ナビゲーション装置、およびコンピュータプログラム
【課題】予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置１０が、観光道路などに適した経路として予め特定された特定経路を示す特定経路情報と、道路を示すノードと、リンクと、移動コストとが対応付けされた道路情報を記憶する道路地図情報記憶部Ｆ３を備え、目的地までの推奨移動経路の探索に用いる探索対象ノード群を決定し、決定した探索対象ノード群に基づいて推奨移動経路候補を探索し、探索した推奨移動経路候補の中から推奨移動経路を特定し、推奨移動経路候補の探索において、探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれるか否かを判定し、探索対象ノード群に含まれると判定した終点ノードと終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用する。
【解決手段】ナビゲーション装置１０が、観光道路などに適した経路として予め特定された特定経路を示す特定経路情報と、道路を示すノードと、リンクと、移動コストとが対応付けされた道路情報を記憶する道路地図情報記憶部Ｆ３を備え、目的地までの推奨移動経路の探索に用いる探索対象ノード群を決定し、決定した探索対象ノード群に基づいて推奨移動経路候補を探索し、探索した推奨移動経路候補の中から推奨移動経路を特定し、推奨移動経路候補の探索において、探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれるか否かを判定し、探索対象ノード群に含まれると判定した終点ノードと終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、予め記憶した経路情報を有効に利用して推奨移動経路を探索するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、車両や人間などの移動体の目的地への到達を支援するためのシステムとして、ナビゲーションシステムが知られている。このナビゲーションシステムは、例えば、ＧＰＳ（Global Positioning System）によって移動体の現在位置を導出し、この移動体の現在位置情報と道路地図情報とを基に経路探索処理によって推奨移動経路を求め、この推奨移動経路に基づいて移動経路の自動案内（以下、「経路誘導」という。）を行う。例えば、カーナビゲーション装置が搭載された車両では、道路地図情報と車両の現在位置情報とを表示装置（モニタ）上に表示すると共に、目的地までの推奨移動経路を探索して表示装置上に併せて表示することで、視覚によって道順を報知する。また、カーナビゲーション装置には、案内音声の出力によって、聴覚によって道順を報知する機能を備えたものもある。
【０００３】
カーナビゲーション装置では、主にダイクストラ法を用いた推奨移動経路の探索が行われている。この場合道路情報は、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す座標点であるノードと、ノード間を結ぶ道路など移動体が移動可能な経路を示すリンクとにより構成されており、これらに道路の長さや通過所要時間などを数値化した移動コストを設定して、出発地から目的地までの累積移動コストが最小となる経路を推奨移動経路として導出するものが一般的である。
【０００４】
このようなカーナビゲーション装置では、渋滞区間を回避するための抜け道を使用した経路や、景観の良い道を移動するための観光道路を使用した経路、あるいは、所定の地域で事故や災害が生じたときに使用が推奨される迂回経路を使用した経路などを、目的地までの推奨移動経路として導出することが求められている。
【０００５】
こうした要求に応えるために、例えば特許文献１では、渋滞により通過所要時間が増加することを加味した推奨移動経路探索を行うことが開示されている。具体的には、道路交通情報に基づく通過所要時間を経路探索用ネットワークデータベースに反映させて目的地までの渋滞予測経路を探索し、探索した渋滞予測経路が所定の条件を満たしたと判断できる場合に推奨移動経路とすることが開示されている。さらに、渋滞を回避するための抜け道を考慮した経路探索の方法も提案されている。
【０００６】
しかしながら、渋滞による通過所要時間を正確に算出するには、道路交通情報を取得するための通信手段が必要でありコストが大きくなるという問題がある。また、検索対象となる道路が道路交通情報提供サービスの対象道路であることも必要となり、全ての道路の正確な道路交通情報を取得することは困難である。また、渋滞状況や景観の良し悪しを移動コストとして的確に数値化することが難しいという問題もある。
【０００７】
そこで、抜け道や裏道に利用される道路はある程度決まっていることに注目し、予め抜け道または裏道の道路情報を登録しておき経路探索に利用するものが種々提案されている。例えば、特許文献２には、移動体の移動速度などから渋滞状態であるか否かを判断し、渋滞状態である場合に抜け道として登録された道路を他の道路と識別可能に表示することが開示されている。また、特許文献３には、抜け道を表示するための条件設定を行うことが開示されている。また、特許文献４には、公知の方法で現在位置から目的地までの経路候補を複数抽出し、経路候補の中に抜け道又は裏道の対象道路に該当するものを選択して、所定のタイミングで表示することが開示されている。
【０００８】
さらに、カーナビゲーション装置には、予め特定した道路を利用して推奨移動経路を導出するものもある。すなわち、例えば特許文献５には、事前に特定された特定の経路を用いた推奨移動経路を導出することが開示されている。具体的には、設定された出発地と目的地間の案内経路をダイクストラ法等を用いて設定し、設定した経路上に始点及び終点を有するショートカット（ＳＣ）経路の経路情報が外部メモリに記憶されている場合、設定経路上の該当区間をこのＳＣ経路に置き換えたものを案内経路とし、この案内経路に従って、ルート表示や音声等による案内を行うことが開示されている。
【０００９】
また、特許文献６には、目的地までの区間で走行履歴に含まれる履歴経路を検出し、検出した走行履歴に含まれる履歴経路を用いて、目的地までの経路探索をおこなうことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】特許第４２４６２５０号公報
【特許文献２】特開平５−２１６４０６号公報
【特許文献３】特開第２００６−２６６７０１号公報
【特許文献４】特開第２００６−２７５７２９号公報
【特許文献５】特開第２００１−１２４５７８号公報
【特許文献６】国際公開第２００７／１０２４０６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
しかしながら、上述した従来のカーナビゲーション装置では、抜け道や観光道路など、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路を十分に利用できていないという問題がった。すなわち、例えば特許文献５で開示された内容では、出発地と目的地との間の案内経路（すなわち、推奨移動経路）を導出し、導出した案内経路上にＳＣ経路（すなわち、特定経路）がある場合に案内経路の一部とＳＣ経路の一部を「置き換える」構成としているので、ユーザが最初から特定経路の利用を望むような場合であっても、先ず特定経路を考慮しない案内経路の導出処理を行う必要があるという問題があった。また、特許文献５と特許文献６とには、ユーザの走行履歴が示す経路を特定経路として利用しているため、ユーザが行ったことのない目的地への移動を望む場合に、特定経路を用いた推奨移動経路を導出することができないという問題があった。なお、特許文献６には、走行履歴情報をユーザ毎に区別して記憶することについても言及されているが、複数のユーザが全員行ったことのない地域に移動する場合は、やはり特定経路を用いた推奨移動経路の導出ができないことには変わりがない。
【００１２】
本発明は、上述した問題を解決すべく、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明のナビゲーション装置は、移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置であって、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストと、前記特定経路情報とが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、該道路情報記憶手段が記憶する道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定手段と、該探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索手段と、該推奨移動経路探索手段により探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定手段とを含み、該推奨移動経路探索手段は、前記探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索手段と、該始点ノード検索手段により検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定手段と、該終点ノード判定手段により前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用手段とを有することを特徴とする。
【００１４】
上記の構成としたことで、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用することができるようになる。
【００１５】
前記推奨移動経路探索手段は、前記探索対象ノード群のうち、前記終点ノード判定手段により検索対象ノード群に含まれていると判定された終点ノードに特定マークを付加し、該終点ノードに対応する始点ノードから該始点ノードと終点ノードとに対応する特定経路を使用する方向以外のノードに判定マークを付加するマーク付加手段と、前記道路情報に基づいて、移動体の出発地に対応するノードから前記探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら前記目的地に対応するノードまで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索する最小コスト経路探索手段と、該最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索過程において、前記判定マークが付加されたノードと前記特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外するリンク除外手段とを有し、前記最小コスト経路探索手段により探索された最小コスト経路を示すリンク群を前記推奨移動経路候補とする構成とされていてもよい。
【００１６】
前記推奨移動経路探索手段は、前記最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索開始前に、前記始点ノード検索手段による始点ノードの検索と前記終点ノード判定手段による終点ノードの判定とを実行して前記探索対象ノード群に含まれる特定経路を特定し、前記最小コスト経路探索手段は、前記出発地に対応するノードから当該特定経路の始点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、前記目的地に対応するノードから当該特定経路の終点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路とを探索し、当該出発地側最小コスト経路、特定経路、および目的地側最小コスト経路を構成するリンク群を前記推奨移動経路候補とする構成とされていてもよい。
【００１７】
前記探索対象決定手段は、前記始点ノード検索手段により検索された始点ノードの座標に基づいて前記推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより前記探索対象ノード群を更新する探索対象更新手段を有し、前記終点ノード判定手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群を用いて前記判定を行う構成とされていてもよい。
【００１８】
前記特定経路採用手段により前記推奨移動経路候補の一部として採用された特定経路が複数ある場合に、該複数の特定経路のうち推奨移動経路の一部として採用する特定経路の選択を受け付ける特定経路選択受付手段と、該特定経路選択受付手段により複数の特定経路の選択を受け付けた場合に、該複数の特定経路それぞれの始点ノード、終点ノード、前記出発地、および前記目的地の位置関係に基づいて前記移動体が当該複数の特定経路を通過すべき順序を示す通過予定順序を決定する通過予定順序決定手段とを含み、前記探索対象更新手段は、前記通過予定順序決定手段により決定された通過予定順序に基づいて各特定経路間に存在するノードを前記探索対象ノード群とするように探索対象ノード群を更新し、前記最小コスト経路探索手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群に基づいて前記出発地から前記通過予定順序に従って前記目的地に到達する場合の最小コスト経路を探索する構成とされていてもよい。
【００１９】
前記移動体の進行方向情報を受け付ける進行方向受付手段を含み、前記探索対象決定手段は、前記目的地が設定されていない場合に、前記進行方向受付手段が受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地を設定する仮目的地設定手段を有し、該仮目的地設定手段により設定された仮目的地に基づいて前記探索対象ノード群を決定する構成とされていてもよい。
【００２０】
所定の立ち寄り地点の位置を示す立ち寄り地点情報を前記特定経路情報と対応付けて記憶する立ち寄り地点情報記憶手段と、前記移動体の現在位置情報を受け付ける現在位置情報受付手段と、該現在位置情報受付手段が受け付けた現在位置情報に基づいて前記移動体が前記特定経路路上を移動しているか判定する走行判定手段と、該走行判定手段により前記移動体が前記特定経路上を走行していると判定されたことに応じて、該特定経路に対応付けされた立ち寄り地点に関する情報を前記立ち寄り地点情報と前記現在位置情報とに基づいてユーザに案内する立ち寄り地点案内手段とを含む構成とされていてもよい。
【００２１】
さらに、本発明のコンピュータプログラムは、移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段に記憶された特定経路情報と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストとが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段に記憶された道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定処理と、該探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索処理と、該推奨移動経路探索処理にて探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定処理とを実行させ、該推奨移動経路探索処理にて、前記探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索処理と、該始点ノード検索処理にて検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定処理と、該終点ノード判定処理にて前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【００２２】
本発明によれば、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】ナビゲーション装置を用いた経路誘導システムの構成の例を示すブロック図である。
【図２】ナビゲーション装置の構成の例を説明するための説明図である。
【図３】推奨移動経路情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図４】特定経路情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図５】画面表示装置が表示する表示画面の例を示す説明図である。
【図６】ナビゲーション装置が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。
【図７】ナビゲーション処理におけるナビゲーション装置の動作について説明するための概念図である。
【図８】ナビゲーション装置の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。
【図９】ナビゲーション装置の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。
【図１０】ナビゲーション装置が実行する特定経路導出処理の例を示すフローチャートである。
【図１１】立ち寄り地点情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図１２】経路誘導の概要を説明するための説明図である。
【図１３】ナビゲーション装置が実行する立ち寄り地点案内処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
＜第１の実施の形態＞
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【００２５】
本発明に係るナビゲーション装置１０は、経路探索機能や経路誘導機能を有し、公知の経路探索処理や、予め調査や統計手法などを使って特定の用途に対する有用性が評価された特定経路を用いた経路の探索処理を行い、求められた推奨移動経路を車両に走行させるように経路誘導処理を行うための装置である。
【００２６】
図１は、ナビゲーション装置１０を用いた経路誘導システム１００の構成の例を示すブロック図である。図１に示すように、本例の経路誘導システム１００は、ナビゲーション装置１０と、自車位置測位装置２０と、出力装置３０と、入力装置４０とを含む。
【００２７】
自車位置測位装置２０は、車両の現在位置を測定する装置であり、ＧＰＳ衛星から送られてくるＧＰＳ信号を受信し、このＧＰＳ信号に基づいて位置を測定するＧＰＳセンサや、初期位置から移動量（距離）を計測する速度センサ、進行（移動）方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【００２８】
ＧＰＳセンサは、いわゆるＧＰＳ受信機と称されるものであり、ＧＰＳ衛星から放射されるＧＰＳ信号を受信してＧＰＳ衛星とＧＰＳ受信機自身との距離（疑似距離）を測定し、複数の衛星からのＧＰＳ信号を同時に受信することによりＧＰＳ受信機自身の現在位置（ＧＰＳ測位解）を算出する。
【００２９】
また、自車位置測位装置２０は移動体（以下、「車両」を例に説明する。）に搭載されており、ＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信機（アンテナ）の他、受信したＧＰＳ信号のデコード等の処理を行い、ナビゲーション装置１０へ出力する信号処理部を備える。
【００３０】
出力装置３０は、ナビゲーション装置１０からの経路誘導情報を出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示装置（ディスプレイ装置、モニタ）３１と、音声情報を音声出力する音声出力装置（スピーカ装置）３２とを含む。画像表示装置３１は、道路地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの推奨移動経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって道順を報知する。また、音声出力装置３２は、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。
【００３１】
入力装置４０は、ナビゲーション装置１０に対して各種指示を行う入力装置である。本例では、入力装置４０は、例えば、出力装置３０の表示画面上に表示される操作ボタンによって構成されている。
【００３２】
図２は、ナビゲーション装置１０の構成の例を説明するための説明図である。ナビゲーション装置１０は、図２に示すように、推奨移動経路情報記憶部Ｆ１と、特定経路情報記憶部Ｆ２と、道路地図情報記憶部Ｆ３と、経路探索部１１と、自車位置情報受付部１２と、探索対象決定部１３と、方位情報受付部１４と、経路誘導部１５と、制御部Ｃとを含む。なお、ナビゲーション装置１０を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスＢに接続されている。
【００３３】
ナビゲーション装置１０は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、ＰＮＤ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｎａｖｉｇａｔｉｏｎ Ｄｅｖｉｃｅ）や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置１０は、図示しないが、ＣＰＵ（中央処理装置）、プログラム記憶部、ＯＳ（オペレーティング・システム）、等を有する。ＣＰＵは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置１０の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）やＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）等で構成され、ナビゲーション装置１０が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【００３４】
経路探索部１１は、出発位置（例えば、現在位置）から目的地までの推奨移動経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、この目的地の位置情報と自車位置測位装置２０にて測定した現在位置情報に基づき、道路情報を参照して現在位置から目的地までの推奨移動経路を導出する。なお、本例における経路探索部１１は、予め記憶された推奨移動経路の探索範囲の決定方法に基づいて探索範囲を決定し、決定した探索範囲内において所定の条件を満たす経路を推奨移動経路の候補である「推奨移動経路候補」として探索するものとする（なお、本例においては、「推奨移動経路の探索」という場合、「推奨移動経路候補の探索」という意味を含むこととし、「推奨移動経路候補の探索」という場合、「推奨移動経路の探索」という意味を含むこととする。）。すなわち、予め設定された所定の条件によっては、経路探索部１１は、複数の経路を推奨移動経路候補として探索し得る。なお、ここでの「所定の条件」としては、例えば「移動コストが小さい３つの経路」や、「ユーザが指定する条件（「右折不要」や「高速道路を利用しない」など）を満たす経路」など、種々の条件が考えられる。
【００３５】
また、経路探索部１１は、探索した推奨移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については、ダイクストラ法などを利用した公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【００３６】
ただし、経路探索部１１が特定経路を用いた推奨移動経路の探索を実行するために備える構成、すなわち、始点ノ―ド検索部１１Ａと、終点ノード判定部１１Ｂと、特定経路採用部１１Ｃと、マーク付加部１１Ｄと、最小コスト経路探索部１１Ｅと、リンク除外部１１Ｆと、推奨移動経路特定部１１Ｇとに関しては、公知の技術に関する説明も含め、後で改めて説明する。
【００３７】
自車位置情報受付部１２は、車両の現在位置情報を受信する処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。この現在位置情報は、自車位置測位装置２０により測定され送信されたものである。
【００３８】
推奨移動経路情報記憶部Ｆ１は、経路探索部１１によって求められた推奨移動経路を示す推奨移動経路情報を記憶する記憶媒体である。なお、経路探索部１１が所定の条件を満たす複数の推奨移動経路を導出し、ユーザにより選択された１の推奨移動経路を用いて、後述する経路誘導部１５により経路誘導を行う構成としてもよい。また、リルートなどに利用するために、推奨移動経路情報記憶部Ｆ１に、複数の推奨移動経路を保存する構成としてもよい。
【００３９】
図３は、推奨移動経路情報記憶部Ｆ１に記憶される推奨移動経路情報の格納状態の例を示す説明図である。図３に示すように、推奨移動経路情報は、推奨移動経路を構成するノードを示す経路構成ノード情報と、ノードに対応するリンクに関する情報を示す経路構成リンク情報とを含む。
【００４０】
経路構成ノード情報は、推奨移動経路を構成するノードを特定するための情報であり、本例においては、ノードＩＤと、位置情報と、ノード属性と、特定経路ノード情報と、特定経路ＩＤとを含む情報である。なお、本例においては、ノードの位置情報として緯度と経度を用いることとする。
【００４１】
ここで、「ノード属性」とは、交差点種別（図３における「ａ」）、案内情報種別（図３における「ｂ」）、分岐地点区分（図３における「ｃ」）が設定される。これにより、経路案内が行われる。
【００４２】
また、「特定経路ノード情報」とは、道路情報を構成する各ノードが、予め調査や統計手法などを使って特定の用途に対する有用性が評価された「特定経路」を構成するノードであるか否かを示す情報である。すなわち、特定経路ノード情報により、推奨移動経路を構成するノードに、特定経路を構成するノードが含まれているか否かが判定可能となる。さらに、本例における特定経路ノード情報は、各ノードが特定経路の始点や終点となる場合（以下、それぞれ「始点ノード」、「終点ノード」という。）にはその旨も示す。なお、１つの特定経路に複数の始点や終点が含まれる場合もあるものとする。
【００４３】
なお、各ノードに接続されたリンクが後述する主幹経路を構成するものである場合には、その情報が格納される構成としてもよい。
【００４４】
また、経路構成リンク情報は、推奨移動経路を構成するリンクと移動体がリンクを移動する場合のコスト（移動コスト）を示す情報である。本例においては、経路構成リンク情報は、リンクＩＤ（道路を一意に特定可能なＩＤ）と、各リンクの位置情報（座標やベクトルによって特定される。）、各リンクに設定された移動コストとを含む。従って、この推奨移動経路上における位置情報から走行中の道路情報（リンクＩＤ）を求めることができる。
【００４５】
なお、経路構成ノード情報は、時期的条件や車両の移動方向などによって変更されるものであってもよい。特定経路情報と、特定経路情報を用いた経路探索に関しては、後で詳しく説明する。
【００４６】
特定経路情報記憶部Ｆ２は、予め調査や統計手法などを使って特定の用途に対する有用性が評価された特定経路を示す特定経路情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、「特定経路情報」として、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、ノード群を連結するリンク群と、リンク群の移動コストとが対応付けされた情報を用いる場合について説明を行う。
【００４７】
図４は、特定経路情報記憶部Ｆ２に記憶された特定経路情報の格納状態の例を示す説明図である。図４に示すように、特定経路情報は、特定経路ＩＤと、経路種別と、経路名称と、エリアＩＤと、経路始点と、経路終点と、補助区間の有無と、特定経路毎の移動コストとを含む情報である。
【００４８】
ここで、「経路種別」とは、各特定経路がどんな用途に有効であるのかを示すものである。本例においては、経路種別として、「抜け道」や「観光道路」、「迂回路」などが設定される。
【００４９】
また、「経路始点」と「経路終点」は、特定経路の始点および終点となるノードを特定するものであり、特定経路に分岐点が存在する場合には、始点および終点が複数設定される場合もある。なお、図示しないが、特定経路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となることがある。例えば、交通可能時間が規定されている抜け道や、一方通行の抜け道などがこれに該当する。
【００５０】
また、特定経路には、主幹区間と補助区間とを設けることができる。ここで、本例における「主幹区間」とは、予め特定経路情報の作成者などにより、特定経路としての機能を発揮する経路であると評価された主幹経路からなる区間である。すなわち、例えば特定経路の種別が「観光道路」の場合には、景色の良い道路や観光スポットをつないだ経路が主幹区間となる。一方、本例における「補助区間」とは、特定経路へ進む経路または特定経路から離れる経路として推奨される補助経路からなる区間を意味する。すなわち、例えば高速道路のＩＣや国道の交差点から観光道路の入り口をつないだ経路が補助区間となる。このように特定経路を管理することにより、より詳細に特定経路を管理することができるようになる。また、例えば、ユーザが特定経路を通過しようとするときに、適切なタイミングで特定経路が有する特性（例えば、「抜け道」であれば「道幅が狭い」など）に対する注意を促すようにしてもよい。この場合、例えば車両の現在位置と特定経路情報とを比較し、現在位置が特定経路に対して所定距離以内に接近した場合に、制御部Ｃが、出力装置３０が所定の音声案内を出力させるための処理を実行する構成とすればよい。
【００５１】
なお、主幹区間における所定の区間を迂回する経路を補助区間としてもよい。また、渋滞回避の抜け道では、途中経路が複数あることがあるので、事前の調査により一番有効であると思われる抜け道を主幹区間とし、途中の別の抜け道を補助区間としてもよい。また、主幹区間から迂回回避される道路や交差点までを補助区間としてもよい。これにより、ユーザに対して、特定経路の一部を利用した推奨移動経路の導出を提供することができる。
【００５２】
道路地図情報記憶部Ｆ３は、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲（以下、「メッシュ」という。）に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、道路地図情報記憶部Ｆ３に記憶されるほか、例えばＳＤメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、道路地図情報記憶部Ｆ３は、道路情報として、道路をノード（交差点や道路の構造変化位置などを示す。）とリンク（ノード間を結ぶ道路など車両などの移動体が移動可能な経路を示す。）で表して管理し、各ノードとリンクに関して経路構成ノード情報と経路構成リンク情報（図３参照）とを記憶する記憶媒体である。すなわち、経路探索部１１は、経路探索処理において必要な情報を道路地図情報記憶部Ｆ３から取得することとなる。なお、道路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となる場合がある。
【００５３】
ここで、本例における道路情報には、各リンクの長さや通過時間を移動コストとして格納されている。また、道路情報は、複数の階層を持っており、本例においては近傍用（全ての道路を格納）、近距離用（細街路以外の道路を格納）、中距離用（県道以上の道路を格納）、遠距離用（高速道、国道を格納）が設定されている。この場合、例えば道路情報を構成するノードとリンクに階層情報を設定するようにすればよい。これにより、経路探索の条件によって経路探索の対象となる道路情報を使い分けることができる。すなわち、例えば現在位置と目的地が長距離である場合には、間に存在する道路情報の量が膨大になるため、遠距離用が設定された道路情報を用いて経路探索処理を行うことにより、経路探索部１１の処理負荷を軽減させることができる。以下、適宜地図情報と道路情報とをまとめて「道路地図情報」という。
【００５４】
探索対象決定部１３は、道路情報が示す複数のノードのうち、目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する。探索対象ノード群の決定方法としては、例えば、車両の現在位置と目的地とを示すそれぞれの緯度と経度の間に存在する道路情報、現在位置と目的地とを焦点とする楕円領域内の道路情報、または現在位置と目的地それぞれから所定の範囲の道路情報など、種々の決定方法が考えられる。
【００５５】
方位情報受付部１４は、車両の進行方向を特定する方位情報を受け付けるための処理を実行する機能を有する。
【００５６】
経路誘導部１５は、経路探索部１１が探索した推奨移動経路を示す推奨移動経路情報に基づいて、画像の表示や音声の出力などにより、ユーザに対して推奨移動経路の道順や注意事項等を案内する経路誘導処理を行う機能を有する。なお、経路誘導処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【００５７】
制御部Ｃは、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を具備し、ナビゲーション装置１０の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する。
【００５８】
次いで、本例における経路探索部１１の構成について改めて説明する。
【００５９】
始点ノ―ド検索部１１Ａは、探索対象決定１３により決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する処理を行う機能を有する。
【００６０】
なお、本例における始点ノ―ド検索部１１Ａは、車両の進行方向や現在時刻、さらには、特定経路への到着予想時刻を考慮して始点ノードを検索する機能を有する。すなわち、例えば特定経路情報における経路の「始点」は、車両の進行方向が逆であれば「終点」となるし、特定経路が一方通行の道路や時間指定道路である場合には、進行方向や時期によって経路誘導に用いることを考慮することが妥当でなくなることがあるためである。
【００６１】
終点ノード判定部１１Ｂは、始点ノ―ド検索部１１Ａにより検索された始点ノードに対応する終点ノード（すなわち、始点ノードと同一の特定経路を構成する終点ノード）が探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する処理を行う機能を有する。
【００６２】
なお、本例における終点ノード判定部１１Ｂは、始点ノ―ド検索部１１Ａにより探索対象ノード群に含まれる始点ノードに対応する終点ノードがあると判定した場合に、特定経路情報記憶部Ｆ２を参照して、該当する特定経路情報から所定の情報を抽出する処理を行う。
【００６３】
特定経路採用部１１Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと、終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用する処理を行う機能を有する。ここで、「採用する」とは、探索中の始点ノードまでの最小コスト経路と始点ノードから終点ノードまでの経路（すなわち特定経路）を推奨移動経路候補の一部として決定し、終点ノードを次の探索対象ノード（すなわち、出発地を示す出発地ノードからの移動コストの総和の最小値を算出する対象とするノード。以下、「最小コストの算出対象ノード」という。）に採用することを意味し、例えば、特定経路情報に「推奨移動経路候補の一部として採用されていること」を示す情報を付加するなどして実現される。なお、探索対象ノード群に含まれる特定経路（すなわち、始点ノードと終点ノード）が複数ある場合、「採用する」とは、探索される推奨移動経路候補が少なくとも１つの採用された特定経路を含むことを意味するものとする。すなわち、例えば探索対象ノード群に複数の特定経路（特定経路１と特定経路２。図示せず。）が含まれており、特定経路１と特定経路２とを推奨移動経路候補の一部として採用した場合、ナビゲーション装置１０が、「特定経路１を含む経路」、「特定経路２を含む経路」、および「特定経路１と特定経路２とを含む経路」の３つを推奨移動経路候補として探索し得るものとする。
【００６４】
マーク付加部１１Ｄは、探索対象とするノード群のうち特定のノード（例えば、終点ノードなど）に各種マーク（例えば、特定マークや判定マーク。図７参照。）を付加する（例えば、ノード情報の項目にフラグを設け、マークを付加する場合にフラグを立てる）マーク付加処理（マークを外す処理を含む）を行う機能を有する。なお、ノードに対してマークを付加する場合のナビゲーション装置１０の動作については、後で詳しく説明する（図６参照）。
【００６５】
最小コスト経路探索部１１Ｅは、道路情報に基づいて、移動体の出発地に対応するノードから探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら、目的地に対応するノードまで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索する処理を行う機能を有する。なお、本例における経路探索部１１は、最小コスト経路探索部１１Ｅにより探索された最小コスト経路を示すリンク群を推奨移動経路候補とする。
【００６６】
リンク除外部１１Ｆは、最小コスト経路探索部１１Ｅによる最小コスト経路の探索過程において、判定マークが付加されたノードと特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外する処理を実行する機能を有する。
【００６７】
推奨移動経路特定部１１Ｇは、経路探索部１１が探索した推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて推奨移動経路を特定する処理を行う機能を有する。なお、ここでの「特定の条件」は、例えば「特定経路を含むこと」や「移動コストが最小となる経路」や「ユーザの嗜好に応じた経路」など、種々の条件が考えられる。なお、推奨移動経路候補を表示画面に表示して、ユーザの選択を受け付ける構成としてもよい。また、探索した推奨移動経路候補の全てや幾つかを推奨移動経路とする構成としてもよい。この場合、複数の推奨移動経路を識別可能に表示画面に表示する構成とすることが好ましい。なお、推奨移動経路候補に関する「所定の条件」や、推奨移動経路に関する「特定の条件」は、ナビゲーション装置１０の記憶領域に記憶されているものとする。また、これらの条件は、ユーザにより設定（作成や選択を含む）できる構成とされていてもよい。
【００６８】
なお、経路探索部１１による特定経路を用いた推奨移動経路の探索については後で詳しく説明する（図６参照）。
【００６９】
次に、経路誘導システム１００における画像表示装置３１の表示画面の表示態様の例について説明する。
【００７０】
図５は、画面表示装置３１が表示する表示画面の例を示す説明図である。図５に示すように、画像表示装置３１であるディスプレイの表示画面上には、道路地図情報と車両の現在位置情報とに基づく経路誘導画面が表示される。そして、ナビゲーション装置１０は、推奨移動経路を探索すると、経路誘導画面に、目的地までの推奨移動経路を表示する。
【００７１】
また、本例においては、例えば図５に示すように、画像表示装置３１の表示画面上には、ユーザによる特定経路検索の要求を受け付けるための検索実行ボタン４１，４２，４３が設けられていることとする。
【００７２】
次に、本発明のナビゲーション装置１０の動作について図面を参照して説明する。
【００７３】
図６は、経路誘導システム１００においてナビゲーション装置１０が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。ナビゲーション処理では、特定経路を
いた出発地（本例においては、車両の現在位置）から目的地までの推奨移動経路を探索するための処理が実行される。なお、目的地までの距離によっては推奨移動経路がノード属性毎に探索されるが（すなわち、目的地までの距離が道路情報に基づいて「遠距離」であると判断される場合には、経路探索部１１は、複数の階層に分かれた道路情報毎のノードとリンクとを用いて推奨移動経路を探索するが）、理解を容易にするため、本例においては１つのノード属性（すなわち、１つの階層）に属するノードを探索対象とする場合について説明を行う。また、出発地の入力をユーザから受け付ける構成としてもよい。
【００７４】
以下、ユーザによる検索実行ボタン４１の押下を受け付けて、特定経路としての「抜け道」を用いた推奨移動経路を探索する場合を例にして説明を行う。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明は省略している場合がある。なお、以下で説明する他の処理についても、本発明に特に係わらない処理については、その説明を省略している場合がある。
【００７５】
ナビゲーション処理では、まず、制御部Ｃは、入力装置４０を介して、例えば経路誘導システム１００の使用者であるユーザＡによる操作入力を受け付けて、目的地を設定する（ステップＳ１０１）。
【００７６】
目的地を設定すると、制御部Ｃは、探索対象決定部１３により、探索対象ノード群を決定する（ステップＳ１０２）。なお、本例においては、制御部Ｃは、出発地である車両の現在位置と目的地との座標に基づいて決定される範囲（例えば、出発地と目的地とを焦点とする楕円形状の範囲）内に存在するノードを探索対象ノード群として決定する。
【００７７】
図７は、ナビゲーション処理におけるナビゲーション装置１０の動作について説明するための概念図である。以下、適宜図７を参照して説明を行なう。
【００７８】
本例において、図７（Ａ）に示すように、制御部Ｃが、探索対象決定部１３により、出発地（本例においては、車両の現在位置）に対応するノードである出発地ノードＳと目的地に対応するノードである目的地ノードＧとの間に存在する複数のノード群（および、各ノードに対応するリンク群）を探索対象として決定したものとする。なお、図７においては、探索対象となったノードを「○」で示す。
【００７９】
探索対象ノード群を決定すると、制御部Ｃは、決定した探索対象ノード群に含まれる始点ノードを検索する（ステップＳ１０３）。本例においては、図７（Ｂ）に示すように、２つの始点ノードＳＮ１と始点ノードＳＮ２とが検索されたものとする。
【００８０】
始点ノードの検索処理を終了すると（すなわち、始点ノードの有無に関わらず）、制御部Ｃは、経路探索部１１により、出発地ノードＳから目的地ノードＧまでの移動コストの総和が最小となる最小コスト経路の探索を開始する（ステップＳ１０４）。
【００８１】
最小コスト経路の探索を開始すると、制御部Ｃは、最小コストの算出対象ノードが始点ノードであるか否かを判定する（ステップＳ１０５）。ここで、最小コストの算出対象ノードが始点ノードでないと判定すると（ステップＳ１０５のＮ）、制御部Ｃは、経路探索部１１による最小コスト経路の探索を継続し（ステップＳ１０６）、後述するステップＳ１１２の処理に移行する。
【００８２】
一方、最小コストの算出対象ノードが始点ノードであると判定すると（ステップＳ１０５のＹ）、制御部Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより、始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれているか否かを判定する（ステップＳ１０７）。ここで、始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれていないと判定すると（ステップＳ１０７のＮ）、制御部Ｃは、ステップＳ１０６の処理に移行する。なお、このとき制御部Ｃが、マーク付加部１１Ｄにより、始点ノードに対して「終点ノードに関する判定が終了済みであることを示すマーク」を付加する構成としてもよい。
【００８３】
一方、始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれていると判定すると（ステップＳ１０７のＹ）、制御部Ｃは、マーク付加部１１Ｄにより、終点ノードに特定マークを付加し、終点ノードに対応する始点ノードから特定経路を使用する方向以外のノード（または、始点ノードに隣接したノード）に判定マークを付加する（ステップＳ１０８）。
【００８４】
特定マークと判定マークとを付加すると、制御部Ｃは、リンク除外部１１Ｆにより、判定マークが付加されたノードと特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外する（ステップＳ１０９）。
【００８５】
図７（Ｂ）は、ここまでの流れ（ステップＳ１０５〜ステップＳ１０９）を説明するための概念図である。図７（Ｂ）に示すように、制御部Ｃが、経路探索部１１により、始点ノードＳＮ１を最小コストの算出対象ノードとしたとき（ステップＳ１０５）、始点ノードＳＮ１に対応する終点ノードＦＮ１が探索対象ノード群に含まれると判定し（ステップＳ１０６のＹ）、終点ノードＦＮ１に特定マークを付加し（図７においては、ノードを示す「○」を「●」で示すことにより表現している。）、始点ノードから特定経路を使用する方向以外のノードＮ１，Ｎ２に判定マークを付加する（図７においては、ノードを示す「○」を「□」で示すことにより表現している。）（ステップＳ１０８）。次いで、制御部Ｃは、経路探索部１１により、判定マークが付加されたノードＮ１と特定マークが付加された終点ノードＦＮ１とを結ぶリンクＬ１を最小コスト経路の探索対象から除外する（図７においては、リンク上に「×」を重畳表示することにより表現している）（ステップＳ１０９）。
【００８６】
判定マークが付加されたリンクと特定マークが付加された終点ノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外すると、制御部Ｃは、マーク付加部１１Ｄにより、特定マークと判定マークをクリアする（すなわち、付加したマークを外す。フラグを立てていた場合には、フラグを降ろす。）（ステップＳ１１０）。
【００８７】
マークをクリアすると、制御部Ｃは、特定経路採用部１１Ｃにより、始点ノードと終点ノードとを含む特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用し、終点ノードを次の最小コストの算出対象ノードにする（ステップＳ１１１）。
【００８８】
図７（Ｃ）は、ここまでの流れ（ステップＳ１１０〜ステップＳ１１１）を説明するための概念図である。図７（Ｃ）に示すように、制御部Ｃが、経路探索部１１により、特定マークと判定マークをクリアし（図７（Ｃ）においては、ノードＮ１，Ｎ２と終点ノードＦＮ１を「○」で示すことにより表現している。）（ステップＳ１１０）、始点ノードＳＮ１と終点ノードＦＮ１とを含む特定経路ＰＬ１を推奨移動経路候補の一部として採用し（図７（Ｃ）においては、図７（Ｂ）にて「破線」により示した特定経路ＰＬ１を「太い実線」に変更することで表現している。）、終点ノードＦＮ１を次の最小コストの算出対象ノードにする（ステップＳ１１１）。
【００８９】
特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用すると、制御部Ｃは、目的地までの最小コスト経路の探索が終了したか否かを判定する（ステップＳ１１２）。ここで、目的地までの最小コスト経路の探索が終了していないと判定すると（ステップＳ１１２のＮ）、制御部Ｃは、ステップＳ１０５の処理に移行する。
【００９０】
最小コスト経路の探索を進めると、制御部Ｃは、例えば図７（Ｃ）に示すように、始点ノードＳＮ２と、終点ノードＦＮ２と、特定経路ＰＬ２と、ノードＮ３と、リンクＬ２とに対して、ステップＳ１０７からステップＳ１１１の処理を行うこととなる。
【００９１】
最小コスト経路の探索を継続し、目的地（図７においては目的地ノードＧ）までの最小コスト経路の探索が終了したと判定すると（ステップＳ１１２のＮ）、制御部Ｃは、探索過程で得た情報（例えば、探索対象ノードそれぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群。ノードに施設情報などが対応付けされている場合には、それらを含む構成としてもよい。）に基づいて、予めナビゲーション装置１０の記憶領域に設定された所定の条件を満たす経路を推奨移動経路候補に決定する（ステップＳ１１３）。本例においては、制御部Ｃは、例えば図７（Ｄ）に示すように、出発地ノードＳから出発し、少なくとも特定経路ＰＬ１，ＰＬ２上を一度は通る移動経路Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３を推奨移動経路候補に決定する。
【００９２】
推奨移動経路候補を決定すると、制御部Ｃは、推奨移動経路特定部１１Ｇにより、推奨移動経路候補の中から予めナビゲーション装置１０の記憶領域に設定された特定の条件を満たす推奨移動経路を特定し（ステップＳ１１４）、ここでの処理を終了する。なお、本例においては、推奨移動経路特定部１１Ｇは、最小コスト経路探索部１１Ｄが探索した最小コスト経路（特定経路を含む推奨移動経路候補のうち、移動コストが最小となる経路）を示す推奨移動経路候補を推奨移動経路とするものとする。
【００９３】
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、移動体（例えば、車両）の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置１０が、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶部Ｆ２と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、ノード間を結ぶ道路など移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、複数のリンクそれぞれの移動コストと、特定経路情報とが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路地図情報記憶部Ｆ３とを備え、道路地図情報記憶部Ｆ３が記憶する道路情報が示す複数のノードのうち、目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定し、決定した探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索し、探索した少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて推奨移動経路を特定し、推奨移動経路（推奨移動経路候補を探索した後、探索した推奨移動経路候補の中から推奨移動経路を特定する場合には推奨移動経路候補）の探索において、決定した探索対象ノード群の中に含まれる始点ノード（例えば、図７における始点ノードＳＮ１）を検索し、検索した始点ノードに対応する終点ノード（例えば、図７における終点ノードＦＮ１）が探索対象ノード群に含まれるか否かを判定し、探索対象ノード群に含まれると判定した終点ノードと終点ノードに対応する始点ノード（例えば、図７における始点ノードＳＮ１と終点ノードＦＮ１）とを含む特定経路（例えば、図７における特定経路ＰＬ１）を推奨移動経路候補の一部として採用する構成としているので、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用することができるようになる。
【００９４】
すなわち、移動体の出発地から目的地までの推奨移動経路の探索過程において、特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用するので、ユーザが特定経路の利用を望む場合など特定経路を含まない推奨移動経路の探索が不要で有る場合に、直接的に特定経路を含む推奨移動経路を探索することができるようになる。
【００９５】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置１０が、探索対象ノード群のうち、探索対象ノード群に含まれていると判定した終点ノード（例えば、図７における終点ノードＦＮ１）に特定マークを付加し、終点ノードに対応する始点ノード（例えば、図７における始点ノードＳＮ１）から始点ノードと終点ノードとに対応する特定経路（例えば、図７における特定経路ＰＬ１）を使用する方向以外のノード（例えば、図７におけるノードＮ１，Ｎ２）に判定マークを付加し、道路情報に基づいて、移動体（例えば、車両）の出発地（例えば、車両の現在位置）に対応するノード（例えば、図７における出発地ノードＳ）から探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら目的地に対応するノード（例えば、図７における目的地ノードＧ）まで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索し、最小コスト経路の探索過程において、判定マークが付加されたノードと特定マークが付加されたノードとを結ぶリンク（例えば、図７におけるリンクＬ１）を最小コスト経路の探索対象から除外し、探索した最小コスト経路を示すリンク群を推奨移動経路候補とする構成としているので、推奨移動経路の探索過程において、特定経路を推奨移動経路候補の一部とする場合に採用し得ないリンク（例えば、特定経路に繋がらないリンク）についての計算（経路計算）を省略することができるようになる。すなわち、リンクを削除する分だけ推奨移動経路を探索する場合の処理負荷を軽減させることができるようになる。
【００９６】
なお、上述した実施の形態においては、ナビゲーション装置１０が、最小コスト経路の探索過程において始点ノードに対応する終点ノードが探索対象に含まれているか否かを判定してマークを付加する構成とした場合について説明したが（図６参照）、マークを付加するタイミングはこれに限定されず、例えば、最小コスト経路の探索を開始する前に、すなわち始点ノードを検索したときに、終点ノードに関する判定を実行してマーク（例えば、特定マーク）を付加する構成としてもよい。
【００９７】
＜第２の実施の形態＞
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置１０が、最小コスト経路の探索開始前に、始点ノードの検索と、検索した始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれるか否かの判定とを実行して探索対象ノード群に含まれる特定経路を特定し、出発地に対応するノードから特定経路の始点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、目的地に対応するノードから特定経路の終点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路とを探索し、出発地側最小コスト経路、特定経路、および目的地側最小コスト経路を構成するリンク群を推奨移動経路候補とする構成としてもよい。
【００９８】
以下、このような構成とした場合の推奨移動経路の探索方法について図面を参照して説明する。
【００９９】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１００】
なお、ここでいう「構成部分」には、本例におけるナビゲーション装置１０の処理動作も含み、第１の実施の形態の例と同じ処理については説明を省略している場合がある。以下、他の実施の形態においても同様とする。
【０１０１】
図８は、ナビゲーション装置１０の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。図８に示すように、例えば出発地ノードＳと目的地ノードＧとを焦点とする楕円形状の探索対象範囲Ｃ１内に含まれるノードを探索対象ノード群とする場合、制御部Ｃが、始点ノード検索部１１Ａにより、探索対象ノード群に含まれる始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２を検索する。
【０１０２】
始点ノードを検索すると、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１１と始点ノードＳＮ１２それぞれに対応する終点ノードＦＮ１１，ＦＮ１２が探索対象ノード群に含まれているか否かを判定する。
【０１０３】
そして、対応する終点ノードＦＮ１１が探索対象ノード群に含まれていると判定した場合、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１１に対応する特定経路ＰＬ１１を含むことを推奨移動経路候補の条件としてナビゲーション装置１０の記憶領域に記憶する。
【０１０４】
特定経路ＰＬ１１を含むことを推奨移動経路候補の条件として記憶すると、制御部Ｃは、出発地ノードＳから始点ノードＳＮ１１までの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、目的地ノードＧから終点ノードＦＮ１１までの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路との探索を開始し、探索が終了したと判定すると、出発地側最小コスト経路（例えば、リンクＬ１０）と、特定経路ＰＬ１１と、目的地側最小コスト経路（例えば、リンクＬ１１，Ｌ１２）とを構成するリンク群を推奨移動経路候補として特定する。なお、目的地側最小コスト経路の探索においては、目的地ノードを経路探索の開始ノードとする構成としてもよいし、終点ノードを経路探索の開始ノードとする構成としてもよい。
【０１０５】
以上のように、最小コスト経路の探索を開始する前に、推奨移動経路候補（または、推奨移動経路）として採用する特定経路を特定する構成とすることにより、特定経路を用いた推奨移動経路の探索において、２以上の最小コスト経路の探索処理を並行して進行することができるようになる。すなわち、片方から経路探索を行う場合に比べて、推奨移動経路の探索に要する時間を短縮させることができるようになる。
【０１０６】
＜第３の実施の形態＞
また、上述した実施の形態においては特に言及していないが、ナビゲーション装置１０が、検索した始点ノードの位置（例えば、座標）に基づいて推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより探索対象ノード群を更新し、更新した探索対象ノード群を用いて終点ノードが探索対象ノード群に含まれているか否かの判定を行う構成としてもよい。
【０１０７】
以下、このような構成とした場合の推奨移動経路の探索方法について図面を参照して説明する。
【０１０８】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１、第２の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１、第２の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１０９】
図９は、ナビゲーション装置１０の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。図９に示すように、出発地ノードＳと目的地ノードＧとを基準とする所定形状の探索対象範囲Ｃ１内に含まれるノードを探索対象ノード群とする場合、制御部Ｃが、始点ノード検索部１１Ａにより、探索対象ノード群に含まれる始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２を検索する。なお、本例においては、出発地ノードＳと目的地ノードＧとを焦点とする楕円形状を探索対象範囲Ｃ１とする場合について説明する。
【０１１０】
始点ノードを検索すると、制御部Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより、始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２それぞれに対応する終点ノードＦＮ１１，ＦＮ１２が探索対象ノード群に含まれているか否かを判定する。
【０１１１】
ここで、本例においては、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２の座標に基づいて推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより探索対象ノード群を更新し、更新した探索対象ノード群を用いて終点ノードが探索対象ノード群に含まれているか否かの判定を行う。以下、始点ノードＳＮ１２の座標に基づいて探索対象ノード群を更新する場合について説明する。なお、始点ノードＳＮ１１については、対応する終了ノード１１が探索対象ノード群に含まれるため、探索対象ノードの追加についての説明を省略する。ただし、制御部Ｃが、対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれていない場合にのみ探索対象ノード群を更新する構成としてもよい（すなわち、制御部Ｃが、終点ノードを用いて探索対象ノード群の更新判定を行う構成としてもよい。）。
【０１１２】
本例において、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１２と目的地ノードＧとを基準とする形状の追加範囲Ｃ２内に位置するノードであって、既存の探索対象範囲Ｃ１内に位置していないノードを探索対象ノード群に追加する。本例においては、始点ノードＳＮ１２と目的地ノードＧとを基準とする追加範囲Ｃ２として、始点ノードＳＮ１２と目的地ノードＧとを焦点とする楕円形状の範囲を用いる場合について説明する。
【０１１３】
追加範囲Ｃ２内に位置するノードＮ１２と、ノードＮ１３と、終点ノードＦＮ１２とを探索対象ノード群に追加すると、制御部Ｃは、終点ノードＦＮ１１と終点ノードＦＮ１２とが探索対象ノード群に含まれていると判定する。
【０１１４】
そして、対応する終点ノードＦＮ１１，ＦＮ１２が探索対象ノード群に含まれていると判定された始点ノードＳＮ１１と始点ノードＳＮ１２それぞれに対応する特定経路ＰＬ１１と特定経路ＰＬ１２の少なくとも１つを含むことを推奨移動経路（または、推奨移動経路候補）の条件としてナビゲーション装置１０の記憶領域に記憶する。
【０１１５】
以上のように、出発地と目的地とに基づいて決定した探索対象範囲内に特定経路の一部が含まれている場合に探索範囲を更新する構成とすることにより、特定経路の利用可能性を高めることができるようになる。
【０１１６】
なお、上述した第３の実施の形態では、探索対象の更新時期が最小コスト経路の探索開始前（例えば、探索対象ノード群に含まれる始点ノードの検索時）である場合について説明したが、更新時期はこれに限定されず、例えば、最小コスト経路の探索過程において最小コストの算出対象ノードが始点ノードであると判定したときであってもよい。
【０１１７】
なお、上述した実施の形態においては特に言及していないが、ナビゲーション装置１０が、推奨移動経路候補の一部として採用した特定経路が複数ある場合に、複数の特定経路のうち推奨移動経路の一部として採用する特定経路の選択を受け付け、複数の特定経路の選択を受け付けた場合に、複数の特定経路それぞれの始点ノード、終点ノード、出発地、および目的地の位置関係に基づいて移動体（例えば、車両）が複数の特定経路を通過すべき順序（例えば、出発地ノードに近い始点ノード順など）を示す通過予定順序を決定し、決定した通過予定順序に従って各特定経路間に存在するノードを探索対象ノード群とするように探索対象ノード群を更新し、更新した探索対象ノード群に基づいて出発地から通過予定順序に基づいて目的地に到達する場合の最小コスト経路を探索する構成としてもよい。
【０１１８】
このような構成とすることにより、複数の特定経路を効率的に移動する経路を推奨移動経路とすることができるようになる。また、探索対象ノード群に含まれるノードであって推奨移動経路の一部として採用する特定経路に関連しない（例えば、特定経路までの距離が所定距離以上である）ノードがある場合に、利用可能性のあるノードのみが探索対象ノード群に含まれるように探索対象ノード群を更新することにより、経路探索の効率を向上させることができるようになる。
【０１１９】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、推奨移動経路と特定経路の構成によっては、特定経路を構成するノードのうち、始点ノードと終点ノードの両方になり得るノードが存在することとなる場合もある。このような場合は、分岐点を含む推奨移動経路を導出するようにしたり、ユーザによる特定経路の始点と終点の選択を受け付けて特定経路を特定したりするようにすればよい。
【０１２０】
＜第４の実施の形態＞
第４の実施の形態の例では、ユーザにより目的地が設定されていない場合であっても特定経路を用いた推奨移動経路の導出を行うこともできる。すなわち、上述した第１〜第３の実施の形態とは、ユーザによる目的地の入力を必要としない点で異なる。
【０１２１】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１〜第３の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１〜第３の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１２２】
本実施の形態において、ナビゲーション装置１０は、仮目的地設定部１６（図示せず）をさらに備える。
【０１２３】
仮目的地設定部１６は、目的地が設定されていない場合に、進行方向受付部１６が受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地（仮目的地）を設定する。本例においては、仮目的地設定部１６は、自車位置情報受付部１２が受け付ける現在位置情報と、方位情報受付部１４が受け付ける方位情報から、車両が現在走行している道路や、そのまま道なりに進む方向に存在する道路を示す経路情報を所定の距離分収集し、所定時間走行した場合に到着する位置を仮目的地として記憶する。
【０１２４】
以下、本実施の形態の例におけるナビゲーション装置１０の動作の一例を説明する。
【０１２５】
図１０は、ナビゲーション装置１０が実行する特定経路導出処理の例を示すフローチャートである。本例における特定経路導出処理は、ユーザによる検索実行ボタン４３の押下を受け付けて、特定経路としての「迂回路」を検索する場合を例にして説明を行う。
【０１２６】
ユーザによる迂回路検索要求に応じて特定経路導出処理を開始すると、制御部Ｃは、仮目的地設定部１６により、ナビゲーション装置１０の記憶領域に目的地が設定されているか否かを判定する（ステップＳ２０１）。ここで、目的地が設定されていないと判定すると（ステップＳ２０１のＮ）、制御部Ｃは、自車位置情報受付部１２により現在位置情報を受け付ける（ステップＳ２０２）。
【０１２７】
現在位置情報を受け付けると、制御部Ｃは、方位情報受付部１４により、車両の進行方向情報を受け付ける（ステップＳ２０３）。
【０１２８】
進行方向情報を受け付けると、制御部Ｃは、仮目的地設定部１６により、仮目的地を設定する（ステップＳ２０４）。なお、例えば所定の距離内にＴ字路や行き止まりがある場合など、車両が道なりに進めない場合には、その旨をユーザに報知して特定経路導出処理を終了する構成としてもよい。また、このときユーザによる仮目的地の入力を受け付けるための画面を表示する構成としてもよい。
【０１２９】
仮目的地を設定すると、制御部Ｃは、経路探索部１１により、現在位置から仮目的地までの推奨移動経路を探索する（ステップＳ２０５）。
【０１３０】
仮目的地までの推奨移動経路を探索すると、制御部Ｃは、探索した推奨移動経路上に特定経路があるか否かを判定する（ステップＳ２０６）。本例においては、制御部Ｃは、先ず、探索対象決定部１３により、探索した推奨移動経路上（または、推奨移動経路を基準にした所定範囲内）に位置するノードを探索対象ノード群に決定する。探索対象ノード群を決定すると、制御部Ｃは、始点ノード検索部１１Ａにより、決定した探索対象ノード群に含まれる始点ノードを検索する。そして、始点ノードを検索すると、制御部Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより、検索した始点ノードに対応する終点ノードがあるか否か判定する。ここで、探索対象ノード群に始点ノードに対応する終点ノードがあると判定すると、制御部Ｃは、探索した推奨移動経路上に特定経路があると判定する。なお、本例においては迂回路検索を行っているため、始点ノード検索部１１Ａは、特定経路情報における経路種別を参照し、「迂回路」が設定されている特定経路に対応する始点ノードを検索するものとする。
【０１３１】
探索した推奨移動経路上に特定経路があると判定した場合（ステップＳ２０６のＹ）、制御部Ｃは、特定経路採用部１１Ｃにより、特定経路情報記憶部Ｆ２に記憶された特定経路情報を参照して特定経路情報を取得し（ステップＳ２０７）、特定経路導出処理を終了する。なお、推奨移動経路を基準にした所定範囲内に位置するノードを探索対象ノード群とし、推奨移動経路上以外に始点ノードが位置する特定経路を導出した場合、制御部Ｃは、経路探索部１１により、推奨移動経路上から特定経路までの推奨移動経路も探索する構成としてもよい。
【０１３２】
一方、探索した推奨移動経路上に特定経路がないと判定した場合（ステップＳ２０６のＮ）、制御部Ｃは、特定経路がない旨をユーザに報知して（ステップＳ２０８）、特定経路導出処理を終了する。
【０１３３】
なお、本例においては仮目的地を用いて特定経路を導出しているため、導出した特定経路がユーザの意図に沿っていない可能性もある。そのため、表示画面上に仮目的地を表示したり、導出した迂回路に関する情報、例えば、「○○道が通行止めとなった場合に△△警察により設定された迂回路があります。この迂回路は□□に出ることができます。」などのメッセージをユーザに報知したりするような構成としてもよい。
【０１３４】
以上のように本実施の形態においては、移動体（例えば、車両）の進行方向情報を受け付け、目的地が設定されていない場合に、受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地を設定し、設定した仮目的地に基づいて探索対象ノード群を決定する（例えば、車両の現在位置から仮目的地までの推奨移動経路を構成するノード群など）構成としているので、例えばユーザが、ナビゲーション装置１０による経路誘導を必要としないと認識している経路上を走行中に交通事項や火災などといった不測の事態により通常の経路を通行できなくなり、迂回路の検索を要求した場合などに、素早くユーザの意図に応じた特定経路を検索することができるようになる。
【０１３５】
＜第５の実施の形態＞
第５の実施の形態の例では、特定経路を含んだ推奨移動経路情報に基づく経路誘導を、予め登録された所定の情報に基づく経路案内に切り替えるようにすることもできる。すなわち、上述した実施の形態とは、車両の位置情報に応じて、推奨移動経路情報に基づく経路誘導から特定経路に対応した立ち寄り地点情報に基づく経路案内に切り替わる（または、立ち寄り地点情報に基づく情報提供を行う）点で異なる。このような構成とすることにより、進行方向に分岐点を含む特定経路を用いた推奨移動経路の経路誘導を行う場合であっても、簡単にユーザに適切な経路誘導を行うことができる。なお、ここでいう「経路案内」とは、ユーザの誘導を目的としたものだけでなく、例えば音声出力装置を用いて「次の交差点を左に曲がると○○に向かいます。」といった音声出力を実行したり、現在地付近の有名な建物へ繋がる経路を推奨移動経路と識別可能に表示したりする、単なる情報の提供を含む。
【０１３６】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１〜第４の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１〜第４の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１３７】
本実施の形態において、ナビゲーション装置１０は、立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４と立ち寄り地点接近判定部１７とをさらに備える（図示せず）。
【０１３８】
立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４は、特定経路における観光施設や周辺の駐車場、食事処、土産店などの立ち寄り地点を示す立ち寄り地点情報を特定経路情報と対応付けて記憶する。
【０１３９】
図１１は、立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４に記憶されている立ち寄り地点情報の格納状態の例を示す説明図である。図１１に示すように、立ち寄り地点情報は、特定経路ＩＤと、案内開始ノードＩＤと、案内内容変更ノードＩＤと、立ち寄り地点に存在する施設を示す案内施設情報と、立ち寄り地点の位置情報（例えば、位置座標、最近接の特定経路構成ノード情報など）とを含む情報である。ここで「案内開始ノードＩＤ」とは、案内開始地点に設定されたノードを特定するためのＩＤであり、「案内開始地点」とは、現在位置情報が所定の距離以内に接近した場合に、経路誘導部１５が対応する案内施設情報などに基づいて経路案内を開始する地点である。本例においては、案内開始地点として、ノードＮ３１（駐車場案内開始点Ｎ３１。図１２参照。）を用いる場合を例に説明を行なう。また、「案内内容変更ノードＩＤ」とは、案内内容変更地点に設定されたノードを特定するためのＩＤであり、「案内内容変更地点」とは、経路誘導部１５が経路案内の内容を変更する地点である。本例においては、案内内容変更地点として、ノードＮ３２，Ｎ３３，Ｎ３７（駐車場案内点Ｎ３２，Ｎ３３，Ｎ３７。図１２参照。）を用いる場合を例に説明を行なう。なお、案内内容変更地点の代わりに、もしくは併用して、車両が所定の距離以内に接近した場合に、経路誘導部１５が対応する案内施設情報に基づいて経路案内を実行する「経路案内地点」を用いる構成としてもよい。
【０１４０】
立ち寄り地点接近判定部１７は、車両が立ち寄り地点、案内開始地点、案内内容変更地点のいずれかに対して所定の距離まで接近したか否かを判定する機能を有する。案内開始地点を設けることにより、適切なタイミングで立ち寄り地点情報に基づく経路案内を開始することができる。また、案内内容変更地点を設けることにより、ユーザの移動状況に応じた経路案内を行うことができる。
【０１４１】
また、本例における経路誘導部１５は、立ち寄り地点情報に基づいてユーザに対して立ち寄り地点を案内する経路案内機能を有する。
【０１４２】
次いで、本例におけるナビゲーション装置１０が実行する経路誘導について図面を参照して説明する。
【０１４３】
図１２は、本例における経路誘導の概要を説明するための説明図である。図１２において、特定経路Ｒ１０１を構成するノードのうち特定経路の始点ノードをＳ、他の特定経路との接続点ノードをＣＮ、それ以外をＮ３１〜Ｎ３７でそれぞれ示す。また、本例においては、特定経路を構成するリンクのうち、主幹経路を示すリンクを推奨移動経路の探索対象として使用されるリンクとして実線で示し、補助経路を示すリンクを推奨移動経路の探索対象として使用されないリンク（後述する、車両が特定経路上を走行中に行われる推奨移動経路の変更のための探索を除く。図１３参照。）として破線で示す。さらに、補助経路のうち、１つ以上の立ち寄り地点（例えば、駐車場Ｂ，Ｃ，Ｄ）が対応付けされた経路を「立ち寄り経路」と呼ぶこととする。さらに、ノードが有する案内情報を吹き出しで示し、リンク上には位置情報に基づいて対応する立ち寄り地点（駐車場Ａ〜Ｄ）を示す。
【０１４４】
このような状況の下、本例におけるナビゲーション装置１０は、所定の時間間隔で車両の現在位置情報を受け付ける。そして、推奨移動経路の経路誘導中に車両がノードＮ３１を通過すると立ち寄り地点情報を用いて経路案内を開始する。ナビゲーション装置１０は、先ず、車両がノードＮ３２に対して所定の距離以内に接近すると、駐車場Ａ〜Ｄを案内する。なお、この場合の駐車場案内としては、例えば推奨移動経路情報に基づく経路誘導より優先して、立ち寄り地点情報に基づく経路誘導を実行する構成としてもよい。また、駐車場案内として、各駐車場の駐車可能台数や観光施設までの距離をリストにして表示したり、各駐車場までの経路を強調して表示したりしてもよい。
【０１４５】
そして、車両が駐車場Ｄへ向かわずに、ノードＮ３３に対して所定の距離以内に接近すると、ナビゲーション装置１０は、駐車場Ｄを除く駐車場Ａ〜Ｃを案内する。そして、車両が駐車場Ａに向かわずにノードＮ３７に対して所定の距離以内に接近すると、駐車場ＢとＣを案内する。
【０１４６】
以下、本実施例におけるナビゲーション装置１０の動作の一例を説明する。
【０１４７】
図１３は、ナビゲーション装置１０が実行する立ち寄り地点案内処理の例を示すフローチャートである。本例における立ち寄り地点案内処理では、特定経路上を走行する車両の位置が所定の位置に達したときに、ユーザに対して所定の立ち寄り地点を案内するための処理が行われる。本例においては、「所定の位置」として、車両が特定経路上に位置していることが設定されている場合について説明を行う。
【０１４８】
特定経路を用いた推奨移動経路による経路誘導の実行中、制御部Ｃは、自車位置情報受付部１２が受け付ける現在位置情報に基づいて、車両が特定経路上を走行しているか否かを判定する。そして、特定経路（本例においては、「観光道路」が設定されている特定経路）上を走行していると判定した場合に、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内処理を開始する。
【０１４９】
立ち寄り地点案内処理では、先ず、制御部Ｃは、立ち寄り地点接近判定部１７により、車両が立ち寄り地点情報における案内開始地点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定する（ステップＳ３０１）。
【０１５０】
車両が案内開始始点に対して所定の距離以内に接近したと判定すると（ステップＳ３０１のＹ）、制御部Ｃは、経路誘導部１５は、立ち寄り地点情報に基づく経路案内を開始する（ステップＳ３０２）。
【０１５１】
経路案内を開始すると、制御部Ｃは、現在位置情報に基づいて、車両が推奨移動経路から逸脱しているか否かを判定する（ステップＳ３０３）。ここで、車両が推奨移動経路を走行していると判定すると（ステップＳ３０３のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点接近判定部１７により、現在位置情報に基づいて車両が立ち寄り地点情報における案内内容変更地点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定する（ステップＳ３０４）。
【０１５２】
ここで、案内内容変更地点に対して所定の距離以内に接近したと判定すると（ステップＳ３０４のＹ）、制御部Ｃは、経路誘導部１５により、立ち寄り地点情報における案内施設情報に基づいて経路案内内容を変更し（ステップＳ３０５）、ステップＳ３０３の処理に移行する。すなわち、例えば経路誘導部１５は、車両がノードＮ３２を通過してノードＮ３４に対して所定の距離以内に接近するまでは駐車場Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを案内し、ノードＮ３４に対して所定の距離以内まで接近した後は、駐車場Ａ，Ｂ，Ｃを案内する（図１２参照）。なお、立ち寄り経路上に位置する立ち寄り地点である駐車場Ｂ，Ｃ，Ｂに関しては、立ち寄り経路の案内（例えば、立ち寄り経路の表示など）を行う。
【０１５３】
一方、ステップＳ３０３の処理において、車両が推奨移動経路から逸脱していると判定した場合（ステップＳ３０３のＹ）、制御部Ｃは、現在位置情報と特定経路情報とに基づいて、車両が特定経路上を走行しているか否かを判定する（ステップＳ３０６）。ここで、車両が特定経路上を走行していると判定した場合（ステップＳ３０６のＹ）、制御部Ｃは、推奨移動経路を構成する特定経路に対応する立ち寄り経路を走行していると判定し、経路探索部１１により、車両が走行中の立ち寄り経路を含む推奨移動経路を探索してこれまでの推奨移動経路を変更し（ステップＳ３０７）、経路誘導を継続してステップＳ３０４の処理に移行する。
【０１５４】
一方、車両が特定経路上を走行していないと判定した場合（ステップＳ３０６のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内を終了して（ステップＳ３０９）、経路誘導を再開する。なお、このとき制御部Ｃは、経路探索部１１により、現在位置情報を出発地として特定経路情報を使用しない通常の経路探索処理を行い、立ち寄り情報案内処理を終了する構成としてもよい。また、制御部Ｃは、経路探索部１１により、車両の現在位置を出発地に、立ち寄り地点情報における案内開始位置を目的地にして経路探索処理を実行する構成としてもよい。
【０１５５】
また、立ち寄り地点案内処理におけるステップＳ３０４にて、車両が案内内容変更地点に接近していないと判定すると（ステップＳ３０４のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点接近判定部１７により、現在位置情報に基づいて車両が特定経路内の立ち寄り地点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定することにより到着判定を行う（ステップＳ３０８）。
【０１５６】
ここで、車両が特定経路内の立ち寄り地点に対して所定の距離以内に接近するまでは（ステップＳ３０８のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内処理を継続する（すなわち、ステップＳ３０３の処理に移行する）。
【０１５７】
一方、車両の現在位置が特定経路に対応する立ち寄り地点に対して所定の距離以内に接近したことにより車両が立ち寄り地点に到着したものと判定すると（ステップＳ３０８のＹ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内処理を終了する（ステップＳ３０９）。
【０１５８】
以上のように第５の実施の形態においては、所定の立ち寄り地点（例えば、駐車場Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ）の位置を示す立ち寄り地点情報を前記特定経路情報と対応付けて記憶する立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４を備え、移動体（例えば、車両）の現在位置情報を受け付け、受け付けた現在位置情報に基づいて移動体が特定経路路上を移動しているか判定し、移動体が特定経路上（例えば、特定経路Ｒ１０１上）を走行していると判定されたことに応じて、該特定経路に対応付けされた立ち寄り地点に関する情報（例えば、特定経路上の立ち寄り地点である駐車場Ａや、立ち寄り経路上の立ち寄り地点である駐車場Ｂ，Ｃ，Ｄの位置）を立ち寄り地点情報と現在位置情報とに基づいて（例えば、案内開始ノードや案内内容変更ノードと現在位置とに基づいて）ユーザに案内する構成としているので、立ち寄り地点（観光施設や土産店など）を経由地として設定することや周辺検索などで立ち寄り地点を検索し設定する必要がなく、予め立ち寄り地点の選択肢が複数考えられる場合や立ち寄り地点が密集しているような場合（例えば、立ち寄り地点として駐車場を用いる場合であり、１つの特定経路に複数の駐車場が対応付けされている場合）であっても、ユーザに対して適切な経路案内を提供することができるようになる。これは、駐車場の混雑状況などを提供するサービスが一部の観光施設でしか行われていない現状と比較して、有用であるといえる。
【０１５９】
なお、上述した第５の実施の形態では、移動体（例えば、車両）が特定経路を走行中の場合に、走行中の特定経路に対応する立ち寄り地点情報と現在位置情報とに基づいて立ち寄り地点に関する情報をユーザに案内する場合について説明したが、立ち寄り地点の案内方法はこれに限定されず、例えば、車両が特定経路、立ち寄り地点、または立ち寄り経路に対して所定の距離以内に接近した場合などに、立ち寄り地点の案内を開始する構成としてもよい。
【０１６０】
なお、上述した第５の実施の形態では、ナビゲーション装置１０が、立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４に記憶された立ち寄り地点情報を用いた経路案内を行う場合について説明したが、例えば、立ち寄り地点情報に基づいて推奨移動経路情報を変更して、立ち寄り地点情報が示す位置まで車両を誘導する処理を行う構成としてもよい。
【０１６１】
また、ナビゲーション装置１０が、車両の現在位置と各立ち寄り地点との距離を比較して、案内する立ち寄り地点を絞り込む構成としてもよい。さらに、例えば立ち寄り地点として駐車場を案内する場合に、ユーザが到着した駐車場が満車となっていた場合に代わりの駐車場を案内するための情報を立ち寄り地点情報に付加しておく構成としてもよい。また、ナビゲーション装置１０が、各立ち寄り地点からもとの推奨移動経路上に移動するのに推奨される経路を探索する構成としてもよい。
【０１６２】
また、上述した実施の形態では、特定経路を主幹経路と立ち寄り経路とに分けて説明したが、特定経路が分岐する場合であっても、立ち寄り経路を有さない構成としてもよい。この場合、例えばナビゲーション装置１０が、分岐する特定経路を、目的地へ向かう方向を示した状態で推奨移動経路として表示する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【０１６３】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、電子地図の表示が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【０１６４】
Ｃ 制御部
Ｆ１ 推奨移動経路情報記憶部
Ｆ２ 特定経路情報記憶部
Ｆ３ 道路地図情報記憶部
Ｆ４ 立ち寄り地点情報記憶部
１０ ナビゲーション装置
１１ 経路探索部
１１Ａ 始点ノ―ド検索部
１１Ｂ 終点ノード判定部
１１Ｃ 特定経路採用部
１１Ｄ マーク付加部
１１Ｅ 最小コスト経路探索部
１１Ｆ リンク除外部
１１Ｇ 推奨移動経路特定部
１２ 自車位置情報受付部
１３ 検索対象道路情報決定部
１４ 方位情報受付部
１５ 経路誘導部
１６ 仮目的地設定部
１７ 立ち寄り地点接近判定部
２０ 自車位置測位装置
３０ 出力装置
３１ 画像表示装置
３２ 音声出力装置
４０ 入力装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、予め記憶した経路情報を有効に利用して推奨移動経路を探索するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、車両や人間などの移動体の目的地への到達を支援するためのシステムとして、ナビゲーションシステムが知られている。このナビゲーションシステムは、例えば、ＧＰＳ（Global Positioning System）によって移動体の現在位置を導出し、この移動体の現在位置情報と道路地図情報とを基に経路探索処理によって推奨移動経路を求め、この推奨移動経路に基づいて移動経路の自動案内（以下、「経路誘導」という。）を行う。例えば、カーナビゲーション装置が搭載された車両では、道路地図情報と車両の現在位置情報とを表示装置（モニタ）上に表示すると共に、目的地までの推奨移動経路を探索して表示装置上に併せて表示することで、視覚によって道順を報知する。また、カーナビゲーション装置には、案内音声の出力によって、聴覚によって道順を報知する機能を備えたものもある。
【０００３】
カーナビゲーション装置では、主にダイクストラ法を用いた推奨移動経路の探索が行われている。この場合道路情報は、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す座標点であるノードと、ノード間を結ぶ道路など移動体が移動可能な経路を示すリンクとにより構成されており、これらに道路の長さや通過所要時間などを数値化した移動コストを設定して、出発地から目的地までの累積移動コストが最小となる経路を推奨移動経路として導出するものが一般的である。
【０００４】
このようなカーナビゲーション装置では、渋滞区間を回避するための抜け道を使用した経路や、景観の良い道を移動するための観光道路を使用した経路、あるいは、所定の地域で事故や災害が生じたときに使用が推奨される迂回経路を使用した経路などを、目的地までの推奨移動経路として導出することが求められている。
【０００５】
こうした要求に応えるために、例えば特許文献１では、渋滞により通過所要時間が増加することを加味した推奨移動経路探索を行うことが開示されている。具体的には、道路交通情報に基づく通過所要時間を経路探索用ネットワークデータベースに反映させて目的地までの渋滞予測経路を探索し、探索した渋滞予測経路が所定の条件を満たしたと判断できる場合に推奨移動経路とすることが開示されている。さらに、渋滞を回避するための抜け道を考慮した経路探索の方法も提案されている。
【０００６】
しかしながら、渋滞による通過所要時間を正確に算出するには、道路交通情報を取得するための通信手段が必要でありコストが大きくなるという問題がある。また、検索対象となる道路が道路交通情報提供サービスの対象道路であることも必要となり、全ての道路の正確な道路交通情報を取得することは困難である。また、渋滞状況や景観の良し悪しを移動コストとして的確に数値化することが難しいという問題もある。
【０００７】
そこで、抜け道や裏道に利用される道路はある程度決まっていることに注目し、予め抜け道または裏道の道路情報を登録しておき経路探索に利用するものが種々提案されている。例えば、特許文献２には、移動体の移動速度などから渋滞状態であるか否かを判断し、渋滞状態である場合に抜け道として登録された道路を他の道路と識別可能に表示することが開示されている。また、特許文献３には、抜け道を表示するための条件設定を行うことが開示されている。また、特許文献４には、公知の方法で現在位置から目的地までの経路候補を複数抽出し、経路候補の中に抜け道又は裏道の対象道路に該当するものを選択して、所定のタイミングで表示することが開示されている。
【０００８】
さらに、カーナビゲーション装置には、予め特定した道路を利用して推奨移動経路を導出するものもある。すなわち、例えば特許文献５には、事前に特定された特定の経路を用いた推奨移動経路を導出することが開示されている。具体的には、設定された出発地と目的地間の案内経路をダイクストラ法等を用いて設定し、設定した経路上に始点及び終点を有するショートカット（ＳＣ）経路の経路情報が外部メモリに記憶されている場合、設定経路上の該当区間をこのＳＣ経路に置き換えたものを案内経路とし、この案内経路に従って、ルート表示や音声等による案内を行うことが開示されている。
【０００９】
また、特許文献６には、目的地までの区間で走行履歴に含まれる履歴経路を検出し、検出した走行履歴に含まれる履歴経路を用いて、目的地までの経路探索をおこなうことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１０】
【特許文献１】特許第４２４６２５０号公報
【特許文献２】特開平５−２１６４０６号公報
【特許文献３】特開第２００６−２６６７０１号公報
【特許文献４】特開第２００６−２７５７２９号公報
【特許文献５】特開第２００１−１２４５７８号公報
【特許文献６】国際公開第２００７／１０２４０６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
しかしながら、上述した従来のカーナビゲーション装置では、抜け道や観光道路など、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路を十分に利用できていないという問題がった。すなわち、例えば特許文献５で開示された内容では、出発地と目的地との間の案内経路（すなわち、推奨移動経路）を導出し、導出した案内経路上にＳＣ経路（すなわち、特定経路）がある場合に案内経路の一部とＳＣ経路の一部を「置き換える」構成としているので、ユーザが最初から特定経路の利用を望むような場合であっても、先ず特定経路を考慮しない案内経路の導出処理を行う必要があるという問題があった。また、特許文献５と特許文献６とには、ユーザの走行履歴が示す経路を特定経路として利用しているため、ユーザが行ったことのない目的地への移動を望む場合に、特定経路を用いた推奨移動経路を導出することができないという問題があった。なお、特許文献６には、走行履歴情報をユーザ毎に区別して記憶することについても言及されているが、複数のユーザが全員行ったことのない地域に移動する場合は、やはり特定経路を用いた推奨移動経路の導出ができないことには変わりがない。
【００１２】
本発明は、上述した問題を解決すべく、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明のナビゲーション装置は、移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置であって、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストと、前記特定経路情報とが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、該道路情報記憶手段が記憶する道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定手段と、該探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索手段と、該推奨移動経路探索手段により探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定手段とを含み、該推奨移動経路探索手段は、前記探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索手段と、該始点ノード検索手段により検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定手段と、該終点ノード判定手段により前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用手段とを有することを特徴とする。
【００１４】
上記の構成としたことで、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用することができるようになる。
【００１５】
前記推奨移動経路探索手段は、前記探索対象ノード群のうち、前記終点ノード判定手段により検索対象ノード群に含まれていると判定された終点ノードに特定マークを付加し、該終点ノードに対応する始点ノードから該始点ノードと終点ノードとに対応する特定経路を使用する方向以外のノードに判定マークを付加するマーク付加手段と、前記道路情報に基づいて、移動体の出発地に対応するノードから前記探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら前記目的地に対応するノードまで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索する最小コスト経路探索手段と、該最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索過程において、前記判定マークが付加されたノードと前記特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外するリンク除外手段とを有し、前記最小コスト経路探索手段により探索された最小コスト経路を示すリンク群を前記推奨移動経路候補とする構成とされていてもよい。
【００１６】
前記推奨移動経路探索手段は、前記最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索開始前に、前記始点ノード検索手段による始点ノードの検索と前記終点ノード判定手段による終点ノードの判定とを実行して前記探索対象ノード群に含まれる特定経路を特定し、前記最小コスト経路探索手段は、前記出発地に対応するノードから当該特定経路の始点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、前記目的地に対応するノードから当該特定経路の終点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路とを探索し、当該出発地側最小コスト経路、特定経路、および目的地側最小コスト経路を構成するリンク群を前記推奨移動経路候補とする構成とされていてもよい。
【００１７】
前記探索対象決定手段は、前記始点ノード検索手段により検索された始点ノードの座標に基づいて前記推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより前記探索対象ノード群を更新する探索対象更新手段を有し、前記終点ノード判定手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群を用いて前記判定を行う構成とされていてもよい。
【００１８】
前記特定経路採用手段により前記推奨移動経路候補の一部として採用された特定経路が複数ある場合に、該複数の特定経路のうち推奨移動経路の一部として採用する特定経路の選択を受け付ける特定経路選択受付手段と、該特定経路選択受付手段により複数の特定経路の選択を受け付けた場合に、該複数の特定経路それぞれの始点ノード、終点ノード、前記出発地、および前記目的地の位置関係に基づいて前記移動体が当該複数の特定経路を通過すべき順序を示す通過予定順序を決定する通過予定順序決定手段とを含み、前記探索対象更新手段は、前記通過予定順序決定手段により決定された通過予定順序に基づいて各特定経路間に存在するノードを前記探索対象ノード群とするように探索対象ノード群を更新し、前記最小コスト経路探索手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群に基づいて前記出発地から前記通過予定順序に従って前記目的地に到達する場合の最小コスト経路を探索する構成とされていてもよい。
【００１９】
前記移動体の進行方向情報を受け付ける進行方向受付手段を含み、前記探索対象決定手段は、前記目的地が設定されていない場合に、前記進行方向受付手段が受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地を設定する仮目的地設定手段を有し、該仮目的地設定手段により設定された仮目的地に基づいて前記探索対象ノード群を決定する構成とされていてもよい。
【００２０】
所定の立ち寄り地点の位置を示す立ち寄り地点情報を前記特定経路情報と対応付けて記憶する立ち寄り地点情報記憶手段と、前記移動体の現在位置情報を受け付ける現在位置情報受付手段と、該現在位置情報受付手段が受け付けた現在位置情報に基づいて前記移動体が前記特定経路路上を移動しているか判定する走行判定手段と、該走行判定手段により前記移動体が前記特定経路上を走行していると判定されたことに応じて、該特定経路に対応付けされた立ち寄り地点に関する情報を前記立ち寄り地点情報と前記現在位置情報とに基づいてユーザに案内する立ち寄り地点案内手段とを含む構成とされていてもよい。
【００２１】
さらに、本発明のコンピュータプログラムは、移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段に記憶された特定経路情報と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストとが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段に記憶された道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定処理と、該探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索処理と、該推奨移動経路探索処理にて探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定処理とを実行させ、該推奨移動経路探索処理にて、前記探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索処理と、該始点ノード検索処理にて検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定処理と、該終点ノード判定処理にて前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【００２２】
本発明によれば、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】ナビゲーション装置を用いた経路誘導システムの構成の例を示すブロック図である。
【図２】ナビゲーション装置の構成の例を説明するための説明図である。
【図３】推奨移動経路情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図４】特定経路情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図５】画面表示装置が表示する表示画面の例を示す説明図である。
【図６】ナビゲーション装置が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。
【図７】ナビゲーション処理におけるナビゲーション装置の動作について説明するための概念図である。
【図８】ナビゲーション装置の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。
【図９】ナビゲーション装置の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。
【図１０】ナビゲーション装置が実行する特定経路導出処理の例を示すフローチャートである。
【図１１】立ち寄り地点情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図１２】経路誘導の概要を説明するための説明図である。
【図１３】ナビゲーション装置が実行する立ち寄り地点案内処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
＜第１の実施の形態＞
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【００２５】
本発明に係るナビゲーション装置１０は、経路探索機能や経路誘導機能を有し、公知の経路探索処理や、予め調査や統計手法などを使って特定の用途に対する有用性が評価された特定経路を用いた経路の探索処理を行い、求められた推奨移動経路を車両に走行させるように経路誘導処理を行うための装置である。
【００２６】
図１は、ナビゲーション装置１０を用いた経路誘導システム１００の構成の例を示すブロック図である。図１に示すように、本例の経路誘導システム１００は、ナビゲーション装置１０と、自車位置測位装置２０と、出力装置３０と、入力装置４０とを含む。
【００２７】
自車位置測位装置２０は、車両の現在位置を測定する装置であり、ＧＰＳ衛星から送られてくるＧＰＳ信号を受信し、このＧＰＳ信号に基づいて位置を測定するＧＰＳセンサや、初期位置から移動量（距離）を計測する速度センサ、進行（移動）方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【００２８】
ＧＰＳセンサは、いわゆるＧＰＳ受信機と称されるものであり、ＧＰＳ衛星から放射されるＧＰＳ信号を受信してＧＰＳ衛星とＧＰＳ受信機自身との距離（疑似距離）を測定し、複数の衛星からのＧＰＳ信号を同時に受信することによりＧＰＳ受信機自身の現在位置（ＧＰＳ測位解）を算出する。
【００２９】
また、自車位置測位装置２０は移動体（以下、「車両」を例に説明する。）に搭載されており、ＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信機（アンテナ）の他、受信したＧＰＳ信号のデコード等の処理を行い、ナビゲーション装置１０へ出力する信号処理部を備える。
【００３０】
出力装置３０は、ナビゲーション装置１０からの経路誘導情報を出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示装置（ディスプレイ装置、モニタ）３１と、音声情報を音声出力する音声出力装置（スピーカ装置）３２とを含む。画像表示装置３１は、道路地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの推奨移動経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって道順を報知する。また、音声出力装置３２は、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。
【００３１】
入力装置４０は、ナビゲーション装置１０に対して各種指示を行う入力装置である。本例では、入力装置４０は、例えば、出力装置３０の表示画面上に表示される操作ボタンによって構成されている。
【００３２】
図２は、ナビゲーション装置１０の構成の例を説明するための説明図である。ナビゲーション装置１０は、図２に示すように、推奨移動経路情報記憶部Ｆ１と、特定経路情報記憶部Ｆ２と、道路地図情報記憶部Ｆ３と、経路探索部１１と、自車位置情報受付部１２と、探索対象決定部１３と、方位情報受付部１４と、経路誘導部１５と、制御部Ｃとを含む。なお、ナビゲーション装置１０を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスＢに接続されている。
【００３３】
ナビゲーション装置１０は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、ＰＮＤ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｎａｖｉｇａｔｉｏｎ Ｄｅｖｉｃｅ）や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置１０は、図示しないが、ＣＰＵ（中央処理装置）、プログラム記憶部、ＯＳ（オペレーティング・システム）、等を有する。ＣＰＵは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置１０の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）やＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）等で構成され、ナビゲーション装置１０が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【００３４】
経路探索部１１は、出発位置（例えば、現在位置）から目的地までの推奨移動経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、この目的地の位置情報と自車位置測位装置２０にて測定した現在位置情報に基づき、道路情報を参照して現在位置から目的地までの推奨移動経路を導出する。なお、本例における経路探索部１１は、予め記憶された推奨移動経路の探索範囲の決定方法に基づいて探索範囲を決定し、決定した探索範囲内において所定の条件を満たす経路を推奨移動経路の候補である「推奨移動経路候補」として探索するものとする（なお、本例においては、「推奨移動経路の探索」という場合、「推奨移動経路候補の探索」という意味を含むこととし、「推奨移動経路候補の探索」という場合、「推奨移動経路の探索」という意味を含むこととする。）。すなわち、予め設定された所定の条件によっては、経路探索部１１は、複数の経路を推奨移動経路候補として探索し得る。なお、ここでの「所定の条件」としては、例えば「移動コストが小さい３つの経路」や、「ユーザが指定する条件（「右折不要」や「高速道路を利用しない」など）を満たす経路」など、種々の条件が考えられる。
【００３５】
また、経路探索部１１は、探索した推奨移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については、ダイクストラ法などを利用した公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【００３６】
ただし、経路探索部１１が特定経路を用いた推奨移動経路の探索を実行するために備える構成、すなわち、始点ノ―ド検索部１１Ａと、終点ノード判定部１１Ｂと、特定経路採用部１１Ｃと、マーク付加部１１Ｄと、最小コスト経路探索部１１Ｅと、リンク除外部１１Ｆと、推奨移動経路特定部１１Ｇとに関しては、公知の技術に関する説明も含め、後で改めて説明する。
【００３７】
自車位置情報受付部１２は、車両の現在位置情報を受信する処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。この現在位置情報は、自車位置測位装置２０により測定され送信されたものである。
【００３８】
推奨移動経路情報記憶部Ｆ１は、経路探索部１１によって求められた推奨移動経路を示す推奨移動経路情報を記憶する記憶媒体である。なお、経路探索部１１が所定の条件を満たす複数の推奨移動経路を導出し、ユーザにより選択された１の推奨移動経路を用いて、後述する経路誘導部１５により経路誘導を行う構成としてもよい。また、リルートなどに利用するために、推奨移動経路情報記憶部Ｆ１に、複数の推奨移動経路を保存する構成としてもよい。
【００３９】
図３は、推奨移動経路情報記憶部Ｆ１に記憶される推奨移動経路情報の格納状態の例を示す説明図である。図３に示すように、推奨移動経路情報は、推奨移動経路を構成するノードを示す経路構成ノード情報と、ノードに対応するリンクに関する情報を示す経路構成リンク情報とを含む。
【００４０】
経路構成ノード情報は、推奨移動経路を構成するノードを特定するための情報であり、本例においては、ノードＩＤと、位置情報と、ノード属性と、特定経路ノード情報と、特定経路ＩＤとを含む情報である。なお、本例においては、ノードの位置情報として緯度と経度を用いることとする。
【００４１】
ここで、「ノード属性」とは、交差点種別（図３における「ａ」）、案内情報種別（図３における「ｂ」）、分岐地点区分（図３における「ｃ」）が設定される。これにより、経路案内が行われる。
【００４２】
また、「特定経路ノード情報」とは、道路情報を構成する各ノードが、予め調査や統計手法などを使って特定の用途に対する有用性が評価された「特定経路」を構成するノードであるか否かを示す情報である。すなわち、特定経路ノード情報により、推奨移動経路を構成するノードに、特定経路を構成するノードが含まれているか否かが判定可能となる。さらに、本例における特定経路ノード情報は、各ノードが特定経路の始点や終点となる場合（以下、それぞれ「始点ノード」、「終点ノード」という。）にはその旨も示す。なお、１つの特定経路に複数の始点や終点が含まれる場合もあるものとする。
【００４３】
なお、各ノードに接続されたリンクが後述する主幹経路を構成するものである場合には、その情報が格納される構成としてもよい。
【００４４】
また、経路構成リンク情報は、推奨移動経路を構成するリンクと移動体がリンクを移動する場合のコスト（移動コスト）を示す情報である。本例においては、経路構成リンク情報は、リンクＩＤ（道路を一意に特定可能なＩＤ）と、各リンクの位置情報（座標やベクトルによって特定される。）、各リンクに設定された移動コストとを含む。従って、この推奨移動経路上における位置情報から走行中の道路情報（リンクＩＤ）を求めることができる。
【００４５】
なお、経路構成ノード情報は、時期的条件や車両の移動方向などによって変更されるものであってもよい。特定経路情報と、特定経路情報を用いた経路探索に関しては、後で詳しく説明する。
【００４６】
特定経路情報記憶部Ｆ２は、予め調査や統計手法などを使って特定の用途に対する有用性が評価された特定経路を示す特定経路情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、「特定経路情報」として、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、ノード群を連結するリンク群と、リンク群の移動コストとが対応付けされた情報を用いる場合について説明を行う。
【００４７】
図４は、特定経路情報記憶部Ｆ２に記憶された特定経路情報の格納状態の例を示す説明図である。図４に示すように、特定経路情報は、特定経路ＩＤと、経路種別と、経路名称と、エリアＩＤと、経路始点と、経路終点と、補助区間の有無と、特定経路毎の移動コストとを含む情報である。
【００４８】
ここで、「経路種別」とは、各特定経路がどんな用途に有効であるのかを示すものである。本例においては、経路種別として、「抜け道」や「観光道路」、「迂回路」などが設定される。
【００４９】
また、「経路始点」と「経路終点」は、特定経路の始点および終点となるノードを特定するものであり、特定経路に分岐点が存在する場合には、始点および終点が複数設定される場合もある。なお、図示しないが、特定経路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となることがある。例えば、交通可能時間が規定されている抜け道や、一方通行の抜け道などがこれに該当する。
【００５０】
また、特定経路には、主幹区間と補助区間とを設けることができる。ここで、本例における「主幹区間」とは、予め特定経路情報の作成者などにより、特定経路としての機能を発揮する経路であると評価された主幹経路からなる区間である。すなわち、例えば特定経路の種別が「観光道路」の場合には、景色の良い道路や観光スポットをつないだ経路が主幹区間となる。一方、本例における「補助区間」とは、特定経路へ進む経路または特定経路から離れる経路として推奨される補助経路からなる区間を意味する。すなわち、例えば高速道路のＩＣや国道の交差点から観光道路の入り口をつないだ経路が補助区間となる。このように特定経路を管理することにより、より詳細に特定経路を管理することができるようになる。また、例えば、ユーザが特定経路を通過しようとするときに、適切なタイミングで特定経路が有する特性（例えば、「抜け道」であれば「道幅が狭い」など）に対する注意を促すようにしてもよい。この場合、例えば車両の現在位置と特定経路情報とを比較し、現在位置が特定経路に対して所定距離以内に接近した場合に、制御部Ｃが、出力装置３０が所定の音声案内を出力させるための処理を実行する構成とすればよい。
【００５１】
なお、主幹区間における所定の区間を迂回する経路を補助区間としてもよい。また、渋滞回避の抜け道では、途中経路が複数あることがあるので、事前の調査により一番有効であると思われる抜け道を主幹区間とし、途中の別の抜け道を補助区間としてもよい。また、主幹区間から迂回回避される道路や交差点までを補助区間としてもよい。これにより、ユーザに対して、特定経路の一部を利用した推奨移動経路の導出を提供することができる。
【００５２】
道路地図情報記憶部Ｆ３は、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲（以下、「メッシュ」という。）に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、道路地図情報記憶部Ｆ３に記憶されるほか、例えばＳＤメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、道路地図情報記憶部Ｆ３は、道路情報として、道路をノード（交差点や道路の構造変化位置などを示す。）とリンク（ノード間を結ぶ道路など車両などの移動体が移動可能な経路を示す。）で表して管理し、各ノードとリンクに関して経路構成ノード情報と経路構成リンク情報（図３参照）とを記憶する記憶媒体である。すなわち、経路探索部１１は、経路探索処理において必要な情報を道路地図情報記憶部Ｆ３から取得することとなる。なお、道路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となる場合がある。
【００５３】
ここで、本例における道路情報には、各リンクの長さや通過時間を移動コストとして格納されている。また、道路情報は、複数の階層を持っており、本例においては近傍用（全ての道路を格納）、近距離用（細街路以外の道路を格納）、中距離用（県道以上の道路を格納）、遠距離用（高速道、国道を格納）が設定されている。この場合、例えば道路情報を構成するノードとリンクに階層情報を設定するようにすればよい。これにより、経路探索の条件によって経路探索の対象となる道路情報を使い分けることができる。すなわち、例えば現在位置と目的地が長距離である場合には、間に存在する道路情報の量が膨大になるため、遠距離用が設定された道路情報を用いて経路探索処理を行うことにより、経路探索部１１の処理負荷を軽減させることができる。以下、適宜地図情報と道路情報とをまとめて「道路地図情報」という。
【００５４】
探索対象決定部１３は、道路情報が示す複数のノードのうち、目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する。探索対象ノード群の決定方法としては、例えば、車両の現在位置と目的地とを示すそれぞれの緯度と経度の間に存在する道路情報、現在位置と目的地とを焦点とする楕円領域内の道路情報、または現在位置と目的地それぞれから所定の範囲の道路情報など、種々の決定方法が考えられる。
【００５５】
方位情報受付部１４は、車両の進行方向を特定する方位情報を受け付けるための処理を実行する機能を有する。
【００５６】
経路誘導部１５は、経路探索部１１が探索した推奨移動経路を示す推奨移動経路情報に基づいて、画像の表示や音声の出力などにより、ユーザに対して推奨移動経路の道順や注意事項等を案内する経路誘導処理を行う機能を有する。なお、経路誘導処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【００５７】
制御部Ｃは、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を具備し、ナビゲーション装置１０の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する。
【００５８】
次いで、本例における経路探索部１１の構成について改めて説明する。
【００５９】
始点ノ―ド検索部１１Ａは、探索対象決定１３により決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する処理を行う機能を有する。
【００６０】
なお、本例における始点ノ―ド検索部１１Ａは、車両の進行方向や現在時刻、さらには、特定経路への到着予想時刻を考慮して始点ノードを検索する機能を有する。すなわち、例えば特定経路情報における経路の「始点」は、車両の進行方向が逆であれば「終点」となるし、特定経路が一方通行の道路や時間指定道路である場合には、進行方向や時期によって経路誘導に用いることを考慮することが妥当でなくなることがあるためである。
【００６１】
終点ノード判定部１１Ｂは、始点ノ―ド検索部１１Ａにより検索された始点ノードに対応する終点ノード（すなわち、始点ノードと同一の特定経路を構成する終点ノード）が探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する処理を行う機能を有する。
【００６２】
なお、本例における終点ノード判定部１１Ｂは、始点ノ―ド検索部１１Ａにより探索対象ノード群に含まれる始点ノードに対応する終点ノードがあると判定した場合に、特定経路情報記憶部Ｆ２を参照して、該当する特定経路情報から所定の情報を抽出する処理を行う。
【００６３】
特定経路採用部１１Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと、終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用する処理を行う機能を有する。ここで、「採用する」とは、探索中の始点ノードまでの最小コスト経路と始点ノードから終点ノードまでの経路（すなわち特定経路）を推奨移動経路候補の一部として決定し、終点ノードを次の探索対象ノード（すなわち、出発地を示す出発地ノードからの移動コストの総和の最小値を算出する対象とするノード。以下、「最小コストの算出対象ノード」という。）に採用することを意味し、例えば、特定経路情報に「推奨移動経路候補の一部として採用されていること」を示す情報を付加するなどして実現される。なお、探索対象ノード群に含まれる特定経路（すなわち、始点ノードと終点ノード）が複数ある場合、「採用する」とは、探索される推奨移動経路候補が少なくとも１つの採用された特定経路を含むことを意味するものとする。すなわち、例えば探索対象ノード群に複数の特定経路（特定経路１と特定経路２。図示せず。）が含まれており、特定経路１と特定経路２とを推奨移動経路候補の一部として採用した場合、ナビゲーション装置１０が、「特定経路１を含む経路」、「特定経路２を含む経路」、および「特定経路１と特定経路２とを含む経路」の３つを推奨移動経路候補として探索し得るものとする。
【００６４】
マーク付加部１１Ｄは、探索対象とするノード群のうち特定のノード（例えば、終点ノードなど）に各種マーク（例えば、特定マークや判定マーク。図７参照。）を付加する（例えば、ノード情報の項目にフラグを設け、マークを付加する場合にフラグを立てる）マーク付加処理（マークを外す処理を含む）を行う機能を有する。なお、ノードに対してマークを付加する場合のナビゲーション装置１０の動作については、後で詳しく説明する（図６参照）。
【００６５】
最小コスト経路探索部１１Ｅは、道路情報に基づいて、移動体の出発地に対応するノードから探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら、目的地に対応するノードまで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索する処理を行う機能を有する。なお、本例における経路探索部１１は、最小コスト経路探索部１１Ｅにより探索された最小コスト経路を示すリンク群を推奨移動経路候補とする。
【００６６】
リンク除外部１１Ｆは、最小コスト経路探索部１１Ｅによる最小コスト経路の探索過程において、判定マークが付加されたノードと特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外する処理を実行する機能を有する。
【００６７】
推奨移動経路特定部１１Ｇは、経路探索部１１が探索した推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて推奨移動経路を特定する処理を行う機能を有する。なお、ここでの「特定の条件」は、例えば「特定経路を含むこと」や「移動コストが最小となる経路」や「ユーザの嗜好に応じた経路」など、種々の条件が考えられる。なお、推奨移動経路候補を表示画面に表示して、ユーザの選択を受け付ける構成としてもよい。また、探索した推奨移動経路候補の全てや幾つかを推奨移動経路とする構成としてもよい。この場合、複数の推奨移動経路を識別可能に表示画面に表示する構成とすることが好ましい。なお、推奨移動経路候補に関する「所定の条件」や、推奨移動経路に関する「特定の条件」は、ナビゲーション装置１０の記憶領域に記憶されているものとする。また、これらの条件は、ユーザにより設定（作成や選択を含む）できる構成とされていてもよい。
【００６８】
なお、経路探索部１１による特定経路を用いた推奨移動経路の探索については後で詳しく説明する（図６参照）。
【００６９】
次に、経路誘導システム１００における画像表示装置３１の表示画面の表示態様の例について説明する。
【００７０】
図５は、画面表示装置３１が表示する表示画面の例を示す説明図である。図５に示すように、画像表示装置３１であるディスプレイの表示画面上には、道路地図情報と車両の現在位置情報とに基づく経路誘導画面が表示される。そして、ナビゲーション装置１０は、推奨移動経路を探索すると、経路誘導画面に、目的地までの推奨移動経路を表示する。
【００７１】
また、本例においては、例えば図５に示すように、画像表示装置３１の表示画面上には、ユーザによる特定経路検索の要求を受け付けるための検索実行ボタン４１，４２，４３が設けられていることとする。
【００７２】
次に、本発明のナビゲーション装置１０の動作について図面を参照して説明する。
【００７３】
図６は、経路誘導システム１００においてナビゲーション装置１０が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。ナビゲーション処理では、特定経路を
いた出発地（本例においては、車両の現在位置）から目的地までの推奨移動経路を探索するための処理が実行される。なお、目的地までの距離によっては推奨移動経路がノード属性毎に探索されるが（すなわち、目的地までの距離が道路情報に基づいて「遠距離」であると判断される場合には、経路探索部１１は、複数の階層に分かれた道路情報毎のノードとリンクとを用いて推奨移動経路を探索するが）、理解を容易にするため、本例においては１つのノード属性（すなわち、１つの階層）に属するノードを探索対象とする場合について説明を行う。また、出発地の入力をユーザから受け付ける構成としてもよい。
【００７４】
以下、ユーザによる検索実行ボタン４１の押下を受け付けて、特定経路としての「抜け道」を用いた推奨移動経路を探索する場合を例にして説明を行う。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明は省略している場合がある。なお、以下で説明する他の処理についても、本発明に特に係わらない処理については、その説明を省略している場合がある。
【００７５】
ナビゲーション処理では、まず、制御部Ｃは、入力装置４０を介して、例えば経路誘導システム１００の使用者であるユーザＡによる操作入力を受け付けて、目的地を設定する（ステップＳ１０１）。
【００７６】
目的地を設定すると、制御部Ｃは、探索対象決定部１３により、探索対象ノード群を決定する（ステップＳ１０２）。なお、本例においては、制御部Ｃは、出発地である車両の現在位置と目的地との座標に基づいて決定される範囲（例えば、出発地と目的地とを焦点とする楕円形状の範囲）内に存在するノードを探索対象ノード群として決定する。
【００７７】
図７は、ナビゲーション処理におけるナビゲーション装置１０の動作について説明するための概念図である。以下、適宜図７を参照して説明を行なう。
【００７８】
本例において、図７（Ａ）に示すように、制御部Ｃが、探索対象決定部１３により、出発地（本例においては、車両の現在位置）に対応するノードである出発地ノードＳと目的地に対応するノードである目的地ノードＧとの間に存在する複数のノード群（および、各ノードに対応するリンク群）を探索対象として決定したものとする。なお、図７においては、探索対象となったノードを「○」で示す。
【００７９】
探索対象ノード群を決定すると、制御部Ｃは、決定した探索対象ノード群に含まれる始点ノードを検索する（ステップＳ１０３）。本例においては、図７（Ｂ）に示すように、２つの始点ノードＳＮ１と始点ノードＳＮ２とが検索されたものとする。
【００８０】
始点ノードの検索処理を終了すると（すなわち、始点ノードの有無に関わらず）、制御部Ｃは、経路探索部１１により、出発地ノードＳから目的地ノードＧまでの移動コストの総和が最小となる最小コスト経路の探索を開始する（ステップＳ１０４）。
【００８１】
最小コスト経路の探索を開始すると、制御部Ｃは、最小コストの算出対象ノードが始点ノードであるか否かを判定する（ステップＳ１０５）。ここで、最小コストの算出対象ノードが始点ノードでないと判定すると（ステップＳ１０５のＮ）、制御部Ｃは、経路探索部１１による最小コスト経路の探索を継続し（ステップＳ１０６）、後述するステップＳ１１２の処理に移行する。
【００８２】
一方、最小コストの算出対象ノードが始点ノードであると判定すると（ステップＳ１０５のＹ）、制御部Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより、始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれているか否かを判定する（ステップＳ１０７）。ここで、始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれていないと判定すると（ステップＳ１０７のＮ）、制御部Ｃは、ステップＳ１０６の処理に移行する。なお、このとき制御部Ｃが、マーク付加部１１Ｄにより、始点ノードに対して「終点ノードに関する判定が終了済みであることを示すマーク」を付加する構成としてもよい。
【００８３】
一方、始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれていると判定すると（ステップＳ１０７のＹ）、制御部Ｃは、マーク付加部１１Ｄにより、終点ノードに特定マークを付加し、終点ノードに対応する始点ノードから特定経路を使用する方向以外のノード（または、始点ノードに隣接したノード）に判定マークを付加する（ステップＳ１０８）。
【００８４】
特定マークと判定マークとを付加すると、制御部Ｃは、リンク除外部１１Ｆにより、判定マークが付加されたノードと特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外する（ステップＳ１０９）。
【００８５】
図７（Ｂ）は、ここまでの流れ（ステップＳ１０５〜ステップＳ１０９）を説明するための概念図である。図７（Ｂ）に示すように、制御部Ｃが、経路探索部１１により、始点ノードＳＮ１を最小コストの算出対象ノードとしたとき（ステップＳ１０５）、始点ノードＳＮ１に対応する終点ノードＦＮ１が探索対象ノード群に含まれると判定し（ステップＳ１０６のＹ）、終点ノードＦＮ１に特定マークを付加し（図７においては、ノードを示す「○」を「●」で示すことにより表現している。）、始点ノードから特定経路を使用する方向以外のノードＮ１，Ｎ２に判定マークを付加する（図７においては、ノードを示す「○」を「□」で示すことにより表現している。）（ステップＳ１０８）。次いで、制御部Ｃは、経路探索部１１により、判定マークが付加されたノードＮ１と特定マークが付加された終点ノードＦＮ１とを結ぶリンクＬ１を最小コスト経路の探索対象から除外する（図７においては、リンク上に「×」を重畳表示することにより表現している）（ステップＳ１０９）。
【００８６】
判定マークが付加されたリンクと特定マークが付加された終点ノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外すると、制御部Ｃは、マーク付加部１１Ｄにより、特定マークと判定マークをクリアする（すなわち、付加したマークを外す。フラグを立てていた場合には、フラグを降ろす。）（ステップＳ１１０）。
【００８７】
マークをクリアすると、制御部Ｃは、特定経路採用部１１Ｃにより、始点ノードと終点ノードとを含む特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用し、終点ノードを次の最小コストの算出対象ノードにする（ステップＳ１１１）。
【００８８】
図７（Ｃ）は、ここまでの流れ（ステップＳ１１０〜ステップＳ１１１）を説明するための概念図である。図７（Ｃ）に示すように、制御部Ｃが、経路探索部１１により、特定マークと判定マークをクリアし（図７（Ｃ）においては、ノードＮ１，Ｎ２と終点ノードＦＮ１を「○」で示すことにより表現している。）（ステップＳ１１０）、始点ノードＳＮ１と終点ノードＦＮ１とを含む特定経路ＰＬ１を推奨移動経路候補の一部として採用し（図７（Ｃ）においては、図７（Ｂ）にて「破線」により示した特定経路ＰＬ１を「太い実線」に変更することで表現している。）、終点ノードＦＮ１を次の最小コストの算出対象ノードにする（ステップＳ１１１）。
【００８９】
特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用すると、制御部Ｃは、目的地までの最小コスト経路の探索が終了したか否かを判定する（ステップＳ１１２）。ここで、目的地までの最小コスト経路の探索が終了していないと判定すると（ステップＳ１１２のＮ）、制御部Ｃは、ステップＳ１０５の処理に移行する。
【００９０】
最小コスト経路の探索を進めると、制御部Ｃは、例えば図７（Ｃ）に示すように、始点ノードＳＮ２と、終点ノードＦＮ２と、特定経路ＰＬ２と、ノードＮ３と、リンクＬ２とに対して、ステップＳ１０７からステップＳ１１１の処理を行うこととなる。
【００９１】
最小コスト経路の探索を継続し、目的地（図７においては目的地ノードＧ）までの最小コスト経路の探索が終了したと判定すると（ステップＳ１１２のＮ）、制御部Ｃは、探索過程で得た情報（例えば、探索対象ノードそれぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群。ノードに施設情報などが対応付けされている場合には、それらを含む構成としてもよい。）に基づいて、予めナビゲーション装置１０の記憶領域に設定された所定の条件を満たす経路を推奨移動経路候補に決定する（ステップＳ１１３）。本例においては、制御部Ｃは、例えば図７（Ｄ）に示すように、出発地ノードＳから出発し、少なくとも特定経路ＰＬ１，ＰＬ２上を一度は通る移動経路Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３を推奨移動経路候補に決定する。
【００９２】
推奨移動経路候補を決定すると、制御部Ｃは、推奨移動経路特定部１１Ｇにより、推奨移動経路候補の中から予めナビゲーション装置１０の記憶領域に設定された特定の条件を満たす推奨移動経路を特定し（ステップＳ１１４）、ここでの処理を終了する。なお、本例においては、推奨移動経路特定部１１Ｇは、最小コスト経路探索部１１Ｄが探索した最小コスト経路（特定経路を含む推奨移動経路候補のうち、移動コストが最小となる経路）を示す推奨移動経路候補を推奨移動経路とするものとする。
【００９３】
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、移動体（例えば、車両）の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置１０が、観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶部Ｆ２と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、ノード間を結ぶ道路など移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、複数のリンクそれぞれの移動コストと、特定経路情報とが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路地図情報記憶部Ｆ３とを備え、道路地図情報記憶部Ｆ３が記憶する道路情報が示す複数のノードのうち、目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定し、決定した探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索し、探索した少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて推奨移動経路を特定し、推奨移動経路（推奨移動経路候補を探索した後、探索した推奨移動経路候補の中から推奨移動経路を特定する場合には推奨移動経路候補）の探索において、決定した探索対象ノード群の中に含まれる始点ノード（例えば、図７における始点ノードＳＮ１）を検索し、検索した始点ノードに対応する終点ノード（例えば、図７における終点ノードＦＮ１）が探索対象ノード群に含まれるか否かを判定し、探索対象ノード群に含まれると判定した終点ノードと終点ノードに対応する始点ノード（例えば、図７における始点ノードＳＮ１と終点ノードＦＮ１）とを含む特定経路（例えば、図７における特定経路ＰＬ１）を推奨移動経路候補の一部として採用する構成としているので、予め特定の用途に適する経路として記憶された特定の経路をより有効に利用することができるようになる。
【００９４】
すなわち、移動体の出発地から目的地までの推奨移動経路の探索過程において、特定経路を推奨移動経路候補の一部として採用するので、ユーザが特定経路の利用を望む場合など特定経路を含まない推奨移動経路の探索が不要で有る場合に、直接的に特定経路を含む推奨移動経路を探索することができるようになる。
【００９５】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置１０が、探索対象ノード群のうち、探索対象ノード群に含まれていると判定した終点ノード（例えば、図７における終点ノードＦＮ１）に特定マークを付加し、終点ノードに対応する始点ノード（例えば、図７における始点ノードＳＮ１）から始点ノードと終点ノードとに対応する特定経路（例えば、図７における特定経路ＰＬ１）を使用する方向以外のノード（例えば、図７におけるノードＮ１，Ｎ２）に判定マークを付加し、道路情報に基づいて、移動体（例えば、車両）の出発地（例えば、車両の現在位置）に対応するノード（例えば、図７における出発地ノードＳ）から探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら目的地に対応するノード（例えば、図７における目的地ノードＧ）まで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索し、最小コスト経路の探索過程において、判定マークが付加されたノードと特定マークが付加されたノードとを結ぶリンク（例えば、図７におけるリンクＬ１）を最小コスト経路の探索対象から除外し、探索した最小コスト経路を示すリンク群を推奨移動経路候補とする構成としているので、推奨移動経路の探索過程において、特定経路を推奨移動経路候補の一部とする場合に採用し得ないリンク（例えば、特定経路に繋がらないリンク）についての計算（経路計算）を省略することができるようになる。すなわち、リンクを削除する分だけ推奨移動経路を探索する場合の処理負荷を軽減させることができるようになる。
【００９６】
なお、上述した実施の形態においては、ナビゲーション装置１０が、最小コスト経路の探索過程において始点ノードに対応する終点ノードが探索対象に含まれているか否かを判定してマークを付加する構成とした場合について説明したが（図６参照）、マークを付加するタイミングはこれに限定されず、例えば、最小コスト経路の探索を開始する前に、すなわち始点ノードを検索したときに、終点ノードに関する判定を実行してマーク（例えば、特定マーク）を付加する構成としてもよい。
【００９７】
＜第２の実施の形態＞
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置１０が、最小コスト経路の探索開始前に、始点ノードの検索と、検索した始点ノードに対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれるか否かの判定とを実行して探索対象ノード群に含まれる特定経路を特定し、出発地に対応するノードから特定経路の始点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、目的地に対応するノードから特定経路の終点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路とを探索し、出発地側最小コスト経路、特定経路、および目的地側最小コスト経路を構成するリンク群を推奨移動経路候補とする構成としてもよい。
【００９８】
以下、このような構成とした場合の推奨移動経路の探索方法について図面を参照して説明する。
【００９９】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１００】
なお、ここでいう「構成部分」には、本例におけるナビゲーション装置１０の処理動作も含み、第１の実施の形態の例と同じ処理については説明を省略している場合がある。以下、他の実施の形態においても同様とする。
【０１０１】
図８は、ナビゲーション装置１０の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。図８に示すように、例えば出発地ノードＳと目的地ノードＧとを焦点とする楕円形状の探索対象範囲Ｃ１内に含まれるノードを探索対象ノード群とする場合、制御部Ｃが、始点ノード検索部１１Ａにより、探索対象ノード群に含まれる始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２を検索する。
【０１０２】
始点ノードを検索すると、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１１と始点ノードＳＮ１２それぞれに対応する終点ノードＦＮ１１，ＦＮ１２が探索対象ノード群に含まれているか否かを判定する。
【０１０３】
そして、対応する終点ノードＦＮ１１が探索対象ノード群に含まれていると判定した場合、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１１に対応する特定経路ＰＬ１１を含むことを推奨移動経路候補の条件としてナビゲーション装置１０の記憶領域に記憶する。
【０１０４】
特定経路ＰＬ１１を含むことを推奨移動経路候補の条件として記憶すると、制御部Ｃは、出発地ノードＳから始点ノードＳＮ１１までの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、目的地ノードＧから終点ノードＦＮ１１までの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路との探索を開始し、探索が終了したと判定すると、出発地側最小コスト経路（例えば、リンクＬ１０）と、特定経路ＰＬ１１と、目的地側最小コスト経路（例えば、リンクＬ１１，Ｌ１２）とを構成するリンク群を推奨移動経路候補として特定する。なお、目的地側最小コスト経路の探索においては、目的地ノードを経路探索の開始ノードとする構成としてもよいし、終点ノードを経路探索の開始ノードとする構成としてもよい。
【０１０５】
以上のように、最小コスト経路の探索を開始する前に、推奨移動経路候補（または、推奨移動経路）として採用する特定経路を特定する構成とすることにより、特定経路を用いた推奨移動経路の探索において、２以上の最小コスト経路の探索処理を並行して進行することができるようになる。すなわち、片方から経路探索を行う場合に比べて、推奨移動経路の探索に要する時間を短縮させることができるようになる。
【０１０６】
＜第３の実施の形態＞
また、上述した実施の形態においては特に言及していないが、ナビゲーション装置１０が、検索した始点ノードの位置（例えば、座標）に基づいて推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより探索対象ノード群を更新し、更新した探索対象ノード群を用いて終点ノードが探索対象ノード群に含まれているか否かの判定を行う構成としてもよい。
【０１０７】
以下、このような構成とした場合の推奨移動経路の探索方法について図面を参照して説明する。
【０１０８】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１、第２の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１、第２の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１０９】
図９は、ナビゲーション装置１０の他の実施の形態における推奨移動経路の探索処理について説明するための説明図である。図９に示すように、出発地ノードＳと目的地ノードＧとを基準とする所定形状の探索対象範囲Ｃ１内に含まれるノードを探索対象ノード群とする場合、制御部Ｃが、始点ノード検索部１１Ａにより、探索対象ノード群に含まれる始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２を検索する。なお、本例においては、出発地ノードＳと目的地ノードＧとを焦点とする楕円形状を探索対象範囲Ｃ１とする場合について説明する。
【０１１０】
始点ノードを検索すると、制御部Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより、始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２それぞれに対応する終点ノードＦＮ１１，ＦＮ１２が探索対象ノード群に含まれているか否かを判定する。
【０１１１】
ここで、本例においては、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１１，ＳＮ１２の座標に基づいて推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより探索対象ノード群を更新し、更新した探索対象ノード群を用いて終点ノードが探索対象ノード群に含まれているか否かの判定を行う。以下、始点ノードＳＮ１２の座標に基づいて探索対象ノード群を更新する場合について説明する。なお、始点ノードＳＮ１１については、対応する終了ノード１１が探索対象ノード群に含まれるため、探索対象ノードの追加についての説明を省略する。ただし、制御部Ｃが、対応する終点ノードが探索対象ノード群に含まれていない場合にのみ探索対象ノード群を更新する構成としてもよい（すなわち、制御部Ｃが、終点ノードを用いて探索対象ノード群の更新判定を行う構成としてもよい。）。
【０１１２】
本例において、制御部Ｃは、始点ノードＳＮ１２と目的地ノードＧとを基準とする形状の追加範囲Ｃ２内に位置するノードであって、既存の探索対象範囲Ｃ１内に位置していないノードを探索対象ノード群に追加する。本例においては、始点ノードＳＮ１２と目的地ノードＧとを基準とする追加範囲Ｃ２として、始点ノードＳＮ１２と目的地ノードＧとを焦点とする楕円形状の範囲を用いる場合について説明する。
【０１１３】
追加範囲Ｃ２内に位置するノードＮ１２と、ノードＮ１３と、終点ノードＦＮ１２とを探索対象ノード群に追加すると、制御部Ｃは、終点ノードＦＮ１１と終点ノードＦＮ１２とが探索対象ノード群に含まれていると判定する。
【０１１４】
そして、対応する終点ノードＦＮ１１，ＦＮ１２が探索対象ノード群に含まれていると判定された始点ノードＳＮ１１と始点ノードＳＮ１２それぞれに対応する特定経路ＰＬ１１と特定経路ＰＬ１２の少なくとも１つを含むことを推奨移動経路（または、推奨移動経路候補）の条件としてナビゲーション装置１０の記憶領域に記憶する。
【０１１５】
以上のように、出発地と目的地とに基づいて決定した探索対象範囲内に特定経路の一部が含まれている場合に探索範囲を更新する構成とすることにより、特定経路の利用可能性を高めることができるようになる。
【０１１６】
なお、上述した第３の実施の形態では、探索対象の更新時期が最小コスト経路の探索開始前（例えば、探索対象ノード群に含まれる始点ノードの検索時）である場合について説明したが、更新時期はこれに限定されず、例えば、最小コスト経路の探索過程において最小コストの算出対象ノードが始点ノードであると判定したときであってもよい。
【０１１７】
なお、上述した実施の形態においては特に言及していないが、ナビゲーション装置１０が、推奨移動経路候補の一部として採用した特定経路が複数ある場合に、複数の特定経路のうち推奨移動経路の一部として採用する特定経路の選択を受け付け、複数の特定経路の選択を受け付けた場合に、複数の特定経路それぞれの始点ノード、終点ノード、出発地、および目的地の位置関係に基づいて移動体（例えば、車両）が複数の特定経路を通過すべき順序（例えば、出発地ノードに近い始点ノード順など）を示す通過予定順序を決定し、決定した通過予定順序に従って各特定経路間に存在するノードを探索対象ノード群とするように探索対象ノード群を更新し、更新した探索対象ノード群に基づいて出発地から通過予定順序に基づいて目的地に到達する場合の最小コスト経路を探索する構成としてもよい。
【０１１８】
このような構成とすることにより、複数の特定経路を効率的に移動する経路を推奨移動経路とすることができるようになる。また、探索対象ノード群に含まれるノードであって推奨移動経路の一部として採用する特定経路に関連しない（例えば、特定経路までの距離が所定距離以上である）ノードがある場合に、利用可能性のあるノードのみが探索対象ノード群に含まれるように探索対象ノード群を更新することにより、経路探索の効率を向上させることができるようになる。
【０１１９】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、推奨移動経路と特定経路の構成によっては、特定経路を構成するノードのうち、始点ノードと終点ノードの両方になり得るノードが存在することとなる場合もある。このような場合は、分岐点を含む推奨移動経路を導出するようにしたり、ユーザによる特定経路の始点と終点の選択を受け付けて特定経路を特定したりするようにすればよい。
【０１２０】
＜第４の実施の形態＞
第４の実施の形態の例では、ユーザにより目的地が設定されていない場合であっても特定経路を用いた推奨移動経路の導出を行うこともできる。すなわち、上述した第１〜第３の実施の形態とは、ユーザによる目的地の入力を必要としない点で異なる。
【０１２１】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１〜第３の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１〜第３の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１２２】
本実施の形態において、ナビゲーション装置１０は、仮目的地設定部１６（図示せず）をさらに備える。
【０１２３】
仮目的地設定部１６は、目的地が設定されていない場合に、進行方向受付部１６が受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地（仮目的地）を設定する。本例においては、仮目的地設定部１６は、自車位置情報受付部１２が受け付ける現在位置情報と、方位情報受付部１４が受け付ける方位情報から、車両が現在走行している道路や、そのまま道なりに進む方向に存在する道路を示す経路情報を所定の距離分収集し、所定時間走行した場合に到着する位置を仮目的地として記憶する。
【０１２４】
以下、本実施の形態の例におけるナビゲーション装置１０の動作の一例を説明する。
【０１２５】
図１０は、ナビゲーション装置１０が実行する特定経路導出処理の例を示すフローチャートである。本例における特定経路導出処理は、ユーザによる検索実行ボタン４３の押下を受け付けて、特定経路としての「迂回路」を検索する場合を例にして説明を行う。
【０１２６】
ユーザによる迂回路検索要求に応じて特定経路導出処理を開始すると、制御部Ｃは、仮目的地設定部１６により、ナビゲーション装置１０の記憶領域に目的地が設定されているか否かを判定する（ステップＳ２０１）。ここで、目的地が設定されていないと判定すると（ステップＳ２０１のＮ）、制御部Ｃは、自車位置情報受付部１２により現在位置情報を受け付ける（ステップＳ２０２）。
【０１２７】
現在位置情報を受け付けると、制御部Ｃは、方位情報受付部１４により、車両の進行方向情報を受け付ける（ステップＳ２０３）。
【０１２８】
進行方向情報を受け付けると、制御部Ｃは、仮目的地設定部１６により、仮目的地を設定する（ステップＳ２０４）。なお、例えば所定の距離内にＴ字路や行き止まりがある場合など、車両が道なりに進めない場合には、その旨をユーザに報知して特定経路導出処理を終了する構成としてもよい。また、このときユーザによる仮目的地の入力を受け付けるための画面を表示する構成としてもよい。
【０１２９】
仮目的地を設定すると、制御部Ｃは、経路探索部１１により、現在位置から仮目的地までの推奨移動経路を探索する（ステップＳ２０５）。
【０１３０】
仮目的地までの推奨移動経路を探索すると、制御部Ｃは、探索した推奨移動経路上に特定経路があるか否かを判定する（ステップＳ２０６）。本例においては、制御部Ｃは、先ず、探索対象決定部１３により、探索した推奨移動経路上（または、推奨移動経路を基準にした所定範囲内）に位置するノードを探索対象ノード群に決定する。探索対象ノード群を決定すると、制御部Ｃは、始点ノード検索部１１Ａにより、決定した探索対象ノード群に含まれる始点ノードを検索する。そして、始点ノードを検索すると、制御部Ｃは、終点ノード判定部１１Ｂにより、検索した始点ノードに対応する終点ノードがあるか否か判定する。ここで、探索対象ノード群に始点ノードに対応する終点ノードがあると判定すると、制御部Ｃは、探索した推奨移動経路上に特定経路があると判定する。なお、本例においては迂回路検索を行っているため、始点ノード検索部１１Ａは、特定経路情報における経路種別を参照し、「迂回路」が設定されている特定経路に対応する始点ノードを検索するものとする。
【０１３１】
探索した推奨移動経路上に特定経路があると判定した場合（ステップＳ２０６のＹ）、制御部Ｃは、特定経路採用部１１Ｃにより、特定経路情報記憶部Ｆ２に記憶された特定経路情報を参照して特定経路情報を取得し（ステップＳ２０７）、特定経路導出処理を終了する。なお、推奨移動経路を基準にした所定範囲内に位置するノードを探索対象ノード群とし、推奨移動経路上以外に始点ノードが位置する特定経路を導出した場合、制御部Ｃは、経路探索部１１により、推奨移動経路上から特定経路までの推奨移動経路も探索する構成としてもよい。
【０１３２】
一方、探索した推奨移動経路上に特定経路がないと判定した場合（ステップＳ２０６のＮ）、制御部Ｃは、特定経路がない旨をユーザに報知して（ステップＳ２０８）、特定経路導出処理を終了する。
【０１３３】
なお、本例においては仮目的地を用いて特定経路を導出しているため、導出した特定経路がユーザの意図に沿っていない可能性もある。そのため、表示画面上に仮目的地を表示したり、導出した迂回路に関する情報、例えば、「○○道が通行止めとなった場合に△△警察により設定された迂回路があります。この迂回路は□□に出ることができます。」などのメッセージをユーザに報知したりするような構成としてもよい。
【０１３４】
以上のように本実施の形態においては、移動体（例えば、車両）の進行方向情報を受け付け、目的地が設定されていない場合に、受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地を設定し、設定した仮目的地に基づいて探索対象ノード群を決定する（例えば、車両の現在位置から仮目的地までの推奨移動経路を構成するノード群など）構成としているので、例えばユーザが、ナビゲーション装置１０による経路誘導を必要としないと認識している経路上を走行中に交通事項や火災などといった不測の事態により通常の経路を通行できなくなり、迂回路の検索を要求した場合などに、素早くユーザの意図に応じた特定経路を検索することができるようになる。
【０１３５】
＜第５の実施の形態＞
第５の実施の形態の例では、特定経路を含んだ推奨移動経路情報に基づく経路誘導を、予め登録された所定の情報に基づく経路案内に切り替えるようにすることもできる。すなわち、上述した実施の形態とは、車両の位置情報に応じて、推奨移動経路情報に基づく経路誘導から特定経路に対応した立ち寄り地点情報に基づく経路案内に切り替わる（または、立ち寄り地点情報に基づく情報提供を行う）点で異なる。このような構成とすることにより、進行方向に分岐点を含む特定経路を用いた推奨移動経路の経路誘導を行う場合であっても、簡単にユーザに適切な経路誘導を行うことができる。なお、ここでいう「経路案内」とは、ユーザの誘導を目的としたものだけでなく、例えば音声出力装置を用いて「次の交差点を左に曲がると○○に向かいます。」といった音声出力を実行したり、現在地付近の有名な建物へ繋がる経路を推奨移動経路と識別可能に表示したりする、単なる情報の提供を含む。
【０１３６】
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第１〜第４の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第１〜第４の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【０１３７】
本実施の形態において、ナビゲーション装置１０は、立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４と立ち寄り地点接近判定部１７とをさらに備える（図示せず）。
【０１３８】
立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４は、特定経路における観光施設や周辺の駐車場、食事処、土産店などの立ち寄り地点を示す立ち寄り地点情報を特定経路情報と対応付けて記憶する。
【０１３９】
図１１は、立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４に記憶されている立ち寄り地点情報の格納状態の例を示す説明図である。図１１に示すように、立ち寄り地点情報は、特定経路ＩＤと、案内開始ノードＩＤと、案内内容変更ノードＩＤと、立ち寄り地点に存在する施設を示す案内施設情報と、立ち寄り地点の位置情報（例えば、位置座標、最近接の特定経路構成ノード情報など）とを含む情報である。ここで「案内開始ノードＩＤ」とは、案内開始地点に設定されたノードを特定するためのＩＤであり、「案内開始地点」とは、現在位置情報が所定の距離以内に接近した場合に、経路誘導部１５が対応する案内施設情報などに基づいて経路案内を開始する地点である。本例においては、案内開始地点として、ノードＮ３１（駐車場案内開始点Ｎ３１。図１２参照。）を用いる場合を例に説明を行なう。また、「案内内容変更ノードＩＤ」とは、案内内容変更地点に設定されたノードを特定するためのＩＤであり、「案内内容変更地点」とは、経路誘導部１５が経路案内の内容を変更する地点である。本例においては、案内内容変更地点として、ノードＮ３２，Ｎ３３，Ｎ３７（駐車場案内点Ｎ３２，Ｎ３３，Ｎ３７。図１２参照。）を用いる場合を例に説明を行なう。なお、案内内容変更地点の代わりに、もしくは併用して、車両が所定の距離以内に接近した場合に、経路誘導部１５が対応する案内施設情報に基づいて経路案内を実行する「経路案内地点」を用いる構成としてもよい。
【０１４０】
立ち寄り地点接近判定部１７は、車両が立ち寄り地点、案内開始地点、案内内容変更地点のいずれかに対して所定の距離まで接近したか否かを判定する機能を有する。案内開始地点を設けることにより、適切なタイミングで立ち寄り地点情報に基づく経路案内を開始することができる。また、案内内容変更地点を設けることにより、ユーザの移動状況に応じた経路案内を行うことができる。
【０１４１】
また、本例における経路誘導部１５は、立ち寄り地点情報に基づいてユーザに対して立ち寄り地点を案内する経路案内機能を有する。
【０１４２】
次いで、本例におけるナビゲーション装置１０が実行する経路誘導について図面を参照して説明する。
【０１４３】
図１２は、本例における経路誘導の概要を説明するための説明図である。図１２において、特定経路Ｒ１０１を構成するノードのうち特定経路の始点ノードをＳ、他の特定経路との接続点ノードをＣＮ、それ以外をＮ３１〜Ｎ３７でそれぞれ示す。また、本例においては、特定経路を構成するリンクのうち、主幹経路を示すリンクを推奨移動経路の探索対象として使用されるリンクとして実線で示し、補助経路を示すリンクを推奨移動経路の探索対象として使用されないリンク（後述する、車両が特定経路上を走行中に行われる推奨移動経路の変更のための探索を除く。図１３参照。）として破線で示す。さらに、補助経路のうち、１つ以上の立ち寄り地点（例えば、駐車場Ｂ，Ｃ，Ｄ）が対応付けされた経路を「立ち寄り経路」と呼ぶこととする。さらに、ノードが有する案内情報を吹き出しで示し、リンク上には位置情報に基づいて対応する立ち寄り地点（駐車場Ａ〜Ｄ）を示す。
【０１４４】
このような状況の下、本例におけるナビゲーション装置１０は、所定の時間間隔で車両の現在位置情報を受け付ける。そして、推奨移動経路の経路誘導中に車両がノードＮ３１を通過すると立ち寄り地点情報を用いて経路案内を開始する。ナビゲーション装置１０は、先ず、車両がノードＮ３２に対して所定の距離以内に接近すると、駐車場Ａ〜Ｄを案内する。なお、この場合の駐車場案内としては、例えば推奨移動経路情報に基づく経路誘導より優先して、立ち寄り地点情報に基づく経路誘導を実行する構成としてもよい。また、駐車場案内として、各駐車場の駐車可能台数や観光施設までの距離をリストにして表示したり、各駐車場までの経路を強調して表示したりしてもよい。
【０１４５】
そして、車両が駐車場Ｄへ向かわずに、ノードＮ３３に対して所定の距離以内に接近すると、ナビゲーション装置１０は、駐車場Ｄを除く駐車場Ａ〜Ｃを案内する。そして、車両が駐車場Ａに向かわずにノードＮ３７に対して所定の距離以内に接近すると、駐車場ＢとＣを案内する。
【０１４６】
以下、本実施例におけるナビゲーション装置１０の動作の一例を説明する。
【０１４７】
図１３は、ナビゲーション装置１０が実行する立ち寄り地点案内処理の例を示すフローチャートである。本例における立ち寄り地点案内処理では、特定経路上を走行する車両の位置が所定の位置に達したときに、ユーザに対して所定の立ち寄り地点を案内するための処理が行われる。本例においては、「所定の位置」として、車両が特定経路上に位置していることが設定されている場合について説明を行う。
【０１４８】
特定経路を用いた推奨移動経路による経路誘導の実行中、制御部Ｃは、自車位置情報受付部１２が受け付ける現在位置情報に基づいて、車両が特定経路上を走行しているか否かを判定する。そして、特定経路（本例においては、「観光道路」が設定されている特定経路）上を走行していると判定した場合に、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内処理を開始する。
【０１４９】
立ち寄り地点案内処理では、先ず、制御部Ｃは、立ち寄り地点接近判定部１７により、車両が立ち寄り地点情報における案内開始地点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定する（ステップＳ３０１）。
【０１５０】
車両が案内開始始点に対して所定の距離以内に接近したと判定すると（ステップＳ３０１のＹ）、制御部Ｃは、経路誘導部１５は、立ち寄り地点情報に基づく経路案内を開始する（ステップＳ３０２）。
【０１５１】
経路案内を開始すると、制御部Ｃは、現在位置情報に基づいて、車両が推奨移動経路から逸脱しているか否かを判定する（ステップＳ３０３）。ここで、車両が推奨移動経路を走行していると判定すると（ステップＳ３０３のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点接近判定部１７により、現在位置情報に基づいて車両が立ち寄り地点情報における案内内容変更地点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定する（ステップＳ３０４）。
【０１５２】
ここで、案内内容変更地点に対して所定の距離以内に接近したと判定すると（ステップＳ３０４のＹ）、制御部Ｃは、経路誘導部１５により、立ち寄り地点情報における案内施設情報に基づいて経路案内内容を変更し（ステップＳ３０５）、ステップＳ３０３の処理に移行する。すなわち、例えば経路誘導部１５は、車両がノードＮ３２を通過してノードＮ３４に対して所定の距離以内に接近するまでは駐車場Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを案内し、ノードＮ３４に対して所定の距離以内まで接近した後は、駐車場Ａ，Ｂ，Ｃを案内する（図１２参照）。なお、立ち寄り経路上に位置する立ち寄り地点である駐車場Ｂ，Ｃ，Ｂに関しては、立ち寄り経路の案内（例えば、立ち寄り経路の表示など）を行う。
【０１５３】
一方、ステップＳ３０３の処理において、車両が推奨移動経路から逸脱していると判定した場合（ステップＳ３０３のＹ）、制御部Ｃは、現在位置情報と特定経路情報とに基づいて、車両が特定経路上を走行しているか否かを判定する（ステップＳ３０６）。ここで、車両が特定経路上を走行していると判定した場合（ステップＳ３０６のＹ）、制御部Ｃは、推奨移動経路を構成する特定経路に対応する立ち寄り経路を走行していると判定し、経路探索部１１により、車両が走行中の立ち寄り経路を含む推奨移動経路を探索してこれまでの推奨移動経路を変更し（ステップＳ３０７）、経路誘導を継続してステップＳ３０４の処理に移行する。
【０１５４】
一方、車両が特定経路上を走行していないと判定した場合（ステップＳ３０６のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内を終了して（ステップＳ３０９）、経路誘導を再開する。なお、このとき制御部Ｃは、経路探索部１１により、現在位置情報を出発地として特定経路情報を使用しない通常の経路探索処理を行い、立ち寄り情報案内処理を終了する構成としてもよい。また、制御部Ｃは、経路探索部１１により、車両の現在位置を出発地に、立ち寄り地点情報における案内開始位置を目的地にして経路探索処理を実行する構成としてもよい。
【０１５５】
また、立ち寄り地点案内処理におけるステップＳ３０４にて、車両が案内内容変更地点に接近していないと判定すると（ステップＳ３０４のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点接近判定部１７により、現在位置情報に基づいて車両が特定経路内の立ち寄り地点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定することにより到着判定を行う（ステップＳ３０８）。
【０１５６】
ここで、車両が特定経路内の立ち寄り地点に対して所定の距離以内に接近するまでは（ステップＳ３０８のＮ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内処理を継続する（すなわち、ステップＳ３０３の処理に移行する）。
【０１５７】
一方、車両の現在位置が特定経路に対応する立ち寄り地点に対して所定の距離以内に接近したことにより車両が立ち寄り地点に到着したものと判定すると（ステップＳ３０８のＹ）、制御部Ｃは、立ち寄り地点案内処理を終了する（ステップＳ３０９）。
【０１５８】
以上のように第５の実施の形態においては、所定の立ち寄り地点（例えば、駐車場Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ）の位置を示す立ち寄り地点情報を前記特定経路情報と対応付けて記憶する立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４を備え、移動体（例えば、車両）の現在位置情報を受け付け、受け付けた現在位置情報に基づいて移動体が特定経路路上を移動しているか判定し、移動体が特定経路上（例えば、特定経路Ｒ１０１上）を走行していると判定されたことに応じて、該特定経路に対応付けされた立ち寄り地点に関する情報（例えば、特定経路上の立ち寄り地点である駐車場Ａや、立ち寄り経路上の立ち寄り地点である駐車場Ｂ，Ｃ，Ｄの位置）を立ち寄り地点情報と現在位置情報とに基づいて（例えば、案内開始ノードや案内内容変更ノードと現在位置とに基づいて）ユーザに案内する構成としているので、立ち寄り地点（観光施設や土産店など）を経由地として設定することや周辺検索などで立ち寄り地点を検索し設定する必要がなく、予め立ち寄り地点の選択肢が複数考えられる場合や立ち寄り地点が密集しているような場合（例えば、立ち寄り地点として駐車場を用いる場合であり、１つの特定経路に複数の駐車場が対応付けされている場合）であっても、ユーザに対して適切な経路案内を提供することができるようになる。これは、駐車場の混雑状況などを提供するサービスが一部の観光施設でしか行われていない現状と比較して、有用であるといえる。
【０１５９】
なお、上述した第５の実施の形態では、移動体（例えば、車両）が特定経路を走行中の場合に、走行中の特定経路に対応する立ち寄り地点情報と現在位置情報とに基づいて立ち寄り地点に関する情報をユーザに案内する場合について説明したが、立ち寄り地点の案内方法はこれに限定されず、例えば、車両が特定経路、立ち寄り地点、または立ち寄り経路に対して所定の距離以内に接近した場合などに、立ち寄り地点の案内を開始する構成としてもよい。
【０１６０】
なお、上述した第５の実施の形態では、ナビゲーション装置１０が、立ち寄り地点情報記憶部Ｆ４に記憶された立ち寄り地点情報を用いた経路案内を行う場合について説明したが、例えば、立ち寄り地点情報に基づいて推奨移動経路情報を変更して、立ち寄り地点情報が示す位置まで車両を誘導する処理を行う構成としてもよい。
【０１６１】
また、ナビゲーション装置１０が、車両の現在位置と各立ち寄り地点との距離を比較して、案内する立ち寄り地点を絞り込む構成としてもよい。さらに、例えば立ち寄り地点として駐車場を案内する場合に、ユーザが到着した駐車場が満車となっていた場合に代わりの駐車場を案内するための情報を立ち寄り地点情報に付加しておく構成としてもよい。また、ナビゲーション装置１０が、各立ち寄り地点からもとの推奨移動経路上に移動するのに推奨される経路を探索する構成としてもよい。
【０１６２】
また、上述した実施の形態では、特定経路を主幹経路と立ち寄り経路とに分けて説明したが、特定経路が分岐する場合であっても、立ち寄り経路を有さない構成としてもよい。この場合、例えばナビゲーション装置１０が、分岐する特定経路を、目的地へ向かう方向を示した状態で推奨移動経路として表示する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【０１６３】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、電子地図の表示が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【０１６４】
Ｃ 制御部
Ｆ１ 推奨移動経路情報記憶部
Ｆ２ 特定経路情報記憶部
Ｆ３ 道路地図情報記憶部
Ｆ４ 立ち寄り地点情報記憶部
１０ ナビゲーション装置
１１ 経路探索部
１１Ａ 始点ノ―ド検索部
１１Ｂ 終点ノード判定部
１１Ｃ 特定経路採用部
１１Ｄ マーク付加部
１１Ｅ 最小コスト経路探索部
１１Ｆ リンク除外部
１１Ｇ 推奨移動経路特定部
１２ 自車位置情報受付部
１３ 検索対象道路情報決定部
１４ 方位情報受付部
１５ 経路誘導部
１６ 仮目的地設定部
１７ 立ち寄り地点接近判定部
２０ 自車位置測位装置
３０ 出力装置
３１ 画像表示装置
３２ 音声出力装置
４０ 入力装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置であって、
観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段と、
道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストと、前記特定経路情報とが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
該道路情報記憶手段が記憶する道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定手段と、
該探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索手段と、
該推奨移動経路探索手段により探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定手段とを含み、
該推奨移動経路探索手段は、
前記探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索手段と、
該始点ノード検索手段により検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定手段と、
該終点ノード判定手段により前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用手段とを有する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項２】
前記推奨移動経路探索手段は、
前記探索対象ノード群のうち、前記終点ノード判定手段により検索対象ノード群に含まれていると判定された終点ノードに特定マークを付加し、該終点ノードに対応する始点ノードから該始点ノードと終点ノードとに対応する特定経路を使用する方向以外のノードに判定マークを付加するマーク付加手段と、
前記道路情報に基づいて、移動体の出発地に対応するノードから前記探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら前記目的地に対応するノードまで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索する最小コスト経路探索手段と、
該最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索過程において、前記判定マークが付加されたノードと前記特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外するリンク除外手段とを有し、
前記最小コスト経路探索手段により探索された最小コスト経路を示すリンク群を前記推奨移動経路候補とする
請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項３】
前記推奨移動経路探索手段は、
前記最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索開始前に、前記始点ノード検索手段による始点ノードの検索と前記終点ノード判定手段による終点ノードの判定とを実行して前記探索対象ノード群に含まれる特定経路を特定し、
前記最小コスト経路探索手段は、前記出発地に対応するノードから当該特定経路の始点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、前記目的地に対応するノードから当該特定経路の終点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路とを探索し、
当該出発地側最小コスト経路、特定経路、および目的地側最小コスト経路を構成するリンク群を前記推奨移動経路候補とする
請求項２記載のナビゲーション装置。
【請求項４】
前記探索対象決定手段は、前記始点ノード検索手段により検索された始点ノードの座標に基づいて前記推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより前記探索対象ノード群を更新する探索対象更新手段を有し、
前記終点ノード判定手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群を用いて前記判定を行う
請求項１から請求項３のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項５】
前記特定経路採用手段により前記推奨移動経路候補の一部として採用された特定経路が複数ある場合に、該複数の特定経路のうち推奨移動経路の一部として採用する特定経路の選択を受け付ける特定経路選択受付手段と、
該特定経路選択受付手段により複数の特定経路の選択を受け付けた場合に、該複数の特定経路それぞれの始点ノード、終点ノード、前記出発地、および前記目的地の位置関係に基づいて前記移動体が当該複数の特定経路を通過すべき順序を示す通過予定順序を決定する通過予定順序決定手段とを含み、
前記探索対象更新手段は、前記通過予定順序決定手段により決定された通過予定順序に基づいて各特定経路間に存在するノードを前記探索対象ノード群とするように探索対象ノード群を更新し、
前記最小コスト経路探索手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群に基づいて前記出発地から前記通過予定順序に従って前記目的地に到達する場合の最小コスト経路を探索する
請求項４記載のナビゲーション装置。
【請求項６】
前記移動体の進行方向情報を受け付ける進行方向受付手段を含み、
前記探索対象決定手段は、前記目的地が設定されていない場合に、前記進行方向受付手段が受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地を設定する仮目的地設定手段を有し、該仮目的地設定手段により設定された仮目的地に基づいて前記探索対象ノード群を決定する
請求項１から請求項５のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項７】
所定の立ち寄り地点の位置を示す立ち寄り地点情報を前記特定経路情報と対応付けて記憶する立ち寄り地点情報記憶手段と、
前記移動体の現在位置情報を受け付ける現在位置情報受付手段と、
該現在位置情報受付手段が受け付けた現在位置情報に基づいて前記移動体が前記特定経路路上を移動しているか判定する走行判定手段と、
該走行判定手段により前記移動体が前記特定経路上を走行していると判定されたことに応じて、該特定経路に対応付けされた立ち寄り地点に関する情報を前記立ち寄り地点情報と前記現在位置情報とに基づいてユーザに案内する立ち寄り地点案内手段とを含む
請求項１から請求項６のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項８】
移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段に記憶された特定経路情報と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストとが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段に記憶された道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定処理と、
該探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索処理と、
該推奨移動経路探索処理にて探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定処理とを実行させ、
該推奨移動経路探索処理にて、
前記探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索処理と、
該始点ノード検索処理にて検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定処理と、
該終点ノード判定処理にて前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。
【請求項１】
移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置であって、
観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段と、
道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストと、前記特定経路情報とが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
該道路情報記憶手段が記憶する道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定手段と、
該探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索手段と、
該推奨移動経路探索手段により探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定手段とを含み、
該推奨移動経路探索手段は、
前記探索対象決定手段により決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索手段と、
該始点ノード検索手段により検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定手段と、
該終点ノード判定手段により前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用手段とを有する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項２】
前記推奨移動経路探索手段は、
前記探索対象ノード群のうち、前記終点ノード判定手段により検索対象ノード群に含まれていると判定された終点ノードに特定マークを付加し、該終点ノードに対応する始点ノードから該始点ノードと終点ノードとに対応する特定経路を使用する方向以外のノードに判定マークを付加するマーク付加手段と、
前記道路情報に基づいて、移動体の出発地に対応するノードから前記探索対象ノード群それぞれまで移動する場合に移動コストの総和が最小となるリンク群を特定しながら前記目的地に対応するノードまで移動する場合の移動コストの総和が最小となるリンク群である最小コスト経路を探索する最小コスト経路探索手段と、
該最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索過程において、前記判定マークが付加されたノードと前記特定マークが付加されたノードとを結ぶリンクを最小コスト経路の探索対象から除外するリンク除外手段とを有し、
前記最小コスト経路探索手段により探索された最小コスト経路を示すリンク群を前記推奨移動経路候補とする
請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項３】
前記推奨移動経路探索手段は、
前記最小コスト経路探索手段による最小コスト経路の探索開始前に、前記始点ノード検索手段による始点ノードの検索と前記終点ノード判定手段による終点ノードの判定とを実行して前記探索対象ノード群に含まれる特定経路を特定し、
前記最小コスト経路探索手段は、前記出発地に対応するノードから当該特定経路の始点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である出発地側最小コスト経路と、前記目的地に対応するノードから当該特定経路の終点ノードまでの移動コストの総和が最小となる経路である目的地側最小コスト経路とを探索し、
当該出発地側最小コスト経路、特定経路、および目的地側最小コスト経路を構成するリンク群を前記推奨移動経路候補とする
請求項２記載のナビゲーション装置。
【請求項４】
前記探索対象決定手段は、前記始点ノード検索手段により検索された始点ノードの座標に基づいて前記推奨移動経路の探索に用いるノードを追加することにより前記探索対象ノード群を更新する探索対象更新手段を有し、
前記終点ノード判定手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群を用いて前記判定を行う
請求項１から請求項３のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項５】
前記特定経路採用手段により前記推奨移動経路候補の一部として採用された特定経路が複数ある場合に、該複数の特定経路のうち推奨移動経路の一部として採用する特定経路の選択を受け付ける特定経路選択受付手段と、
該特定経路選択受付手段により複数の特定経路の選択を受け付けた場合に、該複数の特定経路それぞれの始点ノード、終点ノード、前記出発地、および前記目的地の位置関係に基づいて前記移動体が当該複数の特定経路を通過すべき順序を示す通過予定順序を決定する通過予定順序決定手段とを含み、
前記探索対象更新手段は、前記通過予定順序決定手段により決定された通過予定順序に基づいて各特定経路間に存在するノードを前記探索対象ノード群とするように探索対象ノード群を更新し、
前記最小コスト経路探索手段は、前記探索対象更新手段により更新された探索対象ノード群に基づいて前記出発地から前記通過予定順序に従って前記目的地に到達する場合の最小コスト経路を探索する
請求項４記載のナビゲーション装置。
【請求項６】
前記移動体の進行方向情報を受け付ける進行方向受付手段を含み、
前記探索対象決定手段は、前記目的地が設定されていない場合に、前記進行方向受付手段が受け付けた進行方向情報に基づく仮の目的地を設定する仮目的地設定手段を有し、該仮目的地設定手段により設定された仮目的地に基づいて前記探索対象ノード群を決定する
請求項１から請求項５のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項７】
所定の立ち寄り地点の位置を示す立ち寄り地点情報を前記特定経路情報と対応付けて記憶する立ち寄り地点情報記憶手段と、
前記移動体の現在位置情報を受け付ける現在位置情報受付手段と、
該現在位置情報受付手段が受け付けた現在位置情報に基づいて前記移動体が前記特定経路路上を移動しているか判定する走行判定手段と、
該走行判定手段により前記移動体が前記特定経路上を走行していると判定されたことに応じて、該特定経路に対応付けされた立ち寄り地点に関する情報を前記立ち寄り地点情報と前記現在位置情報とに基づいてユーザに案内する立ち寄り地点案内手段とを含む
請求項１から請求項６のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項８】
移動体の目的地までの推奨移動経路を探索するナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
観光道路、抜け道、迂回路のうち少なくとも１つに適した経路として予め特定された経路である特定経路の始点を示す始点ノードと該特定経路の終点を示す終点ノードとを含むノード群と、該ノード群を連結するリンク群と、該リンク群の移動コストとが対応付けされた特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段に記憶された特定経路情報と、道路の交差点や道路の構造変化位置などを示す複数のノードと、該ノード間を結ぶ道路など前記移動体が移動可能な経路を示す複数のリンクと、該複数のリンクそれぞれの移動コストとが対応付けされた情報である道路情報を記憶する道路情報記憶手段に記憶された道路情報が示す前記複数のノードのうち、前記目的地までの推奨移動経路の探索に用いるノード群である探索対象ノード群を決定する探索対象決定処理と、
該探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群に基づいて所定の条件を満たす経路を前記推奨移動経路の候補である推奨移動経路候補として探索する推奨移動経路探索処理と、
該推奨移動経路探索処理にて探索された少なくとも１つ以上の推奨移動経路候補の中から特定の条件に基づいて前記推奨移動経路を特定する推奨移動経路特定処理とを実行させ、
該推奨移動経路探索処理にて、
前記探索対象決定処理にて決定された探索対象ノード群の中に含まれる始点ノードを検索する始点ノード検索処理と、
該始点ノード検索処理にて検索された始点ノードに対応する終点ノードが前記探索対象ノード群に含まれるか否かを判定する終点ノード判定処理と、
該終点ノード判定処理にて前記探索対象ノード群に含まれると判定された終点ノードと該終点ノードに対応する始点ノードとを含む特定経路を前記推奨移動経路候補の一部として採用する特定経路採用処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
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【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
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【公開番号】特開２０１２−９３１８０（Ｐ２０１２−９３１８０Ａ）
【公開日】平成２４年５月１７日（２０１２．５．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２３９８４１（Ｐ２０１０−２３９８４１）
【出願日】平成２２年１０月２６日（２０１０．１０．２６）
【出願人】（５０７０５２４３０）キャンバスマップル株式会社 (77)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年５月１７日（２０１２．５．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１０月２６日（２０１０．１０．２６）
【出願人】（５０７０５２４３０）キャンバスマップル株式会社 (77)
【Ｆターム（参考）】
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