説明

トルク伝達装置及びこのトルク伝達装置を備えたドライブトレイン

【課題】トルク伝達装置を改良して、少ないエネルギー消費で内燃機関の高い出力を伝達し、かつ高い伝達効率及び長い耐用年数を有するクラッチの簡単かつ確実な操作を可能にする。
【解決手段】トランスミッション入力軸31,42が、摩擦クラッチ27,38によってクランクシャフト4に連結され、摩擦クラッチが摩擦ユニット78,79を有し、かつトランスミッション入力軸31,42の回転軸線80に沿って軸方向で互いに負荷可能であり、摩擦ユニットが、層構造の複数の摩擦パートナーより形成され、かつそれぞれの摩擦ユニットに配属された操作部分44,45によってストッパに向かって負荷され、摩擦クラッチ27,38の操作部分と共に、操作ベアリング48,49を介在させて、定置のケーシング部分58に相対回動不能に結合された、各操作部分に軸方向に作用する操作装置51,52が配置され、摩擦クラッチ27,38が湿式駆動形式で駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランクシャフトを備えた内燃機関と、少なくとも1つの摩擦クラッチを備えた少なくとも1つのトランスミッション入力軸を有するトランスミッションとの間でトルクを伝達するための、自動車のドライブトレイン内に設けられたトルク伝達装置に関する。また本発明は、2つのトランスミッション入力軸と1つのトランスミッション出力軸とを備えたツインクラッチトランスミッション及び内燃機関を有する、特にドライブトレインのためのトルク伝達装置であって、この場合、各トランスミッション入力軸がトルク伝達装置のクラッチによって内燃機関に接続可能である形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
2つのトランスミッション入力軸を備えたツインクラッチトランスミッションで、各トランスミッション入力軸のためのそれぞれ1つの湿式クラッチに各1つのトルク伝達装置が配属されており、湿式クラッチが相応のピストンユニットによって流体静力学的に操作され、このために必要な圧力及び場合によっては(必要な場合には)クラッチを冷却するための圧力は、圧力媒体ポンプによって生ぜしめられるようになっているものは公知である。このような形式のポンプは高い出力を有していて、相応に多くのエネルギーを消費する。ポンプとピストンユニットとの間には、ポンプによって圧力媒体を用いて生ぜしめられる、クラッチを操作するための圧力を形成するために、シールを備えた回転ガイドが設けられており、このシールは定置の構成部分と回転する構成部分との間をシールする。このようなシールの耐用年数を高めるために相応の手段を講じる必要がある。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願第10340528.3号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許公開第10033649号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、トルク伝達装置及びドライブトレインを改良して、2つのトランスミッション入力軸のクラッチを介して、少ないエネルギー消費で内燃機関の高い出力を伝達することができ、同時に、高い伝達効率及び長い耐用年数を有する、クラッチの簡単かつ確実な操作を可能にすることである。しかも製作コストが安価で、製造及び組み立てが簡単でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、クランクシャフトを備えた内燃機関と、少なくとも1つの摩擦クラッチを備えた少なくとも1つのトランスミッション入力軸を有するトランスミッションとの間でトルクを伝達するための、自動車のドライブトレイン内に設けられたトルク伝達装置において、次の構成の組み合わせによって解決された。つまり、トランスミッション入力軸が、摩擦クラッチによってクランクシャフトに連結可能であって、摩擦クラッチが、駆動側及び/又は被駆動側の摩擦ユニットを有しており、これらの摩擦ユニットが、摩擦係合を形成するために、トランスミッション入力軸の回転軸線に沿って軸方向で押圧することによって互いに負荷可能であって、単数又は複数の摩擦ユニットが、軸方向で駆動側及び被駆動側に交互に層状に配置された複数の摩擦パートナーより形成されており、摩擦クラッチの単数又は複数の摩擦ユニットが、それぞれの摩擦ユニットに配属された操作部分によってストッパに向かって負荷されるようになっており、摩擦クラッチの操作部分と共に、操作ベアリングを介在させて、定置のケーシング部分に相対回動不能に結合された、各操作部分に軸方向に作用する操作装置が配置されており、摩擦クラッチが湿式駆動形式で駆動されるようになっている、構成の組み合わせによって解決された。
【0005】
また前記課題は、クランクシャフトを備えた内燃機関と、少なくとも1つの摩擦クラッチを備えた少なくとも1つのトランスミッション入力軸を有するトランスミッションとの間でトルクを伝達するための、自動車のドライブトレイン内に設けられたトルク伝達装置において、次の構成の組み合わせによって解決された。つまり、
各トランスミッション入力軸が、摩擦クラッチによってクランクシャフトに連結可能である。複数のトランスミッション入力軸の配置は、第1のトランスミッション入力軸を中心にして同心的に配置された、中空軸として構成された第2のトランスミッション入力軸又は、互いに平行に配置されたトランスミッション入力軸を備えていてよい。
【0006】
各摩擦クラッチは駆動側及び被駆動側の摩擦ユニットを有しており、これらの摩擦ユニットが、少なくとも1つのトランスミッション入力軸の回転軸線に沿って軸方向で押圧することによって、摩擦係合を形成するために、摩擦パートナーとして互いに負荷可能である。例えば入力部分によって駆動され、かつ出力部分を負荷するディスクが交互に積層されて1つのディスクセット(Lamellenpaket)を形成しており、この場合、被駆動側及び/又は駆動側のディスクは、摩擦パートナーの摩擦値を高めるために摩擦ライニングを厚くすることができる。
【0007】
2つの摩擦クラッチの摩擦ユニットは、半径方向で上下に又は軸方向で相前後して配置されている。2つの摩擦クラッチの一様な伝達効率を得るために、2つの摩擦クラッチはその摩擦効率に関連して互いに適合されており、例えば半径方向で外側の摩擦クラッチのリング状の摩擦パートナーは、内径と外径との間の小さい差を有していて、及び/又は半径方向で外側の摩擦クラッチの摩擦ユニットはより少ない摩擦部材を有している。異なる摩擦材料を選択することも同様に有利である。
【0008】
各1つの摩擦クラッチの複数の摩擦ユニットは、それぞれの摩擦ユニットに配属された操作部分によってストッパに向かって負荷されるようになっている。操作部分としてディスク部分又はレバー部分が設けられており、このディスク部分又はレバー部分は、クラッチの、回転するが軸方向で定置の部分に固定されていて、この部分に対して旋回可能であり、軸方向で負荷を受けた時に、駆動側及び被駆動側の摩擦パートナーをストッパに向かって押し付け、それによって摩擦クラッチがまずスリップし、次いで固着するようになっている。摩擦クラッチは、所望のトルクが内燃機関から相応のトランスミッション入力軸に伝達されるまで、押し付ける、つまり接続するようになっていれば、有利である。
【発明の効果】
【0009】
各摩擦クラッチの操作部分と共に、操作ベアリングを介在させて、定置のケーシング部分に相対回動不能に結合された、各操作部分に軸方向に作用する操作装置が配置されており、2つの摩擦クラッチが湿式駆動形式で駆動されるようになっている。このような形式で、回転ガイド部が設けられていない操作システムが提案される。何故ならば、液圧式の作用関係において、圧力供給装置/定置の管路/回転する管路/クラッチを負荷するための圧力ピストンは、従来技術のツインクラッチと同様に、操作装置とクラッチとを回転連結するための機械式の操作ベアリングによって回転せしめられるからである。このような形式で、摩擦クラッチがツインクラッチトランスミッションの操作(液圧式、空圧式、機械式又は電気式のアクチュエータによって、及びこれらの組み合わせ)とは無関係に、適当な操作システムを備えることができるトルク伝達システムが提供される。
【0010】
従って、電気液圧式の操作装置を備えたトルク伝達装置が有利である。この場合、少なくも1つの操作装置が、電動モータによって操作される、ピストン/シリンダユニットより成る液圧式のマスタユニットと、相応の操作ベアリングを軸方向で負荷する、ピストン/シリンダユニットより成る液圧式のスレーブユニットと、このマスタユニットとスレーブユニットとを接続する圧力媒体管路とから形成されていてよい。スレーブユニットは、少なくとも1つのトランスミッション入力軸を巡って配置された、操作ベアリングを負荷するためのサブユニットを有している。この場合、2つの摩擦クラッチを負荷するためのスレーブユニットが、外周に亘って分配配置されたサブユニットを有しており、これらのサブユニットは、外周に亘って交互に分配され、かつほぼ一様な外周上に配置することができる。選択的に、1つのスレーブユニットは、圧力負荷可能なリングシリンダとこのリングシリンダ内に軸方向しゅう動可能に配置されたリングピストンとから成る摩擦クラッチのためのものであって、この場合、互いに上下に配置された2つのスレーブユニットはそれぞれ1つの摩擦クラッチを操作することができる。外側のリングピストンが、半径方向で内側のリングピストンに軸方向でしゅう動可能に直接的に気密に支承されている配置構成が特に有利である。この場合、2つのピストンのためにそれぞれ1つの別個の圧力室が設けられており、それによって2つのクラッチは互いに独立して操作することができる。
【0011】
特に切換装置の液圧構成部材を制御するための制御部分及びポンプを備えた液圧式に操作されるツインクラッチトランスミッションを有するドライブトレインのために、操作ベアリングを負荷するための複数のスレーブユニットがトランスミッションケーシングの壁部に直接受容されていて、これらのスレーブユニットに制御部分によって制御されてポンプ圧が供給され、クラッチを操作するようになっていれば有利である。このような配置構成を、セミオートマチックトランスミッション(ASG)又は無段変速トランスミッション(CVT)等の液圧式に制御されるオートマチックトランスミッションと協働するシングルクラッチのために使用しても有利である。この場合、ピストン/シリンダユニットはトランスミッションの壁部内に、及び/又は相応の制御部内に受容されているか、又は少なくとも1つのピストンが、ケーシング壁部内又は制御部内に形成されたシリンダ内で軸方向にしゅう動可能に設けられていてもよい。
【0012】
別の実施例によれば、電磁式の操作装置が設けられており、この場合、少なくとも1つの摩擦クラッチの負荷が、トランスミッション入力軸のうちの1つに対してほぼ垂直に配置された電動モータ式の回転駆動装置によって行われ、この場合、回転運動がトランスミッションによって、相応の操作ベアリングを負荷するためのトランスミッション入力軸のうちの1つの沿った並進運動(平行移動運動)に変換される。これについては、例えばドイツ連邦共和国特許出願第10340528.3号明細書に開示されている(その内容はすべて、本特許明細書中に記載されている)。選択的に、少なくとも1つの摩擦クラッチの負荷を、トランスミッション入力軸に対してほぼ平行に又は同心的に配置された電動モータ式の回転駆動装置によって行うようにしてもよい。この場合、回転運動が、トランスミッションによって、相応の操作ベアリングを負荷するための、このトランスミッション入力軸に沿った並進運動に変換される。これについては、例えばドイツ連邦共和国特許公開第10033649号明細書に開示されている。
【0013】
湿式駆動式の2つの摩擦クラッチは、軸方向力を用いてレリーズ(解離)される、特別なインサート(挿入体)内で強制的に閉鎖されるクラッチであってよい。標準的なインサートにおいては、この摩擦クラッチは押圧式のクラッチである。つまり、このクラッチは操作装置によって負荷されない状態で解離され、軸方向力で負荷されることによって押し付けられる(接続される)ようになっている。
【0014】
特にスリップに基づいて大きい摩擦熱が発生した時に、少なくとも1つの摩擦クラッチを冷却するために、少なくとも1つの摩擦クラッチを冷却するための冷却媒体流をポンプによって供給するようにすれば有利である。トランスミッションから完全に独立した運転形式において、このポンプは、内燃機関の壁部とツインクラッチトランスミッションの壁部との間の領域に形成されたクラッチケーシング内に配置されていてよい。この場合、冷却媒体流は、トランスミッションと共通のオイルパンから、又はトランスミッションからポンプによって吸い込まれるか、又は摩擦クラッチのために別個のオイル循環路が設けられている。さらにまた、特にトランスミッションを制御するための液圧式のポンプが設けられていない場合に、ポンプの出力を、冷却媒体流を供給できる程度に設計すれば、有利である。ポンプは、クランクシャフトによって、又はこのクランクシャフトに接続された構成部部分によって駆動される。例えばポンプがトランスミッションケーシングに配置されている場合、クラッチ構成部分がトランスミッションの近傍でポンプに噛み合っている。この場合、このクラッチ構成部分は、有利な形式で、ディスク支持体に結合された構成部分であってよい。この構成部分は、半径方向で外側に配置された内接歯車ポンプ(インターナルギヤポンプ)のリングギヤを歯車によって駆動し、この場合、内接歯車ポンプは有利な形式で、トランスミッションの2つの孔間の、構造スペースを節約する領域内に配置されている。クランクシャフト又は電動モータによる駆動は、歯車接続、ベルト駆動装置、チェーン駆動装置又はこれと類似のものによって行われる。
【0015】
内接歯車ポンプは、内歯列を備えたリングギヤによって駆動され、この場合、内歯列は太陽歯車の外歯列と噛み合い、冷却媒体を吸い込むための鎌形吸込み口が設けられている。有利な形式で、太陽歯車はその外歯列が、この外歯列に相補的に対応する、鎌形吸込み口のセグメントに対して半径方向に支承されており、それによって太陽歯車の別個の支承部は省くことができる。選択的に、ジェロータポンプ(Gerotorpumpe;内接歯車ポンプ、トロコイドポンプ)を使用しても有利である。ポンプの必要エネルギーを低減させるために、ポンプの容積流は吸込み絞りによって制御され、この場合、吸込み絞りは電磁弁によって行われる。このような形式で容積流は、例えば駆動回転数の所定の回転数まで比例し、所定の制限回転数から一定の値に維持される。経験によれば、冷却媒体圧力は5bar(バール)有利には3barに制限され、容積流は最大で36リットル/毎分、有利には24リットル/毎分である。有利な形式で、摩擦クラッチの摩擦ユニットとポンプとの間にオイル冷却装置が介在されている。冷却媒体は、オイルパンの室内に形成された相応の開口を通って漏れ出ることができ、この場合有利な形式で、遠心力の影響を受けて半径方向で外方に押しやられた冷却媒体が、ケーシング固定的に取り付けられた汲み上げ管によって汲み上げられて、オイルパンにガイドされる。このような形式の汲み上げ管は、有利な形式で、別の機能部材を有する構成ユニット、例えばスレーブユニットにまとめられる。
【0016】
本発明の考え方に従って、クラッチケーシングは、所定のオイルレベルまで、冷却媒体若しくは圧力媒体例えば市販のATFが満たされる。
【0017】
しかしながら特に有利には、内燃機関の壁部とツインクラッチトランスミッションの壁部との間のクラッチケーシング内に、クラッチケーシングに対して液密にシールされた室が形成されており、この室内に少なくとも2つの摩擦クラッチが受容されている。トランスミッションと共通の構造スペースを設けてもよい。この構造スペースは、2つの摩擦クラッチによって取り囲まれた構成部分例えば鉢状の入力部(例えばディスク支持体)によって形成されており、この場合、この構成部分に結合された部分は、定置の部分例えば操作装置又はトランスミッションケーシングの構成部分に気密に、かつ回転可能に支承されている。室を形成するために、選択的に、ディスク部分がトランスミッションケーシングに堅固に結合されていて、回転部分(例えば入力部のハブ)に回転可能かつ液密に支承されていてもよい。
【0018】
内燃機関からトランスミッション内に導入される回転振動を減少又は解消するために、トルク伝達装置に、クランクシャフトと2つの摩擦クラッチの入力部との間に配置されたダブルマスフライホイールが設けられる。このダブルマスフライホイールは、圧力液体で満たされた室(530,630)内に組み込まれているか、又はこの室の外に配置されている。ダブルマスフライホイールは、室のためのケーシングの一部を形成し、かつ/又はポンプのための駆動部分を有している。クランクシャフトにおけるダブルマスフライホイールの受容は、軸方向でフレキシブルなディスク部分(いわゆるフレックスプレート“flexplate”)によって行われる。このような形式で、ダブルマスフライホイールを有していないトルク伝達装置を同様に、クランクシャフトに受容することもできる。ツインクラッチと湿式クラッチとの質量比に関連して、周方向に作用する少なくとも1つのエネルギー蓄え装置(蓄力器)に抗して相対的に回転可能な2つのマス(質量体)を少なくとも一時的に互いに連結可能に構成すれば、有利である。この場合、この連結は遠心力に基づく摩擦装置によって行うようことができる。次の質量比、つまり駆動側の連結可能な第1のマスが0.1±0.04kgmの慣性モーメントを有していて、駆動側の第2のマスが0.04〜0.08kgmの慣性モーメントを有している場合に、前記連結を用いれば特に有利である。さらにまた、2つのマスの連結を、毎分1200〜1800回転の範囲まで維持すれば、有利である。
【0019】
トルク伝達装置の組み付けは、スレーブユニット及び場合によってはダブルマスフライホイールを備えた完全な構造ユニットを、ツインクラッチトランスミッションの入力軸に取り付けて、内燃機関とトランスミッションとの組み立て時に、クランクシャフトに結合された軸方向でフレキシブルな駆動構造部に、例えば「フレックスプレート」のように相対回動不能に(一緒に回転するように)結合することによって、行われる。ダブルマスフライホイールの一部又はダブルマスフライホイール全体を、クラッチユニットとは別個にクランクシャフトに結合し、軸方向のシフト可能性及び結合された部分の相対回動不能な連行を可能にする差込接続部等の接続部材を介して、内燃機関とトランスミッションとの結合が得られるようになっていても有利である。トルク伝達装置をガイドするために、このトルク伝達装置にパイロットベアリングが設けられており、このパイロットベアリングによって、トルク伝達装置はクランクシャフトに回転可能に受容されている。トルク伝達装置を、例えばスライドベアリングによって軸方向で支持すれば、同様に有利である。特に有利には、トルク伝達装置、若しくはこのトルク伝達装置の軸方向でシフト可能若しくは移動可能な構成部分を、組み立て時に軸方向で粗調整し、そして操作装置を相対回動不能、しかしながら軸方向で移動可能にトランスミッションケーシングに結合し、トルク伝達装置の最初の運転時に、トランスミッションオイル(ATF)の軸方向に作用する調節可能な圧力によって、軸方向に移動可能な構成部分に最終的に、例えば相応に配置された複数のストッパに当接することによって、位置決めするようになっている。
【0020】
特に有利な実施例によれば、例えば、ポンプの太陽歯車がベアリング端部を有していて、該ベアリング端部によって太陽歯車が一方側で支承されている形式のトルク伝達装置が設けられている。ベアリング端部は、有利には短く構成されていて、小さい半径方向力を半径方向だけで支持するため用いられる。太陽歯車のガイドは、ケーシング壁部の互いに平行な2つの面間で自動的に行われる。
【0021】
トルク伝達装置の別の有利な実施例は、リングギヤがポンプ歯車に相対回動不能に連結されていることを特徴としている。ポンプ歯車は、音響的な理由により、有利な形式で斜歯(はす歯)の歯列を備えている。リングギヤとポンプ歯車との間の一体的な結合において、ポンプの運転中に軸方向力が発生し、この軸方向力によってリングギヤがポンプケーシング壁部に押し付けられるようになっている。これによって一方側では大きい漏れギャップが生じ、他方側では小さいギャップが生じる。またこれによって、ポンプの容積的な効率が低下する。何故ならばギャップの高さは漏れに対して3乗の影響を及ぼすからである。本発明に従ってポンプ歯車とリングギヤとを2つに分けて構成したことによって、このような欠点は避けられる。トルクの連行は、有利な形式で、例えばリングギヤに設けられた少なくとも1つの焼結された突起、又はポンプ歯車又は付加的なインサート(挿入体)によって行われる。
【0022】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、ポンプ歯車が駆動歯車と噛み合っており、該駆動歯車は連結装置によって、摩擦クラッチのうちの一方の入力部に相対回動不能に連結されている。連結装置は、有利には金属薄板部分である。連結装置を形成する金属薄板部分は複数の機能を有している。まず第1に、この金属薄板部分はポンプトルクを駆動歯車に伝達する。さらにまた、金属薄板部分は冷却オイルを駆動歯車を通ってガイドするオイルガイドとして用いられる。
【0023】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、連結装置が少なくとも1つの連行突起を有しており、この連行突起は、駆動歯車に設けられた連行切欠内に係合するようになっている。連行突起を介して、ポンプトルクが連結装置から駆動歯車に確実に伝達される。
【0024】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、連結装置が、駆動歯車とベアリング装置との間に配置された複数の接続溝を備えた貫通区分を有しており、該連結装置によって、駆動歯車が、トランスミッション入力軸のうちの一方に支承されている。接続溝は、例えば金属薄板部分に形成された例えば一種の歯列であって、冷却オイルを、半径方向で見て、ベアリング装置と駆動歯車との間で貫通させることができる。接続溝は付加的に、オイルの流れを補助するねじれを有していてよい。
【0025】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、連結装置が、歯列を備えた区分を有しており、該歯列を介して連結装置が、連結部材と相対回動不能に結合されている。この連結装置は、別の金属薄板であって、この金属薄板を介して連結装置は、摩擦クラッチのうちの1つの入力部に相対回動不能に結合されている。
【0026】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、連結部材がセンタリング区分を有しており、このセンタリング区分が操作ベアリングのうちの1つに当接している。センタリング区分を介して連結部材は有利な形式で内側の操作ベアリングの内レースでセンタリングされている。有利な形式で、連結部材はプレス接続によって操作ベアリングの内レースに結合されている。連結部材と摩擦クラッチの入力部との間の相対回動不能(一緒に回転可能)な結合は、少なくとも1つの湾曲した突起によって行われる。この突起は摩擦クラッチのうちの1つの操作レバーに相対回動不能に結合されている。
【0027】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、ポンプがポンプカバーを有しており、このポンプカバーに駆動歯車が軸方向で当接している。このポンプカバーは、有利な形式で、斜歯の歯列によって生ぜしめられた軸方向力がポンプカバーによって受容されるように、駆動歯車を取り囲んでいる。これによって、ポンプカバーと駆動歯車との間の付加的なシールが得られる。
【0028】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、ポンプがトランスミッションケーシング区分に組み込まれており、該トランスミッションケーシング区分に駆動歯車が軸方向で当接している。この実施例によれば、歯列によって駆動歯車が有利な形式で別の方向に旋回せしめられ、それによって駆動歯車とトランスミッションケーシング区分との間のシールが得られる。
【0029】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、冷却媒体流がポンプの太陽歯車に形成された貫通孔を通って貫流するようになっている。これによって簡単な形式で、ポンプを両側から満たすことができ、ポンプは、吸込み制御されない状態で、クラッチの冷却が必要な場合に良好に充填されるようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明のその他の利点、特徴及び詳細は、以下に図面に示した異なる実施例に関連して詳しく説明されている。この場合、請求項及び実施例に記載した特徴はそれぞれ単独でも又は任意の組み合わせでも、発明にとって不可欠なものである。
【0031】
図1には、自動車のドライブトレイン1の一部が示されている。特に内燃機関の、クランクシャフト4から延びている駆動ユニット3と、トランスミッション(変速機)5との間に湿式駆動式の多板構造のツインクラッチ6が配置されている。駆動ユニット3とツインクラッチ6との間に振動減衰装置8が接続されている。振動減衰装置8はダブルマスフライホイールである。
【0032】
内燃機関3のクランクシャフト4は、ねじ結合部9を介して振動減衰装置8の入力部10に接続されている。振動減衰装置8の入力部10は、半径方向に配置されたほぼ円環ディスク状の形を有しており、この円環ディスクに、半径方向外側でスタータリングギヤ12が溶接されている。また振動減衰装置9の入力部10に質量体(マス)12が溶接されている。さらに振動減衰装置8の入力部10には振動減衰ケージ14が固定されており、この振動減衰ケージ14内に、複数のエネルギー蓄え装置若しくは蓄力器特にばね装置16が少なくとも部分的に受容されている。このばね装置16に振動減衰装置8の出力部18が作用する。振動減衰装置18の出力部18には別の質量体(マス)19が作用する。振動減衰装置8の出力部18は結合部21を介してツインクラッチ6の入力部b24に堅固に結合されている。クラッチ入力部24は、第1の多板クラッチ装置27の外側ディスク支持体26に一体的に結合されている。外側ディスク支持体26の半径方向で内側には、第1の多板クラッチ装置27の内側ディスク支持体28が配置されている。内側ディスク支持体28は半径方向内側でハブ30に固定されており、このハブ30は歯列を介して第1のトランスミッション入力軸31に相対回動不能に(つまり一緒に回転するように)結合されている。
【0033】
クラッチ入力部24若しくは、このクラッチ入力部24に一体的に結合された、第1の多板クラッチ装置27の外側ディスク支持体26は、結合部34を介して第2の多板クラッチ装置38の外側ディスク支持体36に相対回動不能に結合されている。外側ディスク支持体36の半径方向内側には、第2の多板クラッチ装置38の内側ディスク支持体4が配置されており、この内側ディスク支持体4は半径方向内側でハブ41に堅固に結合されている。ハブ41は歯列を介して第2のトランスミッション入力軸42に相対回動不能に結合されており、この第2のトランスミッション入力軸42は中空軸(環状軸)として構成されている。第2のトランスミッション入力軸42内に第1のトランスミッション入力軸31が回転可能に配置されている。図面では複数のピストンがレバーによって操作される。
【0034】
2つの多板クラッチ装置27及び28は、操作レバー44,45を介して操作され、これらの操作レバー44,45は半径方向内側の端部で以て操作ベアリング48,49に支えられている。操作ベアリング48,49は、操作ピストン51,52によって軸方向で操作される。操作ピストン51,52は、クラッチ入力部24と一緒に回転する操作レバー44,45に対して定置に配置されている。
【0035】
第1の多板クラッチ装置27の外側ディスク支持体26と結合部21との間にクラッチカバー55が配置されており、このクラッチカバー55は半径方向外側でトランスミッションケーシング区分58に固定されている。クラッチカバー55は、トランスミッションケーシング区分58と一体的に構成されていてもよい。クラッチカバー55は、内部に2つの多板クラッチ装置27及び38が収容されている湿れ室56を、内部に振動減衰装置8が収容されている乾燥した受容室(乾燥室)57に対して仕切っている。クラッチカバー55は、半径方向内側で、横断面がほぼL字形の端部60を有しており、この端部60は環状室62内に突入しており、この環状室(受容室)62は、U字形の横断面を有するクラッチ入力部24の区分によって形成されている。受容室62のU字形の横断面は、半径方向に配置されたベース64を有しており、このベース64から、2つの脚66及び67が軸方向に延びている。
【0036】
クラッチ入力部24とクラッチカバー55との間に薄リング型ボールベアリング70が配置されており、この薄リング型ボールベアリング70は半径方向でもまた軸方向でも、一方ではクラッチカバー55の端部60において支えられ、他方ではクラッチ入力部24の脚66及びベース64において支えられている。薄リング型ボールベアリング70は、半径方向に対して傾けられた接触垂線(Beruehrungsnormale)を有している。
【0037】
薄リング型ボールベアリング70に対して半径方向内側に、かつ軸方向にオーバーラップして、クラッチカバー55の端部60とクラッチ入力部24との間に半径方向軸シールリング72が配置されている。薄リング型ボールベアリング70は濡れ室56内に完全に配置されており、この濡れ室56は半径方向軸シールリング72によって乾燥室57に対して仕切られている。薄リング型ボールベアリング70は、クラッチカバー55にも、またクラッチ入力部24にも前もって組み付けられている。それぞれ他方の端部は、組み付け時に相応のベアリングリングを介して滑動するようになっている。ベアリング装置の領域内では、付加的な軸方向の固定リングは必要ない。トランスミッション5に対するその他の部分のしゅう動は、ハブ30,41に直列に接続されたストッパ73,74及び、第2のトランスミッション入力軸42の固定リング71によって制限される。図1〜図4に示した解決策は、シングルクラッチにも使用することができる。
【0038】
各摩擦クラッチ27,38は、駆動側及び被駆動側の摩擦ユニット78,79を有しており、これらの摩擦ユニット78,79は、軸方向に押圧されることによって、少なくとも1つのトランスミッション入力軸31,42の回転軸線80に沿って、互いに摩擦接続(摩擦による束縛)を形成しながら負荷されるようになっている。2つの摩擦クラッチ27,38の摩擦ユニット78,79は、半径方向で互いに上下に配置されている。摩擦ユニット78,79は、軸方向で駆動側及び被駆動側に交互に積層された複数の摩擦パートナーより形成されている。
【0039】
少なくとも1つの摩擦クラッチ27,38を冷却するために、ポンプ81によって冷却媒体流が供給される。ポンプ81は、内燃機関3の壁部とツインクラッチトランスミッション5の壁部との間に形成されたクラッチケーシング83の領域内に配置されている。ポンプ81はトランスミッションケーシング区分82に組み付けられている。ポンプ81は、有利な形式でもっぱら、冷却媒体流を供給するために、及び潤滑のために使用される。ポンプ81は、クランクシャフト4を介して駆動される内接歯車ポンプ特にジェロータポンプ(Gerotorpumpe)である。
【0040】
ポンプ81はリング歯車84を有しており、このリング歯車84に、歯車87の外歯列88が噛み合う。ポンプの構造形式に従って、冷却媒体を吸い込むために鎌形吸込み口(Saugsichel)を備えている。
【0041】
ポンプが潤滑及び冷却のためのオイルだけを循環供給することによって、非常に小さい必要最大圧力で済む。このことはつまり、構成部材の機械的負荷が小さいということである。これによって、ポンプカバー94、ポンプ歯車81,87及び場合によっては駆動歯車98/96も、プラスチック有利には熱硬化性の材料より製造することが可能である。このような熱硬化性の材料は、焼結材料及び必要な機械的後処理と比較して、より安価である。何故ならば、機械的な後処理の大部分を省くことができるからである。吸込み制御弁及び吸込み制御弁のピストン弁を包囲するケーシングが、吸込み制御弁ポンプカバー内に組み込まれているか、又はトランスミッション軸の軸受力を支える必要のない別個の部分内に組み込まれている構造が提供されている場合には、このケーシングはプラスチックより成っていてよい。
【0042】
太陽歯車87は中央のベアリング端部90を有していて、軸方向に延びる中央の貫通孔を備えている。ベアリング端部90は、トランスミッションケーシング区分82に形成された円形の切欠内に回転可能に受容されている。ベアリング端部90は意図的に短く構成されており、ポンプ81の運転中に発生するわずかな半径方向力だけを半径方向で支持するために用いられる。太陽歯車87のガイドは、この太陽歯車87が、トランスミッションケーシング区分82及び、このトランスミッションケーシング区分82にねじ結合されたポンプカバー94に設けられた面平行な2つの面91,92間に配置されていることによって行われる。ベアリング端部90は、構成部分を静止状態で合致させないようにするために短くする必要がある。
【0043】
半径方向外側でリング歯車84に少なくとも1つの連行突起95が形成されており、この連行突起95は、この連行突起95に対応する、ポンプ歯車96に半径方向に設けられた切欠に係合する。ポンプ歯車96は、駆動歯車98に噛み合い、この駆動歯車98はポンプ歯車96と同様に、斜歯(はす歯)の歯列を備えている。斜歯の歯列は音響的な理由により設けられている。斜歯の代わりに、直歯(すぐ歯)を使用してもよい。しかしながら、ポンプ81のリングギヤ84をポンプ歯車96と一体的に結合すると、リングギヤ84をポンプケーシング壁部に対して常に押し付ける軸方向力が発生する。これによって、一方側に大きい漏れギャップが形成され、他方側に小さいギャップが形成される。これによって、容積効率が低下する。何故ならばギャプの大きさの3乗が漏れに影響するからである。一方側が押し付け力に基づいて、付加的な引張損失(Schleppverlust)も発生する。このような欠点は、本発明に従って構成されたリングギヤ84及びポンプ歯車96によれば避けることができる。トルク連行は、例えば焼結された連行突起95によって行われる。この連行突起95は、中空歯84にもポンプ歯車96にも構成されているか、又は付加的なインサート部分(挿入部分)によって構成することができる。
【0044】
駆動歯車98の駆動は連結装置100を介して行われる。この連結装置100は金属薄板部分によって形成される。連結装置100は、回転軸線80に対して同心的に配置された、ほぼ円筒状周壁の形状を有している。トランスミッション5に向いた側の、連結装置100の端部には少なくとも1つの連行突起101が形成されており、この連行突起101は、駆動歯車98の半径方向内側に設けられた対応する切欠内に係合する。連行突起101から貫通区分102が延びており、この貫通区分102は、半径方向で見て駆動歯車98とニードルベアリング103との間に配置されている。ニードルベアリング103によって駆動歯車98はトランスミッション入力軸42に回転可能に支承されている。貫通区分102は、このような軸受機能の他に、冷却媒体をニードルベアリング103と駆動歯車98との間で貫流させるためにも用いられる。このために、貫通区分102内に接続溝が形成されており、この接続溝は、例えば歯列の形式で軸方向に延びている。この接続溝は、さらに付加的に、冷却媒体の流れを補助するために、ねじれを有していてよい。
【0045】
ニードルベアリング103の代わりに、トランスミッション入力軸42上で駆動歯車98を半径方向で支承するための滑り軸受を使用してもよい。連結装置100の、内燃機関3に向いた側の端部に歯列区分(歯列が設けられた区分)104が形成されており、この歯列区分104を介して連結装置100は連結部材106に相対回動不能に(つまり一緒に回転するように)結合されている。連結部材106は金属薄板部分より形成されており、この金属薄板部分は、連結装置100の歯列区分104に対して相補的に(komplementaer)構成された歯列区分を有している。互いに噛み合う歯列によって、連結部材106は連結装置100に対して相対的に軸方向にしゅう動可能である。連結部材106はセンタリング区分107を有しており、このセンタリング区分107によって、連結部材106は、半径方向内方で内側の操作ベアリング(かみ合わせベアリングとも称呼されている)49の内側リングにおいて、例えばプレス結合によってセンタリングされている。
【0046】
内燃機関3に向かって、連結部材106は半径方向に延びるガイド区分108を有しており、このガイド区分108は操作レバー45に当接する。少なくとも1つの連行突起110によって、連結部材106は操作レバー45に相対回動不能に結合されている。かみ合わせベアリング49の内側リング及び操作レバー45は、それぞれエンジン回転数で回転する。従ってポンプ81は内燃機関(エンジンとも称呼される)によって直接駆動される。多板クラッチ装置38が操作された時の噛み合いベアリング49の軸方向運動に基づいて、ガイド区分108の半径方向外側の端部は、多板クラッチ装置38の内側ディスク支持体40に接続されない。トランスミッションに向いた側の、内側ディスク支持体40にはガイド区分111が取り付けられており、このガイド区分111は冷却媒体の流出を減少させる。
【0047】
ポンプカバー94は半径方向内側で付加部109を有しており、この付加部109は、ポンプ歯車96に接して駆動歯車98まで延在している。付加部109には、駆動歯車98のための軸方向のストッパ112が形成されている。ストッパ112は、内燃機関の停止時に駆動歯車98の不都合な反動を阻止する。また図3に示されているように、ポンプカバー93は、歯車の斜歯によって形成された漏れ経路を閉鎖して、オイルが歯車98の下を通ってクラッチに達するようにするために、意図的に駆動歯車98を取り囲むように構成されている。以下に説明されているように、右側はシールディスク116によってシールされている。
【0048】
トランスミッション入力軸42は、ベアリング装置115によって少なくとも半径方向でトランスミッションケーシング区分82に支承されている。内燃機関3に向いた側でベアリング装置115に当接するシールディスク116は、冷却媒体がベアリング装置115を通って流出するのを阻止する。このために、選択的にシールディスク118をベアリング装置115内に設けてもよい。シールディスク116から、折り曲げられたアームは内燃機関3に向かって延びており、このアームに、駆動歯車98のための軸方向のストッパ119が形成されており、このストッパ119は、ポンプカバー94の付加部109に設けられたストッパ112に向き合って配置されている。
【0049】
トランスミッションケーシング区分82内に盲孔120が形成されており、この盲孔120内に吸い込み制御弁121が収容されている。吸込み制御弁121はマグネット122を有しており、このマグネット122は、ケーシング123によって周囲に対して遮蔽されている。マグネット122は、方形横断面を有するリングの形で形成されている。マグネット122内にスリーブ124が配置されていて、このスリーブ124の外側端部につば125が形成されている。スリーブ124に対して軸方向に間隔を保って、盲孔120に関連して内方に向かって別のスリーブ126が配置されており、この別のスリーブ126はつば127を有している。このつば127は、盲孔120の外側端部に形成された段部128に当接している。
【0050】
スリーブ126内には制御ピストン129が往復運動可能に受容されており、この制御ピストンの、盲孔120に関連して内方に向けられた端部にロッド130が形成されている。制御ピストン129の外側端部は、制御ピストン129とスリーブ124との間でプリロード(予備荷重)をかけられている圧縮コイルばね132によって負荷されている。ばね123のプリロード力によって、ロッド130の自由端部は、盲孔120内で往復運動可能に受容されたピストン弁134に押し付けられる。盲孔120は、半径方向で回転軸線80に向かって延びている。ピストン弁134の半径方向内側の端部にシール面135が形成されており、このシール面135は、図1に示されたピストン弁134の位置で座部136に当接している。
【0051】
冷却媒体は、接続部138を通り、オリフィスとして作用する接続孔139を通ってピストン弁134に達する。ピストン弁134のシール面135が座部136から持ち上がると、冷却媒体はピストン弁134の傍らを通って、図1に破線で示された通路141に達する。ポンプ81によって吸い込まれた冷却媒体例えばオイルは、(図示していない)オイル冷却器を介して箇所143に達し、ここでトランスミッションケーシング区分82から流出する。図1に示した、ピストン弁134の閉じた位置において、減少された冷却媒体流は長手方向孔145及び、ピストン弁134内に形成された横方向孔146を通って、接続部138から通路141に達する。
【0052】
図2には、ポンプ81が断面図で示されている。冷却オイルポンプ81は、内接歯車ポンプ特にジェロータポンプである。冷却オイルポンプ81は主に、リング歯車83と太陽歯車87とポンプカバー94とを有しており、このポンプカバー94はトランスミッションケーシング区分82にねじ結合されている。太陽歯車を介して駆動されるポンプにおけるような、太陽歯車87の中央の付加的なシールは必要ない。
【0053】
図1及び図2に示したポンプは次のように働く。オイル冷却器からトランスミッションケーシングを介してクラッチ冷却部に流れるオイルは、前記箇所143においてトランスミッションケーシングから流出し、駆動歯車98と連結装置100との間で連結部材106の傍らを通って、ほぼ漏れることなしに、内側のクラッチの内側ディスク支持体に達する。この場合、シール円板116は、中空軸42のベアリングユニット115によって漏れ経路をシールする。このシールは、ベアリング内のシール円板118自体によっても、又は波形シールリングによっても可能である。このような特別なオイルガイドによって同時に、ニードルベアリング103及び駆動歯車98並びにポンプ歯車96の潤滑が確実に行われる。
【0054】
連結装置100及び連結部材106がエンジン回転数で回転し、強く制動された自動車において内側ディスク支持体28及び40が停止(自動車が山道で急勾配状態になった時、又は強い負荷が突然かかった時に)することによって、遠心分離されたオイル流に基づいて内側のクラッチの内側ディスク支持体において均一なオイル分布が行われる。運転中に冷却オイルが漏れ出ないようにするために、駆動歯車98を巡ってポンプカバー94が設けられている。斜歯によって生ぜしめられる軸方向力が、駆動歯車98をポンプカバー94に押し付け、それによって図3に示されているように付加的にシールされる。
【0055】
吸込み制御弁121のピストン弁134は、マグネット122に給電されない状態でばね132によって、そのシール面135が座部136に押し付けられる。これによって、接続部138を介して吸い込まれた冷却オイル流は、絞りを形成する孔145,146だけを介して、ポンプ81に形成された2つの吸込みポケットにガイドされる。このような形式で、ポンプ81は減少制御状態で作動する。この状態でクラッチの最少オイル供給が確実に行われる。何故ならばクラッチは閉鎖されているか、又はスリップ制御が実施されるからである。
【0056】
減少制御されない状態では、ロッド130が下方に移動し、それによってピストン弁134もその開放された状態にある。この場合、ピストン弁134はそのシール面135が座部136から持ち上がり、接続部138から通路141に通じる接続を開放する。太陽歯車87の、トランスミッションケーシング区分82とは反対側において吸込みポケットを得るために、オイル流が太陽歯車87の中央に形成された貫通孔148を通ってガイドされる。これによって簡単な形式で、ポンプ81を両側から満たすことができ、ポンプ81は、減少制御されない状態において必要なクラッチ冷却時に満たされるようになっている。高い温度及び高回転数時に、減少制御されていない状態においても容積流を制限するために、接続部138と袋孔120との間で、接続孔139は横断面が狭められて形成されている。
【0057】
図3及び図4には、図1と同様の図面が示されている。同じ部分には同じ符号が使用されている。見やすくするために図3及び図4では重要な符号しか記されていない。繰り返しの説明を避けるために、図1に関する前記説明が参照される。以下では、実施例の相違点についてだけ説明する。
【0058】
図3の実施例では、袋孔120内でのガイドを改善するために、ピストン弁134が図1に示した実施例におけるよりも長く構成されている。さらにまたピストン弁134は接続通路150を備えており、この接続通路150は、ピストン弁134の往復運動時に冷却媒体を流出させ、圧力補償を行うようになっている。これは、図1においては、ピストン弁134と盲孔120との間の大きい遊びによって、若しくはピストン弁134の外周面に形成された小さい溝によって行われる。
【0059】
図4に示した実施例において、中空軸42のベアリング115は、トランスミッション側から組み立てられるようになっている。トランスミッションケーシング区分82は領域170内において半径方向で内方に引き寄せられており、それによって内燃機関3に向いた側で駆動歯車98のためのストッパ171が形成されている。トランスミッション5に向いた側で、壁区分170はベアリング装置115のためのストッパを形成している。駆動歯車98の歯列及びポンプ歯車96の歯列は、図4に示した実施例では、図1〜図3に示した前記実施例とは逆の方向に傾けられている。
【0060】
図4において、ポンプカバー94に設けられたストッパ99は、左方向への歯車98のしゅう動を制限するために、一方側にだけ設けられている。運転中に、歯車がその斜歯歯列に基づいて右方向に向かってトランスミッションケーシングに押し付けられることによって、シールが行われる。図4では歯車はトランスミッションケーシングに全面的に当接している。必要であれば、歯車とトランスミッションケーシングとの間若しくは歯車とポンプケーシング(図1)との間に、硬化された緩衝ディスクを挿入してもよい。
【0061】
図4に示した実施例では、連結部材106は、内側の噛み合いベアリングにおいてセンタリングされているのではなく、外側の多板クラッチ装置27の外側の多板ディスク支持体26に懸架されている。これによってクラッチ入力部24と駆動歯車98との間の相対回動不能な結合が得られる。連結部材106の半径方向外側の端部は、操作レバー45のための載設部を形成する押圧部材160に当接している。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】組み込まれたポンプを備えた第1実施例によるトルク伝達装置の部分断面図である。
【図2】ポンプの断面図である。
【図3】第2実施例による、図1と同様のトルク伝達装置の部分断面図である。
【図4】第3実施例による、図1と同様のトルク伝達装置の部分断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 ドライブトレイン、 3 駆動ユニット、 4 クランクシャフト、 5 トランスミッション、 6 ツインクラッチ、 8 振動減衰装置、 9 ねじ結合部、 10 入力部、 11 スタータリングギヤ、 12 質量体、 14 振動減衰ケージ、 16 ばね装置、 18 出力部、 19 質量体、 21 結合部、 24 クラッチ入力部、 26 外側ディスク支持体、 27 第1の多板クラッチ装置、 28 内側ディスク支持体、 30 ハブ、 31 第1のトランスミッション入力軸、 34 結合部、 36 外側ディスク支持体、 38 第2の多板クラッチ装置、 40 内側ディスク支持体、 41 ハブ、 42 第2のトランスミッション入力軸、 44,45 操作レバー、 48,49 操作ベアリング、噛み合いベアリング 51,52 操作ピストン、 55 クラッチカバー、 56 濡れ室、 57 受容室、乾燥室、 58 トランスミッションケーシング区分、 60 端部、 62 U字形横断面を有する受容室、 64 ベース、 66,67 脚、 70 薄リング型ボールベアリング、 71 固定リング、 72 半径方向軸シールリング、 73,74 ストッパ、 78,79 摩擦ユニット、 80 回転軸線、 81 ポンプ、 82 トランスミッションケーシング区分、 83 クラッチケーシング、 84 リング歯車、 85 内歯列、 87 太陽歯車、 88 外歯列、 90 ベアリング端部、 91,92 面平行な面、 94 ポンプカバー、 95 連行突起、 96 ポンプ歯車、 98 駆動歯車、 99 ストッパ、 100 連結装置、 101 連行突起、 102 貫通区分+機能、 103 ニードルベアリング、 104 歯列区分、 106 連結部材、 107 センタリング区分、 108 ガイド区分、 109 ポンプカバー94の付加部、 110 連行突起、 111 ガイド区分、 112 ストッパ、 115 第2のトランスミッション入力軸42のためのベアリングユニット、 116,118 シール円板、 119 ストッパ、 120 盲孔、 121 吸込み制御弁、122 マグネット、 123 ケーシング、 124 スリーブ、 125 つば、 128 ねじ山付きピン、 129 段部、 130 ロッド、 132 ばね、 134 ピストン弁、 135 シール面、 136 座部、 138 接続部、 139 接続孔、 141 通路、 143 箇所、 145 長手方向孔、 146 横方向孔、 148 貫通孔、 150 接続孔、 160 押圧部材、 170 壁区分、 171 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフト(4)を備えた内燃機関(3)と、少なくとも1つの摩擦クラッチ(27,38)を備えた少なくとも1つのトランスミッション入力軸(31,42)を有するトランスミッションとの間でトルクを伝達するための、自動車のドライブトレイン(1)内に設けられたトルク伝達装置において、次の構成つまり、
トランスミッション入力軸(31,42)が、摩擦クラッチ(27,38)によってクランクシャフト(4)に連結可能であって、
摩擦クラッチ(27,38)が、駆動側及び/又は被駆動側の摩擦ユニット(78,79)を有しており、これらの摩擦ユニット(78,79)が、摩擦係合を形成するために、トランスミッション入力軸(31,42)の回転軸線(80)に沿って軸方向で押圧することによって互いに負荷可能であって、
単数又は複数の摩擦ユニット(78,79)が、軸方向で駆動側及び被駆動側に交互に層状に配置された複数の摩擦パートナーより形成されており、
摩擦クラッチ(27,38)の単数又は複数の摩擦ユニット(78,79)が、それぞれの摩擦ユニットに配属された操作部分(44,45)によってストッパに向かって負荷されるようになっており、
摩擦クラッチ(27,38)の操作部分(44,45)と共に、操作ベアリング(48,49)を介在させて、定置のケーシング部分(58)に相対回動不能に結合された、各操作部分(44,45)に軸方向に作用する操作装置(51,52)が配置されており、
摩擦クラッチ(27,38)が湿式駆動形式で駆動されるようになっている、
という構成の組み合わせを特徴とする、トルク伝達装置。
【請求項2】
クランクシャフト(4)を備えた内燃機関(3)と、少なくとも1つの摩擦クラッチ(27,38)を備えた少なくとも1つのトランスミッション入力軸(31,42)を有するトランスミッションとの間でトルクを伝達するための、自動車のドライブトレイン(1)内に設けられたトルク伝達装置において、次の構成つまり、
各トランスミッション入力軸(31,42)が、摩擦クラッチ(27,38)によってクランクシャフト(4)に連結可能であって、
各摩擦クラッチ(27,38)が駆動側及び被駆動側の摩擦ユニット(78,89)を有しており、これらの摩擦ユニットが、摩擦係合を形成するために、少なくとも1つのトランスミッション入力軸(31,42)の回転軸線(80)に沿って軸方向で押圧することによって互いに負荷可能であって、
2つの摩擦クラッチ(27,38)の摩擦ユニット(78,79)が、半径方向で上下に又は軸方向で相前後して配置されており、
複数の摩擦ユニット(78,79)が、軸方向で駆動側及び被駆動側に交互に層状に配置された複数の摩擦パートナーより形成されており、
各1つの摩擦クラッチ(27,38)の複数の摩擦ユニット(78,79)が、それぞれの摩擦ユニットに配属された操作部分(44,45)によってストッパに向かって負荷されるようになっており、
各摩擦クラッチ(27,38)の操作部分(44,45)と共に、操作ベアリング(48,49)を介在させて、定置のケーシング部分(58)に相対回動不能に結合された、各操作部分(44,45)に軸方向に作用する操作装置(51,52)が配置されており、
2つの摩擦クラッチ(27,38)が湿式駆動形式で駆動されるようになっている、
という構成の組み合わせを特徴とする、トルク伝達装置。
【請求項3】
少なくとも1つの操作装置が、電気機械式、電気液圧式又は電気空圧式の操作装置である、請求項1又は2記載のトルク伝達装置。
【請求項4】
少なくとも1つの摩擦クラッチ(27,38)の負荷が、トランスミッション入力軸(31,42)のうちの1つに対してほぼ垂直に配置された電動モータ式の回転駆動装置によって行われ、この場合、回転運動が伝動装置によって、相応の操作ベアリング(48,49)を負荷するための、トランスミッション入力軸(31,42)のうちの1つに沿った並進運動に変換されるようになっている、請求項3記載のトルク伝達装置。
【請求項5】
少なくとも1つの摩擦クラッチ(27,28)の負荷が、トランスミッション入力軸(31,42)のうちの1つに対してほぼ平行に配置された電動モータ式の駆動装置によって行われ、この場合、回転運動が伝動装置によって、相応の操作ベアリング(48,49)を負荷するための、トランスミッション入力軸(31,42)のうちの1つに沿った並進運動に変換されるようになっている、請求項3記載のトルク伝達装置。
【請求項6】
少なくとも1つの摩擦クラッチ(27,38)を冷却するための冷却媒体流がポンプ(81)によって供給され、該ポンプ(81)が、内燃機関の壁部とツインクラッチトランスミッションの壁部との間に形成されたクラッチケーシングの領域内に配置されているか、又はツインクラッチトランスミッションの壁部の後ろ又はこの壁部内に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項7】
前記ポンプ(81)が、冷却媒体流を供給するために、及び例えば駆動歯車を潤滑するために用いられる、請求項6記載のトルク伝達装置。
【請求項8】
前記ポンプ(81)が、クランクシャフト(4)によって、又はこのクランクシャフト(4)に接続された構成部分又は別個の電動モータによって駆動される、請求項7又は8記載のトルク伝達装置。
【請求項9】
ポンプ(81)が、内歯列(85)を備えたリングギヤ(84)であって、該リングギヤ(84)に、外歯列(88)を備えた太陽歯車(87)が噛み合い、この場合、冷却媒体を吸込むために鎌形吸込み口が設けられており、前記太陽歯車がその外歯列によって、この外歯列に対して相補的な、鎌形吸込み口のセグメントにおいて半径方向で支承されている、請求項6から8までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項10】
ポンプ(81)が、内歯列(85)を備えたリングギヤ(84)を有するトロコイドポンプであって、該トロコイドポンプに、外歯列(88)を備えた太陽歯車(87)が噛み合う、請求項6から8までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項11】
ポンプ(81)の太陽歯車(87)がベアリング端部(90)を有していて、該ベアリング端部(90)によって太陽歯車が一方側で支承されている、請求項6から10までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項12】
リングギヤ(84)が、例えば突起によってインサート部分に、又は一体的にポンプ歯車(96)に相対回動不能に連結されている、請求項6から11までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項13】
ポンプ歯車(96)が駆動歯車(98)と噛み合っており、該駆動歯車(98)が、トルクを伝達すると同時にオイルをガイドする連結装置(100)によって、摩擦クラッチ(27,38)のうちの一方の入力部に相対回動不能に連結されている、請求項12記載のトルク伝達装置。
【請求項14】
連結装置(100)が少なくとも1つの連行突起(101)を有しており、該連行突起(101)が、駆動歯車(98)に設けられた連行切欠内に係合するようになっている、請求項13記載のトルク伝達装置。
【請求項15】
連結装置が、駆動歯車(98)とベアリング装置(103)との間に配置された複数の接続溝を備えた貫通区分(102)を有しており、該連結装置によって、駆動歯車(98)が、トランスミッション入力軸(42)のうちの一方に支承されている、請求項13又は14記載のトルク伝達装置。
【請求項16】
前記連結装置(100)が、歯列を備えた区分(104)を有しており、該歯列を介して連結装置(100)が、連結部材(106)と相対回動不能に、及び有利な形式で軸方向にしゅう動可能に結合されている、請求項13から15までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項17】
連結部材(106)がセンタリング区分(107)、有利には突起を有しており、該センタリング区分(107)が、操作ベアリング(49)のうちの1つに当接しているか、若しくは皿ばね舌片内に係止している、請求項12から16までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項18】
連結部材(106)が、2つの外側ディスク支持体のうちの一方に直接連結されている(図4)、請求項12から17までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項19】
ポンプ(81)がポンプカバー(94)を有しており、該ポンプカバー(94)に駆動歯車(98)が当接している、請求項12から18までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項20】
ポンプ(81)がトランスミッションケーシング区分(82)に組み込まれており、該トランスミッションケーシング区分(82)に駆動歯車(98)が軸方向で当接している、請求項12から19までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項21】
ポンプ(81)によって生ぜしめられる容積流が、吸込み絞り(121)によって制御される、請求項5から20までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項22】
前記容積流が、ポンプ(81)の太陽歯車(87)に形成された貫通孔(148)を貫通してガイドされるようになっている、請求項8から21までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項23】
前記制御が電磁弁によって行われる、請求項21又は22記載のトルク伝達装置。
【請求項24】
ポンプ(81)と摩擦ユニット(78,79)との間にオイル冷却装置が接続されている、請求項5から23までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項25】
吸込み制御弁、該吸込み制御弁のピストン弁、ポンプカバー(94)、ポンプ歯車(87,84)及び/又は駆動歯車(96,98)を包囲するケーシングが、プラスチック有利には熱硬化性の材料より形成されている、請求項1から24までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項26】
ピストン弁(134)が接続通路(150)を備えており、該接続通路(150)は、ピストン弁(134)の往復運動時に冷却媒体を流出させ、それによって圧力補償を実施するようになっている、請求項1から25までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項27】
ピストン弁(134)とトランスミッションケーシング区分(82)内の盲孔との間に十分な遊びが設けられていて、この遊びが、ピストン弁(134)の往復運動時に冷却媒体を流出させ、それによって圧力補償を実施するようになっている、請求項1から26までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項28】
ピストン弁(134)の外周面に溝が設けられており、該溝は、ピストン弁(134)の往復運動時に冷却媒体を流出させ、及び/又は圧力補償を可能にする、請求項1から26までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項29】
ツインクラッチトランスミッションにおいて、請求項1から28に記載したトルク伝達装置を備えたことを特徴とする、ツインクラッチトランスミッション。
【請求項30】
内燃機関及びツインクラッチトランスミッションを有するドライブトレインにおいて、内燃機関とツインクラッチトランスミッションとの間に配置された、請求項1から28までのいずれか1項記載のトルク伝達装置を備えたツインクラッチトランスミッションを有するドライブトレイン。
【請求項31】
トルク伝達装置の使用法において、請求項1から28に記載したトルク伝達装置を、自動車のドライブトレイン用に使用することを特徴とする、トルク伝達装置の使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−10074(P2006−10074A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179745(P2005−179745)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【Fターム(参考)】