ナビゲーションシステム及びナビゲーションシステムを形成する方法
【課題】
【解決手段】
本発明は、ナビゲーション指示を提供するナビゲーションシステムに関する。ナビゲーションシステムは、受入れ部分(30)が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイスを有する。受入れ部分(30)は、第1の結合型の結合要素(33)が設けられた内面を有する。ナビゲーションシステムは、ナビゲーションデバイスを受け入れるように構成されたドッキングシステムを更に含む。ドッキングシステムは、第2の結合型の結合要素(34)が設けられた延出部分(31)を有する。第2の結合型の結合要素(34)は、第1の結合型の結合要素(33)に結合するように構成される。延出部分(31)は、ナビゲーションデバイス(10)の受入れ部分(30)の内面に類似する形状を有する外面を更に含む。受入れ部分(30)は外面上の軌道に沿ってスライド自在であり、軌道は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分(30)の内面及びドッキングシステムの延出部分(31)の外面の双方の形状により決められる。特に、軌道は、第1の結合型の結合要素(33)が結合のために第2の結合型の結合要素(34)に向かって案内されるような軌道である。
【解決手段】
本発明は、ナビゲーション指示を提供するナビゲーションシステムに関する。ナビゲーションシステムは、受入れ部分(30)が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイスを有する。受入れ部分(30)は、第1の結合型の結合要素(33)が設けられた内面を有する。ナビゲーションシステムは、ナビゲーションデバイスを受け入れるように構成されたドッキングシステムを更に含む。ドッキングシステムは、第2の結合型の結合要素(34)が設けられた延出部分(31)を有する。第2の結合型の結合要素(34)は、第1の結合型の結合要素(33)に結合するように構成される。延出部分(31)は、ナビゲーションデバイス(10)の受入れ部分(30)の内面に類似する形状を有する外面を更に含む。受入れ部分(30)は外面上の軌道に沿ってスライド自在であり、軌道は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分(30)の内面及びドッキングシステムの延出部分(31)の外面の双方の形状により決められる。特に、軌道は、第1の結合型の結合要素(33)が結合のために第2の結合型の結合要素(34)に向かって案内されるような軌道である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション指示を提供するナビゲーションシステムに関する。ナビゲーションシステムは、第1の結合型の結合要素が設けられた内面を有する受入れ部分が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイスと、提供されたナビゲーションデバイスを受け入れるように構成されたドッキングシステムとを具備し、ドッキングシステムは、第2の結合型の結合要素が設けられた延出部分を具備し、第2の結合型の結合要素は、第1の結合型の結合要素に結合するように構成される。また、本発明は、そのようなナビゲーションシステムに適するドッキングシステムを具備するダッシュボード、そのようなナビゲーションシステムを具備する車両、そのようなナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するナビゲーションデバイス、そのようなナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するドッキングシステム及びそのようなナビゲーションシステムを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)に基づく従来のナビゲーションデバイスは周知であり、車載ナビゲーションシステムとして広く採用されている。そのようなGPSに基づくナビゲーションデバイスは、外部(又は内部)GPS受信機と機能的に接続して地球上における位置を判定できる演算装置に関連する。更に、演算装置は、出発地の住所と目的地の住所との間のルートを判定でき、演算装置のユーザがそれらの住所を入力できる。一般的に、演算装置は、出発地と目的地の間の「最良」又は「最適」なルートの位置の計算を地図データベースから行なうソフトウェアにより実現される。「最良」又は「最適」のルートは所定の基準に基づいて判定され、「最良」又は「最適」のルートは必ずしも、最速又は最短のルートである必要はない。
【0003】
ナビゲーションデバイスは、通常、車両のダッシュボードに搭載されてもよいが、車両のオンボードコンピュータ又はカーラジオの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDAなどのハンドヘルドシステム(の一部)であってもよい。
【0004】
GPS受信機からの位置情報を使用することにより、演算装置は、定期的に自身の位置を判定でき、車両の現在の位置をユーザに対して表示できる。ナビゲーションデバイスは、地図データを格納するメモリ素子と、地図データの選択された一部分を表示するディスプレイとを更に具備してもよい。
【0005】
また、ナビゲーションデバイスは、ディスプレイに表示され且つ/又はスピーカから可聴信号(例えば、「100m先で左折」など)として生成される適切なナビゲーション指示により、判定されたルートをどのように走行すべきかに関する命令を提供できる。実行される行動を示すグラフィックス(例えば、この先を左折することを示す左矢印)をステータスバーに表示でき、地図自体の適用可能な分岐点/曲がり角などにグラフィックスが重ね合わされてもよい。
【0006】
車載ナビゲーションシステムにより計算されたルートに沿って自動車を運転している間に、運転手がナビゲーションシステムにルートの再計算を開始させることができるのは周知である。これは、車両が道路工事又は激しい渋滞に遭遇した場合に有用である。
【0007】
また、ナビゲーションデバイスにより利用されるルート計算アルゴリズムの種類を、例えば、「通常」モード及び「高速」モード(最短時間でルートを計算するが、通常モードほど多くの代替ルートを探索しない)からユーザが選択できることも周知である。
【0008】
更に、ユーザが定義した基準によってルートを計算できることも周知である。例えば、ユーザは、景色のよいルートが装置により計算されることを好む場合もある。その場合、装置のソフトウェアは種々のルートを計算し、ルートの間に、例えば、風光明媚であると指定された地点情報(POIとして周知である)を最大数含むルートをより好ましいと評価するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
今日、ナビゲーションデバイスは盗難の危機にさらされている。盗難を防止するために、ナビゲーションデバイスは、ドッキングシステムから取り外し自在である。現在、ドッキングシステムとナビゲーションデバイスとを結合するためには、双方の構造を互いに関して厳密に位置決めすることが必要である。しかし、例えば、凹凸の多い路面を走行したり、不十分な照明条件の下で結合(取り外し)するなどの多くの不都合な条件の下でドッキングシステム及びナビゲーションデバイスを頻繁に着脱することにより、双方の構造の結合要素が損傷する可能性は高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
冒頭部分で記載されたようなナビゲーションシステムの一実施形態において、延出部分は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面を具備し、受入れ部分は、外面上の軌道に沿ってスライド自在であり、軌道は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面及びドッキングシステムの延出部分の外面の双方の形状により決められ、軌道は、第1の結合型の結合要素が結合のために第2の結合型の結合要素に向かって案内されるような軌道である。結合型の要素の例には、雄結合要素及び雌結合要素がある。
【0011】
一実施形態においては、外面は凸形の形状を有し、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面は凹形の形状を有する。
【0012】
一実施形態においては、ドッキングシステムは支持機構を具備し、ドッキングシステムの延出部分は支持機構に回動自在に装着される。支持機構の例には、吸着カップ及びクリックばねがある。支持機構はケーブルを収納するように構成されてもよい。
【0013】
本発明は、上述の実施形態のうち1つにおけるナビゲーションシステムに適するドッキングシステムを具備するダッシュボードに更に関する。
【0014】
更に本発明は、上述の実施形態のうち1つのナビゲーションシステムを具備する車両に関する。
【0015】
更に本発明は、上述の実施形態のうち1つのナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するナビゲーションデバイスに関する。
【0016】
更に本発明は、上述の実施形態のうち1つのナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するドッキングシステムに関する。
【0017】
最後に、本発明は、ナビゲーションシステムを形成する方法に関する。方法は、
第1の結合型の結合要素が設けられた内面を有する受入れ部分が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイスを提供し、
ナビゲーションデバイスを受け入れるように構成されたドッキングシステムであり、ドッキングシステムは、第1の結合型の結合要素に結合するように構成された第2の結合型の結合要素が設けられた延出部分を具備し、延出部分は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面を具備する、ように構成されたドッキングシステムを提供し、
外面上の軌道であり、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面及びドッキングシステムの延出部分の外面の双方の形状により決められ、第1の結合型の結合要素が結合のために第2の結合型の結合要素に向かってほぼ案内されるような軌道である軌道に沿って受入れ部分をスライドすることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、添付の図面を参照して、実施形態を単なる例として説明する。図中、対応する図中符号は対応する部分を示す。
【0019】
図1は、算術演算を実行するプロセッサユニット11を具備するナビゲーションデバイス10の一実施形態を示す概略ブロック図である。プロセッサユニット11は、命令及びデータを格納するハードディスク12、読出し専用メモリ(ROM)13、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)14及びランダムアクセスメモリ(RAM)15などのメモリユニットと通信するように構成される。メモリユニットは、地図データ22を含んでもよい。この地図データは2次元地図データ(緯度及び経度)であってもよいが、第3の次元(海抜)を更に含んでもよい。地図データは、給油所/ガソリンスタンド、地点情報に関する情報などの追加情報を更に含んでもよい。地図データは、道路に沿った建物及び物体の形状に関する情報を更に含んでもよい。
【0020】
プロセッサユニット11は、キーボード16及びマウス17などの1つ以上の入力装置と通信するように更に構成されてもよい。キーボード16は、例えば、タッチスクリーンであるディスプレイ18に設けられた仮想キーボードであってもよい。プロセッサユニット11は、ディスプレイ18、スピーカ29、フロッピーディスク(登録商標)20又はCD ROM21などを読取るための1つ以上の読取り装置19のような、1つ以上の出力装置と通信するように更に構成されてもよい。ディスプレイ18は、従来のコンピュータディスプレイ(例えば、LCD)であってもよいが、自動車のフロントガラスに計測データを投影するために使用されるヘッドアップ型ディスプレイなどの投影型ディスプレイであってもよい。ディスプレイ18は、ユーザがディスプレイ18に手で触れることにより、少なくとも命令、情報のいずれかを入力することのできるタッチスクリーンとして機能するように構成されたディスプレイであってもよい。
【0021】
スピーカ29は、ナビゲーションデバイス10の一部として形成されてもよい。ナビゲーション10が車載ナビゲーションデバイスとして使用される場合、ナビゲーションデバイス10は、カーラジオ、ボードコンピュータなどのスピーカを使用してもよい。
【0022】
プロセッサユニット11は、ナビゲーションデバイス10の位置に関する情報を提供するGPS受信機などの測位装置23と通信するように更に構成されてもよい。本実施形態によれば、測位装置23は、GPSベースの測位装置23である。しかし、ナビゲーションデバイス10が任意の種類の位置感知技術を実現してもよく、GPSに限定されないことは理解されるであろう。従って、ナビゲーションデバイス10は、欧州のガリレオシステム等の他の種類のGNSS(global navigation satellite system:グローバルナビゲーションサテライトシステム)を使用して実現することもできる。同様に、ナビゲーションシステムは衛星を利用する場所/速度システムに限定されず、地上ビーコン又はナビゲーションデバイスが地理的場所を判定することを可能にする任意の他の種類のシステムを使用しても同様に構成できる。
【0023】
しかし、当業者には周知である更に多くの、他のメモリユニット、入力装置、読取装置の少なくともいずれかが設けられてもよいことを理解すべきである。更に、それらの装置のうち1つ以上は、必要に応じてプロセッサユニット11から物理的に離れた場所に配置されてもよい。プロセッサユニット11は、1つのボックスとして示されるが、当業者には周知であるように、並列して機能するか又は1つの主プロセッサにより制御され、互いに離れた場所に配置されてもよいいくつかの処理装置を具備してもよい。
【0024】
ナビゲーションデバイス10は、コンピュータシステムとして示されるが、本明細書中で説明される機能を実行するように構成されたアナログ技術、デジタル技術、ソフトウェア技術の少なくともいずれかによる任意の信号処理システムであってもよい。図1には、ナビゲーションデバイス10は複数の構成要素として示されるが、ナビゲーションデバイス10が単一の装置として構成されてもよいことは理解されるであろう。
【0025】
ナビゲーションデバイス10は、ナビゲータと呼ばれるTomTom B. V.のナビゲーションソフトウェアなどのナビゲーションソフトウェアを使用してもよい。ナビゲータソフトウェアは、Compaq iPaq等のタッチスクリーンの(すなわち、スタイラス制御)Pocket PC搭載PDAデバイス、並びに一体型GPS受信機23を有するデバイス上で実行されてもよい。PDAとGPS受信機とを組合わせたシステムは、車載ナビゲーションシステムとして使用されるように設計される。本実施形態は、一体型GPS受信機/コンピュータ/ディスプレイを有するナビゲーションデバイス、あるいは非車両用に設計された装置(例えば、歩行者向け)又は自動車以外の車両(例えば、航空機)用として設計された装置などの他の任意の構成のナビゲーションデバイス10において実現されてもよい。
【0026】
図2は、上述のようなナビゲーションデバイス10を示す。
【0027】
ナビゲータソフトウェアは、ナビゲーションデバイス10において実行された場合、ナビゲーションデバイス10に、図2に示すような、通常のナビゲーションモード画面をディスプレイ18に表示させる。この画面は、テキスト、記号、音声案内及び動く地図の組合せを使用してドライビング指示を提供してもよい。重要なユーザインタフェース要素は、画面の大半を占める3D地図である。尚、地図は2D地図として示されてもよい。
【0028】
地図は、ナビゲーションデバイス10の位置及びすぐ隣接する周辺地域を示す。地図は、ナビゲーションデバイス10の動く方向が常に「上」に来るように回転される。画面の下4分の1にはステータスバー2が示されてもよい。ナビゲーションデバイス10の現在の場所(ナビゲーションデバイス10自体が従来のGPS位置探索を使用して判定する)及びその向き(進行方向から推測される)は、位置矢印3により示される。
【0029】
デバイスにより(メモリ素子11、12、13、14、15の地図データベースに格納された地図データに対して適用されるメモリ素子11、12、13、14、15に格納されたルート計算アルゴリズムを使用して)計算されたルート4は、陰影付き経路として示される。ルート4上の主な動作(例えば、角、十字路、ロータリーなどを曲がる)の全ては、ルート4の上に重ね合わされる矢印5により概略的に示される。
【0030】
ステータスバー2は、左側に次の動作6(ここでは、右折)を示す概略的なアイコンを更に含む。ステータスバー2は、デバイスにより計算されたルート全体のデータベース(すなわち、辿るべきルートを定義する全ての道路及び関連動作のリスト)から取り出される次の動作(すなわち、右折)までの距離(ここでは、距離は190メートル)を更に示す。ステータスバー2は、現在走行中の道路の名称8、到着までの推定時間9(ここでは、35分)、実際の推定到着時間25(4:50pm)、目的地までの距離26(31.6Km)を更に示す。ステータスバー2は、GPS信号強度などの追加情報を移動電話型信号強度表示器で更に示してもよい。
【0031】
既に述べた通り、ナビゲーションデバイスは、ユーザがナビゲーションメニュー(不図示)を呼び出すことができるタッチスクリーンなどの入力装置を具備してもよい。このメニューから、他のナビゲーション機能を開始又は制御できる。それ自体が非常に容易に呼び出される(例えば、地図表示からメニュー画面に1ステップで移行できる)メニュー画面からナビゲーション機能を選択できるため、ユーザの対話は大幅に簡略化され、迅速且つ容易になる。ナビゲーションメニューは、ユーザが目的地を入力するためのオプションを含む。
【0032】
ナビゲーションデバイス10自体の実際の物理的構造は、基本的には一体型GPS受信機23又は外部GPS受信機からのGPSデータ供給以外は従来の任意のハンドヘルドコンピュータと異なっていなくてもよい。従って、メモリ素子12、13、14、15は、ルート計算アルゴリズム、地図データベース及びユーザインタフェースソフトウェアを格納し、プロセッサユニット12は、ユーザ入力を解釈し且つ処理し(例えば、タッチスクリーンを使用して、出発地の住所及び目的地の住所並びに他の全ての制御入力を入力する)、最適のルートを計算するためにルート計算アルゴリズムを利用する。「最適の」とは、最短時間又は最短距離などの基準、あるいは他の何らかのユーザ関連要因を表してもよい。
【0033】
更に詳細には、ユーザは、タッチスクリーン18、キーボード16などの入力装置を使用して、ナビゲーションデバイス10で実行中のナビゲーションソフトウェアに出発位置及び必要な目的地を入力する。次に、ユーザは走行ルートを計算する方式を選択するが、その場合、ルートを非常に迅速に計算するが、そのルートが最短であるとは限らない「高速」モード;可能な全てのルートを検索し、最短のルートを判定するが、計算するのに「高速」モードより長い時間を要する「フル」モードなどの種々のモードが提供される。他のオプションも可能であり、ユーザは、風光明媚なルート、例えば、極めて美しい景色として挙げられたPOI(地点情報)を最大数通過するルート、あるいは子供の関心を引きそうなPOIを最大数通過するか又は利用する分岐点の数が最小であるルートを規定する。
【0034】
道路自体は、ナビゲーションデバイス10で実行されるナビゲーションソフトウェアの一部である(又はナビゲーションソフトウェアによりアクセスされる)地図データベースに線、すなわち、ベクトル(例えば、道路の出発点、終点、方向など、道路全体は数百のそのようなセクションから構成されており、各セクションは独自に出発点/終点/方向パラメータにより定義される)として記述される。従って、地図はそのような道路ベクトルの集合に、地点情報(POI)、道路の名称、公園の境界、川の境界などの他の地理的特徴などを加えたものであり、それらは全てベクトルによって定義される。地図の全ての特徴(例えば、道路ベクトル、POIなど)は、GPS座標系に対応又は関連する座標系において定義されるため、GPSシステムを介して判定されるデバイスの位置を地図に示される該当の道路に配置することができる。
【0035】
ルート計算は、ナビゲーションソフトウェアの一部である複雑なアルゴリズムを使用する。アルゴリズムは、多くの潜在的に異なるルートを採点するために適用される。そこで、ナビゲーションソフトウェアは、景色のよいルート、美術館/博物館通過ルート及びスピード違反監視カメラなしとユーザが定義したフルモードスキャンなどの基準(又はデバイスのデフォルト)に対してそれらのルートを評価する。定義された基準に最もよく適合するルートがプロセッサユニット11により計算され、次に、メモリ素子12、13、14、15のデータベースにベクトルのシーケンス、道路の名称及びベクトル終点で実行されるべき動作(例えば、100m先で左折してx通りへなど、ルートの各道路に沿った所定の距離に対応する)として格納される。
【0036】
ナビゲーションデバイス10は、ドッキングシステムから分離自在であってもよい。分離が可能であることにより、ナビゲーションデバイス10は、例えば、車両内部に配置されているドッキングシステムから取り外され、異なる場所にある別のドッキングシステムに接続されてもよい。例えば、デスクトップコンピュータに接続されている間にデスクにある別のドッキングシステムに接続されてもよい。ドッキングシステムは、電源又はネットワーク接続を具備してもよい。ナビゲーションデバイス10とドッキングシステムとを接続することにより、ナビゲーションデバイス10は給電されてもよい。あるいは、ナビゲーションデバイス10自体が給電ユニットを具備する場合には、そのようなユニットは「充電」されてもよい。更に、ナビゲーションデバイス10とドッキングシステムとの接続は、インターネットへの接続のようなネットワーク接続を成立させてもよい。
【0037】
図3a〜図3eは、本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す。図3a及び図3bは、ナビゲーションデバイス10の受入れ部分30及びドッキングシステムの延出部分31が結合されていない場合のそれら2つの構造を概略的に示す横断面図である。ナビゲーションデバイス10の胴体として使用されてもよい材料は、アルミニウム合金である。ドッキングシステムは、ポリカーボネート‐アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC‐ABS)プラスチックから構成されてもよい。
【0038】
結合のために、ナビゲーションデバイス10は、受入れ部分30、すなわち空洞部32が設けられた本体を具備する。空洞部は、結合要素33が設けられた内面を有する。同様に、延出部分31は結合要素34を具備する。結合要素33及び結合要素34は、相補形である。すなわち、結合要素33、34は互いに結合するように構成される。図3a、図3c〜図3eにおいては、結合要素33は雄結合型であり、図3b〜図3eの結合要素34は雌結合型である。
【0039】
車両環境においては、安全性の観点からこのような結合型を選択するのが好ましい。ドッキングシステムは、ドッキングシステムに結合されるナビゲーションデバイスを持たない車両に配置されている場合もある。延出する構造又はその部品によって起こる怪我に関する危険を最小限に抑えるために、鋭く尖った縁部などをできる限り避けなければならない。雌結合型の結合要素は、雄結合型の結合要素で見られるほど顕著に空間へ突出することがない。
【0040】
しかし、他の実施形態においては、結合型を逆にしてもよいことを理解しなければならない。ドッキングシステムの延出部分31は案内外面35を具備する。ナビゲーションデバイス10の空洞部32は、ドッキングシステムの案内外面35に対して相補形である内面を有する。一実施形態においては、ドッキングシステムの案内外面35は凸形の形状を有し、ナビゲーションデバイス10の空洞部32の内面は凹形の形状を有する。
【0041】
図3cは、結合要素33、34が互いに結合している間の段階におけるナビゲーションデバイス10及びドッキングシステムの延出部分31を概略的に示す。結合過程の間、内側形状の一部は、案内外面35と接触しながらドッキングシステムの延出部分31上の軌道に沿ってスライドする。従って、結合要素33は結合のために結合要素34に向かって案内される。軌道は、ナビゲーションデバイス10の空洞部32の内面の形状及びドッキングシステムの案内外面35の相補形の形状により決められる。一実施形態においては、延出部分31は、欧州の自動車に関連するいくつかの法規制に準拠するために2.5mmを超える半径を有する。
【0042】
図3dは、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステムにほぼ結合された場合の状況を概略的に示す。この時点で、空洞部32は、ドッキングシステムの延出部分31によりほぼ全て占められている。更に、結合要素33は結合要素34とほぼ一直線に結合する。結合要素33、34は、一体になった時点で同一の平面に位置する。この結合を更に向上するために、結合要素33は少なくとも1つの案内支柱(不図示)を具備してもよい。例えば、移動中の車内又は凹凸の多い路面上などの不安定な条件下でナビゲーションデバイス10がドッキングシステムに結合される場合であっても、結合要素33、34を損傷することなくナビゲーションデバイス10をドッキングシステムに結合できる。
【0043】
最後に、図3eは、ナビゲーションデバイス10とドッキングシステムの延出部分31とが結合された構体を概略的に示す。ドッキングの手順を複雑にせずに、材料の膨張及び収縮を許容する十分な余地を与えるために、ナビゲーションデバイス10の空洞部32の内面及びドッキングシステムの延出部分31の案内外面は精密に加工されてもよい。
【0044】
図4a及び図4bは、図3a〜図3eに示される結合概念に従って結合するように構成されたナビゲーションデバイス10をそれぞれ概略的に示す底面図及び側面図である。図4bにおいて、空洞部32は破線によって示される。結合要素33は4つの結合ピン36を示すが、この数は任意であることを理解しなければならない。結合要素33は5つ以上又は3つ以下の結合ピン36を具備してもよく、雌型結合要素33の場合には結合穴を具備してもよい。
【0045】
図5a及び図5bは、例えば、自動車の窓のようなほぼ平坦な面(不図示)に取り外し自在に装着されるように構成された一実施形態に係るドッキングシステム40をそれぞれ概略的に示す側面図及び正面図である。この目的のために、本実施形態のドッキングシステム40は吸着カップ41を具備する。ドッキングシステム40の延出部分31は支持機構に回動自在に装着されてもよい。すなわち、延出部分31は、吸着カップ41に直接装着されるか、又は設けられる場合には吸着カップ41と結合される支持台42に装着されてもよい。延出部分31が回動自在であることにより、ナビゲーションデバイス10をドッキングシステム40と結合した後にユーザはナビゲーションシステムの向きを調整できる。延出部分31が支持台42に装着される場合、支持台42を吸着カップ41に回動自在に結合することにより、ナビゲーションシステムの向きの更なる調整を実現してもよい。そのような調整により、ユーザはナビゲーションデバイス10のディスプレイ18の向きを最適に設定できる。ディスプレイ18の最適な位置を維持するために、延出部分31と支持台42との結合並びに支持台42と吸着カップ41との結合又は延出部分31と吸着カップ41との結合は、ねじ43などの固定要素によって固定可能であってもよい。
【0046】
図6aは、「閉鎖」位置において、例えば車両のダッシュボードなどのほぼ平坦な面に一体化されるように構成された一実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す概略図である。図6b及び図6cは、「開放」位置にある図6aに示されるドッキングシステムをそれぞれ概略的に示す側面図及び正面図である。
【0047】
本実施形態においては、ドッキングシステム40の延出部分31は支持機構45に回動自在に装着される。支持機構45は、先の実施形態の場合と同様に、ほぼ平坦な面(不図示)の適切な凹部に適合するように、取り外し自在にその面に結合されるように構成される。この目的のために、支持機構45は少なくとも1つのクリックばね46を具備してもよい。
【0048】
図6aに示される「閉鎖」位置にあるとき、本実施形態に係るドッキングシステム40の延出部分31のみがほぼ平坦な面から延出する。しかし、ナビゲーションデバイス10をドッキングシステム40と結合するために、更に広いスペースが必要とされる場合もある。従って、ドッキングシステム40の延出部分31は「開放」位置、すなわち図6b及び図6cに示される位置に向かって開かれてもよい。上記の2つの位置の間の軌道は、折りたたみ案内要素47により機械的に調整されてもよい。例えば、車両の瞬時の加速又は制動によって起こる「閉鎖」位置と「開放」位置との間の無作為の運動を防止するために、延出部分31は、例えば、ロック機構などの当業者には周知である方法でそれらの位置に固定されてもよい。
【0049】
ナビゲーションデバイス10がドッキングシステム40に結合されていない場合、ドッキングシステム40は「閉鎖」位置にあるのが好ましい。この位置にあるとき、ドッキングシステム40の相対的に狭い部分しか周囲環境の中へ突出しない。安全性の観点から、そのように延出する部分や要素の少なくともいずれかをできる限り排除することが推奨されている。
【0050】
図7a及び図7bは、例えば、デスクトップコンピュータなどの外部端末(不図示)に結合されるように構成された一実施形態に係るドッキングシステム40をそれぞれ概略的に示す側面図及び正面図である。本実施形態においては、ドッキングシステム40の延出部分31は支持機構50に装着される。支持機構50は、デスクなどの平坦な面(不図示)に固定可能であってもよいが、単にその面に置かれるだけでもよい。ドッキングシステム40は、ドッキングシステム40をデスクトップコンピュータのような外部装置に接続するための当業者には周知である方法でケーブル51を収納するように構成されてもよい。
【0051】
図8a、図8b及び図8cは、本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す。本実施形態においては、先の実施形態の場合と同様に、図8aには別個に示されているナビゲーションデバイス10及びドッキングシステムの延出部分31は、図8cに示されるように結合要素33、34の結合を成立させるために、図8aに示されるような延出部分31の案内外面35を使用して結合される。この第2の結合概念においては、ナビゲーションデバイス10の結合要素33の脇にある追加の凹部又はアンダーカット62が利用される。追加の凹部62は、ドッキングシステムの延出部分31と係合するまで結合要素33、34が互いに妨げられない状態に保持されるように保証する。これにより、結合要素33、34の損傷の危険が最小限に抑えられる。
【0052】
図8a〜図8cには、延出部分31のみが示される。延出部分31は、先の実施形態の場合と同様にねじ61などの固定要素を介してドッキングステーションに結合されてもよい。図8a〜図8cに細い×印により示される回動ポイントにおける摩耗を防止するために、ナビゲーションデバイス10は緩衝要素60、例えば、ゴム緩衝要素を具備してもよい。
【0053】
更に、ナビゲーションデバイス10の凹部は図4bの凹部32とは向きが異なる。図8a〜図8cに示されるような向きは凹部32、すなわち、追加の凹部62が形成されない凹部にも適用されてよいことを理解しなければならない。更に、図8a〜図8cに示されるような追加の凹部62を有する凹部は、図4bに示されるように向きを定められてもよい。
【0054】
ナビゲーションシステムの典型的な結合要素を使用した実験によれば、回動ポイントを結合要素33の中心から約10〜20mm離した場合に十分な性能が得られることがわかった。雄型結合要素、すなわち1つ以上の結合ピン36の場合、ドッキングシステム40及びナビゲーションデバイス10を、装着/取り外しの少なくともいずれかのために必要とされる角度を同一に維持すると、上述の距離はピンの大きさに比例する影響を受ける。
【0055】
ナビゲーションデバイス10は異なる種類のドッキングシステム40に結合されてもよい。従って、例えば、車両において図5a及び図5bに示される実施形態を使用することによりナビゲーションデバイス10を使用し、目的地に到着した時点でナビゲーションデバイス10を取り外し、その後、例えば、デスクトップコンピュータのような外部装置と協働して新たなルートを計画するためにナビゲーションデバイス10を図7a及び図7bに示されるようなドッキングシステム40に結合することが可能である。ドッキングシステム40の延出部分31の案内外面35が設けられているため、ナビゲーションデバイス10の結合要素33及びドッキングシステム40の結合要素34は、2つの構造10、40の定期的な結合(取り外し)の結果として、それぞれ最小限の劣化しか受けない。
【0056】
完全に係合した時点で、ドッキングシステム40とナビゲーションデバイス10とが互いに関して位置決めされた状態を維持することを保証するために、伸縮自在のペグが設けられてもよい。伸縮自在のペグはドアの掛け金/錠型、すなわち、ドアの側柱の穴に係合して、ドアが蝶番に関して回転するのを防止する伸縮自在/滑りペグであってもよい。ペグは双方の構造10、40の湾曲した面を貫通して係合してもよい。このように、例えば凸凹の多い路面であっても、2つの結合要素33、34の係合に及ぼす影響は最小限に抑えられる。
【0057】
以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明した以外の態様で本発明が実施されてもよいことは理解されるであろう。例えば、本発明は、先に開示されたような方法を記述する機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムが格納されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)の形態をとってもよい。全てのソフトウェアコンポーネントはハードウェアコンポーネントとして形成されてもよいことが当業者には理解されるであろう。
【0058】
以上の説明は例示であり、限定的な意味を持つことを意図しない。従って、以下の請求の範囲の範囲から逸脱せずに先に説明された発明に対して変形を実施してもよいことは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】ナビゲーションデバイスを概略的に示す概略ブロック図である。
【図2】ナビゲーションデバイスを概略的に示す概略正面図である。
【図3a】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3b】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3c】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3d】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3e】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図4a】ナビゲーションデバイスを概略的に示す底面図である。
【図4b】ナビゲーションデバイスを概略的に示す側面図である。
【図5a】本発明の一実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図5b】本発明の一実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図6a】本発明の別の実施形態に係る「閉鎖」位置にあるドッキングシステムを概略的に示す正面図である。
【図6b】図6aに示される「開放」位置にあるドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図6c】図6aに示される「開放」位置にあるドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図7a】本発明の更に別の実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図7b】本発明の更に別の実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図8a】本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す図である。
【図8b】本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す図である。
【図8c】本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション指示を提供するナビゲーションシステムに関する。ナビゲーションシステムは、第1の結合型の結合要素が設けられた内面を有する受入れ部分が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイスと、提供されたナビゲーションデバイスを受け入れるように構成されたドッキングシステムとを具備し、ドッキングシステムは、第2の結合型の結合要素が設けられた延出部分を具備し、第2の結合型の結合要素は、第1の結合型の結合要素に結合するように構成される。また、本発明は、そのようなナビゲーションシステムに適するドッキングシステムを具備するダッシュボード、そのようなナビゲーションシステムを具備する車両、そのようなナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するナビゲーションデバイス、そのようなナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するドッキングシステム及びそのようなナビゲーションシステムを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)に基づく従来のナビゲーションデバイスは周知であり、車載ナビゲーションシステムとして広く採用されている。そのようなGPSに基づくナビゲーションデバイスは、外部(又は内部)GPS受信機と機能的に接続して地球上における位置を判定できる演算装置に関連する。更に、演算装置は、出発地の住所と目的地の住所との間のルートを判定でき、演算装置のユーザがそれらの住所を入力できる。一般的に、演算装置は、出発地と目的地の間の「最良」又は「最適」なルートの位置の計算を地図データベースから行なうソフトウェアにより実現される。「最良」又は「最適」のルートは所定の基準に基づいて判定され、「最良」又は「最適」のルートは必ずしも、最速又は最短のルートである必要はない。
【0003】
ナビゲーションデバイスは、通常、車両のダッシュボードに搭載されてもよいが、車両のオンボードコンピュータ又はカーラジオの一部として形成されてもよい。ナビゲーションデバイスは、PDAなどのハンドヘルドシステム(の一部)であってもよい。
【0004】
GPS受信機からの位置情報を使用することにより、演算装置は、定期的に自身の位置を判定でき、車両の現在の位置をユーザに対して表示できる。ナビゲーションデバイスは、地図データを格納するメモリ素子と、地図データの選択された一部分を表示するディスプレイとを更に具備してもよい。
【0005】
また、ナビゲーションデバイスは、ディスプレイに表示され且つ/又はスピーカから可聴信号(例えば、「100m先で左折」など)として生成される適切なナビゲーション指示により、判定されたルートをどのように走行すべきかに関する命令を提供できる。実行される行動を示すグラフィックス(例えば、この先を左折することを示す左矢印)をステータスバーに表示でき、地図自体の適用可能な分岐点/曲がり角などにグラフィックスが重ね合わされてもよい。
【0006】
車載ナビゲーションシステムにより計算されたルートに沿って自動車を運転している間に、運転手がナビゲーションシステムにルートの再計算を開始させることができるのは周知である。これは、車両が道路工事又は激しい渋滞に遭遇した場合に有用である。
【0007】
また、ナビゲーションデバイスにより利用されるルート計算アルゴリズムの種類を、例えば、「通常」モード及び「高速」モード(最短時間でルートを計算するが、通常モードほど多くの代替ルートを探索しない)からユーザが選択できることも周知である。
【0008】
更に、ユーザが定義した基準によってルートを計算できることも周知である。例えば、ユーザは、景色のよいルートが装置により計算されることを好む場合もある。その場合、装置のソフトウェアは種々のルートを計算し、ルートの間に、例えば、風光明媚であると指定された地点情報(POIとして周知である)を最大数含むルートをより好ましいと評価するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
今日、ナビゲーションデバイスは盗難の危機にさらされている。盗難を防止するために、ナビゲーションデバイスは、ドッキングシステムから取り外し自在である。現在、ドッキングシステムとナビゲーションデバイスとを結合するためには、双方の構造を互いに関して厳密に位置決めすることが必要である。しかし、例えば、凹凸の多い路面を走行したり、不十分な照明条件の下で結合(取り外し)するなどの多くの不都合な条件の下でドッキングシステム及びナビゲーションデバイスを頻繁に着脱することにより、双方の構造の結合要素が損傷する可能性は高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
冒頭部分で記載されたようなナビゲーションシステムの一実施形態において、延出部分は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面を具備し、受入れ部分は、外面上の軌道に沿ってスライド自在であり、軌道は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面及びドッキングシステムの延出部分の外面の双方の形状により決められ、軌道は、第1の結合型の結合要素が結合のために第2の結合型の結合要素に向かって案内されるような軌道である。結合型の要素の例には、雄結合要素及び雌結合要素がある。
【0011】
一実施形態においては、外面は凸形の形状を有し、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面は凹形の形状を有する。
【0012】
一実施形態においては、ドッキングシステムは支持機構を具備し、ドッキングシステムの延出部分は支持機構に回動自在に装着される。支持機構の例には、吸着カップ及びクリックばねがある。支持機構はケーブルを収納するように構成されてもよい。
【0013】
本発明は、上述の実施形態のうち1つにおけるナビゲーションシステムに適するドッキングシステムを具備するダッシュボードに更に関する。
【0014】
更に本発明は、上述の実施形態のうち1つのナビゲーションシステムを具備する車両に関する。
【0015】
更に本発明は、上述の実施形態のうち1つのナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するナビゲーションデバイスに関する。
【0016】
更に本発明は、上述の実施形態のうち1つのナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するドッキングシステムに関する。
【0017】
最後に、本発明は、ナビゲーションシステムを形成する方法に関する。方法は、
第1の結合型の結合要素が設けられた内面を有する受入れ部分が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイスを提供し、
ナビゲーションデバイスを受け入れるように構成されたドッキングシステムであり、ドッキングシステムは、第1の結合型の結合要素に結合するように構成された第2の結合型の結合要素が設けられた延出部分を具備し、延出部分は、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面を具備する、ように構成されたドッキングシステムを提供し、
外面上の軌道であり、ナビゲーションデバイスの受入れ部分の内面及びドッキングシステムの延出部分の外面の双方の形状により決められ、第1の結合型の結合要素が結合のために第2の結合型の結合要素に向かってほぼ案内されるような軌道である軌道に沿って受入れ部分をスライドすることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、添付の図面を参照して、実施形態を単なる例として説明する。図中、対応する図中符号は対応する部分を示す。
【0019】
図1は、算術演算を実行するプロセッサユニット11を具備するナビゲーションデバイス10の一実施形態を示す概略ブロック図である。プロセッサユニット11は、命令及びデータを格納するハードディスク12、読出し専用メモリ(ROM)13、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)14及びランダムアクセスメモリ(RAM)15などのメモリユニットと通信するように構成される。メモリユニットは、地図データ22を含んでもよい。この地図データは2次元地図データ(緯度及び経度)であってもよいが、第3の次元(海抜)を更に含んでもよい。地図データは、給油所/ガソリンスタンド、地点情報に関する情報などの追加情報を更に含んでもよい。地図データは、道路に沿った建物及び物体の形状に関する情報を更に含んでもよい。
【0020】
プロセッサユニット11は、キーボード16及びマウス17などの1つ以上の入力装置と通信するように更に構成されてもよい。キーボード16は、例えば、タッチスクリーンであるディスプレイ18に設けられた仮想キーボードであってもよい。プロセッサユニット11は、ディスプレイ18、スピーカ29、フロッピーディスク(登録商標)20又はCD ROM21などを読取るための1つ以上の読取り装置19のような、1つ以上の出力装置と通信するように更に構成されてもよい。ディスプレイ18は、従来のコンピュータディスプレイ(例えば、LCD)であってもよいが、自動車のフロントガラスに計測データを投影するために使用されるヘッドアップ型ディスプレイなどの投影型ディスプレイであってもよい。ディスプレイ18は、ユーザがディスプレイ18に手で触れることにより、少なくとも命令、情報のいずれかを入力することのできるタッチスクリーンとして機能するように構成されたディスプレイであってもよい。
【0021】
スピーカ29は、ナビゲーションデバイス10の一部として形成されてもよい。ナビゲーション10が車載ナビゲーションデバイスとして使用される場合、ナビゲーションデバイス10は、カーラジオ、ボードコンピュータなどのスピーカを使用してもよい。
【0022】
プロセッサユニット11は、ナビゲーションデバイス10の位置に関する情報を提供するGPS受信機などの測位装置23と通信するように更に構成されてもよい。本実施形態によれば、測位装置23は、GPSベースの測位装置23である。しかし、ナビゲーションデバイス10が任意の種類の位置感知技術を実現してもよく、GPSに限定されないことは理解されるであろう。従って、ナビゲーションデバイス10は、欧州のガリレオシステム等の他の種類のGNSS(global navigation satellite system:グローバルナビゲーションサテライトシステム)を使用して実現することもできる。同様に、ナビゲーションシステムは衛星を利用する場所/速度システムに限定されず、地上ビーコン又はナビゲーションデバイスが地理的場所を判定することを可能にする任意の他の種類のシステムを使用しても同様に構成できる。
【0023】
しかし、当業者には周知である更に多くの、他のメモリユニット、入力装置、読取装置の少なくともいずれかが設けられてもよいことを理解すべきである。更に、それらの装置のうち1つ以上は、必要に応じてプロセッサユニット11から物理的に離れた場所に配置されてもよい。プロセッサユニット11は、1つのボックスとして示されるが、当業者には周知であるように、並列して機能するか又は1つの主プロセッサにより制御され、互いに離れた場所に配置されてもよいいくつかの処理装置を具備してもよい。
【0024】
ナビゲーションデバイス10は、コンピュータシステムとして示されるが、本明細書中で説明される機能を実行するように構成されたアナログ技術、デジタル技術、ソフトウェア技術の少なくともいずれかによる任意の信号処理システムであってもよい。図1には、ナビゲーションデバイス10は複数の構成要素として示されるが、ナビゲーションデバイス10が単一の装置として構成されてもよいことは理解されるであろう。
【0025】
ナビゲーションデバイス10は、ナビゲータと呼ばれるTomTom B. V.のナビゲーションソフトウェアなどのナビゲーションソフトウェアを使用してもよい。ナビゲータソフトウェアは、Compaq iPaq等のタッチスクリーンの(すなわち、スタイラス制御)Pocket PC搭載PDAデバイス、並びに一体型GPS受信機23を有するデバイス上で実行されてもよい。PDAとGPS受信機とを組合わせたシステムは、車載ナビゲーションシステムとして使用されるように設計される。本実施形態は、一体型GPS受信機/コンピュータ/ディスプレイを有するナビゲーションデバイス、あるいは非車両用に設計された装置(例えば、歩行者向け)又は自動車以外の車両(例えば、航空機)用として設計された装置などの他の任意の構成のナビゲーションデバイス10において実現されてもよい。
【0026】
図2は、上述のようなナビゲーションデバイス10を示す。
【0027】
ナビゲータソフトウェアは、ナビゲーションデバイス10において実行された場合、ナビゲーションデバイス10に、図2に示すような、通常のナビゲーションモード画面をディスプレイ18に表示させる。この画面は、テキスト、記号、音声案内及び動く地図の組合せを使用してドライビング指示を提供してもよい。重要なユーザインタフェース要素は、画面の大半を占める3D地図である。尚、地図は2D地図として示されてもよい。
【0028】
地図は、ナビゲーションデバイス10の位置及びすぐ隣接する周辺地域を示す。地図は、ナビゲーションデバイス10の動く方向が常に「上」に来るように回転される。画面の下4分の1にはステータスバー2が示されてもよい。ナビゲーションデバイス10の現在の場所(ナビゲーションデバイス10自体が従来のGPS位置探索を使用して判定する)及びその向き(進行方向から推測される)は、位置矢印3により示される。
【0029】
デバイスにより(メモリ素子11、12、13、14、15の地図データベースに格納された地図データに対して適用されるメモリ素子11、12、13、14、15に格納されたルート計算アルゴリズムを使用して)計算されたルート4は、陰影付き経路として示される。ルート4上の主な動作(例えば、角、十字路、ロータリーなどを曲がる)の全ては、ルート4の上に重ね合わされる矢印5により概略的に示される。
【0030】
ステータスバー2は、左側に次の動作6(ここでは、右折)を示す概略的なアイコンを更に含む。ステータスバー2は、デバイスにより計算されたルート全体のデータベース(すなわち、辿るべきルートを定義する全ての道路及び関連動作のリスト)から取り出される次の動作(すなわち、右折)までの距離(ここでは、距離は190メートル)を更に示す。ステータスバー2は、現在走行中の道路の名称8、到着までの推定時間9(ここでは、35分)、実際の推定到着時間25(4:50pm)、目的地までの距離26(31.6Km)を更に示す。ステータスバー2は、GPS信号強度などの追加情報を移動電話型信号強度表示器で更に示してもよい。
【0031】
既に述べた通り、ナビゲーションデバイスは、ユーザがナビゲーションメニュー(不図示)を呼び出すことができるタッチスクリーンなどの入力装置を具備してもよい。このメニューから、他のナビゲーション機能を開始又は制御できる。それ自体が非常に容易に呼び出される(例えば、地図表示からメニュー画面に1ステップで移行できる)メニュー画面からナビゲーション機能を選択できるため、ユーザの対話は大幅に簡略化され、迅速且つ容易になる。ナビゲーションメニューは、ユーザが目的地を入力するためのオプションを含む。
【0032】
ナビゲーションデバイス10自体の実際の物理的構造は、基本的には一体型GPS受信機23又は外部GPS受信機からのGPSデータ供給以外は従来の任意のハンドヘルドコンピュータと異なっていなくてもよい。従って、メモリ素子12、13、14、15は、ルート計算アルゴリズム、地図データベース及びユーザインタフェースソフトウェアを格納し、プロセッサユニット12は、ユーザ入力を解釈し且つ処理し(例えば、タッチスクリーンを使用して、出発地の住所及び目的地の住所並びに他の全ての制御入力を入力する)、最適のルートを計算するためにルート計算アルゴリズムを利用する。「最適の」とは、最短時間又は最短距離などの基準、あるいは他の何らかのユーザ関連要因を表してもよい。
【0033】
更に詳細には、ユーザは、タッチスクリーン18、キーボード16などの入力装置を使用して、ナビゲーションデバイス10で実行中のナビゲーションソフトウェアに出発位置及び必要な目的地を入力する。次に、ユーザは走行ルートを計算する方式を選択するが、その場合、ルートを非常に迅速に計算するが、そのルートが最短であるとは限らない「高速」モード;可能な全てのルートを検索し、最短のルートを判定するが、計算するのに「高速」モードより長い時間を要する「フル」モードなどの種々のモードが提供される。他のオプションも可能であり、ユーザは、風光明媚なルート、例えば、極めて美しい景色として挙げられたPOI(地点情報)を最大数通過するルート、あるいは子供の関心を引きそうなPOIを最大数通過するか又は利用する分岐点の数が最小であるルートを規定する。
【0034】
道路自体は、ナビゲーションデバイス10で実行されるナビゲーションソフトウェアの一部である(又はナビゲーションソフトウェアによりアクセスされる)地図データベースに線、すなわち、ベクトル(例えば、道路の出発点、終点、方向など、道路全体は数百のそのようなセクションから構成されており、各セクションは独自に出発点/終点/方向パラメータにより定義される)として記述される。従って、地図はそのような道路ベクトルの集合に、地点情報(POI)、道路の名称、公園の境界、川の境界などの他の地理的特徴などを加えたものであり、それらは全てベクトルによって定義される。地図の全ての特徴(例えば、道路ベクトル、POIなど)は、GPS座標系に対応又は関連する座標系において定義されるため、GPSシステムを介して判定されるデバイスの位置を地図に示される該当の道路に配置することができる。
【0035】
ルート計算は、ナビゲーションソフトウェアの一部である複雑なアルゴリズムを使用する。アルゴリズムは、多くの潜在的に異なるルートを採点するために適用される。そこで、ナビゲーションソフトウェアは、景色のよいルート、美術館/博物館通過ルート及びスピード違反監視カメラなしとユーザが定義したフルモードスキャンなどの基準(又はデバイスのデフォルト)に対してそれらのルートを評価する。定義された基準に最もよく適合するルートがプロセッサユニット11により計算され、次に、メモリ素子12、13、14、15のデータベースにベクトルのシーケンス、道路の名称及びベクトル終点で実行されるべき動作(例えば、100m先で左折してx通りへなど、ルートの各道路に沿った所定の距離に対応する)として格納される。
【0036】
ナビゲーションデバイス10は、ドッキングシステムから分離自在であってもよい。分離が可能であることにより、ナビゲーションデバイス10は、例えば、車両内部に配置されているドッキングシステムから取り外され、異なる場所にある別のドッキングシステムに接続されてもよい。例えば、デスクトップコンピュータに接続されている間にデスクにある別のドッキングシステムに接続されてもよい。ドッキングシステムは、電源又はネットワーク接続を具備してもよい。ナビゲーションデバイス10とドッキングシステムとを接続することにより、ナビゲーションデバイス10は給電されてもよい。あるいは、ナビゲーションデバイス10自体が給電ユニットを具備する場合には、そのようなユニットは「充電」されてもよい。更に、ナビゲーションデバイス10とドッキングシステムとの接続は、インターネットへの接続のようなネットワーク接続を成立させてもよい。
【0037】
図3a〜図3eは、本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す。図3a及び図3bは、ナビゲーションデバイス10の受入れ部分30及びドッキングシステムの延出部分31が結合されていない場合のそれら2つの構造を概略的に示す横断面図である。ナビゲーションデバイス10の胴体として使用されてもよい材料は、アルミニウム合金である。ドッキングシステムは、ポリカーボネート‐アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC‐ABS)プラスチックから構成されてもよい。
【0038】
結合のために、ナビゲーションデバイス10は、受入れ部分30、すなわち空洞部32が設けられた本体を具備する。空洞部は、結合要素33が設けられた内面を有する。同様に、延出部分31は結合要素34を具備する。結合要素33及び結合要素34は、相補形である。すなわち、結合要素33、34は互いに結合するように構成される。図3a、図3c〜図3eにおいては、結合要素33は雄結合型であり、図3b〜図3eの結合要素34は雌結合型である。
【0039】
車両環境においては、安全性の観点からこのような結合型を選択するのが好ましい。ドッキングシステムは、ドッキングシステムに結合されるナビゲーションデバイスを持たない車両に配置されている場合もある。延出する構造又はその部品によって起こる怪我に関する危険を最小限に抑えるために、鋭く尖った縁部などをできる限り避けなければならない。雌結合型の結合要素は、雄結合型の結合要素で見られるほど顕著に空間へ突出することがない。
【0040】
しかし、他の実施形態においては、結合型を逆にしてもよいことを理解しなければならない。ドッキングシステムの延出部分31は案内外面35を具備する。ナビゲーションデバイス10の空洞部32は、ドッキングシステムの案内外面35に対して相補形である内面を有する。一実施形態においては、ドッキングシステムの案内外面35は凸形の形状を有し、ナビゲーションデバイス10の空洞部32の内面は凹形の形状を有する。
【0041】
図3cは、結合要素33、34が互いに結合している間の段階におけるナビゲーションデバイス10及びドッキングシステムの延出部分31を概略的に示す。結合過程の間、内側形状の一部は、案内外面35と接触しながらドッキングシステムの延出部分31上の軌道に沿ってスライドする。従って、結合要素33は結合のために結合要素34に向かって案内される。軌道は、ナビゲーションデバイス10の空洞部32の内面の形状及びドッキングシステムの案内外面35の相補形の形状により決められる。一実施形態においては、延出部分31は、欧州の自動車に関連するいくつかの法規制に準拠するために2.5mmを超える半径を有する。
【0042】
図3dは、ナビゲーションデバイス10がドッキングシステムにほぼ結合された場合の状況を概略的に示す。この時点で、空洞部32は、ドッキングシステムの延出部分31によりほぼ全て占められている。更に、結合要素33は結合要素34とほぼ一直線に結合する。結合要素33、34は、一体になった時点で同一の平面に位置する。この結合を更に向上するために、結合要素33は少なくとも1つの案内支柱(不図示)を具備してもよい。例えば、移動中の車内又は凹凸の多い路面上などの不安定な条件下でナビゲーションデバイス10がドッキングシステムに結合される場合であっても、結合要素33、34を損傷することなくナビゲーションデバイス10をドッキングシステムに結合できる。
【0043】
最後に、図3eは、ナビゲーションデバイス10とドッキングシステムの延出部分31とが結合された構体を概略的に示す。ドッキングの手順を複雑にせずに、材料の膨張及び収縮を許容する十分な余地を与えるために、ナビゲーションデバイス10の空洞部32の内面及びドッキングシステムの延出部分31の案内外面は精密に加工されてもよい。
【0044】
図4a及び図4bは、図3a〜図3eに示される結合概念に従って結合するように構成されたナビゲーションデバイス10をそれぞれ概略的に示す底面図及び側面図である。図4bにおいて、空洞部32は破線によって示される。結合要素33は4つの結合ピン36を示すが、この数は任意であることを理解しなければならない。結合要素33は5つ以上又は3つ以下の結合ピン36を具備してもよく、雌型結合要素33の場合には結合穴を具備してもよい。
【0045】
図5a及び図5bは、例えば、自動車の窓のようなほぼ平坦な面(不図示)に取り外し自在に装着されるように構成された一実施形態に係るドッキングシステム40をそれぞれ概略的に示す側面図及び正面図である。この目的のために、本実施形態のドッキングシステム40は吸着カップ41を具備する。ドッキングシステム40の延出部分31は支持機構に回動自在に装着されてもよい。すなわち、延出部分31は、吸着カップ41に直接装着されるか、又は設けられる場合には吸着カップ41と結合される支持台42に装着されてもよい。延出部分31が回動自在であることにより、ナビゲーションデバイス10をドッキングシステム40と結合した後にユーザはナビゲーションシステムの向きを調整できる。延出部分31が支持台42に装着される場合、支持台42を吸着カップ41に回動自在に結合することにより、ナビゲーションシステムの向きの更なる調整を実現してもよい。そのような調整により、ユーザはナビゲーションデバイス10のディスプレイ18の向きを最適に設定できる。ディスプレイ18の最適な位置を維持するために、延出部分31と支持台42との結合並びに支持台42と吸着カップ41との結合又は延出部分31と吸着カップ41との結合は、ねじ43などの固定要素によって固定可能であってもよい。
【0046】
図6aは、「閉鎖」位置において、例えば車両のダッシュボードなどのほぼ平坦な面に一体化されるように構成された一実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す概略図である。図6b及び図6cは、「開放」位置にある図6aに示されるドッキングシステムをそれぞれ概略的に示す側面図及び正面図である。
【0047】
本実施形態においては、ドッキングシステム40の延出部分31は支持機構45に回動自在に装着される。支持機構45は、先の実施形態の場合と同様に、ほぼ平坦な面(不図示)の適切な凹部に適合するように、取り外し自在にその面に結合されるように構成される。この目的のために、支持機構45は少なくとも1つのクリックばね46を具備してもよい。
【0048】
図6aに示される「閉鎖」位置にあるとき、本実施形態に係るドッキングシステム40の延出部分31のみがほぼ平坦な面から延出する。しかし、ナビゲーションデバイス10をドッキングシステム40と結合するために、更に広いスペースが必要とされる場合もある。従って、ドッキングシステム40の延出部分31は「開放」位置、すなわち図6b及び図6cに示される位置に向かって開かれてもよい。上記の2つの位置の間の軌道は、折りたたみ案内要素47により機械的に調整されてもよい。例えば、車両の瞬時の加速又は制動によって起こる「閉鎖」位置と「開放」位置との間の無作為の運動を防止するために、延出部分31は、例えば、ロック機構などの当業者には周知である方法でそれらの位置に固定されてもよい。
【0049】
ナビゲーションデバイス10がドッキングシステム40に結合されていない場合、ドッキングシステム40は「閉鎖」位置にあるのが好ましい。この位置にあるとき、ドッキングシステム40の相対的に狭い部分しか周囲環境の中へ突出しない。安全性の観点から、そのように延出する部分や要素の少なくともいずれかをできる限り排除することが推奨されている。
【0050】
図7a及び図7bは、例えば、デスクトップコンピュータなどの外部端末(不図示)に結合されるように構成された一実施形態に係るドッキングシステム40をそれぞれ概略的に示す側面図及び正面図である。本実施形態においては、ドッキングシステム40の延出部分31は支持機構50に装着される。支持機構50は、デスクなどの平坦な面(不図示)に固定可能であってもよいが、単にその面に置かれるだけでもよい。ドッキングシステム40は、ドッキングシステム40をデスクトップコンピュータのような外部装置に接続するための当業者には周知である方法でケーブル51を収納するように構成されてもよい。
【0051】
図8a、図8b及び図8cは、本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す。本実施形態においては、先の実施形態の場合と同様に、図8aには別個に示されているナビゲーションデバイス10及びドッキングシステムの延出部分31は、図8cに示されるように結合要素33、34の結合を成立させるために、図8aに示されるような延出部分31の案内外面35を使用して結合される。この第2の結合概念においては、ナビゲーションデバイス10の結合要素33の脇にある追加の凹部又はアンダーカット62が利用される。追加の凹部62は、ドッキングシステムの延出部分31と係合するまで結合要素33、34が互いに妨げられない状態に保持されるように保証する。これにより、結合要素33、34の損傷の危険が最小限に抑えられる。
【0052】
図8a〜図8cには、延出部分31のみが示される。延出部分31は、先の実施形態の場合と同様にねじ61などの固定要素を介してドッキングステーションに結合されてもよい。図8a〜図8cに細い×印により示される回動ポイントにおける摩耗を防止するために、ナビゲーションデバイス10は緩衝要素60、例えば、ゴム緩衝要素を具備してもよい。
【0053】
更に、ナビゲーションデバイス10の凹部は図4bの凹部32とは向きが異なる。図8a〜図8cに示されるような向きは凹部32、すなわち、追加の凹部62が形成されない凹部にも適用されてよいことを理解しなければならない。更に、図8a〜図8cに示されるような追加の凹部62を有する凹部は、図4bに示されるように向きを定められてもよい。
【0054】
ナビゲーションシステムの典型的な結合要素を使用した実験によれば、回動ポイントを結合要素33の中心から約10〜20mm離した場合に十分な性能が得られることがわかった。雄型結合要素、すなわち1つ以上の結合ピン36の場合、ドッキングシステム40及びナビゲーションデバイス10を、装着/取り外しの少なくともいずれかのために必要とされる角度を同一に維持すると、上述の距離はピンの大きさに比例する影響を受ける。
【0055】
ナビゲーションデバイス10は異なる種類のドッキングシステム40に結合されてもよい。従って、例えば、車両において図5a及び図5bに示される実施形態を使用することによりナビゲーションデバイス10を使用し、目的地に到着した時点でナビゲーションデバイス10を取り外し、その後、例えば、デスクトップコンピュータのような外部装置と協働して新たなルートを計画するためにナビゲーションデバイス10を図7a及び図7bに示されるようなドッキングシステム40に結合することが可能である。ドッキングシステム40の延出部分31の案内外面35が設けられているため、ナビゲーションデバイス10の結合要素33及びドッキングシステム40の結合要素34は、2つの構造10、40の定期的な結合(取り外し)の結果として、それぞれ最小限の劣化しか受けない。
【0056】
完全に係合した時点で、ドッキングシステム40とナビゲーションデバイス10とが互いに関して位置決めされた状態を維持することを保証するために、伸縮自在のペグが設けられてもよい。伸縮自在のペグはドアの掛け金/錠型、すなわち、ドアの側柱の穴に係合して、ドアが蝶番に関して回転するのを防止する伸縮自在/滑りペグであってもよい。ペグは双方の構造10、40の湾曲した面を貫通して係合してもよい。このように、例えば凸凹の多い路面であっても、2つの結合要素33、34の係合に及ぼす影響は最小限に抑えられる。
【0057】
以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明した以外の態様で本発明が実施されてもよいことは理解されるであろう。例えば、本発明は、先に開示されたような方法を記述する機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムが格納されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)の形態をとってもよい。全てのソフトウェアコンポーネントはハードウェアコンポーネントとして形成されてもよいことが当業者には理解されるであろう。
【0058】
以上の説明は例示であり、限定的な意味を持つことを意図しない。従って、以下の請求の範囲の範囲から逸脱せずに先に説明された発明に対して変形を実施してもよいことは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】ナビゲーションデバイスを概略的に示す概略ブロック図である。
【図2】ナビゲーションデバイスを概略的に示す概略正面図である。
【図3a】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3b】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3c】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3d】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図3e】本発明の実施形態に係る結合の第1の概念を概略的に示す図である。
【図4a】ナビゲーションデバイスを概略的に示す底面図である。
【図4b】ナビゲーションデバイスを概略的に示す側面図である。
【図5a】本発明の一実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図5b】本発明の一実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図6a】本発明の別の実施形態に係る「閉鎖」位置にあるドッキングシステムを概略的に示す正面図である。
【図6b】図6aに示される「開放」位置にあるドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図6c】図6aに示される「開放」位置にあるドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図7a】本発明の更に別の実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図7b】本発明の更に別の実施形態に係るドッキングシステムを概略的に示す図である。
【図8a】本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す図である。
【図8b】本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す図である。
【図8c】本発明の実施形態に係る結合の第2の概念を概略的に示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション指示を提供するナビゲーションシステムであって、
第1の結合型の結合要素(33)が設けられた内面を有する受入れ部分(30)が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイス(10)と、
前記ナビゲーションデバイス(10)を受け入れるように構成され、前記第1の結合型の結合要素(33)に結合するように構成された第2の結合型の結合要素(34)が設けられた延出部分(31)を具備するドッキングシステム(40)とを具備し、
前記延出部分(31)は、
前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面(35)を具備し、前記受入れ部分(31)は、前記外面(35)上の軌道に沿ってスライド自在であり、前記軌道は、前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面及び前記ドッキングシステム(40)の前記延出部分(31)の前記外面の双方の形状により決められ、前記軌道は、前記第1の結合型の結合要素(33)が結合のために前記第2の結合型の結合要素(34)に向かって案内されるような軌道であるナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記外面(35)は、凸形の形状を有し、前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面は、凹形の形状を有する請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記第1の結合型の結合要素(33)は雄結合要素であり、前記第2の結合型の結合要素(34)は雌結合要素である請求項1又は2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ドッキングシステム(40)は、支持機構(41、42、45、50)を具備し、前記ドッキングシステムの前記延出部分は前記支持機構(41、42、45、50)に回動自在に装着される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記支持機構(41、42、45、50)は、ほぼ平坦な面と取り外し自在の結合を構成する吸着カップ(41)を具備する請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記支持機構(41、42、45、50)は、ほぼ平坦な面と取り外し自在の結合を構成する少なくとも1つのクリックばね(46)を具備する請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記支持機構(41、42、45、50)はケーブル(51)を収納するように構成される請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム(10)に適するドッキングシステム(40)を具備するダッシュボード。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムを具備する車両。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するナビゲーションデバイス(10)。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するドッキングシステム(40)。
【請求項12】
ナビゲーションシステムを形成する方法であって、
第1の結合型の結合要素(33)が設けられた内面を有する受入れ部分(30)が設けられた本体を具備するナビゲーション装置(10)を提供し、
前記ナビゲーションシステム(10)を受け入れるように構成されたドッキングシステム(40)であり、前記ドッキングシステム(40)は、前記第1の結合型の結合要素(33)に結合するように構成された第2の結合型の結合要素(34)が設けられた延出部分(31)を具備し、前記延出部分(31)は、前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面(35)を具備する、ように構成されたドッキングシステム(40)を提供し、
前記外面(35)上の軌道であり、前記ナビゲーション装置(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面及び前記ドッキングシステムの前記延出部分(31)の前記外面(35)の双方の形状により決められ、前記第1の結合型の結合要素(33)が結合のために前記第2の結合型の結合要素(34)に向かってほぼ案内されるような軌道である軌道に沿って前記受入れ部分(30)をスライドすることを含む方法。
【請求項1】
ナビゲーション指示を提供するナビゲーションシステムであって、
第1の結合型の結合要素(33)が設けられた内面を有する受入れ部分(30)が設けられた本体を具備するナビゲーションデバイス(10)と、
前記ナビゲーションデバイス(10)を受け入れるように構成され、前記第1の結合型の結合要素(33)に結合するように構成された第2の結合型の結合要素(34)が設けられた延出部分(31)を具備するドッキングシステム(40)とを具備し、
前記延出部分(31)は、
前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面(35)を具備し、前記受入れ部分(31)は、前記外面(35)上の軌道に沿ってスライド自在であり、前記軌道は、前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面及び前記ドッキングシステム(40)の前記延出部分(31)の前記外面の双方の形状により決められ、前記軌道は、前記第1の結合型の結合要素(33)が結合のために前記第2の結合型の結合要素(34)に向かって案内されるような軌道であるナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記外面(35)は、凸形の形状を有し、前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面は、凹形の形状を有する請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記第1の結合型の結合要素(33)は雄結合要素であり、前記第2の結合型の結合要素(34)は雌結合要素である請求項1又は2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記ドッキングシステム(40)は、支持機構(41、42、45、50)を具備し、前記ドッキングシステムの前記延出部分は前記支持機構(41、42、45、50)に回動自在に装着される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記支持機構(41、42、45、50)は、ほぼ平坦な面と取り外し自在の結合を構成する吸着カップ(41)を具備する請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記支持機構(41、42、45、50)は、ほぼ平坦な面と取り外し自在の結合を構成する少なくとも1つのクリックばね(46)を具備する請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記支持機構(41、42、45、50)はケーブル(51)を収納するように構成される請求項4記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステム(10)に適するドッキングシステム(40)を具備するダッシュボード。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムを具備する車両。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するナビゲーションデバイス(10)。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のナビゲーションシステムにおいて使用するのに適するドッキングシステム(40)。
【請求項12】
ナビゲーションシステムを形成する方法であって、
第1の結合型の結合要素(33)が設けられた内面を有する受入れ部分(30)が設けられた本体を具備するナビゲーション装置(10)を提供し、
前記ナビゲーションシステム(10)を受け入れるように構成されたドッキングシステム(40)であり、前記ドッキングシステム(40)は、前記第1の結合型の結合要素(33)に結合するように構成された第2の結合型の結合要素(34)が設けられた延出部分(31)を具備し、前記延出部分(31)は、前記ナビゲーションデバイス(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面の少なくとも一部にほぼ類似する形状を有する外面(35)を具備する、ように構成されたドッキングシステム(40)を提供し、
前記外面(35)上の軌道であり、前記ナビゲーション装置(10)の前記受入れ部分(30)の前記内面及び前記ドッキングシステムの前記延出部分(31)の前記外面(35)の双方の形状により決められ、前記第1の結合型の結合要素(33)が結合のために前記第2の結合型の結合要素(34)に向かってほぼ案内されるような軌道である軌道に沿って前記受入れ部分(30)をスライドすることを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【公表番号】特表2009−528536(P2009−528536A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557223(P2008−557223)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050041
【国際公開番号】WO2007/100239
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050041
【国際公開番号】WO2007/100239
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】
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