説明

ナビゲーションシステム、車載ナビゲーション装置、及び携帯端末

【課題】使い勝手の向上を図るとともに、これから進むべき方向をより直感的に認識することのできるナビゲーションシステム、車載ナビゲーション装置、及び携帯端末を提供する。
【解決手段】車載ナビゲーション装置10は、ジャイロスコープ13によって車両方向を検出し、シフトレバーポジションセンサによってシフトレバーの設定位置が駐車位置に設定されたことが検出されたときに、検出時における車両方向情報を携帯端末20に送信する。一方、携帯端末20は、車載ナビゲーション装置10からの車両方向情報を受信するとともに、基地局から受信した地図画像を携帯端末側表示部25に表示するとともに、その地図に車両方向を示す矢印Dを車両方向情報に基づいて定まる向きで表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路案内を行なうナビゲーションシステム、ナビゲーションシステムを構成する車載ナビゲーション装置、及びナビゲーションシステムを構成する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されて目的地までの経路案内を行なうとともに目的地の情報である目的地情報を送信する車載ナビゲーション装置と、車載ナビゲーション装置からの目的地情報を受信して目的地までの経路案内を引き継ぐ携帯端末とを備えるナビゲーションシステムが知られている。
【0003】
こうした従来のナビゲーションシステムを用いて、例えば繁華街等に位置し、隣接する駐車場を有さず、徒歩圏内に駐車場を有するデパートまでの経路案内を行なう場合、ユーザは、徒歩圏内の駐車場に車両を駐車し、デパートまで徒歩にて移動する。車両が駐車される際、車載ナビゲーション装置は、携帯端末に対し目的地情報を送信し、携帯端末は、GPS衛星からのGPS信号に基づき検出した現在地情報と、基地局からの地図情報と、携帯端末からの目的地情報とに基づいて、デパートまでの経路案内を継続する。
【0004】
しかしながら、上記従来のナビゲーションシステムでは、地図情報及び案内経路情報が絶対的な方位を基準として携帯端末の表示部に表示される。ユーザは、まず、携帯端末の表示部に表示された道路や建物等を駐車場周りの実際の道路や建物等に対応させて絶対的な方位を認識し、次に、携帯端末の表示部に表示された案内経路を駐車場周りの実際の道路に対応させて案内経路に従って目的地へ徒歩にて移動する。
【0005】
上記従来のナビゲーションシステムでは、地図情報及び案内経路情報が表示部に表示されるに過ぎないことから、ユーザが絶対的な方位を認識するのにユーザの認識力に頼る必要があり、これから進むべき方向を認識するのにもユーザの認識力に頼る必要があった。
【0006】
ところで、ユーザが絶対的な方位を認識することを補助する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。この特許文献1に記載の技術では、現在地と現在日時から表示部にペンを立てたときに影ができる方向を示し、ユーザが実際に表示部にペンを立ててできる影と表示された方向とを一致させることにより、絶対的な方位を認識することを補助している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−315045公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、ユーザが実際に表示部にペンを立てる必要があったり、そもそも雨天時やくもり時にはユーザが実際に表示部にペンを立てても影がうつらなかったりして、使い勝手が良くない。
【0009】
また、晴天時にユーザが実際に表示部にペンを立てて影ができる方向と一致させることにより絶対的な方位を認識することができたとしても、これから進むべき方向を認識するには、やはりユーザの認識力に頼らねばならず、特に女性ユーザにとっては難しい場合がある。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、使い勝手の向上を図るとともに、これから進むべき方向をより直感的に認識することのできるナビゲーションシステム、車載ナビゲーション装置、及び携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両に搭載されて目的地までの経路案内を行なうとともに目的地の情報である目的地情報を送信する車載ナビゲーション装置と、車載ナビゲーション装置からの目的地情報を受信して目的地までの経路案内を引き継ぐ携帯端末とを備えるナビゲーションシステムにおいて、車載ナビゲーション装置は、車両の停車時における車両方向を検出し、車両方向の情報である車両方向情報を送信し、携帯端末は、地図及び案内経路を表示する携帯端末側表示部を有しており、車載ナビゲーション装置からの車両方向情報を受信し、地図及び案内経路を携帯端末側表示部に表示するとともに、その地図に車両方向を示す車両方向図形を車両方向情報に基づいて定まる向きで表示することを特徴とする。
【0012】
ナビゲーションシステムとしての上記構成では、地図及び案内経路に加えて車両方向図形が携帯端末側表示部に表示されるため、ユーザは、携帯端末側表示部に表示される車両方向を実際の車両方向に一致させることにより、次に進むべき方向を認識することができるようになる。したがって、これから進むべき方向を認識するに先立ち絶対的な方位を認識する必要のある従来技術と比較して、これから進むべき方向をより直感的に認識することができるようになる。また、ペンを立てる必要があったり天候に左右されたりする上記特許文献1に記載の従来技術と比較して、使い勝手が向上する。
【0013】
また、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明では、車両に搭載されて目的地までの経路案内を行なうとともに目的地の情報である目的地情報を送信する車載ナビゲーション装置であって、車両の停車時における車両方向を検出し、車両方向の情報である車両方向情報を送信することを特徴とする。この請求項2に記載の車載ナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーションシステムを構成する車載ナビゲーション装置である。
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明では、目的地の情報である目的地情報を受信して目的地までの経路案内を引き継ぐ携帯端末であって、地図及び案内経路を表示する携帯端末側表示部を有しており、車両の停車時における車両方向の情報である車両方向情報を受信し、地図及び前記案内経路を携帯端末側表示部に表示するとともに、その地図に車両方向を示す車両方向図形を車両方向情報に基づいて定まる向きで表示することを特徴とする。この請求項3に記載の携帯端末は、請求項1に記載のナビゲーションシステムを構成する携帯端末である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るナビゲーションシステムの一実施の形態について、(a)は携帯端末の構成を示すブロック図であり、(b)は車載ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のナビゲーションシステムについて、携帯端末による地図画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るナビゲーションシステムの一実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0017】
本実施の形態のナビゲーションシステム1では、図示しない車両に搭載された車載ナビゲーション装置10と、図示しないユーザに携帯される携帯端末20とを備えて構成されており、車載ナビゲーション装置10は、目的地までの経路案内を行なうとともに目的地情報を携帯端末20に送信し、携帯端末20は、車載ナビゲーション装置10からの目的地情報を受信して目的地までの経路案内を引き継ぐものとする。
【0018】
なお、車載ナビゲーション装置10から携帯端末20へ経路案内を引き継ぐとは、目的地までの経路案内を行なっていた車載ナビゲーション装置10から携帯端末20へ目的地情報が送信され、目的地情報を受信した携帯端末20が目的地までの経路案内を引き続き行なうことを意味する。
【0019】
以下、図1(a)及び(b)を参照して、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20の構成及び機能について説明する。
【0020】
車載ナビゲーション装置10は、図1(a)に示されるように、地図情報記憶部11、ナビ側GPS受信部12、ジャイロスコープ13、ナビ側情報送信部14、操作部15、ナビ側制御部16、ナビ側表示部17、及び音声出力部18を備えて構成されている。
【0021】
このうち、地図情報記憶部11は、例えばハードディスクドライブ装置、DVD(digital versatile disc)装置、CD(compact disc)装置、フラッシュメモリ等によって構成されており、地図情報が記憶されている。地図情報記憶部11は、ナビ側制御部16に接続されており、このナビ側制御部16によって地図情報等が適宜読み出される。
【0022】
ナビ側GPS受信部12は、例えば図示しないGPSアンテナを有して構成されており、これも図示しない複数のGPS衛星から発せられるGPS信号を受信する。ナビ側GPS受信部12は、ナビ側制御部16に接続されており、受信したGPS信号をナビ側制御部16に出力する。
【0023】
ジャイロスコープ13は、当該ジャイロスコープ13が搭載されている車両の方向を検出する。ジャイロスコープ13は、ナビ側制御部16に接続されており、検出した車両方向の情報である車両方向情報をナビ側制御部16に出力する。
【0024】
ナビ側情報送信部14は、例えば高周波数帯のRF電波を送信する送信用アンテナを有して構成されており、ナビ側制御部16に接続されている。ナビ側情報送信部14は、ナビ側制御部16によって制御され、後述の目的地情報及び上記車両方向情報を携帯端末20に対しRF電波にて送信する。なお、本実施の形態では、ナビ側情報送信部14は、目的地情報及び車両方向情報を高周波数帯のRF電波にて送信するが、RF電波に限らず、目的地情報及び車両方向情報を低周波数帯のUHF電波にて送信してもよい。また、RF電波やUHF電波に限らず、目的地情報及び車両方向情報を送信する電波の周波数帯は適宜変更可能である。
【0025】
操作部15は、例えばタッチパネルや音声入力装置等の適宜の入力装置にて構成されており、ナビ側制御部16に接続されている。当該車載ナビゲーション装置10のユーザは、この操作部15を操作することで目的地をナビ側制御部16へ入力することができる。
【0026】
ナビ側制御部16は、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。
【0027】
ナビ側制御部16は、地図情報記憶部11及びナビ側GPS受信部12に接続されており、ナビ側GPS受信部12によって受信されるGPS信号を取得するとともに、地図情報記憶部11に記憶されている地図情報を読み出し、これらGPS信号及び地図情報を利用して車両の現在地を検出する。この車両の現在地の検出においては、当該車載ナビゲーション装置10を搭載する車両の走行軌跡と地図情報に基づいて周知のマップマッチングを実行することで、GPS信号に基づいて決定する現在地の誤差を補正する。
【0028】
また、ナビ側制御部16は、操作部15から入力された目的地に基づいて経路案内上の目的地を設定する。なお、操作部15から入力される目的地に限らず、現在地と目的地の履歴から今回の目的地を推定して、その推定した目的地を経路案内上の目的地に設定してもよい。
【0029】
また、ナビ側制御部16は、設定した目的地情報、検出した現在地情報、及び地図情報記憶部11から取得した地図情報を利用して、車両の現在地から目的地までの案内経路を算出する。なお、本実施の形態では、ナビ側制御部16は、車両の現在地を案内経路の出発地として設定し、車両の現在地から目的地までの案内経路を探索するが、車両の現在地を案内経路の出発地に設定するに限らず、上記操作部15によって入力された地点を案内経路の出発地に設定してもよい。
【0030】
また、ナビ側制御部16は、例えばLCD等によって構成されているナビ側表示部17、及び例えばスピーカ等である音声出力部18に接続されている。ナビ側制御部16は、目的地までの案内経路を探索すると、この探索した案内経路を含む地図画像を地図情報に基づいて描画し、その描画した地図画像をナビ側表示部17に表示させる。そして、ナビ側制御部16は、音声出力部18から音声案内あるいは警告音を出力してユーザに経路案内する。
【0031】
また、ナビ側制御部16には、図示しないシフトレバーの設定位置を検出するシフトレバーポジションセンサが接続されており、経路案内中に、シフトレバーポジションセンサによってシフトレバーの設定位置が駐車位置であることが検出されたとき、検出時における車両方向情報及び目的地情報をナビ側情報送信部14からRF電波にて送信させる。
【0032】
携帯端末20は、図1(b)に示されるように、携帯端末側GPS受信部21と、携帯端末側情報受信部22と、公衆回線通信部23と、携帯端末側制御部24と、携帯端末側表示部25とを有して構成されている。
【0033】
このうち、携帯端末側GPS受信部21は、例えば図示しないGPSアンテナを有して構成されており、これも図示しない複数のGPS衛星から発せられるGPS信号を受信する。携帯端末側GPS受信部21は、携帯端末側制御部24に接続されており、受信したGPS信号を携帯端末側制御部24に出力する。
【0034】
携帯端末側情報受信部22は、例えば高周波数帯のRF電波を受信する受信用アンテナを有して構成されており、携帯端末側制御部24に接続されている。携帯端末側情報受信部22は、携帯端末側制御部24によって制御され、車載ナビゲーション装置10からの目的地情報及び車両方向情報を携帯端末20をRF電波にて受信する。なお、本実施の形態では、上記ナビ側情報送信部14が目的地情報及び車両方向情報を高周波数帯のRF電波にて送信することから、携帯端末側情報受信部22は、高周波数帯のRF電波を受信するように構成されている。上記ナビ側情報送信部14が目的地情報及び車両方向情報を低周波数帯のUHF電波にて送信する場合には、携帯端末側情報受信部22は低周波数帯のUHF電波を受信するように構成する。要は、上記ナビ側情報送信部14から送信される電波の周波数帯にあわせて適宜変更する必要がある。
【0035】
公衆回線通信部23は、アンテナを有しており、このアンテナを介して図示しない基地局に対し所定の周波数帯の電波にて情報を送信するとともに、基地局からこの周波数帯の電波にて送信されてくる情報をアンテナを介して受信する。具体的には、公衆回線通信部23は、携帯端末側制御部24に接続されており、携帯端末側制御部24から入力された各種情報(例えば現在地情報及び目的地情報)を上記アンテナから送信する一方、このアンテナにて受信した情報(例えば地図画像情報)を携帯端末側制御部24に出力する。なお、公衆回線通信部23及び基地局間の通信エリアは、上記ナビ側情報送信部14及び上記携帯端末側情報受信部22間の通信エリアと比較して格段に広い。
【0036】
ここで、基地局及びセンターについて説明する。基地局は、図示しない公衆回線を介してセンターに接続されている。基地局は、携帯端末20から現在地情報及び目的地情報を電波にて受信すると、その受信した現在地情報及び目的地情報を公衆回線にてセンターに送信する。センターは、これら現在地情報、目的地情報、及び図示しないデータベースに記憶されている地図情報を利用して、現在地から目的地までの案内経路を探索する。また、センターは、現在地から目的地までの案内経路を探索すると、この探索した案内経路及び現在地を含む地図画像を地図情報に基づいて描画し、その描画した地図画像の情報である地図画像情報を公衆回線にて基地局へ送信する。基地局は、センターから地図画像情報を受信すると、その受信した地図画像情報を電波にて携帯端末20に送信する。なお、この地図画像情報が特許請求の範囲に記載の地図及び案内経路に相当する。
【0037】
携帯端末側制御部24は、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。
【0038】
携帯端末側制御部24は、携帯端末側情報受信部22及び公衆回線通信部23に接続されており、携帯端末側情報受信部22によって車載ナビゲーション装置10から目的地情報を受信すると、公衆回線通信部23によって目的地情報を上記基地局へ送信する。
【0039】
また、携帯端末側制御部24は、携帯端末側GPS受信部21に接続されており、携帯端末側GPS受信部21によってGPS衛星からGPS信号を受信し現在地を検出すると、公衆回線通信部23によって現在地の情報である現在地情報を上記基地局へ送信する。
【0040】
また、携帯端末側制御部24は、例えばLCD等によって構成されている携帯端末側表示部25に接続されている。携帯端末側制御部24は、基地局から地図画像情報を受信すると、携帯端末側表示部25に地図画像を表示するとともに、その地図画像に車両方向を示す車両方向図形を車両方向情報に基づいて定まる向きで表示する。
【0041】
図2は携帯端末20による表示例を示す図である。この図2に示されるように、携帯端末側表示部25には、上記センターにて描画された地図画像が表示されており、この地図画像には、車両C及び案内経路Rが含まれている。また、この地図画像には、携帯端末側制御部24によって、車両Cの方向を示す車両方向図形として矢印Dが車両方向情報に基づいて定まる向き(図2では右方)で表示されている。
【0042】
車両Cを降車したユーザは、携帯端末側表示部25に表示された矢印Dを実際の車両方向に一致させると、車両方向を基準に左方(図2では上方)の道路が案内経路Rであることが分かることから、次に進むべき方向を直感的に認識することができるようになる。なお、矢印Dが特許請求の範囲に記載の車両方向図形に相当する。
【0043】
以上説明した本実施の形態では、車載ナビゲーション装置10は、ジャイロスコープ13によって車両方向を検出し、シフトレバーポジションセンサによってシフトレバーの設定位置が駐車位置に設定されたことが検出されたときに、検出時における車両方向情報を携帯端末20に送信する。一方、携帯端末20は、車載ナビゲーション装置10からの車両方向情報を受信するとともに、基地局から受信した地図画像を携帯端末側表示部25に表示するとともに、その地図に車両方向を示す矢印Dを車両方向情報に基づいて定まる向きで表示することとした。これにより、ユーザは、携帯端末側表示部25に表示される矢印Dを実際の車両方向に一致させることにより、次に進むべき方向を認識することができる。したがって、これから進むべき方向を認識するのに先立ち絶対的な方位を認識する必要のある従来技術と比較して、これから進むべき方向をより直感的に認識することができるようになる。また、ペンを立てる必要があったり天候に左右されたりする上記特許文献1に記載の従来技術と比較して、使い勝手が向上する。
【0044】
なお、本発明に係るナビゲーションシステム1は、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
【0045】
上記実施の形態では、携帯端末20は、公衆回線通信部23によって、現在地情報及び目的地情報をセンターに送信する一方、センターからの地図画像情報を受信していた。すなわち、携帯端末20は、案内経路の探索や地図画像の描画等を自身で行なっていなかったが、これに限らない。携帯端末20は、車載ナビゲーション装置10と同様に、地図情報が記憶されている地図情報記憶部を有し、現在地情報及び目的地情報並びに地図情報に基づいて、案内経路の探索及び地図画像の描画を行なってもよい。
【0046】
上記実施の形態では、車載ナビゲーション装置10は、目的地までの経路案内中にシフトレバーポジションセンサによってシフトレバーの設定位置が駐車位置に設定されたことが検出されたことに基づいて、検出時における車両方向情報を携帯端末20に送信していたが、これに限らない。他に例えば、車載ナビゲーション装置10は、目的地までの経路案内中に車両のイグニッションスイッチがオフ操作されたことに基づいて、オフ操作時における車両方向情報を携帯端末20に送信してもよい。すなわち、車載ナビゲーション装置10は、目的地までの経路案内中に車両が駐車されたことに基づいて、駐車時における車両方向情報を携帯端末20に送信すればよい。さらには、車両の駐車時における車両方向情報に限らない。車載ナビゲーション装置10は、目的地までの経路案内中に車両が停車されたことに基づいて、車両の停車時における車両方向情報を携帯端末20に送信してもよい。なお、車載ナビゲーション装置10は、図示しない車速センサによって車速零を検出したことに基づいて車両が停車したと判断することができる。
【0047】
また、車載ナビゲーション装置10から携帯端末20への車両方向情報の送信タイミングは、車両の駐車時あるいは停車時を採用することができる。他に例えば、車載ナビゲーション装置10が目的地までの経路案内中に車両Cが駐車あるいは停車されて以後の、携帯端末20を携帯するユーザの車両降車時を採用することができる。なお、ユーザの降車については、着座シートに設けられた着座センサや車両ドアの開度センサ等によって検出することができる。要は、車両方向情報は、車載ナビゲーション装置10が目的地までの経路案内中に車両Cが駐車あるいは停車されて以後、携帯端末20を携帯するユーザが実際の車両方向及び実際の案内経路を双方とも目視することのできる範囲内に位置する所定期間(例えば「10分間」等)内に送信されればよい。
【符号の説明】
【0048】
1…ナビゲーションシステム、10…車載ナビゲーション装置、11…地図情報記憶部、12…ナビ側GPS受信部、13…ジャイロスコープ、14…ナビ側情報送信部、15…操作部、16…ナビ側制御部、17…ナビ側表示部、18…音声出力部、20…携帯端末、21…携帯端末側GPS受信部、22…携帯端末側情報受信部、23…公衆回線通信部、24…携帯端末側制御部、25…携帯端末側表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて目的地までの経路案内を行なうとともに目的地の情報である目的地情報を送信する車載ナビゲーション装置と、車載ナビゲーション装置からの前記目的地情報を受信して目的地までの経路案内を引き継ぐ携帯端末とを備えるナビゲーションシステムにおいて、
前記車載ナビゲーション装置は、前記車両の停車時における車両方向を検出し、車両方向の情報である車両方向情報を送信し、
前記携帯端末は、地図及び案内経路を表示する携帯端末側表示部を有しており、前記車載ナビゲーション装置からの前記車両方向情報を受信し、前記地図及び前記案内経路を前記携帯端末側表示部に表示するとともに、その地図に車両方向を示す車両方向図形を前記車両方向情報に基づいて定まる向きで表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
車両に搭載されて目的地までの経路案内を行なうとともに目的地の情報である目的地情報を送信する車載ナビゲーション装置であって、
前記車両の停車時における車両方向を検出し、車両方向の情報である車両方向情報を送信することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
目的地の情報である目的地情報を受信して目的地までの経路案内を引き継ぐ携帯端末であって、
地図及び案内経路を表示する携帯端末側表示部を有しており、車両の停車時における車両方向の情報である車両方向情報を受信し、前記地図及び前記案内経路を前記携帯端末側表示部に表示するとともに、その地図に車両方向を示す車両方向図形を前記車両方向情報に基づいて定まる向きで表示することを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−220861(P2011−220861A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90825(P2010−90825)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】