説明

データ処理装置及び画像処理装置

【課題】認証に必要なユーザの情報を記憶媒体に記憶することなく、ユーザが該情報を入力する手間を省いて認証を行うことが可能なデータ処理装置を提供する。
【解決手段】MFP1は、ユーザの識別情報及び登録要求を受け付ける操作部19と、USBメモリ3から該USBメモリの識別情報を取得するUSBインターフェース25と、登録要求が受け付けられたユーザの識別情報に対して、USBメモリ3の識別情報を関連付けて登録する登録部23と、登録された情報に基づいて、ユーザの認証を行う認証部24とを備える。認証部24は、USBメモリ3が自機に装着され、取得されたUSBメモリ3の識別情報が登録部に登録されている場合に、ユーザの認証が成功したと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証機能を有するデータ処理装置及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、データ処理を行う各種のデータ処理装置が広く知られている。例えば、画像データの処理を行う画像処理装置がある。これらのデータ処理装置に中には、ユーザ認証を行って使用権限を確認した後に、データ処理を行うものがある。ユーザ認証は、例えば、ユーザが入力したユーザID及びパスワードと、予め記憶されているユーザID及びパスワードとを照合することにより行われる。
【0003】
また、下記特許文献1には、ユーザがユーザID及びパスワードを入力する手間を省くために、自機に記憶されたユーザID及びパスワードをユーザの外部記憶媒体に記憶させる画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、外部記憶媒体が自機に装着されると、外部記憶媒体に記憶されているユーザID及びパスワードを取得し、自機が記憶しているユーザID及びパスワードと照合することによりユーザ認証を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−263289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の画像形成装置によれば、ユーザがユーザID及びパスワードを入力する手間を省いて認証を行うことができるが、このために用いる外部記憶媒体には、ユーザID及びパスワードという認証に必要なユーザの情報を記憶する必要がある。このため、ユーザが適切に外部記憶媒体を管理しなければ、認証に必要なユーザの情報が他人に知られる虞がある。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、認証に必要なユーザの情報を記憶媒体に記憶することなく、ユーザが該情報を入力する手間を省いて認証を行うことが可能なデータ処理装置及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデータ処理装置は、ユーザの識別情報及び登録要求を受け付ける受付部と、自機に装着された着脱可能な記憶媒体から該記憶媒体の識別情報を取得する取得部と、受付部によって登録要求が受け付けられたユーザの識別情報に対して、取得部によって取得された記憶媒体の識別情報を関連付けて登録する登録部と、登録部によって登録された情報に基づいてユーザ認証を行う認証部と、認証部によって認証が成功したユーザによる要求に応じて、データの処理を行う処理部とを備え、認証部は、記憶媒体が自機に装着され、取得部によって取得された記憶媒体の識別情報が登録部に登録されている場合に、該記憶媒体の識別情報と関連付けて登録されたユーザの識別情報によって識別されるユーザの認証が成功したと判断することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るデータ処理装置によれば、ユーザの識別情報及び登録要求がユーザから受け付けられ、自機に装着された着脱可能な記憶媒体の識別情報が該記憶媒体から取得され、受け付けられたユーザの識別情報に対して取得された記録媒体の識別情報が、関連付けて記憶される。ユーザ認証が行われる際には、自機に装着された記憶媒体から該記憶媒体の識別情報が取得され、取得された識別情報が登録されている場合に、該記録媒体の識別情報と関連付けて登録されたユーザの識別情報によって識別されるユーザの認証が成功したと判断される。このように、記憶媒体に記憶された該記憶媒体の識別情報を利用して認証を行うので、記憶媒体にユーザの識別情報を記憶する必要がなく、ユーザも識別情報を入力する必要がない。従って、認証に必要なユーザの情報を記憶媒体に記憶することなく、ユーザが該情報を入力する手間を省いて認証を行うことが可能となる。
【0009】
本発明に係るデータ処理装置では、取得部が、記憶媒体の識別情報として、該記憶媒体の製造時に記憶された該記録媒体の固有の情報を取得することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、製造時に記憶されている記憶媒体の固有の情報を識別情報として利用するので、ユーザが記憶媒体の識別情報を設定することなく利用することができる。
【0011】
本発明に係るデータ処理装置では、受付部によって登録要求が受け付けられ、取得部によって取得された記憶媒体の識別情報が、既に登録部に登録されている場合、登録済みである旨のメッセージを表示する表示部を備えることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、登録要求が受け付けられたが、装着されている記憶媒体から取得された該記憶媒体の識別情報が、既に登録されている場合、登録済みである旨のメッセージが表示される。これにより、ユーザが登録をしようとしている記憶媒体が既に登録されていることをユーザに通知することができる。
【0013】
本発明に係るデータ処理装置では、受付部によって登録要求が受け付けられ、取得部によって取得された記憶媒体の識別情報が、既に登録部に登録されている場合、上書登録を実行するか否かをユーザに問い合せるメッセージを表示する表示部を備えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、登録要求が受け付けられたが、装着されている記憶媒体から取得された該記憶媒体の識別情報が、既に登録されている場合、上書登録を実行するか否かをユーザに問い合わせるメッセージが表示される。これにより、ユーザが登録をしようとしている記憶媒体が既に登録されている場合に、上書登録を実行するか否かをユーザに問い合わせ、ユーザの指示に従って上書登録を行うことができる。
【0015】
本発明に係るデータ処理装置では、認証部が、受付部によって登録要求が受け付けられることなく、記憶媒体が自機に装着された場合に、ユーザ認証を行うことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ユーザが記憶媒体を自機に装着すれば、自動的にユーザ認証を行うことができる。
【0017】
本発明に係る画像処理装置は、ユーザの識別情報及び登録要求を受け付ける受付部と、自機に装着された着脱可能な記憶媒体から該記憶媒体の識別情報を取得する取得部と、受付部によって登録要求が受け付けられたユーザの識別情報に対して、取得部によって取得された記憶媒体の識別情報を関連付けて登録する登録部と、登録部によって登録された情報に基づいてユーザ認証を行う認証部と、認証部によって認証が成功したユーザによる要求に応じて、画像データの処理を行う画像処理部とを備え、認証部は、記憶媒体が自機に装着され、取得部によって取得された記憶媒体の識別情報が登録部に登録されている場合に、該記憶媒体の識別情報と関連付けて登録されたユーザの識別情報によって識別されるユーザの認証が成功したと判断することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る画像処理装置によれば、ユーザの識別情報及び登録要求がユーザから受け付けられ、自機に装着された着脱可能な記憶媒体の識別情報が該記憶媒体から取得され、ユーザの識別情報に対して記録媒体の識別情報が、関連付けて記憶される。認証が行われる際には、自機に装着された該記憶媒体の識別情報が取得され、取得された識別情報が登録されている場合に、ユーザの認証が成功したと判断される。そして、ユーザの要求に応じて画像データの処理が行われる。このように、記憶媒体に記憶された該記憶媒体の識別情報を利用して認証を行うので、記憶媒体にユーザの識別情報を記憶する必要がなく、ユーザも識別情報を入力する必要がない。従って、認証に必要なユーザの情報を記憶媒体に記憶することなく、ユーザが該情報を入力する手間を省いて認証を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、認証に必要なユーザの情報を記憶媒体に記憶することなく、ユーザが該情報を入力する手間を省いて認証を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係るMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】MFPの登録部に登録されたデータを示す図である。
【図3】MFPによるUSBメモリの登録処理を示すフローチャートの前半部分である。
【図4】MFPによるUSBメモリの登録処理を示すフローチャートの後半部分である。
【図5】MFPによるUSBメモリを利用した認証処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ここでは、実施形態に係るデータ処理装置及び画像処理装置を複合機(MFP)に適用した場合を例にして説明する。まず、図1を参照して実施形態に係るMFP1の構成について説明する。
【0022】
MFP1は、プリント、スキャン、FAX(ファクシミリ)、及び、IFAX(インターネットFAX)を含む複数種類の画像処理を行う装置である。このMFP1は、LAN(ローカルエリアネットワーク)90に接続され、ネットワーク機能も有している。また、MFP1は、USBメモリ3に記憶された該USBメモリの識別情報をユーザの識別情報と関連付けて予め登録することにより、USBメモリ3を用いてユーザ認証を行う機能も有している。
【0023】
図1に示されるように、MFP1は、各種の画像データの処理を実行するために、プリンタ10、スキャナ11、FAX制御部12、及びI−FAX制御部13を備えている。
【0024】
プリンタ10は、例えば、電子写真方式により印刷を行うプリンタであり、各種の画像データを用紙に印刷する。例えば、プリンタ10は、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ5から送信されたプリントデータ、スキャナ11により生成されたスキャンデータ、受信されたFAXデータ及びI−FAXデータ等の画像データを印刷する。このプリンタ10は、特許請求の範囲に記載の処理部及び画像処理部として機能する。
【0025】
スキャナ11は、CCD等によって構成され、原稿を光学的に読み取ってスキャンデータを生成する。このスキャナ11は、特許請求の範囲に記載の処理部及び画像処理部として機能する。
【0026】
FAX制御部12は、MFP1が備えるNCU(Network Control Unit)14及びモデム15を制御して、公衆電話回線(PSTN)91を介したFAXデータの送受信を行う。このFAX制御部12、NCU14、及びモデム15によって、特許請求の範囲に記載の処理部及び画像処理部として機能が発揮される。
【0027】
I−FAX制御部13は、I−FAXデータが添付された電子メールを生成し、生成した電子メールをMFP1が備えるネットワークI/F16によって送信させる。これにより、I−FAXデータの送信が行われる。I−FAXの受信は、I−FAX制御部13が、ネットワークI/F16によって受信された電子メールから添付されたI−FAXデータを取得することにより行われる。このI−FAX制御部13及びネットワークI/F16によって、特許請求の範囲に記載の処理部及び画像処理部の機能が発揮される。
【0028】
上記の各構成要素が画像処理を実行するために、MFP1は、コーディック17及び画像記憶部18を有している。コーディック17は、スキャナ11によって生成された画像データを符号化圧縮し、符号化圧縮されている画像データを復号化する。画像記憶部18は、コーディック17によって符号化圧縮された画像データを記憶する。
【0029】
また、MFP1は、ユーザから各種の操作を受け付けるために、操作部19及び表示部20を備えている。操作部19は、ユーザから操作を受け付ける各種のキーを有している。表示部20は、ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
【0030】
MFP1は、パーソナルコンピュータ5を介してWebアクセスを受け付けるために、Webサーバ21を備えている。Webサーバ21は、パーソナルコンピュータ3から送信される表示タスクを実行することにより、Webページの情報、ハードディスクに記憶されている画像データ等がパーソナルコンピュータ5に提供される。これにより、パーソナルコンピュータ5のディスプレイに、Webページ、画像データ等が表示される。なお、Webサーバ21は、特許請求の範囲に記載の処理部及び画像処理部として機能する。
【0031】
MFP1は、上記の各構成要素を統合的に制御するための制御部22を備える。制御部22は、物理的には、演算を行うCPU、CPUに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを一時的に記憶するRAM等により構成されている。この制御部22は、機能的な構成として、登録部23及び認証部24を備える。
【0032】
認証部24は、登録部23に登録された情報を用いてログイン認証を行う。ログイン認証は、ユーザ認証を行い、認証が成功した場合にログイン状態とする処理である。本実施形態に係るMFP1では、ユーザ認証を行う方法が2つある。
【0033】
ユーザ認証を行う一つ目の方法では、ユーザが、ユーザの識別情報を操作部19を利用して入力し、入力されたユーザの識別情報が登録部23に登録されている場合に、ユーザ認証が成功したと判断される。ユーザ認証を行う二つ目の方法は、USBメモリ3を用いる方法である。USBメモリ3を用いる方法では、登録部23が予めUSBメモリ3の識別情報をユーザの識別情報と関連付けて登録する。そして、認証の際に装着されたUSBメモリ3から該USBメモリの識別情報が取得され、USBメモリ3の識別情報が登録されている場合に、ユーザ認証が成功したと判断される。
【0034】
このUSBメモリ3を用いる方法について具体的に説明すると共に、MFP1が備える操作部19、登録部23、認証部24、及びUSBインターフェース25について説明する。
【0035】
操作部19は、ユーザの識別情報と登録要求とをユーザから受け付ける。登録要求は、USBメモリ3の識別情報をユーザの識別情報と関連付けて登録することを要求するものである。操作部19は、ユーザが上記の一つ目の方法を利用してログイン認証をする際に入力するユーザの識別情報を受け付け、ログインされた後に、ユーザからUSBメモリ3の登録要求を受け付ける。このため、操作部19は、特許請求の範囲に記載の受付部として機能する。
【0036】
USBインターフェース25は、USBメモリ3のコネクタをMFP1に着脱可能に装着するポートと、USBメモリ3との間の通信制御を行う機能を有している。このUSBインターフェース25は、USBメモリ3がMFP1に装着されたことを検出し、USBメモリ3へリクエストを送信することにより、USBメモリ3に記憶された該USBメモリの識別情報を取得する。このため、USBインターフェース25は、特許請求の範囲に記載の取得部として機能する。
【0037】
USBメモリ3の識別情報は、本実施形態では、USBメモリ3の製造時にUSBメモリ3に記憶される情報であり、USBメモリ3の固有の情報である。本実施形態では、USBメモリ3の識別情報として、ベンダID、プロダクトID、及びシリアルナンバーを利用している。
【0038】
登録部23は、登録要求が受け付けられたユーザの識別情報に対して、USBメモリ3から取得されたUSBメモリ3の識別情報を関連付けて登録する。図2は、登録部23に登録されたデータを示す図である。図2に示されるように、登録部23には、ユーザの識別情報として、アカウント名とパスワードが記憶され、このユーザの識別情報と関連付けて、USBメモリの識別情報が登録されている。
【0039】
例えば、ユーザの識別情報であるアカウント名「AAA」及びパスワード「1111」と関連付けて、USBメモリ3の識別情報であるベンダ情報「XXX」、プロダクトID「XXXX」及びシリアルナンバー「XXXXX」が登録されている。なお、ユーザの識別情報であるアカウント名「CCC」及びパスワード「3333」については、USBメモリ3の識別情報が登録されていないが、これは、USBメモリ3を用いずに、ユーザが識別情報を入力してユーザ認証を行う場合に利用される。
【0040】
制御部22は、登録要求が受け付けられ、取得されたUSBメモリ3の識別情報が、既に登録部23に登録されている場合、登録済みである旨のメッセージ、及び、上書登録を実行するか否かを問い合わせるメッセージを表示部20に出力する。これにより、表示部20は、登録要求が受け付けられ、取得されたUSBメモリ3の識別情報が、既に登録部23に登録されている場合、登録済みである旨のメッセージ、及び、上書登録を実行するか否かを問い合わせるメッセージを表示する。
【0041】
表示されたメッセージに応じて、操作部19が、ユーザから上書登録をしない旨の指示を受け付けた場合、登録部23は、USBメモリ3の登録を行わない。操作部19が、ユーザから上書登録をする旨の指示を受け付けた場合、登録部23は、上書登録を実行する。すなわち、登録部23は、該当するUSBメモリ3の識別情報及び関連付けて記憶されているユーザの識別情報を削除し、新たなユーザの識別情報に対してUSBメモリ3の識別情報を関連付けて記憶する。
【0042】
認証部24は、USBインターフェース25からUSBメモリ3の識別情報が出力された際、登録要求が受け付けられていない場合に、ユーザ認証を行う。すなわち、認証部24は、登録要求が受けつけられずに、USBメモリ3がMFP1に装着された場合に、ユーザ認証を行う。
【0043】
認証部24は、ユーザ認証において、USBメモリ3から取得されたUSBメモリ3の識別情報が、登録部23に登録されている場合に、ユーザの認証が成功したと判断する。なお、認証が成功したユーザは、登録されたUSBメモリ3の識別情報と関連付けて記憶されたユーザの識別情報によって識別されるユーザである。また、認証部24は、USBメモリ3の識別情報が、登録部23に登録されていない場合に、ユーザの認証が失敗したと判断する。
【0044】
なお、認証部24は、USBインターフェース25からUSBメモリ3の識別情報が出力された際、登録要求が既に受け付けられている場合は、認証処理を行わない。
【0045】
制御部22は、ユーザ認証が成功してログインしたユーザによる要求に応じて、画像データの処理をプリンタ10、スキャナ11、FAX制御部12、又はI−FAX制御部13に実行させる。画像データの処理には、プリント、スキャン、FAXの送信、I−FAXの送受信に伴う各種情報へのアクセス及び各種情報の表示も含まれる。
【0046】
また、ユーザが、認証に使用されたUSBメモリ3をMFP1から取り外すと、USBインターフェース25が、USBメモリ3が取り外されたことを検出し、制御部22が、ログアウトを行う。これにより、ユーザがUSBメモリ3をMFP1から取り外すと、自動的にログアウトを行うことができる。
【0047】
引き続いて、MFP1の動作について説明する。まず、図3及び図4を参照して、MFP1によるUSBメモリ3の登録処理について説明する。図3及び図4は、MFP1によるUSBメモリ3の登録処理を示すフローチャートであり、図3はその前半部分、図4はその後半部分のフローチャートである。
【0048】
まず、ステップS101では、ユーザが入力したユーザの識別情報が、操作部19によって受け付けられる。ステップS102では、ユーザが行ったログイン操作が、操作部19によって受け付けられる。続いて、ステップS103では、受け付けられたユーザの識別情報が、登録部23に登録されているか否かが認証部24によって判断される。
【0049】
受け付けられたユーザの識別情報が登録部23に登録されていない場合、ユーザ認証に失敗した旨が表示され、処理が終了する。受け付けられたユーザの識別情報が登録部23に登録されている場合、処理がステップS104へ移行する。ステップS104では、ユーザ認証が成功しているので、ログイン状態となる。
【0050】
ステップS105では、ユーザによるUSBメモリ3の登録要求が、受け付けられる。そして、ユーザがUSBメモリ3をMFP1に装着した後、ステップS106では、USBメモリ3の装着が検出される。続く、ステップS107では、USBメモリ3の識別情報が、該USBメモリ3から取得される。
【0051】
ステップS108では、取得されたUSBメモリ3の識別情報が、登録済みか否かが判断される。登録済でない場合は、処理がステップS112へ移行する。登録済みである場合は、処理がステップS109へ移行する。ステップS109では、登録済みのメッセージ及び、上書登録をするか否かを問い合わせるメッセージが表示される。そして、ステップS110では、ステップS109で表示されたメッセージに対して、上書登録の指示が入力されたか否かが判断される。
【0052】
上書登録の指示が入力されていない場合、すなわち、上書登録をしない旨の指示が入力された場合は、登録せずに、本処理を終了する。上書登録の指示が入力された場合、該当するUSBメモリ3の識別情報及び関連付けて記憶されているユーザの識別情報が削除される。そして、ステップS112では、装着されているUSBメモリ3の識別情報と、ログイン中のユーザの識別情報とが関連付けて登録される。
【0053】
次に、図5を参照して、MFP1によるUSBメモリ3を利用した認証処理について説明する。図5は、MFP1によるUSBメモリ3を利用した認証処理を示すフローチャートである。
【0054】
登録要求の受付が無い状態で、USBメモリ3の装着が検出され(ステップS121)、USBメモリ3の識別情報が取得された場合(ステップS122)、ステップS123では、取得したUSBメモリ3の識別情報が、登録部23に登録されているか否かが判断される。登録されていない場合は、処理がステップS124へ移行し、ユーザ認証が失敗した旨が表示され、処理が終了する。登録されている場合は、処理がステップS125へ移行し、ユーザ認証が成功したので、ログイン状態となる。以上の処理により、ユーザがUSBメモリ3を装着すれば、自動的にユーザ認証が行われ、ログインすることができる。
【0055】
以上説明した本実施形態に係るMFP1によれば、ユーザの識別情報及び登録要求がユーザから受け付けられ、また、USBメモリ3から該USBメモリの識別情報が取得され、ユーザの識別情報に対してUSBメモリ3の識別情報が、関連付けて記憶される。そして、ユーザ認証が行われる際には、ユーザが自機にUSBメモリ3を装着すれば、USBメモリ3の識別情報が取得され、取得された識別情報が登録されている場合に、ユーザの認証が成功したと判断される。従って、認証に必要なユーザの情報を記憶媒体に記憶することなく、ユーザが該情報を入力する手間を省いて認証を行うことが可能となる。
【0056】
また、USBメモリ3の識別情報として、USBメモリ3の製造時に記憶された該USBメモリの固有の情報を利用するので、ユーザがUSBメモリ3の識別情報を設定することなく利用することができる。
【0057】
また、MFP1によれば、ユーザが登録要求を行うことなく、USBメモリ3を装着すれば、自動的にユーザ認証を行い、MFP1にログインすることができる。
【0058】
更に、登録要求が受け付けられたが、装着されているUSBメモリ3から取得された識別情報が、既に登録されている場合、登録済みである旨のメッセージ、及び、上書登録を実行するか否かを問い合わせるメッセージが表示される。これにより、ユーザが登録をしようとしているUSBメモリ3が既に登録されていることをユーザに通知し、上書登録を実行するか否かユーザに問い合わせ、ユーザの指示に従って上書登録を行うことができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。上記実施形態では、着脱可能な記憶媒体としてUSBメモリ3を利用したが、これに限られない。また、上記実施形態では、USBメモリ3の識別情報として、ベンダID、プロダクトID、及びシリアルナンバーを利用したが、これら全てを利用していなくてもよく、これら以外の識別情報であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 MFP
3 USBメモリ
10 スキャナ
11 プリンタ
12 FAX制御部
13 I−FAX制御部
14 NCU
15 モデム
16 ネットワークI/F
19 操作部
21 Webサーバ
22 制御部
23 登録部
24 認証部
25 USBインターフェース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの識別情報及び登録要求を受け付ける受付部と、
自機に装着された着脱可能な記憶媒体から該記憶媒体の識別情報を取得する取得部と、
前記受付部によって登録要求が受け付けられた前記ユーザの識別情報に対して、前記取得部によって取得された前記記憶媒体の識別情報を関連付けて登録する登録部と、
前記登録部によって登録された情報に基づいてユーザ認証を行う認証部と、
前記認証部によって認証が成功したユーザによる要求に応じて、データの処理を行う処理部と、
を備え、
前記認証部は、前記記憶媒体が自機に装着され、前記取得部によって取得された前記記憶媒体の識別情報が前記登録部に登録されている場合に、該記憶媒体の識別情報と関連付けて登録されたユーザの識別情報によって識別されるユーザの認証が成功したと判断することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記記憶媒体の識別情報として、該記憶媒体の製造時に記憶された該記録媒体の固有の情報を取得することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項3】
前記受付部によって前記登録要求が受け付けられ、前記取得部によって取得された前記記憶媒体の識別情報が、既に前記登録部に登録されている場合、登録済みである旨のメッセージを表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記受付部によって前記登録要求が受け付けられ、前記取得部によって取得された前記記憶媒体の識別情報が、既に前記登録部に登録されている場合、上書登録を実行するか否かをユーザに問い合せるメッセージを表示する表示部を備えることを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記認証部は、前記受付部によって前記登録要求が受け付けられることなく、前記記憶媒体が自機に装着された場合に、前記ユーザ認証を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
ユーザの識別情報及び登録要求を受け付ける受付部と、
自機に装着された着脱可能な記憶媒体から該記憶媒体の識別情報を取得する取得部と、
前記受付部によって登録要求が受け付けられた前記ユーザの識別情報に対して、前記取得部によって取得された前記記憶媒体の識別情報を関連付けて登録する登録部と、
前記登録部によって登録された情報に基づいてユーザ認証を行う認証部と、
前記認証部によって認証が成功したユーザによる要求に応じて、画像データの処理を行う画像処理部と、
を備え、
前記認証部は、前記記憶媒体が自機に装着され、前記取得部によって取得された前記記憶媒体の識別情報が前記登録部に登録されている場合に、該記憶媒体の識別情報と関連付けて登録されたユーザの識別情報によって識別されるユーザの認証が成功したと判断することを特徴とする画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−164107(P2012−164107A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23675(P2011−23675)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】