説明

トナー補給装置

【課題】シャッタ付きトナー補給装置であって、トナー補給開口を閉じておく上で信頼性が高く、組み立て時、封止シートの位置決めを容易とするトナー補給装置を提供する。
【解決手段】シャッタ付きトナー補給装置において、現像装置に装着されてシャッタS1がトナーボトルのトナー補給開口開き位置に配置される状態で、トナー補給開口502とシャッタS1のトナー通過孔sh1との連通をシャッタS1とトナーボトルとの間に挟み込んだトナー封止シート60で簡易に安価に、安定的に阻止してトナー補給できないようにしておくことができる一方、トナー封止シート60を引き抜いてトナー補給開口502とシャッタS1のトナー通過孔sh1とを簡単に連通させることができることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式などによって静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、これを現像装置で現像してトナー像を形成できる複写機、プリンタ、ファクシミリ機、或いはこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関し、特に現像装置へのトナー補給装置に関係している。
【背景技術】
【0002】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、これを現像してトナー像を形成できる複写機、プリンタ、ファクシミリ機、或いはこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置では、静電潜像を現像する現像装置においてトナーが消費されるなどして減ってくると、現像装置へトナーを補給できるようにしてあるのが一般的である。
【0003】
現像装置へのトナーの補給は現像装置の構造等に応じて様々に行われるが、その中に、現像装置に設けられた、上方へ向け開いた補給トナー受入れ開口から現像装置内へトナー補給を行えるようになっているものがある。
【0004】
このようなトナー補給装置として、現像装置に取り外し可能に装着でき、現像装置に装着された状態で現像装置のトナー受入れ開口から現像装置内へトナー補給を行う下向きのトナー補給開口を有するトナーボトルを含むものが知られている。
【0005】
また、該トナーボトルのトナー補給開口に対してシャッタを設け、該シャッタでトナー補給開口を開閉できるようにし、トナー補給装置の保管時、運搬時等やトナー補給装置の現像装置への着脱時には、該シャッタでトナーボトルのトナー補給開口を閉じておけるようにしたものも知られている。
【0006】
トナー補給装置を装着する現像装置側にも、そのトナー受入れ開口を開閉するシャッタが設けられている場合がある。そのような現像装置側シャッタは、ユーザー或いはサービスマンが該シャッタを直接手動で開閉できる場合もあるが、該シャッタがトナー受入れ開口を閉じている状態で、前記トナー補給装置を該現像装置に装着すると、トナー補給装置側のシャッタに現像装置側のシャッタが係合し、該トナー補給装置側のシャッタを開くと、それに連動して現像装置側のシャッタも開くことができる場合もある。
【0007】
いずれにしても、ユーザーへ出荷するばかりの画像形成装置には、その現像装置に予めトナー補給装置を装着しておき、その画像形成装置がユーザー側へ搬入設置されると、直ちに使用できるように、ユーザーへ出荷する状態では、トナー補給装置側シャッタを開くとともに現像装置側のトナー受入れ開口も開いておく場合がある。
【0008】
例えば、上述のように、トナー補給装置側のシャッタを開くと、それに連動して現像装置側のシャッタも開く構造の画像形成装置では、トナー補給装置側のシャッタを開いておかないと、トナー補給装置装着のために開いた画像形成装置カバーを閉じられないようにした画像形成装置もある。
【0009】
いずれにしても、現像装置にトナー補給装置を装着しておき、トナー補給装置側シャッタをトナー補給開口開き位置に配置するとともに現像装置のトナー受入れ開口も開いた状態にしておいて画像形成装置を出荷する場合、振動等によりトナー補給装置内のトナーが徒に現像装置内へ落下し、トナー零れが発生するなどの問題が生じる。
【0010】
一方、例えば特開2008−40430号公報には、上方へ向け開いた補給トナー受入れ開口を有する現像装置の該トナー受入れ開口へトナー補給を行うトナー補給装置であって、現像装置に装着された状態でトナー受入れ開口から現像装置内へトナー補給を行うための下向きトナー補給開口を有するトナーボトルを含むトナー補給装置が記載されている。
【0011】
この従来トナー補給装置では、未だ使用しない間は、トナー補給開口が該開口に重ねられた中空枠状部材との間に挟み込んだトナー封止シートで閉じられ、使用にあたっては現像装置に装着した該中空枠状部材付きトナー補給装置から該シートが引き抜かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−40430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、前記のシャッタ付きトナー補給装置においても、たとえ該トナー補給装置が現像装置に装着され、トナー補給装置側のシャッタがトナー補給開口開き位置に配置されるとともに現像装置の補給トナー受入れ開口も開かれた状態であっても、画像形成装置がユーザーへ搬入され所定使用場所に設置されるまでは、該トナー補給装置のトナー補給開口を、該トナー補給開口とその開閉シャッタとの間に挟み込んだ、引き抜き可能のトナー封止シートで簡易に、安価に閉じておくことが考えられる。
【0014】
しかしながら、そのようなトナー封止シートは長方形状の全体に同幅のものであり、僅かな力でも引き抜かれてしまったり、位置ずれしてトナー補給開口が部分的に又は全体的に開いてしまったりする可能性があり、トナー補給開口を閉じておくうえでの信頼性に欠けるきらいがある。また、トナー補給装置組み立て時、該トナ封止シートを位置決めし難く、抜け易い。
【0015】
そこで本発明は、
静電潜像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成装置において静電潜像現像に用いる現像装置の上方へ向け開いた補給トナー受入れ開口から該現像装置内へトナー補給を行うトナー補給装置であり、
前記現像装置のトナー受入れ開口から現像装置内へトナー補給を行うための下向きトナー補給開口を有する、補給トナーを収容するためのトナーボトルと、
該トナーボトルのトナー補給開口に対して設けられ、トナー通過孔を有し、該トナー通過孔を該トナー補給開口に臨ませるトナー補給開口開き位置と該トナー通過孔を該トナー補給開口から外すトナー補給開口閉じ位置との間を往復動可能のシャッタとを有するトナー補給装置(以下、「シャッタ付きトナー補給装置」ということがある。)であって、現像装置に装着されてシャッタがトナー補給開口開き位置に配置される状態で、該トナー補給開口と該シャッタのトナー通過孔との連通を簡易に安価に、安定的に阻止してトナー補給できないようにしておくことができる一方、該トナー補給開口をシャッタのトナー通過孔に簡単に連通させ、トナー補給を可能にすることもできるトナー補給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するため本発明は、
静電潜像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成装置において静電潜像現像に用いる現像装置の上方へ向け開いた補給トナー受入れ開口から該現像装置内へトナー補給を行うトナー補給装置であり、
前記現像装置のトナー受入れ開口から現像装置内へトナー補給を行うための下向きトナー補給開口を有する、補給トナーを収容するためのトナーボトルと、
該トナーボトルのトナー補給開口に対して設けられ、トナー通過孔を有し、該トナー通過孔を該トナー補給開口に臨ませるトナー補給開口開き位置と該トナー通過孔を該トナー補給開口から外すトナー補給開口閉じ位置との間を往復動可能のシャッタとを有するトナー補給装置であって、
前記シャッタが前記トナー補給開口閉じ位置から前記トナー補給開口開き位置に配置されても該トナー通過開口と該シャッタのトナー通過孔とを連通させないように該シャッタと前記トナーボトルとの間に挟み込まれたトナー封止シートを含んでおり、
前記トナー封止シートは、前記シャッタのトナー補給開口閉じ位置からトナー補給開口開き位置への移動方向に延びて該方向における下流側端部に、該方向を横切る方向に突出して、前記トナーボトルに対して定位置に設けられたシート引っ掛かり部に引っ掛かる突起部を有しており、該下流側端部より上流側部分を該下流側端部とは反対の引き抜き方向へ引っ張ることで、前記突起部を変形させつつ該トナーボトルと該シャッタの間から引き抜くことができるトナー補給装置を提供する。
【0017】
本発明に係るトナー補給装置によると、画像形成装置の出荷にあたり、画像形成装置に搭載されている現像装置に装着し、該トナー補給装置のシャッタをトナーボトルのトナー補給開口開き位置に配置するとともに現像装置側のトナー受入れ開口も開いた状態としても(現像装置側にもシャッタがある場合はそれをトナー受入れ開口開き位置に配置しても)、トナー補給装置においてはトナーボトルとシャッタとの間に挟み込まれたトナー封止シートが、これが引き抜かれるまでは、トナー補給開口とシャッタのトナー通過孔との連通を阻止しており、従って、画像形成装置がユーザーへ搬入され、所定の使用場所に設置されるまでの間に振動がトナー補給装置に加わる等しても、トナー補給装置から現像装置へ徒にトナーが落下供給されることはなく、トナーが零れたりすることも抑制される。
【0018】
画像形成装置の使用にあたっては、トナーボトルとシャッタとの間に挟み込まれたトナー封止シートをその突起部の抵抗に抗して、該突起部を変形させつつ引き抜いて、既に開き位置に配置されているシャッタのトナー通過孔とトナーボトルのトナー補給開口とを、さらにそれらと現像装置のトナー受入れ開口を連通させ、トナーボトルから現像装置内へトナー補給できる状態を得ることができる。
【0019】
前記トナー封止シートは、前記シャッタのトナー補給開口閉じ位置からトナー補給開口開き位置への移動方向に延びて該方向における下流側端部に、該方向を横切る方向に突出する突起部を有しており、該突起部が、前記トナーボトルに対して定位置に設けられた(例えば該トナーボトルに設けたシャッタレール部に設けられた)シート引っ掛かり部に引っ掛かかるようにしてトナーボトルとシャッタとの間に挟み込まれているから、該突起部がシート引き抜きや位置ずれに対する抵抗となり、それだけ、トナー封止シートは安定的にトナーボトルとシャッタとの間に挟み込まれていて、安定的にトナー補給開口とシャッタのトナー通過孔の連通を阻止できる。また、トナー補給装置を組み立てるとき、該突起部を利用してトナー封止シートを位置決めし易く、トナー補給装置組み立時のトナー封止シートの抜け止めをそれだけ抑制できる。
【0020】
しかし、トナー封止シートはトナーボトル或いはシャッタ等に溶着されたり、接着されたりしているわけではないので、安定的に配置されている割りには、前記突起部を変形させる程度の引き抜き力で容易に引き抜くことができ、それによりトナー補給装置から現像装置へトナー補給を行える。
【0021】
なお、トナー封止シートの材質としては、例えば前記突起部を変形させつつ引き抜くことに耐え得る強度を有するとともに、該シートの引き抜きを可能にする該突起部の変形を許すシートを採用すればよい。
【0022】
前記トナー封止シートの前記突起部は、安易な引き抜きに抵抗し、また、シート位置を安定させ得るものであることが要求される一方、トナー補給装置から現像装置へトナー補給を行えるように引き抜くべきときには容易に引き抜けることが望ましいから、徒に引き抜き抵抗力を発生させないように、該突起部の前記引っ掛かり部へ引っ掛かるべき縁部は、該シートの引き抜き方向に対して直角な方向からさらに該引き抜き方向とは反対方向へ90°より小さい角度をなして傾斜していてもよい。
【0023】
また、同様の理由により、トナー封止シートの突起部は、前記引っ掛かり部へ引っ掛かるべき前記縁部の突出端から前記引き抜き方向とは反対の先端へ向け先細に形成されていてもよい。これによりトナー封止シート引き抜き時の突起部の変形が容易になる。
【0024】
前記シャッタは前記トナーボトルに形成されたシャッタレール部に沿って往復スライド動作可能としてもよい。その場合、前記トナーボトルは前記トナー補給開口の周縁部を囲繞する弾性トナーシールシートを備えたものとし、前記トナー封止シートは該弾性トナーシールシートと前記シャッタとの間に挟み込み、該トナー封止シートの引き抜き方向に直角な方向の該弾性トナーシールシート幅は、該トナー封止シートの突起部を含む部分のトナー封止シート引き抜き方向に直角な方向の幅より短く、該弾性トナーシールシートと前記シャッタレール部との間に間隙が提供されるようにしてもよい。
【0025】
また、前記シャッタは前記トナーボトルに形成されたシャッタレール部に沿って往復スライド動作可能とし、前記シャッタは、該シャッタの前記トナー通過孔の周縁部を囲繞する弾性トナーシールシートを備えたものとし、前記トナー封止シートは該弾性トナーシールシートと前記トナーボトルとの間に挟み込み、該トナー封止シートの引き抜き方向に直角な方向の該弾性トナーシールシート幅は、該トナー封止シートの突起部を含む部分のトナー封止シート引き抜き方向に直角な方向の幅より短く、該弾性トナーシールシートと前記シャッタレール部との間に間隙が提供されるようにしてもよい。
【0026】
いずれにしても、このように弾性トナーシールシートとシャッタレール部との間に間隙を形成しておくことで、トナー封止シートを引き抜くとき、その突起部の変形部分を該間隙に逃がして該間隙に沿わせてシートを引き抜くことを可能にすることができる。
【0027】
また、トナー補給装置を組み立てるにあたって、トナー封止シートをトナーボトルとシャッタとの間に挟み込み、且つ、該トナー封止シートをその突起部が前記引っ掛かり部に引っ掛かる位置を取るように位置決めすることを容易にするために、該シャッタには、そのトナー補給開口閉じ位置からトナー補給開口開き位置への移動方向における下流側から前記トナー封止シートの下流側端部に当接可能の、トナー封止シート位置決め部を設けておいてもよい。この場合、シャッタの組み立てをトナー補給開口開き位置側から閉じ位置側の方向へシャッタを移動させるように行えばよい。そうすることで、該位置決め部でトナー封止シートの突起部を押し動かして、前記引っ掛かり部に当接させ、位置決めできる。
【0028】
また、前記シャッタには、該シャッタと前記トナーボトルとの間に挟み込まれる前記トナー封止シートの下流側端部の位置を確認するための覗き窓部を形成しておいてもよい。
【0029】
交換等のためにトナー補給装置を現像装置から取り外すべく、シャッタをトナー補給開口閉じ位置に戻してトナー補給装置を外したときに、シャッタのトナー通過孔に入っていたトナーが該トナー通過孔から脱落して周囲を汚染することを抑制するために次のようなトナー受けフィルムを設けておいてもよい。
【0030】
すなわち、前記トナーボトルに支持されて前記シャッタの下面に沿って該シャッタの摺動を許すように配置され、該シャッタが前記トナー補給開口開き位置にあるとき、該シャッタのトナー通過孔に臨むトナー通過開口を有し、該シャッタが前記トナー補給開口閉じ位置にあるとき、該シャッタのトナー通過孔を下方から閉じるトナー受けフィルムである。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によると、シャッタ付きトナー補給装置であって、現像装置に装着されてシャッタがトナー補給開口開き位置に配置される状態で、該トナー補給開口と該シャッタのトナー通過孔との連通を簡易に安価に、安定的に阻止してトナー補給できないようにしておくことができる一方、該トナー補給開口をシャッタのトナー通過孔に簡単に連通させ、トナー補給を可能にすることもできるトナー補給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るトナー補給装置が装着される現像装置を含む画像形成装置の1例の構成の概略を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置における、本発明に係るトナー補給装置が装着されている現像装置の1例の断面構造の概略を示す図である。
【図3】図2に示す現像装置を図2おいて右側から見て、しかし現像ローラ及び供給ローラは破線でその位置を示すだけとして、概略的に示す図である。
【図4】現像装置に装着される本発明に係るトナー補給装置の例を現像装置に装着した状態で示す断面図である。
【図5】図4に示すトナー補給装置及びこれを装着した現像装置において、トナーボトルのトナー補給開口に対するシャッタ及び現像装置のトナー受入れ開口に対するシャッタがいずれも開口閉じ位置に配置されている様子を示す図である。
【図6】図5に示す状態から各シャッタが開口開き位置に配置され、しかし、トナー補給開口とそれに対するシャッタのトナー通過孔はトナー封止シートで連通不能となっている状態を示す図である。
【図7】図6に示す状態からトナー封止シートが引き抜かれ、トナー補給装置から現像装置へトナーを補給できる状態を示す図である。
【図8】トナーボトルのトナー補給開口、トナー封止シート及びトナー補給開口に対するシャッタのトナー通過孔等の位置関係をシャッタ下面側から見て示す図である。
【図9】トナー補給装置を現像装置の補給トナー受入れ部から取り外すときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明に係るトナー補給装置の例について説明する。
その前に本発明に係るトナー補給装置が装着される現像装置が採用されている画像形成装置の例について図1を参照して説明しておく。
【0034】
図1は画像形成装置の1例100の構成の概略を示している。画像形成装置100はタンデム型のフルカラープリンタである。
【0035】
このプリンタ100は、駆動ローラ71とこれに対向するローラ72に巻き掛けられた無端の中間転写ベルト7を有している。転写ベルト7は、図示省略のベルト駆動部により駆動される駆動ローラ71により図中反時計方向(図中矢印方向)CCWに回される。
【0036】
ローラ72には転写ベルト7上の2次転写残トナー等を清掃するクリーニング装置73が臨んでおり、駆動ローラ71には2次転写ローラ8が臨んでいる。
【0037】
2次転写ローラ8は図示省略の押圧手段にて駆動ローラ71に支持された中間転写ベルト7の部分に押圧され、中間転写ベルト7との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト7の回転に従動して、或いは、後述するように該ニップ部に送り込まれる記録紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等の記録用シートS(以下、これらを「記録用紙」或いは「用紙」と総称することがある。)の移動に従動して、或いは駆動されて回転することができる。2次転写ローラ8には、図示省略の電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0038】
中間転写ベルト7及び2次転写ローラ8の上方には定着装置9が配置されており、下方にはタイミングローラ対11が配置されており、さらにその下方に、記録用紙Sの供給カセット10が配置されている。
【0039】
定着装置9はハロゲンランプヒータ等の熱源を備えた定着加熱ローラとこれに圧接される加圧ローラとを含むものである。
記録用紙収容カセット10に収容された記録用紙Sは、用紙供給ローラ101にて1枚ずつ引き出してタイミングローラ対11へ供給することができる。
【0040】
中間転写ベルト7を巻き掛けたローラ71、72の間には、転写ベルト7に沿って、ローラ72からローラ71に向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
【0041】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、静電潜像担持体としてドラム型の感光体1を備えており、該感光体の周囲に帯電器2、露光装置3、現像装置4及びクリーニング装置5がこの順序で配置されている。
【0042】
各画像形成部の感光体1にはベルト7を間にして1次転写ローラ6が対向配置されている。1次転写ローラ6は、図示省略の押圧手段にて感光体1の方向へ押圧され、ベルト7に接触して従動回転するとともにベルト7を感光体1に接触させることができる。
【0043】
1次転写ローラ6には、感光体1上に形成されるトナー像をベルト7へ1次転写するための1次転写バイアスを図示省略の電源から印加できる。
【0044】
露光装置3は、図示省略のパーソナルコンピュータ、画像読取装置等から提供される画像情報に応じて、レーザービームの点滅により感光体1にドット(点)露光で画像露光を施し、静電潜像を形成できるものである。
【0045】
各画像形成部における感光体1は、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて図中時計方向回りに回転駆動できる。
【0046】
各画像形成部における帯電器2は、本例ではスコロトロン帯電器であり、所定のタイミングで図示省略の電源から帯電用の電圧が印加される。なお、帯電器2は帯電ローラを用いるもの等であってもよい。
【0047】
各画像形成部における現像装置4は、本例では、トナーを主体とする一成分現像剤を使用して感光体1上に形成される静電潜像を、図示省略の電源から現像バイアスが印加されるローラ形態の現像剤担持回転体(以下、「現像ローラ」という。)41(図2参照)で反転現像することができる。
【0048】
このプリンタによると、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト8に1次転写する。
【0049】
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体1が図中時計方向に回転駆動され、帯電器2にて表面が一様に所定電位に帯電され、該帯電域に露光装置3からイエロー画像に対応する画像露光が施され、感光体1上にイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。
【0050】
この静電潜像はイエロートナーを有する現像装置4の現像バイアスが印加された現像ローラ41にて現像されて可視イエロートナー像となる。該イエロートナー像は1次転写ローラ6にて転写ベルト7上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ6には図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される。
【0051】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト7に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト7に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト7に転写される。
【0052】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト7上に重ねて転写されるタイミングで形成される。
かくして転写ベルト7上に形成された多重トナー像は転写ベルト7の回動により2次転写ローラ8へ向け移動する。
【0053】
一方、記録用紙Sが記録用紙収容カセット10から媒体用紙ローラ101にて引き出され、タイミングローラ対11へ供給され、待機している。
【0054】
このようにタイミングローラ対11のところで待機する記録用紙Sは、中間転写ベルト7にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト7と2次転写ローラ8とのニップ部に供給される。該多重トナー像は図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ8にて記録用紙S上に2次転写される。
【0055】
その後記録用紙Sは定着装置9に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録用紙Sに定着される。記録用紙Sはひき続き、排出ローラ対12にて排出トレイ13に排出される。
【0056】
トナー像のベルト7への1次転写において感光体1上に残留する転写残トナー等はクリーニング装置5で清掃され、2次転写によりベルト7上に残留する2次転写残トナー等はクリーニング装置73で清掃される。これら清掃除去されたトナーはそれぞれ図示省略の搬送手段にて廃棄容器へ送られる。
【0057】
以上説明したように画像形成されるのであるが、現像装置4についてさらに説明する。 現像装置4は図2及び図3に示すものであり、本発明に係るトナー補給装置が適用される現像装置の1例である。
【0058】
図2は現像装置4の断面構造の概略を示している。図3は現像装置4を図2において右側から見て、しかし現像ローラ41及び供給ローラ42は破線でその位置を示すだけとして、概略的に示している。
【0059】
現像装置4は現像ローラ41及び現像ローラ41へ現像剤(本例ではトナーT)を供給する供給ローラ42を備えている。
現像ローラ41は導電性シャフト上に熱可塑性エラストマーやゴム等からなる弾性層を設け、その表面に該弾性層より硬度が高い表面コート層を設けたものである。
供給ローラ42は、導電性シャフト上に弾性を有する、導電性を付与した発泡材層(例えば導電性を付与した弾性発泡ポリウレタン層)を設けたものである。
【0060】
現像装置4は供給ローラ42側へ現像剤を攪拌しつつ供給する第1回転搬送体46及び第2回転搬送体47も備えている。第1及び第2の各回転搬送体は、ここでは、回転軸にスクリュー羽根(螺旋羽根)を周設したスクリュー搬送部材である。
【0061】
これら現像ローラ41、供給ローラ42並びに第1及び第2のスクリュー搬送部材46、47は現像装置ハウジング40に収められ、該ハウジングに回転可能に支持されている。現像ローラ41は、現像装置4が画像形成装置100に装着されると感光体1に臨むように、一部がハウジング40の外側へ出ている。搬送部材46、47は現像装置ハウジング40内に収容されている。
【0062】
ハウジング40内には現像に供する現像剤(本例ではトナーT)を保持して供給ローラ42及び現像ローラ41に臨むバッファ部43が形成されている。
【0063】
第1スクリュー搬送部材46はバッフア部43における、供給ローラ42より上側、且つ、ローラ42の背後寄り位置に配置されている。第2スクリュー搬送部材47は板状の仕切り部材48を間にして第1スクリュー搬送部材46の上側、且つ、供給ローラ42の上方に配置されている。
【0064】
第1スクリュー搬送部材46は現像ローラ41と平行に配置されており、第2スクリュー搬送部材47は仕切り部材48を間にして第1スクリュー搬送部材46と平行に配置されている。
【0065】
第1スクリュー搬送部材46は図示を省略した回転駆動部にて回転駆動されることで、図3中右側から左側へ回転軸方向に現像剤を搬送することができ、第2スクリュー搬送部材47は図示省略の回転駆動部にて回転駆動されることで、図3中左側から右側へ回転軸方向に現像剤を搬送することができる。
【0066】
このように第1及び第2のスクリュー搬送部材46、47が回転駆動されることで、図3に矢印で示すように、現像剤は、第1搬送部材46にて、図3において右側の現像剤送入側端部(現像剤送り込み側端部)から左側の現像剤送出側端部(現像剤送り出し側端部)へ搬送され、該現像剤送出側端部から仕切り部材48の左側端部の開口部(第2開口部)482を通って第2搬送部材47の現像剤送入側端部へ上昇移動し、さらに第2搬送部材47にてその現像剤送出側端部へ向け搬送され、該送出側端部から仕切り部材48の右側端部の開口部(第1開口部)481を通って重力に助けられつつ第1搬送部材46の現像剤送入側端部へ落下移動する。
【0067】
現像剤はこのようにして第1、第2の搬送部材46、47により攪拌循環されつつ、第1搬送部材46から供給ローラ42、ひいては現像ローラ41側へ供給される。
【0068】
現像ローラ41及び供給ローラ42は、図示省略の回転駆動部により図2中反時計方向回りに回転駆動される。従って、ローラ41と42とが対向するニップ部では、両ローラ表面は互いに反対方向に移動する。これにより、供給ローラ42は現像で消費されずに現像装置ハウジング40内へ戻ってくる現像剤を現像ローラ41から掻き落とすとともに、新たに現像剤を現像ローラ41へ供給する。
【0069】
このようにして供給された現像剤は現像ローラ41に当接しているブレード形態の現像剤規制部材44を通過するときに現像剤量が適正に規制されるとともに帯電せしめられ、感光体1に臨む現像領域で感光体1上の静電潜像の現像に供される(静電潜像へトナーを付与する)。現像で消費されなかった現像剤は現像ローラ41の回転とともにケース40内へ戻ってくる。このとき、現像剤は、供給ローラ42による現像ローラ41からの掻き取りを円滑化するために図示省略の除電電源から除電バイアスが印加された除電部材45にて除電される。
【0070】
また、第1及び第2のスクリュー搬送部材46、47は、搬送部材46の現像剤送出側端部及びその上側にある搬送部材47の現像剤送入側端部において、現像ローラ41の回転軸方向に現像ローラ41の外側まで延在しており、第2搬送部材47の該延在部の上方に現像剤溜まり部49が連設されている。現像剤(本例ではトナー)が足りている状態から現像剤が現像に消費される等して減ってくると、トナー補給装置50にて現像剤溜まり部49の補給トナー受入れ部490からトナーを補給できるようになっている。
【0071】
トナー補給装置50はその連結部500において補給トナー受入れ部490に着脱可能である。現像装置4における補給トナー受入れ部490とトナー補給装置50は現像装置4へのトナー補給機構を構成している。これについては後ほどさらに説明する。
【0072】
図3において現像剤溜まり部49の互いに対向する手前側及び奥側の壁のそれぞれに現像剤量(ここでは溜まり部における現像剤の上面位置)を検知するための、例えば透明な樹脂(例えばポリスチレン)からなる透光性の検知窓dwが設けられており、これら窓に対して現像剤量検知装置TSが設けられている。
現像剤溜まり部49が、例えば、透明なポリスチレン樹脂等の透明材料で形成されている場合には、その一部を検知窓として利用することができる。
【0073】
現像剤量検知装置TSは、本例では発光素子(図示省略)と受光素子(図示省略)を有する光学的センサを含むものである。発光素子は一方の検知窓dwにその外側から臨み、受光素子は他方の検知窓dwその外側から臨んでいる。受光素子が発光素子からの光を所定量受けると現像装置4内現像剤量が不足していると判断され、発光素子からの光が現像剤に遮られて受光素子が所定量の光を受けないときは現像剤量は足りていると判断される。現像剤溜まり部49には、既述のとおり、トナー補給装置50の連結部500を着脱可能に装着できる補給トナー受入部490を設けてある。検知装置TSが現像剤量の不足を検出すると、トナー補給装置50からトナーを補給できるようになっている。
【0074】
トナー補給装置50は、図4に示す連結機構により現像装置4の現像剤溜まり部49に脱離可能に装着できる。すなわち、現像剤溜まり部49の図3において左部の上壁491(図4も参照)に補給トナー受入れ部490が設けられている。トナー補給装置50は自身の連結部500で該トナー受入れ部490に着脱可能である。これら補給トナー受入れ部490及び連結部500が連結機構を構成している。
【0075】
トナー受入れ部490は、トナー受入れ開口492、一対のガイド壁493及びそれらに案内されるシャッタS2を含んでいる。
【0076】
トナー受入れ開口492は、それには限定されないが、ここでは円形の開口である。
一対のガイド壁493は、トナー受入れ開口492の両側において(図3で言えばトナー受入れ開口492の手前側及び奥側において)、図4に示すように上壁491から立ち上がっている。
【0077】
各ガイド壁493の下部内側にはシャッタガイド溝494が形成されており、ここにシャッタS2が嵌まっている。シャッタS2は該溝に案内されて、且つ、現像剤溜まり部上壁491に対して摺動して現像装置長手方向(図3において左右方向)に往復動させることができる。
【0078】
シャッタS2は上壁491のトナー受入れ開口492と同じ内径の円形のトナー通過孔sh2を有しているが、外輪郭形状は上方又は下方からみると矩形状である。シャッタS2は、孔sh2がトナー受入れ開口492に一致するトナー受入れ開口開き位置と、孔sh2がトナー受入れ開口492から外れたトナー受入れ開口閉じ位置とをスライド往復させることができる。
【0079】
シャッタS2の上面には弾性トナーシールシートK2が貼着されている。シートK2は、シャッタS2のトナー通過孔sh2に一致する同内径の円形孔を有しており、孔sh2の周縁部を囲繞している。シートK2はシャッタS2とともに往復動作する。
【0080】
トナー補給装置50は、補給トナーを収容したトナーボトル501と、該ボトルを脱離可能に現像装置4の補給トナー受入れ部490に装着するための連結部500とを含んでいる。
【0081】
連結部500は、ボトル501の下端に形成されたトナー補給開口502に連設されている。トナー補給開口502は、それには限定されないが本例では、現像剤溜まり部49のトナー受入れ開口492と同内径の円形の開口である。トナー補給開口502はここではボトル501と一体の円筒部503により形成されている。
【0082】
連結部500は、円筒部503の下端部から周囲へ広がる、平面からみると外輪郭が矩形のフランジ部504、フランジ部の両側縁から下降する一対のシャッタレール部505を含んでいる。
【0083】
フランジ部504の下面には弾性トナーシールシートK1が貼着してある。シールシートK1にはトナー補給開口502に一致する同内径のトナー通過開口kh1が形成されており、トナー補給開口502の周縁部を囲繞している。
【0084】
シートK1の下面に、トナー封止シート60を間に挟み込んでシャッタS1が当接している。トナー封止シート60については後ほど詳述する。シャッタS1は一対のシャッタレール部505の下部内側に形成したシャッタガイド溝506に嵌まっている。シャッタS1の下面に沿って合成樹脂(本例ではポリエチレンテレフタレート)からなるトナー受けフィルムfが配置されており、フィルムfはシャッタレール部505の下面に貼着固定され、間接的にではあるがトナーボトル501に支持されている。
【0085】
シャッタS1は、シャッタガイド溝506に案内させて、且つ、シートK1に重ねられたトナー封止シート60とフィルムfとの間でそれら両者に摺動させて、現像装置長手方向(図3において左右方向)に手動で往復動させることができる。
トナー受けフィルムfは、トナーボトルのトナー補給開口502の真下に位置する、トナー補給開口502と同内径の円形のトナー通過開口fhを有している。
【0086】
かくしてシャッタS1は、トナー封止シート60が無ければ、トナー通過孔sh1がシート開口kh1を介してトナー補給開口502に一致し、連通するトナー補給開口開き位置と、孔sh1がトナー補給開口502から外れたトナー補給開口閉じ位置とを手動でスライド往復させることができる。
【0087】
なお、弾性トナーシールシートK1、K2は、それには限定されないが、ここではいずれも、弾性発泡ポリウレタンからなるシートである。
【0088】
ここでトナー封止シート60について図8も参照してさらに説明する。図8はトナーボトル501のトナー補給開口502、トナー封止シート60及びトナー補給開口502に対するシャッタS1のトナー通過孔sh1等の位置関係をシャッタS1の下面側から見て示す図である。
【0089】
トナー封止シート60は、それとは限定されないが、本例では、PET(ポリエチレンテレフタレート)製の、厚み0.05mm程度のシートである。
【0090】
シート60は、図8に示すように全体的に帯状のシートであり、シャッタS1のトナー補給開口閉じ位置からトナー補給開口開き位置への移動方向へ延びて該方向における下流側端部600に一対の突起部601を有している。突起部601は、同方向を横切る方向に突出している。これら突起部601は、トナー補給装置組み立て時、シャッタレール部505の端505aを引っ掛かり部として、該引っ掛かり部505aに引っ掛かるように位置決めされる。
【0091】
このトナー封止シート60は、トナー補給装置50から現像装置4へトナー補給するにあたって引き抜かれるべきものである。すなわち、下流側端部600とは反対側の、トナー補給装置50の外側まで延びた上流側部分602(図5〜図8参照)をユーザー等が持って、トナーボトル501とシャッタS1の間から引き抜くものである。
【0092】
トナー封止シート60の各突起部601は、安易な引き抜きに抵抗し、また、シート位置を安定させ得るものであることが要求される一方、トナー補給装置50から現像装置4へトナー補給を行えるように引き抜くべきときには容易に引き抜けることが望ましいから、徒に引き抜き抵抗力を発生させないように、図8に示すように、突起部601の引っ掛かり部505aへ引っ掛かるべき縁部601aは、シート60の引き抜き方向α(図7参照)に対して直角な方向からさらに該引き抜き方向とは反対方向へ90°より小さい角度θ(本例では略45度)をなして傾斜している。
【0093】
また、シート60を引き抜くべきときに、徒に引き抜き抵抗力を発生させないように、前記引っ掛かり部505aへ引っ掛かるべき縁部601aとは反対側の縁部601bは、シート60の中央へ向けて傾斜しており、かくして、シート端部600は前記縁部601aの突出端から前記引き抜き方向とは反対の先端へ向け先細に形成されている。これによりトナー封止シート引き抜き時の突起部601の変形が容易になっている。
【0094】
シャッタS1には、該シャッタのトナー補給開口閉じ位置から開き位置への移動方向における下流側端部に、トナー補給装置組み立て時にトナー封止シート60が、その突起部601が引っ掛かり部505aに当接するように正しく位置決めされていることを確認するためのスリット状の覗き窓部S1aが形成されている。そして、窓部S1aの下流側の縁に沿う立ち上がり段差によるシート位置決め部stが形成されている。シート位置決め部stは、それがたとえシールシートK1に接触してもシャッタS1の動作に支障のない程度の低い段差からなるものである。
【0095】
本例では、シャッタS1をレール部505のガイド溝506へ嵌合組み立てするとき、該シャッタS1はトナー補給開口開き位置側から閉じ位置側の方向へ該ガイド溝506へ嵌合される。このとき、予め弾性シールシートK1に沿わせておいたトナー封止シート60の端部600の端に位置決め部stを当接させ、これによりシャッタS1の組み立て嵌合に伴いシート60をその突起部601が引っ掛かり部505aに当接するように押して正しく位置決めすることができ、またその状態を覗き窓部S1aから確認することができる。
【0096】
また、前記トナー補給開口の周縁部を囲繞する弾性トナーシールシートK1は、図8にも示すように長方形状のものであるが、シャッタS1のスライド方向に直角な方向の幅はトナー封止シート60の端部600の突起部601を含む部分の幅より小さい。そして、シャッタレール部505との間に間隙gを提供している。なお、トナーシールシートK1はシャッタS1に貼着されていてもよく、その場合でも同様の間隙gが形成されるようにすればよい。
【0097】
このように弾性トナーシールシートK1とシャッタレール部505との間に間隙gを形成しておくことで、トナー封止シート60を引き抜くとき、その突起部601の変形部分が間隙gに逃げることができ、それだけシート60の引き抜きを円滑に行える。
【0098】
以上説明したトナー補給装置50は、現像装置4への装着前の保管、運搬等においては、そのトナーボトル501のトナー補給開口502がシャッタS1で閉じられている。
トナーボトル501とシャッタS1の間に挟み込まれたトナー封止シート60の補給装置外側へ延び出た部分602(図5等参照)は、図3に例示するように、接着層により引き剥がし可能にトナーボトル501に1時的に貼着されている。
【0099】
トナー補給装置50は、例えば画像形成装置100の出荷にあたって現像装置4へトナー供給する前準備や、現像装置4においてトナー量が消費等により減少してきたとき、或いはトナー量が減少してきたときに備え予め、現像装置4の補給トナー受入れ部490に連結して、補給トナー受入れ開口492から現像装置4内へトナー補給することができる。
【0100】
トナー補給装置50を補給トナー受入れ部490に連結するにあたっては、トナー補給装置の連結部500を構成しているフランジ部504及びそれから下降している一対のシャッタレール部505(図4参照)を、現像装置4の補給トナー受入れ部490の一対のガイド壁493上部の係合溝495(図4参照)に、現像装置長手方向に(図3において左から右方向へ)、且つ、トナーシールシートK2を若干圧縮するようにして係合させ、挿入する。そうすることでトナー補給装置50をその連結部500で補給トナー受入れ部490に脱離可能に装着することができる。
【0101】
図5はこのようにトナー補給装置50と補給トナー受入れ部490を連結した状態を概略的に示している。レベルLを間にしてトナー受けフィルムf以上の上側部分UPがトナー補給装置側部分であり、弾性トナーシールシートK2以下の下側部分DPが補給トナー受入れ部側の部分である。
【0102】
図5に示す状態では、トナー補給装置50のトナーボトル501のトナー補給開口502はシャッタS1で閉じられており、補給トナー受入れ部490のトナー受入れ開口492はシャッタS2で閉じられている。
【0103】
また、トナー封止シート60は、その突起部601がシャッタレール部505の端部であるシート引っ掛かり部505aに当接する、組み立て時の正規位置に位置決めされており、シート60の端部600はシャッタS1の覗き窓部S1aから確認でき、且つ、シャッタに形成されたシート位置決め部stにより引っ掛かり部505aに位置決めされている。
【0104】
ここで、図6に示すように、トナー補給装置50のシャッタS1を手動でトナー補給開口閉じ位置から開き位置へ移動させると、もし、トナー封止シート60が無ければ、トナーボトル501のトナー補給開口502及びシールシートK1の開口kh1とシャッタS1のトナー通過孔sh1とが連通する状態となり、また、補給トナー受入れ部490においてシャッタS2を閉じ位置から開位置へ動かすと、補給トナー受入れ開口492を開く状態となる。かくして、シート60が無ければ、トナー補給装置50から現像装置4へトナーTを補給できる状態となる。
【0105】
補給トナー受入れ部490のシャッタS2は手動で開閉できるようになっていてもよいが、本例では、トナー補給装置50の連結部500を補給トナー受入れ部490に装着するとき、図示省略のシャッタ連動機構が係合しあって、シャッタS1の手動開閉操作にシャッタS2が連動して該シャッタS2が開閉するようになっている。
【0106】
トナー補給装置50によると、画像形成装置100の出荷にあたり、トナー補給装置50を画像形成装置100に搭載されている現像装置4に装着し、トナー補給装置50のシャッタS1をトナーボトル501のトナー補給開口502の開き位置に配置するとともに現像装置4側のトナー受入れ開口492も開いた状態としても、トナー補給装置50側のトナー封止シート60が引き抜かれるまでは、トナー補給装置50から現像装置4へトナー補給は行われない。
【0107】
従って、例えば画像形成装置100がユーザーへ搬入されて所定の使用場所に設置されるまでの間に振動がトナー補給装置50に加わる等しても、トナー補給装置50から現像装置4へ徒にトナーが落下供給されることはなく、トナーが零れたりすることも抑制される。
【0108】
画像形成装置100の使用にあたっては、図7に示すように、トナーボトル501とシャッタS1との間に挟み込まれたトナー封止シート60をトナーボトル501に一時的に貼着された部分602(図3参照)を剥がし、その部分を持って引き抜き、トナーボトル501から現像装置へトナー補給できる状態を得ることができる。
【0109】
このとき、トー封止シート60は、引き抜きに対する抵抗を与える突起部601があるものの、突起部601の抵抗に抗して、突起部601を変形させつつ、また、該変形部分が弾性シールシートK1とシャッタレール部505との間隙gに逃げ得るようにして、それだけ容易に引き抜くことができる。
【0110】
なお、トナー補給装置50にはボトル501内のトナーを開口502へ搬送する図示省略のトナー搬送装置が設けられている。
【0111】
トナーボトル501内のトナーが枯渇してくると、トナーボトルを交換しなければならず、そのためにトナーボトルを現像装置4から取り外さなければならないが、そのときは、図9(A)に示すトナー補給状態から、図9(B)に示すように、トナーボトル501のトナー補給開口502をシャッタS1で一旦閉じてから、図9(C)に示すように、トナー補給装置50を補給トナー受入れ部490から外し、必要に応じて新しいトナー補給装置50を現像装置4に装着すればよい。トナー補給装置50を取り外すとき、補給トナー受入れ部490においては、トナー零れ抑制のため、トナー受入れ開口492をシャッタS2で閉じておけばよい。
【0112】
このように現像装置4からトナー補給装置50を取り外すとき、その取り外すトナー補給装置50では、図9(B)に示すように、シャッタS1を、その下面に沿って配置されたトナー受けフィルムfに対して摺動させてトナーボトル501のトナー補給開口開き位置から閉じ位置へ移動させることができる。
【0113】
従って、シャッタS1のトナー通過孔sh1に残存しているトナーTの殆どはトナー受けフィルムfにより下方から支持されてトナー通過孔sh1内に閉じ込められ、それによりトナー補給装置50からの(特にシャッタS1のトナー通過孔sh1からの)トナーTの落下、飛散等によるトナー零れが抑制される。
かかるトナー零れの抑制は、シャッタS1下面に沿って配置したトナー受けフィルムfにより行えるので、簡単、安価に行える。
【0114】
図1を参照して説明した画像形成装置はタンデム型のフルカラープリンタ100であったが、本発明に係るトナー補給装置はモノクロ画像形成装置にも適用でき、また、他のタイプの多色画像形成装置等にも適用できる。また、現像装置を複数備えている画像形成装置では、該複数の現像装置の全数より少ない数の現像装置に本発明を適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は現像装置の上方へ向け開いた補給トナー受入れ開口から該現像装置内へトナー補給を行うトナー補給装置であって、トナー補給装置が現像装置に装着され、トナー補給装置のトナー補給開口及び現像装置のトナー受入れ開口が連通し得る状態とされたまま画像形成装置がユーザーへ搬送されるようなとき、振動等によるトナー補給装置から現像装置へのトナーの徒な落下を阻止できるトナー補給装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0116】
100 プリンタ
4 現像装置
40 現像装置ハウジング
49 現像剤溜まり部
490 補給トナー受入れ部
491 現像剤溜まり部の上壁
492 補給トナー受入れ開口
493 ガイド壁
494 シャッタガイド溝
495 連結部ガイド溝
S2 シャッタ
sh2 トナー通過孔
K2 トナーシールシート
kh2 トナー通過開口
50 トナー補給装置
500 連結部
501 トナーボトル
502 トナー補給開口
503 円筒部
504 フランジ部
505 シャッタレール部
505a シート引っ掛かり部
506 シャッタガイド溝
S1 シャッタ
sh1 トナー通過孔
S1a シート覗き窓部
st シート位置決め部
K1 トナーシールシート
kh1 トナー通過開口
f トナー受けフィルム
fh トナー通過開口
60 トナー封止シート
600 シート端部
601 突起部
601a、601b 突起部の縁部
S 記録用紙
T トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成できる画像形成装置において静電潜像現像に用いる現像装置の上方へ向け開いた補給トナー受入れ開口から該現像装置内へトナー補給を行うトナー補給装置であり、
前記現像装置のトナー受入れ開口から現像装置内へトナー補給を行うための下向きトナー補給開口を有する、補給トナーを収容するためのトナーボトルと、
該トナーボトルのトナー補給開口に対して設けられ、トナー通過孔を有し、該トナー通過孔を該トナー補給開口に臨ませるトナー補給開口開き位置と該トナー通過孔を該トナー補給開口から外すトナー補給開口閉じ位置との間を往復動可能のシャッタとを有するトナー補給装置であって、
前記シャッタが前記トナー補給開口閉じ位置から前記トナー補給開口開き位置に配置されても該トナー通過開口と該シャッタのトナー通過孔とを連通させないように該シャッタと前記トナーボトルとの間に挟み込まれたトナー封止シートを含んでおり、
前記トナー封止シートは、前記シャッタのトナー補給開口閉じ位置からトナー補給開口開き位置への移動方向に延びて該方向における下流側端部に、該方向を横切る方向に突出して、前記トナーボトルに対して定位置に設けられたシート引っ掛かり部に引っ掛かる突起部を有しており、該下流側端部より上流側部分を該下流側端部とは反対の引き抜き方向へ引っ張ることで、前記突起部を変形させつつ該トナーボトルと該シャッタの間から引き抜くことができることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
前記トナー封止シートの前記突起部の前記引っ掛かり部へ引っ掛かるべき縁部は、該シートの引き抜き方向に対して直角な方向からさらに該引き抜き方向とは反対方向へ90°より小さい角度をなして傾斜している請求項1記載のトナー補給装置。
【請求項3】
前記トナー封止シートの前記突起部は、前記引っ掛かり部へ引っ掛かるべき前記縁部の突出端から前記引き抜き方向とは反対の先端へ向け先細に形成されている請求項1又は2記載のトナー補給装置。
【請求項4】
前記シャッタは前記トナーボトルに形成されたシャッタレール部に沿って往復スライド動作可能であり、前記トナーボトルは前記トナー補給開口の周縁部を囲繞する弾性トナーシールシートを備えており、前記トナー封止シートは該弾性トナーシールシートと前記シャッタとの間に挟み込まれており、該トナー封止シートの引き抜き方向に直角な方向の該弾性トナーシールシート幅は、該トナー封止シートの突起部を含む部分のトナー封止シート引き抜き方向に直角な方向の幅より短く、該弾性トナーシールシートと前記シャッタレール部との間に間隙が提供されている請求項1、2又は3記載のトナー補給装置。
【請求項5】
前記シャッタは前記トナーボトルに形成されたシャッタレール部に沿って往復スライド動作可能であり、前記シャッタは、該シャッタの前記トナー通過孔の周縁部を囲繞する弾性トナーシールシートを備えており、前記トナー封止シートは該弾性トナーシールシートと前記トナーボトルとの間に挟み込まれており、該トナー封止シートの引き抜き方向に直角な方向の該弾性トナーシールシート幅は、該トナー封止シートの突起部を含む部分のトナー封止シート引き抜き方向に直角な方向の幅より短く、該弾性トナーシールシートと前記シャッタレール部との間に間隙が提供されている請求項1、2又は3記載のトナー補給装置。
【請求項6】
前記シャッタは、前記シャッタのトナー補給開口閉じ位置からトナー補給開口開き位置への移動方向における下流側から前記トナー封止シートの下流側端部に当接可能の、トナー封止シート位置決め部を有している請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー補給装置。
【請求項7】
前記シャッタは、該シャッタと前記トナーボトルとの間に挟み込まれる前記トナー封止シートの下流側端部の位置を確認するための覗き窓部を有している請求項1から6のいずれか1項に記載のトナー補給装置。
【請求項8】
前記トナーボトルに支持されて前記シャッタの下面に沿って該シャッタの摺動を許すように配置され、該シャッタが前記トナー補給開口開き位置にあるとき、該シャッタのトナー通過孔を介して前記トナー補給開口に連通可能のトナー通過開口を有しており、該シャッタが前記トナー補給開口閉じ位置にあるとき、前記シャッタのトナー通過孔を下方から閉じるトナー受けフィルムをさらに含んでいる請求項1から7のいずれか1項に記載のトナー補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−158509(P2011−158509A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17749(P2010−17749)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】