説明

ティビアパッド固定用のクリップ

【課題】ティビアパッドを貫通せずに、高さを低く抑え、ティビアパッドによる保護効果を高く維持する、合成樹脂の一体成形品のティビアパッド固定用クリップを提供する。
【解決手段】クリップ1は、軸部5と、ティビアパッドに接面するフランジ6と、固定部(14)とが合成樹脂で一体成形され、軸部5には、ティビアパッドの取付穴の内壁面に係合してクリップの抜け外れを阻止する突起9を有する係合部10が連結され、係合部10は、突出位置と非突出位置とを揺動でき、係合部10には、通常時には突出位置にあり、外力の付与によって非突出位置に揺動でき、外力の解除によって通常時の突出位置に復帰する弾性が付与されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員保護のための軟質材料で成るティビアパッドをフロアパネル等の被取付部材に固定する、ティビアパッド固定用のクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
乗員保護のための軟質材料で成るティビアパッドをフロアパネル等の被取付部材に固定する、ティビアパッド固定用のクリップは知られている(特開2005−145286号公報:特許文献1)。特許文献1のクリップは、ほぼコの字状の金属製の板ばねで形成されて、ティビアパッドの取付穴に挿入して、折曲げた端部を取付穴の内壁面に食い込ませることによってティビアパッドに取付ける。クリップ付きのティビアパッドは、フロアパネルに立設されたスタッドを、クリップ付きの取付穴に受入れて、クリップをスタッドのねじ溝に係止させてティビアパッドをフロアパネルに固定する。
【0003】
【特許文献1】特開2005−145286号公報
【特許文献2】特開2003−137013号公報
【特許文献3】特開2003−239926号公報
【特許文献4】特開2001−012426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のティビアパッド固定用のクリップは、金属製の板ばねで成る。防錆の観点においても取扱いの容易さの点においても、クリップは、金属製ではなく、合成樹脂製で成るのが好ましい。特許文献2のクリップは合成樹脂製であり、フロアパネルにティビアパッドを固定するのに用いられる。このクリップは雌部材と雄部材との2部品で成る。従って、管理が容易で且つコストを低くできる一体成形品の有利さがない。特許文献3のクリップも合成樹脂製の一体成形品である。しかし、特許文献3のクリップが取付けられる対象は、軟質材料で成るティビアパッドではなく、フットレスト等の硬質材料で成る部材をフロアパネルに取付けるのに用いられる。軟質材料で成るティビアパッドには適していない。
【0005】
また、特許文献2のクリップにおいても、特許文献3のクリップにおいても、クリップは、取付ける部材の取付穴が貫通穴であることを必要としている。ティビアパッドは、乗員の下肢障害を低減するように保護するため、軟質の材料で成る。他方、クリップは、ティビアパッドをフロアパネルに確実に固定するため、硬質の材料で形成される。そのクリップが、特許文献2や特許文献3のクリップのように、ティビアパッドを貫通した状態で取付けられると、硬質の部材が乗員の足元にあるので、軟質材料で成るティビアパッドによる保護を確実にできないおそれがある。クリップは、ティビアパッドを貫通せず、フロアパネルからできるだけ高くならずに、ティビアパッドによる効果を高く維持できるのが望ましい。
【0006】
特許文献4には、フットレストをフロアパネルに取付けるのに用いる合成樹脂製のクリップが記載されている。特許文献4は、フットレストをフロアパネルに取付けるためのクリップを記載しているが、ティビアパッドを取付けることについては記載していない。特に、このクリップは、フットレストの下面に形成された円筒のクリップ受入筒状体に取付けられる構成であり、軟質材料のティビアパッドの取付穴に取付ける構成を持たない。
【0007】
従って、本発明の目的は、ティビアパッドを貫通せず、フロアパネル等の被取付部材からできるだけ高くならずに、ティビアパッドによる効果を高く維持できる、合成樹脂の一体成形品で成るティビアパッド固定用のクリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る、乗員保護のための軟質材料で成るティビアパッドをフロアパネル等の被取付部材に固定する、ティビアパッド固定用のクリップは、ティビアパッドの取付穴に挿入される軸部と、軸部の一端に設けられて軸部が取付穴を貫通するのを阻止するようにティビアパッドに接面するフランジと、被取付部材に固定される固定部とが合成樹脂で一体成形されて成り、軸部には、ティビアパッドの取付穴の内壁面に係合するように軸部の側面から半径方向外方に突出して当該クリップの抜け外れを阻止する突起を有する係合部が連結されており、係合部は、突起が軸部側面から外方に突出した突出位置と突起が軸部側面から外方に突出しない非突出位置とを揺動できるように形成されており、係合部には、通常時には突出位置にあり、外力の付与によって非突出位置に揺動することができ、外力の解除によって通常時の突出位置に復帰する弾性が付与されている、ことを特徴とする。
【0009】
上記のように、弾性のある係合部に突起が形成されているので、ティビアパッドの取付穴に軸部を挿入するときには係合部の自由端に外力を加えて突起を非突出位置に位置させれば取付穴に軸部を支障なく挿入でき、挿入後外力を無くすれば突起がティビアパッドの取付穴の内壁面に係合するので、そのままクリップがティビアパッドに取付けられ、これによって、合成樹脂の一体成形品であるクリップを、ティビアパッドを貫通せず、フロアパネル等の被取付部材からできるだけ高くならずに、ティビアパッドによる効果を高く維持できるように、ティビアパッドに固定できる。
【0010】
上記クリップにおいて、係合部は、根元部がフランジと反対の軸部の端部に連結され、軸部に沿ってフランジに隣接する軸部の端部に延び、先端がフランジに隣接する位置において自由端となっており、自由端は、根元部を中心に係合部が非突出位置に揺動できるように外力を加えることができる形状で成る。係合部は、根元部から自由端までの全体が細長い板状に形成されており、板状の係合部は、軸部に沿って延びる軸部隣接部分と、軸部隣接部分からフランジに沿ってL字形状に延びるフランジ隣接部分とから成る。軸部隣接部分に、軸部の半径方向外側に突出する突起が長手方向に複数個形成されている。フランジ隣接部分は、外力を付与しない通常時において、自由端が、フランジ外縁部と一緒に押さえて把持できる位置に、フランジより半径方向外方に張り出している。
【0011】
上記クリップにおいて、係合部は、1個であってもよいが、軸部の直径方向に対向して2個設けられていてもよい。2個の係合部によって挿入時の作業が向上し、ティビアパッドに対する保持力が向上する。クリップをティビアパッドの取付穴に対して中心に位置決めできるように、軸部の外面に、周方向に間隔をおいて、長手方向に延びるリブが複数個形成されている。軸部は、被取付部材に立設された棒状のスタッドを受入れるように中空に形成されており、固定部は、中空軸部に形成された弾性係止爪を有する。その場合、フランジの外縁部がスタッドの先端を拾い易いように軸部と反対の側に延びているのが好ましい。なお、被取付部材に取付穴が設けられている場合には、固定部は、フランジから軸部とは反対側に延びて被取付部材の取付穴に挿入されて係止する、例えば、錨脚形状のものであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図8に本発明の第1実施形態に係る、ティビアパッド固定用のクリップ1が示される。図9には、本発明の第2実施形態に係る、ティビアパッド固定用のクリップ1Aが示される。図1〜図8のうち、図1〜図3には、外力を加えない通常時のクリップ1の構成が示されている。図4には、クリップ1の係合部に外力を加えた状態が示されている。図5〜図8には、クリップ1がティビアパッド2に取付けられて、被取付部材であるフロアパネル3に固定される状態が示されている。
【0013】
図1〜図3において、ティビアパッド固定用のクリップ1は、硬質の合成樹脂によって成形される一体成形品である。クリップ1は、ティビアパッドの取付穴に挿入される軸部5と、軸部5の一端に設けられて軸部5がティビアパッド2の取付穴25を貫通するのを阻止するようにティビアパッド2に接面するフランジ6と、被取付部材としてのフロアパネル3に固定される固定部7とが合成樹脂で一体成形されて成る。軸部5には、ティビアパッド2の取付穴25の内壁面27に係合するように軸部5の側面から半径方向外方に突出してクリップ1の抜け外れを阻止する突起9を有する係合部10が連結されている。軸部5は、円筒形状に形成されて、ティビアパッド2の取付穴25に挿入し易い形状に形成されており、その高さは、ティビアパッド2の厚さの半分程度の高さに選定される。フランジ6は、軸部5の下端に軸部5の外径より大径の円板形に形成されている。フランジ6は外縁部11を有し、外縁部11は、フロアパネル3に立設された、棒状のねじ又は周溝が形成されたスタッド30の先端を拾い易いように、軸部と反対側である下方に少し延びている。フランジ6は、拾ったスタッドの先端を、軸部5に形成された固定部7に誘導するように、軸部5の軸心に向けて緩やかな勾配を持つ形状に形成されるのが好ましい。
【0014】
固定部7は、軸部5に形成されて、図示の実施形態において、スタッド受入穴13と弾性係止爪14とから成り、被取付部材であるフロアパネル3に立設された棒状のスタッド30に係止する構成である。軸部5の軸心部分は、スタッド30を受入れるスタッド受入穴13を有するように中空に形成される。スタッド受入穴13には、受入れたスタッドの棒状部分に形成されたねじの溝又は周溝に係止する弾性の係止爪14が一対形成されている。係止爪14の数は2対以上であってもよく、また、周方向に3つ形成されてもよく、スタッドに係止して固定できる限り、任意の数及び形状でよい。更に、固定部は図示のものに限らない。例えば、フロアパネル3にスタッドが立設されず、取付穴が設けられている場合には、固定部は、フランジ6から軸部5とは反対側(図1の下方)に延びてフロアパネルの取付穴に挿入されて係止する、錨脚形状の固定部であってもよい。
【0015】
係合部10は、根元部15が、フランジ6と反対の軸部5の端部(図1及び3の上端)に連結されている。係合部10は、根元部15からフランジ6に向けて軸部5に沿ってフランジ6に隣接する軸部5の端部(図1及び3の下端)に延び、更に、先端がフランジ6に隣接する位置において自由端21となっている。詳細には、係合部10は、根元部15から自由端21までの全体が細長い板状に形成され、軸部5に沿って延びる軸部隣接部分17と、軸部隣接部分17からL字形状に曲がってフランジ6に沿って延びるフランジ隣接部分18とから成る。軸部隣接部分17には、ティビアパッド2の取付穴25の内壁面27に係合するように軸部の側面から半径方向外方に突出してクリップ1の抜け外れを阻止する突起9が、長手方向に複数個、形成されている。係合部10は、軸部5に連結される根元部15を中心として、突起9が軸部5の側面から外方に突出した突出位置と突起9が軸部5の側面から外方に突出しない非突出位置とを揺動できるように形成されている。また、この揺動を行えるようにするため、軸部5とフランジ6には、係合部10との境界部分にはスリット19(図3)が形成されている。更に、係合部10には、通常時には突起9を軸部5の側面の外方に突出する突出位置に維持し、外力の付与によって突起9を軸部5の側面から突出させない非突出位置に揺動することができ、その外力の解除によって通常時の突出位置に復帰する弾性が付与されている。従って、図1及び図3の係合部10の姿勢は、突出位置にあり、図4の姿勢は、非突出位置にある。図1及び図3に図示のように、フランジ隣接部分18は、外力を付与しない通常時において、自由端21が、フランジ6の外縁部11より離れた位置ではあるが、フランジ外縁部11と一緒に押さえて把持できる位置に、フランジ6より半径方向外方に張り出すように形成されている。
【0016】
軸部5の外面には、長手方向に延びるリブ22が、軸部5の外周面の周方向に間隔をおいて、複数個(図示の実施形態では、係合部10の両側の位置と係合部10に直径方向に対向する位置との合計3個)形成されている。かかるリブ22によって、クリップ1をティビアパッド2の取付穴25に対して中心に位置決めできるように、規制できる。
【0017】
図4は、係合部10に、指等によって外力(矢印23)がフランジ隣接部分18の自由端21に付与されて、フランジ隣接部分18がフランジ6より下方に傾くようにたわめられ、これによって、係合部10が突出位置から非突出位置に揺動した状態を示している。非突出位置への揺動によって、係合部1の突起9は軸部5の側面の外面から内方に引き込められて、軸部5をティビアパッドの取付穴に挿入するとき、内壁面27に係合するのが阻止され、軸部5の挿入を容易にする。
【0018】
上記構成で成るクリップ1をティビアパッド2に取付ける操作を図5〜図7を参照して説明する。図5において、ティビアパッド2の取付穴25にクリップ1の軸部5を位置決めする。そのとき、指等でフランジ6を把持するとともに、図4に図示のように、係合部10の自由端21をフランジ6の外縁部11とともに把持して係合部10に外力を加えて非突出位置に維持し、突起9を軸部5の側面から内方に引き込める。そして、クリップ1をそのまま取付穴25に挿入する。なお、ティビアパッド2には、取付穴25の半径方向外方に、フランジ6を収容する円形凹部26が形成されている。
【0019】
軸部5をフランジ6がティビアパッド2の凹部26の面に接面するまで挿入した後、フランジ6を保持している指等を離す。それと同時に、係合部10の自由端21に加えられていた外力も解除されるので、係合部10は、半径方向外方に張り出す弾性によって、突出位置に復帰して図6の状態になる。突起9は、軸部5の外面から半径方向外方に突出して取付穴25の内壁面27に係合する。突起9は、図示のように、先端が尖った形状に形成されている場合、内壁面27に突き刺さり、その係合力を強固にする。また、突起9は複数形成されているので、内壁面27への係合力は高く、クリップ1はティビアパッド2に強固に固定される。更に、係合部10の軸部5の高さは、ティビアパッド2の厚さより十分に低く、図6の取付穴25の上方部分29には、軟質材料部分を確保でき、クリップ1の硬質部分に伴なう乗員保護の低下は避けられる。
【0020】
図7に図示のように、軸部5の外面には周方向に間隔をおいて複数のリブ22が形成されており、これら複数のリブ22は、軸部5を取付穴25に挿入するとき、軸部5を取付穴25の軸心に合わせるように案内する。従って、軸部5、ひいては、クリップ1がティビアパッド2の取付穴25に軸心を合わせて固定される。
【0021】
図8において、被取付部材であるフロアパネル3には棒状のスタッド30が溶接等によって立設されている。スタッド30の棒状部分には、ねじ又は周溝が形成されている。図示の実施形態では、スタッド30にはねじが形成されている。このフロアパネル3にティビアパッド2を固定するには、取付穴25にクリップ1を取付けた後、クリップ1の固定部7にスタッド30を受入れるように位置決めして、そのままティビアパッド2をフロアパネル3に押付ける。これによって、固定部7の弾性係止爪14が、ねじ溝又は周溝に係合してスタッド30に係止し、クリップ1がフロアパネル3に固定され、ティビアパッド2がフロアパネル3に固定される。上記のように、合成樹脂の一体成形品であるクリップ1を、ティビアパッド2を貫通せずに、従って、クリップ1は、フロアパネル3から可能な限り低く抑えることができ、ティビアパッド2による乗員の下肢障害を低減する効果を高く維持できるように、ティビアパッド2をフロアパネル3に固定できる。
【0022】
なお、フロアパネル3には、スタッドが立設されず、フロアパネル3に取付穴(図示せず)が設けられている場合には、固定部はフランジから軸部とは反対側に延びてフロアパネルの取付穴に挿入されて係止する錨脚形状のものであってもよい。このように、固定部はフロアパネルに固定できる限り、任意の形状又は構造のものでよい。
【0023】
図9は、本発明の第2実施形態に係る、ティビアパッド固定用のクリップ1Aを示している。図1〜図8の第1実施形態に係るクリップ1は、係合部10は、1個だけ形成されている。図9に図示の、第2実施形態に係るクリップ1Aには、軸部5の直径方向に対向して、2個の係合部10が形成されている。それ以外の他の構成は、クリップ1と同じであるので、説明を省略する。このように、2個の係合部10を有するクリップ1Aは、係合部10に外力を加えるように、フランジ6を把持するとき、バランスよく係合部10に外力を加えることができるので、軸部5をティビアパッド2の取付穴に挿入する時の作業が向上する。また、係合部10が2つあるので、突起9の係合力によるティビアパッドに対する保持力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係るティビアパッド固定用のクリップの正面図である。
【図2】図1のクリップの底面図である。
【図3】図2のクリップのA−A線断面図である。
【図4】係合部に外力を加えたときのクリップの図3と同様の断面図である。
【図5】ティビアパッドに図1のクリップを取付ける前の斜視図である。
【図6】ティビアパッドに図1のクリップを取付けた後の断面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】図1のクリップ付きのティビアパッドを、スタッドが立設されたフロアパネルに固定する前の斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るティビアパッド固定用のクリップの正面図である。
【符号の説明】
【0025】
1:1A ティビアパッド固定用のクリップ
2 ティビアパッド
3 フロアパネル(被取付部材)
5 軸部
6 フランジ
7 固定部
9 突起
10 係合部
11 フランジの外縁部
13 スタッド受入穴
14 弾性係止爪
15 係合部の根元部
17 係合部の軸部隣接部分
18 係合部のフランジ隣接部分
19 スリット
21 係合部の自由端
22 リブ
23 外力
25 ティビアパッドの取付穴
27 取付穴の内壁面
30 スタッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員保護のための軟質材料で成るティビアパッドをフロアパネル等の被取付部材に固定する、ティビアパッド固定用のクリップであって、
ティビアパッドの取付穴に挿入される軸部と、該軸部の一端に設けられて該軸部が前記取付穴を貫通するのを阻止するようにティビアパッドに接面するフランジと、被取付部材に固定される固定部とが、合成樹脂で一体成形されて成り、
前記軸部には、ティビアパッドの取付穴の内壁面に係合するように該軸部の側面から半径方向外方に突出して当該クリップの抜け外れを阻止する突起を有する係合部が連結されており、
前記係合部は、前記突起が軸部側面から外方に突出した突出位置と該突起が前記軸部側面から外方に突出しない非突出位置とを揺動できるように形成されており、
該係合部には、通常時には前記突出位置にあり、外力の付与によって前記非突出位置に揺動することができ、該外力の解除によって前記通常時の前記突出位置に復帰する弾性が付与されている、
ことを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップにおいて、前記係合部は、根元部がフランジと反対の軸部の端部に連結され、該軸部に沿って前記フランジに隣接する軸部の端部に延び、先端がフランジに隣接する位置において自由端となっており、該自由端は、前記根元部を中心に該係合部が前記非突出位置に揺動できるように外力を加えることができる形状で成る、ことを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項2に記載のクリップにおいて、前記係合部は、前記根元部から前記自由端までの全体が細長い板状に形成されており、該板状の係合部は、前記軸部に沿って延びる軸部隣接部分と、該軸部隣接部分から前記フランジに沿ってL字形状に延びるフランジ隣接部分とから成る、ことを特徴とするクリップ。
【請求項4】
請求項3に記載のクリップにおいて、前記軸部隣接部分に、軸部の半径方向外側に突出する突起が長手方向に複数個形成されている、ことを特徴とするクリップ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のクリップにおいて、前記フランジ隣接部分は、外力を付与しない通常時において、前記自由端が、フランジ外縁部と一緒に押さえて把持できる位置に、フランジより半径方向外方に張り出している、ことを特徴とするクリップ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のクリップにおいて、前記係合部は1個である、ことを特徴とするクリップ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のクリップにおいて、前記係合部は、軸部の直径方向に対向して2個設けられている、ことを特徴とするクリップ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のクリップにおいて、当該クリップをティビアパッドの取付穴に対して中心に位置決めできるように、前記軸部の外面に、周方向に間隔をおいて、長手方向に延びるリブが複数個形成されている、ことを特徴とするクリップ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のクリップにおいて、前記軸部は、被取付部材に立設された棒状のスタッドを受入れるように中空に形成されており、前記固定部は、前記中空軸部に形成された弾性係止爪を有する、ことを特徴とするクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−163996(P2008−163996A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352411(P2006−352411)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【Fターム(参考)】