説明

ナビゲーションシステム、携帯機器及び携帯機器用プログラム

【課題】利用者の頭部正面の向きに基づいた地図情報を優先的に表示することができるナビゲーションシステム、携帯機器及び携帯機器用プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】携帯機器と、HMDとを備えるナビゲーションシステムであって、携帯機器は、携帯機器の場所情報を取得する手段、携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段、場所情報と第1方位情報とに基づいて、携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示手段、HMDの第2方位情報を受信する手段、場所情報と第2方位情報とに基づいて、HMDを基準としたHMD用地図情報をHMDに送信する地図情報処理手段を有し、HMDは、HMDの向きを示す第2方位情報を取得する手段、第2方位情報を携帯機器に送信する手段、携帯機器からのHMD用地図情報を受信して表示する手段を有するナビゲーションシステム、携帯機器及び携帯機器用プログラムとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が頭部に装着したヘッドマウントディスプレイに、携帯機器で取得した地図情報を表示するナビゲーションシステム、携帯機器及び携帯機器用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型の液晶表示装置等を表示部として有する携帯電話機等の携帯機器が広く普及している。携帯機器は多機能化が進んでおり、GPS(Global Positioning System)機能やインターネット網との通信機能を備えたものが実用化されている。そして、GPS機能により取得した当該携帯機器の場所情報と、インターネット網との通信機能により取得した地図情報とに基づいて、現在位置を示す地図情報を表示部に表示することができる携帯機器が実用化されている。
【0003】
さらに、携帯機器に設けた方位センサにより当該携帯機器の向きを検出して、検出した携帯機器の向きに基づいた地図情報を表示部に表示することで、地図情報を利用者に解り易く表示する機能も実用化されている。しかし、利用者は常に携帯機器の表示部に表示されている地図情報を視認しながら移動しなければならず、利用者に負担を強いることになる。
【0004】
特許文献1には、携帯機器の表示部の代わりに利用者の頭部にヘッドマウントディスプレイ等を装着し、このヘッドマウントディスプレイに携帯機器の表示部に表示される地図情報を表示させる技術が開示されている。これにより、利用者はヘッドマウントディスプレイに表示される地図情報を、目線を移動させることなく視認しながら移動することができる。
【0005】
さらに、特許文献1には、携帯機器と利用者の頭部に装着するヘッドフォンとの両方に方位センサを設け、現在地から目的地までの中継地又は目的地の現在方位と頭部正面方向の現在方位との角度差に応じて楽音の出力条件を変更する技術が開示されている。これにより、利用者は、ヘッドフォンから出力される楽音によって現実空間において目標とすべき方位を容易に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−177033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は、携帯機器の表示部に表示されている現在地から目的地までの中継地又は目的地の現在方位と利用者の頭部正面方向の現在方位との角度差を利用者に楽音で報知するだけのものである。また、携帯機器の表示部に表示される径路画像などの地図情報は、携帯機器の基準方向の方位に基づいている。このため、表示部としてヘッドマウントディスプレイを用いた場合でも、携帯機器の基準方向の方位に基づいた地図情報がヘッドマウントディスプレイに表示される。これでは、利用者がヘッドマウントディスプレイで認識する地図情報は、実際の利用者の頭部正面方向の現在方位とは異なる地図情報が表示されてしまう場合がある。これを解消して利用者の頭部正面方向の現在方位に合わせた地図情報を見るためには、携帯機器の基準方向の方位を利用者の頭部正面方向の現在方位に合うように調整する必要があり手間がかかる。さらには、携帯機器をハンドバック等に収容しておくことができず、常に利用者が手で保持して使用することになり実用上問題がある。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、利用者の頭部正面方向の向きに基づいた地図情報を優先的に表示することができるナビゲーションシステム、携帯機器及び携帯機器用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
携帯機器と、前記携帯機器と通信可能なヘッドマウントディスプレイとを備えるナビゲーションシステムであって、前記携帯機器は、前記携帯機器の場所情報を取得する手段と、前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段と、前記場所情報と前記第1方位情報とに基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示手段と、前記ヘッドマウントディスプレイと通信する携帯機器側通信手段と、前記ヘッドマウントディスプレイに前記携帯機器側通信手段を接続した状態において前記ヘッドマウントディスプレイからの前記ヘッドマウントディスプレイの向きを示す第2方位情報を前記携帯機器側通信手段を介して受信する手段と、前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、前記ヘッドマウントディスプレイを基準としたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記携帯機器側通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する地図情報処理手段と、を有し、前記ヘッドマウントディスプレイは、前記第2方位情報を取得する手段と、前記携帯機器と通信するヘッドマウントディスプレイ側通信手段と、前記第2方位情報を前記ヘッドマウントディスプレイ側通信手段を介して前記携帯機器に送信する手段と、前記携帯機器から送信されてきた前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を受信する手段と、前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を表示する手段と、を有することを特徴とするナビゲーションシステムとした。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記携帯機器又は前記ヘッドマウントディスプレイの状態を検知する状態検知手段を備え、
前記地図情報処理手段は、前記状態検知手段により検知した前記携帯機器又は前記ヘッドマウントディスプレイの状態に応じて、前記携帯機器用地図情報又は前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報のいずれを、前記携帯機器の前記表示手段又は前記ヘッドマウントディスプレイのいずれに表示させるかを決定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記携帯機器は、前記状態検知手段として、前記携帯機器が操作されているか否かを判断する操作判断手段を有し、前記地図情報処理手段は、前記操作判断手段により前記携帯機器が操作されていると判断された場合、前記携帯機器から前記ヘッドマウントディスプレイへの前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報の送信を中止して前記第1方位情報を取得し、当該第1方位情報に基づいて、前記携帯機器用地図情報を取得し、前記携帯機器の前記表示手段に前記携帯機器用地図情報を表示させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記携帯機器又は前記ヘッドマウントディスプレイは、前記状態検知手段として、前記ヘッドマウントディスプレイに表示される前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報が表示可能な状態か否かを判断する表示判断手段を有し、前記地図情報処理手段は、前記表示判断手段により前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報が表示可能な状態ではないと判断された場合、前記携帯機器から前記ヘッドマウントディスプレイへの前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報の送信を中止して前記第1方位情報を取得し、当該第1方位情報に基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を取得し、前記携帯機器の前記表示手段に前記携帯機器用地図情報を表示させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて、前記携帯機器は、前記状態検知手段として、前記携帯機器の位置が動いていることを検知する移動検知手段を有し、前記地図情報処理手段は、前記移動検知手段により前記携帯機器の位置が動いていることが検知された場合、前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記携帯機器側通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、ヘッドマウントディスプレイと通信可能な携帯機器であって、前記携帯機器の場所情報を取得する手段と、前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段と、前記場所情報と前記方位情報とに基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示手段と、前記ヘッドマウントディスプレイと通信する通信手段と、前記ヘッドマウントディスプレイに前記通信手段を接続した状態において前記ヘッドマウントディスプレイからの前記ヘッドマウントディスプレイの向きを示す第2方位情報を前記通信手段を介して受信する手段と、前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、前記ヘッドマウントディスプレイを基準としたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する地図情報処理手段と、を有することを特徴とする携帯機器とした。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、表示手段と、ヘッドマウントディスプレイと通信する通信手段とを備えた携帯機器を、前記携帯機器の場所情報を取得する手段、前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段、前記場所情報と前記第1方位情報とに基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を前記表示手段に表示させる手段、前記ヘッドマウントディスプレイに前記通信手段を接続した状態において前記ヘッドマウントディスプレイからの前記ヘッドマウントディスプレイの向きを示す第2方位情報を前記通信手段を介して受信する手段、前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、前記ヘッドマウントディスプレイを基準としたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する手段、として機能させるための携帯機器用プログラムとした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表示部としてヘッドマウントディスプレイを用いる場合は、利用者の頭部正面の向きに基づいて生成されたヘッドマウントディスプレイ用地図情報により現在位置を確認することができる。また、表示部として携帯機器の表示部を用いる場合は、携帯機器の向きに基づいて生成された携帯機器用地図情報により利用者の現在位置を確認することができる。このように、表示させる地図情報を携帯機器又はヘッドマウントディスプレイのいずれかの向きに基づいて適宜切り換えることができるため、実用的なナビゲーションシステム、携帯機器及び携帯機器用プログラムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話機とヘッドマウントディスプレイとの構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯電話機とヘッドマウントディスプレイとの構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機の向きに基づく第1方位情報が反映された携帯機器用地図情報を示す地図情報を説明する図である。
【図5】ヘッドマウントディスプレイの向きに基づく第2方位情報が反映されたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るヘッドマウントディスプレイに表示される地図情報を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る携帯電話機で実行される処理の流れを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るヘッドマウントディスプレイで実行される処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
[1.ナビゲーションシステムの概略]
まず、図1を用いてナビゲーションシステムの概略を説明する。図1はナビゲーションシステムの全体的な構成を示す図である。
【0020】
図1に示すナビゲーションシステムは、携帯機器としての携帯電話機10、利用者2の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD:Head Mount Display」という。)20、このHMD20と携帯電話機10を接続する接続ケーブル30とから構成される。
【0021】
携帯電話機10は、当該携帯電話機10の場所情報を取得する手段としてのGPS(Global Positioning System)機能と、インターネット網との通信機能とを有する。携帯電話機10は、GPS機能により当該携帯電話機10の場所情報を決定し、当該場所情報に基づいた地図情報を通信機能を介して取得する。
【0022】
すなわち、携帯電話機10は、GPS機能によりGPS衛星40との通信を行い、経度及び緯度などの位置情報を算出して、当該位置情報を当該携帯電話機10の場所情報として決定する。携帯電話機10は、GPS機能により決定した場所情報に基づいた所定範囲の地図情報を、インターネット網50に接続された外部サーバ52から中継局51を介して取得する。ここで所得される所定範囲の地図情報は、当該携帯電話の場所情報を中心として、例えば、東西南北2kmの所定範囲の地図情報である。なお、取得する地図情報の範囲は、利用者2が携帯電話機10によって任意に変更することができる。
【0023】
このように、携帯電話機10の場所情報に基づいた地図情報を取得することにより、当該携帯電話機10の場所情報が移動した場合でも、移動した最新の場所情報に基づいた地図情報を取得することができる。なお、地図情報は、インターネット網50に接続された外部サーバ52から中継局51を介して取得する必要はなく、例えば、携帯電話機10の記憶装置(例えば、HDDなど)に予め記憶しておくこともできる。
【0024】
HMD20は、地図情報などの画像情報に基づいて生成した画像を外景と重ねて利用者の眼に投射して網膜上に結像させることで、画像情報を表示するシースルー型HMDであり、例えば、網膜走査型HMDや液晶表示装置(LCD)型HMDなどがある。網膜走査型HMDは、画像情報の各画素に応じた強度及び色のレーザ光を順次出射し、このように出射されるレーザ光を利用者の眼の網膜上で2次元的に走査することで、利用者に画像を視認させる。また、LCD型HMDは、画像情報応じた画像をLCDに表示させ、このLCDに表示した画像を利用者の眼の網膜上に結像させることで、利用者に画像を視認させる。なお、HMD20としては、上記網膜走査型HMDや液晶表示装置(LCD)型HMDに限定されるものではなく、利用者2の視界を遮ることなく地図情報などの画像情報に応じた画像を外景と重ねて表示する手段を備えたものであればよい。
【0025】
HMD20と携帯電話機10とは、前述したように接続ケーブル30で接続されている。接続ケーブル30は、携帯電話機10側で着脱自在としている。利用者2が本実施形態に係るナビゲーションシステムを使用する場合に、携帯電話機10とHMD20とを接続ケーブル30で接続する。これにより、携帯電話機10が取得した地図情報は、後述の携帯電話機通信部15(図2参照)を介してHMD20に送信されてHMD20により表示される。なお、HMD20と携帯電話機10の通信接続は、有線の接続ケーブル30による接続ではなく、例えば、携帯情報機器などで数メートル程度の機器間接続に使われる短距離無線通信技術の一つであるBluetooth通信などを用いてもよい。
【0026】
携帯電話機10には、携帯電話機10の向きを示す第1方位情報を取得する手段が設けられており、HMD20には、HMD20の向きを示す第2方位情報を取得する手段が設けられている。詳細は後述するが、携帯電話機10が取得した地図情報を携帯電話機10で表示させる場合は、携帯電話機10を基準とした第1方位情報に基づく携帯機器用地図情報が表示される。一方、携帯電話機10が取得した地図情報をHMD20により表示させる場合は、携帯電話機10を基準とした第1方位情報に基づくものではなく、HMD20を基準とした第2方位情報に基づくヘッドマウントディスプレイ用地図情報(以下、「HMD用地図情報」という)が表示される。
【0027】
このように、本実施形態におけるナビゲーションシステムでは、利用者2が携帯電話機10で地図情報を見る場合は、携帯電話機10の向きに基づいた地図情報により利用者2の現在位置や周辺の地理などを確認することができる。また、利用者2がHMD20で地図情報を見る場合は、HMD20の向きに基づいた地図情報により利用者2の現在位置や周辺の地理などを確認することができる。
【0028】
[2.携帯電話機10及びHMD20の構成]
以下、図1に示すナビゲーションシステムにおける携帯電話機10及びHMD20の構成を、図2及び図3を用いてさらに詳細に説明する。図2はナビゲーションシステムにおける携帯電話機10及びHMD20の構成を示す図である。図3はナビゲーションシステムにおける携帯電話機10及びHMD20の構成を示すブロック図である。
【0029】
本実施形態に係る携帯電話機10は、表示部11を一側面に設けたケーシングと、携帯電話機操作部19を一側面に設けたケーシングとから構成されている。両ケーシングは折畳み自在に連結されており、図2に示すように、両ケーシングを開いた状態とすることで表示部11が視認可能となる。また、携帯電話機10は、図3に示すように、第1方位センサ12、携帯電話機通信部15、地図情報取得部16、場所情報取得部17、加速度センサ18、携帯電話機制御部10aなどを内蔵している。なお、説明は省略するが、本実施形態に係る携帯電話機10は、周知の通話機能やメールの送受信機能なども有している。
【0030】
表示部11は、例えば、矩形の液晶表示装置などで構成され、本実施形態における携帯機器用地図情報などが表示される。なお、当然ではあるが、表示部11には携帯機器用地図情報だけではなく、通話機能やメールの送受信機能を実行するための情報が表示される。
【0031】
第1方位センサ12は、携帯電話機10の向きを検出する第1方位情報を取得する手段であり、携帯電話機10の所定の位置に内蔵されている。ここでは、第1方位センサ12は、図2に示すように、表示部11の上部右側に配置される。この第1方位センサ12は、利用者が当該携帯電話機10を略水平に保持して表示部11を視認可能とした状態において、当該表示部11の長辺の向きを携帯電話機10の向きとして検出することができる。なお、第1方位センサ12としては、例えば、携帯機器に主に搭載される軟磁気特性を有する磁性体のMI効果(Magneto Inpedabce Effect)を利用した小型軽量のMIセンサ等の磁気センサを用いることができる。
【0032】
携帯電話機通信部15は携帯機器側通信手段として機能するものであり。携帯電話機10とHMD20との間で各種データの送受信を行う。携帯電話機通信部15は、図3に示すように、地図情報処理部13と第2方位情報受信部14で構成される。地図情報処理部13は、携帯電話機10で生成したHMD用地図情報をHMD20に送信する。第2方位情報受信部14は、HMD20から送信されたHMD20の向きを示す第2方位情報を受信する。なお、第2方位情報受信部14の受信データには、HMD20の向きを示す第2方位情報だけではなく、後述のHMD20に設けられている電源ON/OFFボタン26a及び表示切替ボタン26bの操作状態なども含まれる。また、第2方位情報受信部14の受信データには、後述のHMD20の投影部27から出射されるレーザ光の出力状態なども含まれる。HMD20に設けられている電源ON/OFFボタン26a及び表示切替ボタン26bの操作状態やHMD20の投影部27から出射されるレーザ光の出力状態は、携帯電話機10又はHMD20の状態を検知する状態検知手段の一つである。つまり、状態検知手段のうちのHMD用地図情報が表示可能な状態か否かを判断する表示判断手段として機能する。
【0033】
場所情報取得部17は、本実施形態における携帯電話機10の場所情報を取得する手段として機能する。場所情報取得部17は、GPS衛星40との通信を行い、経度及び緯度などの位置情報を算出し、当該位置情報を当該携帯電話機10の場所情報として決定する。また、場所情報取得部17は、後述する携帯電話機10の移動検知手段の一つとしての機能も有する。
【0034】
地図情報取得部16は、場所情報取得部17により決定された携帯電話機10の場所情報に基づいた地図情報を、インターネット網50に接続された外部サーバ52から中継局51を介して取得する。なお、この地図情報取得部16は、外部との通信により地図情報を取得するのではなく、例えば、携帯電話機10のメモリカードや内蔵HDDなどの記憶装置に予め記憶されている地図情報を携帯電話機10の場所情報に基づいて読み出すようにしてもよい。
【0035】
加速度センサ18は、当該携帯電話機10の移動検知手段の一つとしての機能を有するものである。この加速度センサ18は、携帯電話機10が所定値以上の加速度で移動したことを検出する。これにより、携帯電話機10を所持している利用者が停止状態から移動開始したこと、あるいは移動状態から停止したことを推定することができる。さらに、場所情報取得部17で取得した場所情報の変化を所定時間の間の監視し、この監視結果と先の加速度センサ18による検出結果とに基づいて、携帯電話機10を所持している利用者が移動したこと、あるいは移動状態から停止したことを特定する。場所情報取得部17で取得した場所情報の変化と加速度センサ18による検出結果により、状態検知手段の一つである携帯電話機10の位置が動いていることを検知する移動検知手段として機能する。なお、ここでは移動検知手段として加速度センサ18を用いたが、これに限らず速度センサなどを用いてもよい。
【0036】
携帯電話機操作部19は、当該携帯電話機10を操作するための各種ボタンから構成されている。この各種ボタンを操作することにより、携帯電話機10の通話機能やメールの送受信機能を実行する。また、本実施形態においては、携帯電話機操作部19に対して所定の操作を行うことにより、ナビゲーションシステムが起動されるようになっている。携帯電話機操作部19の操作を監視することで、状態検知手段の一つである携帯電話機10が操作されているか否かを判断する操作判断手段として機能する。
【0037】
携帯電話機制御部10aは携帯電話機10の全体の制御を司るもので、不図示のCPU、ROM、RAMなどから構成されている。そして、携帯電話機制御部10aのCPUは、ROMに記憶されている携帯機器用プログラムを読み出して、後述するナビゲーション処理(図7参照)を実行する。これにより、携帯電話機制御部10aは、HMD20と携帯電話機10の接続状態及びHMD20の表示状態に応じて、携帯電話機10の場所情報と携帯電話機10の向きやHMD20の向きとに基づいた地図情報を生成する。
【0038】
すなわち、携帯機器用プログラムは、携帯電話機10を、当該携帯電話機10の場所情報を取得する手段、当該携帯電話機10の向きを示す第1方位情報を取得する手段、前記場所情報と前記第1方位情報とに基づいて、当該携帯電話機10を基準とした携帯機器用地図情報を表示部11に表示させる手段、HMD20に前記通信手段を接続した状態においてHMD20からの当該HMD20の向きを示す第2方位情報を携帯電話機通信部15を介して受信する手段、前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、HMD20を基準としたHMD用地図情報を取得し、当該HMD用地図情報を携帯電話機通信部15を介してHMD20に送信する手段として機能させることができる。
【0039】
本実施形態に係るHMD20は、図2に示すように、利用者の頭部に装着する眼鏡フレーム型の装着部23と、地図情報などの画像情報に基づいて生成した画像と外景と重ねて利用者の眼に投射して画像情報を表示するコントロールユニット21とで構成される。装着部23は、利用者の左右の耳に掛けるための左側フレーム23a及び右側フレーム23cと、左側フレーム23aと右側フレーム23cとを連結する中央フレーム23bとから構成されている。このように、装着部23は眼鏡フレーム型として形成されているため、HMD20をあたかも眼鏡のように簡単に、利用者の頭部に装着することができる。
【0040】
装着部23の中央フレーム23bの中央位置には、HMD20の向きを示す第2方位情報を取得する手段としての第2方位センサ22が設けられている。第2方位センサ22は、HMD20を利用者が頭部装着した場合に、利用者の頭部正面が向いている方向をHMD20の向きとして検出することができる。なお、第2方位センサ22としては、上述した第1方位センサ12と同様の小型軽量のMIセンサ等の磁気センサを用いることができる。
【0041】
コントロールユニット21は、装着部23の左側フレーム23aに取り付けられて利用者の左眼側方の位置している。コントロールユニット21はハーフミラー29を備えており、コントロールユニット21から出射されたレーザ光は、このハーフミラー29により反射されて利用者の左眼に投射される。
【0042】
また、図3に示すように、コントロールユニット21には、HMD通信部25、投影部27、HMD操作部26、HMD制御部20aが設けられている。
【0043】
HMD通信部25は、本実施形態におけるヘッドマウントディスプレイ側通信手段として機能するものであり、携帯電話機10から送信されたHMD用地図情報を受信するHMD用地図情報受信部28とHMD20の向きを示す第2方位情報を携帯電話機10に送信する第2方位情報送信部24とから構成される。第2方位情報送信部24は、第2方位情報だけではなく、後述のHMD操作部26の操作状態なども合わせて携帯電話機10に送信することができる。また、後述の投影部27から出射されるレーザ光の出力状態なども携帯電話機10へ送信する。
【0044】
投影部27は、受信したHMD用地図情報に基づいて生成した画像と外景と重ねて利用者の眼に投射して網膜上に結像させることで、HMD用地図情報を表示するためのレーザ光を利用者の左眼に投射する制御を行う。
【0045】
HMD操作部26は、電源ON/OFFボタン26a及び表示切替ボタン26bから構成されている。電源ON/OFFボタン26aは、HMD20を利用者が使用するときに電源を投入したり、使用しないときに電源を遮断したりするための操作ボタンである。表示切替ボタン26bは、利用者がHMD20により表示されるHMD用地図情報などの画像情報の表示の表示・非表示を選択的に切替えるための操作ボタンである。このように、本実施形態においては、HMD20によりHMD用地図情報を表示中でも、利用者が表示切替ボタン26bを操作することで、HMD用地図情報の表示を任意に非表示にしたり再度表示させたりすることができる。
【0046】
HMD制御部20aは、HMD20の全体の制御を司るもので、不図示のCPU、ROM、RAMなどから構成されている。すなわち、HMD制御部20aは、HMD20の第2方位情報を第2方位センサから取得して携帯電話機10へ送信する第2方位情報送信部24を制御する。また、HMD制御部20aは、携帯電話機10からHMD用地図情報受信部28を介して受信したHMD用地図情報を、投影部27により利用者の左眼にレ−ザ光として出射する制御を実行する。このように、HMD制御部20aのCPUは、例えば後述するHMD用地図情報表示処理(図8参照)を実行することができる。
【0047】
[3.ナビゲーションシステムの表示態様]
上述した構成のナビゲーションシステムによれば、利用者が携帯電話機10を用いて地図情報を確認する場合は、携帯電話機10の場所情報と携帯電話機10の向きを示す第1方位情報に基づいた携帯機器用地図情報が表示部11に表示される。一方、利用者がHMD20を用いて地図情報を確認する場合は、携帯電話機10の場所情報とHMD20の向きを示す第2方位情報に基づいたHMD用地図情報がHMD20により表示される。以下、図4及び図5を用いて、利用者が携帯電話機10の表示部11に表示される地図情報を確認する場合と、利用者がHMD20により表示される地図情報を確認する場合との地図情報の表示態様の違いを説明する。図4は携帯電話機10の向きを示す第1方位情報が反映された携帯機器用地図情報を示す図である。図5はHMD20の向きを示す第2方位情報が反映されたHMD用地図情報を示す図である。
【0048】
図4に示すように、利用者が携帯電話機10の表示部11に表示される携帯機器用地図情報を確認する場合には、表示部11には、現在の携帯電話機10の場所情報を略中心とした所定範囲の地図11aが表示される。なお、図4では、目的地が所定範囲内において現在地の東方向にある場合としている。そして、地図11a上には、現在の携帯電話機10の場所情報と携帯電話機10の向きとを示すアイコン11bが重なって表示される。このように、携帯電話機10の表示部11には、携帯電話機10の向きを基準とした携帯機器用地図情報が表示されるため、携帯機器用地図情報のアイコン11bの向きは、携帯電話機10の向きと同じになる。例えば、携帯電話機10の向きが北向きであれば携帯機器用地図情報のアイコン11bの向きも北向きとなる。
【0049】
一方、図5に示すように、利用者がHMD20を使用してHMD用地図情報を確認する場合には、現在の携帯電話機10の場所情報を略中心とした所定範囲の地図21aがHMD20により表示される。すなわち、HMD20には、HMD20の向きを基準としたHMD用地図情報が表示される。なお、図5は、利用者が東方向を向いている状態を示している。図5に示す地図21a上には、現在の携帯電話機10の場所情報とHMD20の向きとを示すアイコン21bが重なって表示される。そして、地図21aには、目的地が現在地の直進方向に表示される。
【0050】
このように、携帯電話機10の向きが北向きであっても、利用者が東を向いている場合はHMD20の向きも東向きとなるため、図5に示すように、HMD用地図情報のアイコン21bの向きは東向きとなる。すなわち、携帯電話機10とHMD20の向きが異なっている場合、HMD20には、HMD20の向きを基準としたHMD用地図情報が表示されるのである。このため、利用者は携帯電話機10の向きを気にする必要がなく、HMD20の使用中は、携帯電話機10を、ポケットやハンドバック等に収納しておくことができる。
【0051】
図5に示した例では、HMD20に表示されるHMD用地図情報の地図21aは、アイコン21bの向きで示されるHMD20の向き(利用者の向き)に応じて東が上になるように表示されている。すなわち、地図21aは、図4に示す携帯機器用地図情報の地図11aが矩形の表示領域と共に左周りに90度回転された状態で表示されている。つまり、携帯電話機10の表示部11に表示される携帯機器用地図情報は、常に携帯電話機10の向きが上を向くように地図11aが表示される。また、HMD20により表示されるHMD用地図情報は、常にHMD20の向きが上を向くように地図21aが表示される。これにより、利用者が携帯機器用地図情報を使用する場合でも、HMD用地図情報を使用する場合でも、利用者の現在地と目的地を容易に確認できるようにしている。
【0052】
なお、必ずしも携帯電話機10とHMD20の向きにあわせて地図11aと地図21aの表示上の向きを変更する必要はない。例えば、地図11a及び地図21aは常に北を上として固定表示して、携帯電話機10とHMD20とのそれぞれの向きに応じてアイコン11b及びアイコン21bの向きを変更して携帯機器用地図情報とHMD用地図情報とを生成してもよい。
【0053】
本実施形態におけるナビゲーションシステムでは、利用者がHMD20を使用して移動する場合は、利用者が移動中であることを検出した場合にのみ、HMD用地図情報がHMD20により表示されるようにしている。以下、図6を用いて利用者が移動中のみにHMD用地図情報がHMD20により表示される一例を説明する。図6は利用者が移動しているときと停止しているときとのHMD20へのHMD用地図情報の表示の変化を示す図である。
【0054】
図6(a)に示すように、利用者がHMD20を頭部に装着して移動している場合は、HMD用地図情報として地図21aと携帯電話機10の場所情報とHMD20の向きを示すアイコン21bとがHMD20により表示される。これにより、利用者は進行方向の移動に応じて変化するHMD用地図情報を確認しながら目的地に移動することができる。なお、図中、21cは、HMD用地図情報の表示領域を示している。
【0055】
ところが、図6(b)に示すように、利用者が停止すると、HMD用地図情報のHMD20による表示は中断される。つまり、HMD用地図情報が表示されていた表示領域21cは非表示状態となり、利用者の左眼は現実の周囲の映像のみを視認することになる。このように、本実施形態におけるナビゲーションシステムでは、利用者が移動中であるときのみHMD20によりHMD用地図情報を表示する。これにより、例えば、利用者が止まって携帯電話機10を操作するような場合などに、HMD20により表示されるHMD用地図情報が邪魔になることを防止することができる。また、利用者が停止している場合は、携帯電話機10の表示部11に携帯機器用地図情報が表示されるようにしている。そのため、利用者は必要であれば携帯電話機10で地図情報を確認することができる。
【0056】
利用者が再び移動を開始すると、HMD用地図情報として、地図21aと携帯電話機10の場所情報とHMD20の向きを示すアイコン21bとが、再び表示領域21c中に表示される(図6(a))。
【0057】
ここで、利用者の移動及び停止の検出には、上述したように加速度センサ18及び場所情報取得部17が用いられる。つまり、携帯電話機10が所定値以上の加速度で移動したことを加速度センサ18により検出した場合は、携帯電話機10を所持している利用者が停止状態から移動状態、あるいは、移動状態から停止状態に状態が移行したと推定することができる。そして、この後、携帯電話機10の場所情報を決定する場所情報取得部17により、加速度センサ18による所定値以上の加速度で移動したことの検出から、所定時間の間に場所情報に変化があった場合は利用者が停止状態から移動開始したと特定することができる。一方、所定時間の間に場所情報に変化が無かった場合は利用者が移動状態から停止状態に移行したと特定することができる。
【0058】
[4.携帯電話機10及びHMD20の制御処理]
上述したナビゲーションシステムにおいて、携帯電話機10及びHMD20で実行される制御処理について、図7及び図8を用いて説明する。図7は携帯電話機10の携帯電話機制御部10aにより実行されるナビゲーション処理の流れを示す説明図である。図8はHMD20のHMD制御部20aにより実行される表示処理の流れを示す説明図である。
【0059】
まず、図7を用いて携帯電話機10の携帯電話機制御部10aにより実行されるナビゲーション処理を説明する。このナビゲーション処理は、携帯電話機10の利用者が、携帯電話機10の携帯電話機操作部19により所定の操作を行なったときに実行される。
【0060】
携帯電話機制御部10aのCPU(以下、単に「CPU」という)は、ステップS101において、場所情報取得部17により複数のGPS衛星40との通信を行い、経度及び緯度などの位置情報を算出し、算出した当該位置情報から当該携帯電話機10の場所情報を決定する。続いてCPUは、ステップS102において、携帯電話機10の場所情報に基づいた地図情報を、地図情報取得部16によりインターネット網50に接続された外部サーバ52から中継局51を介して取得する。このステップS102の処理では、CPUは、場所情報取得部17で決定された携帯電話機10の場所情報、取得する地図情報の所定範囲などを、地図情報取得部16を介してインターネット網50に接続された外部サーバ52に送信する。外部サーバ52は、受信した携帯電話機10の場所情報を略中心として所定範囲に応じた地図情報を生成し、地図情報取得部16に送信する。このようにして受信した地図情報は、例えば、携帯電話機10の表示部11に地図11aとして表示(図4参照)される。
【0061】
CPUは、HMD20からの第2方位情報を受信したか否かを判断し(ステップS103)、HMD20からの第2方位情報を受信していないと判定(ステップS103:No)すると、ステップS110へ処理を移す。一方、HMD20からの第2方位情報を受信したと判定(ステップS103:Yes)すると、CPUは、ステップS104へ処理を移す。
【0062】
上記ステップS103の処理では、HMD20の第2方位情報送信部24(図3参照)から送られてくるHMD20の向き(利用者の向き)を示す第2方位情報を、携帯電話機10の第2方位情報受信部14(図3参照)において受信したか否かを判定する。このように、携帯電話機10のナビゲーション処理において、HMD20からの第2方位情報を受信することで、最新のHMD20の向き(利用者の向き)を取得することができる。また、HMD20からの第2方位情報を受信したことで、HMD20と携帯電話機10とが接続ケーブル30で接続されていることもわかる。
【0063】
ステップS104において、CPUは、利用者により携帯電話機10の携帯電話機操作部19の操作状態を取得する。続いて、ステップS105において、CPUは、携帯電話機10の携帯電話機操作部19が利用者により操作されているか否かを判断し、携帯電話機操作部19が利用者により操作されていると判断(ステップS105:Yes)すると、CPUは、ステップS110へ処理を移す。一方、携帯電話機10の携帯電話機操作部19が利用者により操作されていないと判断(ステップS105:No)すると、CPUは、ステップS106へ処理を移す。ステップS105の判断処理は、状態検知手段の一つである携帯電話機10が操作されているか否かを判断する操作判断手段である。
【0064】
ステップS106において、CPUは、HMD20による表示状態を確認して、HMD20によりHMD用地図情報が表示可能か否かを判断する。HMD20によりHMD用地図情報が表示可能と判定(ステップS106:Yes)すると、CPUは、ステップS107に処理を移す。一方、HMD20によりHMD用地図情報が表示可能ではないと判定(ステップS106:No)すると、CPUは、ステップS110へ処理を移す。
【0065】
上記ステップS106で判断されるHMD20による表示状態は、HMD20からの第2方位情報とともに受信したHMD20の表示切替ボタン26bの操作状態や、投影部27から出射されるレーザ光の出力状態などから判断される。つまり、表示切替ボタン26bが非表示に操作されている状態やレーザ光の出力が低下した状態を検出すると、CPUは、HMD20によりHMD用地図情報が表示可能ではないと判定する。ステップS106の判断処理は、状態検知手段の一つであるHMD20に表示されるHMD用地図情報が表示可能な状態か否かを判断する表示判断手段である。
【0066】
ステップS107において、CPUは、携帯電話機10の利用者が移動中であるか否かを判断する。この処理において、利用者が移動中ではないと判定(ステップS107:No)すると、CPUは、ステップS110に処理を移す。一方、利用者が移動中であると判定(ステップS107:Yes)すると、CPUは、ステップS108へ処理を移す。
【0067】
上記ステップS107で判断される利用者が移動中であるか否かの判断は、携帯電話機10の移動検知手段である加速度センサ18及び場所情報取得部17により判断される。すなわち、携帯電話機10が所定値以上の加速度で変位したことを加速度センサ18が検出した場合は、携帯電話機10を所持している利用者が停止状態から移動状態、或は、移動状態から停止状態に移行したと推定する。この後、携帯電話機10の場所情報を決定する場所情報取得部17により、所定時間の間に場所情報に変化があった場合は利用者が停止状態から移動開始したと特定する。一方、所定時間の間に場所情報に変化が無かった場合は利用者が移動状態から停止状態に移行したと特定する。ステップS107の判断処理は、状態検知手段の一つである携帯電話機10の位置が動いていることを検知する移動検知手段である。
【0068】
ステップS108において、CPUは、HMD20から受信した第2方位情報と、場所情報取得部17で取得した場所情報及び地図情報取得部16で取得した地図情報とに基づいてHMD用地図情報を生成する。このHMD用地図情報は、図5に示すように、HMD20の向き(利用者の向き)に対応する向きを示すアイコン21bが表示される。そして、CPUは、ステップS108で生成したHMD用地図情報を、地図情報処理部13を介してHMD20に送信(ステップS109)する。この処理が終了すると、CPUは、ステップS112へ処理を移す。
【0069】
ステップS110において、CPUは、携帯電話機10の第1方位情報取得手段である第1方位センサ12から携帯電話機10の向きを示す第1方位情報を取得する。取得した第1方位情報と、場所情報取得部17で取得した場所情報及び地図情報取得部16で取得した地図情報とに基づいて携帯機器用地図情報(図4参照)を生成する。そして、CPUは、ステップS110で生成した携帯機器用地図情報を、携帯電話機10の表示部11に表示する(ステップS111)。この処理が終了すると、CPUは、ステップS112へ処理を移す。
【0070】
ステップS112において、CPUは、ナビゲーションシステムを終了するか否かを判断し、ナビゲーションシステムを終了すると判断(ステップS112:Yes)すると、CPUは、本サブルーチンを終了する。一方、ナビゲーションシステムを終了しないと判断(ステップS112:No)すると、CPUは、ステップS101へ処理を移す。
【0071】
次に、図8を用いてHMD20のHMD制御部20aにより実行されるHMD用地図情報表示処理を説明する。なお、このHMD用地図情報表示処理は、携帯電話機10の利用者が、HMD20と携帯電話機10とを接続ケーブル30で接続し、HMD20の電源が投入されているときに実行される。
【0072】
ステップS201において、HMD制御部20aのCPU(以下、単にCPUという)は、HMD20と携帯電話機10が接続ケーブル30で接続されているか否かを判断する。この処理において、接続されていると判定(ステップS201:Yes)すると、CPUは、ステップS202へ処理を移す。一方、接続されていないと判定(ステップS201:No)すると、CPUは、ステップS207へ処理を移す。
【0073】
上記ステップS201で判断されるHMD20と携帯電話機10との接続は、例えば、携帯電話機10のCPUがHMD20との接続を検出した場合に、携帯電話機10の携帯電話機通信部15を介して、HMD20に対して第2方位情報の送信要求をする。そして、第2方位情報の送信要求をHMD通信部25で受信した場合に、HMD20は、HMD20と携帯電話機10とが接続されていると判断することができる。
【0074】
ステップS202において、CPUは、HMD20の第2方位情報取得手段である第2方位センサ22からHMD20の向きを示す第2方位情報を取得する。続いて、ステップS203において、CPUは、取得した第2方位情報とHMD20の表示切替ボタン26bの操作状態や投影部27から出射されるレーザ光の出力状態とを、第2方位情報送信部24により携帯電話機10へ送信する。この処理が終了すると、CPUは、ステップS204へ処理を移す。
【0075】
ステップS204において、CPUは、携帯電話機10からのHMD用地図情報の受信待ち処理を行う。この処理においてCPUは、携帯電話機10へ第2方位情報とHMD20の表示状態を送信した後、所定時間のHMD用地図情報の受信待ち時間の経過を監視する。そして、所定時間が経過するとステップS205へ処理を移す。
【0076】
ステップS205において、CPUは、携帯電話機10の地図情報処理部13から送信されたHMD用地図情報を、HMD20のHMD用地図情報受信部28が受信したか否かを判断する。この処理において、HMD用地図情報を受信したと判断(ステップS205:Yes)すると、CPUは、ステップS206へ処理を移す。一方、HMD用地図情報を受信していないと判断(ステップS205:No)すると、CPUは、ステップS207へ処理を移す。
【0077】
ステップS206において、CPUは、携帯電話機10から受信したHMD用地図情報をHMD20により表示する。具体的には、HMD用地図情報を画像光として投影部27から利用者の左眼に出射して、HMD用地図情報を利用者が視認可能とする。この処理が終了すると、CPUは、ステップS208へ処理を移す。
【0078】
ステップS207において、CPUは、HMD20によるHMD用地図情報の画像表示をOFFにする。すなわち、HMD20と携帯電話機10とが接続されていない状態、又は、所定時間以内にHMD用地図情報を受信しない状態を検出すると、HMD用地図情報の表示を中止する。この処理が終了すると、CPUは、ステップS208へ処理を移す。
【0079】
ステップS208において、CPUは、HMD操作部26の電源ON/OFFボタン26aが利用者に操作されて、HMD20の電源がOFFされたか否かを判断する。この処理において、CPUは、HMD20の電源がOFFされたと判断(ステップS208:Yes)すると、CPUは、本HMD用地図情報表示処理を終了する。一方、HMD20の電源がOFFされていないと判断(ステップS208:No)すると、CPUは、ステップS201へ処理を移す。
【0080】
以上、上述してきた実施形態によれば、携帯電話機10とHMD20とを接続ケーブルで接続した状態では、利用者の頭部に装着されたHMD20の向きに応じたHMD用地図情報がHMD20により表示される。これにより、利用者は、携帯電話機10の向きを気にすることなく、利用者の頭部正面の向きに基づいて生成されたHMD用地図情報によって、現在位置や目的地に位置を確認することができる。
【0081】
また、利用者自身がHMD20におけるHMD用地図情報の表示/非表示を選択的に設定することができる。このため、例えば、緊急時や利用者が目的地に到着したときに、HMD20によるHMD用地図情報の表示を非表示とすることで、利用者の頭部に装着したHMD20を外したり、接続ケーブル30を抜いたりしてHMD用地図情報を表示しないようにする必要がない。
【0082】
さらに、利用者の移動及び停止を検出するための加速度センサ18を携帯電話機10に備え、この加速度センサ18と携帯電話機10の場所情報を決定する場所情報取得部17により、利用者の移動状態又は停止状態を特定することができる。そして、利用者が移動状態から停止状態に移行したことを検出した場合には、携帯電話機10からHMD20へのHMD用地図情報の送信は中止され、HMD20においてはHMD用地図情報の表示がOFFされる。一方、利用者が停止状態から移動状態に移行したことを検出した場合には、携帯電話機10からHMD20へのHMD用地図情報の送信が再開され、HMD20によりHMD用地図情報が表示される。
【0083】
また、携帯電話機10の表示部11及びHMD20に表示される地図情報は、2次元の平面地図として説明してきたが、これに限定されるものではなく、例えば、地図情報を鳥瞰図や3Dパノラマの立体地図を表示することもできる。また、携帯電話機10には2次元の平面地図を表示させ、HMD20には鳥瞰図や3Dパノラマの立体地図を表示させるなど表示態様を別々にしてもよいし、或は、利用者が好む地図情報を選択的に表示させてもよい。さらに、地図情報を鳥瞰図やDパノラマの立体地図とする場合は、利用者の現在位置や向きに応じたアイコン11b又は21b等の表示は無くてもよい。
【0084】
また、本実施形態における地図情報は、地図11a、21aと、アイコン11b、21bとを表示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、地図11a、21aに目的地までの最適のルートなどを表示することもできる。
【0085】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0086】
本発明を、上述してきた実施形態を通して説明したが、本実施形態のナビゲーションシステムによれば、以下の効果が期待できる。
【0087】
(1)携帯電話機10と、携帯電話機10と通信可能なHMD20とを備えるナビゲーションシステムであって、携帯電話機10は、携帯電話機10の場所情報を取得する手段(場所情報取得部17)と、携帯電話機10の向きを示す第1方位情報を取得する手段(第1方位センサ12)と、場所情報と第1方位情報とに基づいて、携帯電話機10を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示部11と、HMD20と通信する携帯機器側通信手段(携帯電話機通信部15)と、HMD20に携帯機器側通信手段を接続した状態においてHMD20からのHMD20の向きを示す第2方位情報を携帯機器側通信手段を介して受信する手段(第2方位情報受信部14)と、場所情報と第2方位情報とに基づいて、HMD20を基準としたHMD用地図情報を取得し、当該HMD用地図情報を携帯機器側通信手段を介してHMD20に送信する地図情報処理手段(地図情報処理部13)と、を有し、HMD20は、第2方位情報を取得する手段(第2方位センサ22)と、携帯電話機10と通信するヘッドマウントディスプレイ側通信手段(HMD通信部25)と、第2方位情報をヘッドマウントディスプレイ側通信手段を介して携帯電話機10に送信する手段(第2方位情報送信部24)と、携帯電話機10から送信されてきたHMD用地図情報を受信する手段(HMD用地図情報受信部28)と、HMD用地図情報を表示する手段(投影部27)と、を有するナビゲーションシステムとしたので、利用者は、ナビゲーションシステムを利用中は、携帯電話機10の場所情報とHMD20の向きを示す第2方位情報とに基づいて生成されたHMD用地図情報を、HMD20により確認しながら所定の場所へ移動することができる。
【0088】
(2)携帯電話機10又はHMD20の状態を検知する状態検知手段(例えば、後述の操作判断手段、表示判断手段、移動検知手段など)を備え、地図情報処理手段(地図情報処理部13)は、状態検知手段により検知した携帯電話機10又はHMD20の状態に応じて、携帯機器用地図情報又はHMD用地図情報のいずれを、携帯電話機10の表示部11又はHMD20のいずれに表示させるかを決定するナビゲーションシステムとしたので、利用者は、携帯電話機10又はHMD20の使用状態の変化に応じて表示される携帯機器用地図情報又はHMD用地図情報のいずれかを確認しながら所定の場所へ移動することができる。
【0089】
(3)携帯電話機10は、携帯電話機10が操作されているか否かを判断する操作判断手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS105)を有し、地図情報処理手段(地図情報処理部13)は、操作判断手段により携帯電話機10が操作されていると判断された場合、携帯電話機10からHMD20へのHMD用地図情報の送信を中止して第1方位情報を取得し、当該第1方位情報に基づいて、携帯機器用地図情報を取得し、携帯電話機10の表示部11に携帯機器用地図情報を表示させることとしたので、例えば、HMD20によりHMD用地図情報を表示中に、利用者が任意に携帯電話機10の表示部11に前記携帯機器用地図情報を表示させることができる。
【0090】
(4)携帯電話機10又はHMD20は、HMD20に表示されるHMD用地図情報が表示可能な状態か否かを判断する表示判断手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS106)を有し、地図情報処理手段(地図情報処理部13)は、表示判断手段によりHMD用地図情報が表示可能な状態ではないと判断された場合、携帯電話機10からHMD20へのHMD用地図情報の送信を中止して第1方位情報を取得し、当該第1方位情報に基づいて、携帯電話機10を基準とした携帯機器用地図情報を取得し、携帯電話機10の表示部11に携帯機器用地図情報を表示させることとしたので、例えば、HMD20にHMD用地図情報が表示できない状態では、携帯機器の携帯機器用地図情報を見ることで、ナビゲーションシステムによるサービスの提供を受けることができる。
【0091】
(5)携帯電話機10は、携帯電話機10の位置が動いていることを検知する移動検知手段(加速度センサ18、場所情報取得部17)を有し、地図情報処理手段(地図情報処理部13)は、移動検知手段により携帯電話機10の位置が動いていることが検知された場合、HMD用地図情報を取得し、当該HMD用地図情報を携帯機器側通信手段(携帯電話機通信部15)を介してHMD20に送信することとしたので、例えば、利用者が移動中にのみHMD20によりHMD用地図情報を表示させるようにすることができる。
【0092】
(6)HMD20と通信可能な携帯電話機10であって、携帯電話機10の場所情報を取得する手段(場所情報取得部17)と、携帯電話機10の向きを示す第1方位情報を取得する手段(第1方位センサ12)と、場所情報と方位情報とに基づいて、携帯電話機10を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示部11と、HMD20と通信する通信手段(携帯電話機通信部15)と、HMD20に通信手段を接続した状態においてHMD20からのHMD20の向きを示す第2方位情報を通信手段を介して受信する手段(第2方位情報受信部14)と、場所情報と第2方位情報とに基づいて、HMD20を基準としたHMD用地図情報を取得し、当該HMD用地図情報を通信手段を介してHMD20に送信する地図情報処理手段(地図情報処理部13)と、を有する携帯電話機10としたので、例えば、HMD20を接続するだけで、HMD20によりHMD用地図情報を表示させることができる。
【0093】
(7)表示部11と、HMD20と通信する通信手段(携帯電話機通信部15)とを備えた携帯電話機10を、携帯電話機10の場所情報を取得する手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS101)、前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS110)、場所情報と第1方位情報とに基づいて、携帯電話機10を基準とした携帯機器用地図情報を表示部11に表示させる手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS111)、HMD20に通信手段を接続した状態においてHMD20からのHMD20の向きを示す第2方位情報を通信手段を介して受信する手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS103)、場所情報と第2方位情報とに基づいて、HMD20を基準としたHMD用地図情報を取得(ナビゲーション処理(図7)のステップS108)し、当該HMD用地図情報を通信手段を介してHMD20に送信する手段(ナビゲーション処理(図7)のステップS109)、として機能させるための携帯機器用プログラム(ナビゲーション処理(図7))としたので、例えば、この携帯機器用プログラムを携帯電話機にインストールすることで、HMD20によりHMD用地図情報を表示させることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 携帯電話機
11 表示部
12 第1方位センサ
13 地図情報処理部
14 第2方位情報受信部
16 地図情報取得部
17 場所情報取得部
18 加速度センサ
19 携帯電話機操作部
20 HMD
21 コントロールユニット
22 第2方位センサ
30 接続ケーブル
40 GPS衛星
50 インターネット網
51 中継局
52 外部サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器と、前記携帯機器と通信可能なヘッドマウントディスプレイとを備えるナビゲーションシステムであって、
前記携帯機器は、
前記携帯機器の場所情報を取得する手段と、
前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段と、
前記場所情報と前記第1方位情報とに基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示手段と、
前記ヘッドマウントディスプレイと通信する携帯機器側通信手段と、
前記ヘッドマウントディスプレイに前記携帯機器側通信手段を接続した状態において前記ヘッドマウントディスプレイからの前記ヘッドマウントディスプレイの向きを示す第2方位情報を前記携帯機器側通信手段を介して受信する手段と、
前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、前記ヘッドマウントディスプレイを基準としたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記携帯機器側通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する地図情報処理手段と、を有し、
前記ヘッドマウントディスプレイは、
前記第2方位情報を取得する手段と、
前記携帯機器と通信するヘッドマウントディスプレイ側通信手段と、
前記第2方位情報を前記ヘッドマウントディスプレイ側通信手段を介して前記携帯機器に送信する手段と、
前記携帯機器から送信されてきた前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を受信する手段と、
前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を表示する手段と、を有する
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記携帯機器又は前記ヘッドマウントディスプレイの状態を検知する状態検知手段を備え、
前記地図情報処理手段は、
前記状態検知手段により検知した前記携帯機器又は前記ヘッドマウントディスプレイの状態に応じて、前記携帯機器用地図情報又は前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報のいずれを、前記携帯機器の前記表示手段又は前記ヘッドマウントディスプレイのいずれに表示させるかを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記携帯機器は、前記状態検知手段として、前記携帯機器が操作されているか否かを判断する操作判断手段を有し、
前記地図情報処理手段は、前記操作判断手段により前記携帯機器が操作されていると判断された場合、前記携帯機器から前記ヘッドマウントディスプレイへの前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報の送信を中止して前記第1方位情報を取得し、当該第1方位情報に基づいて、前記携帯機器用地図情報を取得し、前記携帯機器の前記表示手段に前記携帯機器用地図情報を表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記携帯機器又は前記ヘッドマウントディスプレイは、前記状態検知手段として、前記ヘッドマウントディスプレイに表示される前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報が表示可能な状態か否かを判断する表示判断手段を有し、
前記地図情報処理手段は、前記表示判断手段により前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報が表示可能な状態ではないと判断された場合、前記携帯機器から前記ヘッドマウントディスプレイへの前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報の送信を中止して前記第1方位情報を取得し、当該第1方位情報に基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を取得し、前記携帯機器の前記表示手段に前記携帯機器用地図情報を表示させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記携帯機器は、前記状態検知手段として、前記携帯機器の位置が動いていることを検知する移動検知手段を有し、
前記地図情報処理手段は、前記移動検知手段により前記携帯機器の位置が動いていることが検知された場合、前記ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記携帯機器側通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
ヘッドマウントディスプレイと通信可能な携帯機器であって、
前記携帯機器の場所情報を取得する手段と、
前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段と、
前記場所情報と前記方位情報とに基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を表示する表示手段と、
前記ヘッドマウントディスプレイと通信する通信手段と、
前記ヘッドマウントディスプレイに前記通信手段を接続した状態において前記ヘッドマウントディスプレイからの前記ヘッドマウントディスプレイの向きを示す第2方位情報を前記通信手段を介して受信する手段と、
前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、前記ヘッドマウントディスプレイを基準としたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する地図情報処理手段と、を有する
ことを特徴とする携帯機器。
【請求項7】
表示手段と、ヘッドマウントディスプレイと通信する通信手段とを備えた携帯機器を、
前記携帯機器の場所情報を取得する手段、
前記携帯機器の向きを示す第1方位情報を取得する手段、
前記場所情報と前記第1方位情報とに基づいて、前記携帯機器を基準とした携帯機器用地図情報を前記表示手段に表示させる手段、
前記ヘッドマウントディスプレイに前記通信手段を接続した状態において前記ヘッドマウントディスプレイからの前記ヘッドマウントディスプレイの向きを示す第2方位情報を前記通信手段を介して受信する手段、
前記場所情報と前記第2方位情報とに基づいて、前記ヘッドマウントディスプレイを基準としたヘッドマウントディスプレイ用地図情報を取得し、当該ヘッドマウントディスプレイ用地図情報を前記通信手段を介して前記ヘッドマウントディスプレイに送信する手段、
として機能させるための携帯機器用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−2568(P2012−2568A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135911(P2010−135911)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】