説明

テーブル駆動システム

【課題】患者配置システム用の単純及びコンパクトで信頼性、実用性及び費用効率の高い駆動システムを提供する。
【解決手段】支持テーブルを第一の方向に移動させるように構成されている第一の駆動アセンブリ(805)と、支持テーブルを第二の方向に移動させるように構成されている第二の駆動アセンブリ(810)と、第一の駆動アセンブリ(805)及び第二の駆動アセンブリ(810)に結合されている駆動モータ(815)とを含むテーブル駆動システム(800)を提供する。駆動モータ(815)は、第一の駆動アセンブリ(805)及び前記第二の駆動アセンブリ(810)を駆動するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、テーブル駆動システムに関し、さらに具体的には、テーブルを多数の方向に移動させる駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者配置システムは、診断処置、治療処置及び外科処置のような医学的処置を受けている医学的被検体を保持して支持する。典型的には、患者配置システムは、医学的被検体が載置される支持テーブルと、支持テーブルを配置する駆動システムとを含んでいる。医学的処置のために医学的被検体の位置を整列させる工程は、多重軸に沿った支持テーブルの移動を伴う。従って、支持テーブルを配置するように構成されている駆動システムは、多重軸に沿って支持テーブルを移動させることが可能であることが望まれる。
【0003】
多重軸に沿って支持テーブルを移動させるために、駆動システムは複数の駆動アセンブリを含み得る。各々の駆動アセンブリは、単一の軸に沿った支持テーブルの移動を駆動するように構成され得る。多重軸に沿った支持テーブルの移動を達成する従来の方法体系は、X軸に沿った移動を駆動するねじ式駆動アセンブリ、Y軸に沿った移動を駆動するラック・アンド・ピニオン式駆動アセンブリ、及びZ軸に沿った移動を駆動する油圧式駆動アセンブリを含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者配置システムは従来は、多数の駆動モータを含んでおり、各々の駆動アセンブリが極めて複雑で接触し難い緻密な方法で単一の駆動モータと結合されている。駆動モータは高価であり、従って、複数の独立した駆動モータを用いることは経済的な選択肢でない場合がある。さらに、複数の独立した駆動モータを用いると、適当な組み立て、保守及び修理を容易とするのに十分な空間が必要になる。多数の駆動モータを用いることのもう一つの欠点は、各々の駆動モータの能力がしばしば、動作時間及び非動作時間の観点で十分に活用されないことである。従って、患者配置システム用の単純及びコンパクトで信頼性、実用性及び費用効率の高い駆動システムを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本書では以上に述べた短所、欠点及び問題点を扱い、これらのことについては、以下の明細書を精読して検討することにより理解されよう。
【0006】
一実施形態では、テーブル駆動システムが提供される。テーブル駆動システムは、支持テーブルを第一の方向に移動させるように構成されている第一の駆動アセンブリと、支持テーブルを第二の方向に移動させるように構成されている第二の駆動アセンブリと、第一の駆動アセンブリ及び第二の駆動アセンブリに結合されている駆動モータとを含んでいる。駆動モータは、第一の駆動アセンブリ及び第二の駆動アセンブリを駆動するように構成されている。
【0007】
もう一つの実施形態では、患者配置システム用の駆動システムが提供される。駆動システムは、患者支持テーブルを移動させるように構成されている少なくとも2個の駆動部材と、これら少なくとも2個の駆動部材に結合されている駆動モータとを含んでいる。駆動モータは、少なくとも2個の駆動部材を駆動するように構成されている。
【0008】
さらにもう一つの実施形態では、患者配置システムが提供される。患者配置システムは、患者支持テーブルと、患者支持テーブルを第一の方向に移動させるように適応構成されている第一の駆動アセンブリと、患者支持テーブルを第二の方向に移動させるように適応構成されている第二の駆動アセンブリと、第一の駆動アセンブリ及び第二の駆動アセンブリに結合されている駆動モータとを含んでいる。駆動モータは、第一の駆動アセンブリ及び第二の駆動アセンブリを駆動するように構成されている。
【0009】
様々な範囲のシステム及び方法について本書で説明する。この概要に記載した観点及び利点以外のさらなる観点及び利点が、図面を参照して以下の詳細な説明を精読することにより明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、説明の一部を成す添付図面を参照し、図面では、実施可能な特定の実施形態が説明のために図示されている。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするように十分に詳細に記載されており、他の実施形態を利用することも可能であること、並びに実施形態の範囲から逸脱せずに論理的変形、機械的変形、電気的変形及び他の変形を施してよいことが理解されよう。従って、以下の詳細な説明は、制限のためのものと解釈すべきではない。
【0011】
図1は、撮像装置100の一例の模式図を示す。撮像装置100は、計算機式断層写真法装置、陽電子放出断層写真法装置、磁気共鳴撮像装置、超音波撮像装置、X線装置、又はかかる装置の組み合わせの一つであってよい。但し、当業者には、撮像装置100の例は上述の例に限定されず、本発明は特許請求の範囲を広く網羅することが認められよう。
【0012】
撮像装置100は、医学的被検体115を収容するボア又はトンネル110を含む撮像ガントリ105を含んでいる。医学的被検体115は、物品、人又は動物を指す。一実施形態では、図1に示すように、医学的被検体115を撮像ガントリ105内で配置する患者配置システム120が設けられている。患者配置システム120は、医学的被検体115を支持して保持する患者支持テーブル125を含んでいる。患者支持テーブル125は、医学的被検体115の撮像時の配置を容易にするために、多数の軸に沿って多数の位置に変位するように構成され得る。一実施形態では、患者支持テーブル125は、前後方向、左右方向及び上下方向(X軸方向、Y軸方向又はZ軸方向とも呼ぶ)に沿って医学的被検体115を変位させるように構成されている。
【0013】
但し、当業者には、撮像装置100の一部を形成している患者配置システム120が例示的な実施形態であり、一般的には患者配置システム120は、撮像装置100のような診断装置、治療装置及び手術装置の一部であり得ることが認められよう。さらに、配置システム120は、撮像装置100の撮像ガントリ105と一体化されていてもよいし、又は別個であってもよい。
【0014】
患者支持テーブル125は、テーブル天板と、テーブル基部と、テーブル天板に結合されている第一のローラ・アセンブリと、テーブル基部に結合されている第二のローラ・アセンブリとを含み得る。各々のローラ・アセンブリは、多数のローラ及び一組の支持レールを含んでいる。各支持レールは同型であり、互いに全体的に平行に、患者支持テーブル125の対向する辺の間に延在し得る。このことは図4に関連して詳述される。
【0015】
図2では、本発明の一実施形態での患者配置システム120のブロック図を示す。患者配置システム120は、患者支持テーブル125と、各々が患者支持テーブル125を駆動するように構成されている第一の駆動アセンブリ205及び第二の駆動アセンブリ210の組み合わせと、第一の駆動アセンブリ205及び第二の駆動アセンブリ210に結合されており第一の駆動アセンブリ205及び第二の駆動アセンブリ210を駆動して患者支持テーブル125を多数の方向に移動させるように構成されている駆動モータ215とを含んでいる。
【0016】
第一の駆動アセンブリ205及び第二の駆動アセンブリ210の各々は、ベルト駆動アセンブリ、又は他の実施形態ではチェーン駆動アセンブリ若しくは類似の駆動アセンブリのような確実動作型駆動アセンブリを用いて、駆動モータ215に結合され得る。駆動モータ215の分当たり回転数(RPM)は、ベルト駆動アセンブリを介した第一及び第二の駆動アセンブリ205、210との閉ループを成す。例えば、第一の駆動アセンブリ205は第一のベルト駆動アセンブリを用いて駆動モータ215に結合され、第二の駆動アセンブリ210は第二のベルト駆動アセンブリを用いて駆動モータ215に結合され得る。このことは図4に関連して詳述される。
【0017】
図3に示すもう一つの実施形態では、患者配置システム120はさらに、第一の駆動アセンブリ205及び第二の駆動アセンブリ210と組み合わせて第三の駆動アセンブリ305を含むことができ、駆動モータ215は、第一の駆動アセンブリ205及び第二の駆動アセンブリ210に加えて第三の駆動アセンブリ305を駆動するように構成され得る。この実施形態では、単一の駆動モータ(すなわち215)を用いて三つの異なる駆動アセンブリ(すなわち205、210及び305)を駆動しており、有利である。但し、当業者には、患者配置システム120の駆動アセンブリの数は限定されず、患者配置システム120は本発明において請求されるように複数の駆動アセンブリを含み得ることが認められよう。
【0018】
患者配置システム120の多数の駆動アセンブリ205、210及び305は、多重軸に沿って患者支持テーブル125を駆動するように構成され得る。例えば、第一の駆動アセンブリ205は、患者支持テーブル125を前後方向又はX方向のような第一の方向に駆動するように構成され、第二の駆動アセンブリ210は、患者支持テーブル125を左右方向又はY方向のような第二の方向に駆動するように構成され、第三の駆動アセンブリ305は、患者支持テーブル125を上下方向又はZ方向のような第三の方向に駆動するように構成され得る。電子制御モジュールを設けて、それぞれの駆動アセンブリ205、210及び305を選択的に作動させることができる。操作者入力に基づいて、いずれの駆動アセンブリ205、210又は305を作動させるかを制御するように電子制御モジュール又は他のスイッチ配置を構成することができる。一実施形態では、駆動アセンブリ205、210及び305の各々は、駆動アセンブリ205、210及び305の他の二つが駆動されていない場合にのみ駆動され、これにより駆動モータ215から必要とされる駆動要件を制限する。
【0019】
多数の駆動アセンブリ205、210及び305を駆動するように構成されている駆動モータ215は、外向きに反対方向に延在するシャフトを含む両端シャフト付きモータであってよい。要件に依存して、駆動モータ215は、AC/DC電源によって駆動されるステッパ・モータ、サーボ・モータ及びギア・モータの一つであってよい。さらに、駆動モータ215は、最大トルク出力で定格分類されて選択されてもよい。最大トルク出力を有する駆動モータ215は、多数の軸の各々に沿って独立に患者支持テーブル125を移動させることが可能である。さらに、各々の軸に沿った患者支持テーブル125の移動は、コンピュータ・プログラムの支援によって独立に制御され得る。
【0020】
第一の駆動アセンブリ205、第二の駆動アセンブリ210及び第三の駆動アセンブリ305の各々は、結合装置を用いて駆動モータ215に結合され得る。結合装置は一般的には、患者配置システム120において安全装置として用いることができる。一実施形態として提供される患者配置システム120では、結合装置を安全装置として用いることに加えて、伝動のために用いることができる。さらに、結合装置を駆動アセンブリと連動させると、円滑な係合を提供して機械音を除去する。
【0021】
さらに、各々の駆動アセンブリ205、210及び305は、第一の端部においてフィードバック装置に直接結合され、第二の端部において制動装置に直接結合され得る。駆動アセンブリに対し、フィードバック装置はさらに高い配置精度を提供し、制動装置は安全性を提供すると共に堅牢な設計特性を付与する。従って、第一の駆動アセンブリ205は第一の結合装置310、第一の制動装置315及び第一のフィードバック装置320を含み、第二の駆動アセンブリ210は第二の結合装置325、第二の制動装置330及び第二のフィードバック装置335を含み、第三の駆動アセンブリ305は第三の結合装置340、第三の制動装置345及び第三のフィードバック装置350を含む。
【0022】
結合装置310、325及び340を用いて、駆動モータ215に結合された多数の駆動アセンブリ205、210及び305を選択的に係合して、多重軸に沿った患者支持テーブル125の移動を駆動することができる。所与の時刻において、単一の結合装置が作動させられて、関連する駆動アセンブリを起動し、これにより予め決定された軸に沿って患者支持テーブル125を移動させることができる。結合装置の一つ(例えば310)が駆動モータ215に係合している時間には、結合装置の残りのもの(例えば325及び340)は係合解除されていてよい。但し、患者支持テーブル125が一つの軸に沿って駆動されているときには、係合解除されている結合装置(例えば325及び340)は理想的には、伝動を伴わない回転を行なっていてよい。例示的な一実施形態では、各々の結合装置310、325及び340を電気機械式クラッチとするように選択することができる。
【0023】
駆動モータ215の分当たり回転数(RPM)は、フィードバック装置320、335又は350を介した駆動アセンブリ205、210又は305との閉ループを成す。フィードバック装置320、335又は350は、患者支持テーブル125の絶対位置の指標を与える絶対位置エンコーダであってよい。
【0024】
各々の駆動アセンブリ205、210及び305の他端に結合されている制動装置315、330及び345は、患者配置システム120に冗長性を導入するように構成され得る。単一の駆動アセンブリ205、210又は305に結合された各々の制動装置315、330及び345は、単一の軸に沿った患者支持テーブル125の移動を制御するように配置され得る。各々の制動装置315、330及び345は選択された軸について、患者支持テーブル125の移動がもう1本の軸において開始されている時間又は伝動システムが他の軸に沿った患者支持テーブル125の移動と係合されている時間には、予め決定された位置において患者支持テーブル125の移動を係止するように構成され得る。例示的な一実施形態では、各々の制動装置315、330又は345を電気機械式制動機とするように選択することができる。
【0025】
図4及び図5は、患者配置システム120の前面図及び側面図を示しており、駆動モータ215と三つの駆動アセンブリ205、210及び305との間の結合が図示されている。第一の駆動アセンブリ205、第二の駆動アセンブリ210及び第三の駆動アセンブリ305は共通の装着部材(図示されていない)に装着され、装着部材(図示されていない)に締結された又は溶接された支持ブラケットのような固定具を用いて装着され得る。装着部材(図示されていない)は、例えば前後方向のプレートであってよい。
【0026】
図4に示すように、第一の駆動アセンブリ205は、第一のタイミング・プーリ及び第一の駆動ベルトを含む第一のベルト駆動アセンブリ420を用いて駆動モータ215に結合されており、第二の駆動アセンブリ210は、第二のタイミング・プーリ及び第二の駆動ベルトを含む第二のベルト駆動アセンブリ425を用いて駆動モータ215に結合されている。
【0027】
例示的な一実施形態では、第一の駆動アセンブリ205はねじ式駆動アセンブリ405を含み、第二の駆動アセンブリ210はラック・アンド・ピニオン式駆動アセンブリ410を含み、第三の駆動アセンブリ305はクロス・バー式駆動アセンブリ415を含み得る。但し、当業者は、第一の駆動アセンブリ205、第二の駆動アセンブリ210及び第三の駆動アセンブリ305は上述の例に限定されず、各々の駆動アセンブリ205、210及び305が実行可能性のさらに高い選択肢に置き換えられ得ることを認められよう。
【0028】
ねじ式駆動アセンブリ405は、駆動ねじ417及び1又は複数の線形移動ガイド419を含んでいる。典型的には、線形移動ガイド419は、荷重を支持して線形移動を案内する線形移動軸受である。線形移動ガイド419は、患者支持テーブル125が第二の方向に沿って移動するときに駆動ねじ417が予め決定された位置に位置することを容易にする。このように、駆動ねじ417に隣接した線形移動ガイド419の存在によって、第二の方向に沿った患者支持テーブル125の移動が容易になる。
【0029】
第二の方向に沿った患者支持テーブル125の移動は、ラック・アンド・ピニオン式構成を含む伝動装置を用いることにより達成され得る。ラック・アンド・ピニオン式駆動アセンブリ410は、ラック432に係合する少なくとも1個のピニオン430を含んでおり、運動を駆動モータ215から患者支持テーブル125へ伝えて患者支持テーブル125の左右移動を生じさせる。
【0030】
少なくとも1個のピニオン430は、患者支持テーブル125の幅方向の中央に回転自在に装着され、ピニオン430の回転軸は患者支持テーブル125の左右方向に対して水平に且つ垂直に延在している。ピニオン430に移動自在に結合されているラック432は、患者支持テーブル125の幅方向の中央に固定して装着され、患者支持テーブル125の左右方向に延在している。
【0031】
さらに、第三の方向に沿った患者支持テーブル125の移動は、クロス・バー式駆動アセンブリ415を用いることにより達成され得る。クロス・バー式駆動アセンブリ415は、水平面内の線形運動を垂直面内の線形運動に変換する。クロス・バー式駆動アセンブリ415は、鋏型アセンブリ450と、鋏型アセンブリ450の運動を水平面内で作動させるアクチュエータ・アセンブリ(図示されていない)とを含み得る。支持レールは、鋏型アセンブリ450の水平運動時の協働を提供する。鋏型アセンブリ450は、第一のローラ・アセンブリ464と第二のローラ・アセンブリ466との間に摺動自在に装着され得る。鋏型アセンブリ450は、上下軸に沿った患者支持テーブル125の移動を可能にするように構成されている1対又は複数対のクロス・バーのような構造部材を含んでいる。クロス・バーの各々の対は第一のクロス・バーと第二のクロス・バーとを含んでおり、第二のクロス・バーは、ピボット452を用いて移動自在に第一のクロス・バーと結合されている。
【0032】
さらに、アクチュエータ・アセンブリ(図示されていない)は、駆動モータ215に結合されたねじシャフト(図示されていない)を含んでいる。ねじシャフト(図示されていない)は、所与のリード又はピッチに設定された螺旋ねじを有するねじ山付きねじシャフト(図示されていない)であってよい。ねじ山付きねじシャフト(図示されていない)に、1対の駆動ナット444が配置されており、駆動ナットの各々に摺動ブロック(図示されていない)が取り付けられている。各々の駆動ナット444はねじシャフトに対して回転されることができ(反対も同様)、駆動ナット444又はねじシャフト(図示されていない)のいずれかに線形運動を付与する。さらに、各駆動ナット444は、互いに対して反対方向に回転され得る。例えば、ねじシャフト(図示されていない)の時計回りの回転は、接続された各駆動ナット444の互いに対する軸方向に反対方向の線形運動を生ずる。ねじシャフト(図示されていない)の反時計回りの回転は、ねじシャフト(図示されていない)の時計回りの回転から生ずる方向と反対の方向の各々の駆動ナット444の軸方向運動を生じる。
【0033】
駆動ナット444及びねじシャフト(図示されていない)が互いに対して回転するのに伴って、駆動ナット444に取り付けられている摺動ブロック(図示されていない)はねじシャフト(図示されていない)の長手軸に沿って移動する。摺動ブロック(図示されていない)が水平面内で移動するときに、摺動ブロック(図示されていない)に付設されているクロス・バーは垂直面内で移動する。上下軸に沿ったクロス・バーの移動は、テーブル基部462に対するテーブル天板460の変位を可能にする。このように、患者支持テーブル125は、ねじシャフト(図示されていない)の回転に基づいて、上下軸に沿って移動するように構成され得る。
【0034】
もう一つの実施形態では、図6に示すように、患者配置システム120の駆動システム600が提供される。駆動システム600は、少なくとも2個の駆動部材、すなわち患者支持テーブル125を移動させるように構成されている第一の駆動部材605及び第二の駆動部材610と、少なくとも2個の駆動部材605、610に結合されており少なくとも2個の駆動部材605、610を駆動するように構成されている駆動モータ215とを含んでいる。
【0035】
図7に示すようなもう一つの実施形態では、駆動システム600は第三の駆動部材705をさらに含んでいてよく、駆動モータ215は第三の駆動部材705を駆動するように構成され得る。
【0036】
例示的な一実施形態では、第一の駆動部材605はねじ式駆動アセンブリ405を含み、第二の駆動部材610はラック・アンド・ピニオン式駆動アセンブリ410を含み、第三の駆動部材705はクロス・バー式駆動アセンブリ415を含み得る。
【0037】
但し、当業者には、駆動部材の数は制限されておらず、駆動システム600は2から任意の数にわたる数の駆動部材を含み得ることが認められよう。従って、駆動部材の数の増加に伴って、駆動部材を駆動するように構成されている駆動モータ215の定格出力も増大し得る。
【0038】
図8に示すようなさらにもう一つの実施形態では、上述の第一の駆動アセンブリ205と同様に支持テーブル(図示されていない)を第一の方向に移動させるように適応構成されている第一の駆動アセンブリ805と、上述の第二の駆動アセンブリ210と同様に支持テーブル(図示されていない)を第二の方向に移動させるように適応構成されている第二の駆動アセンブリ810と、上述の駆動モータ215と同様に第一の駆動アセンブリ805及び第二の駆動アセンブリ810に結合されている駆動モータ815とを含むテーブル駆動システム800が提供される。駆動モータ815は、第一の駆動アセンブリ805及び第二の駆動アセンブリ810を駆動するように構成され得る。
【0039】
もう一つの実施形態では、図9に示すように、テーブル駆動システム800はさらに、支持テーブル(図示されていない)を第三の方向に移動させるように適応構成されている第三の駆動アセンブリ905を含んでいてよく、駆動モータ815は、第三の駆動アセンブリ905を駆動するように構成され得る。
【0040】
テーブル駆動システム800の第一の駆動アセンブリ805、第二の駆動アセンブリ810及び第三の駆動アセンブリ905の各々はさらに、結合装置、制動装置及びフィードバック装置を含んでいてよく、これらの装置を用いて駆動アセンブリ805、810及び905を駆動モータ815に結合することができる。テーブル駆動アセンブリ800に対し、結合装置は選択的な伝動システムを提供し、フィードバック装置はさらに高い配置精度を提供し、制動装置はさらに高い安全性を提供すると共に堅牢な設計特性を付与する。
【0041】
本発明は、多数の駆動アセンブリ205、210及び305を駆動する単一の駆動モータ215を含む単純及びコンパクトで信頼性、実用性及び精度の高い患者配置システム120を提供する。これにより、多数の駆動モータの利用を排除し、費用効率を促進する。
【0042】
単一の駆動モータ215を含む駆動システム600は、動作時間及び非動作時間の観点から駆動モータ215の最適利用を促進する。
【0043】
多数の駆動モータを用いる必要性が排除され、これにより駆動システム600に用いられる構成要素の数が減少する。構成要素の数の減少は、組み立て時間の改善、他の部品を組み立てる余裕空間の増大、及び駆動システム600の軽量化に繋がる。このことの結果として、患者配置システム120の美的外観を洗練させることができる。構成要素の数を減少させると、患者配置システム120の信頼性を高めるのをさらに助けることができる。
【0044】
本発明の様々な実施形態において、患者配置システム用の駆動システム及び駆動システムを用いた患者配置システムについて記載している。但し、これらの実施形態は限定されておらず、様々な応用に関連して具現化され得る。本発明の応用は、他の領域、例えば配置装置に拡張することができる。本発明は単一の駆動モータを用いて多数の駆動アセンブリを駆動するという広い概念を提供しており、この概念を類似の配置システムに適応させることができる。この設計をさらに進めて、様々な形態及び仕様として具現化することができる。
【0045】
この書面の記載は、最適な態様を含めて本発明を開示し、また当業者が本発明を製造して利用することを可能にするように実例を用いている。本発明の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって画定され、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造的要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態での撮像装置の一例の模式図である。
【図2】本発明の一実施形態での患者配置システムの一例のブロック図である。
【図3】本発明のもう一つの実施形態での患者配置システムの一例のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態での三つの駆動アセンブリに結合された両端シャフト・モータを含む患者配置システムの例示的な実施形態の模式図である。
【図5】図4に示す患者配置システムの例示的な実施形態の側面模式図である。
【図6】本発明の一実施形態での駆動システムの一例のブロック図である。
【図7】本発明のもう一つの実施形態での駆動システムの一例のもう一つのブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態でのテーブル駆動システムの一例のブロック図である。
【図9】本発明のもう一つの実施形態でのテーブル駆動システムの一例のもう一つのブロック図である。
【符号の説明】
【0047】
100 撮像装置
105 撮像ガントリ
110 トンネル
115 医学的被検体
120 患者配置システム
125 患者支持テーブル
205 第一の駆動アセンブリ
210 第二の駆動アセンブリ
215 駆動モータ
305 第三の駆動アセンブリ
310 第一の結合装置
315 第一の制動装置
320 第一のフィードバック装置
325 第二の結合装置
330 第二の制動装置
335 第二のフィードバック装置
340 第三の結合装置
345 第三の制動装置
350 第三のフィードバック装置
405 ねじ式駆動アセンブリ
410 ラック・アンド・ピニオン式駆動アセンブリ
415 クロス・バー式駆動アセンブリ
417 駆動ねじ
419 線形移動ガイド
420 第一のベルト駆動アセンブリ
425 第二のベルト駆動アセンブリ
430 ピニオン
432 ラック
444 駆動ナット
450 鋏型アセンブリ
452 ピボット
460 テーブル天板
462 テーブル基部
464 第一のローラ・アセンブリ
466 第二のローラ・アセンブリ
600 駆動システム
605 第一の駆動部材
610 第二の駆動部材
705 第三の駆動部材
800 テーブル駆動システム
805 第一の駆動アセンブリ
810 第二の駆動アセンブリ
815 駆動モータ
905 第三の駆動アセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持テーブルを第一の方向に移動させるように構成されている第一の駆動アセンブリ(805)と、前記支持テーブルを第二の方向に移動させるように構成されている第二の駆動アセンブリ(810)と、前記第一の駆動アセンブリ(805)及び前記第二の駆動アセンブリ(810)に結合されている駆動モータ(815)とを備えたテーブル駆動システム(800)であって、前記駆動モータ(815)は、前記第一の駆動アセンブリ(805)及び前記第二の駆動アセンブリ(810)を駆動するように構成されている、テーブル駆動システム(800)。
【請求項2】
前記支持テーブルを第三の方向に移動させるように構成されている第三の駆動アセンブリ(905)をさらに含んでおり、前記駆動モータ(815)は前記第三の駆動アセンブリ(905)を駆動するように構成されている、請求項1に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項3】
前記第一の方向は前後方向を含み、前記第二の方向は左右方向を含み、前記第三の方向は上下方向を含んでいる、請求項2に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項4】
前記第一の駆動アセンブリ(805)はねじ式駆動アセンブリ(405)を含んでいる、請求項1に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項5】
前記第二の駆動アセンブリ(810)はラック・アンド・ピニオン式駆動アセンブリ(410)を含んでいる、請求項1に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項6】
前記第三の駆動アセンブリ(905)はクロス・バー式駆動アセンブリ(415)を含んでいる、請求項2に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項7】
各々が第一の端部において前記駆動モータ(815)に結合され、第二の端部において前記第一の駆動アセンブリ(805)、前記第二の駆動アセンブリ(810)及び前記第三の駆動アセンブリ(905)の一つに結合された複数の結合装置(310、325及び340)をさらに含んでいる請求項2に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項8】
各々が前記第一の駆動アセンブリ(805)、前記第二の駆動アセンブリ(810)及び前記第三の駆動アセンブリ(905)の一つに結合された複数の制動装置(315、330及び345)をさらに含んでいる請求項2に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項9】
各々が前記第一の駆動アセンブリ(805)、前記第二の駆動アセンブリ(810)及び前記第三の駆動アセンブリ(905)の一つに結合された複数のフィードバック装置(320、335及び350)をさらに含んでいる請求項2に記載のテーブル駆動システム(800)。
【請求項10】
患者支持テーブル(125)と、該患者支持テーブル(125)を第一の方向に移動させるように適応構成されている第一の駆動アセンブリ(205)と、前記患者支持テーブル(125)を第二の方向に移動させるように適応構成されている第二の駆動アセンブリ(210)と、前記第一の駆動アセンブリ(205)及び前記第二の駆動アセンブリ(210)に組み合わされた駆動モータ(215)とを備えた患者配置システム(120)であって、前記駆動モータ(215)は、前記第一の駆動アセンブリ(205)及び前記第二の駆動アセンブリ(210)を駆動するように構成されている、患者配置システム(120)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−237911(P2008−237911A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74831(P2008−74831)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】