説明

チロシナーゼ阻害剤として使用される新規の4−フェニルイミダゾール−2−チオン、その調製方法ならびにヒトの医学および化粧品学におけるその使用

チロシナーゼ阻害剤としての新規の4-フェニルイミダゾール-2-チオン、その調製方法ならびにヒトの医学および化粧品におけるその使用。本発明は、以下の一般式(I)に対応する新規な4-フェニルイミダゾール-2-チオン化合物、それらを含む組成物、その調製方法および色素障害の治療または予防を目的とした医薬組成物または化粧品組成物でのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業上の有用な生成物としての新規な4-フェニルイミダゾール-2-チオン化合物に関する。本発明はまた、その調製方法、および色素障害の治療または予防を目的とした医薬組成物または化粧品組成物における、チロシナーゼ阻害剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚、特にヒトの皮膚の色素沈着は、樹状細胞であるメラニン細胞によるメラニンの合成によって生じる。メラニン細胞は、メラノソームとして知られる細胞小器官を含み、これはメラニンを角化細胞の上層に移動させ、その後角化細胞は表皮の分化によって皮膚の表面に輸送される。
【0003】
メラニン形成酵素の中で、チロシナーゼは、メラニン合成の最初の2つの段階を触媒する重要な酵素である。チロシナーゼの突然変異のホモ接合によって、メラニンの合成が全く存在しないことを特徴とする眼皮膚白皮症I型になる。
【0004】
メラニン産生の増加によって生じる色素沈着の障害を治療するために、新規な治療法を開発することが重要であることは証明されているが、それに対して患者および皮膚科医のすべての期待に応える治療は存在しない。
【0005】
既知の皮膚美白化合物の大部分は、フェノール/カテコールである。これらの化合物はチロシナーゼを阻害するが、その大部分は、メラニン細胞に対して細胞毒性であり、これは、酸化現象の結果、その毒性の原因となるキノンの形成をもたらすことによって生じる。この毒性作用は皮膚の永続的な脱色素をもたらす恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4 798 843号
【特許文献2】WO第2006019962号
【特許文献3】欧州特許第131 973号
【特許文献4】特開平05-132422
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】S. Maeda、M. Suzuki、T. Iwasaki、K. Matsumoto and Y. Iwazawa、Chem. Pharm. Bull.、1984、32、7、2536-2543
【非特許文献2】M. Mor、F. Bordi、C. Silva、S. Rivara、P. Crivori、P.V. Plazzi、V. Ballabeni、A. Caretta、E. Barocelli、M. Impicciatore、P.-A. Carrupt and B. Testa、J. Med. Chem.、1997、40、2471-2578
【非特許文献3】W.D. Langley、Org. Synth. I、122. (1932)
【非特許文献4】Chandrasekhar S. and Sridhar M.、Tetrahedron Lett.、2000、41 (28)、5423-5425
【非特許文献5】Akagane K. and Allan G.G.、Chem. Ind. (London)、1974、38
【非特許文献6】Mloston G.、Gendek T. and Heimgartner H.、Helv. Chim. Acta、1998、81 (9)、1585-1595
【非特許文献7】Mattingly P.G. and Miller M.J.、J. Org. Chem.、1980、45 (3)、410
【非特許文献8】Yinglin H. and Hongwen H.、Synthesis、1990、615
【非特許文献9】Ying-Lin H. and Hong-Wen H.H.、Tetrahedron Lett.、1989、30、5285
【非特許文献10】Mor M., Bordi F., Silva C., Rivara S., Crivori P., Plazzi P.V., Ballabeni V., Caretta A., Barocelli E., Impicciatore M., Carrupt P.-A. and Testa B., J. Med. Chem., 1997, 40 (16), 2571-2578
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実際、本出願人の会社は現在、予想外にかつ驚くべきことに、4-フェニルイミダゾール-2-チオン構造を有する新規な化合物が、酵素チロシナーゼに対する非常に優れた阻害活性を有し、非常に低い細胞毒性を示すことを発見している。
【0009】
これらの化合物は、ヒトの医学、特に皮膚科学、および化粧品の分野に応用される。
【0010】
既知のイミダゾール-2-チオン誘導体のうち、いくつかは抗炎症活性を有すると記載されている(S. Maeda、M. Suzuki、T. Iwasaki、K. Matsumoto and Y. Iwazawa、Chem. Pharm. Bull.、1984、32、7、2536-2543)。
【0011】
他のものは、米国特許第4 798 843号でドーパミン‐β‐ヒドロキシラーゼの阻害剤であることが報告されている。この特許に記載された化合物は、胃潰瘍の予防において有効である。
【0012】
他のイミダゾール-2-チオンは、H3受容体拮抗薬の合成における反応中間体としても記載されている(M. Mor、F. Bordi、C. Silva、S. Rivara、P. Crivori、P.V. Plazzi、V. Ballabeni、A. Caretta、E. Barocelli、M. Impicciatore、P.-A. Carrupt and B. Testa、J. Med. Chem.、1997、40、2471-2578)。
【0013】
さらに他のものは、TLRおよびTNR-αの調節剤として、WO第2006019962号に記載されている。この特許では、特許請求された化合物は、IBD(炎症性腸疾患)および胃腸疾患を治療するのに用いられる。
【0014】
欧州特許第131 973号はまた、潰瘍の治療に有用な胃酸分泌抑制剤としての、イミダゾール-2-チオンから誘導されるいくつかの化合物の使用を教示している。
【0015】
特開平05-132422は、チロシナーゼ阻害剤としてのいくつかのイミダゾール-2-チオンの使用を開示している。しかし、4位がアリールで置換されたイミダゾール-2-チオン誘導体は、この文献には記載されていない。4-アリールイミダゾール-2-チオン構造を有する化合物について、チロシナーゼに対する阻害活性は示されていない。実際、本出願人の会社は、予想外にかつ驚くべきことに、本発明の対象である4-フェニルイミダゾール-2-チオン構造を有するいくつかの化合物が、チロシナーゼに対し特開平05-132422の化合物よりも優れた阻害活性を示すことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明は以下の一般式(I)
【0017】
【化1】

【0018】
[式中、
a)R2=Hの場合、R1は、
‐イソプロピル、n-プロピルおよびtert-ブチルを除く、C2〜C7アルキル基、
‐ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルまたはN-メチルピペラジニル基、
‐カルボキシル、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、または
‐n-ブトキシを除く、C2〜C6アルコキシ
を表し、
b)R1=Hの場合、R2は、
‐C1〜C7アルキル基、
‐トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシまたはシアノ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、
‐n-プロポキシを除く、C1〜C6アルコキシ
を表し、
c)R2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、または5もしくは6員の炭化水素環を形成可能であり、1もしくは2個の炭素原子が1もしくは2個の酸素原子で任意に置換され得ることが理解される]
で表される化合物、およびその塩および互変異性型に関する。
【0019】
より格別には、本発明はR2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、または1もしくは2個の炭素原子が1または2個の酸素原子で任意に置換され得る5または6員の炭化水素環を形成可能である、上記で定義した一般式(I)の化合物に関する。
【0020】
より格別には、本発明は、R2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、または5もしくは6員の炭化水素環を形成可能であることを特徴とする、上記で定義した化合物に関する。
【0021】
本発明はまた、上記で定義した式(I)の化合物、その塩またはその互変異性型を色素沈着過剰性障害の治療または予防を目的とした医薬組成物の調製において使用することに関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】一般式(I)の化合物を調製するための一般的な反応式である。
【図2】一般式(I)の化合物を調製するための一般的な反応式である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
互変異性型は、以下のように表すことができる。
【0024】
【化2】

【0025】
一般式(I)の化合物の医薬として許容される酸との付加塩のうち、有機酸または無機酸との塩が好ましくは挙げられ得る。
【0026】
適当な無機酸は、たとえば、塩酸や臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、または硝酸である。
【0027】
適当な有機酸は、たとえば、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、またはトリフルオロメタンスルホン酸である。
【0028】
一般式(I)の化合物は、水との水和物または溶媒との溶媒和物の形でも存在できる。
【0029】
溶媒和物または水和物を形成する適当な溶媒は、たとえば、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール、または水である。
【0030】
本発明においては、C3〜C7シクロアルキルは3〜7個の炭素原子を含む飽和の環式炭化水素を意味する。好ましくは、C3〜C7シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基から選択される。
【0031】
本発明においては、C1〜C7アルキルは1〜7個の炭素原子を含む、飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素鎖を意味する。好ましくは、C1〜C7アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチル基から選択される。
【0032】
本発明においては、C2〜C7アルキルは2〜7個の炭素原子を含む、飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素鎖を意味する。好ましくは、C2〜C7アルキル基は、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチル基から選択される。
【0033】
本発明においては、C4〜C9シクロアルキルアルキルはシクロアルキル基で置換され、4〜9個の炭素原子を含む、飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素鎖を意味する。好ましくは、C4〜C9シクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルエチル基から選択される。
【0034】
本発明においては、(C1〜C4アルコキシ)カルボニルは、1〜4個の炭素原子を含む飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素鎖で置換されたカルボキシル基を意味する。好ましくは、(C1〜C4アルコキシ)カルボニル基は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルおよびブトキシカルボニル基から選択される。
【0035】
本発明においては、C2〜C6アルコキシは2〜6個の炭素原子を含む飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素鎖で置換された酸素原子を意味する。好ましくは、C2〜C6アルコキシ基は、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ基から選択される。
【0036】
本発明においては、C1〜C6アルコキシは1〜6個の炭素原子を含む飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素鎖で置換された酸素原子を意味する。好ましくは、C1〜C6アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ基から選択される。
【0037】
本発明においては、特に好ましい一般式(I)の化合物では、
‐R2が水素を表し、
‐R1が、イソプロピル、n-プロピルおよびt-ブチルを除くC2〜C7アルキル基、またはC3〜C7シクロアルキル基またはC4〜C9シクロアルキルアルキル基を表す。
【0038】
本発明においては、より格別に好ましい一般式(I)の化合物では、
‐R1が水素を表し、
‐R2が、C1〜C7アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、またはC4〜C9シクロアルキルアルキル基を表す。
【0039】
本発明の範囲内の式(I)の化合物のうち、以下の化合物が特に挙げられて良い。
‐4-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-カルボキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-カルボキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-シクロヘキシルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-(N-モルホリン-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐メチル4-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾアート
‐4-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-ブトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(2-メチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(2-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-メチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐3-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾニトリル
‐4-(4-イソブチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-エチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-エチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3,4-ジメチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-シクロペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-シクロペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-シクロヘキシルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(5,6,7,8-テトラヒドロナフト-2-イル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオン
‐4-(インダン-5-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-[4-(テトラヒドロピラン-4-イル)フェニル]-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-[3-(テトラヒドロピラン-4-イル)フェニル]-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3,4-ジエチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3-エチル-4-イソプロピルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(4-エチル-3-イソブチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
‐4-(3,4-ジエチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩。
【0040】
一般式(I)の化合物は、図1および図2に示した一般的な反応式に従って調製される。
【0041】
図1の反応式(方法A、ステージa)を用いることによって、市販のまたは従来の合成方法(W.D. Langley、Org. Synth. I、122. (1932))に従って調製される一般式(1)
【0042】
【化3】

【0043】
のα-ブロモケトンを、たとえば、ピリジンN-オキシドなどの酸化剤と反応させて、対応する中間体であるグリオキサールをもたらす(Chandrasekhar S. and Sridhar M.、Tetrahedron Lett.、2000、41 (28)、5423-5425)。ホルムアルデヒドおよびヒドロキシルアミンを用いた環化反応を、酸性媒体中で粗反応生成物に実施して、一般式(2)
【0044】
【化4】

【0045】
の化合物を得る(Akagane K. and Allan G.G.、Chem. Ind. (London)、1974、38)。
【0046】
一般式(2)の化合物は、たとえば、チオアダマンタノンと反応して(ステージb)、一般式(3)
【0047】
【化5】

【0048】
の化合物をもたらし得る(Mloston G.、Gendek T. and Heimgartner H.、Helv. Chim. Acta、1998、81 (9)、1585-1595)。
【0049】
一般式(I)の化合物は、一般式(3)の化合物から、たとえば、塩化チタン(III)溶液で還元して得られる(Mattingly P.G. and Miller M.J.、J. Org. Chem.、1980、45 (3)、410)。
【0050】
図2の反応式(方法B:ステージa)を用いることによって、一般式(1)
【0051】
【化6】

【0052】
のα-ブロモケトンを、アセトニトリル中で、たとえばジホルミルアミドナトリウムと反応させて(Yinglin H. and Hongwen H.、Synthesis、1990、615)、たとえば塩酸で粗反応生成物を加水分解した後(Ying-Lin H. and Hong-Wen H.H.、Tetrahedron Lett.、1989、30、5285)、一般式(4)
【0053】
【化7】

【0054】
のアシルアミン塩酸塩を得る。
【0055】
一般式(4)の化合物をチオシアン酸カリウムを用いて環化反応(ステージb)させると、一般式(I)のイミダゾール-2-チオンを得ることができる(Mor M.、Bordi F.、Silva C.、Rivara S.、Crivori P.、Plazzi P.V.、Ballabeni V.、Caretta A.、Barocelli E.、Impicciatore M.、Carrupt P.-A. and Testa B.、J. Med. Chem.、1997、40 (16)、2571-2578)。
【0056】
有利なことに、本発明の化合物は、チロシナーゼに関して10μM以下の、より格別には、1μM以下のIC50(酵素活性の50%を阻害する用量)の値を示す。
【0057】
したがって、本発明は、前記化合物がチロシナーゼ-阻害活性を有する医薬または化粧品組成物の調製における、上記で定義した少なくとも1種の一般式(I)の化合物の使用を目標としている。
【0058】
本発明はまた、色素障害の治療および/または予防におけるその使用のための、式(I)の化合物から選択された生成物に関する。
【0059】
本発明はまた、前記化合物を含む医薬または化粧品組成物を、チロシナーゼ阻害剤として投与することを含む、治療上または美容上の処置方法に関する。
【0060】
本発明はまた、色素障害、特に色素沈着過剰性障害の治療を目的とした医薬品の調製における、上記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0061】
これは、本発明に従って使用される化合物が色素障害、例えば黒皮症、褐色斑、黒子、老人性黒子、光老化に関係する不規則な色素沈着過剰、そばかす、擦過傷および/または熱傷および/または瘢痕および/または皮膚病および/または接触アレルギーによる炎症後の色素沈着過剰;母斑、遺伝的に決定される色素沈着過剰、代謝性または薬物に起因する色素沈着過剰、黒色腫、または何れか他の色素沈着過剰性病変、の治療および/または予防に特に適しているためである。
【0062】
本発明の他の対象は、特に前述の状態の治療を目的とした、前記組成物のために選択された投与方法に適合する医薬として許容される賦形剤中に、その互変異性型の1つまたは医薬として許容される酸とのその塩の1つである少なくとも1種の一般式(I)の化合物を含む医薬組成物である。
【0063】
医薬として許容される賦形剤は、皮膚、粘膜および表面上の身体増殖に適合する媒体を意味するものと理解される。
【0064】
本発明による組成物は、局所に投与できる。好ましくは、医薬組成物は、局所適用に適した形態で包装される。局所は、皮膚または粘膜への投与を意味するものと理解される。
【0065】
本発明による医薬組成物は局所、より格別には皮膚および粘膜の治療を目的とし、液体、ペースト状または固体の形で、より格別には、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、軟膏、散剤、含浸パッド、合成洗剤、液剤、ゲル剤、スプレー剤、発泡体、懸濁剤、スチック剤、シャンプーまたは洗浄基剤の形で提供できる。これはまた、制御放出を可能にする、ミクロスフェアもしくはナノスフェアの懸濁剤または脂質もしくはポリマーベシクルまたはポリマーもしくはゲル状のパッチの形でも提供できる。
【0066】
局所適用に使用する組成物は、本発明による化合物の濃度が、その組成物の全重量に対して、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0067】
本発明による一般式(I)の化合物はまた、特に太陽の有害な側面から保護する上で、皮膚の光誘導性のまたは経時的な老化および表面上の身体増殖を予防および/または抑制するための、化粧品分野での適用が見出されている。
【0068】
したがって、本発明の他の対象は、化粧品として許容される賦形剤中に少なくとも1種の一般式(I)の化合物を含む、化粧品組成物である。化粧品として許容される賦形剤は、皮膚、粘膜および表面上の身体増殖に適合する媒体を意味するものと理解される。
【0069】
本発明の他の対象は、皮膚の老化の徴候を予防および/または治療するための、式(I)の化合物または少なくとも1種の一般式(I)の化合物を含む組成物の美容的使用である。
【0070】
本発明の他の対象は、身体または毛髪の衛生のための、式(I)の化合物または少なくとも1種の一般式(I)の化合物を含む組成物の美容的使用である。
【0071】
化粧品として許容される媒体中に、一般式(I)の化合物またはその互変異性型の1つまたは医薬として許容される酸とのその塩の1つを含む、本発明による化粧品組成物は、特に、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、ミクロスフェアまたはナノスフェアまたは脂質もしくは高分子ベシクルの懸濁剤、含浸パッド、液剤、スプレー剤、発泡体、スチック剤、石けん、洗浄基剤またはシャンプーの形で提供できる。
【0072】
化粧品組成物中の一般式(I)の化合物の濃度は、その組成物の全重量に対して、好ましくは0.001〜3重量%である。
【0073】
上記の医薬および化粧品組成物はさらに不活性の添加剤、または医薬組成物に関しては薬力学的に活性な添加剤でさえも、もしくはこれらの添加剤の組み合わせを含んでよく、特にそれらは、
‐湿潤剤;
‐調味剤;
‐パラ-ヒドロキシ安息香酸エステルなどの保存剤;
‐安定化剤;
‐水分調整剤;
‐pH調整剤;
‐浸透圧調節剤;
‐乳化剤;
‐UV-AおよびUV-B遮断剤;
‐酸化防止剤、例えばα-トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソールまたはブチル化ヒドロキシトルエン、スーパーオキシドジスムターゼまたはユビキノール;
‐皮膚軟化剤;
‐保湿剤、例えばグリセロール、PEG400、チアモルホリノンおよびその誘導体、または尿素;
‐抗脂漏剤または抗ざ瘡剤、例えばS-カルボキシメチルシステイン、S-ベンジルシステアミン、その塩または誘導体、または過酸化ベンゾイルである。
【0074】
言うまでもなく、本発明に本質的に付随する有利な特性が、想定される添加により有害な影響を受けないように、または実質的に受けないように、当業者はこれらの組成物に添加されるための1種または複数の任意の化合物の選択に注意を払うであろう。
【0075】
以下に、本発明による一般式(I)の化合物の調製のいくつかの例、これらの化合物およびかかる化合物に基づく様々な配合物の生物活性の結果を、例示的に、制限する性質ではなく、示す。
【実施例】
【0076】
方法A。
【0077】
実施例1:4-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法A)
3-オキシ-(4,5)-(4-ペンチルフェニル)イミダゾール-1-オール
ピリジンN-オキシド7g(74mmol、2eq)を、0℃で、市販用の2-ブロモ-1-(4-ペンチルフェニル)エタノン10g(37mmol、1eq)のメタノール100ml中の溶液に加える。反応混合物を常温で48時間攪拌する。37%ホルムアルデヒド溶液4.2ml(55.5mmol、1.5eq)を加え、ヒドロキシルアミン塩酸塩5.6gの水12ml中の溶液も加える。濃塩酸4mlを滴下し、次いで、反応混合物を常温で48時間攪拌する。次いで、反応混合物を、水酸化ナトリウム溶液で中和する(pH=5)。形成された沈殿物をろ過し、次いで、ジエチルエーテルですすぐ。3-オキシ-(4,5)-(4-ペンチルフェニル)イミダゾール-1-オール6.4gをベージュ色の粉末の形で得る。
収率=70%。
1H NMR (d6-DMSO, D2O 1滴, 400MHz): 0.86 (t, 3H, J = 7Hz, CH3); 1.30 (m, 4H, CH2); 1.60 (m, 2H, CH2); 2.63 (t, 2H, J = 7Hz, CH2); 7.33 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.70 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 8.13 (s, 1H, CH); 9.78 (s, 1H, CH)。
【0078】
1-ヒドロキシ-(4,5)-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
チオアダマンタノン2g(12.1mmol、1.5eq)のジクロロメタン4ml中の懸濁液を、常温で、3-オキシ-(4,5)-(4-ペンチルフェニル)イミダゾール-1-オール2g(8.1mmol、1eq)のメタノール20ml中の懸濁液に加える。反応混合物を、常温で18時間攪拌する。形成された沈殿物をろ過し、次いで、ろ液を蒸発させる。得られた固形物をヘプタン/エタノール混合物から再結晶化する。2つの1-ヒドロキシ-(4,5)-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン異性体を含む、白色粉末1.1gを収集する。
収率=53%
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 0.83 (t, 3H, J = 7Hz, CH3); 1.30 (m, 4H, CH2); 1.57 (m, 2H, CH2); 2.55 (t, 2H, J = 7Hz, CH2); 7.13 + 7.71 (2s, 1H, CH); 7.19 + 7.23 (2d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.55 + 7.58 (2d, 2H, J = 8Hz, ArH); 11.5 + 11.7 (2s, 1H, OH); 12.3 + 12.6 (2s, 1H, NH)。
【0079】
4-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
2N塩酸中の30%の三塩化チタンの溶液2.7ml(7.18mmol、2eq)を、常温で、メタノール50ml中の前述の混合物0.9gに加える。反応媒体を常温で16時間攪拌する。混合物を、2N水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、次いで、酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。4-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン450mgを得る。
収率=53%
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 0.83 (t, 3H, J = 7Hz, CH3); 1.30 (m, 4H, CH2); 1.57 (m, 2H, CH2); 2.55 (t, 2H, J = 7Hz, CH2); 7.19 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.33 (s, 1H, CH); 7.57 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 17.6、25.6、34.1、34.5、38.4、115.2、127.5、129.5、132.3、132.8、145.2、165.0
【0080】
実施例1と同じように、以下の化合物が得られた。
【0081】
実施例2:4-(3-カルボキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法A)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 7.51 (m, 2H, CH & ArH); 7.80 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.91 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 8.26 (s, 1H, ArH); 12.2 (s, 1H, NH); 12.7 (s, 1H, NH); 13.2 (s, 1H, COOH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 116.8、128.4、131.6、131.7、131.8、132.4、132.8、135.2、165.6、170.7。
【0082】
実施例3:4-(4-カルボキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法A)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 7.60 (s, 1H, CH); 7.80 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.95 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.3 (s, 1H, NH); 12.7 (s, 1H, NH); 13.0 (s, 1H, COOH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 118.0、127.3、131.76、132.6、133.5、136.0、166.1、170.5。
【0083】
実施例4:4-(4-シクロヘキシルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法A)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 1.37 (m, 4H, CH2); 1.76 (m, 6H, CH2); 2.48 (m, 1H, CH); 7.21 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.32 (s, 1H, CH); 7.58 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 25.9、26.6、34.2、43.8、111.9、124.4、126.1、127.6、129.8、147.5、161.3。
【0084】
実施例5:4-(4-(N-モルホリン-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法A)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 3.13 (m, 4H, CH2); 3.74 (m, 4H, CH2); 6.95 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.21 (s, 1H, CH); 7.54 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.0 (s, 1H, NH); 12.3 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 48.5、66.5、110.6、115.4、119.6、125.3、129.8、150.6、161.2。
【0085】
実施例6:メチル4-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾアート(方法A)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 3.85 (s, 3H, OCH3); 7.63 (s, 1H, CH); 7.82 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.94 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.3 (s, 1H, NH); 12.7 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 55.8、118.2、127.4、131.3、131.6、133.4、136.4、166.2、169.4。
【0086】
実施例7:4-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法A)
メチル4-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾアート(実施例6)318mg(1.36mmol、1eq)のテトラヒドロフラン5ml中の懸濁液を、水素化ホウ素リチウム120mg(5.6mmol、4eq)のテトラヒドロフラン3ml中の懸濁液に常温でゆっくりと加える。
【0087】
反応混合物を70℃で8時間攪拌する。反応混合物を、氷冷した水に注ぎ、次いで、酢酸エチルで抽出する。残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール9/1)で分離する。4-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン100mgを得る。
収率=36%
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 4.54 (s, 2H, CH2); 5.26 (s, 1H, OH); 7.33 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.42 (s, 1H, CH); 7.68 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.2 (s, 1H, NH); 12.6 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 63.0、112.3、124.4、127.3、129.5、142.1、162.0。
【0088】
方法B
【0089】
実施例8:4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
2-アミノ-1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタノン塩酸塩
ジホルミルアミドナトリウム325mg(3.4mmol、1.2eq)を、4-(トリフルオロメトキシ)フェナシルブロミド800mg(2.82mmol、1eq)のアセトニトリル10ml中の溶液に加える。反応混合物を常温で3日間攪拌する。反応混合物をろ過し、次いで、溶媒を蒸発させる。残渣をエタノール中の塩酸の1M溶液9mlで溶かし、次いで、常温で16時間攪拌する。出発原料の消失後、ジエチルエーテルを加えて、2-アミノ-l-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタノン塩酸塩を沈殿させる。白色粉末490mgを収集する。
収率=68%。
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 4.61 (s, 2H, CH2); 7.58 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 8.16 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 8.51 (s, 3H, NH3)。
【0090】
4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
2M塩酸溶液1mlの存在下で、2-アミノ-1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタノン塩酸塩490mg(1.89mmol、1eq)とイソチオシアン酸カリウム320mg(8.62mmol、4.5eq)を、水5ml中に溶かす。反応混合物を100℃で16時間攪拌する。イソチオシアン酸カリウム320mg(8.62mmol、4.5eq)を加え、反応混合物を100℃で16時間攪拌する。媒体をろ過し、次いで、固形物を水で洗浄する。4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン320mgを収集する。
収率=64%
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 7.36 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.44 (s, 1H, CH); 7.75 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.2 (s, 1H, NH); 12.7 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 113.6、120.5 (d, J = 260Hz)、122.0、126.1、128.2、128.3、147.6、162.6。
【0091】
実施例8と同じように、以下の化合物が得られた。
【0092】
実施例9:4-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 7.13 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.20 (t, J = 74Hz, 1H, CHF2); 7.32 (s, 1H, CH); 7.66 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 112.7、116.7 (t, J = 255Hz)、119.5、125.9、128.5、150.3、162.3。
【0093】
実施例10:4-(3-ブトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 0.95 (t, 3H, J = 7Hz, CH3); 1.44 (m, 4H, CH2); 1.69 (m, 4H, CH2); 4.00 (t, 2H, J = 7Hz, CH2); 6.80 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.23 (m, 3H, ArH & CH); 7.44 (s, 1H, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 14.2、19.2、31.2、67.6、109.9、112.8、114.2、116.5、129.4、130.0、130.3、159.6、162.0。
【0094】
実施例11:4-(3-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 3.79 (s, 1H, CH3); 6.82 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.23 (m, 3H, ArH & CH); 7.44 (s, 1H, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.6 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 55.6、109.5、113.0、113.7、116.7、129.3、130.0、130.3、160.1、162.0。
【0095】
実施例12:4-(2-メチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 2.34 (s, 3H, CH3); 7.00 (s, 1H, CH); 7.23 (m, 3H, 3ArH); 7.40 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.3 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 21.3、114.7、126.4、128.2、128.3、128.4、128.5、131.2、135.5、161.5。
【0096】
実施例13:4-(2-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 3.89 (s, 3H, OCH3); 6.97 (t, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.09 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.23 (s, 1H, CH); 7.27 (t, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.74 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 12.2 (s, 1H, NH); 12.4 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 55.8、111.8、115.6、116.4、125.8、120.9、126.0、128.7、155.7、161.5。
【0097】
実施例14:4-(3-メチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 2.30 (s, 3H, CH3); 7.06 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.25 (t, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.35 (s, 1H, CH); 7.45 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.50 (s, 1H, ArH); 12.1 (s, 1.H, NH); 12.6 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 21.5、112.5、121.5、124.9、128.4、128.7、129.1、129.6、138.4、162.1。
【0098】
実施例15:4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 7.22 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.49 (t, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.57 (s, 1H, CH); 7.69 (m, 2H, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.7 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz):
【0099】
実施例16:3-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾニトリル
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 7.58 (m, 2H, ArH); 7.71 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 8.00 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 8.18 (s, 1H, CH); 12.3 (s, 1H, NH); 12.7 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 112.5、114.4、119.0、127.5、127.6、128.5、130.0、130.5、130.9、162.8。
【0100】
実施例17:4-(4-イソブチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 0.81 & 0.82 (2s, 6H, 2 CH3); 1.79 (m, 1H, CH); 2.39 (d, 2H, J = 7Hz, CH2); 7.11 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.29 (s, 1H, CH); 7.53 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 22.6、30.0、44.7、112.0、124.2、126.3、129.6、129.8、140.8、161.9。
【0101】
実施例18:4-(4-エチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 1.15 (t, 3H, J = 7Hz, CH3); 2.56 (q, 2H, J = 7Hz, CH2); 7.19 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 7.31 (s, 1H, CH); 7.56 (d, 2H, J = 8Hz, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 15.9、28.3、111.0、124.4、126.3、128.6、129.6、143.4、161.9。
【0102】
実施例19:4-(3-エチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 1.19 (t, 3H, J = 7Hz, CH3); 2.59 (q, 2H, J = 7Hz, CH2); 7.09 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.26 (t, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.37 (s, 1H, CH); 7.45 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.55 (s, 1H, ArH), 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 15.8、28.6、112.5、121.7、123.8、127.3、128.7、129.2、129.7、144.8、162.0。
【0103】
実施例20:4-(3,4-ジメチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(方法B)
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz): 2.19 & 2.20 (2s, 6H, 2 CH3); 7.11 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.28 (s, 1H, CH); 7.36 (d, 1H, J = 8Hz, ArH); 7.47 (s, 1H, ArH); 12.1 (s, 1H, NH); 12.5 (s, 1H, NH)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz): 19.5、19.9、111.8、121.8、125.5、126.3、129.7、130.3、135.9、137.0、161.8。
【0104】
実施例21:チロシナーゼ活性阻害アッセイ
B16F1細胞(マウスの黒色腫系)の溶解物から開始して、阻害剤の活性を測定する。L-チロシン基質の存在下で、これらの細胞中に存在するチロシナーゼは、L-チロシンのヒドロキシル化を触媒してL-DOPAを生成し、次いでL-DOPAの酸化を触媒してドパキノンを生成する。MBTH(3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾン)の存在下で、520nmで吸収する淡紅色の複合体を形成するために、ドパキノンを捕獲する。
【0105】
DMEM培地+10%ウシ胎仔血清+10-9Mのα-MSH中、7%のCO2下で37℃で4日間、B16F1細胞を培養する。それらを、トリプシンで処理し、PBSで洗浄し、数を数えペレット化する。ペレットを、107細胞/mlで溶解緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、pH6.8 - 1%Igepal(登録商標))に溶解し、懸濁液を超音波で10秒間処理する。4000rpmで30分間遠心した後、得られた上澄みは、酵素アッセイでチロシナーゼの供給源として用いる細胞溶解物を構成する。
【0106】
アッセイを、総体積50μlで384ウェルプレートに繰り返して実施する。各ウェルは、
‐緩衝液B(62.25mMリン酸ナトリウム、pH6.8 - 2.5%ジメチルホルムアミド)中に1.25mMのL-チロシン、6.25μMのL-DOPA(補因子)および3.75mMのMBTHを含む溶液40μl、
‐DMSOで希釈した阻害剤5μl、
‐pH7.5の50mMトリスHCl緩衝液で1/2に希釈した細胞溶解物5μl、を含む。
【0107】
プレートを37℃でインキュベートし、6時間インキュベート後に、分光光度法による読み取りを520nmで実施する。生成物が起こし得るいかなる吸収をも避けるために、その系は、補正された吸光度(6時間での吸光度-時間ゼロの吸光度)を使用する。
【0108】
IC50(酵素活性の50%を阻害する用量)を算出するために、用量反応に関して阻害剤をアッセイする。
【0109】
各実験に、いくつかの内部標準を加える。すなわち、
‐100%の活性の対照:阻害剤5μlをDMSO 5μlに置き換える、
‐50%の活性の対照:阻害剤5μlをDMSO中300μMのフェニルチオ尿素5μlに置き換える、
‐0%の活性の対照:L-チロシン基質を緩衝液Bに置き換える。
【0110】
本発明の化合物について得られた結果を、表Aに示す。
【0111】
【表1】

【0112】
実施例22:配合物
この実施例では、本発明による化合物に基づく様々な具体的な配合物を例示している。
【0113】
局所
(a)軟膏剤
‐化合物1 0.020g
‐ミリスチン酸イソプロピル 81.700g
‐流動ワセリン 9.100g
‐シリカ(「Aerosil 200」) 9.180g
(b)軟膏剤
‐化合物6 0.300g
‐白色ワセリン医薬品等級 適量 全量100g
(c)非イオン性油中水型クリーム剤
‐化合物1 0.100g
‐乳化性ラノリンアルコール、ろう、およびオイルの混合物(「無水ユーセリン」)
39.900g
‐パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
‐パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
‐無菌の脱塩水 適量 全量100g
(d)ローション剤
‐化合物6 0.100g
‐ポリエチレングリコール(PEG 400) 69.900g
‐ 95%エタノール 30.000g
(e)疎水性軟膏剤
‐化合物2 0.300g
‐ミリスチン酸イソプロピル 36.400g
‐シリコーン油(「Rhodorsil 47V 300」) 36.400g
‐蜜ろう 13.600g
‐シリコーン油(Goldschmidt社によって販売される「Abil 300000cst」)
適量 全量100g
(f)非イオン性水中油型クリーム剤
‐化合物4 1.000g
‐セチルアルコール 4.000g
‐モノステアリン酸グリセロール 2.500g
‐ステアリン酸PEG-50 2.500g
‐シアバター 9.200g
‐プロピレングリコール 2.000g
‐パラ‐ヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
‐パラ‐ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
‐無菌の脱塩水 適量 全量100g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、
a)R2=Hの場合、R1は、
‐イソプロピル、n-プロピルおよびtert-ブチルを除くC2〜C7アルキル基、
‐ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルまたはN-メチルピペラジニル基、
‐カルボキシル、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、または
‐n-ブトキシを除くC2〜C6アルコキシ
を表し、
b)R1=Hの場合、R2は、
‐C1〜C7アルキル基、
‐トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、またはシアノ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、
‐n-プロポキシを除くC1〜C6アルコキシ
を表し、
c)R2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、または1もしくは2個の炭素原子が1もしくは2個の酸素原子で任意に置換され得る、5もしくは6員の炭化水素環を形成可能である]
の化合物、およびその塩およびその互変異性型。
【請求項2】
R2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、または5もしくは6員の炭化水素環を形成可能であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
無機酸および有機酸から選択された酸と形成される塩の形態で提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
水和物または溶媒和物の形態で提供されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の化合物。
【請求項5】
C3〜C7シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基から選択されることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R2が水素を表し、R1がイソプロピル、n-プロピルおよびtert-ブチルを除くC2〜C7アルキル基、またはC3〜C7シクロアルキル基またはC4〜C9シクロアルキルアルキル基を表すことを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R1が水素を表し、R2がC1〜C7アルキル基またはC3〜C7シクロアルキル基またはC4〜C9シクロアルキルアルキル基を表すことを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
4-(4-ペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-カルボキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-カルボキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-シクロヘキシルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-(モルホリン-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
メチル4-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾアート
4-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-ブトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(2-メチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(2-メトキシフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-メチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
3-(2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル)ベンゾニトリル
4-(4-イソブチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-エチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-エチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3,4-ジメチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-シクロペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-シクロペンチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-シクロヘキシルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(5,6,7,8-テトラヒドロナフト-2-イル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオン
4-(インダン-5-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-[4-(テトラヒドロピラン-4-イル)フェニル]-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-[3-(テトラヒドロピラン-4-イル)フェニル]-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3,4-ジエチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3-エチル-4-イソプロピルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(4-エチル-3-イソブチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン
4-(3,4-ジエチルフェニル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩
から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
医薬品として使用される、請求項1から8の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
色素沈着過剰性障害の治療または予防を目的とした医薬組成物の製造における、一般式(I)
【化2】

[式中、
a)R2=Hの場合、R1は、
‐イソプロピル、n-プロピルおよびtert-ブチルを除くC2〜C7アルキル基、
‐ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルまたはN-メチルピペラジニル基、
‐カルボキシル、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、または
‐n-ブトキシを除くC2〜C6アルコキシ
を表し、
b)R1=Hの場合、R2は、
‐C1〜C7アルキル基、
‐トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、またはシアノ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、
‐n-プロポキシを除くC1〜C6アルコキシ
を表し、
c)R2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、あるいは5または6員の炭化水素環を形成可能であり、1または2個の炭素原子が、1または2個の酸素原子で任意に置換され得ることが理解される]
の化合物、およびその塩およびその互変異性型、または請求項1から8の何れか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
色素沈着過剰性障害が、黒皮症、褐色斑、黒子、老人性黒子、光老化に関係する不規則な色素沈着過剰、そばかす、擦過傷および/または熱傷および/または瘢痕および/または皮膚病および/または接触アレルギーによる炎症後の色素沈着過剰、母斑、遺伝的に決定される色素沈着過剰、代謝性または薬物に起因する色素沈着過剰および黒色腫から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
医薬として許容される賦形剤中に、少なくとも1種の一般式(I)
【化3】

[式中、
a)R2=Hの場合、R1は、
‐イソプロピル、n-プロピルおよびtert-ブチルを除くC2〜C7アルキル基、
‐ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメトキシ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基、
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基、
‐モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルまたはN-メチルピペラジニル基、
‐カルボキシル、
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル、または
‐n-ブトキシを除くC2〜C6アルコキシ
を表し、
b)R1=Hの場合、R2は、
‐C1〜C7アルキル基、
‐トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、またはシアノ基、
‐環の炭素原子の1つが酸素または硫黄原子で任意に置換され得る、C3〜C7シクロアルキル基
‐C4〜C9シクロアルキルアルキル基
‐(C1〜C4アルコキシ)カルボニル
‐n-プロポキシを除くC1〜C6アルコキシ
を表し、
c)R2がR1に対してオルト位にある場合、R1とR2は同一であるかまたは異なっており、C1〜C5アルキル基を表す、または5もしくは6員の炭化水素環を形成可能であり、1または2個の炭素原子が1または2個の酸素原子で任意に置換され得ることが理解される]
の化合物、およびその塩およびその互変異性型、または請求項1から8の何れか一項に記載の1種の化合物を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項13】
一般式(I)の化合物の濃度が、組成物の全重量に対して、0.001〜10重量%であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
一般式(I)の化合物の濃度が、組成物の全重量に対して、0.01〜5重量%であることを特徴とする、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
化粧品として許容される賦形剤中に、請求項1から8の何れか一項に記載の少なくとも1種の一般式(I)の化合物を含むことを特徴とする、化粧品組成物。
【請求項16】
一般式(I)の化合物の濃度が、組成物の全重量に対して、0.001〜3重量%であることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
皮膚の老化の徴候を予防および/または治療するための、請求項1から8の何れか一項に記載の化合物、または請求項15もしくは16の何れか一項に記載の組成物の美容的使用。
【請求項18】
身体または毛髪の衛生状態のための、請求項1から8の何れか一項に記載の化合物、または請求項15もしくは16の何れか一項に記載の組成物の美容的使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−529096(P2010−529096A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510856(P2010−510856)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050994
【国際公開番号】WO2008/152331
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】