説明

データ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体

【課題】離接可能不揮発性メモリの接続時に既存の不揮発性メモリに記憶されているデータの機密保持と利用性の向上を図ったデータ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】複合装置1は、受け付けたデータをNANDフラッシュメモリ8に書き込んでデータ処理を行っているときに、HDD I/F9へのHDD100の接続を検出すると、NANDフラッシュメモリ8に既に書き込まれているデータのうち、機密データ、保留データ及び蓄積データ等の所定種類のデータを、該データ種類に応じてNANDフラッシュメモリ8からHDD100に移動またはNANDフラッシュメモリ8から削除する接続時データ処理を行う。したがって、既存のNANDフラッシュメモリ8に記憶されている画像データの処理を適切に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、データの機密保持と有効利用を図った複合装置、複写装置、プリンタ装置等のデータ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、複写装置、複合装置、スキャナ装置及びコンピュータ等のデータ処理装置においては、スキャナ部で読み取られた原稿の画像データ、ネットワーク、公衆回線、インターネット、専用回線等の無線/有線の通信回線を介してデータ受信した画像データ等の入力画像データを所定の画像処理を施した後に、一旦、不揮発性メモリに保管し、この保管した画像データをプリンタ部で印刷出力したり、通信回線を介してデータ送信、ファクシミリ送信したり、ネットワーク上の大容量の不揮発性メモリに保管出力する等の各種出力処理を行っている。例えば、複合装置においては、入力画像データが機密を要する画像データ(以下、必要に応じて機密データという。)に対しては、従来、外部情報処理装置側からあるいは操作表示部からユーザIDを付加して複合装置に入力し、複合装置が、入力される機密データを、不揮発性メモリに一旦蓄積するとともに、ユーザIDに基づいて該機密データを管理する。そして、複合装置は、出力時に操作表示部からユーザID等が入力されて認証が完了すると、該入力されたユーザIDと一致するユーザIDの機密データが不揮発性メモリに格納されているかチェックし、ユーザIDの一致する機密データを不揮発性メモリから読み出して記録出力することが行われている(特許文献1参照)。また、複合装置は、機密データに限らず、入力データを不揮発性メモリに一旦蓄積した後、所定の時期に読み出して印刷出力、転送出力等の出力や再利用を行う蓄積処理や出力系のビジー等によって不揮発性メモリにデータを保留する保留処理等を行って、データの有効利用を行えるようになっている。すなわち、従来から、データ処理装置においては、不揮発性メモリを利用して、入力データに対して、機密処理、保留処理及び蓄積処理等の各種処理を行っている。
【0003】
そして、データ処理装置においては、従来、この不揮発性の不揮発性メモリとして、ハードディスクが用いられてきたが、近年、NANDフラッシュメモリ等の安価で大容量の不揮発性メモリが登場し、ハードディスク等の高額なメモリ装置を接続することなく、ある程度大容量の不揮発性メモリをデータ処理装置に保管させて、該不揮発性メモリを利用した画像処理を行うようになってきている。そして、近年、ハードディスクを接続することなく、NANDフラッシュメモリ等の不揮発性メモリのみを搭載してメモリを利用したデータ処理(以下、必要に応じてメモリデータ処理という。)を行えるようにし、ハードディスクについては、接続用のI/F(インターフェイス)のみを備えていて、必要に応じて拡張可能とした安価で小型のデータ処理装置が出現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、ハードディスクを接続することなく、NANDフラッシュメモリ等の不揮発性メモリのみを搭載して該不揮発性メモリを利用したメモリデータ処理を行えるようにして、ハードディスクについては接続用のI/Fのみを備えているのみであるため、不揮発性メモリを搭載してデータを該不揮発性メモリに記憶しているデータ処理装置に対して、後からハードディスクを接続した場合の不揮発性メモリに記憶されているデータの機密保持やデータの有効利用については、考慮されておらず、新たにハードディスクを接続することによってデータの蓄積能力を向上させることはできるが、データの機密性及び利用性を向上させる上で、改良の必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、既存の不揮発性メモリに追加して接離可能不揮発性メモリが接続された際の該既存の不揮発性メモリに記憶されているデータの処理を適切に行う画像処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、受け付けたデータを不揮発性メモリに書き込んでデータ処理を行っているときに、メモリ接続手段への離接可能不揮発性メモリの接続が検出されると、該不揮発性メモリに既に書き込まれているデータのうち、機密を要する機密データ、データ出力が保留されている保留データ及びデータ出力に先だって一旦蓄積されている蓄積データ等の所定種類のデータを、該データ種類に応じて該不揮発性メモリから該離接可能不揮発性メモリに移動または該不揮発性メモリから削除する接続時データ処理を行うことを特徴としている。
【0007】
また、本発明は、前記不揮発性メモリと前記離接可能不揮発性メモリに関するメモリ情報に基づいて、前記接続時データ処理を制御することを特徴としてもよい。
【0008】
さらに、本発明は、前記不揮発性メモリ及び前記離接可能不揮発性メモリに対するデータ処理を行うと、該不揮発性メモリまたは該不揮発性メモリ及び該離接可能不揮発性メモリに書き込まれたデータと該データの種類等のファイル情報を関連させたファイル関連情報を記憶するファイル情報記憶手段の該ファイル関連情報を更新し、該ファイル情報記憶手段のファイル関連情報を参照して、前記接続時データ処理を制御することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、既存の不揮発性メモリに追加して接離可能不揮発性メモリが接続されると、既に不揮発性メモリに書き込まれている機密データ、保留データ、蓄積データ等の所定種類のデータをデータ種類に応じて不揮発性メモリから離接可能不揮発性メモリに移動または削除するので、既存の不揮発性メモリに記憶されているデータの処理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置のブロック構成図。
【図2】操作部の概略平面図。
【図3】HDD情報テーブルの一例を示す図。
【図4】ファイル一覧テーブルの一例を示す図。
【図5】複合装置の機能ブロック構成図。
【図6】基本データ制御処理を示すフローチャート。
【図7】空き容量に基づく文書移動・削除処理を示すフローチャート。
【図8】文書ファイル名の一例を示す図。
【図9】転送速度に基づく文書移動・削除処理を示すフローチャート。
【図10】データ蓄積・出力処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図10は、本発明のデータ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明のデータ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した複合装置1のブロック構成図である。
【0013】
図1において、複合装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)制御部4、RAM5、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)6、プリンタエンジン7、NANDフラッシュメモリ8、HDD I/F(ハードディスク I/F)9、スキャナエンジン10、FAX制御部11、NCU(Network Control Unit)12、ホストI/F(インターフェイス)制御部13、RTC(リアルタイムクロック;Real Time Clock )14、操作部I/F制御部15及び操作部16等を備えており、主要各部は、バス17で接続されている。複合装置1は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を備えている。
【0014】
HDD I/F9(メモリ接続手段、接続検出手段)には、大容量の接離可能不揮発性メモリであるHDD(ハードディスク)100が接続及び切り離し可能に接続され、HDD I/F9は、CPU2の制御下で、HDD100の接続の有無を検出して、接続されたHDD100へのデータ(画像データ等)の書き込み及びHDD100のデータの読み出し、削除等のデータ処理を行う。
【0015】
ROM3は、複合装置1の基本プログラムや後述するデータ処理プログラム等の各種プログラム及び各種データ、テキストの印刷に使用されるフォントデータ等を格納している。
【0016】
CPU(制御手段、データ処理実行手段)2は、ROM3に格納されたプログラムに基づいてRAM5をワークメモリとして利用しつつ複合装置1の各部を制御して、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等の各機能、特に、後述するHDD100が追加接続されたときのNANDフラッシュメモリ8に保管されているデータのHDD100への移動、コピー等のデータ制御処理を行う。なお、CPU2は、複数個搭載されていてもよく、複数搭載されることで、処理性能が向上される。
【0017】
RAM制御部4には、RAM5が接続されており、CPU2や各ブロックからの要求に応じてデータをRAM5に書き込み、また、RAM5からデータを読み出す。すなわち、RAM5は、CPU2及び各ブロックの処理動作で発生する各種データの一時保管に利用される。
【0018】
NVRAM6は、複合装置1の電源がオフの場合にも保持すべきデータ(例えば、コピー枚数のカウンタ値等の機器固有の情報等)が格納され、特に、後述するデータ制御処理で必要な各種データが格納される。
【0019】
プリンタエンジン(出力手段)7は、CPU2の制御下で、印刷に関する動作を行って、スキャナエンジン10で読み取られた画像データ、ホストI/F制御部13を介して外部ホスト装置HSから受け取ったデータ、FAX制御部11及びNCU12を介して相手ファクシミリ装置から送られてきたファクシミリ画像データ等の各種データを、所定の印刷方式、例えば、電子写真方式、LED(Light Emitting Diode)方式、インク噴射方式等で、用紙に記録出力する。
【0020】
スキャナエンジン10は、CPU2の制御下で、原稿を主走査及び副走査して、該原稿の画像を読み取って、デジタルのデータを出力する。
【0021】
FAX制御部11には、NCU12が接続されており、NCU12には、回線L、例えば、一般公衆回線、ファクシミリ回線等が接続されている。NCU12は、FAX制御部11の制御下で動作して、自動発着呼処理等の回線制御を行う。
【0022】
FAX制御部11は、NCU12を制御するとともに、相手ファクシミリ装置との間でファクシミリ制御信号を交換し、ファクシミリ通信手順を実行する。また、FAX制御部11は、送信信号の変調及び受信信号の復調を行う。なお、FAX制御部11及びNCU12を利用したファクシミリ機能で送信されるファクシミリ送信データは、スキャナエンジン10で読み取られた原稿の画像データ及びホストI/F制御部13を介して外部ホスト装置HSから受け取ったデータ等である。
【0023】
ホストI/F制御部13には、コンピュータ、スキャナ装置等の外部ホスト装置HSが接続され、ホストI/F制御部13は、外部ホスト装置HSから送られてくる印刷対象や保存対象等のデータの受信やデータの外部ホスト装置HSへの送信を行う。ホストI/F制御部13のインターフェイスの種類としては、例えば、IEEE1284、USB等のローカル接続や有線、無線によるイーサネット(登録商標)等のネットワーク接続がある。
【0024】
上記スキャナエンジン10、FAX制御部11とNCU12及びホストI/F制御部13は、全体としてデータの入力を受け付けるデータ受け付け手段として機能する。また、上記プリンタエンジン7、FAX制御部11とNCU12及びホストI/F制御部13は、データをそれぞれの出力形式で出力する出力手段として機能している。
【0025】
RTC14は、発振回路や分周回路等を備え、現在時刻等を計時する。
【0026】
操作部I/F制御部15には、操作者とのマンマシンインターフェース部である操作部16が接続され、操作部16は、図2に示すように、テンキー21、スタートキー22、クリア/ストップキー23、リセットキー24、初期設定キー25、コピーキー26、プリンタキー27、スキャナキー28、選択キー29及び表示部30等が設けられている。
【0027】
テンキー21は、コピー枚数、ファクシミリ送信先番号等の入力操作に使用されるとともに、後述するデータ制御処理での各種操作、例えば、NANDフラッシュメモリ8内に格納されているデータの処理方法の設定操作等に使用され、スタートキー22は、各種動作の開始指示操作、各種キーでの入力内容の確定操作等に使用される。
【0028】
クリア/ストップキー23は、各種動作のクリア/ストップやキー操作のクリア/ストップを指示操作するのに使用され、リセットキー24は、各種動作のリセットや入力操作のリセットを行うのに使用される。
【0029】
初期設定キー25は、複合装置1の初期状態を任意にカスタマイズする初期設定モードに移行させる際に使用される。例えば、複合装置1が収納している用紙サイズの設定操作、コピー機能のモードをクリアさせるためにクリア/ストップキー23が操作されたときに設定される状態の設定操作、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーションの選択操作、国際エネルギースター計画に従った低電力状態への移行時間の設定操作及びオートオフ/スリープモードへの移行時間の設定操作等を行う場合に、初期設定キー25を操作して、これらの操作を行う。
【0030】
コピーキー26は、複合装置1のコピーモードを選択操作するのに使用され、プリンタキー27は、外部ホスト装置HS等からプリント要求とともに送られてきた印刷データや蓄積されている画像データや印刷データをプリンタエンジン7で印刷出力するプリンタモードを選択するとき等に使用される。
【0031】
スキャナキー28は、スキャナエンジン10で読み取った原稿画像データをNANDフラッシュメモリ8やHDD100に蓄積したり、スキャナエンジン10で読み取った原稿画像データ及びNANDフラッシュメモリ8やHDD100に蓄積されているデータ等を外部に送信する等のスキャナモードを選択する際に使用される。
【0032】
なお、図2では図示しないが、操作部16は、FAXキーを備えており、FAXキーは、スキャナエンジン10で読み取った原稿画像データ、外部ホスト装置HSから受信したデータ及び不揮発性メモリに蓄積されているデータをファクシミリ送信する等のファクシミリモードを選択する際に使用される。
【0033】
表示部30は、液晶ディスプレイ上にタッチパネルが重ね合わされた液晶タッチパネルが使用されており、操作部I/F制御部15が、CPU2の制御下で、該液晶ディスプレイにキー操作内容や複合装置1からユーザに通知する各種情報及び複合装置1の各種操作を行うのに必要な情報表示と該情報表示に対応する機能キー(タッチボタン)を表示し、液晶ディスプレイに表示された機能キーにタッチされると、タッチパネルがタッチ操作を検出して、該タッチ操作で選択された機能キーの液晶ディスプレイでの表示を黒等に反転表示させるとともに、該機能キーのキー操作結果をCPU2に通知する。
【0034】
NANDフラッシュメモリ8は、複合装置1の電源がオフの場合にも記憶内容を保持する不揮発性メモリであり、CPU2の制御下で、スキャナエンジン10で読み取った原稿画像データ、ホストI/F制御部13を介してホスト装置HSから受信したデータ、FAX制御部11及びNCU12を介してファクシミリ受信したデータ等の各種データを記憶する。
【0035】
そして、複合装置1は、ファイル情報記憶手段としてのROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に、図3に示すようなHDD情報テーブルTb1及び図4に示すようなファイル一覧テーブルTb2を記憶している。図3のHDD情報テーブルTb1は、HDD I/F9に接続されるHDD100の速度性能としてのデータ転送速度を取得するためのテーブルであり、HDD100のベンダ(製造供給元)、型番及び転送速度が登録されている。図4のファイル一覧テーブルは、データ受け付け手段であるスキャナエンジン10、ホストI/F制御部13等から入力されてNANDフラッシュメモリ8に蓄積したデータのファイル関連情報のテーブルであり、文書名、文書ファイル及び文書種類(データ種類)等のファイル情報とデータを関連させたファイル関連情報が登録されている。このファイル一覧テーブルTb2の文書ファイルには、該文書名のデータファイルのNANDフラッシュメモリ8上における記憶位置を示す情報(例えば、図4では、NAND等のディレクトリ名)を含む文書情報となっており、データ種類は、該文書名のデータファイル(文書)の種類を示す情報であって、「機密」、「保留」、「蓄積」等のデータ種類である。ここで、「機密」データとは、機密を要するデータファイル(文書)、「保留」データとは、出力処理を行うまでに一時保留しているデータファイル(文書)、「蓄積」データとは、出力処理を完了した後の利用に供するために蓄積しているデータファイル(文書)を意味している。
【0036】
なお、図示しないが、複合装置1は、スピーカ及び音声出力回路等からなる音声出力部を備えていて、後述するデータ制御処理でユーザに通知する各種情報を音声出力してもよい。
【0037】
そして、複合装置1は、CD(Compact Disc)、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、メモリカード、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録されているデータ処理プログラム及び必要なデータが図示しない読み取り部によって読み取られてNVRAM6やROM3等に格納されて実行されることで、図5に示すような機能モジュールを備えて、本発明のデータ処理を実行する複合装置1として構築される。なお、このデータ処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0038】
すなわち、複合装置1は、データ処理プログラムによって、図5に示すような機能ブロックが構築され、文書蓄積制御部50、データ受信部51、ファイル入出力制御部52、NANDフラッシュメモリ制御部53、HDD制御部54、文書移動制御部55、操作表示制御部56及びデータ出力制御部57等を備えている。
【0039】
データ受信部(データ受け付け手段)51は、ホストI/F制御部15が外部ホスト装置HSから受信したデータ及びFAX制御部11とNCU12が相手ファクシミリ装置からファクシミリ受信したデータ、スキャナエンジン10が読み取った画像データ等のデータを受け取り、該データ(入力データ)が、所定種類のデータ(蓄積データ、保留データ、機密データのいずれか)である場合には、文書蓄積制御部50に対して、該データを文書として保存するように要求する受け付け処理を行う。
【0040】
文書蓄積制御部(データ処理実行手段)50は、データ受信部51からの要求に応じて、データを文書として保存するために、ファイル入出力制御部52を用いて、NANDフラッシュメモリ制御部53やHDD制御部54に対して、文書をファイルとして保存するように要求するデータ処理実行処理を行う。また、文書蓄積制御部50は、NANDフラッシュメモリ8、ROM3、RAMNVRAM6に上記ファイル一覧テーブルTb2に、各文書の文書名、文書ファイル及びデータ種類(蓄積、機密、保留のうちいずれの種類の文書であるかを示す情報)を記録する。
【0041】
データ出力制御部57は、文書蓄積制御部50を通じて、NANDフラッシュメモリ8またはHDD100に保存された文書を読み出し、プリンタエンジン7による該データの用紙等の記録媒体への印刷出力、ホストI/F制御部13による他の装置(外部ホスト装置HS等)へのデータ転送出力及びFAX制御部11とNCU12によるファクシミリ装置へのファクシミリ送信等の出力処理を行う。
【0042】
操作表示制御部56は、操作部16でのユーザによる各種入力操作の操作内容を操作部I/F制御部15を通じて受け取り、また、操作部16のディスプレイへの各種情報の表示を行う。
【0043】
ファイル入出力制御部52は、複合装置1の搭載するOS(オペレーティングシステム)等が提供するファイル入出力機能であり、各種メモリ(NANDフラッシュメモリ8、HDD100)へのアクセス方法としてファイルI/F(ファイルのOpen/Close/Read/Write)を提供し、文書蓄積制御部50等の他の機能部(ソフトウェア部)からのファイルへのアクセスを各種メモリの制御部に対するデータ入出力に変換して伝える。
【0044】
文書移動制御部(制御手段)55は、ファイル入出力制御部52からHDD100の接続の有無情報の取得、HDD100が接続されたときに、NANDフラッシュメモリ8及びHDD100の空き容量、速度性能(転送速度)等のメモリ8、100に関するメモリ情報の取得を行い、NANDフラッシュメモリ8とHDD100のメモリ情報に基づいて、NANDフラッシュメモリ8に既に記憶されているデータのHDD100への移動及び削除を制御するとともに、移動または削除の完了した文書の蓄積場所(ファイルパス、ファイル名等)の情報や削除情報を文書蓄積制御部50に通知する制御処理を行う。
【0045】
NANDフラッシュメモリ制御部53は、ファイル入出力制御部52からの要求に応じて、NANDフラッシュメモリ8へのデータの入力及びNANDフラッシュメモリ8からのデータの出力を、NANDフラッシュメモリ8に対するコマンド(ATAコマンドやSCSIコマンド等のNANDフラッシュメモリ8が理解可能なコマンド体系)を用いて実施するデータ処理実行処理を行う。
【0046】
HDD制御部(接続検出手段)54は、ファイル入出力制御部52からの要求に応じて、HDD I/F9を通じて各種コマンド(ATAコマンドやSCSIコマンド等のHDD100が理解可能なコマンド体系)をHDD100に送り、HDD100へのデータ入力及びHDD100からのデータの出力を行うデータ処理実行処理を行う。また、HDD制御部54は、HDD I/F9へのHDD100の接続の有無(特に、HDD100が接続されたこと)を検出し、検出結果をファイル入出力制御部52を介して文書蓄積制御部50や文書移動制御部55に通知するとともに、接続されたHDD100の情報として、HDD100の容量、HDD100の形式番号(型番)、メーカ名等を取得するためのコマンドを、HDD I/F9に対して送信して、HDD100から返却されたコマンドの結果をHDD I/F9を通じて取得する接続検出処理を行う。
【0047】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、NANDフラッシュメモリ8を使用してメモリデータ処理を行っている状態で、HDD I/F9にHDD100が新たに接続されると、接続されたHDD100とNANDフラッシュメモリ8のメモリ情報及びNANDフラッシュメモリ8に既に保管されているデータ種類に基づいて、NANDフラッシュメモリ8に保管されているデータのHDD100への移動または削除を行う。なお、以下の説明では、図5に示した複合装置1の機能ブロック図の各ブロックの動作処理として説明するが、ハードウェアの動作としては、上述のように、図1に示したCPU2がROM3内のプログラムに基づいて各部を制御して実行する。
【0048】
すなわち、複合装置1は、図6に示すように、HDD100の接続を判断してデータ移動を制御する基本データ制御処理を実行する。複合装置1は、図6に示すように、まず、HDD(ハードディスク)制御部54がHDD(ハードディスク)100の接続の有無を検出し(ステップS101)、HDD100が接続されているかチェックする(ステップS102)。
【0049】
ステップS102で、HDD100がHDD I/F9に接続されていないときには、複合装置1は、通常のシステム待機状態に移行して、基本データ制御処理を終了する(ステップS105)。
【0050】
ステップS102で、HDD100がHDD I/F9に接続されていると、HDD制御部54は、ファイル入出力制御部52によってHDD100を利用可能な状態とするために、既存のパーティションを認識できるかチェックして、既存のパーティションを認識できたときには、該既存のパーティションをファイルシステムとして利用可能な状態(ファイル読み書きやパーティションの空き容量を取得可能な状態)とし、既存のパーティションを認識できなかったときには、ROM3やNVRAM6に記録されているHDD(ハードディスク)制御情報やプログラム上に定められているサイズによってHDD100にパーティションを作成してファイルシステムとして利用可能な状態にする。そして、HDD制御部54は、HDD100が接続されていることをファイル入出力制御部52を介して文書蓄積制御部50及び文書移動制御部55に通知する(ステップS103)。
【0051】
文書移動制御部55は、NANDフラッシュメモリ8に既に記憶されているデータのHDD100へ移動し、また、HDD100の接続時に、NANDフラッシュメモリ8上のデータを利用不可能にするために、HDD100への移動ではなく、NANDフラッシュメモリ8上から、特定の文書のデータを削除する文書移動・削除処理を行い(ステップS104)、その後、通常のシステム待機状態に移行して、基本データ制御処理を終了する(ステップS105)。なお、データの移動と削除を含めて、適宜、移動・削除と表現する。
【0052】
そして、複合装置1は、上記文書移動・削除処理を、NANDフラッシュメモリ8とHDD100のメモリ情報やNANDフラッシュメモリ8上に記憶されている文書(ファイル)の種類(データ種類)等の文書に関する情報(文書情報)に基づいて行う。
【0053】
まず、HDD100とNANDフラッシュメモリ8との空き容量に基づいて文書の移動・削除を行う文書移動・削除処理について、図7に基づいて説明する。複合装置1は、文書移動・削除処理に移行すると、文書移動制御部55が、ファイル入出力制御部52を介してHDD100の空き容量S1を取得し(ステップS201)、また、ファイル入出力制御部52を介してNANDフラッシュメモリ8の空き容量S2を取得する(ステップS202)。
【0054】
次に、文書移動制御部55は、HDD100の空き容量S1とNANDフラッシュメモリ8の空き容量S2を比較し(ステップS103)、HDD100の空き容量S1がNANDフラッシュメモリ8の空き容量S2以下のときには、NANDフラッシュメモリ8に記憶されている文書のHDD100への移動を行うことができない事態等が発生するおそれがあるため、文書の移動を行うことなく、そのまま文書移動・削除処理を終了する。
【0055】
ステップS203で、HDD100の空き容量S1がNANDフラッシュメモリ8の空き容量S2を越えるときには、文書移動制御部55は、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に記憶されているファイル一覧テーブルTb2(図4参照)に基づいて、NANDフラッシュメモリ8に保管されている文書ファイルの文書(データ)のうち、所定の種類の文書、例えば、機密文書を特定して、該機密文書のデータをNANDフラッシュメモリ8から取得し(ステップS204)、取得した文書のデータ(例えば、機密文書のデータ)をHDD100に移動し、あるいは、NANDフラッシュメモリ8上から削除する(ステップS205)。
【0056】
この移動・削除するデータ種類については、操作部16の操作等によって予め設定されており、図7では、機密文書(機密データ)を移動・削除対象のデータ種類(文書種類)としている場合について示しているが、移動・削除対象のデータ種類としては、機密データ(機密文書)に限るものではなく、上記保留データ(保留文書)、蓄積データ(蓄積文書)及び機密データのうちいずれか1つまたは複数のデータ種類を移動・削除対象のデータ種類と設定してもよい。また、図4では、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に、NANDフラッシュメモリ8へ保管されたデータの文書名、文書ファイル及びデータ種類等の文書情報の登録されるファイル一覧テーブルTb2を記憶して、このファイル一覧テーブルTb2を参照して、NANDフラッシュメモリ8に保管されているデータのうち、移動・削除対象のデータを特定して取得できるようにしているが、移動・削除対象のデータの特定方法としては、ファイル一覧テーブルTb2に基づく方法に限るものではなく、例えば、図8に示すように、文書ファイルを、不揮発性メモリ8のデータ種類毎に作成したディレクトリ(図8では、NAND/機密、NAND/保留、NAND/蓄積等)毎に、該当するデータ種類の文書ファイルを保管し、該データのファイル名として、NANDフラッシュメモリ8上の文書位置(データ記憶位置)を示す情報(例えば、NAND/機密等)を付与したファイル名(例えば、NAND/機密/AAA.doc等)としてもよい。このようにすると、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に、ファイル一覧テーブルTb2を作成して文書情報を登録する必要がなく、NANDフラッシュメモリ8の文書保管用のディレクトリのうち、移動・削除する文書(データ)の種類のディレクトリのデータを取得してHDD100に移動・削除することができる。また、NANDフラッシュメモリ8に保管するデータファイル(文書ファイル)のファイル名として、データ種類(文書の種類)を付加したファイル名(例えば、NAND./docs/AAA.doc.機密等)を用いてもよい。文書蓄積制御部50は、文書移動制御部55からの要求に応じて、該要求のデータ種類の文書(例えば、機密文書)の文書ファイル名を、例えば、図4のファイル一覧テーブルTb2から取得、NANDフラッシュメモリ8上の該要求のデータ種類に対応するディレクト(例えば、NAND/機密)以下にあるファイル名を、ファイル入出力制御部52を通じて取得して、文書移動制御部55に伝えることで、移動・削除対象のデータ(文書)を特定する。
【0057】
そして、文書移動制御部55は、文書蓄積制御部50から移動・削除対象として通知された全てのデータをNANDフラッシュメモリ8からHDD100に移動すると、データの移動が完了した旨を文書蓄積制御部50に通知する(ステップS206)。
【0058】
文書蓄積制御部50は、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に、ファイル一覧テーブルTb2を作成して文書情報を登録しているときには、該ファイル一覧テーブルTb2の移動・削除された文書の文書情報(ファイルパス、ファイル名等)を変更して、移動したデータに対して出力要求があったときに、該データを適切に取得して出力できるようにする(ステップS207)。
【0059】
次に、HDD100とNANDフラッシュメモリ8の処理速度である転送速度の相異に基づいて文書の移動・削除を行う文書移動・削除処理について、図9に基づいて説明する。なお、図9において、図7の文書移動・削除処理と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付してその説明を簡略化する。
【0060】
複合装置1は、文書移動・削除処理に移行すると、文書移動制御部55が、ファイル入出力制御部52を介して、HDD I/F9に接続されているHDD100の情報を取得し、取得したHDD100の情報のうち、HDD100の製造者、型番を示す情報に基づいて、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に記憶されているHDD情報テーブルTb1(図3参照)を参照して、HDD I/F9に接続されているHDD100を特定して該HDD100の転送速度T1を取得する(ステップS301)。なお、HDD100の転送速度T1は、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8にHDD情報テーブルTb1を記憶して該HDD情報テーブルTb1を参照して取得する方法に限るものではなく、例えば、HDD100の出荷時に予めHDD100の特定セクタに書き込まれている転送速度をファイル入出力制御部52を通して取得する方法であってもよいし、ファイル入出力制御部52を通して所定サイズのデータのHDD100への読み書きを行って該データの読み書きに要した時間から転送速度を取得する方法であってもよい。
【0061】
次に、文書移動制御部55は、NANDフラッシュメモリ8の転送速度T2を取得する(ステップS302)。文書移動制御部55は、このNANDフラッシュメモリ8の転送速度T2を、NANDフラッシュメモリ8自体に転送速度T2が予め書き込まれているときには、該NANDフラッシュメモリ8に書き込まれている転送速度T2をファイル入出力制御部52を介して取得し、また、NANDフラッシュメモリ8の転送速度T2がROM3やNVRAM6に記憶されているときには、ROM3やNVRAM6から転送速度T2を取得するか、プログラムで予め決められている数値を参照することで取得する。
【0062】
次に、文書移動制御部55は、HDD100の転送速度T1とNANDフラッシュメモリ8の転送速度T2を比較し(ステップS303)、HDD100の転送速度T1がNANDフラッシュメモリ8の転送速度T2以下のときには、文書の移動・削除を行うことなく、そのまま文書移動・削除処理を終了する。
【0063】
ステップS303で、HDD100の転送速度T1がNANDフラッシュメモリ8の転送速度T2を越えるときには、上記図7の場合と同様に、文書移動制御部55は、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に記憶されているファイル一覧テーブルTb2(図4参照)に基づいて、NANDフラッシュメモリ8に保管されている文書ファイルの文書情報のうち、所定の種類の文書、例えば、機密文書を特定して、該機密文書のデータをNANDフラッシュメモリ8から取得し(ステップS204)、取得した文書のデータ(例えば、機密文書のデータ)をHDD100に移動し、あるいは、該データをNANDフラッシュメモリ8から削除する(ステップS205)。
【0064】
そして、文書移動制御部55は、移動・削除対象として通知された全てのデータをNANDフラッシュメモリ8からHDD100に移動、または、NANDフラッシュメモリ8上から削除すると、データの移動・削除が完了した旨を文書蓄積制御部50に通知し(ステップS206)、文書蓄積制御部50は、ROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に、ファイル一覧テーブルTb2を作成して文書情報を登録しているときには、該ファイル一覧テーブルTb2の移動・削除された文書の文書情報を変更する(ステップS207)。
【0065】
そして、複合装置1は、HDD100がHDD I/F9に接続されているか否かに基づいて入力データの蓄積・出力処理を図10に示すように行う。なお、図10では、説明を明確化するために、入力データが印刷データであり、出力要求が印刷出力の場合を示している。
【0066】
すなわち、複合装置1は、データ処理の要求受け付けループを開始すると(ステップS401)、印刷データが受信されたかチェックし(ステップS402)、印刷データを受信すると、受信した印刷データを文書蓄積制御部50に送って(ステップS403)、HDD100が接続済みであるかチェックする(ステップS404)。ステップS404で、HDD100が接続されていないときには、NANDフラッシュメモリ8に印刷データをデータとして蓄積し(ステップS405)、ステップS402に戻って、印刷データが受信されたかのチェックから上記同様に処理する(ステップS402〜S405)。ステップS404で、HDD100が接続されているときには、複合装置1は、受信した印刷データを、NANDフラッシュメモリ8に蓄積するのか、HDD100に蓄積するのかを判断・決定して、決定した蓄積場所にデータとして蓄積し(ステップS406)、ステップS402に戻って、印刷データが受信されたかのチェックから上記同様に処理する(ステップS402〜S406)。
【0067】
ステップS402で、印刷データが受信されないときには、複合装置1は、蓄積文書の印刷要求があったかをチェックし(ステップS406)、印刷要求があると、NANDフラッシュメモリ制御部53またはNANDフラッシュメモリ制御部53とHDD制御部54を介して、NANDフラッシュメモリ8またはNANDフラッシュメモリ8とHDD100に保管されているデータの情報を読み出して操作部16のディスプレイに表示する(ステップS407)。
【0068】
複合装置1は、操作部16の操作で印刷対象の文書が選択されると、該選択された文書のデータをNANDフラッシュメモリ8またはHDD100から読み出して、データ出力制御部57に渡し、プリンタエンジン7によって文書の印刷を行って(ステップS408)、ステップS402に戻って、印刷データが受信されたかのチェックから上記同様に処理する(ステップS402〜S408)。
【0069】
複合装置1は、ステップS406で、蓄積文書の印刷要求がないときには、要求受け付けループの終了か判断して、要求受け付けループの終了でないときには、要求受け付けループの処理を繰り返し行い(ステップS401〜S409)、ステップS409で、要求受け付けループの終了のときには、処理を終了する。
【0070】
このように、本実施例の複合装置1は、受け付けたデータをNANDフラッシュメモリ8に書き込んでデータ処理を行っているときに、HDD I/F9へのHDD100の接続が検出されると、NANDフラッシュメモリ8に既に書き込まれているデータのうち、機密を要する機密データ、データ出力が保留されている保留データ及びデータ出力に先だって一旦蓄積されている蓄積データ等の所定種類のデータを、該データ種類に応じてNANDフラッシュメモリ8からHDD100に移動またはNANDフラッシュメモリ8から削除する接続時データ処理を行っている。
【0071】
したがって、既存のNANDフラッシュメモリ8に追加してHDD100が接続されると、既にNANDフラッシュメモリ8に書き込まれている機密データ、保留データ、蓄積データ等の所定種類のデータをデータ種類に応じてNANDフラッシュメモリ8からHDD100に移動または削除することができ、既存のNANDフラッシュメモリ8に記憶されているデータの処理を適切に行って、データの機密保護や利用性の向上を図ることができる。
【0072】
また、本実施例の複合装置1は、NANDフラッシュメモリ8とHDD100に関するメモリ情報に基づいて、HDD100の接続時のデータ処理(接続時データ処理)を制御している。
【0073】
したがって、NANDフラッシュメモリ8とHDD100に関するメモリ情報に基づいて、HDD100の接続時に、NANDフラッシュメモリ8のデータを適切に処理することができ、既存のNANDフラッシュメモリ8に記憶されているデータの処理をより一層適切に行うことができる。
【0074】
さらに、本実施例の複合装置1は、NANDフラッシュメモリ8とHDD100のメモリ容量、データ処理速度のいずれかまたは双方に基づいて、HDD100の接続時のデータ処理(接続時データ処理)を制御している。
【0075】
したがって、NANDフラッシュメモリ8とHDD100のメモリ容量や転送速度(データ処理速度)に基づいて、HDD100の接続時に、NANDフラッシュメモリ8のデータを適切に処理することができ、既存のNANDフラッシュメモリ8に記憶されているデータの処理をより一層適切に行うことができる。
【0076】
また、本実施例の複合装置1は、NANDフラッシュメモリ8またはNANDフラッシュメモリ8及びHDD100に書き込まれたデータと機密、保留、蓄積等のデータ種類等のファイル情報を関連させたファイル関連情報をファイル一覧テーブルとしてROM3、NVRAM6またはNANDフラッシュメモリ8に記憶し、NANDフラッシュメモリ8及びHDD100に対してデータ処理を行うと、該ファイル関連情報を更新して、HDD100の接続時のデータ処理(接続時データ処理)を制御している。
【0077】
したがって、既にNANDフラッシュメモリ8に書き込まれている機密データ、保留データ、蓄積データ等の所定種類のデータをデータ種類に応じて、速やかにかつ適切にNANDフラッシュメモリ8からHDD100に移動または削除することができ、既存のNANDフラッシュメモリ8に記憶されているデータの処理を速やかにかつより一層適切に行うことができる。
【0078】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、ハードディスク等の接離可能不揮発性メモリが後付けで接続される場合のデータの適切な取り扱いを行う複合装置、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ装置、スキャナ装置、コンピュータ等のデータ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 複合装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM制御部
5 RAM
6 NVRAM
7 プリンタエンジン
8 NANDフラッシュメモリ
9 HDD I/F(ハードディスク I/F)
10 スキャナエンジン
11 FAX制御部
12 NCU
13 ホストI/F制御部
14 RTC
15 操作部I/F制御部
16 操作部
17 バス
21 テンキー
22 スタートキー
23 クリア/ストップキー
24 リセットキー
25 初期設定キー
26 コピーキー
27 プリンタキー
28 スキャナキー
29 選択キー
30 表示部
50 文書蓄積制御部
51 データ受信部
52 ファイル入出力制御部
53 NANDフラッシュメモリ制御部
54 HDD制御部
55 文書移動制御部
56 操作表示制御部
57 データ出力制御部
100 HDD
HS 外部ホスト装置
Tb1 HDD情報テーブル
Tb2 ファイル一覧テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2007−307736号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの入力を受け付けるデータ受け付け手段と、
データの書き込み、読み出し、削除等のデータ処理の行われる不揮発性メモリと、
データの書き込み、読み出し、削除等のデータ処理の行われる離接可能不揮発性メモリが接続切り離し可能に接続されるメモリ接続手段と、
前記メモリ接続手段への前記離接可能不揮発性メモリの接続を検出する接続検出手段と、
前記不揮発性メモリ及び前記メモリ接続手段に接続されている前記離接可能不揮発性メモリへのデータの書き込み、該不揮発性メモリ及び該離接可能不揮発性メモリのデータの読み出し、削除等のデータ処理を実行するデータ処理実行手段と、
前記データ処理実行手段の読み出したデータを所定の出力形態で出力する出力手段と、
前記接続検出手段が前記メモリ接続手段への前記離接可能不揮発性メモリの接続を検出すると、前記不揮発性メモリに既に書き込まれているデータのうち、機密を要する機密データ、前記出力手段によるデータ出力が保留されている保留データ及び前記出力手段によるデータ出力に先だって一旦蓄積されている蓄積データ等の所定種類のデータを、該データ種類に応じて該不揮発性メモリから該離接可能不揮発性メモリに移動または該不揮発性メモリから削除させる接続時データ処理を前記データ処理実行手段に実行させる制御手段と、を備えていることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記不揮発性メモリと前記離接可能不揮発性メモリに関するメモリ情報に基づいて、前記データ処理実行手段に実行させる前記接続時データ処理を制御することを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記不揮発性メモリと前記離接可能不揮発性メモリのメモリ容量、データ処理速度のいずれかまたは双方を前記メモリ情報として、前記データ処理実行手段に実行させる前記接続時データ処理を制御することを特徴とする請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記データ処理装置は、前記不揮発性メモリまたは該不揮発性メモリ及び前記離接可能不揮発性メモリに書き込まれたデータと該データの種類等のファイル情報を関連させたファイル関連情報を記憶するファイル情報記憶手段を備え、前記データ処理実行手段は、前記不揮発性メモリ及び前記離接可能不揮発性メモリに対してデータ処理を行うと、該ファイル情報記憶手段の該ファイル関連情報を更新し、前記制御手段は、該ファイル情報記憶手段のファイル関連情報を参照して、前記データ処理実行手段に実行させる前記接続時データ処理を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
データの入力を受け付けるデータ受け付け処理ステップと、
データの書き込み、読み出し、削除等のデータ処理の行われる離接可能不揮発性メモリのメモリ接続手段への接続を検出する接続検出処理ステップと、
データの書き込み、読み出し、削除等のデータ処理の行われる不揮発性メモリ及び前記メモリ接続手段に接続されている前記離接可能不揮発性メモリへのデータの書き込み、該不揮発性メモリと該離接可能不揮発性メモリのデータの読み出し、削除等のデータ処理を実行するデータ処理実行処理ステップと、
前記データ処理実行処理ステップで読み出されたデータを所定の出力形態で出力する出力処理ステップと、
前記接続検出処理ステップで前記メモリ接続手段への前記離接可能不揮発性メモリの接続が検出されると、前記不揮発性メモリに既に書き込まれているデータのうち、機密を要する機密データ、前記出力処理ステップでのデータ出力が保留されている保留データ及び前記出力処理ステップでのデータ出力に先だって一旦蓄積されている蓄積データ等の所定種類のデータを、該データ種類に応じて該不揮発性メモリから該離接可能不揮発性メモリに移動または該不揮発性メモリから削除させる接続時データ処理を前記データ処理実行処理ステップで実行させる制御処理ステップと、を有していることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
前記制御処理ステップは、前記不揮発性メモリと前記離接可能不揮発性メモリに関するメモリ情報に基づいて、前記データ処理実行処理ステップで実行させる前記接続時データ処理を制御することを特徴とする請求項5記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記データ制御処理ステップは、前記不揮発性メモリ及び前記離接可能不揮発性メモリに対するデータ処理を行うと、該不揮発性メモリまたは該不揮発性メモリ及び該離接可能不揮発性メモリに書き込まれたデータと該データの種類等のファイル情報を関連させたファイル関連情報を記憶するファイル情報記憶手段の該ファイル関連情報を更新し、前記制御処理ステップは、該ファイル情報記憶手段のファイル関連情報を参照して、前記データ処理実行処理ステップで実行させる前記接続時データ処理を制御することを特徴とする請求項5または請求項6記載のデータ処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
データの入力を受け付けるデータ受け付け処理と、
データの書き込み、読み出し、削除等のデータ処理の行われる離接可能不揮発性メモリのメモリ接続手段への接続を検出する接続検出処理と、
データの書き込み、読み出し、削除等のデータ処理の行われる不揮発性メモリ及び前記メモリ接続手段に接続されている前記離接可能不揮発性メモリへのデータの書き込み、該不揮発性メモリと該離接可能不揮発性メモリのデータの読み出し、削除等のデータ処理を実行するデータ処理実行処理と、
前記データ処理実行処理で読み出されたデータを所定の出力形態で出力する出力処理と、
前記接続検出処理で前記メモリ接続手段への前記離接可能不揮発性メモリの接続が検出されると、前記不揮発性メモリに既に書き込まれているデータのうち、機密を要する機密データ、前記出力処理でのデータ出力が保留されている保留データ及び前記出力処理でのデータ出力に先だって一旦蓄積されている蓄積データ等の所定種類のデータを、該データ種類に応じて該不揮発性メモリから該離接可能不揮発性メモリに移動または該不揮発性メモリから削除させる接続時データ処理を前記データ処理実行処理で実行させる制御処理と、を実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。
【請求項9】
請求項8記載のデータ処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−171854(P2010−171854A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14119(P2009−14119)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】