説明

デューティ検出回路及びこれを備えるクロック生成回路、並びに、半導体装置

【課題】デューティ検出信号を高頻度に更新する。
【解決手段】内部クロックRCLK,FCLKのデューティを検出する複数のデューティ検出部210−1〜210mと、複数のデューティ検出部を互いに異なる位相で動作させる制御部220と、複数のデューティ検出部からのデューティ検出信号を選択する出力選択部230とを備える。本発明によれば、複数のデューティ検出部が互いに異なる位相で動作することから、各デューティ検出部におけるデューティ検出信号の生成頻度よりも高頻度でデューティ検出信号DCCSを出力することが可能となる。このため、本発明によるデューティ検出回路をDLL回路のクロック調整に使用すれば、DLL回路の制御周期を短縮することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デューティ検出信号を高頻度に生成可能なデューティ検出回路及びこれを備えるクロック生成回路に関する。また、本発明は、このようなクロック生成回路を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータなどのメインメモリとして、クロックに同期した動作を行うシンクロナスメモリが広く使用されている。中でも、DDR(Double Data Rate)型のシンクロナスメモリでは、入出力データを外部クロックに対して正確に同期させる必要があることから、外部クロックに同期した内部クロックを生成するDLL(Delay Locked Loop)回路が用いられる。
【0003】
ある種のDLL回路においては、位相比較の結果に基づいて内部クロックの立ち上がりエッジが調整され、デューティ検出の結果に基づいて内部クロックの立ち下がりエッジが調整される。この方法によれば、外部クロックと位相の一致した内部クロックを生成することができるとともに、外部クロックのデューティが50%からずれている場合であっても、内部クロックのデューティをほぼ50%に調整することが可能となる。
【0004】
内部クロックのデューティ検出には、デューティ検出回路が用いられる(特許文献1参照)。デューティ検出回路は、内部クロックに同期して充電又は放電される積分キャパシタを備えており、積分キャパシタの電圧に基づいて内部クロックのデューティを判定する。このため、デューティの検出動作には、内部クロックの整数倍サイクルに亘る充放電動作が必要であり、しかも、積分キャパシタの電圧判定や判定結果のラッチ動作なども加えると、一連の動作に複数サイクルが必要となる。
【0005】
一例として、積分キャパシタの充放電動作に2サイクル、積分キャパシタの電圧判定に1サイクル、判定結果のラッチ動作に1サイクルが必要である場合、一連の動作を完了するためには合計4サイクルが必要となる。つまり、この場合はデューティ検出信号の更新頻度は4サイクルが限界となり、これよりも短いサイクルでデューティ検出信号を更新することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−217223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、より高頻度にデューティ検出信号を更新したいという要望がある。
【0008】
例えば、上述したDLL回路のように、位相比較の結果に基づいて内部クロックの立ち上がりエッジを調整し、デューティ検出の結果に基づいて内部クロックの立ち下がりエッジを調整するタイプのDLL回路の場合、デューティ検出動作は内部クロックの立ち上がりエッジが調整された後に行う必要がある。一例として、内部クロックの立ち上がりエッジの調整に8サイクル必要である場合、デューティ検出信号の生成頻度が4サイクルであれば、DLL回路の制御周期は最短でも12サイクルとなってしまう。
【0009】
しかも、内部クロックの立ち上がりエッジの調整に9サイクル必要となった場合は、正しいデューティ検出信号を9サイクル目に直ちに得ることはできず、8サイクル目の次にデューティ検出信号が更新されるのは、12サイクル目となる。このため、このケースではDLL回路の制御周期が16サイクルとなってしまい、調整周期が大幅に増大してしまう。
【0010】
さらに、複数回に亘って得られたデューティ検出信号を用いることにより、ジッタを抑制しようとすると、判定に非常に長い時間がかかってしまう。一例として、5回分のデューティ検出信号に基づいてデューティの調整方向を判定する場合、デューティ検出信号の生成頻度が4サイクルであれば、デューティ判定だけで20サイクルもの時間がかかってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるデューティ検出回路は、内部クロックのデューティを検出する複数のデューティ検出部と、前記複数のデューティ検出部を互いに異なる位相で動作させる制御部と、前記複数のデューティ検出部からのデューティ検出信号を選択する出力選択部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるクロック生成回路は、上記のデューティ検出回路と、前記内部クロックの位相を制御するDLL回路と、第1及び第2のレプリカバッファとを備えるクロック生成回路であって、前記内部クロックは、互いに位相の異なる第1及び第2の内部クロックからなり、前記DLL回路は、第1の外部クロックを遅延させることにより第3の内部クロックを生成する第1のディレイラインと、第2の外部クロックを遅延させることにより第4の内部クロックを生成する第2のディレイラインと、前記第1の外部クロックと前記第1の内部クロックの位相を判定する第1の位相比較回路と、前記第1の位相比較回路の判定結果に基づいて前記第1のディレイラインの遅延量を制御する第1の遅延制御回路と、少なくとも前記デューティ検出信号に基づいて前記第2のディレイラインの遅延量を制御する第2の遅延制御回路と、を含み、前記第1のレプリカバッファは、前記第3の内部クロックを受けて前記第1の内部クロックを生成し、前記第2のレプリカバッファは、前記第4の内部クロックを受けて前記第2の内部クロックを生成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による半導体装置は、上記のクロック生成回路と、出力データを生成する内部回路と、前記第3及び第4の内部クロックに同期して前記出力データを外部に出力する出力バッファとを備え、前記第1及び第2のレプリカバッファは、前記出力バッファと同じインピーダンスを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のデューティ検出部が互いに異なる位相で動作することから、各デューティ検出部におけるデューティ検出信号の生成頻度よりも高頻度でデューティ検出信号を出力することが可能となる。このため、本発明によるデューティ検出回路をDLL回路のクロック調整に使用すれば、DLL回路の制御周期を短縮することが可能となる。また、複数回に亘って得られたデューティ検出信号を用いることにより、ジッタを抑制する場合であっても、判定時間が大幅に増大することがない。
【0015】
したがって、本発明をDDR型のシンクロナスメモリなどの半導体装置に適用すれば、電源電圧や環境温度の変動などが生じている場合であっても、出力データの位相を高精度に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好ましい実施形態による半導体装置の構成を示すブロック図である。
【図2】DLL回路100の構成を示すブロック図である。
【図3】デューティ検出回路200の構成を示すブロック図である。
【図4】デューティ検出部210−i(i=1〜m)の回路図である。
【図5】出力選択部230の回路図である。
【図6】デューティ検出回路200の動作を示すタイミング図である。
【図7】クロック制御回路300の構成を示すブロック図である。
【図8】「位相制御モード」で且つ「DLL回路が非ロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【図9】「位相制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【図10】「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路が非ロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【図11】「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【図12】比較例によるタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
特に限定されるものではないが、本実施形態による半導体装置はDDR型のシンクロナスメモリであり、内部回路10、出力バッファ20、入力バッファ30、クロック生成回路40及びレプリカバッファ50を備えている。
【0020】
内部回路10は、当該半導体装置の主たる機能を実現するための回路ブロックであり、本実施形態では、メモリセルアレイ、アドレスデコーダ、コマンドデコーダ、データアンプなどが含まれる。したがって、本実施形態における内部回路10は、アドレス端子11及びコマンド端子12からそれぞれ供給されるアドレス信号ADD及びコマンド信号CMDに基づいて動作する。例えば、コマンド信号CMDがリード動作を示している場合には、アドレス信号ADDによって指定されるメモリセルの出力データRDが、出力バッファ20を介してデータ入出力端子13から出力される。また、コマンド信号CMDがライト動作を示している場合には、データ入出力端子13に入力される入力データWDが、入力バッファ30を介して内部回路10に供給される。
【0021】
出力バッファ20の動作タイミングは、クロック生成回路40によって制御される。クロック生成回路は、クロック端子14に入力される外部クロックCLK,CLKBに基づいて、内部クロックQCLKT,QCLKBを生成する回路である。内部クロックQCLKT,QCLKBは出力バッファ20に供給され、出力バッファ20はこれに同期して出力データRDの出力動作を行う。
【0022】
図1に示すように、クロック生成回路40は、外部クロックCLK,CLKBを遅延させることによって、位相制御された内部クロックQCLKT,QCLKBを生成するDLL回路100と、内部クロックRCLK,FCLKのデューティを検出するデューティ検出回路200と、DLL回路100及びデューティ検出回路200の動作クロックを生成するクロック制御回路300とを含んでいる。内部クロックQCLKT,QCLKBは互いに位相が反転した信号である。同様に、内部クロックRCLK,FCLKは互いに位相が反転した信号である。以下、クロック生成回路40を構成する各回路ブロックの詳細について説明する。
【0023】
図2は、DLL回路100の構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、DLL回路100は、外部クロックCLK,CLKBを受けるクロックレシーバ101と、クロックレシーバ101の一方の出力である内部クロックICLKRを遅延させるディレイライン110Rと、クロックレシーバ101の他方の出力である内部クロックICLKFを遅延させるディレイライン110Fとを含んでいる。ディレイライン110R,110Fによって生成された内部クロックOUTR,OUTFは、レベルシフタ102によってレベルシフトされ、上述した内部クロックQCLKT,QCLKBとして用いられる。
【0025】
また、内部クロックQCLKTはレプリカバッファ50Rにも供給され、その出力は内部クロックRCLKとして用いられる。同様に、内部クロックQCLKBはレプリカバッファ50Fにも供給され、その出力は内部クロックFCLKとして用いられる。これらレプリカバッファ50R,50Fは、出力バッファ20と実質的に同一の回路構成を有している。これにより、内部クロックRCLK,FCLKの位相は、データ入出力端子13より出力される出力データDQの位相と正確に一致することになる。但し、レプリカバッファ50R,50Fを構成するトランジスタのサイズとしては、出力バッファ20を構成するトランジスタのサイズと同一である必要はなく、インピーダンスが実質的に同じである限り、シュリンクしたトランジスタを用いても構わない。
【0026】
ここで、内部クロックQCLKTとは、立ち上がりエッジが外部クロックCLKの立ち上がりエッジ(外部クロックCLKBの立ち下がりエッジ)に同期した信号である。一方、内部クロックQCLKBとは、基本的に、立ち上がりエッジが外部クロックCLKの立ち下がりエッジ(外部クロックCLKBの立ち上がりエッジ)に同期した信号であるが、後述するデューティ検出回路200が使用される場合は、外部クロックのデューティに関わらず、内部クロックQCLKT,QCLKBのデューティが50%となるよう制御された結果えられる信号である。つまり、内部クロックQCLKTのアクティブエッジからちょうど1/2サイクルが経過した時点で、内部クロックQCLKBのアクティブエッジが生成されるよう位相制御される。
【0027】
図2に示すように、ディレイライン110Rは、粗調動作を行うコースディレイライン111Rと、微調動作を行うファインディレイライン112Rからなる。同様に、ディレイライン110Fは、粗調動作を行うコースディレイライン111Fと、微調動作を行うファインディレイライン112Fからなる。
【0028】
コースディレイライン111R,111Fは、複数の遅延素子が従属接続された回路であり、いずれの遅延素子から出力を取り出すかによって異なる遅延量を得ることができる。したがって、コースディレイライン111R,111Fの調整ピッチは、1個の遅延素子の遅延量によって定義される。コースディレイライン111Rの出力は2つの内部クロックOUTRE,OUTROからなり、これらの遅延量の差はコースディレイライン111Rの調整ピッチに等しい。同様に、コースディレイライン111Fの出力は2つの内部クロックOUTFE,OUTFOからなり、これらの遅延量の差はコースディレイライン111Fの調整ピッチに等しい。
【0029】
コースディレイライン111R,111Fの遅延量は、それぞれプリデコーダ121R,121Fの出力によって定められる。プリデコーダ121R,121Fは、それぞれカウンタ回路120R,120Fのカウント値の上位ビットをプリデコードする回路であり、いずれも動作クロックDCDECに同期して出力値が更新される。また、カウンタ回路120R,120Fのカウント値は、いずれも動作クロックDCCNTRに同期して更新される。これらの動作クロックDCDEC,DCCNTRは、クロック制御回路300より供給される信号である。
【0030】
ファインディレイライン112R,112Fは、コースディレイライン111R,111Fより供給される2つの内部クロックを合成する補間器である。これにより、これら2つの内部クロックの間の位相を持つ内部クロックOUTRE,OUTROが生成されることになる。ファインディレイライン112R,112Fによるクロック合成比は、それぞれD/Aコンバータ122R,122Fの出力であるバイアス電圧BIASR,BIASFによって定められる。D/Aコンバータ122R,122Fは、それぞれカウンタ回路120R,120Fのカウント値の下位ビットをアナログ変換することによってバイアス電圧BIASR,BIASFを生成する回路であり、いずれも動作クロックDCDECに同期してバイアス値が更新される。
【0031】
図2に示すように、DLL回路100は位相検出回路130R,130Fをさらに備えている。位相検出回路130Rは、レプリカバッファ50Rの出力である内部クロックRCLKと、外部クロックCLK,CLKBの位相を比較する回路であり、比較の結果は位相検出信号DLUP1Rとして出力される。同様に、位相検出回路130Fは、レプリカバッファ50Fの出力である内部クロックFCLKと、外部クロックCLK,CLKBの位相を比較する回路であり、比較の結果は位相検出信号DLUP1Fとして出力される。位相検出回路130R,130Fによる位相の比較においては、外部クロックCLK,CLKBに対して内部クロックRCLK,FCLKが進んでいるか遅れているかが検出される。したがって、その出力である位相検出信号DLUP1R,DLUP1Fは1ビットの信号であり、ハイレベル又はローレベルのいずれかとなる。
【0032】
位相検出回路130Rの出力である位相検出信号DLUP1Rは、バッファ150Rを介してライズコントロール回路140Rにそのまま供給される。これに対し、位相検出回路130Fの出力である位相検出信号DLUP1Fは、選択回路160Fに供給される。選択回路160Fは、位相検出回路130Fの出力である位相検出信号DLUP1Fと、デューティ検出回路200の出力であるデューティ検出信号DCCSのいずれか一方を選択し、選択した信号をフォールコントロール回路140Fに供給する。選択回路160Fによる上記の選択は、選択信号DCCENに基づいて行われる。
【0033】
これにより、位相検出信号DLUP1Fが選択された場合には、内部クロックFCLKの位相に基づいて内部クロックQCLKBのアクティブエッジが制御される「位相制御モード(DCCオフモード)」となり、デューティ検出信号DCCSが選択された場合には、内部クロックRCLK,FCLKのデューティに基づいて内部クロックQCLKBのアクティブエッジが制御される「デューティ制御モード(DCCオンモード)」となる。位相制御モードにおいては、デューティ検出回路200は使用されない。
【0034】
ライズコントロール回路140Rは、バッファ150Rを経由した位相検出信号DLUP1DRと動作クロックDCCLK,DCCNTLを受け、これらに基づいてアップダウン信号CNTRDIRRを生成する。生成されたアップダウン信号CNTRDIRRはカウンタ回路120Rに供給され、カウンタ回路120Rはこれに基づいてアップカウント又はダウンカウントを行う。同様に、フォールコントロール回路140Fは、位相検出信号DLUP1DF又はデューティ検出信号DCCSと、動作クロックDCCLK,DCCNTLを受け、これらに基づいてアップダウン信号CNTRDIRFを生成する。生成されたアップダウン信号CNTRDIRFはカウンタ回路120Fに供給され、カウンタ回路120Fはこれに基づいてアップカウント又はダウンカウントを行う。
【0035】
より具体的に説明すると、ライズコントロール回路140Rは、動作クロックDCCLKに同期して位相検出信号DLUP1DRをラッチし、ラッチした位相検出信号DLUP1DRに基づいてアップダウン信号CNTRDIRRを生成する。位相検出信号DLUP1DRのラッチ動作は、動作クロックDCCNTLが活性化するまで続けられる。後述するように、動作クロックDCCNTLが活性化するまでの期間は、DLL回路100がロック状態であるか否かによって異なり、DLL回路100が非ロック状態であれば、位相検出信号DLUP1DRを1個ラッチした後、直ちに動作クロックDCCNTLが活性化する。一方、DLL回路100が非ロック状態であれば、位相検出信号DLUP1DRを複数個(例えば5個)ラッチした後、動作クロックDCCNTLが活性化する。
【0036】
このため、ライズコントロール回路140Rは、DLL回路100が非ロック状態である場合には、1ビットの位相検出信号DLUP1DRによってアップダウン信号CNTRDIRRの論理レベルを決定し、DLL回路100がロック状態である場合には、複数ビットの位相検出信号DLUP1DRによってアップダウン信号CNTRDIRRの論理レベルを決定する。複数ビットの位相検出信号DLUP1DRを用いる場合、どのようなルールでアップダウン信号CNTRDIRRの論理レベルを決定しても構わないが、一例として、多数決により決定する方法が挙げられる。
【0037】
以上の動作は、フォールコントロール回路140Fにおいても同様である。ライズコントロール回路140R及びフォールコントロール回路140Fは、それぞれディレイライン110R,110Fの遅延量を制御する遅延制御回路である。
【0038】
以上がDLL回路100の構成である。DLL回路100の動作については後述する。次に、デューティ検出回路200について説明する。
【0039】
図3は、デューティ検出回路200の構成を示すブロック図である。
【0040】
図3に示すように、デューティ検出回路200は、内部クロックRCLK,FCLKのデューティを検出するm個(mは2以上の整数)のデューティ検出部210−1〜210−mと、これらデューティ検出部210−1〜210−mの動作を制御する制御部220と、デューティ検出部210−1〜210−mからのデューティ検出信号DCCP1〜DCCPmを選択する出力選択部230とを備える。デューティ検出部210−1〜210−mは互いに同じ回路構成を有しており、制御部220はこれらデューティ検出部を互いに異なる位相で動作させる。
【0041】
図4は、デューティ検出部210−i(i=1〜m)の回路図である。
【0042】
図4に示すように、デューティ検出部210−iは、内部クロックRCLK,FCLKに同期して充電又は放電される積分キャパシタC1〜C4を含む積分回路211と、積分キャパシタC1〜C4の充電電圧に基づいてデューティ検出信号DCCPiを生成するアンプ回路212とを備えている。
【0043】
より詳細に説明すると、積分回路211は、一端が信号線S1に接続された積分キャパシタC1,C2と、一端が信号線S2に接続された積分キャパシタC3,C4と、積分キャパシタC1,C3をプリチャージするプリチャージトランジスタTr1〜Tr3と、積分キャパシタC1,C3のディスチャージを許可する活性化トランジスタTr4,Tr5と、それぞれ内部クロックRCLK,FCLKを受けてスイッチングするディスチャージトランジスタTr6,Tr7と、ディスチャージトランジスタTr6,Tr7のソースと接地電位VSSとの間に挿入されたバイアストランジスタTr8とを備えている。積分キャパシタC1,C3の他端はいずれも接地電位VSSに接続されており、積分キャパシタC2,C4の他端はいずれも電源電位VDDに接続されている。
【0044】
かかる構成により、プリチャージトランジスタTr1〜Tr3がオンすると、積分キャパシタC1,C3は電圧VDD−VSSに充電され、積分キャパシタC2,C4の充電電圧はゼロとなる。プリチャージ終了後、活性化トランジスタTr4,Tr5をオンさせた状態で、内部クロックRCLKがハイレベルになると、積分キャパシタC1が放電され、積分キャパシタC2が充電される。これにより、信号線S1の電位はプリチャージレベルから徐々に低下する。同様に、活性化トランジスタTr4,Tr5をオンさせた状態で、内部クロックFCLKがハイレベルになると、積分キャパシタC3が放電され、積分キャパシタC4が充電される。これにより、信号線S2の電位はプリチャージレベルから徐々に低下する。プリチャージトランジスタTr1〜Tr3を制御する制御信号PREBiや、活性化トランジスタTr4,Tr5を制御する制御信号ACTBiは、図3に示した制御部220より供給される。
【0045】
以上の動作により、内部クロックRCLK,FCLKのハイレベル期間、すなわちデューティによって、信号線S1,S2の電位差が決まる。具体的には、内部クロックRCLKの方が内部クロックFCLKよりもハイレベルの期間が長ければ、信号線S1の電位Vrefiと信号線S2の電位DBiとの関係は、DBi>Vrefiとなる。逆に、内部クロックFCLKの方が内部クロックRCLKよりもハイレベルの期間が長ければ、信号線S1の電位Vrefiと信号線S2の電位DBiとの関係は、DBi<Vrefiとなる。
【0046】
このようにして生じた電位差は、アンプ回路212によって比較され、増幅される。具体的には、アンプ回路212は、信号線S1の電位Vrefiを基準として、信号線S2の電位DBiがこれよりも高ければデューティ検出信号DCCPiをハイレベルとし、逆に、信号線S2の電位DBがこれよりも低ければデューティ検出信号DCCPiをローレベルとする。アンプ回路212の動作を制御する制御信号AEiは、制御部220より供給される。
【0047】
図5は、出力選択部230の回路図である。
【0048】
図5に示すように、出力選択部230は、それぞれデューティ検出信号DCCP1〜DCCPmが入力されるセレクタ231−1〜231−mと、セレクタ231−1〜231−mを通過したデューティ検出信号をラッチするラッチ回路232を備えている。
【0049】
セレクタ231−1〜231−mには、制御部220よりそれぞれ選択信号LAT1〜LATmが供給されており、これによりデューティ検出信号DCCP1〜DCCPmのいずれか一つのみがセレクタ231−1〜231−mを通過することができる。セレクタ231−1〜231−mを通過したデューティ検出信号はラッチ回路232にラッチされ、ラッチされた信号が最終的にデューティ検出信号DCCSとして出力される。
【0050】
以上がデューティ検出回路200の回路構成である。デューティ検出回路200に含まれる制御部220は、これらm個のデューティ検出部210−1〜210−mが互いに異なる位相で動作するよう、制御信号PREBi,ACTBi,AEi及び選択信号LATiを生成する。具体的には、デューティ検出部210−iがデューティ検出動作を開始してから、出力選択部230が当該デューティ検出部210−iに対応するデューティ検出信号DCCSを出力するまでには所定の時間Xが必要であるとすると、制御部220はX/mごとに異なるデューティ検出部210−1〜210−mの動作を開始させる。
【0051】
所定の時間Xは、内部クロックRCLK,FCLKのサイクル数のn倍(nは2以上の整数)で表現されることが好ましく、mはnの約数であることがより好ましい。mがnの約数であれば、制御部220は、内部クロックRCLK,FCLKのn/mサイクルごとに、異なるデューティ検出部の動作を開始させることが可能となる。この場合、出力選択部230によってn/mサイクルごとに異なるデューティ検出信号DCCPiを選択すれば、内部クロックRCLK,FCLKのn/mサイクルごとに、最新のデューティ検出信号DCCSを得ることが可能となる。従来のデューティ検出回路であれば、デューティ検出信号の更新頻度はnサイクルであるから、本実施形態によればm倍の頻度でデューティ検出信号DCCSが更新されることが分かる。
【0052】
例えば、積分キャパシタC1〜C4の充放電動作に2サイクル、アンプ回路212の動作による電圧判定に1サイクル、出力選択部230による選択及びラッチ動作に1サイクルが必要である場合、n=4であることから、デューティ検出部の数であるmは、nの約数であって2以上の整数である4又は2であることが望ましい。この場合、m=4であれば、内部クロックRCLK,FCLKの1サイクルごとに異なるデューティ検出部210−1〜210−mの動作を開始させれば良く、m=2であれば、内部クロックRCLK,FCLKの2サイクルごとに異なるデューティ検出部210−1〜210−mの動作を開始させれば良い。但し、本発明においてmがnの約数であることは必須ではない。
【0053】
図6は、デューティ検出回路200の動作を示すタイミング図であり、m=n=4である場合の動作を示している。
【0054】
図6に示す例では、期間T1にて制御信号ACTB1が活性化しており、期間T2にて制御信号ACTB2が活性化している。制御信号ACTB1,ACTB2は、それぞれデューティ検出部210−1,210−2を活性化させるための信号である。期間T1と期間T2は、いずれも2クロックサイクルであり、期間T1に対して期間T2は1クロックだけ位相が遅れている。図示しないが、制御信号ACTB3,ACTB4についても同様である。
【0055】
制御信号ACTB1が活性化する期間T1においては、デューティ検出部210−1に含まれる積分キャパシタC1〜C4の充放電が行われ、これにより内部クロックRCLK,FCLKのデューティが電位Vrefと電位DBとの電位差に変換される。図6に示す例では、内部クロックRCLKの方が内部クロックFCLKよりもハイレベルである期間が長く、これにより、期間T1の終了時においてDB>Vrefとなっている。
【0056】
期間T1の終了後、制御信号AE1が活性化する。これにより、信号線S1,S2に生じている上記の電位差がアンプ回路212によって検出及び増幅され、デューティ検出信号DCCP1の論理レベルが確定する。制御信号AE1は、約1クロックサイクルに亘り活性化する。
【0057】
このような動作を、デューティ検出部210−1〜210−4に対して1クロックずつずらして並列に実行させることにより、1クロックごとに最新のデューティ検出信号DCCP1〜DCCP4が次々と生成される。
【0058】
そして、制御信号AE1〜AE4が活性化している間に、選択信号LAT1〜LAT4を次々と活性化させれば、デューティ検出信号DCCP1〜DCCP4がセレクタ231−1〜231−4を通過して次々とラッチ回路232にラッチされる。したがって、1クロックごとにデューティ検出信号DCCSの値が更新されることになる。
【0059】
以上がデューティ検出回路200の構成及びその動作である。次に、クロック制御回路300について説明する。
【0060】
図7は、クロック制御回路300の構成を示すブロック図である。
【0061】
図7に示すように、クロック制御回路300は、外部クロックCLKを分周することにより分周クロックDCLKを生成する分周回路310と、外部クロックCLK及び分周クロックDCLKのいずれか一方を選択するクロックセレクタ320と、クロックセレクタ320の出力である選択クロックDATCLKに基づいて各種動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRを生成する動作クロック生成部330とを備える。
【0062】
クロックセレクタ320には、DLL回路100がロック状態であるか否かを示すロックフラグFlagが入力されており、クロックセレクタ320はこれに基づいて外部クロックCLK又は分周クロックDCLKを選択する。具体的には、ロックフラグFlagが非ロック状態を示している場合には外部クロックCLKを選択し、ロックフラグFlagがロック状態を示している場合には分周クロックDCLKを選択する。つまり、DLL回路100が非ロック状態であれば選択クロックDATCLKの周波数は相対的に高くなり、DLL回路100がロック状態であれば選択クロックDATCLKの周波数は相対的に低くなる。分周回路310が生成する分周クロックDCLKは、例えば外部クロックCLKの1/2の周波数である。
【0063】
選択クロックDATCLKの周波数が変化すると、これに連動して動作クロック生成部330の出力である動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRの周波数も変化する。したがって、DLL回路100が非ロック状態であれば、動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRの周波数も相対的に高くなり、DLL回路100がロック状態であれば、動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRの周波数も相対的に低くなる。また、図3に示すように、選択クロックDATCLKは、デューティ検出回路200に含まれる制御部220にも供給される。
【0064】
このような周波数切り替えを行っているのは、DLL回路100が非ロック状態である場合には速やかにロック状態に遷移させる必要があるからであり、DLL回路100がロック状態である場合には、消費電力を抑制しつつロック状態を維持する必要があるからである。
【0065】
以上がクロック生成回路40を構成するDLL回路100、デューティ検出回路200及びクロック制御回路300の構成である。次に、本実施形態による半導体装置の動作について、クロック生成回路40の動作を中心に説明する。
【0066】
上述の通り、本実施形態のDLL回路100には、デューティ検出回路200を使用しない「位相制御モード」とデューティ検出回路200を使用する「デューティ制御モード」の2つのモードが備えられている。他方、ロックフラグFlagが非ロック状態を示しているかロック状態を示しているかによって、クロック制御回路300は異なる動作を行う。したがって、以下の動作説明では、
1.「位相制御モード」で且つ「DLL回路が非ロック状態」
2.「位相制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」
3.「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路が非ロック状態」
4.「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」
の4態様について、順に動作を説明する。
【0067】
図8は、「位相制御モード」で且つ「DLL回路が非ロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【0068】
上述の通り、DLL回路が非ロック状態である場合には、クロックセレクタ320によって外部クロックCLKが選択される。このため、図8に示すように、選択クロックDATCLKの周波数は外部クロックCLKの周波数と等しくなる。本例では、動作クロック生成部330は選択クロックDATCLKの8サイクルごとに、動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRを活性化させる。図8に示す例では、時刻t0のアクティブエッジに同期して動作クロックDCDECが活性化し、時刻t5のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTLが活性化し、時刻t7のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTRが活性化している。このシーケンスが8サイクルごとに繰り返される。
【0069】
動作クロックDCDECは、プリデコーダ121R,121F及びD/Aコンバータ122R,122Fの出力値を更新するためのタイミング信号であり、これが活性化すると、ディレイライン110R,110Fの遅延量が変化する。つまり、時刻t0のアクティブエッジに応答して、内部クロックQCLKT,QCLKBの位相が変化する。但し、かかる変化が位相検出回路130R,130Fによる判定結果に反映されるまでにはある程度の時間が必要であり、図8に示す例では時刻t3のアクティブエッジ近傍で反映され、これにより位相検出信号DLUP1Rが変化している。図示しないが、位相検出信号DLUP1Fについても同様である。
【0070】
このような反映時間を見越して、ライズコントロール回路140Rは、動作クロックDCCLKの時刻t4のアクティブエッジに同期して位相検出信号DLUP1Rをラッチする。フォールコントロール回路140Fにおいても同様である。
【0071】
次に、時刻t5のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTLが活性化する。これにより、ライズコントロール回路140R及びフォールコントロール回路140Fは、ラッチ内容に基づきアップダウン信号CNTRDIRR,CNTRDIRFを生成する。そして、時刻t7のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTRが活性化し、これによりカウンタ回路120R,120Fのカウント値が更新される。
【0072】
このように、DLL回路が非ロック状態である場合には、DLL回路100の制御周期が8サイクルであり、高頻度に制御されることから、速やかにロック状態に遷移させることが可能となる。
【0073】
図9は、「位相制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【0074】
上述の通り、DLL回路がロック状態である場合には、クロックセレクタ320によって分周クロックDCLKが選択される。このため、図9に示すように、選択クロックDATCLKの周波数は外部クロックCLKの周波数の1/2となる。しかしながら、動作クロック生成部330の動作シーケンスは図8に示したシーケンスと全く同じであり、ロック状態の有無によって動作を変更する必要はない。
【0075】
図9に示す例では、選択クロックDATCLKの周波数が外部クロックCLKの周波数の1/2であることから、時刻t0のアクティブエッジに同期して動作クロックDCDECが活性化し、時刻t10のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTLが活性化し、時刻t14のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTRが活性化している。このシーケンスが16サイクルごとに繰り返される。
【0076】
DLL回路がロック状態である場合、ディレイライン110R,110Fの遅延量変化が位相検出回路130R,130Fの判定結果に反映される時刻t3から、動作クロックDCCNTLが活性化する時刻t10までの期間において、ライズコントロール回路140R及びフォールコントロール回路140Fは、複数回の位相検出信号DLUP1R,DLUP1Fを取得することができる。図9に示す例では、5クロック分の位相検出信号DLUP1R,DLUP1Fを取得しており、その多数決によってアップダウン信号CNTRDIRR,CNTRDIRFが生成される。
【0077】
このように、DLL回路がロック状態である場合には、DLL回路100の制御周期が16サイクルに増大することから、消費電力を抑制することが可能となる。しかも、ライズコントロール回路140R及びフォールコントロール回路140Fは、複数取得した位相検出信号DLUP1R,DLUP1Fに基づいてアップダウン信号CNTRDIRR,CNTRDIRFを生成していることから、ジッタによるエイリアシングの影響を低減することが可能となる。
【0078】
図10は、「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路が非ロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【0079】
上述の通り、デューティ制御モードにおいては、デューティ検出回路200が使用される。この場合、動作クロック生成部330は、選択クロックDATCLKの12サイクルごとに、動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRを活性化させる。図10に示す例では、時刻t0のアクティブエッジに同期して動作クロックDCDECが活性化し、時刻t9のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTLが活性化し、時刻t11のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTRが活性化している。このシーケンスが12サイクルごとに繰り返される。
【0080】
デューティ制御モードにおけるライズコントロール回路140Rの動作は、位相制御モードにおけるそれと同じである。これに対し、フォールコントロール回路140Fは、デューティ制御モードである場合、デューティ検出回路200の出力であるデューティ検出信号DCCSを使用する。
【0081】
図10に示す例では、時刻t7のアクティブエッジに同期して出力されるデューティ検出信号DCCSがフォールコントロール回路140Fに取り込まれる。その後、時刻t9のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTLが活性化し、時刻t11のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTRが活性化する。これにより、カウンタ回路120R,120Fのカウント値が更新される。
【0082】
このように、デューティ制御モードにおいてDLL回路が非ロック状態であると、DLL回路100の制御周期は12サイクルに延長される。しかしながら、本実施形態では、n=mに設定することにより、全てのアクティブエッジに同期してデューティ検出信号DCCSを取得可能であることから、外部クロックCLKの周波数が高くなった場合であっても、これによりDLL回路100の制御周期が大幅に長くなることはない。
【0083】
図11は、「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【0084】
上述の通り、DLL回路がロック状態である場合、選択クロックDATCLKの周波数は外部クロックCLKの周波数の1/2となる。しかしながら、動作クロック生成部330の動作シーケンスは図10に示したシーケンスと全く同じであり、ロック状態の有無によって動作を変更する必要はない。
【0085】
図11に示す例では、時刻t0のアクティブエッジに同期して動作クロックDCDECが活性化し、時刻t18のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTLが活性化し、時刻t22のアクティブエッジに同期して動作クロックDCCNTRが活性化している。このシーケンスが24サイクルごとに繰り返される。
【0086】
DLL回路がロック状態である場合、ディレイライン110Fの遅延量変化がデューティ検出回路200の出力に反映される時刻t8から、動作クロックDCCNTLが活性化する時刻t18までの期間において、フォールコントロール回路140Fは、複数回のデューティ検出信号DCCSを取得することができる。図11に示す例では、5回分のデューティ検出信号DCCSを取得しており、その多数決によってアップダウン信号CNTRDIRFが生成される。
【0087】
このように、本実施形態では、限られた制御周期内において、最新のデューティ検出信号DCCSを複数回取得することができるため、デューティ制御モードであっても、多数決によってアップダウン信号CNTRDIRFを生成することが可能となる。このため、制御周期を延長することなく、内部クロックQCLKT,QCLKBのデューティを正しく50%に制御することが可能となる。
【0088】
図12は、比較例によるタイミング図であり、従来のデューティ検出回路を用いた場合の「デューティ制御モード」で且つ「DLL回路がロック状態」における動作を説明するためのタイミング図である。
【0089】
図12に示すように、従来のデューティ検出回路では、デューティ検出信号DCCの更新頻度が低く、図12に示す例では4サイクルごとに更新されている。このため、5回分のデューティ検出信号DCCの多数決によってアップダウン信号CNTRDIRFを生成しようとすると、かかる処理だけで20サイクル(=4サイクル×5回)を要してしまう。このため、DLL回路の制御周期が32サイクルに増大してしまうため、内部クロックQCLKT,QCLKBの追従特性が悪化するばかりでなく、動作クロックDCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTRの活性化タイミングも切り替える必要が生じる。つまり、DLL回路がロック状態であるか否かによって、動作クロック生成部が異なるシーケンスで動作するよう構成する必要が生じ、回路が複雑化してしまう。
【0090】
これに対し、上述した本実施形態では、このような問題を生じることなく、高品質な内部クロックQCLKT,QCLKBを生成することが可能となる。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0092】
10 内部回路
11 アドレス端子
12 コマンド端子
13 データ入出力端子
14 クロック端子
20 出力バッファ
30 入力バッファ
40 クロック生成回路
50(50F,50R) レプリカバッファ
100 DLL回路
110R,110F ディレイライン
111R,111F コースディレイライン
112R,112F ファインディレイライン
120R,120F カウンタ回路
121R,121F プリデコーダ
122R,122F D/Aコンバータ
130R,130F 位相検出回路
140F フォールコントロール回路
140R ライズコントロール回路
150R バッファ
160F 選択回路
200 デューティ検出回路
210 デューティ検出部
211 積分回路
212 アンプ回路
220 制御部
230 出力選択部
231 セレクタ
232 ラッチ回路
300 クロック制御回路
310 分周回路
320 クロックセレクタ
330 動作クロック生成部
C1〜C4 積分キャパシタ
CLK,CLKB 外部クロック
DCCS デューティ検出信号
DCDEC,DCCLK,DCCNTL,DCCNTR 動作クロック
DCLK 分周クロック
DLUP1R,DLUP1F 位相検出信号
LAT1〜LAT4 選択信号
QCLKT,QCLKB,RCLK,FCLK 内部クロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部クロックのデューティを検出する複数のデューティ検出部と、
前記複数のデューティ検出部を互いに異なる位相で動作させる制御部と、
前記複数のデューティ検出部からのデューティ検出信号を選択する出力選択部と、を備えることを特徴とするデューティ検出回路。
【請求項2】
前記デューティ検出部がデューティ検出動作を開始してから、前記出力選択部が前記デューティ検出信号を出力するまでに、前記内部クロックのnサイクル(nは2以上の整数)を要し、
前記デューティ検出部の数はm個(mは2以上の整数)であり、
mはnの約数であることを特徴とする請求項1に記載のデューティ検出回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記内部クロックのn/mサイクルごとに前記複数のデューティ検出部のうち異なるデューティ検出部のデューティ検出動作を開始させることを特徴とする請求項2に記載のデューティ検出回路。
【請求項4】
前記出力選択部は、前記内部クロックのn/mサイクルごとに前記複数のデューティ検出信号のうち異なるデューティ検出信号を選択することを特徴とする請求項2又は3に記載のデューティ検出回路。
【請求項5】
前記出力選択部は、
前記複数のデューティ検出信号のいずれか一つを通過させるセレクタと、
前記セレクタを通過したデューティ検出信号をラッチするラッチ回路と、を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデューティ検出回路。
【請求項6】
前記デューティ検出部は、
前記内部クロックに同期して充電又は放電される積分キャパシタと、
前記積分キャパシタの充電電圧と基準電圧とを比較し、その差を増幅することにより前記デューティ検出信号を生成するアンプ回路と、を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデューティ検出回路。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデューティ検出回路と、前記内部クロックの位相を制御するDLL回路と、第1及び第2のレプリカバッファとを備えるクロック生成回路であって、
前記内部クロックは、互いに位相の異なる第1及び第2の内部クロックからなり、
前記DLL回路は、
第1の外部クロックを遅延させることにより第3の内部クロックを生成する第1のディレイラインと、
第2の外部クロックを遅延させることにより第4の内部クロックを生成する第2のディレイラインと、
前記第1の外部クロックと前記第1の内部クロックの位相を判定する第1の位相比較回路と、
前記第1の位相比較回路の判定結果に基づいて前記第1のディレイラインの遅延量を制御する第1の遅延制御回路と、
少なくとも前記デューティ検出信号に基づいて前記第2のディレイラインの遅延量を制御する第2の遅延制御回路と、を含み、
前記第1のレプリカバッファは、前記第3の内部クロックを受けて前記第1の内部クロックを生成し、
前記第2のレプリカバッファは、前記第4の内部クロックを受けて前記第2の内部クロックを生成することを特徴とするクロック生成回路。
【請求項8】
前記DLL回路は、
前記第2の外部クロックと前記第2の内部クロックの位相を判定する第2の位相比較回路をさらに含み、
前記第2の遅延制御回路は、
前記第2の位相比較回路の判定結果に基づいて、前記第2のディレイラインの遅延量を制御する第1のモードと、
前記デューティ検出信号に基づいて、前記第2のディレイラインの遅延量を制御する第2のモードと、を有していることを特徴とする請求項7に記載のクロック生成回路。
【請求項9】
前記デューティ検出回路及び前記DLL回路の動作クロックを生成するクロック制御回路をさらに備え、
前記クロック制御回路は、
前記DLL回路が非ロック状態である場合には、前記動作クロックの周波数を相対的に高く設定し、
前記DLL回路がロック状態である場合には、前記動作クロックの周波数を相対的に低く設定することを特徴とする請求項7又は8に記載のクロック生成回路。
【請求項10】
前記第1の遅延制御回路は、前記動作クロックに同期して前記第1の位相比較回路の判定結果を複数回取り込み、これら複数の判定結果に基づいて、前記第1のディレイラインの遅延量を制御することを特徴とする請求項9に記載のクロック生成回路。
【請求項11】
前記第2の遅延制御回路は、前記動作クロックに同期して前記デューティ検出信号を複数回取り込み、これら複数のデューティ検出信号に基づいて、前記第2のディレイラインの遅延量を制御することを特徴とする請求項9又は10に記載のクロック生成回路。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれか一項に記載のクロック生成回路と、出力データを生成する内部回路と、前記第3及び第4の内部クロックに同期して前記出力データを外部に出力する出力バッファとを備え、
前記第1及び第2のレプリカバッファは、前記出力バッファと同じインピーダンスを有していることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−226173(P2010−226173A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68028(P2009−68028)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】