説明

ナノ隙間が備えられたマイクロ流体チャネルを有するマイクロ流体回路素子及びその製造方法

本発明はマイクロ流体チャネルが備えられたマイクロ流体回路素子に関するものであって、マイクロ流体チャネルの両側面にマイクロ流体チャネルの中央部の高さより低い高さのナノ隙間を備えることによって、マイクロ流体チャネルの駆動力を向上させることができ、安定した流体の流れを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体の流れを安定化させるマイクロ流体チャネルが備えられたマイクロ流体回路素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微小な流体の移送及び流れの制御に関するマイクロ流体工学は、試料を診断及び分析する装置を駆動するための核心要素であって、これは流体注入部に圧力を加える圧力駆動法、マイクロチャネル中で電圧を印加する電気泳動法、電気浸透法、及び毛細管力を利用する毛細管流れ法などの多様な駆動法を用いて具現される。
【0003】
圧力駆動法を用いて駆動されるマイクロ流体素子の一般的な例は、米国特許第6,296,020号に説明されており、同特許では、疎水性流体回路素子内に配設された受動バルブでチャネルの断面積とチャネルの疎水性を調節している。また、米国特許第6,637,463号はチャネルが圧力勾配を有するように設計されてチャネルを通じて流体を均一に分配するマイクロ流体素子を開示している。
【0004】
毛細管流れ法は、特にマイクロチャネルで自然に発生する毛細管力を利用するが、これは、追加的な駆動手段の使用なしに微小な流体が自然にかつ速やかに特定チャネルに沿って移動する原理に基づくものである。従って、最近、前記毛細管流れ法を用いるマイクロ流体システムの広範囲な研究が行われている。例えば、米国特許第6,271,040号は、診断用バイオチップを開示しており、これは多孔性物質の使用なしにマイクロチャネルでの自然発生的な毛細管流れのみを用いて試料を移動させ、このような方式で移動された試料をバイオチップと反応させて試料内の特定成分を検出するものである。また、米国特許第6,113,855号は診断装置を開示しており、これは六角形のマイクロピラーを適切に配列し、これらのマイクロピラー間の空間に毛細管力を通じて試料を移動させるものである。
【0005】
一般的なマイクロ流体素子において、毛細管流れ法を用いて流体の順調な流れを達成するためには、毛細管壁の表面湿潤性が優れていなければならない。従来のプラスチックマイクロ流体素子の場合、このようなプラスチックの表面湿潤性が顕著に低いので、この低い表面湿潤性を改善するために、コロナ、表面コーティング、及びプラズマ処理などの処理方法が一般的に用いられてきた。例えば、マイクロ流体チャネルの内部表面を粗くして流体の流速を向上させる方法が国際特許公開WO 2007/075287号に報告されている。
【0006】
しかし、前述した湿潤性向上方法は、マイクロ流体素子の大量生産に不適であり、かつ、追加作業を行うための追加装置の使用を必要とするなどの工程上の問題をもたらす。また、長期間の使用に伴い上記の処理方法の効果が劣化するため、流体の流れを一定にかつ安定して維持することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、単に毛細管力の作用によって流体を流し、追加的に化学的処理やプラズマ処理のような表面処理が不要であり、長期間にかけて流体の流れを一定に維持させ、どのような素材を用いても容易に製造できるマイクロ流体回路素子を提供することである。本発明の他の目的は前記マイクロ流体回路素子を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、第1の基材及び第2の基材が積層形状からなり、前記第1の基材には、第2の基材と対向する面にマイクロ流体チャネルとして定義される溝が形成されており、前記マイクロ流体チャネルには、チャネル内へ試料が流れることができるようにする投入口と排出口が備えられているマイクロ流体回路素子において、前記マイクロ流体チャネルの両側面にチャネル中央部の高さよりも低い高さのナノ隙間が備えられていることを特徴とするマイクロ流体回路素子を提供する。
【0009】
また、本発明は、第1の基材と第2の基材とを接合し、これらの間にマイクロ流体チャネルとして作用する溝を形成するステップを含み、前記マイクロ流体チャネルには、チャネル内へ試料が流れることができるようにする投入口及び排出口を備え、前記マイクロ流体チャネルの両側面にチャネル中央部の高さよりも低い高さのナノ隙間を形成するマイクロ流体回路素子の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】従来のマイクロ流体チャネルの概路図
【図1B】本発明の実施態様によるマイクロ流体チャネルの図6のA−A’点線に沿って切り取った断面の概路図
【図2A】本発明により溶剤を用いるか、または熱、圧力、またはレーザービームを加えて接合することでナノ隙間を形成する工程
【図2B】本発明により超音波の照射によって接合してナノ隙間を形成する工程
【図2C】本発明により接着剤またはテープを用いて接合してナノ隙間を形成する工程
【図2D】本発明によるナノ隙間の多様な変形例
【図2E】本発明によるナノ隙間の多様な変形例
【図2F】本発明によるナノ隙間の多様な変形例
【図2G】本発明によるナノ隙間の多様な変形例
【図3A】本発明により溶剤を用いて接合してナノ隙間を有するチャネルを形成する工程
【図3B】レーザー接合法を用いてナノ隙間がないチャネルを形成する工程
【図4A】本発明により溶剤を用いて形成されたナノ隙間を備えるマイクロ流体チャネルの断面図、及びこれに対応するSEMイメージ
【図4B】レーザー接合法によって形成されたナノ隙間がないマイクロ流体チャネルの断面図、及びこれに対応するSEMイメージ
【図5A】レーザー接合法によって形成されたナノ隙間がないマイクロ流体チャネルを通じて流れる流体の特性
【図5B】本発明によるナノ隙間が備えられたマイクロ流体チャネルを通じて流れる流体の特性
【図6】本発明の実施態様によるマイクロ流体回路素子の一例及びその写真
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の前記目的及び前記他の目的、並びに特徴は、添付された図面をそれぞれ参照し、以下の本発明の詳細な説明から明らかになる。
【0012】
本発明の実施態様によるマイクロ流体回路素子には、第1の基材及び第2の基材が積層形状からなり、前記第1の基材には、第2の基材と対向する面にマイクロ流体チャネルとして定義される溝が形成されており、前記マイクロ流体チャネルには、チャネル内へ試料が流れることができるようにする投入口と排出口が備えられているマイクロ流体回路素子において、前記マイクロ流体チャネルの両側面にチャネル中央部よりも低い高さのナノ隙間が備えられていることを特徴とする。
【0013】
前記マイクロ流体チャネルの大きさに制限はないが、マイクロ流体チャネルの高さは、好ましくは2μm〜5mm範囲であり、マイクロ流体チャネルの幅は、好ましくは2μm〜5mm範囲またはそれ以上である。マイクロ流体チャネルの形状は、何れの種類でも可能である。例えば、マイクロ流体チャネルの断面は、四角形または他の形態、例えば、円形及び半円形を有し、加えて前記ナノ隙間が備えられることで、優れた効果を奏する。
【0014】
マイクロ流体チャネルを通じるマイクロ流体の流れは、圧力付加、電気泳動工程、または毛細管力を利用して駆動される。この中、毛細管力が選好されるが、流体が容易に満たされるか、移送され、外部からのエネルギーを要しないため、素子またはシステムが簡単になる。
【0015】
試料流体の流れを安定して維持するためには、表面湿潤性が特に重要である。表面湿潤性の改善のために、本発明により形成されたナノ隙間の断面は、縦横比が大きい長方形であり得るが、本発明はこれに制限されない。不規則な形状を含む他の形状も適用されることができる(図2D〜2G参照)。ナノ隙間の高さは、好ましくは10nm〜5μmの範囲であり、前記範囲の場合、ナノ隙間により流体の毛細管の流れが促進されてチャネルを通じる全般的な流れを安定化させる。
【0016】
本発明のマイクロ流体回路素子を製造するための素材としては、マイクロ流体システムを製造することができる任意の素材が挙げられ、この例としては、シリコンウエハ、ガラス、パイレックス、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、プラスチック、例えば、アクリル系列、PMMA、PCなどが挙げられる。
【0017】
本発明はまた第1の基材(1)と第2の基材(2)を接合し、これらの間にマイクロ流体チャネル(5)として作用する溝(3)を形成する段階を含み、前記マイクロ流体チャネルには、チャネル内へ試料が流れることができるようにする投入口と排出口(6)を備え、マイクロ流体チャネルの両側面にチャネル中央部よりも低い高さのナノ隙間(4)を形成するマイクロ流体回路素子の製造方法を提供する。
【0018】
マイクロ流体チャネルの形成のために、第1及び第2の基材(1,2)を洗浄するか、または任意の公知された表面処理方法を実施してチャネルの表面を親水化する。第1及び第2の基材(1,2)の接合前に、化学的処理または酸素プラズマ処理を行って、チャネルとナノ隙間の表面湿潤性を向上させる。酸素プラズマ処理を行う場合、表面の接触角を低めて表面を親水化することができるが、当該処理の効果は単に3または4ヶ月ほど持続する。
【0019】
マイクロ流体チャネルを製造する方法の例として、シリコン微細加工、ガラス微細加工、プラスチック微細加工、及びPDMS微細加工が挙げられる。このうち、ガラス微細加工がチャネル内の毛細管の流れを安定化させる点で望ましいが、これはガラスが水性流体に対して小さな接触角を有しているからである。
【0020】
その後、第1及び第2の基材(1,2)を互いに対向するようにし、溶剤法などを用いて互いに接合してナノ隙間(4)を形成する。望ましい寸法のナノ隙間(4)は、第1及び第2の基材(1,2)を接合してから、一定時間好適な圧力を加えて形成され、このような作業は当業者によって容易に行われる。前記言及したように、ナノ隙間(4)の高さは、好ましくは10nm〜5μmの範囲で決めることができる。
【0021】
また、ナノ隙間(4)の形象は特別に制限されず、図2D〜2Gに例示された何れの形状も適用される。
ナノ隙間(4)を形成するために、第1及び第2の基材は、溶剤、超音波の照射、接着剤、テープ、熱、レーザービーム、及び圧力付加を利用した加工法で構成された群から選ばれた少なくとも一つの接合工程を用いて接合される。
【0022】
接合工程の例としては、溶剤、熱、圧力付加、及びレーザービームを利用した工程が挙げられ、二つの基材の外側領域のみを接合して、接合されていない領域がナノ隙間(4)を形成する(図2A参照)。また、このような方式で可能なこととしては、超音波の照射を用いて基材の突出部のみを他の基材に接合させて、接合された基材の接合領域の内側領域をナノ隙間(4)として用いる方法(図2B参照)、接着剤またはテープを利用して基材の一部領域のみを接合して基材の接合された領域外の内側領域をナノ隙間(4)として用いる方法(図2C参照)が挙げられる。
【0023】
溶剤を塗布して二つの基材を単に接合させる従来の接合工程と比較してみて、本発明の接合工程は、第1及び第2の基材を互いに対向するように配置してから、基材の接合部位の周辺に沿って溶剤を注入して、注入された溶剤が第1及び第2の基材の縁領域の一部のみを溶解させれば、溶解されずに残った内側部がナノ隙間に形成される。他の方法として、本発明の接合工程は、第1及び第2の基材を互いに対向するように配置してから、これらの間のすべての接触領域を接合する代りに、熱またはレーザーを利用して、これらの基材の縁領域のみを接合することによって、第1及び第2の基材の間の界面の未接合領域をナノ隙間として用いる。
【0024】
本発明に接合工程によれば、ナノ隙間を有するマイクロ流体チャネルを単一連続工程によって形成し、マイクロ流体チャネルの高さを精密に調節する。
【0025】
本発明において、ナノ隙間は、第1及び第2の基材の接合中またはその後に形成されるか、またはこれと異なり、第1または第2の基材の接合前に第1または第2の基材にあらかじめ形成され、ナノ隙間の形状は、マイクロ流体チャネルの構造によって容易に変更される。
【0026】
前記説明したように、ナノ隙間は、従来のマイクロ流体チャネルの製造方法(図1A 参照)に付加工程を追加する必要なしに形成される。本発明のナノ隙間は、従来の製造工程を少しだけ変化させて製造される。
【0027】
図6は、分析及び診断用試料の投入口または排出口(6)を備えた本発明の実施態様によるマイクロ流体回路素子及びこの写真を示す。
【0028】
本発明のマイクロ流体回路素子を用いて分析または診断する試料としては、任意の無機または有機試料が挙げられ、好ましくは、血液、体液、尿または唾液のような生体試料が挙げられる。従って、本発明のマイクロ流体回路素子は、試料の分析または診断のための多様な応用分野で用いられ、多様な疾病のための多様な診断キット、例えば、バイオセンサー、DNA分析チップ、タンパク質分析チップ、及びラボオンチップ(lab−on−a−chip)に活用される。
【0029】
上述したように、本発明のマイクロ流体チャネルは、両側面にナノ隙間を備えるように製造されて、流体が毛細管力により容易に染みこむ。ナノ隙間に染みこんだ流体は、チャネルに容易に満たされてチャネルを通じる流体の移送を向上させる。従って、ナノ隙間は表面湿潤性を向上させる。また、接触角を低めるための何れのチャネル表面処理をもしないとしても長期間の使用または保管後に接触角が変わらないので、安定した流体の流れを達成することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
【0031】
実施例1:本発明の接合工程を用いたマイクロ流体回路素子の製造
プラスチックマイクロ流体素子のための二つの基材をPMMA(ポリメタクリル酸メチル)から射出成形法を用いて製造した。図2A及び図3Aを参照すれば、投入口と排出口が備えられ、長方形の断面形態(幅mm、高さ0.1mm、及び長さ40mm)を有し、チャネルとして機能する溝(3)を上部基材(1)に形成し、表面が平らな1mm厚さの下部基材(2)を製造した。
【0032】
射出成形によって製造された基材(1、2)を洗剤で洗浄し、脱イオン水で超音波処理し、60℃のオーブンで一晩中乾燥した後、プラズマ洗浄システム((株)第4紀韓国製、韓国)で2分間酸素プラズマ処理した。
【0033】
次いで、処理された基材(1、2)に溶剤接合法を実施して内部にナノ隙間(4)を有するマイクロ流体チャネル(5)を形成した。言い換えれば、二つの基材(1、2)を互いに押しつけて、これらの間に微小な空間層を有する結合体を形成した。
【0034】
これにより得た結合体を図2A及び2Bに示された接合部分の周囲にアセトンが注入されるように処理して、注入されたアセトンが二つの基材の長方向による界面部に染みこんで溶解されるようにして、二つの基材を互いに接合させた。加えた圧力を10秒以内に除去し、二つの基材の間の空間の内側領域が接合されないように残しておき、マイクロ流体チャネル(5)の両側面にナノ隙間(4)を形成した(図3A参照)。
【0035】
溶剤注入後に圧力付加時間を調整することによって隙間の高さを調節した。もし、圧力付加時間が減少すれば、ナノ隙間の高さが増加する。本実施例において、ナノ隙間を有する素子を製造するのに必要な圧力付加時間は7秒であった。ナノ隙間(4)の幅は、図3Aに示すように、初期チャネル壁の幅である1mmから溶剤が染みこんだ幅である200μm程度を減らして決定された。溶剤が染みこんだ深みは、圧力付加時間または使用した溶剤の量とは関係なく、溶剤がプラスチックを溶解させる速度に主に従う。
【0036】
本実施例の溶剤接合工程は、形成されたチャネルの高さを長期間の使用にも変わらないように維持させる。実際に、マイクロ流体チャネル(5)の高さを品質保証のガイドラインによって1年間毎月測定した結果、毎月選ばれた100個のサンプルのマイクロ流体チャネル(5)の高さは98〜102μmの範囲内であった。
【0037】
比較例1:レーザー接合工程を用いたマイクロ流体回路素子の製造
通常的なレーザー接合工程を用いて上部及び下部基材(1、2)のすべての接触表面を接合することを除いては、実施例1と同一の方法でマイクロ流体回路素子を製造した(図3B参照)。
【0038】
実施例1及び比較例1のマイクロ流体回路素子を比較するために、これらのSEMイメージを図4A及び4Bに示した。図4A及び4Bに示したように、実施例1のマイクロ流体チャネル(5)は、その両側面に縁の接合領域内に形成されているナノ隙間(4)を備えている一方、比較例1のマイクロ流体チャネル(5)はナノ隙間を有していない。
【0039】
試験例1:流体の流れ安全性の評価
製造直後のマイクロ流体チャネルとプラスチックバックに1年間保管した後のマイクロ流体チャネルに対してそれぞれ流体の流れが測定され、食用色素が含有された脱イオン水を用いてマイクロ流体チャネル内の水−空気界面の変位(s−s)を測定した。
【0040】
食用色素を含有した20μlの脱イオン水を素子の投入口に注入させ、デジタルカメラでその流れイメージを撮影した後、撮影されたイメージ上のチャネル内のウォータープラグ(water plug)の長さをルーラーで測定した。その結果を図5A及び図5Bに示し、これらはそれぞれナノ隙間がない場合とナノ隙間がある本発明の場合を示す。
【0041】
図5Aを参照すれば、製造直後(白色記号)には安定した流体の流れを示している。しかし、1年間保管した後(黒色記号)には、流体がほとんど流れないことを観察することができる。一方、図5Bを参照すれば、製造直後(白色記号)及び1年間保管した後(黒色記号)で全て安定した流れが観察された。また、ナノ隙間を備えているチャネルでの流速がナノ隙間を備えていないチャネルでの流速よりも速いことが観察され、この点において、製造直後であるか、それとも1年間保管した後であるか、関係がなかった。
【0042】
以上、本発明を前記実施例を中心として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者に自明な多様な変形及び均等なその他の実施例を以下に添付した特許請求の範囲内で行うことができるという事実を理解しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基材及び第2の基材が積層形態で含まれ、前記第1の基材には、第2の基材と対向する面にマイクロ流体チャネルとして定義される溝が形成されており、前記マイクロ流体チャネルにはチャネル内へ試料が流れることができるようにする投入口と排出口が備えれているマイクロ流体回路素子において、前記マイクロ流体チャネルの両側面にチャネル中央部の高さよりも低い高さのナノ隙間が備えられていることを特徴とする、マイクロ流体回路素子。
【請求項2】
前記ナノ隙間が10nm〜5μm範囲の高さでそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ流体回路素子。
【請求項3】
前記マイクロ流体回路素子が生体試料の分析及び診断に用いられることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ流体回路素子。
【請求項4】
前記マイクロ流体回路素子がバイオセンサー、DNA分析チップ、タンパク質分析チップ、またはラボオンチップ(lab−on−a−chip)として用いられることを特徴とする、請求項1または3に記載のマイクロ流体回路素子。
【請求項5】
第1の基材と第2の基材を接合し、これらの間にマイクロ流体チャネルとして作用する溝を形成する段階を含み、前記マイクロ流体チャネルにチャネル内へ試料が流れることができるようにする投入口と排出口を備え、前記マイクロ流体チャネルの両側面に同チャネル中央部の高さよりも低い高さのナノ隙間を形成する、マイクロ流体回路素子の製造方法。
【請求項6】
前記ナノ隙間が前記第1及び第2の基材の接合前に前記第1または第2の基材に予め形成されるか、または前記第1及び第2の基材が接合された後に形成されることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロ流体回路素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の基材のうち少なくとも一つの表面に化学的処理または酸素プラズマ処理を行うことをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のマイクロ流体回路素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の基材の接合が溶剤、超音波の照射、接着剤、テープ、熱、レーザービーム、及び圧力付加を利用した工程で構成された群から選ばれる少なくとも一つの工程を用いて行われることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロ流体回路素子の製造方法。
【請求項9】
それぞれの前記ナノ隙間が10nm〜5μm範囲の高さに形成されることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載のマイクロ流体回路素子の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図6】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2011−523595(P2011−523595A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503912(P2011−503912)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001853
【国際公開番号】WO2009/125997
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(510270144)インサイト・カンパニー・リミテッド (1)
【住所又は居所原語表記】Incyto Co., Ltd.
【Fターム(参考)】