期間経過後、4倍昇圧動作モードに移行することが行われる。2倍昇圧動作モードではスイッチ素子SWC,SWDが共にオンとなり、3倍昇圧動作モードではスイッチ素子SWCがオフとなり、スイッチ素子SWDはオン状態を継続し、4倍昇圧動作モードではスイッチ素子SWC,SWDが共にオフとなる。
【0040】
2倍昇圧動作モードでは図6に示すように第1工程(2倍昇圧用第1工程)及び第2工程(2倍昇圧用第2工程)の各動作が繰り返される。スイッチ素子SW2A,SW2B,SW4A,SW4Bは常時オフである。スイッチ素子SWC,SWDが上記のように常時オンとなる。第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW3A,SW3Bがオフとなる。次の第2工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオフとなり、スイッチ素子SW3A,SW3Bがオンとなる。
【0041】
第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCa及びコンデンサC2に印加されるので、コンデンサCa,C2が充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0042】
第2工程ではスイッチ素子SW3A,SW3B各々のオンによりコンデンサCaの電圧VL1と入力電圧VL1とが加算されてコンデンサC3,C4に印加されるので、コンデンサC3,C4が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL1+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVL1となる。よって、コンデンサC3の接続端子A3の電圧VL3及びコンデンサC4の接続端子A4の電圧VL4はVL1+VL1となる。
【0043】
第1工程及び第2工程の順に動作が第1所定期間に亘って繰り返されることにより接続端子A3の電圧VL3及び接続端子A4の電圧VL4が2倍昇圧電圧2VL1となる。図6において第1所定期間は2倍昇圧用第1工程と2倍昇圧用第2工程との期間を1周期として4周期分に対応するが、これに限定されず、例えば、1周期分であっても良い。
【0044】
次に、3倍昇圧動作モードでは図6に示すように第1工程〜第4工程(3倍昇圧用第1工程〜3倍昇圧用第4工程)の各動作が繰り返される。スイッチ素子SW4A,SW4Bは常時オフである。また、スイッチ素子SWCが上記のように常時オフとなり、スイッチ素子SWDが常時オンとなる。第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなる。次の第2工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW3A,SW3Bがオフとなり、スイッチ素子SW2A,SW2Bがオンとなる。第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなる。第4工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2Bがオフとなり、スイッチ素子SW3A,SW3Bがオンとなる。
【0045】
第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0046】
第2工程ではスイッチ素子SW2A,SW2B各々のオンにより入力電圧VL1とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC2に印加されるので、コンデンサC2が充電される。すなわち、コンデンサCaの電圧C+=VL1+VL1がコンデンサC2に印加され、接続端子AC−の電圧C−がVL1となる。3倍昇圧動作モードになった直後においてコンデンサC2は既に充電されており、接続端子A2の電圧はVL1であるので、第2工程においてコンデンサCaの電圧C+のコンデンサC2への印加によりコンデンサC2に流れ込む電流のピークは図1の従来回路に比べて抑えられる。
【0047】
第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0048】
第4工程ではスイッチ素子SW3A,SW3B各々のオンによりコンデンサC2の電圧VL2とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC3,C4に印加されるので、コンデンサC3,C4が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL2+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がコンデンサC2のVL2に等しくなる。3倍昇圧動作モードになった直後においてコンデンサC3,C4は既に充電されており、接続端子A3,A4の電圧は2VL1である。第4工程においてコンデンサCaの電圧C+のコンデンサC3,C4への印加により、コンデンサC3の接続端子A3の電圧VL3及びコンデンサC4の接続端子A4の電圧VL4はVL2+VL1、すなわち3VL1に上昇する。
【0049】
その後、3倍昇圧動作モードで第1工程〜第4工程の順に動作が第2所定期間に亘って繰り返されることにより接続端子A3の電圧VL3及び接続端子A4の電圧VL4が3倍昇圧電圧3VL1となり、接続端子A2の電圧VL2が2倍昇圧電圧2VL1となる。図6において第2所定期間は3倍昇圧用第1工程〜第4工程との期間を1周期として2周期分に対応するが、これに限定されず、例えば、1周期分であっても良い。
【0050】
次いで、4倍昇圧動作モードでは図6に示すように第1工程〜第6工程(4倍昇圧用第1工程〜4倍昇圧用第6工程)の各動作が繰り返される。スイッチ素子SWC,SWDが常時オフとなる。第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SW4A,SW4Bがオフとなる。次の第2工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW3A,SW3B,SW4A,SW4Bがオフとなり、スイッチ素子SW2A,SW2Bがオンとなる。第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SW4A,SW4Bがオフとなる。第4工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW4A,SW4Bがオフとなり、スイッチ素子SW3A,SW3Bがオンとなる。第5工程ではスイッチ素子SW1A,SW1Bがオンとなり、そしてスイッチ素子SW2A,SW2B,SW3A,SW3B,SW4A,SW4Bがオフとなる。第6工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B,SW2A,SW2B,SW3A,SW3Bがオフとなり、スイッチ素子SW4A,SW4Bがオンとなる。
【0051】
第1工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0052】
第2工程ではスイッチ素子SW2A,SW2B各々のオンにより入力電圧VL1とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC2に印加されるので、コンデンサC2が充電される。すなわち、コンデンサCaの電圧C+=VL1+VL1がコンデンサC2に印加され、接続端子AC−の電圧C−がVL1となる。
【0053】
第3工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0054】
第4工程ではスイッチ素子SW3A,SW3B各々のオンによりコンデンサC2の電圧VL2とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC3に印加される。コンデンサCaの電圧C+がVL2+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がコンデンサC2のVL2に等しくなる。4倍昇圧動作モードになった直後においてコンデンサC3は既に充電されており、接続端子A3の電圧は3VL1である。第4工程においてコンデンサCaの電圧C+のコンデンサC3への印加により、コンデンサC3の接続端子A3の電圧VL3は3VL1のままとなる。
【0055】
第5工程ではスイッチ素子SW1A,SW1B各々のオンにより入力電圧VL1がコンデンサCaに印加されるので、コンデンサCaが充電され、コンデンサCaの接続端子AC+の電圧C+がVL1となり、接続端子AC−の電圧C−がVssとなる。
【0056】
第6工程ではスイッチ素子SW4A,SW4B各々のオンによりコンデンサC3の電圧VL3とコンデンサCaの電圧VL1とが加算されてコンデンサC4に印加されるので、コンデンサC4が充電される。コンデンサCaの電圧C+がVL3+VL1となり、接続端子AC−の電圧C−がコンデンサC3のVL3に等しくなる。4倍昇圧動作モードになった直後においてコンデンサC4は充電されており、接続端子A4の電圧は3VL1である。第6工程においてコンデンサCaの電圧C+のコンデンサC4への印加により、コンデンサC4の接続端子A4の電圧VL4は4倍昇圧電圧である4VL1に上昇する。
【0057】
その後、4倍昇圧動作モードで第1工程〜第6工程の順に動作が繰り返されることにより接続端子A4の電圧VL4が4倍昇圧電圧4VL1となり、接続端子A3の電圧VL3が3倍昇圧電圧3VL1となり、接続端子A2の電圧VL2が2倍昇圧電圧2VL1となる。
【0058】
かかる他の実施例の本発明の4倍昇圧回路によれば、昇圧動作開始からの第1所定期間内の2倍昇圧動作モードにおいてコンデンサC2が入力電圧VL1の印加によって充電されてコンデンサC2の両端電圧はVL1に等しくなり、第2所定期間内の3倍昇圧用第2工程においてコンデンサC2への印加電圧は入力電圧VL1の2倍の電圧VL1+VL1となる。また、第1所定期間内の2倍昇圧用第2工程においてコンデンサC3への電圧VL1+VL1の印加によってコンデンサC3の両端電圧は入力電圧VL1の2倍の2VL1に等しくなり、第2所定期間内の3倍昇圧用第4工程においてコンデンサC3への印加電圧は入力電圧の3倍の電圧3VL1に等しくなる。また、第1所定期間内の2倍昇圧用第2工程においてコンデンサC4への電圧VL1+VL1の印加によってコンデンサC4の両端電圧は入力電圧VL1の2倍の2VL1に等しくなり、第2所定期間内の3倍昇圧用第4工程においてコンデンサC4への印加電圧は入力電圧の3倍の電圧3VL1に等しくなり、第2所定期間後の4倍昇圧用第6工程においてコンデンサC4への印加電圧は入力電圧の4倍の電圧4VL1に等しくなる。すなわち、コンデンサC2,C3,C4各々の両端電圧は段階的に上昇する。よって、昇圧動作開始時にコンデンサC2,C3,C4各々に流れ込むピーク電流を従来の昇圧回路よりも抑えることができ、これにより、入力電圧のレベル低下を招くことなく入力電圧を3倍電圧に昇圧することができる。
【0059】
なお、上記した実施例においては、本発明を適用した3倍昇圧回路及び4倍昇圧回路を示したが、それらに限らず、本発明は入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧する昇圧回路に適用することができる。例えば、5倍昇圧回路の場合にも上記したように2倍昇圧動作モード、3倍昇圧動作モード、4倍昇圧動作モード、5倍昇圧動作モードの順に段階的に昇圧する構成にすれば良い。
【0060】
また、上記した各実施例においては、入力電圧が供給される接続端子A1と接続端子AGとの間にコンデンサC1が接続されているが、これは本発明において必須ではない。電源電圧である電圧VL1を供給する図示しない電源(バッテリを含む)の出力がそれらの接続端子A1,AGに接続されるだけでも良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧するチャージポンプ型の昇圧回路であって、
前記入力電圧を第1コンデンサに印加する充電手段と、
昇圧動作開始からの第1所定期間内において前記入力電圧を第2コンデンサに印加しつつ前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を出力コンデンサに印加する2倍昇圧手段と、
前記第1所定期間の終了後、前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する工程と、前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサに印加する工程とをその順番で繰り返す3倍昇圧手段と、を備えることを特徴とする昇圧回路。
【請求項2】
前記第1所定期間内においては、前記充電手段による前記入力電圧の前記第1コンデンサへの印加を実行する2倍昇圧用第1工程と、前記2倍昇圧手段による前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧の前記出力コンデンサへの印加を実行する2倍昇圧用第2工程とをその順番で繰り返し、前記2倍昇圧用第1工程及び前記2倍昇圧用第2工程に亘って前記2倍昇圧手段による前記入力電圧の前記第2コンデンサへの印加を実行し、
前記第1所定期間の終了後においては、前記充電手段による前記入力電圧の前記第1コンデンサへの印加を実行する3倍昇圧用第1工程と、前記3倍昇圧手段による前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する3倍昇圧用第2工程と、前記充電手段による前記入力電圧の前記第1コンデンサへの印加を実行する3倍昇圧用第3工程と、前記3倍昇圧手段による前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサに印加する3倍昇圧用第4工程とをその順番で繰り返すことを特徴とする請求項1記載の昇圧回路。
【請求項3】
一端が前記入力電圧の非基準電位側入力端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの一方の端子に接続され、前記2倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第1工程及び前記3倍昇圧用第3工程でオンとなり、前記2倍昇圧用第2工程、前記3倍昇圧用第2工程及び前記3倍昇圧用第4工程でオフとなる第1スイッチ素子Aと、
一端が前記入力電圧の基準電位側入力端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの他方の端子に接続され、前記2倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第1工程及び前記3倍昇圧用第3工程でオンとなり、前記2倍昇圧用第2工程、前記3倍昇圧用第2工程及び前記3倍昇圧用第4工程でオフとなる第1スイッチ素子Bと、
一端が前記第2コンデンサの一方の端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの一方の端子に接続され、前記3倍昇圧用第2工程でオンとなり、前記第1所定期間、前記3倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第3程及び前記3倍昇圧用第4工程でオフとなる第2スイッチ素子Aと、
一端が前記入力電圧の非基準電位側入力端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの他方の端子に接続され、前記3倍昇圧用第2工程でオンとなり、前記第1所定期間、前記3倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第3程及び前記3倍昇圧用第4工程でオフとなる第2スイッチ素子Bと、
一端が前記第出力コンデンサの一方の端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの一方の端子に接続され、前記2倍昇圧用第2工程及び前記3倍昇圧用第4工程でオンとなり、前記2倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第2程及び前記3倍昇圧用第3工程でオフとなる第3スイッチ素子Aと、
一端が前記第2コンデンサの一方の端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの他方の端子に接続され、前記2倍昇圧用第2工程及び前記3倍昇圧用第4工程でオンとなり、前記2倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第1工程、前記3倍昇圧用第2程及び前記3倍昇圧用第3工程でオフとなる第3スイッチ素子Bと、
一端が前記入力電圧の非基準電位側入力端子に接続され、他端が前記第2コンデンサの一方の入力端子に接続され、前記第1所定期間にオンとなり、前記第1所定期間の終了後にオフとなる第4スイッチ素子と、を備え、
前記充電手段は、前記第1スイッチ素子A及び前記第1スイッチ素子Bによって構成され、
前記2倍昇圧手段は、前記第3スイッチ素子A、前記第3スイッチ素子B及び第4スイッチ素子によって構成され、
前記3倍昇圧手段は、前記第2スイッチ素子A、前記第2スイッチ素子B、前記第3スイッチ素子A及び前記第3スイッチ素子Bによって構成されることを特徴とする請求項2記載の昇圧回路。
【請求項4】
前記第1スイッチ素子A、前記第1スイッチ素子B、前記第2スイッチ素子A、前記第2スイッチ素子B、前記第3スイッチ素子A、前記第3スイッチ素子B及び第4スイッチ素子はオンオフの切り替えをクロックに応じて行うことを特徴とする請求項3記載の昇圧回路。
【請求項5】
前記第1スイッチ素子A、前記第1スイッチ素子B、前記第2スイッチ素子A、前記第2スイッチ素子B、前記第3スイッチ素子A、前記第3スイッチ素子B及び第4スイッチ素子は半導体集積回路内に形成され、前記第1コンデンサ、前記第2コンデンサ及び前記出力コンデンサは前記半導体集積回路に外部接続されることを特徴とする請求項3記載の昇圧回路。
【請求項6】
前記入力電圧が常時印加される入力コンデンサが前記非基準電位側入力端子と前記基準電位側入力端子との間に設けられていることを特徴とする請求項3記載の昇圧回路。
【請求項7】
前記3倍昇圧手段は、前記第1所定期間の終了時からの第2所定期間内において、前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する工程と、前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサ及び第3コンデンサに印加する工程とをその順番で繰り返し、
前記第2所定期間の終了後、前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する工程と、前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第3コンデンサに印加する工程と、前記第1コンデンサの両端電圧と前記第3コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサに印加する工程と、をその順番で繰り返す4倍昇圧手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の昇圧回路。
【請求項8】
入力電圧を3以上の整数倍の電圧に昇圧する昇圧方法であって、
昇圧動作開始からの第1所定期間内において前記入力電圧を第1コンデンサに印加しつつ前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を出力コンデンサに印加する一方、前記入力電圧を第2コンデンサに印加する2倍昇圧ステップと、
前記第1所定期間の終了後、前記入力電圧を第1コンデンサに印加しつつ前記入力電圧と前記第1コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記第2コンデンサに印加する第1印加工程と、前記入力電圧を第1コンデンサに印加しつつ前記第1コンデンサの両端電圧と前記第2コンデンサの両端電圧との加算電圧を前記出力コンデンサに印加する第2印加工程とをその順番で繰り返す3倍昇圧ステップと、を備えることを特徴とする昇圧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−223824(P2011−223824A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92993(P2010−92993)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】