説明

トルク自動切替装置

【課題】要求されるトルクに応じて、高速回転をそのまま出力する状態から減速機を介して高トルクの低速回転を出力する状態に可逆的に切り替え可能な小型でコンパクトな構造のトルク自動切替装置を提案すること。
【解決手段】トルク自動切替装置1では、減速機8の固定部材12が、当該固定部材に負荷側から作用するトルクの作用方向には回転しないように、一方向クラッチ9を介して装置ハウジング2に取り付けられ、減速機8の回転入力部材13と当該減速機の固定部材12が、当該固定部材12に作用するトルクが所定値以下の間のみ、これらが一体回転するように、トルクリミッタ10を介して連結されている。トルクが所定値以下の間は減速動作が行われずモータ3の回転がそのまま出力され、トルクが所定値を超えると、減速動作が行われて高トルクの減速回転出力に自動的に切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの出力回転を減速機を介して出力する駆動装置に関し、特に、要求トルクが小さい時は高速回転し、要求トルクが大きいときは出力トルクの高い低速回転に自動的に切り替わるトルク自動切替装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータおよび減速機を備えた駆動装置では、モータの高速回転出力が減速機を介して、高トルクの低速回転として出力され、出力回転速度は減速比分低くなる。ここで、用途によっては、要求トルクが小さい場合にはモータの高速回転をそのまま出力し、要求トルクが大きい場合には減速機を介して高トルク回転を出力することが望ましい場合がある。
【0003】
従来においては、このような用途に駆動装置を用いる場合には、電磁クラッチなどのクラッチ機構を取り付けて、モータ回転出力を、直接に負荷側に出力するのか、減速機に入力するのかを切り替えるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、要求されるトルクに応じて、高速回転をそのまま出力する状態から減速機を介して高トルクの低速回転を出力する状態に可逆的に切り替え可能な小型でコンパクトな構造のトルク自動切替装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明のトルク自動切替装置は、減速機と、一方向クラッチと、トルクリミッタと、装置ハウジングとを有し、前記減速機の固定部材は、前記一方向クラッチを介して、前記装置ハウジングに取り付けられており、前記減速機の回転入力部材と当該減速機の固定部材は、当該固定部材に作用する前記トルクが所定値以下の間のみ、これらが一体回転するように、前記トルクリミッタを介して連結されていることを特徴としている。
【0006】
本発明のトルク自動切替装置では、一方向クラッチによる回転が可能な方向に回転入力部材を回転させる。トルクリミッタを介して減速機の回転入力部材と固定部材が連結されている。減速機の回転出力部材の側から固定部材の側に所定の値以上のトルクが作用するまでの間は、回転入力部材と固定部材が一体回転し、減速機による減速動作が行われない。すなわち、減速機の回転入力部材、固定部材および回転出力部材が一体となって回転し、回転入力部材の高速回転がそのまま負荷側に出力される。
【0007】
回転出力部材の側から固定部材の側に所定値を超える負荷側からのトルクが作用すると、トルクリミッタが作用して、固定部材と回転入力部材が切り離される。ここで、固定部材は、一方向クラッチを介して装置ハウジングに連結されており、トルクの作用方向の回転が阻止されている。このために、所定値を超えるトルクが作用した状態では、固定部材が装置ハウジングに固定され、回転入力部材のみが回転する。この結果、減速機が動作して、回転入力部材の回転が減速されて、回転出力部材から高トルクの低速回転が負荷側に出力される。負荷側から固定部材に作用するトルクが所定値以下になると、再び、減速機の減速動作が止まり、高速回転が回転出力部材から負荷側に出力される。
【0008】
ここで、切替時点のトルク値を調整できるようにするために、前記トルクリミッタによる前記回転入力部材と前記固定部材の間の摩擦係合力を調整するための調整機構を有していることが望ましい。
【0009】
また、一般的には、本発明のトルク自動切替装置は、前記回転入力部材に回転力を伝達するためのモータを有した構成とされる。
【0010】
さらに、前記減速機として各種のものを用いることができる。たとえば、遊星歯車機構を用いる場合には、前記回転入力部材は太陽歯車であり、前記固定部材は、遊星歯車を支持している遊星キャリア、あるいは、内歯歯車であり、前記減速機の回転出力部材は、前記内歯歯車、あるいは、前記遊星キャリアである。
【0011】
また、前記減速機として波動歯車機構を用いる場合には、前記回転入力部材は波動発生器であり、前記固定部材は、可撓性外歯歯車、あるいは、剛性内歯歯車であり、前記減速機の回転出力部材は、前記剛性内歯歯車、あるいは、前記可撓性外歯歯車である。
【0012】
ここで、減速機として波動歯車機構を用いた本発明のトルク自動切替装置は、前記剛性内歯歯車が前記回転出力部材であり、前記可撓性外歯歯車が前記固定部材であり、前記波動発生器からは同軸状態で回転入力軸が延びており、この回転入力軸を取り囲む状態に、前記可撓性外歯歯車に同軸状態に一端側が連結固定された円筒部材が同心状に配置されており、この円筒部材は、当該円筒部材を取り囲んでいる前記装置ハウジングの部分によって回転自在の状態で支持されていると共に、前記一方向クラッチを介して当該装置ハウジングに連結されており、前記円筒部材の他方の円環状端面は、摩擦係合式の前記トルクリミッタを介して、前記回転入力軸に連結されており、前記回転入力軸は、前記モータの出力軸であるか、あるいは、当該出力軸に同軸状態に連結固定されていることを特徴としている。
【0013】
この場合、前記トルクリミッタは、前記円筒部材の前記円環状端面に取り付けた摩擦板と、前記回転入力軸に対して、一体回転すると共にその軸線方向にはスライド可能な状態で同軸状に取り付けられたスライド式回転板と、このスライド式回転板を前記摩擦板に押し付けている付勢部材とを備えたものとすることができる。
【0014】
また、前記付勢部材として圧縮コイルばねを用いた場合には、前記調整機構は、当該圧縮コイルばねの圧縮量を調整する調整ねじとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、減速機に、一方向クラッチおよびトルクリミッタを組み込むことにより、要求されるトルクに応じて自動的に高速回転出力から高トルクの低速回転出力に可逆的に切り替え可能な小型でコンパクトな構造のトルク自動切替装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したトルク自動切替装置の一例を説明する。
【0017】
図1は本例のトルク自動切替装置を示す縦断面図である。本例のトルク自動切替装置1は筒状の装置ハウジング2を有しており、この装置ハウジング2の後端には同軸状態でモータ3が固定されている。モータ3の前面中心からはモータシャフト(回転入力軸)4が突出しており、このモータシャフト4は装置ハウジング2の内部を同軸状態に延びており、その先端が装置ハウジング2の前端の近傍位置に達している。
【0018】
装置ハウジング2の前端には、軸受け5を介して回転自在の状態で、出力フランジ6が支持されている。この出力フランジ6の内側端面の中心部分に形成した凹部には、軸受け7を介して、モータシャフト4の先端部が回転自在の状態で支持されている。また、この出力フランジ6の外側端面に負荷側の部材(図示せず)が連結される。装置ハウジング2の内部には、その前端から後端に向けて、波動歯車減速機8、一方向クラッチ9およびトルクリミッタ10がこの順番で同軸状に配置されている。
【0019】
波動歯車減速機8は、所謂、カップ型と呼ばれるものであり、剛性内歯歯車11と、この内側に同軸状態に配置されたカップ形状の可撓性外歯歯車12と、この内側に嵌めた楕円形輪郭の波動発生器13とを備えている。剛性内歯歯車11は出力フランジ6に一体形成されている。カップ形状の可撓性外歯歯車12は、半径方向に撓み可能な円筒状胴部12aと、この後端に形成されている円環状ダイヤフラム12bと、この円環状ダイヤフラム12bの内周縁に連続しているボス12cと、円筒状胴部12aの前端部分の外周面に形成された外歯12dとを備えている。ボス12cには中心穴が形成されており、ここをモータシャフト4が貫通して延びている。波動発生器13は、モータシャフト4の先端側の部位に同軸状態で固定された円筒状のハブ13aと、このハブ13aの外周面に同軸状態で取り付けた楕円形輪郭の剛性プラグ13bと、この剛性プラグ13bおよび可撓性外歯歯車12の外歯形成部分の内側面の間に嵌め込まれているウエーブベアリング13cとを備えている。ウエーブベアリング13cは半径方向に撓み可能な外輪および内輪を備えている。
【0020】
波動歯車減速機8の後ろ側には、モータシャフト4を同軸状態で取り囲む円筒部材21が配置されている。この円筒部材21の前端は、複数本の締結ボルト22によって、可撓性外歯歯車12のボス12cに同軸状態に連結固定され、当該可撓性外歯歯車12と一体回転する。また、円筒部材21は、その前後の端が一対の軸受け23、24を介して装置ハウジング2に支持されていると共に、これらの軸受け23、24の間に組み込まれている一方向クラッチ9を介して、装置ハウジング2に連結されている。したがって、円筒部材21は、一方向にのみ回転自在であり、逆方向には回転不可となっている。すなわち、この円筒部材21に連結固定されている可撓性外歯歯車12も同様に、一方向にのみ回転自在であり、逆方向には回転不可となっている。なお、一方向クラッチ9としては公知の各種の構造のものを用いることができる。
【0021】
円筒部材21の後側にはトルクリミッタ10が配置されている。トルクリミッタ10は、円筒部材21の後端面に取り付けた摩擦板31と、この後ろ側に配置した電磁ソレノイド32とを備えている。電磁ソレノイド32は、摩擦板31の後側に配置されている磁性体からなるスライド式回転板33と、このスライド式回転板33を摩擦板31に押し付けている圧縮コイルばね34と、スライド式回転板33をばね力に逆らって後側に電磁吸引可能な電磁石部35とを備えている。スライド式回転板33は、モータシャフト4に対して、一体回転するように連結されていると共に、その中心軸線4aの方向にスライド可能となっている。
【0022】
電磁ソレノイド32は通常は消磁状態とされている。この状態では、圧縮コイルばね34のばね力によってスライド式回転板33が摩擦板31に押し付けられ、モータシャフト4と円筒部材21は、これらの間の摩擦係合力によって相互に連結されており、一体回転する。これらの間の摩擦係合力よりも大きなトルクが円筒部材21に作用すると、モータシャフト4と円筒部材21の連結が解除され、モータシャフト4のみが回転する。なお、電磁ソレノイド32を励磁すると、スライド式回転板33がコイルばね34のばね力に逆らって後方に吸引されて摩擦板31から離れる。この結果、円筒部材21はモータシャフト4から完全に切り離された状態になる。
【0023】
ここで、圧縮コイルばね34は、スライド式回転板33と、これよりも後ろ側のモータシャフト4の外周面部分に配置した円筒状ばね受け36との間に圧縮状態で装着されている。円筒状ばね受け36は中心軸線4aの方向にスライド可能であり、この円筒状ばね受け36の後端は、軸受け37を介して、摩擦力調整ねじ38に連結している。摩擦力調整ねじ38は、装置ハウジング2に形成した雄ねじ2aに噛み合っている雌ねじ38aを備えた円筒部38bと、この円筒部38bから中心側に向けて延びている支持腕部38cとを備えている。支持腕部38cの内端部が軸受け37を介して、円筒状ばね受け36の後端を支持している。摩擦力調整ねじ38を回すと、当該摩擦力調整ねじ38が中心軸線4aの方向に移動し、ここに連結されている円筒状ばね受け36も同一方向に移動する。この結果、圧縮コイルばね34の圧縮量を調整でき、そのばね力によって生ずる摩擦係合力を調整できる。
【0024】
図2はこの構成のトルク自動切替装置1の動作を示す説明図である。まず、無負荷状態において、モータ3を駆動してモータシャフト4を一方向クラッチ9によって回転可能な方向に高速回転させる。モータシャフト4の先端部には波動歯車減速機8の波動発生器13が固定されている。また、モータシャフト4は、トルクリミッタ10および円筒部材21を介して、波動歯車減速機8の可撓性外歯歯車12に連結固定されている。したがって、図2(a)に示すように、波動歯車減速機8では、その回転入力部材である波動発生器13と、その固定部材である可撓性外歯歯車12とが、モータシャフト4と一体回転する。よって、減速動作が行われることなく、モータシャフト4の回転がそのまま、回転出力部材である剛性内歯歯車11を介して出力され、出力フランジ6がモータシャフト4と同一速度で高速回転する。
【0025】
次に、負荷側から作用する負荷トルクが増加していき、一方向クラッチ9に作用するトルクA(負荷トルクによる入力トルクと内部摩擦による入力トルクの合計)が、その摩擦係合力による摩擦トルクBを超えた後は、図2(b)に示すように、高トルクの減速回転出力に切り替わる。
【0026】
この状態では、モータシャフト4と円筒部材21の連結が解除され、モータシャフト4のみが回転する。可撓性外歯歯車12に連結固定されている円筒部材21は、一方向クラッチ9を介して固定側の装置ハウジング2に連結されている。したがって、円筒部材21はモータシャフト4の回転方向aとは逆方向bには回転できないので、固定状態に保持され、この円筒部材21が連結固定されている可撓性外歯歯車12も固定状態に保持される。この結果、波動歯車減速機8の減速動作が行われて、回転出力部材である剛性内歯歯車11(出力フランジ6)から高トルクの減速回転が出力される。
【0027】
このように、トルク自動切替装置1の出力は、負荷側から作用するトルクが所定値まではモータ回転と同一回転の低トルク出力であり、トルクが所定値を超えると、自動的に、モータ回転出力が減速されて高トルクの減速回転出力に切り替わる。また、摩擦力調整ねじ38を回してトルクリミッタ10の摩擦力を調整することにより、出力トルクが低トルクから高トルクに切り替わる時点のトルク値を調整できる。
【0028】
なお、減速機としては、波動歯車減速機とは異なる形式の減速機を用いることもできる。例えば、遊星歯車減速機や、その他の形式の減速機を用いることができる。また、トルクリミッタの摩擦係合機構としては、クーロン摩擦によるもの、電磁力によるもの、歯車を利用した摩擦によるものなど各種の機構を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用したトルク自動切替装置を示す縦断面図である。
【図2】図1のトルク自動切替装置の動作説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1 トルク自動切替装置
2 装置ハウジング
3 モータ
4 モータシャフト(回転入力軸)
4a 中心軸線
6 出力フランジ
8 波動歯車減速機
9 一方向クラッチ
10 トルクリミッタ
11 剛性内歯歯車(回転出力部材)
12 可撓性外歯歯車(固定部材)
13 波動発生器(回転入力部材)
21 円筒部材
31 摩擦板
32 電磁ソレノイド
33 スライド式回転板
34 圧縮コイルばね
35 電磁石部
36 円筒状ばね受け
38 摩擦力調整ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機と、一方向クラッチと、トルクリミッタと、装置ハウジングとを有し、
前記減速機の固定部材は、前記一方向クラッチを介して、前記装置ハウジングに連結されており、
前記減速機の回転入力部材と当該減速機の固定部材は、当該固定部材に作用するトルクが所定値以下の間のみ、これらが一体回転するように、前記トルクリミッタを介して連結されていることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記トルクリミッタによる前記回転入力部材と前記固定部材の間の摩擦係合力を調整するための調整機構を有していることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記回転入力部材に回転力を伝達するためのモータを有していることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記減速機は遊星歯車機構であり、
前記回転入力部材は太陽歯車であり、
前記固定部材は、遊星歯車を支持している遊星キャリア、あるいは、内歯歯車であり、
前記減速機の回転出力部材は、前記内歯歯車、あるいは、前記遊星キャリアであることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記減速機は波動歯車機構であり、
前記回転入力部材は波動発生器であり、
前記固定部材は、可撓性外歯歯車、あるいは、剛性内歯歯車であり、
前記減速機の回転出力部材は、前記剛性内歯歯車、あるいは、前記可撓性外歯歯車であることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記剛性内歯歯車が前記回転出力部材であり、
前記可撓性外歯歯車が前記固定部材であり、
前記波動発生器からは同軸状態で回転入力軸が延びており、
この回転入力軸を取り囲む状態に、前記可撓性外歯歯車に同軸状態で一端側が連結固定された円筒部材が配置されており、
この円筒部材は、当該円筒部材を取り囲んでいる前記装置ハウジングの部分によって回転自在の状態で支持されていると共に、前記一方向クラッチを介して当該装置ハウジングに連結されており、
前記円筒部材の他方の円環状端面は、摩擦係合式の前記トルクリミッタを介して、前記回転入力軸に連結されており、
前記回転入力軸は、前記モータの出力軸であるか、あるいは、当該出力軸に同軸状態に連結固定されていることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記トルクリミッタは、
前記円筒部材の前記円環状端面に取り付けた摩擦板と、
前記回転入力軸に対して、一体回転すると共にその軸線方向にスライド可能な状態で同軸状に取り付けられたスライド式回転板と、
このスライド式回転板を前記摩擦板に押し付けている付勢部材とを備えていることを特徴とするトルク自動切替装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記付勢部材は圧縮コイルばねであり、
前記調整機構は、当該圧縮コイルばねの圧縮量を調整する調整ねじであることを特徴とするトルク自動切替装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−32075(P2008−32075A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204515(P2006−204515)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(390040051)株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ (91)
【Fターム(参考)】