トラクタ
【課題】従来の左右側のカバー体は、運転席下方のミッション部の外側面付近から分割するようになっているため、ミッション部に対する取り付け、取り外しが容易ではなく、特に、運転席の下側であるため着脱作業が煩雑となる問題がある。
本発明の課題は、後車輪の前方と上方を覆うフェンダーを後車輪の内側面付近から分割できるようにして,着脱の容易化並びに後車輪の洗浄容易化を図ることにある。
【解決手段】左右後車輪の前方と上方を覆うフェンダーであって、この左右フェンダーは後車輪の内側面付近から分割可能として外側のフェンダーと内側のフェンダーとから構成し、前記外側の分割フェンダーを着脱自在に構成したことを特徴とするトラクタ
本発明の課題は、後車輪の前方と上方を覆うフェンダーを後車輪の内側面付近から分割できるようにして,着脱の容易化並びに後車輪の洗浄容易化を図ることにある。
【解決手段】左右後車輪の前方と上方を覆うフェンダーであって、この左右フェンダーは後車輪の内側面付近から分割可能として外側のフェンダーと内側のフェンダーとから構成し、前記外側の分割フェンダーを着脱自在に構成したことを特徴とするトラクタ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタに関し、特にミッション部の上方や左右後輪を覆うカバー体の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、運転部と運転席下方のミッション部と、左右側の後車輪とにかけてカバー体を設け、このカバー体により運転部のステップを形成すると共に、ミッション部の上方を被覆し、且つ,左右側の後車輪の前方と上方とを被覆したトラクタのカバー体において、左右側カバー体とこれらの間に配置した中間カバー体とに3分割して、機体に対し着脱自在に取り付けるようにした構成のものが知られている。
【特許文献1】特開2006−96320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の左右側のカバー体は、運転席下方のミッション部の外側面付近から分割するようになっているため、ミッション部に対する取り付け、取り外しが容易ではなく、特に、運転席の下側であるため着脱作業が煩雑となる問題がある。
【0004】
本発明の課題は、後車輪の前方と上方を覆うフェンダーを後車輪の内側面付近から分割できるようにして,着脱の容易化並びに後車輪の洗浄容易化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、左右後車輪(5),(5)の前方と上方を覆うフェンダー(13),(13)であって、この左右フェンダー(13),(13)は後車輪(5),(5)の内側面付近から分割可能として外側のフェンダー(13a),(13a)と内側のフェンダー(13b),(13b)とから構成し、前記外側の分割フェンダー(13a),(13a)を着脱自在に構成したことを特徴とするトラクタとする。
後車輪(5)を覆う左右のフェンダー(13),(13)は、後車輪(5),(5)の内側面付近から分割できるため、分割された外側フェンダー(13a),(13a)の着脱が容易であり、外側フェンダー(13a),(13a)を取り外すと、車輪周辺のメンテナンスが容易にでき、また、車輪の洗浄においても車輪の内側面まで容易に行うことができる。
【0006】
請求項2記載の本発明は、前記左右の内側フェンダー(13b),(13b)の下方には、ミッション側への泥土飛散を防止する泥除けカバー(17)を設けたことを特徴とする請求項1記載のトラクタとする。
【0007】
この泥除けカバー(17)によって、左右後車輪(5),(5)によるミッション側への泥土飛散を防止でき、ミッション部に設置された油圧シリンダケース等の油圧機器やフェンダー内に設置された各種操作レバーの操作連動機構などを防護することができる。
【発明の効果】
【0008】
以上要するに、請求項1の本発明によれば、左右のフェンダーは、左右の後車輪の内側面付近から分割することができるので、分割された外側フェンダーの着脱作業が外側から難なく容易にでき、外側フェンダーを取り外した場合には、車輪周辺のメンテナンスが容易にできるばかりでなく、車輪に付着した泥土の除去作業においても車輪の内側面まで行き届き洗浄作業を容易に行うことができる。
【0009】
請求項2の本発明によれば、請求項1の発明効果を奏するものでありながら、左右フェンダーの内側には泥除けカバーを設けることによって、左右の後車輪によるミッション側への泥土飛散を防止でき、ミッション部に設置された油圧機器やフェンダー内に設置された各種操作レバーの操作連動機構などを防護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、トラクタを示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前車輪4及び後車輪5に伝えるようにしている。エンジンEの後方に前車輪4,4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケース8が搭載され、このシリンダケース8の左右両側には、油圧昇降機構の一部を構成するリフトアーム9が回動自在に取り付けられている。リフトアーム9は昇降用油圧シリンダの伸縮作動により上下動する。車体後部には、トップリンク11と左右のロアーリンク12からなる3点リンク機構を設け、同リンク機構にロータリ作業機等を装着するようにしている。
【0011】
左右の後車輪5,5の前方と上方を覆うフェンダー13,13は、後車輪5,5の内側面近くを分割面として左右内外に分割可能に構成してある。分割された外側フェンダー13aは、内側フェンダー13bに対してノブ等の取付具により着脱自在に連結する構成としている。左右のフェンダー13,13間(内側フェンダー13b,13b間)は、中間板体14によって一体的に連設することによりフェンダー成形体15を構成している。また、このフェンダー成形体15には、水抜けをよくするために魚骨状の水抜き溝16を形成してあり、水抜き溝16の押出し成形によって断面形状が波型に成形された形になるため、強度上有利な構成となる。
【0012】
内側フェンダー13bの内側壁Fiは、外側フェンダー13aの外側壁Fuより下方に長く延出されてあり、そして、そのフェンダー内側壁Fiの下方には、ミッションケース8側への泥土飛散を防止する泥除けカバー17が設けられ、機体側支持フレーム18にボルト等の締付具19で着脱自在に装着されている。
【0013】
フェンダー13,13上には各種の操作レバーを案内するガイド溝20を有したガイド板21が附設されている。各種の操作レバーとして、右側にコントロールレバー(ポジションレバー)22、左側に主変速レバー23、副変速レバー24、PTO変速レバー25等が配置されている。各操作レバー22、23、24、25等の操作連動機構は上記泥除けカバー17によって防護され,後車輪からの泥土を被ることがない。
【0014】
従来は、図6に示すように、左右の前車輪4,4を操向操舵するパワステシリンダ30の伸縮移動部材30a,30aを防護するパワステシリンダガード31,31がフロントアクスルハウジング32に対してボルトなどで別々に装着する構成のものであった。このような従来構成を、例えば、図7に示すように、パワステシリンダ30全体を被覆して防護するように構成しておくと、部品点数が減少し取り扱いも良くなり便利である。また、図8及び図9に示すように、図8の左半分及び図9の左半分に示す従来例に対し、図8の右半分及び図9の右半分に示す本例では、パワステシリンダガード31,31とフロントアクスルハウジング32とを鋳物で一体化することによって部品点数を大幅に削減することができ、安価に実施することができる。
【0015】
図10に示す実施例は、運転席位置やオペレータの体格によってポジションレバー位置を任意に変更できる構成としている。ポジションレバー22を途中部から分割し、基部22b側の分割面に設けた数個の調節孔34…を有する雌座35に対し、先端22a側の分割面に設けた1個又は2個の突起36を有する雄座37を差し込んで固定できるように位置変更自在に構成している。つまり、図例では、雌座35側には縦横3個づつの計9個の調節孔34…を有するのに対し、雄座37側には1個又は2個の突起36を有し、各調節孔34…に対する突起36の嵌入位置を変えることによってオペレータの体格に応じたレバー位置の変更調節が行える。
【0016】
また、図11に示すように、ポジションレバー22の揺動操作圏内には、該レバー22の最終操作域がガイド溝20の端部に接当しない手前位置となるようポジションストッパー38,38を設けることによってレバーのオーバーラン並びに樹脂製ガイド板の変形や破損を防止することができる。
【0017】
従来、トラクタのミッションブリ−ザパイプは、直接ミッション部から取り出すようにしていた。ミッション部内でのオイル温度が上昇すると、圧が抜けにくいため、シール部に負担がかかり寿命を短くしていた。本例では、図12に示すように、ブリ−ザパイプ40をミッション部3の給油口41から取り出すように連通構成することで、オイル温度が上昇しても圧が抜けるのでシール部の保護を図ることができる。
【0018】
図13に示す実施例では、フロントアクスルハウジング32にブリ−ザとなるアダプタ42を設け、このアダプタ42には泥水が入らないようにホース43を設けた構成としている。そして、このホース43は本機のフロントアクスルが水田に沈下しても泥が入らない位置まで上方に高く延長してラジエータブラケット44等に固定保持する構成としている。従来、フロントアクスルにはブリ−ザがなく、アクスル内圧が高くなると、スリーブ、オイルシールよりオイルの漏れが発生し、また、フロントアクスルが水田に沈んだ場合、シール部より泥が侵入し、ギヤ、シャフト、ベアリングなどの寿命が短くなる問題があった。本例では、上記構成により、内圧を低く抑えることができるので、オイル漏れがなくなり、シール部より泥土の侵入がなく、アクスル内におけるギヤやシャフト、ベアリング等の長期寿命が確保される。
【0019】
従来、トラクタで使用されているウインカーは、ステアリングハンドルを少し戻すだけでウインカーへの指示が解除されてしまう。そのため、左折時や右折時にハンドルを僅かに戻したりすると、ウインカーが消えてしまい非常に危険である。そこで、本例では、図14に示すように、クラッチペダル45のクラッチ入り切りを検出するリミットセンサ46と左右方向を指示するウインカー47をリレー48やターンシグナル(ウインカースイッチ)49を持つ電気回路で接続し、クラッチペダル45が踏み込まれている(クラッチ切り)間はウインカー47がメカ的に解除されてもウインカーの点滅が継続されるように構成する。従って、これによれば、左折・右折時にウインカーを作動させ、クラッチペダルを踏んで一旦停止した後にハンドルを若干戻したとしても、ウインカーの作動は継続し、トラクタのように速度の遅い車両においてより安全となる。
【0020】
また、上記の構成に加えて、図15に示すように、コントローラ50の入力側に前輪切れ角センサ51を接続して設け、クラッチペダルによるクラッチ解除後においても前輪の切れ角が所定値になるまでウインカーが点滅するように構成することもできる。要するに、左折・右折時にウインカーを作動させ、クラッチペダルを踏んで一旦停止した後にハンドルを若干戻したとしても、ウインカーの作動は継続し、更に、クラッチ解除(クラッチ入り)後においても、前輪切れ角センサ51が所定の前輪切れ角を検出するまで、即ち、機体進行方向の変更(左折又は右折)を完了するまでウインカーが作動する構成としたものである。
【0021】
図16に示す実施例は、ウインカー回路にタイマーリレー48Tを設け、メカ的にウインカーが解除された後も、一定時間ウインカーが点滅するように構成したものである。つまり、このタイマーリレーは、ハンドルを戻すことによりメカ的に解除されるウインカーランプへの指示を解除後も一定時間維持するものである。
【0022】
また、図17に示す実施例では、ウインカー回路に時間長さの異なる3個のタイマーリレー48T1,48T2,48T3を設け、前輪切れ角センサによる信号によりコントローラでウインカーの作動時間長さを決定するように構成している。つまり、ウインカー作動時の最大前輪切れ角を前輪切れ角センサ51により検出し、その検出結果をコントローラ50より3個のタイマーのうち、最適なタイマーへ自動的に接続する構成としている。
【0023】
更に、図18に示す実施例では、このウインカー回路に設けられるリレー48は、ハンドルを戻すことによりメカ的に解除されるウインカーランプへの指示を解除後も一定時間維持するようになっている。タイマーの時間長さは後記するセンサの状態により3段階で自動的に変化するものとする。そして、タイマー設定のセンサとして、前輪切れ角センサ51を利用し、切れ角の大きさによってコントローラ50によりタイマーが自動的に最適な時間長さに設定されるようにしている。従って、これによれば、前輪の切れ角に応じたウインカー点滅の時間長さが自動的に設定されるので、オペレータは無駄な神経を使う必要がなくなる。
【0024】
なお、上記図18に示す実施例においては、ウインカーのレバーを反対側に操作して方向指示の切り替えを行うと、タイマーリレーに優先して反対側のウインカーが点滅するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トラクタの左側面図
【図2】トラクタの右側面図
【図3】トラクタ要部の平面図
【図4】フェンダーの平面図
【図5】同上背面図
【図6】フロントアクスルハウジングの従来例を示す正面図
【図7】本例のフロントアクスルハウジングを示す正面図
【図8】フロントアクスルハウジングの平面図
【図9】同上正面図
【図10】トラクタの操作部要部の側面図
【図11】トラクタの操作部要部の側面図
【図12】ミッション部のブリ−ザ機構を示す背面図
【図13】フロントアクスルのブリ−ザ機構を示す斜視図
【図14】ウインカー回路図
【図15】ウインカー制御ブロック回路図
【図16】ウインカーブロック回路図
【図17】ウインカー制御ブロック回路図
【図18】ウインカー制御ブロック回路図
【符号の説明】
【0026】
5 後車輪
13 フェンダー
13a 外側フェンダー
13b 内側フェンダー
15 フェンダー成形体
17 泥除けカバー
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタに関し、特にミッション部の上方や左右後輪を覆うカバー体の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、運転部と運転席下方のミッション部と、左右側の後車輪とにかけてカバー体を設け、このカバー体により運転部のステップを形成すると共に、ミッション部の上方を被覆し、且つ,左右側の後車輪の前方と上方とを被覆したトラクタのカバー体において、左右側カバー体とこれらの間に配置した中間カバー体とに3分割して、機体に対し着脱自在に取り付けるようにした構成のものが知られている。
【特許文献1】特開2006−96320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の左右側のカバー体は、運転席下方のミッション部の外側面付近から分割するようになっているため、ミッション部に対する取り付け、取り外しが容易ではなく、特に、運転席の下側であるため着脱作業が煩雑となる問題がある。
【0004】
本発明の課題は、後車輪の前方と上方を覆うフェンダーを後車輪の内側面付近から分割できるようにして,着脱の容易化並びに後車輪の洗浄容易化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、左右後車輪(5),(5)の前方と上方を覆うフェンダー(13),(13)であって、この左右フェンダー(13),(13)は後車輪(5),(5)の内側面付近から分割可能として外側のフェンダー(13a),(13a)と内側のフェンダー(13b),(13b)とから構成し、前記外側の分割フェンダー(13a),(13a)を着脱自在に構成したことを特徴とするトラクタとする。
後車輪(5)を覆う左右のフェンダー(13),(13)は、後車輪(5),(5)の内側面付近から分割できるため、分割された外側フェンダー(13a),(13a)の着脱が容易であり、外側フェンダー(13a),(13a)を取り外すと、車輪周辺のメンテナンスが容易にでき、また、車輪の洗浄においても車輪の内側面まで容易に行うことができる。
【0006】
請求項2記載の本発明は、前記左右の内側フェンダー(13b),(13b)の下方には、ミッション側への泥土飛散を防止する泥除けカバー(17)を設けたことを特徴とする請求項1記載のトラクタとする。
【0007】
この泥除けカバー(17)によって、左右後車輪(5),(5)によるミッション側への泥土飛散を防止でき、ミッション部に設置された油圧シリンダケース等の油圧機器やフェンダー内に設置された各種操作レバーの操作連動機構などを防護することができる。
【発明の効果】
【0008】
以上要するに、請求項1の本発明によれば、左右のフェンダーは、左右の後車輪の内側面付近から分割することができるので、分割された外側フェンダーの着脱作業が外側から難なく容易にでき、外側フェンダーを取り外した場合には、車輪周辺のメンテナンスが容易にできるばかりでなく、車輪に付着した泥土の除去作業においても車輪の内側面まで行き届き洗浄作業を容易に行うことができる。
【0009】
請求項2の本発明によれば、請求項1の発明効果を奏するものでありながら、左右フェンダーの内側には泥除けカバーを設けることによって、左右の後車輪によるミッション側への泥土飛散を防止でき、ミッション部に設置された油圧機器やフェンダー内に設置された各種操作レバーの操作連動機構などを防護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、トラクタを示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前車輪4及び後車輪5に伝えるようにしている。エンジンEの後方に前車輪4,4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケース8が搭載され、このシリンダケース8の左右両側には、油圧昇降機構の一部を構成するリフトアーム9が回動自在に取り付けられている。リフトアーム9は昇降用油圧シリンダの伸縮作動により上下動する。車体後部には、トップリンク11と左右のロアーリンク12からなる3点リンク機構を設け、同リンク機構にロータリ作業機等を装着するようにしている。
【0011】
左右の後車輪5,5の前方と上方を覆うフェンダー13,13は、後車輪5,5の内側面近くを分割面として左右内外に分割可能に構成してある。分割された外側フェンダー13aは、内側フェンダー13bに対してノブ等の取付具により着脱自在に連結する構成としている。左右のフェンダー13,13間(内側フェンダー13b,13b間)は、中間板体14によって一体的に連設することによりフェンダー成形体15を構成している。また、このフェンダー成形体15には、水抜けをよくするために魚骨状の水抜き溝16を形成してあり、水抜き溝16の押出し成形によって断面形状が波型に成形された形になるため、強度上有利な構成となる。
【0012】
内側フェンダー13bの内側壁Fiは、外側フェンダー13aの外側壁Fuより下方に長く延出されてあり、そして、そのフェンダー内側壁Fiの下方には、ミッションケース8側への泥土飛散を防止する泥除けカバー17が設けられ、機体側支持フレーム18にボルト等の締付具19で着脱自在に装着されている。
【0013】
フェンダー13,13上には各種の操作レバーを案内するガイド溝20を有したガイド板21が附設されている。各種の操作レバーとして、右側にコントロールレバー(ポジションレバー)22、左側に主変速レバー23、副変速レバー24、PTO変速レバー25等が配置されている。各操作レバー22、23、24、25等の操作連動機構は上記泥除けカバー17によって防護され,後車輪からの泥土を被ることがない。
【0014】
従来は、図6に示すように、左右の前車輪4,4を操向操舵するパワステシリンダ30の伸縮移動部材30a,30aを防護するパワステシリンダガード31,31がフロントアクスルハウジング32に対してボルトなどで別々に装着する構成のものであった。このような従来構成を、例えば、図7に示すように、パワステシリンダ30全体を被覆して防護するように構成しておくと、部品点数が減少し取り扱いも良くなり便利である。また、図8及び図9に示すように、図8の左半分及び図9の左半分に示す従来例に対し、図8の右半分及び図9の右半分に示す本例では、パワステシリンダガード31,31とフロントアクスルハウジング32とを鋳物で一体化することによって部品点数を大幅に削減することができ、安価に実施することができる。
【0015】
図10に示す実施例は、運転席位置やオペレータの体格によってポジションレバー位置を任意に変更できる構成としている。ポジションレバー22を途中部から分割し、基部22b側の分割面に設けた数個の調節孔34…を有する雌座35に対し、先端22a側の分割面に設けた1個又は2個の突起36を有する雄座37を差し込んで固定できるように位置変更自在に構成している。つまり、図例では、雌座35側には縦横3個づつの計9個の調節孔34…を有するのに対し、雄座37側には1個又は2個の突起36を有し、各調節孔34…に対する突起36の嵌入位置を変えることによってオペレータの体格に応じたレバー位置の変更調節が行える。
【0016】
また、図11に示すように、ポジションレバー22の揺動操作圏内には、該レバー22の最終操作域がガイド溝20の端部に接当しない手前位置となるようポジションストッパー38,38を設けることによってレバーのオーバーラン並びに樹脂製ガイド板の変形や破損を防止することができる。
【0017】
従来、トラクタのミッションブリ−ザパイプは、直接ミッション部から取り出すようにしていた。ミッション部内でのオイル温度が上昇すると、圧が抜けにくいため、シール部に負担がかかり寿命を短くしていた。本例では、図12に示すように、ブリ−ザパイプ40をミッション部3の給油口41から取り出すように連通構成することで、オイル温度が上昇しても圧が抜けるのでシール部の保護を図ることができる。
【0018】
図13に示す実施例では、フロントアクスルハウジング32にブリ−ザとなるアダプタ42を設け、このアダプタ42には泥水が入らないようにホース43を設けた構成としている。そして、このホース43は本機のフロントアクスルが水田に沈下しても泥が入らない位置まで上方に高く延長してラジエータブラケット44等に固定保持する構成としている。従来、フロントアクスルにはブリ−ザがなく、アクスル内圧が高くなると、スリーブ、オイルシールよりオイルの漏れが発生し、また、フロントアクスルが水田に沈んだ場合、シール部より泥が侵入し、ギヤ、シャフト、ベアリングなどの寿命が短くなる問題があった。本例では、上記構成により、内圧を低く抑えることができるので、オイル漏れがなくなり、シール部より泥土の侵入がなく、アクスル内におけるギヤやシャフト、ベアリング等の長期寿命が確保される。
【0019】
従来、トラクタで使用されているウインカーは、ステアリングハンドルを少し戻すだけでウインカーへの指示が解除されてしまう。そのため、左折時や右折時にハンドルを僅かに戻したりすると、ウインカーが消えてしまい非常に危険である。そこで、本例では、図14に示すように、クラッチペダル45のクラッチ入り切りを検出するリミットセンサ46と左右方向を指示するウインカー47をリレー48やターンシグナル(ウインカースイッチ)49を持つ電気回路で接続し、クラッチペダル45が踏み込まれている(クラッチ切り)間はウインカー47がメカ的に解除されてもウインカーの点滅が継続されるように構成する。従って、これによれば、左折・右折時にウインカーを作動させ、クラッチペダルを踏んで一旦停止した後にハンドルを若干戻したとしても、ウインカーの作動は継続し、トラクタのように速度の遅い車両においてより安全となる。
【0020】
また、上記の構成に加えて、図15に示すように、コントローラ50の入力側に前輪切れ角センサ51を接続して設け、クラッチペダルによるクラッチ解除後においても前輪の切れ角が所定値になるまでウインカーが点滅するように構成することもできる。要するに、左折・右折時にウインカーを作動させ、クラッチペダルを踏んで一旦停止した後にハンドルを若干戻したとしても、ウインカーの作動は継続し、更に、クラッチ解除(クラッチ入り)後においても、前輪切れ角センサ51が所定の前輪切れ角を検出するまで、即ち、機体進行方向の変更(左折又は右折)を完了するまでウインカーが作動する構成としたものである。
【0021】
図16に示す実施例は、ウインカー回路にタイマーリレー48Tを設け、メカ的にウインカーが解除された後も、一定時間ウインカーが点滅するように構成したものである。つまり、このタイマーリレーは、ハンドルを戻すことによりメカ的に解除されるウインカーランプへの指示を解除後も一定時間維持するものである。
【0022】
また、図17に示す実施例では、ウインカー回路に時間長さの異なる3個のタイマーリレー48T1,48T2,48T3を設け、前輪切れ角センサによる信号によりコントローラでウインカーの作動時間長さを決定するように構成している。つまり、ウインカー作動時の最大前輪切れ角を前輪切れ角センサ51により検出し、その検出結果をコントローラ50より3個のタイマーのうち、最適なタイマーへ自動的に接続する構成としている。
【0023】
更に、図18に示す実施例では、このウインカー回路に設けられるリレー48は、ハンドルを戻すことによりメカ的に解除されるウインカーランプへの指示を解除後も一定時間維持するようになっている。タイマーの時間長さは後記するセンサの状態により3段階で自動的に変化するものとする。そして、タイマー設定のセンサとして、前輪切れ角センサ51を利用し、切れ角の大きさによってコントローラ50によりタイマーが自動的に最適な時間長さに設定されるようにしている。従って、これによれば、前輪の切れ角に応じたウインカー点滅の時間長さが自動的に設定されるので、オペレータは無駄な神経を使う必要がなくなる。
【0024】
なお、上記図18に示す実施例においては、ウインカーのレバーを反対側に操作して方向指示の切り替えを行うと、タイマーリレーに優先して反対側のウインカーが点滅するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トラクタの左側面図
【図2】トラクタの右側面図
【図3】トラクタ要部の平面図
【図4】フェンダーの平面図
【図5】同上背面図
【図6】フロントアクスルハウジングの従来例を示す正面図
【図7】本例のフロントアクスルハウジングを示す正面図
【図8】フロントアクスルハウジングの平面図
【図9】同上正面図
【図10】トラクタの操作部要部の側面図
【図11】トラクタの操作部要部の側面図
【図12】ミッション部のブリ−ザ機構を示す背面図
【図13】フロントアクスルのブリ−ザ機構を示す斜視図
【図14】ウインカー回路図
【図15】ウインカー制御ブロック回路図
【図16】ウインカーブロック回路図
【図17】ウインカー制御ブロック回路図
【図18】ウインカー制御ブロック回路図
【符号の説明】
【0026】
5 後車輪
13 フェンダー
13a 外側フェンダー
13b 内側フェンダー
15 フェンダー成形体
17 泥除けカバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右後車輪(5),(5)の前方と上方を覆うフェンダー(13),(13)であって、この左右フェンダー(13),(13)は後車輪(5),(5)の内側面付近から分割可能として外側のフェンダー(13a),(13a)と内側のフェンダー(13b),(13b)とから構成し、前記外側の分割フェンダー(13a),(13a)を着脱自在に構成したことを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記左右の内側フェンダー(13b),(13b)の下方には、ミッション側への泥土飛散を防止する泥除けカバー(17)を設けたことを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
【請求項1】
左右後車輪(5),(5)の前方と上方を覆うフェンダー(13),(13)であって、この左右フェンダー(13),(13)は後車輪(5),(5)の内側面付近から分割可能として外側のフェンダー(13a),(13a)と内側のフェンダー(13b),(13b)とから構成し、前記外側の分割フェンダー(13a),(13a)を着脱自在に構成したことを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記左右の内側フェンダー(13b),(13b)の下方には、ミッション側への泥土飛散を防止する泥除けカバー(17)を設けたことを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−132311(P2009−132311A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310878(P2007−310878)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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