説明

トナー供給ローラ

【課題】小型のモールド成形を可能にすると共にスキン面のセル開口安定性、低硬度で良好な柔軟性及び高温高湿環境下での圧縮永久歪に優れたトナー供給ローラを提供する。
【解決手段】弾性層をポリエーテルポリオールA(質量平均分子量2000〜10000のものであり、その末端にエチレンオキシドが付加され、その含量が分子中5モル%以上)、ポリエーテルポリオールB(質量平均分子量2000〜10000のものであり、その内部にエチレンオキシド単位が分子中20〜60モル%)及びポリイソシアネート(少なくともジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体を含有する)を含有した組成物の発泡硬化体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトナー供給ローラに係り、特に複写装置、画像記録装置、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘導体からなる像担持体上に形成した静電潜像を現像して、可視化するのに使用される現像装置に内蔵され、所定のトナー(現像剤)を供給して、静電潜像が形成されている感光体のごとき像担持体の表面において、目的とするトナー像を形成するために用いられるトナー供給ローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から複写装置や画像記録装置、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置においては、電子写真感光体や静電記録誘導体などからなる像担持体上に形成した静電潜像を現像装置により現像して、トナー像として可視化することが行われている。そのような現像装置においては、ホッパー内に収容されたトナーを像担持体側に供給するための、弾性層がスキンレス・ポリウレタンフォーム(スポンジ)であるトナー供給ローラが内蔵されている。トナー供給ローラの弾性層のスキン面のセルを開口させ、像担持体へのトナー供給及び掻き取りを安定化することが可能となる。
【0003】
そして、このポリウレタン製トナー供給ローラは、例えば次のような方法で製造される。まず、ポリオール、ポリイソシアネート、水、整泡剤、触媒を混合攪拌し、トナー供給ローラ用成形型内に注入する。これを型内で発泡させ、ついで成形物を脱型する。
【0004】
また、反応性の観点から成形型内発泡にはエチレンオキシド(EO)を末端に付加させた(末端水酸基の1級化率の高い)ポリエーテルポリオール(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール)を使用してモールド成形していた。末端水酸基の1級化率の高いポリエーテルポリオールを用いることで、水酸基とイソシアネート基の反応(ウレタン化)を促進し、脱型時に十分な強度を持ったポリウレタンを成形することが可能となる。
【0005】
また、超軟質フォームとして、EOを約75モル%含有する3官能ポリオールと、EO含有量の少ない3官能ポリオールを併用することで超軟質フォーム(スラブ)を得られることが知られている。
【0006】
さらに、開口率、開口径及びセルの連通状態を効果的に向上させ、かつ低硬度で良好な柔軟性を有するトナー供給ローラの製造方法として、ポリオール成分として、プロピレンオキシド(PO)成分を70モル%以上含有する高POポリオールと、EOを50モル%以上含有する高EOポリオールとを併用したトナー供給ローラの製造方法が提供されている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の高POポリオールと高EOポリオールとを併用することは、開口率、開口径及びセルの連通状態を向上することは可能であるが、ポリオールの分子量とEO付加状態、ポリイソシアネートの種類等については何ら検討されておらず、良好な成形性、低硬度で良好な柔軟性、良好な圧縮永久歪を得るための検討はなされていない。
【0008】
EOをランダムに付加したポリエーテルポリオールは、末端にEOを付加したものに比べ、水酸基のイソシアネート基に対する反応性に乏しいことが知られている。従って、EOをランダムに付加したポリエーテルポリオールを含むポリエーテルポリオールを使用した場合には、水酸基とイソシアネート基の反応(すなわち、ウレタン化反応)が阻害される。そのため、反応性の遅い高分子量ポリオール(質量平均分子量が5000以上)や、トリレンジイソシアネート(TDI)を多く含有する場合には成形不良となる場合があり、低硬度で良好な柔軟性を有するローラを確実に得ることは難しく、仮に成形が上手く行った場合でも圧縮永久歪が悪化してしまう場合があった。
【0009】
また、特許文献1記載の高POポリオールには、POを95〜100モル%含有するポリオールも含まれるが、そのようなEO含有率の低いポリオールは、水酸基の反応性に乏しく水酸基とイソシアネート基の反応が極端に低下するため、モールド成形には適さないことが知られている。
【0010】
ここで用いられる発泡剤としての水は、スキン面のセルを開口させるのに必要不可欠である。水の発泡圧による型内圧上昇でセルが破膜(破泡)し、セルが開口するからである。つまり、スキン面のセル開口を安定化させるためには、発泡剤として水を使用する。ポリウレタンフォーム製造に使用される水は、イソシアネート基と反応して炭酸ガスを発生させ、同時にウレア結合を形成することにより、発生した炭酸ガスが発泡ガスとなるので、発泡剤として機能する。
【0011】
しかしながら、発泡剤として水を増加させて使用すると、ポリウレタンフォームの密度低下(低硬度化)やスキン面のセル開口安定性には有効であるが、形成された芳香族ポリウレアはポリウレタンフォームの圧縮永久歪、特に温度40℃、湿度95%のような高温高湿環境での圧縮永久歪が悪化する場合がある。
【0012】
この芳香族ポリウレア形成を減少させるため、水の代替として物理発泡剤の使用が挙げられる。例えば、クロロフルオロカーボン類、ヒドロキシクロロフルオロカーボン類、炭化水素類、炭酸ガス、液化炭酸ガスなどである。これら物理発泡剤は、スラブフォームや、自動車シートなどの大型モールドフォームを製造する際に、単独、もしくは水と併用して使用される。地球環境への負荷や、前記モールドフォームの成形性などから、炭酸ガスや液化炭酸ガスが使用されている。
【0013】
しかしながら、炭酸ガス、液化炭酸ガスを始めとする物理発泡剤は、材料中に均一に混合(分散)することが非常に難しく、ピンホールやボイドなどの成形不良を起こしやすい。また、炭酸ガスや液化炭酸ガスを単独で、あるいは水と併用して使用する場合、成形時の発泡圧制御が難しいため、スキン面のセル開口安定性に劣り、トナー供給ローラ製造には不向きな場合があった。つまり、この場合スキン面のセル開口安定性と高温高湿下での圧縮永久歪を両立することは非常に困難であった。
【特許文献1】特開2002−304052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、このような事情に鑑みなされたもので、小型のモールド成形を可能にすると共にスキン面のセル開口安定性、低硬度で良好な柔軟性、及び高温高湿環境下での圧縮永久歪に優れたトナー供給ローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリオールを使用することにより、スキン面のセル開口安定性、低硬度で良好な柔軟性及び高温高湿下での圧縮永久歪に優れたトナー供給ローラを製造できることを見出し、本発明に至った。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)である。
【0017】
(1)弾性層がポリエーテルポリオールA、ポリエーテルポリオールB及びポリイソシアネートを含有した組成物の発泡硬化体であるトナー供給ローラであって、ポリエーテルポリオールAが質量平均分子量2000〜10000のものであり、その末端にエチレンオキシドが付加され、その含量が分子中5モル%以上であり、ポリエーテルポリオールBが質量平均分子量2000〜10000のものであり、その内部にエチレンオキシド単位が分子中20〜60モル%であり、かつ、全ポリオール100質量部に対するポリエーテルポリオールB含有量が0.5〜50質量部であり、ポリイソシアネートが、少なくともジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体を含有することを特徴とするトナー供給ローラ。
【0018】
(2)ポリエーテルポリオールAが有する1級水酸基が分子中の全水酸基の50モル%以上である上記トナー供給ローラ。
【0019】
(3)ポリエーテルポリオールA及びポリエーテルポリオールBの平均官能基数が2〜4である上記トナー供給ローラ。
【0020】
(4)ジフェニルメタンジイソシアネート及びその誘導体がポリイソシアネート100質量部中の3〜80質量部である上記トナー供給ローラ。
【0021】
(5)ポリイソシアネートがトリレンジイソシアネート及びその誘導体を含有する上記トナー供給ローラ。
【0022】
(6)前記組成物のNCOインデックスが60〜120である上記トナー供給ローラ。
【発明の効果】
【0023】
本発明によって、スキン面のセル開口安定性、低硬度で良好な柔軟性及び高温高湿下での圧縮永久歪に優れるトナー供給ローラが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のトナー供給ローラは、ポリオール成分として、少なくとも末端にEOが付加されたポリエーテルポリオールAと内部にEO単位を有するポリエーテルポリオールBを含み、ポリイソシアネート成分として、少なくともジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体を含有する組成物を、芯金の周りに発泡硬化させてポリウレタンフォームからなる弾性層を形成したものである。
【0025】
このような組成物を用い、弾性層が形成されるので、小型のモールド成形が可能になる共に、該ポリウレタンフォームからなる弾性層は優れたセル開口安定性を有し、低硬度で良好な柔軟性を示し、高温高湿下での圧縮永久歪が改善される。
【0026】
なお、トナー供給ローラとしてセル開口径は10〜1000μmが適当であり、セル開口率は20〜90%があることが好ましい。ここで、セル開口率とは全表面積に対する開口した部分(セル)の割合を意味する。
【0027】
図1は本発明のトナー供給ローラの一例を示す斜視図である。
【0028】
図1において、1はトナー供給ローラであり、該トナー供給ローラ1は、円柱状の芯金2と、該芯金2の周りにポリウレタンフォームからなる弾性層3を備えている。
【0029】
芯金2の材料は、従来公知のローラに使用されるものと同様でよく、例えば、鉄等で作製することができる。本発明においては、芯金2の外径としては2〜10mmが適当である。
【0030】
また、ポリウレタンフォームからなる弾性層3は、図2の拡大模式断面図に示すように、その表面に内部に連通した複数のセル開口部31を有している。ポリウレタンフォームからなる弾性層3の厚さは1〜20mm、好ましくは2〜10mmが適当である。厚さがこれらの範囲にあることによってトナー供給ローラは良好なトナー搬送性を有することができる。
【0031】
次に、トナー供給ローラを製造する際に用いるポリウレタンフォーム材料の各成分について説明する。
【0032】
ポリオール成分は、少なくとも、イソシアネートと反応性の高い1級水酸基を多く含む、フォームの構造を保持するのに有用なポリエーテルポリオールAと、イソシアナートとの反応性は少ないがフォームの弾性を保持するのに有効で、比較的1級水酸基が少ない、フォームのセルを破るように働くポリエーテルポリオールBからなる。
【0033】
ポリエーテルポリオールAは、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、また、シュークローズ、グルコース等のシュガー系アルコール、ビスフェノールA、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等のような活性水素を2個以上有する化合物の1種又はそれ以上を開始剤として、EO、PO、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、グリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する化合物を1種又は2種以上公知の方法により付加することによって製造されたものであり、少なくともEOを末端に5モル%以上付加していることが必須である。末端に付加したEOの量が5モル%未満であると、1級水酸基量が不足し、ウレタン化反応が遅れ、脱型時に十分な強度をもったポリウレタン成形品を得ることが困難である。さらに、EOは末端へ10モル%以上付加していることが好ましい。EOを末端に付加することで、末端水酸基中の1級水酸基の割合が高まり、ポリオールとポリイソシアネートの反応(ウレタン化)を促進し、脱型時に十分な強度をもったポリウレタンを成形することが可能となる。
【0034】
ポリエーテルポリオールAの末端水酸基のうち1級水酸基の割合が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。ポリエーテルポリオールAは単独で用いても複数種を併用しても良い。
【0035】
ポリエーテルポリオールAの質量平均分子量は、2000〜10000、好ましくは2500〜8000であることが望ましい。質量平均分子量が2000以上であるとソフトセグメントが低下せずトナー供給ローラが低硬度化し、10000以下であると反応性低下による成形不良が起こらないばかりでなく、高温高湿下での圧縮永久歪が向上する。前記分子量範囲以外での、ポリエーテルポリオールAと、内部にEOを20〜60モル%付加させたポリエーテルポリオールBとの併用は非常に困難である。
【0036】
また、ポリエーテルポリオールAの平均官能基数は2〜4であることが好ましい。平均官能基数がこれらの範囲内にあることによって、トナー供給ローラとしての使用に好適な硬度を有し、高温高湿環境下での圧縮永久歪が向上したポリウレタンフォームを得ることができる。
【0037】
本発明に使用する内部にEOを20〜60モル%付加させたポリエーテルポリオールBとしては、例えば、前記EOを末端に5モル%以上付加させたポリエーテルポリオールAを得るために用いた、活性水素基を2個以上有する化合物の単独又は任意の混合物を開始剤として、エポキシ基を有する化合物成分として少なくともEOを用い、他のエポキシ基を有する化合物と共に反応させ、EOを内部に20〜60モル%付加させたものである。このようにEOを内部に20〜60モル%付加するためには、まず所定量のEOを付加重合させた後、他のエポキシ基を有する化合物をグラフト重合したり、所定の割合でEOと他のエポキシ基を有する化合物とを混合して付加重合したりすればよい。内部に付加させたEOの量は、30〜50モル%であることがより好ましい。EOの付加量がこれらの範囲内にあることによって、よりセル開口安定性に優れたローラを得ることができる。
【0038】
ポリエーテルポリオールBは、EOが多数分子内部に付加しているため、水との相溶(分散)性に優れる。また、このポリエーテルポリオールBはセル破泡の効果があるため、トナー供給ローラ内部のセルを連通気泡化するばかりでなく、スキン面のセルを開口させることも可能となる。また、前記ポリエーテルポリオールBは内部にEO単位を多く含み、末端にはEOが殆んど付加していないため、ポリオールとポリイソシアネートの反応に劣る。そのため、材料中に少量混合するだけでセル開口性を大幅に向上することが可能となる。
【0039】
つまり、スキン面のセルを開口させるために、発泡剤としての水の含量を増加させて成形型内の発泡圧を高める必要がないため、水と原料ポリイソシアネートとの反応で形成される芳香族ポリウレア結合を低減することが可能となる。更に、ポリウレタン原料組成物の混合が容易となり、本発明のトナー供給ローラのような小型成形品を製造するためのモールド成形が可能となる。
【0040】
これらのポリエーテルポリオールBは単独で用いても複数種を併用しても良い。その質量平均分子量は2000〜10000である必要があり、2500〜8000であることがより好ましい。すなわち、質量平均分子量がこれらの範囲内にあることによって、製造されたローラをトナー供給ローラとしての使用に好適な硬度となる。
【0041】
また、ポリエーテルポリオールBの平均官能基数は2〜4であることが好ましい。平均官能基数がこれらの範囲内にあることによって、低硬度かつ優れた圧縮永久性に優れる弾性層を得ることができる。
【0042】
本発明で使用される原料中のポリエーテルポリオールBの含量は、全ポリオール100質量部に対して0.5〜50質量部である必要があり、1〜30質量部であることがより好ましい。ポリエーテルポリオールBのポリオール中の含量がこれらの範囲内にあることによって、よりセル開口安定性に優れたローラとすることができる。
【0043】
本発明では、ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアナート及びこれらの誘導体を使用できるが、MDI又はその誘導体を少なくとも1種以上含有するものである。
【0044】
MDI又はその誘導体を少なくとも1種以上含有するポリイソシアネートは、ポリオールとのウレタン化反応に優れるため、モールド成形において良好な成形性を示す。特に、本発明のようなウレタン化反応に劣る内部にEOを20〜60モル%付加させたポリエーテルポリオールBを併用する場合には、MDI及びその誘導体を使用することが望ましいものがある。
【0045】
MDI及びその誘導体の含有量は、ポリイソシアネート100質量部に対して15〜80質量部とするのが好ましい。
【0046】
ここで、イソシナートの誘導体とは、多核体、ポリオールなどで変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物などを挙げることができる。これらのポリイソシアネートの中で、MDIとTDI及びその誘導体をポリイソシアネートの主成分として得られたトナー供給ローラは低硬度化、湿熱耐久性が向上するので好適である。
【0047】
本発明においては、MDI及びその誘導体が配合されている限り、MDIやTDIなどの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体を単独で用いても良く、2種以上を組み合せて用いても良い。また、所望により、本発明の目的が損なわれない範囲で、前記MDIやTDIなどの芳香族ポリイソシアネート及びその誘導体とともにヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート及びその誘導体を併用することができる。
【0048】
ポリイソシアネートの平均官能基数は2以上であることが好ましい。ポリイソシアネートの平均官能基数がこれらの範囲内にあることによって、低硬度で優れた圧縮永久歪性を有する弾性層を得ることができる。
【0049】
ローラ成形用の組成物中のこれらポリイソシアネートの配合量としては特に制限は無いが、NCOインデックスが60〜120になるようにすることが好ましい。すなわち、NCOインデックスが60以上であると、ポリウレタン骨格が十分に形成され、脱型時に破断など生じないばかりでなく、トナー供給ローラの硬度が低下せず十分なトナー供給効果が得られる。また、120以下であると、トナー供給ローラが低硬度化し十分なトナー供給効果が得られる。なお、NCOインデックスとは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数を、ポリオール、架橋剤、水等の水酸基やアミノ基等のイソシアネート基と反応する活性水素の総数で除した値であり、イソシアネート基と反応する活性水素数とポリイソシアネート中のイソシアネート基が化学量論的に等しい場合にはNCOインデックスは100となる。
【0050】
必要に応じて、前記ポリエーテルポリオールA、ポリエーテルポリオールB及びポリイソシアネートとともに発泡剤として用いられる水の使用量は、使用するポリオール100質量部に対して0.5〜5.0質量部であることが好ましく、1.0〜3.0質量部がより好ましい。この「ポリオール100質量部」とするときのポリオールとは、ポリウレタンスポンジ層形成のために原料として使用した全てのポリオールを表す。例えば、本発明のポリウレタン発泡成形用の原料としてプレポリマーを使用した場合、該プレポリマー製造のために使用したポリオールも上記ポリオールとして算入する。
【0051】
また、水以外の発泡剤、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、二酸化炭素などを単独で又は2種以上を混合して使用しても何ら差し支えない。
【0052】
また、ポリウレタンフォーム形成時にセルの形状を整えるために整泡剤を加えることも好ましく、そのような整泡剤として、ポリジメチルシロキサンとEO/PO共重合物からの水溶性ポリエーテルシロキサン、スルホン化リシノール酸のナトリウム塩やこれらとポリシロキサン・ポリオキシアルキレンコポリマーとの混合物などが挙げられる。中でもポリエーテルポリオールをポリオールとするポリウレタンフォーム製造用に用いる整泡剤としては、水溶性ポリエーテルシロキサンが好ましい。整泡剤は単独で、又、複数種を使用することができる。
【0053】
本発明のポリウレタンフォームのようなホットモールドフォームは、スラブフォームに比べてゲル化が速いこと、型にオーバーパックされることからフォームの通気性が低くなる傾向にある。このため、スラブフォーム用の整泡剤と基本的には類似しているが、やや整泡力が弱くフォームの通気性を高くする整泡剤が好ましい。また、高弾性フォームは系の粘度が高いことや反応性が高いことから、通常の軟質フォーム用整泡剤を使用すると泡の安定化が過剰となり、連通化度が低下してフォームの収縮を生じる場合がある。このため、整泡剤としては分子量の小さいコポリマーが用いることが好ましい。また、ポリエーテル鎖の代わりに有機官能基を付加した整泡剤を使用することが好ましい。
【0054】
本発明では、ウレタン化触媒としては公知のもので特に限定はなく、例えば、アミン系触媒として、1,2−ジメチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン、ジエチレントリアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ビス〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕エーテル、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンジアミンの塩類、第一又は第二アミンへのオキシアルキレン付加物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、N,N−ジアルキルピペラジン類のようなアザシクロ化合物、種々のN,N′,N″−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン類等があり、有機金属系触媒として、酢酸錫、オクチル酸錫、オクテタン酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等があり、これら触媒の初期活性を低下させた有機酸塩触媒(カルボン酸塩やホウ酸塩等)等が使用できる。これらの触媒は、単独で、又混合して使用される。その使用量、組合せは、原料ポリイソシアネート及びポリオール成分の組合せ及びウレタン化速度等を勘案して決められる。
【0055】
その他、ポリオールの一部としてポリマーポリオール(商品名:三井武田ケミカル)を使用することもでき、また、架橋剤、難燃剤、着色剤、老化防止剤、酸化防止剤などを必要に応じて使用することができる。
【0056】
ポリマーポリオールとは、ポリエーテルポリオール中で該ポリエーテルポリオールの少なくとも一部をエチレン性不飽和単量体と重合させることにより変性したものである。前記ポリマーポリオールを一部併用することによりフォームの湿熱耐久性を低下させることなく、通気性向上、硬度向上などを図ることができる。エチレン性不飽和単量体は、特に限定されないが、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデンなどであり、これら単量体が重合したポリマーが通常直径0.1〜10μmの微粒子状でポリオール中に分散されている。
【0057】
架橋剤としては、例えば、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール(1,4BD)などのジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン(TMP)などのトリオール類、ペンタエリスルトールなどのテトラオール類、エチレンジアミン(EDA)などのジアミン類、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)などのアミノアルコール類などが挙げられる。これらを、単独で、又混合して使用することができる。
【0058】
トナー供給ローラは後記するようにして製造されるが、芯金の周りにポリウレタンフォームからなる弾性層が形成されたものであり、その弾性層としては芯金の長手方向に使用する画像形成装置で必要とされる長さ、通常100〜350mmであり、そして厚みは上記のように、通常1〜20mm、好ましくは2〜10mmとされている。そして、この弾性層の硬度が40〜400gであることが特に優れたトナー供給効果を発揮する。
【0059】
なお、ここでいう硬度の測定法を、図3にて説明する。なお、図3において、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0060】
トナー供給ローラ1を、芯金2の両端の部分において支持台4上に支持し、そのポリウレタンフォーム層3を縦50mm、横10mm、厚さ10mmの板状体の中央に押し棒部分を有する治具5にて、縦方向を芯金長手方向に合わせ、10mm/minの速度で押圧したとき、1mm変位(圧縮)した時に治具に付加した荷重(g)を長手方向に3ケ所、周方向に4ヶ所(計12ヶ所)を測定し、その平均値を弾性層の硬度とする。この数値が大きくなるほど、ポリウレタンフォーム層が硬いことを示している。なお、1mmの変位を取ることができない試料については0.5mmの値を採用する。
【0061】
この弾性層硬度を達成するために、上記したとおり、ポリイソシアネート及びポリオールの使用量を調整し、NCOインデックスを60〜120にすることが好ましい。すなわち、NCOインデックスが60以上であると、ポリウレタン骨格が十分に形成され脱型時に破断など生じない。また、トナー供給ローラが適度な硬度を有し、十分なトナー供給効果が得られる。また、120以下であるとトナー供給ローラが低硬度化し、十分なトナー供給効果が得られる。
【0062】
これらの材料及びトナー供給ローラ用成形型を用い、例えば次のようにしてトナー供給ローラを製造する。
【0063】
まず、所定のトナー供給ローラ用成形型内に、棒状芯金を配置する。一方、ポリエーテルポリオールA、ポリエーテルポリオールB、ポリイソシアネート、水、整泡剤、触媒などを混合してポリウレタン成形用組成物を調製する。この際、ポリオール成分(ポリオール類、水、整泡剤、触媒など)は予めプレミックスポリオールとしても差し支えない。そして、前記組成物を温度25〜80℃、好ましくは40〜60℃のトナー供給ローラ成形型内に注入発泡反応させる。成形型の温度がこれらの範囲内にあることによって発泡特性及びセル開口安定性に優れたポリウレタンフォームの弾性層を有するローラとすることができる。また、場合によっては温度50〜250℃の加熱炉などで反応を促進させても差し支えない。そして、成形物を成形型から取り出すことにより、トナー供給ローラを得ることができる。
【0064】
前記各材料の中で、内部にEOを20〜60モル%付加させたポリエーテルポリオールBはセル破泡効果があるため、トナー供給ローラのスキン面のセル開口安定性が優れる。つまり、スキン面のセルを開口させるために発泡剤としての水を増加させて成形型内の発泡圧を高める必要がないため、弾性層の硬度を悪化させる芳香族ポリウレアの形成を低減することが可能となる。従って、前記ポリエーテルポリオールBをポリオール成分中に所定量混合することによりスキン面のセル開口安定性、及び高温高湿環境下での圧縮永久歪に優れるトナー供給ローラを製造することが可能となる。トナー供給ローラのポリウレタンフォーム層の密度は、0.05〜0.20g/cm3とすることが好ましい。
【0065】
本発明のトナー供給ローラを組み込んでなる画像形成装置の一例の模式説明図を図4に示す。
【0066】
画像形成装置には、感光ドラム29があり、その周りに、該感光ドラム29の表面を一様に帯電する一次帯電器25及び該感光ドラム29の表面上に画像情報を露光により形成するための露光装置26があり、該感光ドラム29の表面に露光により形成された潜像をトナー像として可視化するために感光ドラム29表面へトナーを供給する現像装置12が感光ドラム29に当接して設けられている。さらに、感光ドラム29上に形成されたトナー像を被記録媒体11に転写するための転写ローラ16があり、転写された後に感光ドラム29上に残るトナーを掻き取り感光ドラム29表面をクリーンにするクリーニング装置13が設けられている。なお、トナー像が転写された被記録媒体11は、定着器(不図示)でトナー像が被記録媒体11に永久像として定着される。
【0067】
一方、現像装置12は、トナー室24と現像室14とを備えている。現像室14には、感光ドラム29と対面する開口部に導電性の現像ローラ20が回転可能に設置され、感光ドラム29とは反対側に、本発明のトナー供給ローラ22が回転可能に設置されている。このトナー供給ローラ22は、A方向に回転する現像ローラ20に対して、相対速度を有するようにB方向に回転して、現像ローラ20上に残留した現像残りのトナーをはぎ取るとともに、トナー搬送部材23により現像室14に供給された新たなトナーを現像ローラ20に供給して塗布され、現像ローラ20上のトナーは、現像ローラ20の回転により感光ドラム29と対向する現像領域へと向けて搬送され、その搬送途上で、現像ローラ20の表面に弾性当接した規制ブレード21により所定の層厚に規制されている。現像領域に搬送されたトナーは、バイアス電源9により現像ローラ20に印加された現像バイアスにより、感光ドラム29表面の潜像をトナー像として現像する。
【実施例】
【0068】
次に、実施例により本発明を説明する。
【0069】
本実施例において、下記原料を使用した。
【0070】
1)ポリエーテルポリオール
・EP550N:商品名、EOを20モル%末端に付加したポリエーテルポリオール(質量平均分子量3100、官能基数3、OH価=54mgKOH/g)、三井武田ケミカル(株)製。
・EP553:商品名、EOを7モル%末端に付加したポリエーテルポリオール(質量平均分子量3000、官能基数3、OH価=56mgKOH/g)、三井武田ケミカル(株)製。
・EP901:商品名、EOを15モル%末端に付加したポリエーテルポリオール(質量平均分子量7000、官能基数3、OH価=24mgKOH/g)、三井武田ケミカル(株)製。
・MF−19:商品名、EOを20モル%末端に付加したポリエーテルポリオール(質量平均分子量1000、官能基数2、OH価=108mgKOH/g)、三井武田ケミカル(株)製。
・EP280:商品名、分子内部にEOを30〜50モル%結合したポリエーテルポリオール(質量平均分子量6000、官能基数3、OH価=28mgKOH/g)、三井武田ケミカル(株)製。
・GP3000:商品名、EO無付加のポリエーテルポリオール(質量平均分子量3000、官能基数3、OH価=56mgKOH/g)、三洋化成工業(株)製。
【0071】
2)ポリイソシアネート
・TM20:商品名;コスモネートTM20、ポリイソシアネート混和物(NCO%=45、MDI=20%含有)、三井武田ケミカル(株)製。
・TM50:商品名;コスモネートTM50、ポリイソシアネート混和物(NCO%=40、MDI=50%含有)、三井武田ケミカル(株)製。
・1028:商品名;コロネート1028、ポリイソシアネート混和物(NCO%=36、MDI=70%含有)、日本ポリウレタン工業(株)製。
・T80:商品名;コスモネートT80、トリレンジイソシアネート(NCO%=48、MDI非含有)、三井武田ケミカル(株)製。
【0072】
3)触媒
・TOYOCAT−ET:商品名、第3級アミン触媒、東ソー(株)製。
・TOYOCAT−L33:商品名、第3級アミン触媒、東ソー(株)製。
【0073】
4)整泡剤
・SRX274C:商品名、シリコーン系整泡剤、東レダウコーニングシリコーン(株)製。
【0074】
実施例1〜6、比較例1〜8
表1に示す組成で、ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート及び水を使用し、整泡剤SRX274C(商品名)1質量部、及び触媒としてTOYOCAT−ET(商品名)0.1質量部とTOYOCAT−L33(商品名)0.5質量部を25℃で混合攪拌し、次いでトナー供給ローラ用成形型(材質SUS304製)にて50℃で20分、発泡成形することにより、芯金(径6mm、材質SUS304製)の周りに、厚さ5mmのポリウレタンフォーム層を一体的に形成せしめてなるトナー供給ローラを製造した。なお、芯金を除いた成形品の重量は3.5gである。
【0075】
製造時の脱型性及びポリウレタンフォーム層の硬度、得られたトナー供給ローラのスキン面のセル開口安定性及び高温高湿環境下での圧縮永久歪を評価した。その結果を表2に示す。
【0076】
・ポリウレタンフォーム層の硬度の評価方法:
図3に示す方法、すなわち、トナー供給ローラ1を、芯金2の両端の部分において支持台4上に支持し、そのポリウレタンフォーム層3を縦50mm、横10mm、厚さ10mmの板状体の中央に押し棒部分を有する治具5にて、縦方向を芯金長手方向に合わせ、10mm/minの速度で押圧したとき、1mm変位(圧縮)した時に治具に付加した荷重(g)を長手方向に3ケ所、周方向に4ヶ所(計12ヶ所)を測定し、その平均値を求める。なお、以下の測定では、荷重3gを検知した時を0mmとし、それから1mmの変位となったときの荷重を硬度とした。
【0077】
・脱型性の評価方法:
金型から脱型した時の硬度を、上記により測定し、成形品硬度(最終硬度)の割合で示した数値。数値が高いほど成形安定性(脱型性)に優れる。○:成形品硬度の70%以上、△:成形品硬度の35〜70%、×:成形品硬度の35%以下(脱型不可能なものも含む)。
【0078】
・スキン面のセル開口性の評価方法:
ローラ表面の拡大画像を画像解析により測定した。○:セル開口率が50%以上、△:セル開口率が20〜50%、×:セル開口率が20%未満。
【0079】
・高温高湿環境下での圧縮永久歪の評価方法:
図5に示すように、トナー供給ロール1のポリウレタンフォーム層3に径16mmの金属製スリーブ6を当接させ、トナー供給ロール1の芯金2の露出部と金属性スリーブ6を両端において、ポリウレタンフォーム層3に、1.5mm変位(圧縮)させた状態で、固定具7、7にて保持し、50℃、95%RHの下に72時間放置した後、取り出して固定具を取り外し、その30分後にポリウレタンフォーム層の変位の復元度合い(圧縮残留歪率(Cs):%)を測定した。図5(b)の右が金属スリーブ6を当接させた状態の側面図を示し、左が開放後のトナー供給ローラ1の歪の状況を示す側面図であり、歪残存部が8である。なお、評価はCsが15%以下を「○」、15%を超えるものを「×」とした。
CS={(t0−t1)/1.5}×100
0及びt1は、それぞれ、初めの成形品の半径(mm)及び試験後の成形品の半径(mm)である。
【0080】
・総合評価:
脱型性、スキン面のセル開口性及び湿熱永久歪の評価結果から、総合評価を行なった。
○:脱型性、セル開口性、及び湿熱永久歪に優れるもの、×:いずれかに不具合のあるもの、とした。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
表1、2に見られるように、本発明のトナー供給ローラ(実施例1〜6)では、スキン面のセル開口安定性、低硬度で良好な柔軟性、及び高温高湿環境下での圧縮永久歪に優れている。これに対し本発明から外れる比較例1〜8のものでは、スキン面のセル開口性が不安定であり、湿熱永久歪も悪化することがある。また、EO 無付加のポリエーテルポリオールを使用した場合(比較例7、8)は反応が極めて遅かった。
【0084】
なお、比較例では示していないがEOを付加していても高分子量であるポリエーテルポリオールを使用した場合、MDI非含有ポリイソシアネートを使用した場合、いずれもトナー供給ローラを成形することは困難であった。これは脱型時に十分な強度が得られないためと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のトナー供給ローラの一例の斜視図である。
【図2】本発明のポリウレタンフォーム層の拡大模式断面図である。
【図3】ポリウレタンフォーム層の硬度を測定する方法を説明する(a)平面図及び(b)側面図である。
【図4】本発明のトナー供給ローラを備えた画像形成装置の模式説明図である。
【図5】ポリウレタンフォーム層の湿熱永久歪を測定する方法を示す説明する(a)正面図及び(b)側面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 トナー供給ローラ
2 芯金
3 ポリウレタンフォーム層(弾性層)
4 支持台
5 ポリウレタンフォーム層の硬度測定用の治具
6 金属ローラ(径16mm)
7 圧縮永久歪測定用の固定具
8 歪残存部
9 バイアス電源
11 被記録媒体
12 現像装置
13 クリーニング装置
14 現像室
16 転写ローラ
20 現像ローラ
21 規制ブレード
22 トナー供給ローラ
23 トナー搬送部材
24 トナー室
25 一次帯電器
26 露光装置
29 感光ドラム
31 セル開口部
A 現像ローラの回転方向
B トナー供給ローラの回転方向
C 感光ドラムの回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性層がポリエーテルポリオールA、ポリエーテルポリオールB及びポリイソシアネートを含有した組成物の発泡硬化体であるトナー供給ローラであって、
ポリエーテルポリオールAが質量平均分子量2000〜10000のものであり、その末端にエチレンオキシドが付加され、その含量が分子中5モル%以上であり、
ポリエーテルポリオールBが質量平均分子量2000〜10000のものであり、その内部にエチレンオキシド単位が分子中20〜60モル%であり、
かつ、全ポリオール100質量部に対するポリエーテルポリオールB含有量が0.5〜50質量部であり、
ポリイソシアネートが、少なくともジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体を含有することを特徴とするトナー供給ローラ。
【請求項2】
ポリエーテルポリオールAが有する1級水酸基が分子中の全水酸基の50モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー供給ローラ。
【請求項3】
ポリエーテルポリオールA及びポリエーテルポリオールBの平均官能基数が2〜4であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー供給ローラ。
【請求項4】
ジフェニルメタンジイソシアネート及びその誘導体がポリイソシアネート100質量部中の3〜80質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー供給ローラ。
【請求項5】
ポリイソシアネートがトリレンジイソシアネート及びその誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー供給ローラ。
【請求項6】
前記組成物のNCOインデックスが60〜120であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー供給ローラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−64937(P2006−64937A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246584(P2004−246584)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】