デジタルデータの送信装置及び受信装置
【課題】既存の受信装置に影響を与えず、位相基準バースト信号に付加情報を多重伝送可能な、回路規模の拡大を抑えたデジタルデータの送信装置及び受信装置を提供する。
【解決手段】送信装置(300、500)は、同期符号W1、又はW2若しくはW3に後続する位置に、付加情報を表すバースト情報と同期符号の末尾6ビットとを挿入して符号化し、挿入して符号化した信号を位相基準バースト信号として伝送し、受信装置(400)は、位相基準バースト信号のシンボルを集積して、同期信号w1、又はw2若しくはw3に後続する位置に付加信号及び同期信号の末尾12シンボルを再配置して復号する。
【解決手段】送信装置(300、500)は、同期符号W1、又はW2若しくはW3に後続する位置に、付加情報を表すバースト情報と同期符号の末尾6ビットとを挿入して符号化し、挿入して符号化した信号を位相基準バースト信号として伝送し、受信装置(400)は、位相基準バースト信号のシンボルを集積して、同期信号w1、又はw2若しくはw3に後続する位置に付加信号及び同期信号の末尾12シンボルを再配置して復号する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルデータの伝送技術に係り、特に、同期補強信号を利用してデータ伝送を行なうデジタルデータの送信装置、及び、同期補強信号に多重されたデータの受信を行なうデジタルデータの受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、BSデジタル放送の伝送方式について説明する。図10は、BSデジタル放送の多重フレームの構成を示す図である。図10に示すように、BSデジタル放送の多重フレームにおいては、8つのフレーム#1〜#8により1チャンネルのスーパーフレームが構成される。フレーム#1〜#8は、それぞれ48個のスロット#1〜#48により構成される。ここで、「スロット」は、MPEG−2 TS(トランスポートストリーム)のパケット(188バイト)のうち先頭の同期バイト(1バイト)を除いた部分、及びRS(リードソロモン)符号のパリティ(16バイト)をデータとして格納できるメモリ上の領域である。また、各スロットの先頭バイトには、フレーム同期、TMCC(Transmission & Multiplexing Configuration Control:伝送多重構成制御)情報、スーパーフレーム同期等が付加される。
【0003】
TMCC情報には、伝送の制御を行う情報等が書き込まれており、1つのスーパーフレームに多重されたTMCC情報を1まとまりとして1セットの制御内容が書き込まれている。この制御内容によって、時間軸において2スーパーフレーム後の伝送制御が行われる。伝送制御の一つとして、BSデジタル放送のTMCC情報では、各スロットに対し、表1に示す伝送モードを指定することができる。表1の左欄の「値」は、TMCC情報のうちの伝送モードを指定するビットの値を示している。また、右欄の「伝送モード」は、変調方式と内符号符号化率との組み合わせを意味しており、BPSK、QPSK及びTC8PSKの変調方式と、1/2〜7/8の符号化率rの内符号とを組み合わせた7通りの伝送が可能となっている。
【0004】
【表1】
【0005】
図11は、スロットの割り当ての規則を示す図である。TMCC情報により指定される伝送モードは、表1に示したように、変調方式自体の周波数利用効率と内符号の符号化率との積で計算される周波数利用効率が単純な整数比になるように構成されている。すなわち、8PSK、QPSK及びBPSKの周波数利用効率は、それぞれ3[bps/Hz]、2[bps/Hz]及び1[bps/Hz]であるから、BPSK(r=1/2)、QPSK(r=1/2)、QPSK(r=2/3)、QPSK(r=3/4)、QPSK(r=5/6)、QPSK(r=7/8)及びTC8PSK(r=2/3)の周波数利用効率は、それぞれ1/2、1、4/3、3/2、5/3、7/4及び2となっている。このような整数比があるため、TC8PSKに対し、周波数利用効率の低い伝送モードを利用する場合には、効率の下がった分だけダミースロットを配置することにより、多重フレームのクロックレートを一定にし、ハードウェア化を容易にしている。表2に、伝送モードごとのスロットの割り当て単位を示す。
【0006】
【表2】
【0007】
図12は、従来の送信装置100の構成を示すブロック図である。この送信装置100は、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、P/S変換部110、位相基準バースト信号用エネルギー拡散符号発生部111、及びバースト信号入力部112を備え、データストリームを送信する場合に、図10に示した1つのスーパーフレームを構成する多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
【0008】
フレーム生成部101は、各スロットのデータ部分に対しRS[204,188]符号化部102により符号化を行った後、第n番目のスーパーフレームに対応する第n−2番目(2つ手前)のTMCC情報に従って、各信号の変調方式及び内符号符号化率等を指定してフレームを生成し、スーパーフレームを生成する。図12に示した例では、スロット#1〜#46にはTC8PSK変調(内符号符号化率r=2/3)が指定され、スロット#47にはQPSK変調(内符号符号化率r=1/2)が指定されている。また、TC8PSK変調とQPSK変調とを比較すると、同じ変調シンボル数を使った場合に伝送できるビット数は、QPSK変調がTC8PSK変調の半分しかない。このため、図11を参照して説明したように、スロット#48をダミースロットとして、フレームを多重伝送する規則になっている。このように、フレーム生成部101は、使用する変調方式と内符号符号化率との組み合わせの効率に応じて、ダミースロットを挿入する。
【0009】
また、フレーム生成部101は、生成したフレーム#1〜#8におけるスロットのうち、データ及びRS符号のパリティ部分をエネルギー拡散部103に出力し、各スロットの先頭バイトに多重されているTMCC情報をRS[64,48]符号化部108に出力する。
【0010】
エネルギー拡散部103は、フレーム生成部101により生成されたフレーム#1〜#8におけるスロットのうち、データ及びRS符号のパリティ部分が入力され、スーパーフレームにおけるこれらのデータ等全体に対して、エネルギー拡散(ビットランダム化)を行う。これは、擬似ランダムな「1」及び「0」のパターンをM系列を使って発生させ、これとスロット内のデータとでMOD2加算することにより実現する。これにより、「1」又は「0」が連続することがなくなることから、後述する受信装置において、同期再生の安定化を図ることができる。
【0011】
インターリーブ部104は、エネルギー拡散部103によりエネルギー拡散されたデータ等が入力され、スロット毎にインターリーブを行う。これは、ビットの並び順を擬似ランダムに入れ替えるものであり、各スロットの左から右に書き込まれたデータを、奥行き方向(フレームが並んでいる方向)に読み出すことにより実現する。これにより、伝送中に連続したビット誤りが発生しても、後述する受信装置が、元の順番に並び替えるデインターリーブ処理を行うことで、ランダムなビット誤りに変換するため、誤り訂正符号の効果を高めることができる。
【0012】
畳み込み符号化部105は、インターリーブ部104によりインターリーブされたデータ等に対し、各スロットに指定された符号化率で、畳み込み符号(内符号)により符号化を行う。
【0013】
図13に、畳み込み符号化部105をより詳細に記載したものを示す。図13に示す範囲は、図12の畳み込み符号化部105を含む点線で囲った部分である。畳み込み符号化部105は、6つの1ビット遅延素子11から16と、2つのMOD2加算器21及び22と、パンクチャ処理部30とを備える。畳み込み符号化は6つの1ビット遅延素子11から16を直列に接続し、1ビット遅延素子11から16の間の接続線の一部から分岐した信号に対してMOD2加算することで符号化出力を生成しており、拘束長は7となる。この符号化器の場合、1ビットのビットストリームB0を入力し、遅延素子から分岐する信号線の位置を変えた2系統の符号化出力C1及びC0を生成しており、これにより、符号化率1/2の符号化を行うことができる。
【0014】
C1及びC0はその後、さらにパンクチャ処理部30により、パンクチャ処理が行われる。パンクチャ処理は、C1,C0のビット系列のうち、一部のビットを間引いてから伝送することで、もとの符号化率1/2から、それ以外の符号化率を実現する手法である。受信装置側では、間引かれたビット位置に‘0’と‘1’の中間の値を補間することで、符号化率1/2の復号器で復号可能となる。
【0015】
表3に、各符号化率を実現するためにビットを間引く位置(パンクチャドパターン)を示す。入力信号C1,C0がパンクチャドパターンによりP1,P0になる。表3によれば、符号化率1/2の場合、特に間引きの処理をしないが、例えば符号化率3/4を実現する場合には、符号化された6ビットの符号化出力(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)のうち、Y2及びX3の2ビットを間引いて廃棄し、(X1,Y1),(Y3,X2)を出力する処理を繰り返し行えばよいことがわかる。なお、パンクチャド符号化の位相の関係は、パンクチャド位相の先頭位相がスロット先頭と一致するものとする。
【0016】
【表3】
【0017】
マッピング部106は、畳み込み符号化部105により畳み込み符号化されたデータ等に対し、TMCC情報により指定された変調方式によるマッピングを行い、時分割多重/直交変調部107は、時分割多重及び直交変調を行い、変調波信号を生成する。なお、TC8PSK(符号化率2/3)の場合、3ビットのシンボルが8つの信号点に対応付けられるが、3ビットのうちの最上位ビット(MSB)には図13のC2の信号が割り当てられ、第2ビットと第3ビットには同図のP1及びP0が割り当てられる。また表3の符号化率は1/2を使用する。QPSKについては、2ビットのシンボルが4つの信号点に対応づけられ、2ビット分の情報を一度に伝送できるため、2ビットのうちMSBにP1、LSBにP0を割り当て、信号点マッピングが行われる。BPSKについては、1ビットのシンボルが2つの信号点に対応づけられ、1ビット分の情報しか一度に伝送できないため、P/S変換部110で2ビットの信号を交互にC0,C1の順で出力することで1ビットの信号系列に変換してから信号点マッピングが行われる。
【0018】
一方、RS[64,48]符号化部108は、フレーム生成部101により生成されたフレーム#1〜#8におけるスロットのうち、先頭バイトに多重されたTMCC情報が入力され、リードソロモン符号(RS[64,48])で誤り訂正符号パリティを付加する。
【0019】
TMCC情報用エネルギー拡散部109は、RS[64,48]符号化部108により誤り符号パリティが付加されたTMCC情報に対し、エネルギー拡散を行う。その後、畳み込み符号化部105は、畳み込み符号により符号化率r=1/2で符号化し、マッピング部106はBPSKマッピングを行う。時分割多重/直交変調部107は同期信号、TMCC信号、及び主信号について所定の変調方式の信号点配置でマッピングされた信号点系列を所定の順序で時分割多重し、直交変調を行い、変調波信号を生成する。そして、送信装置100は、このように生成した変調波信号を伝送する。
【0020】
なお、図12においては、RS[204,188]符号化部102及びRS[64,48]符号化部108を別のブロックとして描いているが、これらは同一の基本符号RS[255,239]をそれぞれ、51バイト及び191バイト短縮化したもので、復号処理は同一であることから、時分割処理により共用化することも可能である。
【0021】
図14に、図12の畳み込み符号化部105に入力される前の信号形式を示す。スーパーフレームを構成するフレーム#1〜フレーム#8のそれぞれは、16ビットのフレーム同期符号W1、64ビットのTMCC情報、16ビットのスーパーフレーム同期符号W2
又はW3、及び19488ビット〜68208ビットの主信号情報(エネルギー拡散・インターリーブ後)で構成される。
【0022】
また、図15に、図12の畳み込み符号化部105から出力された後の畳み込み符号化後の信号形式を示す。スーパーフレームを構成するフレーム#1〜フレーム#8のそれぞれは、12ビットの不定ビット、20ビットのフレーム同期符号w1、128ビットのTMCC情報、12ビットの不定ビット、20ビットのスーパーフレーム同期符号w2又はw3、及び77952ビットの主信号情報(エネルギー拡散・インターリーブ・内符号符号化後)で構成される。なお、図中のフレーム同期符号及びスーパーフレーム同期符号の表記は、畳み込み符号化前についてはW1,W2,W3で表し、畳み込み符号化後についてはw1,w2,w3で表して区別している。
【0023】
フレーム同期符号w1の前に12ビットの不定ビットが入る理由は、図13に示した畳み込み符号化部105の構成から明らかなように、6ビットの遅延素子(11から16)にはフレーム同期符号W1が入力される前に符号化されるデータの系列が残っており、これらのデータ系列が完全に吐き出されるためには、フレーム同期符号W1のうち先頭6ビット分が入力し終わる必要があるためである。このとき、P1、P0から12ビット分の不定ビットが出力されることになる。その後、第6ビット目が入力された後はフレーム同期符号W1の16ビット目が入力し終わるまで、フレームによらず、遅延素子の値は同じ値のパターンをとり、その出力(P1,P0)も同じ値の系列を出力することになるため、20ビット分の既知パターンw1が出力されることになる。同様の理由でスーパーフレーム同期符号W2についても、12ビットの不定パターンとなり、その後既知の20ビットのスーパーフレーム同期符号w2が出力されることになる。スーパーフレーム同期符号W3についても同様である。
【0024】
図16は、図12に示した送信装置100により伝送される変調波信号の例を示す図である。以下の説明において、「符号」又は「情報」と「信号」とは、送信側で信号点マッピングされてから、受信装置側でビタビ復号される前までの期間を「信号」と呼び、それ以外では「符号」又は「情報」と呼ぶこととして区別する(例えば、「同期符号」と「同期信号」、「TMCC情報」と「TMCC信号」など)。図16に示すように、変調波信号は、フレーム単位に、各フレームに対して、まず不定シンボル(12シンボル)、フレーム同期信号w1(20シンボル)、TMCC信号(又はその誤り訂正パリティ/128シンボル)、不定シンボル(12シンボル)、スーパーフレーム同期信号(先頭フレームではw2、それ以外のフレームではw2の反転パターンw3/20シンボル)の計192シンボルがBPSKの信号点に変換され、直交変調されて伝送される。その後、TMCC情報で指定されたデジタル変調方式に対応した信号点に変換し、直交変調することにより、映像・音声・データ放送等が多重された主信号が伝送される。主信号の伝送に際しては、周期的に同期補強用の位相基準バースト信号(擬似ランダムなデジタル信号をBPSKの信号点に変換し、直交変調したもの)が多重される。この位相基準バースト信号は位相基準バースト信号用エネルギー拡散符号発生部111により発生した擬似ランダム系列と固定値‘0’の系列とをMOD2加算した信号がBPSKの信号点に変換され、直交変調されて生成される。‘0’の系列の代わりに付加的な情報を載せることも可能であるが、現状では‘0’の系列が入力される運用が行われている。このような処理を8フレーム分繰り返して行うことにより、TMCC情報に書き込まれた情報が後述する受信装置に伝送される。受信装置は、TMCC情報を絶えず監視することにより、送信装置100において様々な伝送制御が行われたとしても、それに追従して受信方式等を切り替えることができる。
【0025】
図17は、従来の受信装置200の構成を示すブロック図である。受信装置200は、チャンネル選択部201、直交検波部202、同期検出・伝送制御信号復号部203、位相基準バースト廃棄部204、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、TMCC情報用エネルギー逆拡散部207、RS[64,48]復号部208、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210、及びRS[204,188]復号部211を備え、図12に示した送信装置100により伝送された変調波信号を受信し、TMCC情報に基づいて伝送方式等を切り替え、元の主信号情報のデータストリームを生成する。
【0026】
チャンネル選択部201は、送信装置100からの変調波信号である放送波がBSアンテナ及びBSアンテナに内蔵されている周波数変換部(図示せず)を介してBS−IF信号(第1IF)として入力され、チャンネルを選択し、そのチャンネルの信号を第2IF周波数に変換して出力する。なお、上記の周波数変換部では、12GHz帯の放送波が1GHz帯のBS−IF信号に変換される。
【0027】
直交検波部202は、チャンネル選択部201により選択されたチャンネルのBS−IF信号(第2IF)が入力され、同期ベースバンド信号に変換する。この同期ベースバンド信号は、図16に示すシンボル系列を、それぞれ所定の変調方式の信号点配置の信号点系列に変換したものに、伝送路における歪や雑音が加算された信号点系列となる。
【0028】
同期検出・伝送制御信号復号部203は、直交検波部202により変換された同期ベースバンド信号が入力され、まずTMCC信号のフレーム同期信号とスーパーフレーム同期信号を検出し、それを基準として、周期的に多重されているBPSK変調波である位相基準バースト信号の位置も検出する。また、ビタビ復号部205に、TMCC信号部分に対してBPSK(符号化率1/2)を指定して、TMCC信号を復号し、復号されたTMCC情報部分をTMCC情報分離部206で抽出する。また、TMCC情報部分以外はデインターリーブ部209へ出力される。その後、TMCC情報部分はTMCC情報用エネルギー逆拡散部207で、図12のTMCC情報用エネルギー拡散部109と同一の拡散符号により逆拡散が行われる。そして、RS[64,48]復号部208で復号されTMCC情報が抽出される。同期検出・伝送制御信号復号部203は、TMCC情報から変調波信号各部の変調方式・畳み込み符号の符号化率などの情報を検出する。同期検出・伝送制御信号復号部203により検出された情報は、直交検波部202、位相基準バースト廃棄部204、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210及びRS[204,188]復号部211に入力される。
【0029】
位相基準バースト廃棄部204は、直交検波部202から同期ベースバンド信号が入力されると共に、同期検出・伝送制御信号復号部203により検出された位相基準バースト信号挿入位置の情報が入力され、図18に示すように位相基準バースト信号に対応するシンボルの信号点系列の廃棄が行われる。
【0030】
ビタビ復号部205は、位相基準バースト廃棄部204から同期ベースバンド信号が入力されると共に、同期検出・伝送制御信号復号部203により検出された変調方式・誤り訂正の情報が入力され、TC8PSK変調部分の信号点系列についてはTC8PSK復号を行い、QPSK又はBPSK変調部分の信号点系列についても、それに合わせた復号を行う。
【0031】
このとき、TMCC信号の復号にあたっては、w1の最後の時点に対応する畳み込み符号化時の状態(図13の1ビット遅延素子11から16の値)は既知であること、及びw2又はw3の先頭の時点に対応する畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用し、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号の受信特性を改善できる。また、w2又はw3の最後の時点に対応する畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びw1の先頭の時点に対応する畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用してビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号に後続する主信号の受信特性を改善できる。
【0032】
デインターリーブ部209は、ビタビ復号部205により復号され、TMCC情報分離部206によりTMCC情報が分離された情報に対し、送信装置100のインターリーブ部104において疑似ランダムに入れ替えられたビットの並び順を元に戻す。エネルギー逆拡散部210は、デインターリーブ部209によりデインターリーブされた情報に対し、送信装置100のエネルギー拡散部103において擬似ランダム符号がMOD2により加算された処理を元に戻すため、再度同じ擬似ランダム符号をMOD2により加算し、エネルギー逆拡散処理を行う。RS[204,188]復号部211は、エネルギー逆拡散部210によりエネルギー逆拡散された情報に対し、リードソロモン復号を行う。
【0033】
このように、現在BSデジタル放送では、48のスロットからなる多重したフレームを構成し、スロットに多重されたMPEG−2のTSパケットに対し、変調方式や誤り訂正符号の符号化率をTMCC信号を使って指定することにより、複数の変調方式を柔軟に時分割多重して伝送することができる。
【0034】
なお、このような伝送システムに用いる送信装置及び受信装置の例として、特許文献1,2に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2003−179657号公報
【特許文献2】特開2006−254273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
このように、MPEG−2のTSパケットをさらに多重化するフレームを構成し、TMCC信号を使用することにより、現在運用中のBSデジタル放送では、柔軟な伝送制御を行うことができ、複数の変調方式を柔軟に時分割多重して伝送することができる。しかしながら、位相基準バースト信号は擬似ランダム符号で拡散された符号‘0’の系列が伝送されており、周波数の有効利用が図られていないという問題があった。
【0037】
本発明の目的は、上記課題を解決するために、既存受信装置に対して妨害を与えることなく、かつ送受信装置のコストインパクトが小さい方法で、位相基準バースト信号を使った付加情報を伝送可能な、デジタルデータの送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0038】
上記課題を解決するため、本発明に係る送信装置は、第1の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係る送信装置は、フレーム同期用の第1の固定パターン(フレーム同期符号W1)のビット系列、制御データ(TMCC情報)のビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターン(スーパーフレーム同期符号W2)のビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターン(スーパーフレーム同期符号W3)のビット系列、及び伝送データ(主信号)のビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターン(フレーム同期末尾符号W1(−6))のビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記制御データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0040】
また、本発明に係る送信装置は、フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、及び伝送データ(主信号)のビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、付加情報のビット系列、及び、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W2(−6))、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W3(−6))を、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列と、前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、前記第1の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列又は前記第5の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0041】
また、本発明に係る送信装置において、前記送信手段は、前記符号化された付加情報のビット系列を細分化し、等間隔に時分割多重して外部に送信することを特徴とする。
【0042】
また、本発明に係る送信装置において、前記付加情報のビット系列は、前記制御データのビット系列及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の符号化手段により符号化され、スーパーフレーム単位でインターリーブされた信号であることを特徴とする。
【0043】
さらに、本発明に係る受信装置は、伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、変調波信号に時分割多重された信号を受信する受信手段と、前記受信した信号を誤り訂正復号する復号手段と、該復号された信号から前記付加情報のビット系列を分離する情報分離手段と、を備えることを特徴とする。
【0044】
さらに、本発明に係る受信装置は、伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列又は該第3の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第4の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、前記受信した付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第1の固定パターンのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列と、前記制御データのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、を備えることを特徴とする。
【0045】
さらに、本発明に係る受信装置は、伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W2(−6))、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W3(−6))、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、前記受信した符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列と、前記伝送データのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、を備えることを特徴とする。
【0046】
また、本発明に係る受信装置において、前記復号手段は、前記付加情報のビット系列を、ビタビ復号手段、及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の復号手段により復号することを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
以上のように、本発明によれば、固定パターンのビット系列と、それに後続する制御データ又は伝送データのビット系列との間に、バースト情報のビット系列と固定パターンのビット系列の一部とを挿入して符号化して伝送することにより、既存の受信装置に影響を与えることなく、簡易な構成で付加情報を伝送できるデジタルデータの送信装置及び受信装置を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態による送信装置の構成を示す図である。
【図2】畳み込み符号化前の信号形式を示す図である。
【図3】畳み込み符号化後の信号形式を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による受信装置の構成(本発明の第2の実施形態も同様)を示す図である。
【図5】受信信号からの位相基準バースト信号の再配置を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による送信装置の構成を示す図である。
【図7】畳み込み符号化前の信号形式を示す図である。
【図8】畳み込み符号化後の信号形式を示す図である。
【図9】受信信号からの位相基準バースト信号の再配置を示す図である。
【図10】BSデジタル放送の多重フレーム構成を示す図である。
【図11】スロットの割り当ての規則を示す図である。
【図12】従来技術による送信装置の構成を示す図である。
【図13】畳み込み符号化部を示す図である。
【図14】畳み込み符号化前の信号形式を示す図である。
【図15】畳み込み符号化後の信号形式を示す図である。
【図16】変調信号の例を示す図である。
【図17】従来技術による受信装置の構成を示す図である。
【図18】受信信号からの位相基準バースト信号の廃棄を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の第1の実施形態による送信装置及び受信装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0050】
[送信装置]
まず、本発明の第1の実施形態による送信装置について図1から図3を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による送信装置300の構成を示す図である。この送信装置300は、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、P/S変換部110、W1(−6)パターン発生部301、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ304、符号化データ蓄積部305、及び符号化バースト情報蓄積部306を備え、主信号情報のデータストリーム、及び付加情報(以下、「バースト情報」と呼ぶ)を送信する場合に、多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
【0051】
図12に示した従来の送信装置100と本発明による送信装置300とを比較すると、両装置とも、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、及びP/S変換部110を備えている点で同一であるが、送信装置300において、W1(−6)パターン発生部301、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ部304、符号化データ蓄積部305、及び符号化バースト情報蓄積部306を備えている点で相違する。ここでW1(−6)パターン発生部301は16ビットからなるフレーム同期符号W1のうち末尾の6ビット分のパターン(以下、「フレーム同期末尾符号W1(−6)」という)を発生する機能を持つ。なお、ここではフレーム同期符号W1の末尾から抽出した6ビット分のパターンを発生する場合について説明するが、抽出するビット長は、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さであればよい。
【0052】
以上の同一の構成要素の動作については、従来の送信装置100と同様であるから、ここでは同じ参照符号を付して説明を割愛し、相違点を中心に説明する。畳み込み符号化部105の入力及び出力の信号形式をそれぞれ図2及び図3に示す。本発明の第1の実施形態による図2の畳み込み符号化前の信号形式と従来の図14に示す信号形式とを比較すると、16ビットのフレーム同期符号W1の後に、378ビットのバースト情報(付加情報)と6ビットのフレーム同期末尾符号W1(−6)が挿入されている点で異なる。ここで、バースト情報は図1のバースト情報入力部302から入力された信号に対して、バースト情報用外符号符号化部303で符号化され、バースト情報用インターリーブ部304でインターリーブされた信号である。バースト情報用外符号符号化部303にRS[63,47]符号化を、バースト情報用インターリーブ部304に63バイト×6行のインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS符号に、主信号及びTMCC情報用のRS符号を短縮化して共用可能となる。
【0053】
また、畳み込み符号化後の信号形式については、本発明の第1の実施形態による図3と従来の信号形式を示す図15とを比較すると、20ビットのフレーム同期符号w1の後に、756ビットのバースト情報及び12ビットのフレーム同期末尾符号w1(−12)が挿入されている点で異なる。図3に示す信号のうち、バースト情報については図16に示すように位相基準バースト信号の位置に分散して多重する必要がある。そこで畳み込み符号化部105の出力は、バースト情報については符号化バースト情報蓄積部306に、それ以外を符号化データ蓄積部305に一時記憶することで符号化されたバースト情報を分離し、後段のスイッチを図16の信号順となる様に切り替える。
【0054】
[受信装置]
次に、本発明の第1の実施形態による受信装置について図4及び図5を参照して説明する。図4は、本発明の第1の実施形態による受信装置400の構成を示す図である。受信装置400は、チャンネル選択部201、直交検波部202、同期検出・伝送制御信号復号部203、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、TMCC情報用エネルギー逆拡散部207、RS[64,48]復号部208、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210、RS[204,188]復号部211、位相基準バースト信号再配置部401、バースト情報分離部402、バースト情報用デインターリーブ部403、バースト情報用エネルギー逆拡散部404、及びバースト情報用外符号復号部405を備え、図1に示した送信装置300により伝送された変調波信号を受信し、TMCC情報に基づいて伝送方式等を切り替え、元の主信号情報のデータストリームを生成すると同時に、位相基準バースト信号に多重されたバースト情報を生成する。
【0055】
図17に示した従来の受信装置200と本発明による受信装置400とを比較すると、両装置とも、チャンネル選択部201、直交検波部202、同期検出・伝送制御信号復号部203、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、TMCC情報用エネルギー逆拡散部207、RS[64,48]復号部208、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210、及びRS[204,188]復号部211を備えている点で同一であるが、受信装置400において、バースト情報分離部402、バースト情報用デインターリーブ部403、バースト情報用エネルギー逆拡散部404、及びバースト情報用外符号復号部405を備えている点、並びに位相基準バースト廃棄部204の代わりに、位相基準バースト信号再配置部401を備えている点で相違する。
【0056】
以上の同一の構成要素の動作については、従来の受信装置200と同様であるから、ここでは同じ参照符号を付して説明を割愛し、相違点を中心に説明する。図5は位相基準バースト信号再配置部401の動作を示す図である。位相基準バースト信号再配置部401は、分散されて伝送される位相基準バーストを集積して768シンボルずつの信号点系列にまとめ、フレーム同期信号w1の信号点系列に後続する位置に再配置する。同期検出・伝送制御信号復号部203は、ビタビ復号部205に対して、集積された位相基準バースト信号の信号点系列をBPSK(符号化率1/2)で復号するようゲート信号を送出する。ビタビ復号部205は集積された位相基準バースト信号の信号点系列をBPSK(符号化率1/2)で復号する。その際、図3に示すように、768シンボルの末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知であることから、フレーム同期信号w1の末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知であることと併せて利用し、バースト情報の信号点系列のビタビ復号を行う際に、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスの選別をすることで、伝送特性を改善することができる。
【0057】
また、TMCC信号の復号を行う際には、図17に示す従来技術の受信装置200と同様、フレーム同期末尾符号w1(−12)の末尾の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びw2又はw3の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用し、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号の受信特性を改善できる。また、スーパーフレーム同期信号w2又はw3の最後の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知となっていること、及びフレーム同期信号w1の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用してビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号に後続する主信号の受信特性を改善できる。なお、主信号については、バースト情報分離部402はバースト情報に対応する部分以外をデインターリーブ部209へ出力しデインターリーブを行う。
【0058】
さらに、位相基準バーストを再配置せず、廃棄する従来の受信装置で受信する際にも、TMCC信号の開始点における符号化器の状態は同一となるため、従来の受信装置のTMCC信号受信特性を劣化させることはない。
【0059】
ビタビ復号部205で復号されたバースト情報は、バースト情報分離部402で信号系列の中から抽出されバースト情報用デインターリーブ部403へ出力される。その後、バースト情報用デインターリーブ部403でデインターリーブされ、バースト情報用エネルギー逆拡散部404でエネルギー逆拡散され、バースト情報用外符号復号部405で復号され、送信されたバースト情報が生成される。なお、バースト情報用外符号復号部405にRS[63,47]復号を、バースト情報用デインターリーブ部403に63バイト×6行のインターリーブに対応するデインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS復号に、主信号及びTMCC情報用のRS復号器を短縮化して共用可能となる。
【0060】
次に、本発明の第2の実施形態による送信装置及び受信装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例2】
【0061】
[送信装置]
次に、本発明の第2の実施形態による送信装置について図6から図8を参照して説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による送信装置500の構成を示す図である。この送信装置500は、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、P/S変換部110、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ304、符号化データ蓄積部305、符号化バースト情報蓄積部306、W2(−6)パターン発生部501、及びW3(−6)パターン発生部502を備え、主信号情報のデータストリーム、及びバースト情報を送信する場合に、多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
【0062】
図12に示した従来の送信装置100と本発明による送信装置500とを比較すると、両装置とも、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、及びP/S変換部110を備えている点で同一であるが、送信装置500において、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ部304、符号化データ蓄積部305、符号化バースト情報蓄積部306、W2(−6)パターン発生部501及びW3(−6)パターン発生部502を備えている点で相違する。ここでW2(−6)パターン発生部501及びW3(−6)パターン発生部502は、それぞれ16ビットからなるスーパーフレーム同期符号W2のうち末尾の6ビット分のパターン(以下、「スーパーフレーム同期末尾符号W2(−6)」という)及びスーパーフレーム同期符号W3のうち末尾の6ビット分のパターン(以下、「スーパーフレーム同期末尾符号W3(−6)」という)を発生する機能を持つ。なお、ここではフレーム同期符号W2又はW3の末尾から抽出した6ビット分のパターンを発生する場合について説明するが、抽出するビット長は、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さであればよい。
【0063】
以上の同一の構成要素の動作については、従来の送信装置100と同様であるから、ここでは同じ参照符号を付して説明を割愛し、相違点を中心に説明する。畳み込み符号化部105の入力及び出力の信号形式をそれぞれ図7及び図8に示す。本発明の第2の実施形態による図7の畳み込み符号化前の信号形式と従来の図14に示す信号形式とを比較すると、16ビットのスーパーフレーム同期符号W2の後に378ビットのバースト情報と6ビットのスーパーフレーム同期末尾符号W2(−6)が挿入されている点、及び16ビットのスーパーフレーム同期符号W3の後に378ビットのバースト情報と6ビットのスーパーフレーム同期末尾符号W3(−6)が挿入されている点で異なる。ここで、バースト情報は、図6のバースト情報入力部302から入力された信号に対して、バースト情報用外符号符号化部303で符号化され、バースト情報用インターリーブ部304でインターリーブされた信号である。バースト情報用外符号符号化部303にRS[63,47]符号化を、バースト情報用インターリーブ部304に63バイト×6行のインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS符号に、主信号及びTMCC情報用のRS符号を短縮化して共用可能となる。
【0064】
また、畳み込み符号化後の信号形式については、本発明の第2の実施形態による図8と従来の信号形式を示す図15とを比較すると、20ビットのスーパーフレーム同期符号w2の後に756ビットのバースト情報と12ビットのスーパーフレーム同期末尾符号w2(−12)が挿入されている点、及び20ビットのスーパーフレーム同期符号w3の後に756ビットのバースト情報と12ビットのスーパーフレーム同期末尾符号w3(−12)が挿入されている点で異なる。図3の信号のうち、バースト情報については図16に示した位相基準バースト信号の位置に分散して多重する必要がある。そこで畳み込み符号化部105の出力は、バースト情報については符号化バースト情報蓄積部306に、それ以外を符号化データ蓄積部305に一時記憶することで符号化されたバースト情報を分離し、後段のスイッチを図16の信号順となる様に切り替える。
【0065】
[受信装置]
次に、本発明の第2の実施形態による受信装置について図4及び図9を参照して説明する。本発明の第2の実施形態による受信装置の構成は、本発明の第1の実施形態の受信装置と同一であり、構成要素内部の信号処理の方法のみが異なる。したがって、ここでは図4を参照し、その機能について説明する。
【0066】
図9は、位相基準バースト信号再配置部401の動作を示す図である。位相基準バースト信号再配置部401は、分散されて伝送される位相基準バーストを集約して768シンボルずつの信号点系列にまとめ、スーパーフレーム同期信号w2又はw3の信号点系列に後続する位置に再配置する。同期検出・伝送制御信号復号部203は、ビタビ復号部205に対して、集積された位相基準バースト信号をBPSK(符号化率1/2)で復号するようゲート信号を送出する。ビタビ復号部205は集積された位相基準バースト信号の信号点系列をBPSK(符号化率1/2)で復号する。その際、図8に示すように、768シンボルの末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知となっていることから、スーパーフレーム同期信号w2又はw3の末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知であることと併せて利用し、バースト情報の信号点系列のビタビ復号を行う際に、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスの選別をすることで、伝送特性を改善することができる。
【0067】
また、主信号の復号を行う際には、図8に示す従来技術の受信装置200と同様、スーパーフレーム同期末尾符号w2(−12)又はw3(−12)の末尾の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びw1の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用し、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、主信号の受信特性を改善できる。また、フレーム同期信号w1の末尾の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びスーパーフレーム同期信号w2又はw3の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用してビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号の受信特性を改善できる。なお、主信号については、位相基準バースト分離部402は位相基準バースト情報に対応する部分以外をデインターリーブ部209でデインターリーブを行う。
【0068】
さらに、位相基準バーストを再配置せず、廃棄する従来の受信装置で受信する際にも、主信号の開始点における符号化器の状態は同一となるため、従来の受信装置の主信号受信特性を劣化させることはない。
【0069】
ビタビ復号部205で復号されたバースト情報は、位相基準バースト情報分離部402で信号系列の中から抽出されバースト情報用デインターリーブ部403へ出力される。その後、バースト情報用デインターリーブ部403でデインターリーブされ、バースト情報用エネルギー逆拡散部404でエネルギー逆拡散され、バースト情報用外符号復号部405で復号され、送信されたバースト情報が生成される。なお、バースト情報用外符号復号部405にRS[63,47]復号を、バースト情報用デインターリーブ部403に63バイト×6行のインターリーブに対応するデインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS復号に、主信号及びTMCC情報用のRS復号器を短縮化して共用可能となる。
【0070】
上述の各実施例は、個々に代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
このように、本発明によれば、位相基準バースト信号を廃棄することなく付加情報として利用をすることができるので、デジタルデータを効率良く送信又は受信する任意の用途に有用である。
【符号の説明】
【0072】
100 送信装置
101 フレーム生成部
102 RS[204,188]符号化部
103 エネルギー拡散部
104 インターリーブ部
105 畳み込み符号化部
106 マッピング部
107 時分割多重/直交変調部
108 RS[64,48]符号化部
109 TMCC情報用エネルギー拡散部
110 P/S変換部
111 位相基準バースト信号用エネルギー拡散符号発生部
112 バースト情報入力部
200 受信装置
201 チャンネル選択部
202 直交検波部
203 同期検出・伝送制御信号復号部
204 位相基準バースト廃棄部
205 ビタビ復号部
206 TMCC情報分離部
207 TMCC情報用エネルギー逆拡散部
208 RS[64,48]符号化部
209 デインターリーブ部
210 エネルギー逆拡散部
211 RS[204,188]符号化部
300 送信装置
301 W1(−6)パターン発生部
302 バースト情報入力部
303 バースト情報用外符号符号化部
304 バースト信号用インターリーブ部
305 符号化データ蓄積部
306 符号化バースト情報蓄積部
400 受信装置
401 位相基準バースト信号再配置部
402 バースト情報分離部
403 バースト情報用デインターリーブ部
404 バースト情報用エネルギー逆拡散部
405 バースト情報用外符号復号部
500 送信装置
501 W2(−6)パターン発生部
502 W3(−6)パターン発生部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルデータの伝送技術に係り、特に、同期補強信号を利用してデータ伝送を行なうデジタルデータの送信装置、及び、同期補強信号に多重されたデータの受信を行なうデジタルデータの受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、BSデジタル放送の伝送方式について説明する。図10は、BSデジタル放送の多重フレームの構成を示す図である。図10に示すように、BSデジタル放送の多重フレームにおいては、8つのフレーム#1〜#8により1チャンネルのスーパーフレームが構成される。フレーム#1〜#8は、それぞれ48個のスロット#1〜#48により構成される。ここで、「スロット」は、MPEG−2 TS(トランスポートストリーム)のパケット(188バイト)のうち先頭の同期バイト(1バイト)を除いた部分、及びRS(リードソロモン)符号のパリティ(16バイト)をデータとして格納できるメモリ上の領域である。また、各スロットの先頭バイトには、フレーム同期、TMCC(Transmission & Multiplexing Configuration Control:伝送多重構成制御)情報、スーパーフレーム同期等が付加される。
【0003】
TMCC情報には、伝送の制御を行う情報等が書き込まれており、1つのスーパーフレームに多重されたTMCC情報を1まとまりとして1セットの制御内容が書き込まれている。この制御内容によって、時間軸において2スーパーフレーム後の伝送制御が行われる。伝送制御の一つとして、BSデジタル放送のTMCC情報では、各スロットに対し、表1に示す伝送モードを指定することができる。表1の左欄の「値」は、TMCC情報のうちの伝送モードを指定するビットの値を示している。また、右欄の「伝送モード」は、変調方式と内符号符号化率との組み合わせを意味しており、BPSK、QPSK及びTC8PSKの変調方式と、1/2〜7/8の符号化率rの内符号とを組み合わせた7通りの伝送が可能となっている。
【0004】
【表1】
【0005】
図11は、スロットの割り当ての規則を示す図である。TMCC情報により指定される伝送モードは、表1に示したように、変調方式自体の周波数利用効率と内符号の符号化率との積で計算される周波数利用効率が単純な整数比になるように構成されている。すなわち、8PSK、QPSK及びBPSKの周波数利用効率は、それぞれ3[bps/Hz]、2[bps/Hz]及び1[bps/Hz]であるから、BPSK(r=1/2)、QPSK(r=1/2)、QPSK(r=2/3)、QPSK(r=3/4)、QPSK(r=5/6)、QPSK(r=7/8)及びTC8PSK(r=2/3)の周波数利用効率は、それぞれ1/2、1、4/3、3/2、5/3、7/4及び2となっている。このような整数比があるため、TC8PSKに対し、周波数利用効率の低い伝送モードを利用する場合には、効率の下がった分だけダミースロットを配置することにより、多重フレームのクロックレートを一定にし、ハードウェア化を容易にしている。表2に、伝送モードごとのスロットの割り当て単位を示す。
【0006】
【表2】
【0007】
図12は、従来の送信装置100の構成を示すブロック図である。この送信装置100は、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、P/S変換部110、位相基準バースト信号用エネルギー拡散符号発生部111、及びバースト信号入力部112を備え、データストリームを送信する場合に、図10に示した1つのスーパーフレームを構成する多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
【0008】
フレーム生成部101は、各スロットのデータ部分に対しRS[204,188]符号化部102により符号化を行った後、第n番目のスーパーフレームに対応する第n−2番目(2つ手前)のTMCC情報に従って、各信号の変調方式及び内符号符号化率等を指定してフレームを生成し、スーパーフレームを生成する。図12に示した例では、スロット#1〜#46にはTC8PSK変調(内符号符号化率r=2/3)が指定され、スロット#47にはQPSK変調(内符号符号化率r=1/2)が指定されている。また、TC8PSK変調とQPSK変調とを比較すると、同じ変調シンボル数を使った場合に伝送できるビット数は、QPSK変調がTC8PSK変調の半分しかない。このため、図11を参照して説明したように、スロット#48をダミースロットとして、フレームを多重伝送する規則になっている。このように、フレーム生成部101は、使用する変調方式と内符号符号化率との組み合わせの効率に応じて、ダミースロットを挿入する。
【0009】
また、フレーム生成部101は、生成したフレーム#1〜#8におけるスロットのうち、データ及びRS符号のパリティ部分をエネルギー拡散部103に出力し、各スロットの先頭バイトに多重されているTMCC情報をRS[64,48]符号化部108に出力する。
【0010】
エネルギー拡散部103は、フレーム生成部101により生成されたフレーム#1〜#8におけるスロットのうち、データ及びRS符号のパリティ部分が入力され、スーパーフレームにおけるこれらのデータ等全体に対して、エネルギー拡散(ビットランダム化)を行う。これは、擬似ランダムな「1」及び「0」のパターンをM系列を使って発生させ、これとスロット内のデータとでMOD2加算することにより実現する。これにより、「1」又は「0」が連続することがなくなることから、後述する受信装置において、同期再生の安定化を図ることができる。
【0011】
インターリーブ部104は、エネルギー拡散部103によりエネルギー拡散されたデータ等が入力され、スロット毎にインターリーブを行う。これは、ビットの並び順を擬似ランダムに入れ替えるものであり、各スロットの左から右に書き込まれたデータを、奥行き方向(フレームが並んでいる方向)に読み出すことにより実現する。これにより、伝送中に連続したビット誤りが発生しても、後述する受信装置が、元の順番に並び替えるデインターリーブ処理を行うことで、ランダムなビット誤りに変換するため、誤り訂正符号の効果を高めることができる。
【0012】
畳み込み符号化部105は、インターリーブ部104によりインターリーブされたデータ等に対し、各スロットに指定された符号化率で、畳み込み符号(内符号)により符号化を行う。
【0013】
図13に、畳み込み符号化部105をより詳細に記載したものを示す。図13に示す範囲は、図12の畳み込み符号化部105を含む点線で囲った部分である。畳み込み符号化部105は、6つの1ビット遅延素子11から16と、2つのMOD2加算器21及び22と、パンクチャ処理部30とを備える。畳み込み符号化は6つの1ビット遅延素子11から16を直列に接続し、1ビット遅延素子11から16の間の接続線の一部から分岐した信号に対してMOD2加算することで符号化出力を生成しており、拘束長は7となる。この符号化器の場合、1ビットのビットストリームB0を入力し、遅延素子から分岐する信号線の位置を変えた2系統の符号化出力C1及びC0を生成しており、これにより、符号化率1/2の符号化を行うことができる。
【0014】
C1及びC0はその後、さらにパンクチャ処理部30により、パンクチャ処理が行われる。パンクチャ処理は、C1,C0のビット系列のうち、一部のビットを間引いてから伝送することで、もとの符号化率1/2から、それ以外の符号化率を実現する手法である。受信装置側では、間引かれたビット位置に‘0’と‘1’の中間の値を補間することで、符号化率1/2の復号器で復号可能となる。
【0015】
表3に、各符号化率を実現するためにビットを間引く位置(パンクチャドパターン)を示す。入力信号C1,C0がパンクチャドパターンによりP1,P0になる。表3によれば、符号化率1/2の場合、特に間引きの処理をしないが、例えば符号化率3/4を実現する場合には、符号化された6ビットの符号化出力(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)のうち、Y2及びX3の2ビットを間引いて廃棄し、(X1,Y1),(Y3,X2)を出力する処理を繰り返し行えばよいことがわかる。なお、パンクチャド符号化の位相の関係は、パンクチャド位相の先頭位相がスロット先頭と一致するものとする。
【0016】
【表3】
【0017】
マッピング部106は、畳み込み符号化部105により畳み込み符号化されたデータ等に対し、TMCC情報により指定された変調方式によるマッピングを行い、時分割多重/直交変調部107は、時分割多重及び直交変調を行い、変調波信号を生成する。なお、TC8PSK(符号化率2/3)の場合、3ビットのシンボルが8つの信号点に対応付けられるが、3ビットのうちの最上位ビット(MSB)には図13のC2の信号が割り当てられ、第2ビットと第3ビットには同図のP1及びP0が割り当てられる。また表3の符号化率は1/2を使用する。QPSKについては、2ビットのシンボルが4つの信号点に対応づけられ、2ビット分の情報を一度に伝送できるため、2ビットのうちMSBにP1、LSBにP0を割り当て、信号点マッピングが行われる。BPSKについては、1ビットのシンボルが2つの信号点に対応づけられ、1ビット分の情報しか一度に伝送できないため、P/S変換部110で2ビットの信号を交互にC0,C1の順で出力することで1ビットの信号系列に変換してから信号点マッピングが行われる。
【0018】
一方、RS[64,48]符号化部108は、フレーム生成部101により生成されたフレーム#1〜#8におけるスロットのうち、先頭バイトに多重されたTMCC情報が入力され、リードソロモン符号(RS[64,48])で誤り訂正符号パリティを付加する。
【0019】
TMCC情報用エネルギー拡散部109は、RS[64,48]符号化部108により誤り符号パリティが付加されたTMCC情報に対し、エネルギー拡散を行う。その後、畳み込み符号化部105は、畳み込み符号により符号化率r=1/2で符号化し、マッピング部106はBPSKマッピングを行う。時分割多重/直交変調部107は同期信号、TMCC信号、及び主信号について所定の変調方式の信号点配置でマッピングされた信号点系列を所定の順序で時分割多重し、直交変調を行い、変調波信号を生成する。そして、送信装置100は、このように生成した変調波信号を伝送する。
【0020】
なお、図12においては、RS[204,188]符号化部102及びRS[64,48]符号化部108を別のブロックとして描いているが、これらは同一の基本符号RS[255,239]をそれぞれ、51バイト及び191バイト短縮化したもので、復号処理は同一であることから、時分割処理により共用化することも可能である。
【0021】
図14に、図12の畳み込み符号化部105に入力される前の信号形式を示す。スーパーフレームを構成するフレーム#1〜フレーム#8のそれぞれは、16ビットのフレーム同期符号W1、64ビットのTMCC情報、16ビットのスーパーフレーム同期符号W2
又はW3、及び19488ビット〜68208ビットの主信号情報(エネルギー拡散・インターリーブ後)で構成される。
【0022】
また、図15に、図12の畳み込み符号化部105から出力された後の畳み込み符号化後の信号形式を示す。スーパーフレームを構成するフレーム#1〜フレーム#8のそれぞれは、12ビットの不定ビット、20ビットのフレーム同期符号w1、128ビットのTMCC情報、12ビットの不定ビット、20ビットのスーパーフレーム同期符号w2又はw3、及び77952ビットの主信号情報(エネルギー拡散・インターリーブ・内符号符号化後)で構成される。なお、図中のフレーム同期符号及びスーパーフレーム同期符号の表記は、畳み込み符号化前についてはW1,W2,W3で表し、畳み込み符号化後についてはw1,w2,w3で表して区別している。
【0023】
フレーム同期符号w1の前に12ビットの不定ビットが入る理由は、図13に示した畳み込み符号化部105の構成から明らかなように、6ビットの遅延素子(11から16)にはフレーム同期符号W1が入力される前に符号化されるデータの系列が残っており、これらのデータ系列が完全に吐き出されるためには、フレーム同期符号W1のうち先頭6ビット分が入力し終わる必要があるためである。このとき、P1、P0から12ビット分の不定ビットが出力されることになる。その後、第6ビット目が入力された後はフレーム同期符号W1の16ビット目が入力し終わるまで、フレームによらず、遅延素子の値は同じ値のパターンをとり、その出力(P1,P0)も同じ値の系列を出力することになるため、20ビット分の既知パターンw1が出力されることになる。同様の理由でスーパーフレーム同期符号W2についても、12ビットの不定パターンとなり、その後既知の20ビットのスーパーフレーム同期符号w2が出力されることになる。スーパーフレーム同期符号W3についても同様である。
【0024】
図16は、図12に示した送信装置100により伝送される変調波信号の例を示す図である。以下の説明において、「符号」又は「情報」と「信号」とは、送信側で信号点マッピングされてから、受信装置側でビタビ復号される前までの期間を「信号」と呼び、それ以外では「符号」又は「情報」と呼ぶこととして区別する(例えば、「同期符号」と「同期信号」、「TMCC情報」と「TMCC信号」など)。図16に示すように、変調波信号は、フレーム単位に、各フレームに対して、まず不定シンボル(12シンボル)、フレーム同期信号w1(20シンボル)、TMCC信号(又はその誤り訂正パリティ/128シンボル)、不定シンボル(12シンボル)、スーパーフレーム同期信号(先頭フレームではw2、それ以外のフレームではw2の反転パターンw3/20シンボル)の計192シンボルがBPSKの信号点に変換され、直交変調されて伝送される。その後、TMCC情報で指定されたデジタル変調方式に対応した信号点に変換し、直交変調することにより、映像・音声・データ放送等が多重された主信号が伝送される。主信号の伝送に際しては、周期的に同期補強用の位相基準バースト信号(擬似ランダムなデジタル信号をBPSKの信号点に変換し、直交変調したもの)が多重される。この位相基準バースト信号は位相基準バースト信号用エネルギー拡散符号発生部111により発生した擬似ランダム系列と固定値‘0’の系列とをMOD2加算した信号がBPSKの信号点に変換され、直交変調されて生成される。‘0’の系列の代わりに付加的な情報を載せることも可能であるが、現状では‘0’の系列が入力される運用が行われている。このような処理を8フレーム分繰り返して行うことにより、TMCC情報に書き込まれた情報が後述する受信装置に伝送される。受信装置は、TMCC情報を絶えず監視することにより、送信装置100において様々な伝送制御が行われたとしても、それに追従して受信方式等を切り替えることができる。
【0025】
図17は、従来の受信装置200の構成を示すブロック図である。受信装置200は、チャンネル選択部201、直交検波部202、同期検出・伝送制御信号復号部203、位相基準バースト廃棄部204、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、TMCC情報用エネルギー逆拡散部207、RS[64,48]復号部208、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210、及びRS[204,188]復号部211を備え、図12に示した送信装置100により伝送された変調波信号を受信し、TMCC情報に基づいて伝送方式等を切り替え、元の主信号情報のデータストリームを生成する。
【0026】
チャンネル選択部201は、送信装置100からの変調波信号である放送波がBSアンテナ及びBSアンテナに内蔵されている周波数変換部(図示せず)を介してBS−IF信号(第1IF)として入力され、チャンネルを選択し、そのチャンネルの信号を第2IF周波数に変換して出力する。なお、上記の周波数変換部では、12GHz帯の放送波が1GHz帯のBS−IF信号に変換される。
【0027】
直交検波部202は、チャンネル選択部201により選択されたチャンネルのBS−IF信号(第2IF)が入力され、同期ベースバンド信号に変換する。この同期ベースバンド信号は、図16に示すシンボル系列を、それぞれ所定の変調方式の信号点配置の信号点系列に変換したものに、伝送路における歪や雑音が加算された信号点系列となる。
【0028】
同期検出・伝送制御信号復号部203は、直交検波部202により変換された同期ベースバンド信号が入力され、まずTMCC信号のフレーム同期信号とスーパーフレーム同期信号を検出し、それを基準として、周期的に多重されているBPSK変調波である位相基準バースト信号の位置も検出する。また、ビタビ復号部205に、TMCC信号部分に対してBPSK(符号化率1/2)を指定して、TMCC信号を復号し、復号されたTMCC情報部分をTMCC情報分離部206で抽出する。また、TMCC情報部分以外はデインターリーブ部209へ出力される。その後、TMCC情報部分はTMCC情報用エネルギー逆拡散部207で、図12のTMCC情報用エネルギー拡散部109と同一の拡散符号により逆拡散が行われる。そして、RS[64,48]復号部208で復号されTMCC情報が抽出される。同期検出・伝送制御信号復号部203は、TMCC情報から変調波信号各部の変調方式・畳み込み符号の符号化率などの情報を検出する。同期検出・伝送制御信号復号部203により検出された情報は、直交検波部202、位相基準バースト廃棄部204、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210及びRS[204,188]復号部211に入力される。
【0029】
位相基準バースト廃棄部204は、直交検波部202から同期ベースバンド信号が入力されると共に、同期検出・伝送制御信号復号部203により検出された位相基準バースト信号挿入位置の情報が入力され、図18に示すように位相基準バースト信号に対応するシンボルの信号点系列の廃棄が行われる。
【0030】
ビタビ復号部205は、位相基準バースト廃棄部204から同期ベースバンド信号が入力されると共に、同期検出・伝送制御信号復号部203により検出された変調方式・誤り訂正の情報が入力され、TC8PSK変調部分の信号点系列についてはTC8PSK復号を行い、QPSK又はBPSK変調部分の信号点系列についても、それに合わせた復号を行う。
【0031】
このとき、TMCC信号の復号にあたっては、w1の最後の時点に対応する畳み込み符号化時の状態(図13の1ビット遅延素子11から16の値)は既知であること、及びw2又はw3の先頭の時点に対応する畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用し、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号の受信特性を改善できる。また、w2又はw3の最後の時点に対応する畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びw1の先頭の時点に対応する畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用してビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号に後続する主信号の受信特性を改善できる。
【0032】
デインターリーブ部209は、ビタビ復号部205により復号され、TMCC情報分離部206によりTMCC情報が分離された情報に対し、送信装置100のインターリーブ部104において疑似ランダムに入れ替えられたビットの並び順を元に戻す。エネルギー逆拡散部210は、デインターリーブ部209によりデインターリーブされた情報に対し、送信装置100のエネルギー拡散部103において擬似ランダム符号がMOD2により加算された処理を元に戻すため、再度同じ擬似ランダム符号をMOD2により加算し、エネルギー逆拡散処理を行う。RS[204,188]復号部211は、エネルギー逆拡散部210によりエネルギー逆拡散された情報に対し、リードソロモン復号を行う。
【0033】
このように、現在BSデジタル放送では、48のスロットからなる多重したフレームを構成し、スロットに多重されたMPEG−2のTSパケットに対し、変調方式や誤り訂正符号の符号化率をTMCC信号を使って指定することにより、複数の変調方式を柔軟に時分割多重して伝送することができる。
【0034】
なお、このような伝送システムに用いる送信装置及び受信装置の例として、特許文献1,2に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2003−179657号公報
【特許文献2】特開2006−254273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
このように、MPEG−2のTSパケットをさらに多重化するフレームを構成し、TMCC信号を使用することにより、現在運用中のBSデジタル放送では、柔軟な伝送制御を行うことができ、複数の変調方式を柔軟に時分割多重して伝送することができる。しかしながら、位相基準バースト信号は擬似ランダム符号で拡散された符号‘0’の系列が伝送されており、周波数の有効利用が図られていないという問題があった。
【0037】
本発明の目的は、上記課題を解決するために、既存受信装置に対して妨害を与えることなく、かつ送受信装置のコストインパクトが小さい方法で、位相基準バースト信号を使った付加情報を伝送可能な、デジタルデータの送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0038】
上記課題を解決するため、本発明に係る送信装置は、第1の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係る送信装置は、フレーム同期用の第1の固定パターン(フレーム同期符号W1)のビット系列、制御データ(TMCC情報)のビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターン(スーパーフレーム同期符号W2)のビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターン(スーパーフレーム同期符号W3)のビット系列、及び伝送データ(主信号)のビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターン(フレーム同期末尾符号W1(−6))のビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記制御データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0040】
また、本発明に係る送信装置は、フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、及び伝送データ(主信号)のビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、付加情報のビット系列、及び、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W2(−6))、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W3(−6))を、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列と、前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、前記第1の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列又は前記第5の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0041】
また、本発明に係る送信装置において、前記送信手段は、前記符号化された付加情報のビット系列を細分化し、等間隔に時分割多重して外部に送信することを特徴とする。
【0042】
また、本発明に係る送信装置において、前記付加情報のビット系列は、前記制御データのビット系列及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の符号化手段により符号化され、スーパーフレーム単位でインターリーブされた信号であることを特徴とする。
【0043】
さらに、本発明に係る受信装置は、伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、変調波信号に時分割多重された信号を受信する受信手段と、前記受信した信号を誤り訂正復号する復号手段と、該復号された信号から前記付加情報のビット系列を分離する情報分離手段と、を備えることを特徴とする。
【0044】
さらに、本発明に係る受信装置は、伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列又は該第3の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第4の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、前記受信した付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第1の固定パターンのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列と、前記制御データのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、を備えることを特徴とする。
【0045】
さらに、本発明に係る受信装置は、伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W2(−6))、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列(フレーム同期末尾符号W3(−6))、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、前記受信した符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列と、前記伝送データのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、を備えることを特徴とする。
【0046】
また、本発明に係る受信装置において、前記復号手段は、前記付加情報のビット系列を、ビタビ復号手段、及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の復号手段により復号することを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
以上のように、本発明によれば、固定パターンのビット系列と、それに後続する制御データ又は伝送データのビット系列との間に、バースト情報のビット系列と固定パターンのビット系列の一部とを挿入して符号化して伝送することにより、既存の受信装置に影響を与えることなく、簡易な構成で付加情報を伝送できるデジタルデータの送信装置及び受信装置を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態による送信装置の構成を示す図である。
【図2】畳み込み符号化前の信号形式を示す図である。
【図3】畳み込み符号化後の信号形式を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による受信装置の構成(本発明の第2の実施形態も同様)を示す図である。
【図5】受信信号からの位相基準バースト信号の再配置を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による送信装置の構成を示す図である。
【図7】畳み込み符号化前の信号形式を示す図である。
【図8】畳み込み符号化後の信号形式を示す図である。
【図9】受信信号からの位相基準バースト信号の再配置を示す図である。
【図10】BSデジタル放送の多重フレーム構成を示す図である。
【図11】スロットの割り当ての規則を示す図である。
【図12】従来技術による送信装置の構成を示す図である。
【図13】畳み込み符号化部を示す図である。
【図14】畳み込み符号化前の信号形式を示す図である。
【図15】畳み込み符号化後の信号形式を示す図である。
【図16】変調信号の例を示す図である。
【図17】従来技術による受信装置の構成を示す図である。
【図18】受信信号からの位相基準バースト信号の廃棄を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の第1の実施形態による送信装置及び受信装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0050】
[送信装置]
まず、本発明の第1の実施形態による送信装置について図1から図3を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による送信装置300の構成を示す図である。この送信装置300は、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、P/S変換部110、W1(−6)パターン発生部301、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ304、符号化データ蓄積部305、及び符号化バースト情報蓄積部306を備え、主信号情報のデータストリーム、及び付加情報(以下、「バースト情報」と呼ぶ)を送信する場合に、多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
【0051】
図12に示した従来の送信装置100と本発明による送信装置300とを比較すると、両装置とも、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、及びP/S変換部110を備えている点で同一であるが、送信装置300において、W1(−6)パターン発生部301、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ部304、符号化データ蓄積部305、及び符号化バースト情報蓄積部306を備えている点で相違する。ここでW1(−6)パターン発生部301は16ビットからなるフレーム同期符号W1のうち末尾の6ビット分のパターン(以下、「フレーム同期末尾符号W1(−6)」という)を発生する機能を持つ。なお、ここではフレーム同期符号W1の末尾から抽出した6ビット分のパターンを発生する場合について説明するが、抽出するビット長は、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さであればよい。
【0052】
以上の同一の構成要素の動作については、従来の送信装置100と同様であるから、ここでは同じ参照符号を付して説明を割愛し、相違点を中心に説明する。畳み込み符号化部105の入力及び出力の信号形式をそれぞれ図2及び図3に示す。本発明の第1の実施形態による図2の畳み込み符号化前の信号形式と従来の図14に示す信号形式とを比較すると、16ビットのフレーム同期符号W1の後に、378ビットのバースト情報(付加情報)と6ビットのフレーム同期末尾符号W1(−6)が挿入されている点で異なる。ここで、バースト情報は図1のバースト情報入力部302から入力された信号に対して、バースト情報用外符号符号化部303で符号化され、バースト情報用インターリーブ部304でインターリーブされた信号である。バースト情報用外符号符号化部303にRS[63,47]符号化を、バースト情報用インターリーブ部304に63バイト×6行のインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS符号に、主信号及びTMCC情報用のRS符号を短縮化して共用可能となる。
【0053】
また、畳み込み符号化後の信号形式については、本発明の第1の実施形態による図3と従来の信号形式を示す図15とを比較すると、20ビットのフレーム同期符号w1の後に、756ビットのバースト情報及び12ビットのフレーム同期末尾符号w1(−12)が挿入されている点で異なる。図3に示す信号のうち、バースト情報については図16に示すように位相基準バースト信号の位置に分散して多重する必要がある。そこで畳み込み符号化部105の出力は、バースト情報については符号化バースト情報蓄積部306に、それ以外を符号化データ蓄積部305に一時記憶することで符号化されたバースト情報を分離し、後段のスイッチを図16の信号順となる様に切り替える。
【0054】
[受信装置]
次に、本発明の第1の実施形態による受信装置について図4及び図5を参照して説明する。図4は、本発明の第1の実施形態による受信装置400の構成を示す図である。受信装置400は、チャンネル選択部201、直交検波部202、同期検出・伝送制御信号復号部203、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、TMCC情報用エネルギー逆拡散部207、RS[64,48]復号部208、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210、RS[204,188]復号部211、位相基準バースト信号再配置部401、バースト情報分離部402、バースト情報用デインターリーブ部403、バースト情報用エネルギー逆拡散部404、及びバースト情報用外符号復号部405を備え、図1に示した送信装置300により伝送された変調波信号を受信し、TMCC情報に基づいて伝送方式等を切り替え、元の主信号情報のデータストリームを生成すると同時に、位相基準バースト信号に多重されたバースト情報を生成する。
【0055】
図17に示した従来の受信装置200と本発明による受信装置400とを比較すると、両装置とも、チャンネル選択部201、直交検波部202、同期検出・伝送制御信号復号部203、ビタビ復号部205、TMCC情報分離部206、TMCC情報用エネルギー逆拡散部207、RS[64,48]復号部208、デインターリーブ部209、エネルギー逆拡散部210、及びRS[204,188]復号部211を備えている点で同一であるが、受信装置400において、バースト情報分離部402、バースト情報用デインターリーブ部403、バースト情報用エネルギー逆拡散部404、及びバースト情報用外符号復号部405を備えている点、並びに位相基準バースト廃棄部204の代わりに、位相基準バースト信号再配置部401を備えている点で相違する。
【0056】
以上の同一の構成要素の動作については、従来の受信装置200と同様であるから、ここでは同じ参照符号を付して説明を割愛し、相違点を中心に説明する。図5は位相基準バースト信号再配置部401の動作を示す図である。位相基準バースト信号再配置部401は、分散されて伝送される位相基準バーストを集積して768シンボルずつの信号点系列にまとめ、フレーム同期信号w1の信号点系列に後続する位置に再配置する。同期検出・伝送制御信号復号部203は、ビタビ復号部205に対して、集積された位相基準バースト信号の信号点系列をBPSK(符号化率1/2)で復号するようゲート信号を送出する。ビタビ復号部205は集積された位相基準バースト信号の信号点系列をBPSK(符号化率1/2)で復号する。その際、図3に示すように、768シンボルの末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知であることから、フレーム同期信号w1の末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知であることと併せて利用し、バースト情報の信号点系列のビタビ復号を行う際に、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスの選別をすることで、伝送特性を改善することができる。
【0057】
また、TMCC信号の復号を行う際には、図17に示す従来技術の受信装置200と同様、フレーム同期末尾符号w1(−12)の末尾の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びw2又はw3の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用し、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号の受信特性を改善できる。また、スーパーフレーム同期信号w2又はw3の最後の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知となっていること、及びフレーム同期信号w1の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用してビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号に後続する主信号の受信特性を改善できる。なお、主信号については、バースト情報分離部402はバースト情報に対応する部分以外をデインターリーブ部209へ出力しデインターリーブを行う。
【0058】
さらに、位相基準バーストを再配置せず、廃棄する従来の受信装置で受信する際にも、TMCC信号の開始点における符号化器の状態は同一となるため、従来の受信装置のTMCC信号受信特性を劣化させることはない。
【0059】
ビタビ復号部205で復号されたバースト情報は、バースト情報分離部402で信号系列の中から抽出されバースト情報用デインターリーブ部403へ出力される。その後、バースト情報用デインターリーブ部403でデインターリーブされ、バースト情報用エネルギー逆拡散部404でエネルギー逆拡散され、バースト情報用外符号復号部405で復号され、送信されたバースト情報が生成される。なお、バースト情報用外符号復号部405にRS[63,47]復号を、バースト情報用デインターリーブ部403に63バイト×6行のインターリーブに対応するデインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS復号に、主信号及びTMCC情報用のRS復号器を短縮化して共用可能となる。
【0060】
次に、本発明の第2の実施形態による送信装置及び受信装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例2】
【0061】
[送信装置]
次に、本発明の第2の実施形態による送信装置について図6から図8を参照して説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による送信装置500の構成を示す図である。この送信装置500は、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、P/S変換部110、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ304、符号化データ蓄積部305、符号化バースト情報蓄積部306、W2(−6)パターン発生部501、及びW3(−6)パターン発生部502を備え、主信号情報のデータストリーム、及びバースト情報を送信する場合に、多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
【0062】
図12に示した従来の送信装置100と本発明による送信装置500とを比較すると、両装置とも、フレーム生成部101、RS[204,188]符号化部102、エネルギー拡散部103、インターリーブ部104、畳み込み符号化部105、マッピング部106、時分割多重/直交変調部107、RS[64,48]符号化部108、TMCC情報用エネルギー拡散部109、及びP/S変換部110を備えている点で同一であるが、送信装置500において、バースト情報入力部302、バースト情報用外符号符号化部303、バースト情報用インターリーブ部304、符号化データ蓄積部305、符号化バースト情報蓄積部306、W2(−6)パターン発生部501及びW3(−6)パターン発生部502を備えている点で相違する。ここでW2(−6)パターン発生部501及びW3(−6)パターン発生部502は、それぞれ16ビットからなるスーパーフレーム同期符号W2のうち末尾の6ビット分のパターン(以下、「スーパーフレーム同期末尾符号W2(−6)」という)及びスーパーフレーム同期符号W3のうち末尾の6ビット分のパターン(以下、「スーパーフレーム同期末尾符号W3(−6)」という)を発生する機能を持つ。なお、ここではフレーム同期符号W2又はW3の末尾から抽出した6ビット分のパターンを発生する場合について説明するが、抽出するビット長は、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さであればよい。
【0063】
以上の同一の構成要素の動作については、従来の送信装置100と同様であるから、ここでは同じ参照符号を付して説明を割愛し、相違点を中心に説明する。畳み込み符号化部105の入力及び出力の信号形式をそれぞれ図7及び図8に示す。本発明の第2の実施形態による図7の畳み込み符号化前の信号形式と従来の図14に示す信号形式とを比較すると、16ビットのスーパーフレーム同期符号W2の後に378ビットのバースト情報と6ビットのスーパーフレーム同期末尾符号W2(−6)が挿入されている点、及び16ビットのスーパーフレーム同期符号W3の後に378ビットのバースト情報と6ビットのスーパーフレーム同期末尾符号W3(−6)が挿入されている点で異なる。ここで、バースト情報は、図6のバースト情報入力部302から入力された信号に対して、バースト情報用外符号符号化部303で符号化され、バースト情報用インターリーブ部304でインターリーブされた信号である。バースト情報用外符号符号化部303にRS[63,47]符号化を、バースト情報用インターリーブ部304に63バイト×6行のインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS符号に、主信号及びTMCC情報用のRS符号を短縮化して共用可能となる。
【0064】
また、畳み込み符号化後の信号形式については、本発明の第2の実施形態による図8と従来の信号形式を示す図15とを比較すると、20ビットのスーパーフレーム同期符号w2の後に756ビットのバースト情報と12ビットのスーパーフレーム同期末尾符号w2(−12)が挿入されている点、及び20ビットのスーパーフレーム同期符号w3の後に756ビットのバースト情報と12ビットのスーパーフレーム同期末尾符号w3(−12)が挿入されている点で異なる。図3の信号のうち、バースト情報については図16に示した位相基準バースト信号の位置に分散して多重する必要がある。そこで畳み込み符号化部105の出力は、バースト情報については符号化バースト情報蓄積部306に、それ以外を符号化データ蓄積部305に一時記憶することで符号化されたバースト情報を分離し、後段のスイッチを図16の信号順となる様に切り替える。
【0065】
[受信装置]
次に、本発明の第2の実施形態による受信装置について図4及び図9を参照して説明する。本発明の第2の実施形態による受信装置の構成は、本発明の第1の実施形態の受信装置と同一であり、構成要素内部の信号処理の方法のみが異なる。したがって、ここでは図4を参照し、その機能について説明する。
【0066】
図9は、位相基準バースト信号再配置部401の動作を示す図である。位相基準バースト信号再配置部401は、分散されて伝送される位相基準バーストを集約して768シンボルずつの信号点系列にまとめ、スーパーフレーム同期信号w2又はw3の信号点系列に後続する位置に再配置する。同期検出・伝送制御信号復号部203は、ビタビ復号部205に対して、集積された位相基準バースト信号をBPSK(符号化率1/2)で復号するようゲート信号を送出する。ビタビ復号部205は集積された位相基準バースト信号の信号点系列をBPSK(符号化率1/2)で復号する。その際、図8に示すように、768シンボルの末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知となっていることから、スーパーフレーム同期信号w2又はw3の末尾の時点における送信側の畳み込み符号化時の状態が既知であることと併せて利用し、バースト情報の信号点系列のビタビ復号を行う際に、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスの選別をすることで、伝送特性を改善することができる。
【0067】
また、主信号の復号を行う際には、図8に示す従来技術の受信装置200と同様、スーパーフレーム同期末尾符号w2(−12)又はw3(−12)の末尾の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びw1の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用し、ビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、主信号の受信特性を改善できる。また、フレーム同期信号w1の末尾の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であること、及びスーパーフレーム同期信号w2又はw3の先頭の時点に対応する送信側の畳み込み符号化時の状態は既知であることを利用してビタビ復号時の状態遷移図上のパスを限定して畳み込み符号の復号を行うことで、TMCC信号の受信特性を改善できる。なお、主信号については、位相基準バースト分離部402は位相基準バースト情報に対応する部分以外をデインターリーブ部209でデインターリーブを行う。
【0068】
さらに、位相基準バーストを再配置せず、廃棄する従来の受信装置で受信する際にも、主信号の開始点における符号化器の状態は同一となるため、従来の受信装置の主信号受信特性を劣化させることはない。
【0069】
ビタビ復号部205で復号されたバースト情報は、位相基準バースト情報分離部402で信号系列の中から抽出されバースト情報用デインターリーブ部403へ出力される。その後、バースト情報用デインターリーブ部403でデインターリーブされ、バースト情報用エネルギー逆拡散部404でエネルギー逆拡散され、バースト情報用外符号復号部405で復号され、送信されたバースト情報が生成される。なお、バースト情報用外符号復号部405にRS[63,47]復号を、バースト情報用デインターリーブ部403に63バイト×6行のインターリーブに対応するデインターリーブを利用することで、スーパーフレーム単位で処理を完結でき、また、RS復号に、主信号及びTMCC情報用のRS復号器を短縮化して共用可能となる。
【0070】
上述の各実施例は、個々に代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
このように、本発明によれば、位相基準バースト信号を廃棄することなく付加情報として利用をすることができるので、デジタルデータを効率良く送信又は受信する任意の用途に有用である。
【符号の説明】
【0072】
100 送信装置
101 フレーム生成部
102 RS[204,188]符号化部
103 エネルギー拡散部
104 インターリーブ部
105 畳み込み符号化部
106 マッピング部
107 時分割多重/直交変調部
108 RS[64,48]符号化部
109 TMCC情報用エネルギー拡散部
110 P/S変換部
111 位相基準バースト信号用エネルギー拡散符号発生部
112 バースト情報入力部
200 受信装置
201 チャンネル選択部
202 直交検波部
203 同期検出・伝送制御信号復号部
204 位相基準バースト廃棄部
205 ビタビ復号部
206 TMCC情報分離部
207 TMCC情報用エネルギー逆拡散部
208 RS[64,48]符号化部
209 デインターリーブ部
210 エネルギー逆拡散部
211 RS[204,188]符号化部
300 送信装置
301 W1(−6)パターン発生部
302 バースト情報入力部
303 バースト情報用外符号符号化部
304 バースト信号用インターリーブ部
305 符号化データ蓄積部
306 符号化バースト情報蓄積部
400 受信装置
401 位相基準バースト信号再配置部
402 バースト情報分離部
403 バースト情報用デインターリーブ部
404 バースト情報用エネルギー逆拡散部
405 バースト情報用外符号復号部
500 送信装置
501 W2(−6)パターン発生部
502 W3(−6)パターン発生部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、
付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、
前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、
前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、
付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記制御データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、
前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、
前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項3】
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、
付加情報のビット系列、及び、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列を、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列と、前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、
前記第1の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列又は前記第5の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、
前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記符号化された付加情報のビット系列を細分化し、等間隔に時分割多重して外部に送信することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記付加情報のビット系列は、前記制御データのビット系列及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の符号化手段により符号化され、スーパーフレーム単位でインターリーブされた信号であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、
第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、変調波信号に時分割多重された信号を受信する受信手段と、
前記受信した信号を誤り訂正復号する復号手段と、
該復号された信号から前記付加情報のビット系列を分離する情報分離手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列又は該第3の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第4の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、
前記受信した付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第1の固定パターンのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列と、前記制御データのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、
前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、
前記受信した符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列と、前記伝送データのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、
前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項9】
前記復号手段は、前記付加情報のビット系列を、ビタビ復号手段、及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の復号手段により復号することを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項1】
第1の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、
付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、
前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、
前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、
付加情報のビット系列、及び前記第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列を、前記第1の固定パターンのビット系列と前記制御データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、
前記第1の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、
前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項3】
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化するデジタルデータの送信装置において、
付加情報のビット系列、及び、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列を、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列と、前記伝送データのビット系列との間に挿入するビット系列挿入手段と、
前記第1の固定パターンのビット系列、前記制御データのビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列、前記付加情報のビット系列、前記第4の固定パターンのビット系列又は前記第5の固定パターンのビット系列、及び前記伝送データのビット系列を畳み込み符号により符号化する畳み込み符号化手段と、
前記畳み込み符号化したビット系列を変調波信号に時分割多重して外部に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記符号化された付加情報のビット系列を細分化し、等間隔に時分割多重して外部に送信することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記付加情報のビット系列は、前記制御データのビット系列及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の符号化手段により符号化され、スーパーフレーム単位でインターリーブされた信号であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、
第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、変調波信号に時分割多重された信号を受信する受信手段と、
前記受信した信号を誤り訂正復号する復号手段と、
該復号された信号から前記付加情報のビット系列を分離する情報分離手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、第1の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第2の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列又は該第3の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第4の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、
前記受信した付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第1の固定パターンのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列と、前記制御データのビット系列で構成されたシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、
前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
伝送されるデジタルデータを受信する受信装置において、
フレーム同期用の第1の固定パターンのビット系列、制御データのビット系列、スーパーフレーム同期用の第2の固定パターンのビット系列又は該第2の固定パターンのビット系列を反転したフレーム同期用の第3の固定パターンのビット系列、付加情報のビット系列、前記第2の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第4の固定パターンのビット系列、又は前記第3の固定パターンのビット系列の末尾から抽出された、(畳み込み符号の拘束長ビット数−1)以上の長さの第5の固定パターンのビット系列、及び伝送データのビット系列が畳み込み符号により符号化され、該符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を受信する受信手段と、
前記受信した符号化された付加情報のビット系列を細分化して等間隔に時分割多重された信号点系列を集積して、前記第2の固定パターンのビット系列又は前記第3の固定パターンのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列と、前記伝送データのビット系列で構成されるシンボル系列に対応する信号点系列との間に再配置する再配置手段と、
前記再配置後の信号点系列を誤り訂正復号する復号手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項9】
前記復号手段は、前記付加情報のビット系列を、ビタビ復号手段、及び前記伝送データのビット系列に用いる外符号と同じ生成多項式を用いた短縮符号の復号手段により復号することを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載の受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−129982(P2011−129982A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283889(P2009−283889)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
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