説明

ナノギャップ電極の製造方法

【課題】工程数の少ない手法でギャップ間距離が小さく、さらに様々な電極形状が調製可能であるナノギャップ電極の製造方法を得る。
【解決手段】先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を基板上に形成し、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に該微小電極と残余の電極本体との間にナノスケールのギャップを形成するナノギャップ電極の製造方法。基板上に10〜100μmのサイズのポリマー又はセラミックスビーズを均一に展開し、この上に電極材料をPVD法又はCVD法により被覆し、このビーズを除去することにより基板上に三角錐の電極材料を残存させ、この三角錐の電極材料にレーザー光を照射し、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成し、該微小電極と残余の電極本体との間にナノスケールのギャップを形成するナノギャップ電極の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料にレーザー光を照射することにより、電極間がナノスケールの距離で離れている電極構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナノギャップ電極は、多工程を必要とするリソグラフィーの技術を基礎として、さらにナノギャップにするために複数の工程が加えた手法を中心に検討が加えられてきている。
その他、比較的簡便な方法として、機械的な方法や蒸着法を工夫してナノギャップ電極を作成することが行われているが、これらの方法で実現できるギャップは大きいという欠点がある。また、DNAを使った化学的な方法は同様に複雑な工程を経る方法であり、実用的でないという問題がある。
【0003】
このようなことから、ナノギャップを簡便な手法によりギャップ間隔の小さな電極が求められている。また、電極の形状は平行タイプのもの又は尖った点が向き合った配置のものがほとんどである。様々な形状又は配置の電極ができれば、応用や製品の展開も広がってくるものと考えられる。
本出願をなすに当って、各種文献の調査結果を以下に示す。下記に示すものは、いずれも複雑な工程を経るものか又はギャップの小さい電極が安定して製造できないという問題を有するものである。
【0004】
特許文献1及び非特許文献1〜5はリソグラフィーの手法を改良・工夫したものであり、特許文献1は収束イオンビームリソグラフィー法、非特許文献1は電子ビームリソグラフィー+エレクトロプレーティング(8nmギャップ)法の利用、非特許文献2はナノインプリントリソグラフィー(5nmギャップ)の利用、非特許文献3は電子ビームリソグラフィー (40nmギャップ)の利用、非特許文献4はフォトリソグラフィによる金属端面の酸化を利用 (10nmギャップ)の利用、非特許文献5はスペーサーリソグラフィーとその繰り返し法 (80nmギャップ)の利用に関するものである。
【0005】
非特許文献6及び7は機械的な方法により電極ギャップを形成するものであり、非特許文献6はカーボンナノチューブや金属ナノワイヤーの電界破壊の利用(34nmギャップ)、非特許文献7はAFMチップによる引っ掻き傷の利用 (125nmギャップ)である。
非特許文献8と9は蒸着法を工夫して電極ギャップを形成するものであり、非特許文献8はカーボンナノチューブをマスクにして蒸着(35nmギャップ)したもの、非特許文献9は段差と斜め蒸着を組み合わせた方法 (50nmギャップ)に関するものである。
【0006】
非特許文献10と11は、化学的な方法を利用して電極ギャップを形成するものであり、非特許文献10はDNAをテンプレートとして金ナノ粒子を線状に配列させ化学的にギャップ(15nm)を形成するもの、非特許文献11は金属ワイヤーの電気化学的エッチング (20nmギャップ)を利用したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-247203公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Y. Kashimura et al., Thin Solid Films, 438 (2003) 317頁〜320頁
【非特許文献2】M.D. Austin et al., Appl. Phys. Lett., 84 (2004) 5299頁〜5301頁
【非特許文献3】V. Haguet et al., Appl. Phys. Lett., 84 (2004) 1213頁〜1215頁
【非特許文献4】S. Hashioka et al., J. Vac. Sci. Tech., B 21 (2003) 2937頁〜2940頁
【非特許文献5】Y.K. Choi et al., J. Vac. Sci. Tech., B21 (2003) 2951頁〜2954頁
【非特許文献6】I. Yagi et al. Microelectronic Eng. 73-74 (2004) 675頁〜678頁
【非特許文献7】T. Miyazaki et al., Jap. J. Appl. Phys., 42 (2003) 4173頁〜4176頁
【非特許文献8】Z. Chen et al., J. Vac. Sci. Tech. B 22 (2004) 776頁〜780頁
【非特許文献9】Y. Ohtsuka et al., Nanotechnology, 15 (2004) 1639頁〜1643頁
【非特許文献10】A. Ongaro et al., Adv. Mater., 16 (2004) 1799頁〜1801頁
【非特許文献11】H.X. He et al., J. Electroanal. Chem., 522 (2002) 167頁〜172頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決することを目的とし、工程数の少ない手法でギャップ間距離が小さく、さらに様々な電極形状が調製可能であるナノギャップ電極の製造方法を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題に鑑み、下記のナノギャップ電極の製造方法を提供する。
1)先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を基板上に形成し、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
2)先端が90度又は鋭角である角を備え、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする上記1)記載のナノギャップ電極の製造方法。
3)電極材料が角錐形の立体構造を備えていることを特徴とする上記2)記載のナノギャップ電極の製造方法。
4)電極材料が金、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
5)物理的蒸着法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)又はリソグラフィー法により、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
6)レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする上記1)〜5)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
7)基板上に10〜100μmのサイズのポリマー又はセラミックスビーズを均一に展開し、次にこの上に電極材料を物理的蒸着法(PVD法)又は化学的蒸着法(CVD法)により被覆し、被覆した材料から前記ビーズを除去することにより基板上にビーズ間に形成されたほぼ三角錐の電極材料を残存させ、この残存した三角錐の電極材料にレーザー光を照射することにより、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
8)電極材料が金、銀、白金、パラジウム、又はこれらの合金であることを特徴とする上記7)記載のナノギャップ電極の製造方法。
9)レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする上記7)又は8)記載のナノギャップ電極の製造方法。
10)ギャップが10〜70nmであることを特徴とする上記7)〜9)のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のナノギャップ電極の製造方法は、レーザーを使って電極の形態をナノギャップ化するものであり、これは本質的には機械的な手法に近いが、はるかに制御性に優れているところに特徴がある。そして、少ない工程数で、ギャップ間距離が小さく、様々な電極形状及びギャップが調製可能であるという優れた効果を有する。また、一度に大量のナノギャップと電極の製造が可能であり、電極物質を選ぶ必要がなく、さらにSTM(走査型トンネル電子顕微鏡)と組合せることにより分子電導を直接測定が可能であるという著しい効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】規則的に配列した三角錐の金電極構造を示すSEM画像である。
【図2】A〜Dは、整列した三角錐の金電極にレーザー光照射した場合の時間変化に伴うナノギャップ電極の生成と消滅の過程を示すSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のナノギャップ電極の製造方法は、ガラス、セラミックス等の絶縁性基板上に、先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を形成する。電極材料としては、金、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金を使用するが、他の導電性材料でも良いことは理解されるべきである。本願発明においては、電極材料を特定のものに限定する必要がなく、どのような電極材料でも適用できるという特徴がある。
また、電極材料の被覆方法にも特に制限がない。微細な電極材料を形成できるものであれば、物理的蒸着法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)又はリソグラフィー法により形成できる。このように、電極材料を被覆する方法は、既存の方法を採用することができ、特に制限されるものではないことを理解すべきである。
【0014】
先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を形成することが重要であり、この形状は、後述するレーザー光の照射によって、微小な電極とナノギャップを形成する際に大きな影響を与える。この先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料として、例えば平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することによって達成できる。その具体的な形状としては、三角形、四角形、菱形又は五角形等の多角形状とすることができる。
また、この電極材料は、角錐形の立体構造を備えていても良い。その具体的な例としては、三角錐、四角錐、五角錐などである。
【0015】
次に、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成する。この場合に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することができる。電極材料の平面形状が鈍角又は円あるいは楕円形では、このような微小電極の切り離し及びナノギャップの形成が不能である。
レーザー光は例えば三角形の電極材料に照射されるが、三角形の各頂点は、中央の電極から分離してアイランド状に、微小電極が形成される。レーザー光照射の初期の段階では、三角形の電極本体との分離がまだはっきりしないが、レーザー光の照射を続けていくと、次第に小さな電極が分離してくる。そして、中央の電極本体は丸みを帯びてくる。
【0016】
このように、先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料にレーザー光を照射した場合、なぜ鋭角である角の頂点近傍が分離し、微小な電極が形成されるのか、すなわち比較的大きな中央の電極と分離したアイランド状の微小電極が形成されるのかという問題については、レーザー光による熱の集中と拡散のバランスの変化によるものと推察されるが、その理由は必ずしも明確ではない。しかし、適度なレーザー光の照射により、確実に微小電極が形成され、残余の電極本体との間にギャップが形成されるということについては、再現性があることが確認できた。本発明は、このような再現性のある特異な現象を利用したものである。
【0017】
また、予め基板に形成した電極材料は多結晶体であるが、レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体はレーザーにより単結晶になるという特異な現象も現れた。
これは、弱いレーザー光に制御して照射されているために、電極材料は光を吸収して熱に変り、これにより単結晶化が進んだ原因と考えられる。このような電極材料の単結晶化は、構造的により安定化するので、電極の耐久性が向上するという好ましい効果がある
なお、レーザー出力を高めた場合には、レーザーアブレーションにより、電極材料を剥ぎ取る現象が生じるので、このような高出力のレーザー照射は、本願発明の目的を達成することができず、好ましくない。
【0018】
このようにして、中央の電極本体と微小な電極との間は、10〜100nmギャップが形成される。さらに10nm以下のギャップも形成可能である。そして、このような弱い出力でも、さらにレーザー光の照射を続けていくと、微小な電極は消失し、中央のほぼ円形の電極本体のみとなる。この段階では、電極のギャップがなくなるので、本願発明の目的を達する状態ではなくなる。
したがって、レーザー光の出力と照射時間を調整することにより、10〜100nm、さらには10nm以下の任意のギャップを形成することができる。レーザー光の出力は、電極材料の種類に応じて適宜選択できるが、300 mJ/cm以下とするのが望ましい。しかし、この範囲外でも、必要に応じて採用できることは知るべきである。
【0019】
次に、多数のナノギャップ電極を同時に製造する方法を説明する。予めガラス基板上に100nm〜10μm程度のサイズのポリマー又はセラミックスビーズを薄くかつ均一に展開する。次に、このビーズの上から物理的蒸着法(PVD法)又は化学的蒸着法(CVD法)により電極材料を被覆する。この電極材料の多くはビーズの上に被覆されるが、一部はビーズの間隙を縫って、ガラス基板に到達しこのガラス基板にも被覆される。
【0020】
次に、前記ビーズを、例えば酸又はアルカリにより溶解除去する。ガラス基板及び電極材料は溶解しないので、ビーズの上に被覆された電極材料は、ビーズと共に除去され、基板上にビーズ間に形成された平面からみて三角形の、立体的に見れば三角錐の電極材料が残存するようになる。
この残存した三角錐の電極材料にレーザー光を照射する。これによって、平面から見た三角形の各頂点から、すなわち60度近い、鋭角の各頂点の一部が本体から切り離されて微小電極を形成するようになる。また残余の電極本体は、少しずつ丸みを帯びるようになる。
そして、この微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップが形成される。このギャップは10nm〜70nm程度であり、また10nm以下のものも得ることができる。また、このようにして形成された電極は単結晶であることが確認できた。
【0021】
以上の工程から明らかなように、ビーズ1個の周囲には平均して3個(隣接ビーズとの共用部分があるので6個ではない)の三角錐の電極が形成され、さらにこの1個の三角錐からなる電極の周囲には、3個の微小電極とナノギャップが作られる。すなわちビーズ1個に対して、平均して9個の微小電極とナノギャップが作られることになる。
このように、本願発明は、少ない工程数で、ギャップ間距離が小さく、電極材料を選択する必要がなく、電極形状及びギャップが調製可能であるという多くの利点があり、さらに一度に大量のナノギャップと電極の製造が可能であるという著しい特徴を備えている。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これに制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
【0023】
洗浄したガラス基板上に、市販の約100nmサイズの揃ったポリスチレンのビーズを水中に分散し、基板上にスピンコーティング等の手法により均一に展開した。このようにして得られたコロイド薄膜を一旦水中に浮かせた後、再度他のガラス基板上に掬い上げて展開した。これによって、ガラス基板上に100nmサイズの揃ったポリスチレンのビーズを配列させることができた。
次に、この基板上に配列したビーズ上に金を蒸着した。その後、溶剤により前記ポリスチレンビーズを溶解し、それと共にビーズ上に被覆した金電極材料を除去することにより、ビーズの痕跡の周囲に、規則的に配列した三角錐の金電極構造(底面が三角形、高さ70nm)を得た。この状態のSEM画像を図1に示す。この図1から明らかなように、ビーズ部分の被覆した金は除去され、各ビーズを除去した跡の周囲に、6個の三角錐の金電極が整列して得られているのが分かる。
【0024】
この整列した三角錐の金電極に、レーザー光(Nd:YAGレーザーの3倍波、1 Hz,355 nm、7 ns,15 mJ/cm)を照射した。この時の時間変化を、図2のA〜Dに示す。40レーザーパルス照射後、三角形の各尖った頂点が、本体から離れて約30nmのナノギャップが形成された。
図2のA及びBに、その様子を示す。このような形態は、分子スイッチング素子用基板として利用可能である。パルス数を100に増やすと小さなナノ粒子はさらに小さくなるが、一方本体の大きな粒子は球形に近くなっていく。この様子を図2のCに示す。
【0025】
透過型電子顕微鏡像ではレーザー照射前では個々の粒子は多結晶体であるが、レーザー照射後、形態変化とともに単結晶に変化した。これは、光吸収スペクトルのレーザー照射に伴う変化の測定結果からもサポートされた。
前記、電極材料として金を使用したが、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金でも同様の結果が得られた。また、他の電極材料を使用しても同様であり、ビーズ溶解の際に、電極材料が同時に溶解しない材料を選択すれば良いだけである。
また、電極材料を被覆するのに蒸着法を用いたが、スパッタリング法等の他のPVD法あるいはCVD法、その他の被覆方法を用いても同様の結果になる。それは単に被覆方法を替えた程度であり、特に困難性はない。
【0026】
本実施例では、基板としてガラス基板を用いたが、他のセラミックス基板の使用が可能である。この場合、凹凸又はボイドがない基板が望ましく、セラミックス基板を使用する場合には、平滑基板とすること、すなわち表面の調整が必要である。また、電極を形成するのであるから、基板としては導電性のあるものは望ましくないが、レーザー光又は溶解用の溶液に影響を受けない樹脂又は他の材料の絶縁性基板は同様に使用できることは言うまでもない。
上記においては、約30nmのナノギャップが形成されたが、条件制御により10nm〜100nmのナノギャップ又は10nm以下のギャップの作成も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のナノギャップ電極の製造方法は、レーザーを使って電極の形態をナノギャップ化するものであり、少ない工程数で、ギャップ間距離が小さく、様々な電極形状及びギャップが調製可能であるという特徴を有する。また、一度に大量のナノギャップと電極の製造が可能であり、電極物質を選ぶ必要がなく、さらにSTM(走査型トンネル電子顕微鏡)と組み合せることにより分子電導を直接測定が可能である。このようなことから、超高感度センサー、分子センサー等のセンサーデバイス及び電子デバイスに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が90度又は鋭角である角を備えた電極材料を基板上に形成し、この電極材料にレーザー光を照射して、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
【請求項2】
先端が90度又は鋭角である角を備え、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする請求項1記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項3】
電極材料が角錐形の立体構造を備えていることを特徴とする請求項2記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項4】
電極材料が金、銀、白金、パラジウム又はこれらの合金又はこれらを基とする合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項5】
物理的蒸着法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)又はリソグラフィー法により、平面的に見て多角形の電極材料を基板上に形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項6】
レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項7】
基板上に10〜100μmのサイズのポリマー又はセラミックスビーズを均一に展開し、次にこの上に電極材料を物理的蒸着法(PVD法)又は化学的蒸着法(CVD法)により被覆し、被覆した材料から前記ビーズを除去することにより基板上にビーズ間に形成されたほぼ三角錐の電極材料を残存させ、この残存した三角錐の電極材料にレーザー光を照射することにより、鋭角の角の一部を切り離して微小電極を形成すると共に、該微小電極と残余の電極本体との間に、ナノスケールのギャップを形成することを特徴とするナノギャップ電極の製造方法。
【請求項8】
電極材料が金、銀、白金、パラジウム、又はこれらの合金であることを特徴とする請求項7記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項9】
レーザー光照射により形成された微小電極及び/又は残余の電極本体が単結晶であることを特徴とする請求項7又は8記載のナノギャップ電極の製造方法。
【請求項10】
ギャップが10〜70nmであることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のナノギャップ電極の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−127222(P2011−127222A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276651(P2010−276651)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【分割の表示】特願2005−46349(P2005−46349)の分割
【原出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】