説明

ナノインプリント用モールド

【課題】転写用の凹凸面の面積が大きい場合であっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造されることが可能なナノインプリント用モールドを提供すること。
【解決手段】液晶性ポリシランを含有し、該液晶性ポリシランが配向してスメクチック相を形成することによって形成された凹凸面を有する、ナノインプリント用モールド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナノインプリント用モールド及びその製造方法、さらにはナノインプリント用モールドを用いた材料の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造工程では、線幅100nm〜数10nmという極微細なパターンを形成することが必要とされる。最新の電界効果型トランジスタではゲート線幅45nmのものが量産されており、32nmもしくはそれ以下のゲート線幅の工業的な実現を目指し開発が進んでいる。
【0003】
従来、このような極微細なパターンを形成するために光リソグラフィ法が多く用いられてきた。光リソグラフィ法では、光源としてKrFエキシマレーザ(フッ化クリプトン、248nm)やArFエキシマレーザ(フッ化アルゴン、193nm)が用いられている。より一層の微細化のためには光源の波長を短くする必要があるが、光源の更なる短波長化は困難な状況にある。
【0004】
そこで、光リソグラフィ法の限界を越える技術としてナノインプリント法が注目されている。ナノインプリント法は、1995年に米国ミネソタ大Chou教授が提唱したナノインプリントリソグラフィ技術をもとにした近年発展が著しい微細加工技術である(非特許文献1)。
【0005】
ナノインプリント法は、必要とされる線幅のパターンで形成された凹凸面を有するモールド(鋳型)を用意し、凹凸面のパターンを所望の材料表面に転写して、そのレプリカ(複製)を作製する加工方法である。レプリカの材料としてはガラス、プラスチックなどが用いられる。加熱及び加圧によりモールドの形状を転写する熱ナノインプリント法や、紫外線硬化樹脂をモールドの凹凸面に流し込み、光照射で硬化させた後にモールドから離型する紫外線ナノインプリント法(光ナノインプリント法)がある。さらに最近では、HSQ(Hydrogen Silsequioxane)等の材料を用いる室温ナノインプリント法も開発されている。
【0006】
ナノインプリント用モールドは、例えば、Si、石英(SiO)、SiC、Ta、グラッシーカーボン、及びNiなどの材料の表面に所定の凹凸パターンを形成する方法により作製される。パターン形成には、電子線リソグラフィ技術や放射光リソグラフィ技術、EUVリソグラフィ技術、さらには電鋳技術が用いられる。
【非特許文献1】平井義彦、「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開」、(株)フロンティア出版、2006年7月7日,ISBN4-902410-09-5 C3054
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のリソグラフィ技術によれば、10nm程度の非常に高い解像度を持つパターンを形成することも可能である。しかしながら、一般的なリソグラフィ装置で加工できる面積は8インチ角程度であり、一度の露光で形成できるパターンの面積は20cm角程度に限られるという問題がある。さらにはパターンが細密になるほど描画時間が著しく長時間化し、製造費用の上昇を招くという問題があった。
【0008】
すなわち、リソグラフィ技術を利用したモールドの場合、20cm角を超える大きな面積の凹凸面を有するモールドを製造することは、技術的にも、また経済的な面でも現実的ではなかった。より大きな面積の加工が必要とされる場合、複数のモールドを接合して用いることも考えられるが、この場合つなぎ目に起因する不具合の発生が避けられない。
【0009】
そこで、本発明は、転写用の凹凸面の面積が大きい場合であっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造されることが可能なナノインプリント用モールドを提供することを目的とする。また、本発明は係るナノインプリント用モールドを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意努力した結果、従来とは全く異なる方法、すなわち液晶性ポリシランがスメクチック相を形成する性質を応用した凹凸構造の形成を利用した方法が有効であることを見出し、係る知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、液晶性ポリシランを含有し、該液晶性ポリシランが配向してスメクチック相を形成することによって形成された凹凸面を有するナノインプリント用モールドに関する。
【0012】
本発明に係るナノインプリント用モールドは、液晶性ポリシランの自己組織化する性質に基づいて表面に凹凸面が形成されていることから、リソグラフィ技術のように凹凸面の面積が制限されることがなく、転写用の凹凸面の面積が大きい場合であっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造されることが可能である。
【0013】
凹凸面を効率的かつ安定的に形成するために、上記液晶性ポリシランの重量平均分子量は10000以上であることが好ましい。同様の観点から、上記液晶性ポリシランは、ヘリカル構造を形成しながら配向してスメクチック相を形成していることが好ましい。
【0014】
本発明に係るナノインプリント用モールドは、上記ナノインプリント用モールドの凹凸面から転写された凹凸面を有する金属成形品又は樹脂成形品であってもよい。
【0015】
別の側面において、本発明はナノインプリント用モールドの製造方法に関する。本発明に係る製造方法は、液晶性ポリシランを含有する膜を形成する工程と、液晶性ポリシランをスメクチック相が形成されるように配向させ、該液晶性ポリシランの配向を固定することにより、膜の表面に凹凸面を形成させて、凹凸面を有する膜をナノインプリント用モールドとして得る工程とを備える。
【0016】
本発明に係る製造方法は、液晶性ポリシランを含有する膜を形成する工程と、液晶性ポリシランをスメクチック相が形成されるように配向させ、該液晶性ポリシランの配向を固定することにより、膜の表面に凹凸面を形成させる工程と、膜の凹凸面上に金属成形品又は樹脂成形品を形成して、凹凸面からの転写により形成された凹凸面を有する金属成形品又は樹脂成形品をナノインプリント用モールドとして得る工程とを備えていてもよい。
【0017】
これらの方法によれば、転写用の凹凸面の面積が大きいナノインプリント用モールドであっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造することが可能である。
【0018】
さらに、本発明は、上記本発明に係るナノインプリント用モールドの凹凸面からの転写により材料を加工する、加工方法に関する。本発明に係る加工方法によれば、微細かつ大きな加工面積であっても、つなぎ目に起因する不具合の発生を防止しながら容易に所定のパターンに加工することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、転写用の凹凸面の面積が大きい場合であっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造されることが可能なナノインプリント用モールドが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0021】
本実施形態に係るナノインプリント用モールドは、加工される材料の表面に転写するための凹凸面を有する。この凹凸面は、ナノインプリント用モールドを構成する液晶性ポリシランの配向に基づいて形成される。
【0022】
本実施形態に係るナノインプリント用モールドは、液晶性ポリシランを1種又は2種以上含有する液晶材料によって形成された成形品である。大きな面積を有する長尺な成形品を得やすいことから、ナノインプリント用モールドは、好適にはフィルム(液晶フィルム)である。
【0023】
モールドを構成する液晶性ポリシランは、加熱等により液晶状態を呈し得る物質である。液晶は、液体(liquid)と結晶(Crystal)の両方の性質を持つ中間的な相(Mesophase)を形成している。すなわち、液晶は液体としての流動性と結晶としての異方性を合わせ持つという特徴を有する。液晶相を呈する液晶物質としては、いわゆる低分子液晶物質及び高分子液晶物質のような様々なものが知られている。液晶物質の種類や温度等の環境によって特有の分子配向の秩序を有することから、その分子配向を利用し、あるいは制御することによって様々な用途に応用できる。そのため、液晶物質は工業的に大きな分野を形成している。
【0024】
液晶は、分子形状や分子配列に基づいて、ネマチック(nematic)液晶、スメクチック(smectic)液晶、ディスコチック(discotic)液晶等に大別される。スメクチック液晶は、棒状メソゲンを有する液晶物質が、一次元結晶、または二次元液体とも言うべき層構造を形成している液晶である。
【0025】
本実施形態に係るモールドにおいて、スメクチック相が形成されるように、剛直棒状のヘリカル構造を形成しながら液晶性ポリシランが配向している。液晶性ポリシランによって形成されたスメクチック相は、実質的に流動性を有しない状態で固定されていることが好ましい。液晶性ポリシランの配向が固定される結果、モールド表面の凹凸構造が固定される。液晶性ポリシランが、剛直棒状のヘリカル構造を形成することに関しては、これまでにいくつか報告がある(Macromolecules,2002,35,4556−4559;J.Am.Chem.Soc.2000,122,3336−3343;Macromolecules,2007,40,648−652)。液晶性ポリシランの配向方向は、モールド全体で一定であってもよいが、場所により異なっていてもよいし、連続的に変化していてもよい。
【0026】
液晶性ポリシランによって形成されるスメクチック相は、例えばスメクチックA相(SmA相)、スメクチックB相(SmB相)、スメクチックC相(SmC相)、スメクチックE相(SmE)、スメクチックF相(SmF相)、スメクチックG相(SmG相)、スメクチックH相(SmH相)、スメクチックI相(SmI相)、スメクチックJ相(SmJ相)、スメクチックK相(SmK相)、及びスメクチックL相(SmL相)から選ばれるいずれの構造であってもよい。液晶配向の制御しやすさ、さらには液晶状態での粘性が低いことによる配向の容易さ等の観点から、スメクチックA相が固定されていることが好ましい。
【0027】
一般に、スメクチック相を形成する液晶性ポリマーは、メソゲンの末端部を揃えて一定の方向に沿って配向した状態でパッキングされている。スメクチック相は、パッキングされた液晶性ポリマーによって形成された複数の液晶分子層が配列した構造を有する。係る配列構造に基づいてモールドの凹凸面が形成されると考えられる。理論的には、スメクチック相の層間秩序は排除体積効果により決まることが知られている。スメクチック相の層間距離は液晶性ポリマーの分子長の1.2〜1.3倍であることが推測できる(例えば、J.Phys.Soc.Jpn,1982,51,741;J.Chem.Phys.1997,106,666)。
【0028】
サーモトロピック液晶の系として、ポリ(γ−ドデシル−L−グルタメート)及びポリ(n−デシル−2−メチルブチルシラン)の非常に精密に分子量の揃った系が最近報告されている(例えば、Jpn.J.Appl.Phys,2002,41,L720−L722;Macromolecules,2002,35,4556−4559;Liquid Crystal,2004,31,279−283)。これらのうち、ポリシランは非極性であるために静電的な分子間相互作用の影響を受けにくいことから、特に排除体積相互作用の理論的な予測に近い層間距離を発現し易い。
【0029】
モールドの凹凸面のピッチ(凹凸の1周期の長さ)は、スメクチック相の層間距離に依存して変化する。スメクチック相の層間距離は、液晶性ポリシランの分子量が大きくなるにしたがって増大する。すなわち、分子量と層間距離の間には比例関係が存在する。したがって、液晶性ポリシランの分子量を適切に選ぶことにより、所望のピッチを有する凹凸面を形成させることができる。また、液晶フィルム(モールド)の製造にあたり、脂肪族溶媒の添加によって液晶性ポリシランをリオトロピック液晶系にする方法や、配向後にUV照射してポリシラン部分を一部分解するなどの方法によって、液晶分子層と液晶分子層間の距離を伸ばすことも可能である。
【0030】
スメクチック相の層間距離は、特に限定されないが、1〜2000nmが好ましく、10〜1000nmがより好ましい。
【0031】
凹凸面のピッチは、通常は2000nm以下程度である。より具体的には、凹凸面のピッチは1〜2000nmであることが好ましい。また、凹凸面の深さは任意に変化することができ、10nm〜10μmであることが好ましい。本実施形態に係るモールドは、このような微細なパターンを有する場合であっても、液晶性ポリシランの重量分子量の制御等に基づいて容易に製造されることが可能である。凹凸面のピッチはモールド内で一定でもよいが、フィルム内の場所により異なっていてもよく、連続的に変化していてもよい。
【0032】
液晶性ポリシランの重量平均分子量は、通常1000以上であり、好ましくは10000以上である。液晶性ポリシランの重量平均分子量が10000未満であると、凹凸面をモールドとして利用しにくくなる傾向がある。液晶性ポリシランの重量平均分子量は2000000以下であることが好ましい。液晶性ポリシランの重量平均分子量が2000000を超えると、液晶分子の配向性や溶解性が低下するためにモールドの薄膜化が困難になる傾向がある。
【0033】
液晶性ポリシランは、重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.00〜1.60であることが好ましい。分子量分布がこの範囲内にあることにより、凹凸面が特に容易に形成される。所望の分子量及び分子量分布を有する液晶性ポリシランは、例えば、合成された液晶性ポリシランを分子量ごとに分画する方法によって得ることができる。
【0034】
液晶性ポリシランは、例えば下記化学式(1)で表される。
【0035】
【化1】

【0036】
式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に酸素原子を含有していてもよい炭化水素基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、同一分子中の複数のR及びRは同一でも異なっていてもよく、nは正の整数を示す。重合方法によっては、液晶性ポリシランがシロキサン結合を部分的に含むこともある。スメクチック相を呈するのに差しさわりがない程度にシロキサン結合が含まれていてもかまわない。
【0037】
好ましくは、Rはβ位の炭素原子において分岐する、酸素原子を含有していてもよい炭化水素基であり、Rは酸素原子を含有していてもよい炭化水素基、ハロゲン原子又は水素原子である。このように、Si原子に結合する2つの置換基のうち一方が、β位(Si原子側から2個目の炭素原子の位置)において分岐している液晶性ポリシランは、剛直棒状のヘリカル構造を容易に形成することができる。より具体的には、Rはβ位にメチル基を有するアルキル基(2−メチルブチル基等)であることが好ましく、Rは直鎖アルキル基(n−デシル基等)であることが好ましい。
【0038】
液晶性ポリシランの置換基(R又はR)にキラリティーが存在する場合、R体及びS体のうち一方のシラン化合物から形成された液晶性ポリシランはコレステリック相が形成されるように配向することが知られている(Liquid Crystal.,2004,31,279−283)。この場合は、コレステリック相より低い温度領域でスメクチック相を形成することができる。
【0039】
モールドを構成する液晶材料は、液晶相の発現を著しく妨げない範囲で、液晶性ポリマー以外の成分を含有していてもよい。例えば、液晶材料は、界面活性剤、重合開始剤、重合禁止剤、増感剤、安定剤、触媒、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、密着性向上剤、ハードコート剤等の各種添加剤を含有していてもよい。液晶材料中の液晶性ポリシランの含有割合は、通常30〜100質量%、好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは70〜100質量%である。
【0040】
モールド中の液晶性ポリシランは架橋されていてもよい。液晶性ポリシランが架橋されることにより、その配向が固定されるとともに、モールドの耐熱性を向上させることができる。液晶性ポリシランの置換基に架橋性基を導入することで種々の架橋が可能となる。また、液晶材料に架橋剤を加えてもよい。架橋性基の例としては、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、シンナモイル基、アリル基、アセチレニル基、クロトニル基、アジリジニル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボン酸基、アシル基、ハロカルボニル基、アルデヒド基、スルホン酸基、及びシラノール基がある。
【0041】
以上説明したような、液晶性ポリシランによって形成されたナノインプリント用モールドの凹凸面をさらに他の成形品に転写し、これをナノインプリント用モールドとして用いることもできる。例えば金属成形品に転写すれば、加圧や加熱に対する耐性が更に優れるモールドが得られる。係る金属成形品は、例えば、電鋳(エレクトロフォーミング)により液晶フィルムの凹凸面に金属層を形成する方法によって得ることができる。金属としては、数nmサイズの微細な凹凸形状への追従性の良さ、導電性の観点からニッケルや銅が好ましい。また、樹脂成形品に転写すれば、フレキシビリティーに富む、大面積を有する安価なモールドが得られる。係る樹脂成形品は、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂及びシリコン樹脂から選ばれる樹脂によって形成される。液晶フィルムの凹凸面にこれら樹脂を流し込み、熱、あるいは紫外線照射により樹脂を硬化させ、剥離することで、凹凸面を樹脂成形品に転写することができる。
【0042】
ナノインプリント用モールドとしての液晶フィルムは、例えば、液晶性ポリシランを含有する液晶材料の膜を形成する工程と、液晶性ポリシランをスメクチック相が形成されるように配向させ、該液晶性ポリシランの配向を固定することにより、膜の表面に凹凸面を形成させて、凹凸面を有する膜をナノインプリント用モールドとして得る工程とを備える方法によって製造することができる。
【0043】
より詳細には、下記(A)又は(B)の方法によって液晶性ポリシランの配向が固定された膜(液晶フィルム)を得ることができる。
(A)液晶性ポリシランの膜を配向基板上に形成し、該液晶性ポリシランのガラス転移温度以上の温度に膜を加熱することにより該液晶性ポリシランをスメクチック液晶相が形成されるように配向させ、その後、ガラス状態となるまで膜を冷却することにより液晶性ポリシランの配向を固定する方法
(B)液晶性ポリシランの膜を基板上に形成し、該液晶性ポリシランのガラス転移温度以上の温度に膜を加熱し、液晶性ポリシランをスメクチック液晶相が形成されるように磁場、あるいは電場などの外場を加えて配向させ、その後、ガラス状態となるまで膜を冷却することにより液晶性ポリシランの配向を固定する方法
【0044】
液晶性ポリシランの膜を形成する基板としては、プラスチックフィルム基板、金属基板、ガラス基板セラミック基板及び半導体基板から選ばれる基板を用いることができる。プラスチック基板は、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、セルロース系プラスチックス(トリアセチルセルロース等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又は高分子液晶から構成される。金属基板は、例えば、アルミ、鉄又は銅から構成される。ガラス基板は、例えば、青板ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラス又は石英ガラスから構成される。半導体基板の例としては、シリコンウエハーがある。
【0045】
これら基板上に他の被膜、例えばポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜等有機膜、酸化珪素等の斜め蒸着膜、ITO(インジウム−錫酸化物)等の透明電極、蒸着又はスパッタにより形成される金、アルミニウム又は銅等の金属薄膜が設けられていてもよい。
【0046】
上記(A)の方法の場合、配向処理を施した基板を用いることにより、液晶フィルム中の配向方向を一定の方向とすることができる。なお、配向処理を施さない基板を用いた場合、得られる液晶フィルムは、各ドメインの配向方向がランダムであるマルチドメイン相となる場合もあるが、その場合でも所望の効果が得られることもある。
【0047】
基板の配向処理としては、特に限定されないが、ラビング法、斜方蒸着法、マイクログルーブ法、延伸高分子膜法、LB(ラングミュア・ブロジェット)膜法、転写法、光照射法(光異性化、光重合、光分解等)及び剥離法が挙げられる。特に、製造工程の容易さの観点から、ラビング法及び光照射法が好ましい。
【0048】
上記(B)の方法の場合、基板上に展開した液晶材料に磁場や電場、ずり応力、流動、延伸、温度勾配等を作用させる方法によって液晶性ポリシランを一定方向に配向させる。配向処理が施された基板を用いることは必ずしも必要とされない、
【0049】
液晶材料の膜を基板上に展開する方法としては、特に限定されず、公知の各種方法を用いることができる。
【0050】
2枚の基板間に液晶材料を展開する場合、対向配置された2枚の基板を有するセルに液晶材料を注入してもよいし、液晶性ポリシランの膜の両面に基板をラミネートしてもよい。2枚の基板を用いる場合は、そのうち1枚のみに配向処理が施されていてもよく、2枚とも配向処理が施されていてもよい。
【0051】
1枚の基板と気相との間に液晶性ポリシランを展開する場合、基板上に、液晶材料を直接塗布してもよいし、液晶材料及びこれを溶解する溶媒を含有する溶液を基板上に塗布してもよい。特に、製造工程の容易さの観点から、溶液の塗布により展開することが望ましい。
【0052】
上記溶媒としては、液晶材料の種類、組成等に応じて適宜適切なものを選択することができる。通常はペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1、2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジオキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素、及びこれらの混合溶媒が液晶材料を溶解する溶媒として用いられる。溶液には、表面張力を調整し、塗工性を向上させるなどために、必要に応じて界面活性剤を添加してもよい。
【0053】
上記溶液中の液晶材料の濃度は、用いる液晶性ポリシランの種類や溶解性、製造する液晶フィルムの膜厚等に応じて適宜調節することができるが、通常0.5〜50質量%、好ましくは1〜30質量%の範囲である。
【0054】
塗布の方法は、特に限定されないが、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、マイヤーバーコート法、ドクターブレード法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、オフセットグラビアコート法、リップコート法、スプレーコート法等を用いることができる。塗布後、必要に応じて溶媒を除去し、液晶性ポリシランを、基板上の均一な層として展開することができる。
【0055】
液晶性ポリシランの膜において、スメクチック相が形成されるように液晶性ポリシランを配向させる方法は、特に限定されない。例えば、液晶性ポリシランがスメクチック相を形成し得る温度において液晶材料の展開を行った場合、展開と同時に所望の液晶相が形成される場合がある。また、展開された液晶性ポリシランを、スメクチック相を形成する温度よりも高い温度まで一旦加熱して、例えばネマチック相又は等方相を発現させ、その後スメクチック相が発現する温度まで冷却することにより液晶物質を配向させることもできる。但し、いずれの場合であっても、液晶性ポリシランのガラス転移点以上の温度において配向させる。
【0056】
液晶性ポリシランを配向させる際、必要に応じて、配向方向を特定の方向に揃えることができる。この制御は、例えば、配向処理を施した1枚以上の基板を使用することにより行うことができる。
【0057】
具体的には例えば、前述の前記液晶性ポリシランを注入するためのセルとしてラビングポリイミドガラス等を2枚用いることにより、配向方向を特定方向とすることができる。また、2枚の配向処理をしたプラスチックフィルム等で前記液晶性ポリシランをラミネートすることでも、配向方向を特定方向とすることができる。
【0058】
ガラス転移温度以上の温度において、スメクチック相が形成されるように配向させた液晶性ポリシランを、液晶性ポリシランがガラス状態となる温度まで冷却することにより、液晶材料が結晶状態とならないようにガラス状態として、液晶物質の配向を固定することができる。冷却の手段は、特に制限はなく、展開又は配向の工程における加熱雰囲気中からガラス転移点以下の雰囲気中、例えば室温中に出すだけで固定に十分な所望の冷却を行うことができる。また、生産の効率等を高めるために、空冷、水冷等の強制冷却を行ってもよい。
【0059】
得られた液晶フィルムの凹凸面上に金属成形品を形成して、液晶フィルムの凹凸面からの転写により形成された凹凸面を有する金属成形品を得てもよい。この金属成形品を液晶フィルムから剥離して、ナノインプリント用モールドとして好適に用いることができる。金属成形品は、例えば電鋳(エレクトロフォーミング)によって金属層を形成させる方法によって得ることができる。また、得られた液晶フィルムの凹凸面上に樹脂成形品を形成して、液晶フィルムの凹凸構造からの転写により形成された凹凸面を有する樹脂成形品を得てもよい。この樹脂成形品を液晶フィルムから剥離して、ナノインプリント用モールドとして好適に用いることができる。樹脂成形品は、例えば熱硬化、あるいは紫外線硬化によって硬化樹脂層を形成させる方法によって得ることができる。
【0060】
以上説明したナノインプリント用モールドの凹凸面からの転写を利用したいわゆるナノインプリント法によって、各種材料の表面を加工することができる。本実施形態に係るモールドは、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法及び室温ナノインプリント法のいずれにも用いることができる。例えば、ロールと、該ロールの外周面に巻き付けられた本実施形態に係るフィルム状のナノインプリント用モールドとを有する転写用の部材を準備し、これを長尺の非加工品の表面に連続的に押し当てる方法によって、長尺の非加工品の表面をナノインプリント用によって連続的に加工することができる。
【0061】
本実施形態に係る液晶フィルムを、その微細な凹凸面を利用して、モールド以外の用途に応用することも可能である。例えば、液晶フィルムを用いて光学素子を構成することができる。具体的には、液晶フィルムを、そのまま、又は必要に応じて適宜加工することにより本発明の光学素子を得ることができる。例えば、基板上に液晶フィルムを形成した場合、この液晶フィルムを剥離して光学素子として用いることもできるし、基板上に形成したそのままの状態で光学素子として用いることもできるし、別の基板に液晶フィルムを積層して光学素子を得ることもできる。また、光学素子は同じ又は異なる性質を有するフィルムを複数層有していてもよい。
【0062】
また、本実施形態に係る液晶フィルムの凹凸面に金属を蒸着し、リフトオフ法などを用いて凹凸面の一方の上に蒸着した金属を選択的に除去することでワイヤーグリッド偏光子を作製することもできる。
【0063】
光学素子を構成する別の基板は特に限定されず、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のプラスチック基板や前記ガラス基板、セラミック基板、紙、金属板、また、偏光板、位相差板、反射板、拡散板等の他の光学素子が使用できる。本発明の液晶フィルムは、配向処理が施された基板を用いてらせん軸の向きを一定方向に規定した液晶フィルムを得た後に配向処理が施された基板を除去しても、配向乱れなどを起こさずに、らせん軸の向きが規定されたままの素子として使用することができる。
【0064】
また、表面保護、強度増加、環境信頼性向上等の目的のために上述した透明プラスチックフィルム等の保護層やハードコート層等を必要に応じて液晶フィルム上等に設けることもできる。
【実施例】
【0065】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中、以下の装置を使用した。
X線回折装置:リガク社製RU200BH
原子間力顕微鏡:Agilent社製5500,エスアイアイ・ナノテクノロジー社製E−Sweep
DSC:Perkin−Elmer社製DSC7示差熱量測定装置
光学顕微鏡:ホットステージ(Mettler EP90HT)を備えたOlympus社製BX−50
【0066】
液晶性ポリシランの合成
2−メチルブチル基及びn−デシル基を有するジクロロシランを、金属ナトリウムを用いて120℃のトルエン中で重縮合させ、下記化学式(1a)で表される液晶性ポリシランを合成した。式(1a)中のnは正の整数を示す。合成工程の終了したポリマーのトルエン溶液に、先ず少量のイソプロピルアルコールを添加することにより、高分子量成分から沈殿させた。生成した沈殿を遠心分離及び加圧ろ過によりろ別し、真空乾燥して、分別された液晶性ポリシランのサンプルを得た。残った溶液を用いて、添加する溶媒を変えながら同様の工程を繰り返すことにより、高分子量のフラクションから順次液晶性ポリシランを分別した。添加する溶媒を、分子量が小さくなるのにしたがってイソプロピルアルコールからエタノール、メタノール、水の順番に変えることにより、重量平均分子量Mw及び分子量分布Mw/Mnの異なる液晶性ポリシランを準備した。得られた液晶性ポリシランのカラムナー相(Col)からスメクチックA相(SmA)、スメクチックA相(SmA)からネマチック相(N)、ネマチック相(N)から等方相(I)への相転移温度を顕微鏡観察又はDSCによって調べた。各液晶性ポリシランの重量平均分子量Mw、分子量分布Mw/Mn及び相転移温度を表1に示す。表中、相転移温度が空欄であることは、明瞭な相転移が確認できなかったことを示す。相転移温度のうち括弧内に示した数値はDSCによって測定された温度である。
【0067】
【化2】

【0068】
薄膜の作製
各液晶性ポリシランを用い、以下に示す実施例4又は13と同様の手順で、均一配向したスメクチックA相が固定された薄膜を作製し、その表面形状を原子間力顕微鏡(AFM)又はX線小角散乱(SAXS)によって確認した。いずれの薄膜表面においても、複数の溝が規則正しく配列した格子形状を有する凹凸面が形成されていることが確認された。図1、2、3、4、5及び6は、それぞれ、実施例7、8、9、11、12及び13で作製した薄膜の表面の原子間力顕微鏡写真である。
【0069】
(実施例4)
M−23.2の液晶性ポリシランをクロロホルムに溶解して塗工液を準備した。この塗工液を、20cm角のガラス基板上に設けられた、ラビング処理されたポリイミド膜上にスピンコート法で塗布した。塗膜を乾燥して、液晶性ポリシランの薄膜(厚さ約5μm)を得た。この薄膜を120℃で1時間熱処理後、室温まで急冷することにより、均一配向したスメクチックA相が固定された薄膜を得ることができた。得られた薄膜の空気側界面の表面形状を原子間力顕微鏡により観察したところ、ピッチが約17nmの複数の溝が規則正しく配列した格子形状を有する凹凸面が形成されていることが確認された。また、X線小角散乱によっても同様に、複数の溝が規則正しく配列した格子形状を有する凹凸面が形成されていることが確認された。
【0070】
(実施例13)
M−151の液晶性ポリシランをクロロホルムに溶解して塗工液を準備した。この塗工液を、ラビング処理されたポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム上にスピンコート法で塗布した。塗膜を乾燥して、液晶性ポリシランの薄膜(厚さ約1μm)を得た。この薄膜を130℃で1時間熱処理後、室温まで急冷することにより、均一配向したスメクチックA相が固定された薄膜を得ることができた。得られた薄膜の空気側界面の表面形状を、原子間力顕微鏡(AFM)によって観察したところ、ピッチが約110nmの複数の溝が規則正しく配列した格子形状を有する凹凸面が形成されていることが確認された。
【0071】
【表1】

【0072】
(比較例1)
薄膜の熱処理を200℃で行ったこと以外は実施例13と同様の手順で、液晶性ポリシランの薄膜を得た。得られた薄膜の空気側界面の表面形状を原子間力顕微鏡で観察したところ、平滑であり、実施例で見られたような格子形状の形成は認められなかった。
【0073】
(比較例2)
熱処理を170℃で行ったこと以外は実施例4と同様の手順で、液晶性ポリシランの薄膜を得た。得られた薄膜の空気側界面の表面形状を原子間力顕微鏡で観察したところ、平滑であり、実施例で見られたような格子形状の形成は認められなかった。
【0074】
凹凸面の転写
(実施例14)
実施例13で得られたPPSフィルム上の液晶性ポリシランの薄膜の表面に、市販のUV硬化型接着剤(UV−3400、東亞合成(株)製)を厚さ約5μmとなるように塗布し、その上にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムをラミネートした。次いでTACフィルム側からUVを照射して接着剤を硬化させ、PENフィルム及び液晶性ポリシランの薄膜を剥離して、接着剤層/TACフィルムの構成を有する積層体を得た。接着剤層の表面形状を原子間力顕微鏡で観察したところ、ピッチが約110nmの複数の溝が規則正しく配列した格子形状を有する凹凸面が形成されていた。すなわち、実施例13で得られた液晶性ポリシランの薄膜の凹凸面が、接着剤層に正確に転写されていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施例7の薄膜表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図2】実施例8の薄膜表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図3】実施例9の薄膜表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図4】実施例11の薄膜表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図5】実施例12の薄膜表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図6】実施例13の薄膜表面の原子間力顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶性ポリシランを含有し、該液晶性ポリシランが配向してスメクチック相を形成することによって形成された凹凸面を有する、ナノインプリント用モールド。
【請求項2】
前記液晶性ポリシランの重量平均分子量が10000以上である、請求項1記載のナノインプリント用モールド。
【請求項3】
前記液晶性ポリシランが、ヘリカル構造を形成しながら配向してスメクチック相を形成している、請求項1又は2記載のナノインプリント用モールド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの凹凸面から転写された凹凸面を有する金属成形品又は樹脂成形品である、ナノインプリント用モールド。
【請求項5】
液晶性ポリシランを含有する膜を形成する工程と、
前記液晶性ポリシランをスメクチック相が形成されるように配向させ、該液晶性ポリシランの配向を固定することにより、前記膜の表面に凹凸面を形成させて、凹凸面を有する前記膜をナノインプリント用モールドとして得る工程と、
を備える、ナノインプリント用モールドの製造方法。
【請求項6】
液晶性ポリシランを含有する膜を形成する工程と、
前記液晶性ポリシランをスメクチック相が形成されるように配向させ、該液晶性ポリシランの配向を固定することにより、前記膜の表面に凹凸面を形成させる工程と、
前記膜の凹凸面上に金属成形品又は樹脂成形品を形成して、前記凹凸面からの転写により形成された凹凸面を有する前記金属成形品又は前記樹脂成形品をナノインプリント用モールドとして得る工程と、
を備える、ナノインプリント用モールドの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの凹凸面からの転写により材料を加工する、加工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−76211(P2010−76211A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246101(P2008−246101)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】