説明

ナビゲーション装置、およびナビゲーションプログラム

【課題】特定経路が複数存在する場合に、特定経路に多数の属性を設定することなく特定経路を案内する。
【解決手段】表示装置の表示画面上における地図上に移動体の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、特定の経路(例えば、ドライブコース)を示す特定経路情報(例えば、ドライブコース情報)を記憶する特定経路情報記憶手段(例えば、ドライブコース情報記憶部F4)と、特定経路情報に対する評価を示す評価情報(例えば、コメント情報)を記憶する評価情報記憶手段(例えば、コメント情報記憶部F5)とを備え、所定のタイミングで移動体の現在位置を検出し、検出された現在位置から所定範囲内に存在する特定経路に対する評価を示す評価情報を検索し、検索された評価情報が示す特定経路情報の中から表示画面に表示する特定経路情報を選択し、選択された特定経路情報を表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索範囲に存在するドライブコース等を案内するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザによる検索条件の入力を受け付けて、複数の特定経路(予め記憶された経路。以下、適宜「ドライブコース」という。)の中からユーザの目的に合ったドライブコースを案内する機能を有したナビゲーション装置が多数提案されている。このようなナビゲーション装置では、ドライブコースの情報を階層的なデータとして記憶することで段階的にドライブコースを選択することができるようにしたものも提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3303883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のナビゲーション装置では、ドライブコースの検索のためには、ドライブコースに属性(例えば、ドライブコースが存在する地域や、ドライブコースの道路種別などを意味する。)を設定する必要があった。また、高速かつ安定した品質の検索結果を得るためには、ドライブコースの探索にパーソナライズやユーザの周辺環境などを考慮した探索を行うことが考えられる。この場合、例えばドライブコースを示す属性を多数設けることで対応できるが、より細かい対応をできるようにするほど必要となる属性の数が増え、情報提供者側が受ける作業負担が膨大になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した問題を解決すべく、特定経路が複数存在する場合に、特定経路に多数の属性を設定することなく特定経路を案内することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面上における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、特定の経路を示す特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段と、前記特定経路情報に対する評価を示す評価情報を記憶する評価情報記憶手段と、所定のタイミングで前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出された現在位置から所定範囲内に存在する特定経路に対する評価を示す評価情報を検索する評価情報検索手段と、該評価情報検索手段により検索された評価情報が示す特定経路情報の中から前記表示画面に表示する特定経路情報を選択する特定経路情報選択手段と、該特定経路情報選択手段により選択された特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報表示手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
上記の構成としたことで、特定経路情報が複数存在する場合に、特定経路情報に多数の属性を設定することなく特定経路情報を案内することができるようになる。
【0008】
前記評価情報検索手段により検索された評価情報から所定の文字列情報を抽出する文字列情報抽出手段と、該文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報を前記表示画面に表示する文字列情報表示手段と、該文字列情報表示手段により前記表示画面に表示された文字列情報の選択を受け付ける文字列情報選択受付手段とを含み、前記特定経路情報選択手段は、前記文字列情報選択受付手段により選択を受け付けた文字列情報から前記評価情報を特定し、特定された前記評価情報が示す前記特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報として選択する構成としてもよい。
【0009】
複数のユーザによる前記特定経路情報の評価を受け付ける評価情報受付手段と、前記評価情報受付手段によりユーザの評価を受け付けたことに応じて、前記評価情報記憶手段に記憶された評価情報を更新する評価情報更新手段とを含む構成としてもよい。
【0010】
前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報の表示優先度を決定する表示優先度設定手段を含み、前記文字列情報表示手段は、前記表示優先度決定手段により決定された表示優先度に応じて前記文字列情報を前記表示画面に表示し、前記文字列情報選択受付手段により前記表示画面に表示された文字列情報の選択を受け付けたとき、該選択を受け付けた文字列情報を含む前記評価情報から抽出された他の文字列情報を表示する構成としてもよい。
【0011】
予め複数の文字列情報と当該文字列情報のお勧め度を示す評価指数とが対応付けされたお勧め度情報を記憶するお勧め度情報記憶手段と、該お勧め度情報記憶手段に記憶されたお勧め度情報を参照し、前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報に応じて前記特定経路情報のお勧め度を決定するお勧め度決定手段とを含み、前記特定経路情報選択手段は、前記お勧め度決定手段により決定されたお勧め度に応じて前記表示画面に表示する特定経路情報を選択する構成としてもよい。
【0012】
前記移動体の目的地を設定する目的地設定手段と、前記位置検出手段により検出された現在位置から前記目的地設定手段により設定された目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路導出手段と、前記移動体が、前記推奨移動経路導出手段により導出された推奨移動経路上を移動するように誘導する誘導手段と、該誘導手段による誘導中、前記お勧め度情報記憶手段に記憶されたお勧め度情報を変更するお勧め度情報変更手段とを含む構成としてもよい。
【0013】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面上における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段に記憶された当該地図情報を参照して所定のタイミングで前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、特定の経路を示す特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段に記憶された当該特定経路情報と、該特定経路情報に対する評価を示す評価情報を記憶する評価情報記憶手段に記憶された当該評価情報とを参照して、前記位置検出処理にて検出された現在位置から所定範囲内に存在する特定経路に対する評価を示す評価情報を検索する評価情報検索処理と、該評価情報検索処理にて検索された評価情報が示す特定経路情報の中から前記表示画面に表示する特定経路情報を選択する特定経路情報選択処理と、該特定経路情報選択処理により選択された特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報表示処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、特定経路が複数存在する場合に、特定経路に多数の属性を設定することなく特定経路を案内することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置を用いたナビゲーションシステムの一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るナビゲーション装置が備えるドライブコース情報記憶部におけるドライブコース情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係るナビゲーション装置が備えるコメント情報記憶部におけるコメント情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るナビゲーション装置が備える分類情報管理テーブルに格納された分類情報の例を示す説明図である。
【図6】本例における車種情報管理テーブルの例を示す説明図である。
【図7】本発明に係るナビゲーション装置が備えるお勧め度情報管理テーブルに格納されたお勧め度情報の例を示す説明図である。
【図8】本例におけるコメント属性のお勧めテーブルの例を示す説明図である。
【図9】本例における推奨移動経路導出処理の例を示すフローチャートである。
【図10】本例における目的地設定画面の例を示す説明図である。
【図11】本例におけるキーワード表示画面の例を示す説明図である。
【図12】本例におけるドライブコース情報表示画面の例を示す説明図である。
【図13】本例における経路誘導時の表示画面の例を示す説明図である。
【図14】本例におけるお勧め度決定処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るナビゲーション装置10を用いたナビゲーションシステム100の一例を示す概略図である。図1に示すように、本例のナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置10と、出力装置30と、入力装置40と、自車位置測位装置50とを含む。
【0018】
自車位置測位装置50は、移動体(以下、「車両」を例に説明する。この「移動体」は、ナビゲーション装置10自体や、このナビゲーション装置10とともに移動する車両や人間などの物体を含む概念である。)の現在位置を測定する装置であり、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサなどからなる。
【0019】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0020】
また、自車位置測位装置50は、車両に搭載されており、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコードなどの処理を行い、ナビゲーション装置10へ出力する信号処理部を備える。
【0021】
出力装置30は、ナビゲーション装置10からの経路誘導情報などを出力する装置であり、例えば画像情報を表示する表示画面を備えた画像表示装置(ディスプレイ装置、モニタ)31と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)32とを含む。画像表示装置31は、地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの最適な誘導経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって移動経路の道順を報知する。また、音声出力装置32は、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。
【0022】
入力装置40は、ナビゲーション装置10に対して各種の指示を行うための装置である。本例では、入力装置40は、例えば出力装置30の表示画面上に表示される操作ボタンによって構成される。
【0023】
ナビゲーション装置10は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置10は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、経路探索処理や経路誘導処理、情報検索処理を含む各種の処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【0024】
図2は、本例におけるナビゲーション装置10の構成例を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、図2に示すように、記憶部Fと、経路探索部11と、自車位置情報受付部12と、方位情報受付部13と、検索対象情報決定部14と、コメント情報収集部15と、コメント情報解析部16と、キーワード分類部17と、お勧め度決定部18と、ドライブコース情報案内部19と、ドライブコース情報検索部20と、制御部Cとを含む。なお、ナビゲーション装置10を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスBに接続されている。
【0025】
経路探索部11は、出発位置(例えば、現在位置)から目的地までの推奨移動経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、この目的地の位置情報と自車位置測位装置50にて測定した現在位置情報に基づき、道路情報を参照して現在位置から目的地までの推奨移動経路を導出すると共に、この推奨移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0026】
自車位置情報受付部12は、車両の現在位置情報を受け付けるための処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。本例においては、自車位置測位装置50により測定された現在位置情報を受け付けるものとする。
【0027】
方位情報受付部13は、自車位置測位装置50から、車両の進行方向を特定する方位情報を受け付ける。
【0028】
検索対象情報決定部14は、後述する推奨移動経路導出処理においてコメント情報の収集処理を行うときに、コメント情報が付加されているドライブコースの検索範囲(検索対象情報)を決定する機能を有する。ドライブコースの検索範囲を限定することで、検索処理に必要な処理負荷を軽減することができる。本例において、検索対象情報決定部14は、推奨移動経路記憶部F1に記憶された推奨移動経路情報が示す推奨移動経路周辺に存在するドライブコースを示すドライブコース情報を検索範囲とする。なお、検索対象情報の決定方法はこれに限定されず、例えば、道路情報(ノードとリンク)からドライブコース情報における経路構成ノードや経路構成リンクを検索することによりドライブコースを特定可能であるため、検索対象情報決定部14は、現在位置と目的地とを示すそれぞれの緯度と経度の間に存在する道路情報や、現在位置や推奨移動経路上から所定の範囲の道路情報から特定されるドライブコース情報を検索範囲とする構成としてもよい。
【0029】
コメント情報収集部15は、検索対象情報決定部14により決定された検索範囲(検索対象情報)からコメント情報を収集する機能を有する。本例においては、コメント情報収集部15は、検索範囲の位置情報などに基づいてドライブコースを検索し、検索されたドライブコースを示すドライブコースIDが対応付けされたコメント情報を収集する。また、文字列の入力を受け付けて、コメント情報記憶部F5に格納されたコメント情報を参照し、受け付けた文字列を含むコメント情報を検索して収集する一般的な文字列検索機能も有することとする。なお、コメント情報収集部15は、インターネットなどの通信ネットワークを介してコメント情報を検索・収集する機能も有する。
【0030】
コメント情報解析部16は、コメント情報収集部15により収集されたコメント情報を解析する機能を含む種々の情報解析機能を有する。本例においては、コメント情報の解析として、コメント情報から重要単語(キーワード)を抽出する特徴情報抽出処理を行う。なお、特徴情報抽出処理については、例えば公知の技術である形態素解析とTFIDF(term frequency and inverse document
frequency)を用いた一般的なキーワードの抽出方法を用いる。コメント情報として記憶されている文字列について形態素解析を行うことで文字列に用いられている単語を抽出し、TFIDF法を用いて重要単語を決定する。
【0031】
なお、TFIDFを計算するためには、キーワードの抽出対象となる文字列におけるキーワード候補の出現数(単語の出現頻度TF)と、総ドキュメント数(D)と、代表キーワード候補が含まれるドキュメント数(DF)が必要となる。本例においては、キーワードの抽出対象となる文書は各コメント情報であり、各POI情報に記憶される文字列から単語の出頻度TFを求める。また、ドキュメント数Dはコメント情報記憶部F5に記憶されたコメント情報の総数を用いることとする。なお、1つのコメント情報に対して複数のキーワードを抽出する構成としてもよい。本例においては、一定の基準よりも高い重要度が算出された用語をキーワードとして記憶するものとする。
【0032】
キーワード分類部17は、コメント情報解析部16により抽出されたキーワードを所定のカテゴリに分類する機能を有する。
【0033】
お勧め度決定部18は、お勧め度情報記憶部F6を参照して、キーワード分類部17によるキーワードの分類に基づいてキーワードのお勧め度を決定するお勧め度決定処理を実行する機能を有する。ここで、「お勧め度」とは、キーワードからドライブコースの推奨度を推測するために各キーワードに対して設定されているものである。お勧め度決定処理については後で詳しく説明する。
【0034】
ドライブコース情報案内部19は、画像表示装置31の表示画面上に、車両の現在位置や、経路探索部11により導出された推奨移動経路、表示画面に表示された地図上に存在する施設などを示すPOI(Point Of Interest)情報などを、強調表示やアイコン表示などにより他の地図情報と識別可能となるように表示するための処理を行う。また、本例におけるドライブコース情報案内部19は、ドライブコース情報記憶部F4を参照して、車両がドライブコース情報の示す道路(本例においては経路構成ノードと経路構成リンクにより示す。)に対して所定の範囲内に接近したことに応じて、所定の期間(例えば、ドライブコース案内情報表示してから数秒間。)表示画面にドライブコース情報を表示する機能や、案内したドライブコース情報の履歴を案内履歴情報記憶部F7に記憶する機能を有する。
【0035】
また、ドライブコース情報案内部19は、ユーザによる案内履歴情報表示要求を受けつけたことに応じて案内履歴情報記憶部F7を参照し、所定の表示条件(例えば、1時間以内に案内したドライブコース情報。)にしたがってドライブコース情報を表示する機能など、ユーザに対してドライブコース情報を案内するための各種の機能を有する。
【0036】
ドライブコース情報検索部20は、入力装置40を介してユーザによる検索条件の入力を受け付けて、ドライブコースを検索する機能を有する。ここで、本例におけるドライブコース情報検索部20は、ドライブコース情報として予め記憶されたドライブコースの属性からドライブコースを特定する一般的な検索を実行する機能だけでなく、各ドライブコースに対するコメント情報を検索することで検索条件に応じたドライブコースを特定する機能を有する。
【0037】
本例においては、ドライブコース情報検索部20は、コメント解析部16によりコメント情報から抽出されたキーワードの中からユーザによって選択されたキーワードをもつコメント情報を特定することで、ドライブコースを特定する。
【0038】
制御部Cは、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを具備し、記憶部Fに記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーションプログラム)に従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、経路探索処理や経路誘導処理、情報検索処理を含む各種の処理を実行する機能を有する。
【0039】
記憶部Fは、ROMやRAM等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。本例における記憶部Fは、誘導経路情報記憶部F1と、地図情報記憶部F2と、POI情報記憶部F3と、ドライブコース情報記憶部F4と、コメント情報記憶部F5と、お勧め度情報記憶部F6と、案内履歴情報記憶部F7と、嗜好情報記憶部F8とを含む。
【0040】
なお、図示しないが、本例におけるナビゲーション装置10は通信機能を備えており、記憶部Fに記憶される各種の情報は時期などに応じて更新可能であるものとする。
【0041】
誘導経路情報記憶部F1は、経路探索部11が導出した推奨移動経路を記憶する記憶媒体である。
【0042】
地図情報記憶部F2は、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(メッシュ)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。地図情報は、地図情報記憶部F2に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、地図情報記憶部F2は、道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各道路に関して道路構成ノード情報と道路構成リンク情報とを位置情報と対応付けて記憶する。
【0043】
POI情報記憶部F3は、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル、旅館といった店舗情報、有名な施設を示す施設情報、行楽地を示す行楽地情報といった案内対象物(店舗、施設、行楽地など)を示すPOI情報を記憶する記憶媒体である。図示しないが、本例におけるPOI情報は、施設などの案内対象物を一意に特定するためのPOI−IDと、施設などの案内対象物の名称と、住所と、緯度・経度と、電話番号と、ランキングと、お勧め時期(時刻)と、紹介記事などが対応付けされた情報である。
【0044】
ドライブコース情報記憶部F4は、複数のドライブコースに関する情報を記憶する記憶媒体である。図3は、ドライブコース情報記憶部F4におけるドライブコース情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、ドライブコース情報は、ドライブコースを一意に識別するためのドライブコースIDと、経路種別と、エリアIDと、コメント数と、経路構成ノードと、経路構成リンクと、ドライブコース全体の距離と、ドライブコースを移動するのに必要な時間の目安を示す旅行時間と、ドライブコースの特徴を示すキーワードとを含む情報である。なお、図示しないが、ドライブコース情報は、ドライブコースを移動するのに必要な料金を示す道路料金や、ドライブコースの周辺に存在しドライブコースとともに案内するためのPOI情報への索引(POI-ID)などを含む構成としてもよい。
【0045】
コメント情報記憶部F5は、ドライブコースに対する情報を記憶する記憶媒体である。図4は、コメント情報記憶部F5におけるコメント情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、コメント情報は、コメント対象であるドライブコースを示すドライブコースIDと、コメント文字列とが対応付けされた情報である。
【0046】
なお、本例におけるコメント情報は、ドライブコースを紹介する紹介記事を含むこととする。よって、詳細な紹介記事を記憶させておくことにより、コメント情報から、ドライブコースの名称、区間、道路形状、車線数、路面状態、勾配、交通量、交通規制、渋滞情報、通過時間、通過料金、「抜け道」などの経路種別といった情報を示すキーワードを抽出することができる。また、ドライブコースに関係する施設名称、施設詳細情報、景観、自然地形、植物(草花)、食材、観光地エリア名、観光情報、通過に適した(または不適切な)季節や天候、あるいはドライブコースを形容する形容詞などを示す情報をキーワードとして抽出することができる。
【0047】
また、本例においては、コメント情報は複数のユーザによる入力を受け付けることが可能であり、1つのドライブコースに対して複数のコメント情報を記憶することができるものとする。なお、1つのドライブコースに対して複数のコメント情報が記憶されている場合には、全てのコメント情報からキーワードを抽出する構成としてもよいし、各コメント情報から文字列情報を抽出し、抽出したワードの中からキーワードを抽出する構成としてもよい。また、コメントに対する評価を受け付けて、評価の高いコメントをキーワードの抽出対象としても良い。
【0048】
なお、コメント情報記憶部F5は、インターネットなどの通信ネットワークを介して外部からコメント情報を収集して記憶するものであってもよい。
【0049】
お勧め度情報記憶部F6は、コメント情報から抽出されたキーワードのお勧め度を決定するために必要な各種のデータを記憶するための記憶媒体である。本例では、お勧め度情報記憶部F6は、分類情報管理テーブルF61と、お勧め度情報管理テーブルF62とを含む。
【0050】
図5は、分類情報管理テーブルF61に格納された分類情報の例を示す説明図である。ここで、分類情報とは、キーワード分類部17が、コメント情報解析部16により抽出されたキーワードを所定のカテゴリに分類するための情報であり、本例においては図5に示すように、分類項目と、種別IDと、ワード(文字列情報)と、複数の換言ワードと、期間情報とを含む。本例においては、分類項目として、道路(路線)状況、区間、方向、期間(季節)、天候、交通規制、景観、形容詞(おすすめ)、植物、経路(迂回路など)、可不可などが設定されていることとする。なお、「区間」や「期間」を抽出するためには、例えば「から(〜)」や「より」など、区切りを表すワードを用いて抽出するようにすればよい。また、「方向」を抽出するためには、「○○方面」や「××方向」、あるいは「上り」や「下り」など方向を表すワードを用いて抽出するようにすればよい。
【0051】
ここで、本例においては、どのワードをどの分類に含めるかをユーザが設定可能であることとする。また、分類情報管理テーブルF61では、同じ(似た)意味を示すワードを換言ワードとして登録可能であることとする。また、期間などを表すワードについては、期間情報への置き換え設定が可能であることとする。
【0052】
また、分類情報管理テーブルF61は、車種が異なると同じキーワードでもお勧め度が異なることがあることを考慮して、車種毎に用意してもよい。この場合、例えば図6に示すように、車種を示す情報と複数の分類情報管理テーブルF61から1つの分類情報管理テーブルF61を特定するための分類情報管理テーブルIDとを含む車種情報管理テーブルを用いる構成とすればよい。
【0053】
図7は、お勧め度情報管理テーブルF62に格納されたお勧め度情報の例を示す説明図である。ここで、お勧め度情報とは、文字列ごとにその推奨度を対応付けた情報であり、本例においては分類毎にお勧め度情報管理テーブルF62が記憶されていることとする。すなわち、例えば図7は、お勧め度情報管理テーブルF62のうち、分類項目「天候」に対するお勧め度情報を管理するテーブルである。図7に示すように、お勧め度情報は、ワードと、評価値と、危険度とを含む。ここで、評価値とはキーワードのお勧め度を上げる値であり、逆に危険度はお勧め度を下げる値である。
【0054】
また、本例においては、キーワードとは別に、コメント情報の属性から評価値と危険度を決定する。図8は、コメント属性のお勧めテーブルの例を示す説明図である。ここでいう「属性」は、コメントが入力されるときに併せて任意に入力されるものであってもよいし、コメント情報の解析結果から設定される構成としてもよい。なお、コメント情報の解析結果からコメント情報に「属性」を設定する場合は、例えば、評価値が所定の基準値以上のキーワードを所定数以上含むコメント情報には属性として「おすすめ」を設定し、危険度が特定の基準値以上のキーワードを特定数以上含むコメント情報には属性として「注意」を設定するようにすればよい。なお、本例においてコメント属性に対する評価値や危険度は、コメント情報から抽出された評価値などの合計値を示すものではない。
【0055】
案内履歴情報記憶部F7は、ドライブコース情報案内部19により案内したドライブコース情報を案内履歴情報として記憶する記憶媒体である。案内履歴情報は、ドライブコース情報案内部19により案内されたドライブコース情報と、案内した時刻(例えば、分岐点通過時刻)と、案内した場所と、ユーザの評価(例えば、良い評価を示す「Y」、悪い評価を示す「N」、および評価の入力がされなかったことを示す「E」)とを含む。
【0056】
嗜好情報記憶部F8は、ユーザの嗜好を示す情報である嗜好情報を記憶する記憶媒体である。本例においては、嗜好情報は、ドライブコース情報記憶部F4に記憶されたドライブコース情報のうち、ユーザが評価を入力したドライブコース情報や、ユーザがナビゲーション装置10の検索機能を用いて検索したドライブコース情報と、ドライブコース情報に対するユーザの評価と、ドライブコース情報の特徴を示す特徴情報(キーワード)と、ユーザによるワードと分類の利用(検索)回数を含む履歴情報とを含む情報である。本例におけるユーザ評価は10〜−10まであり、数値が高いほどユーザの評価も高い(良い)ことを示す。なお、ユーザによる評価方法はこれに限定されず、例えば5段階程度でドライブコース情報を評価する構成としてもよい。
【0057】
次に、本発明のナビゲーション装置10の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0058】
図9は、ナビゲーション装置10が実行する推奨移動経路導出処理の例を示すフローチャートである。推奨移動経路導出処理では、コメント情報からお勧め度の高いドライブコースを案内して推奨移動経路導出するための処理が行われる。なお、以下ではドライブコースを含む推奨移動経路を導出する場合を例にして説明を行なうが、ユーザに対して単にドライブコースを案内する構成としてもよい。なお、ここでいう「案内」とはドライブコースやドライブコースに関連する施設などの存在をユーザに紹介することが目的であり、必ずしも車両をドライブコースに誘導する必要はない。
【0059】
本例における推奨移動経路導出処理は、ユーザによる入力装置40の操作により制御部Cが推奨移動経路導出要求を受け付けたと判定したことにより開始される。
【0060】
推奨移動経路導出処理において、先ず、制御部Cは、自車位置情報受付部12により現在位置情報を確認し、地図情報記憶部F2に記憶された地図情報を参照して車両が走行中の道路区間(ノードIDとリンクID)を特定するとともに、入力装置40を介して目的地の入力を受け付ける(ステップS101)。図10は、このとき画像表示装置31の表示画面に表示される目的地設定画面の例を示す説明図である。図10に示すように、目的地設定画面には、地図情報と、カーソルCと、目的地設定ボタン101とを含む。ユーザは、入力装置40を操作することにより表示画面に表示された地図をスクロールして、目的地にカーソルCを合わせて目的地設定ボタン101を押下することにより目的地を入力する。なお、目的地の入力方法はこれに限定されず、例えば住所や施設名称の入力など、種々の方法が考えられる。
【0061】
目的地の入力を受け付けると(ステップS101のY)、制御部Cは、特定経路を使用するか否か(特定経路使用要求)を受け付ける(ステップS102)。ここで、特定経路を使用しないと受け付けた場合(ステップS102のN)、制御部CはステップS112に遷移する。
【0062】
例えばユーザによる入力装置40の操作による特定経路使用要求を受け付けると(ステップS102のY)、特定経路を選択するためのコメント情報検索を行うために、制御部Cは、検索対象情報決定部14により検索範囲を決定してコメント情報を収集する(ステップS103)。本例においては、検索対象情報決定部14は、方位情報受付部13により車両の進行方向を特定し、現在位置と目的地を含む所定の範囲に存在するドライブコースを検索範囲として決定することとする。検索範囲を決定すると、制御部Cは、コメント情報収集部15により、位置情報やエリア情報に基づいてドライブコース情報記憶部F4に記憶されたドライブコース情報の中から該当するドライブコース情報を特定し、特定したドライブコース情報におけるドライブコースIDを検索索引としてコメント情報記憶部F5を検索する。
【0063】
コメント情報を検索して収集すると、制御部Cは、コメント情報解析部16により、コメント情報毎にキーワードを抽出する(ステップS104)。
【0064】
収集した全てのコメント情報からキーワードを抽出すると、制御部Cは、後述するお勧め度決定処理によりキーワードの表示優先度となるお勧め度を決定する(ステップS105)。
【0065】
お勧め度決定処理により、コメント情報から抽出されたキーワードのお勧め度を決定すると、制御部Cは、画像表示装置31の表示画面にキーワード表示画面を表示する処理を行う(ステップS106)。図11は、キーワード表示画面の例を示す説明図である。図11に示すように、キーワード表示画面には、キーワードを表示するキーワード表示領域201を含む各種の領域が設けられる。ここで、制御部Cは、お勧め度の高いキーワードを優先して表示することとする。なお、このとき、例えば分類項目が同じキーワードなど、関連するキーワードをまとめて表示する構成としてもよい。
【0066】
キーワード表示画面を表示すると、制御部Cは、ユーザによるキーワードの選択を受け付ける(ステップS107)。なお、このとき複数のキーワードの選択を受け付ける構成としてもよい。また、キーワード毎のお勧め度を識別可能に表示するようにしてもよい。また、季節や時間帯に適したキーワードを識別可能に表示するようにしてもよい。また、制御部Cが、お勧め度の高いキーワードを順次選択してく構成としてもよいし、嗜好情報を参照してユーザの嗜好に応じたキーワードを選択していく構成としてもよい。
【0067】
例えばユーザの指によりキーワード表示領域201に表示したキーワードが押下されたことを受け付けると、制御部Cは、選択されたキーワードが抽出されたコメント情報を参照し、選択されたキーワードよりもお勧め度の低いキーワード(以下適宜「下位キーワード」という。)を含んでいるか否かを判定する(ステップS108)。ここで、下位キーワードを含むコメント情報があると判定された場合には(ステップS108のN)、制御部Cは、表示画面に下位キーワードを表示し(ステップS111)、ステップS107に遷移する。
【0068】
一方、下位キーワードを含むコメント情報がないと判定された場合には(ステップS108のY)、制御部Cは、選択されたキーワードが抽出されたコメント情報を特定して、対応するドライブコースIDが示すドライブコース情報を示すドライブコース情報表示画面を表示し、経由ルートとして誘導経路情報記憶部F1に記憶する(ステップS109)。なお、このときドライブコースを経由ルートとするか否かの選択を受け付ける構成としてもよい。また、下位キーワードを含むコメント情報があると判定された場合であっても、その時点で特定可能なドライブコースが所定数以下の場合に、ドライブコース情報を表示する構成としてもよい。
【0069】
図12は、ドライブコース情報表示画面の例を示す説明図である。図12に示すように、ドライブコース表示画面には、選択されたキーワードを示す選択キーワード表示領域301と、コメント情報を示すコメント情報表示領域302と、ドライブコースのエリア情報を示すエリア情報表示領域303と、画像表示によりドライブコースを示す画像表示領域304とを含む各種の領域が設けられる。
【0070】
ドライブコース情報を経由ルートとして記憶すると、制御部Cは、経路探索部11による経路探索処理により現在地と目的地を結び、かつ経由ルートとして記憶したドライブコースを含む推奨移動経路を導出し(ステップS110)、推奨移動経路導出処理を終了する。
【0071】
なお、推奨移動経路導出処理により導出した推奨動経路を用いて経路誘導を行なう場合、経路探索部11は、図13に示すように、表示画面上に、車両の現在位置を示すアイコンPと、地図情報と、推奨移動経路を示す推奨移動経路表示401との他にも、経由ルートを通過することを必須条件としない場合に推奨される経路を示すサブ経路表示402を表示する構成としてもよい。
【0072】
次に、ナビゲーション装置10が実行するお勧め度決定処理について説明する。
【0073】
図14は、お勧め度決定処理の例を示すフローチャートである。お勧め度決定処理では、コメント情報から抽出されたキーワードのお勧め度を決定するための処理が実行される。
【0074】
お勧め度決定処理では、先ず、制御部Cは、コメント情報が示すドライブコース情報が利用可能であるか否かを判定する(ステップS201)。本例においては、制御部Cは、ナビゲーション装置10の機能を用いて、車両の車種や現在時刻、天候情報、移動速度などの走行に関する情報、現在位置が属するエリア情報などを取得し、抽出されたキーワードと対比することにより除外判定を行いコメント情報の利用可否を決定する。すなわち、例えば制御部Cは、異なる車種を示すキーワードや、現在時刻と異なる時刻を示すキーワード、あるいは現在の天候と異なる天候を示すキーワードなどを含むコメント情報に対して利用不可と判定するようにすればよい。ここで、利用不可と判定すると(ステップS201のN)、制御部Cは、ステップS208に遷移する。
【0075】
一方、利用可能であると判定すると、制御部Cは、キーワード分類部17により、抽出したキーワードを分類する(ステップS202)。このとき、抽出したキーワードが分類情報管理テーブルF61における換言ワードに該当する場合は、制御部Cは、基礎となるワードに置き換えて記憶することとする。なお、抽出したキーワードが分類情報管理テーブルF61に含まれていない場合は、判定除外としてもよいし、新たにお勧め度情報の入力を行なうための処理を行う構成としてもよい。
【0076】
コメント情報から抽出したキーワードを分類すると、制御部Cは、収集した全ての利用可能なコメント情報のキーワードを分類したか否かを判定する(ステップS203)。ここで、分類していないキーワードがあると判定すると(ステップS203のN)、制御部Cは、ステップS201に遷移する。
【0077】
一方、収集した全ての利用可能なコメント情報のキーワードを分類したと判定すると(ステップS203のY)、制御部Cは、キーワードの分類毎に対応するお勧め度情報管理テーブルF62を参照し、評価値と危険度とを抽出する(ステップS204)。
【0078】
評価値などを抽出すると、制御部Cは、コメント情報と対応するドライブコース情報と嗜好情報記憶部F8に記憶された嗜好情報とを対比することにより、ドライブコース情報のユーザ適合値を算出する(ステップS205)。本例においては、制御部Cは、嗜好情報におけるユーザの評価情報に応じたユーザ適合値算出する。
【0079】
ユーザ適合値を算出すると、制御部Cは、キーワードのお勧め度を決定する(ステップS206)。本例においては、キーワードのお勧め度として、キーワードの評価値とユーザ適合値との合計から危険度を引いたものをお勧め度とする。なお、危険度の高いキーワードについては、運転上の重要情報になり得るので、お勧め度とは別に報知する構成としてもよい。
【0080】
キーワードのお勧め度を決定すると、制御部Cは、収集した全ての利用可能なコメント情報のお勧め度を決定したか否かを判定する(ステップS207)。ここで、収集した全ての利用可能なお勧め度を決定したと判定した場合(ステップS207のY)、制御部Cは、推奨移動経路導出処理におけるステップS107に遷移する(図9参照)。
【0081】
なお、ドライブコース情報を案内する時期は推奨移動経路の導出時に限定されず、例えば所定の時間間隔で周囲(現在位置から所定の範囲内)のドライブコースに対するコメント情報を収集してもよい。また、移動中の車両がドライブコースに対して所定の距離以内まで接近したときに、ドライブコース情報を報知する構成としてもよい。また、このときナビゲーション装置10が車両の誘導処理を実行しているか否かを判定し、誘導処理の実行中であると判定した場合には、接近したドライブコース情報に対するコメント情報を検索し、検索したコメント情報からキーワードを抽出し、お勧め度決定処理(図14参照)によりお勧め度を決定し、決定したお勧め度の合計値が所定の基準値よりも高くなる場合にのみ、対応するドライブコース情報を報知する構成としてもよい。このような構成とすることにより、既に導出されている推奨移動経路と関連性の低いドライブコース情報を案内することを防止することができるようになる。なお、このときコメント情報の属性から決定される評価値と危険度とを、お勧め度の合計値に加算(減算)する構成としてもよい。
【0082】
なお、車両が移動中に接近したドライブコースを示すドライブコース情報を複数報知する場合に、推奨移動経路導出処理を利用して階層的にキーワードを表示していくことでドライブコースを特定する構成としてもよいし、ドライブコースを特定できる情報(例えばドライブコースの名称)とキーワードとをリスト表示する構成としてもよい。
【0083】
以上のように、上述した実施の形態においては、表示装置(例えば、画像表示装置31)の表示画面上における地図上に移動体(例えば、車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部F2と、特定の経路(例えば、ドライブコース)を示す特定経路情報(例えば、ドライブコース情報)を記憶する特定経路情報記憶手段(例えば、ドライブコース情報記憶部F4)と、特定経路情報に対する評価を示す評価情報(例えば、コメント情報)を記憶する評価情報記憶手段(例えば、コメント情報記憶部F5)とを備え、所定のタイミングで移動体の現在位置を検出し、検出された現在位置から所定範囲内に存在する特定経路に対する評価を示す評価情報を検索し、検索された評価情報が示す特定経路情報の中から表示画面に表示する特定経路情報を選択し、選択された特定経路情報を表示画面に表示する構成としているので、特定経路情報が複数存在する場合に、特定経路情報に多数の属性を設定することなく特定経路情報を案内することができるようになる。
【0084】
すなわち、特定経路情報に対する評価を利用して案内する特定経路情報を絞り込むことで、種々の検索に対応した情報を準備しなくても、ユーザが求める経路の提案を適切に行なうことができるようになる。
【0085】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、検索された評価情報から所定の文字列情報(例えば、キーワード)を抽出し、抽出された文字列情報を表示画面に表示し、表示された文字列情報の選択を受け付け、選択された文字列情報から評価情報を特定し、特定された評価情報が示す前記特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報として選択する構成としているので、ユーザに対して評価情報の内容を検討する負荷をかけずに、特定経路情報を選択させることができるようになる。
【0086】
すなわち、評価情報(コメント情報)が多量にある場合などに、従来では感想情報の内容を検討することで特定経路を探す必要があったが、本発明によれば、ユーザは、キーワードの選択を行なうだけで自己の目的に合った特定経路を探すことができるようになる。 また、情報提供者にとっては、検索のための分類や索引を作成する工数が不要となり、情報作成にかかる負担が軽減されることとなる。また、装置提供者は、情報の追加に伴う装置ソフトの改造・改良を行なう必要がなくなる。
【0087】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、複数のユーザによる特定経路情報の評価を受け付け、 ユーザの評価を受け付けたことに応じて、記憶された評価情報を更新する構成としているので、予め記憶された内容だけの検索ではなく、他のユーザの評価を反映した特定経路の検索を行うことができるので、ユーザの移動を有意義なものとすることができるようになる。
【0088】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、抽出された文字列情報(例えば、キーワード)の表示優先度(例えば、お勧め度)を決定し、決定された表示優先度に応じて文字列情報を表示画面に表示し、表示された文字列情報の選択を受け付けたとき、選択を受け付けた文字列情報を含む評価情報(例えば、コメント情報)から抽出された他の文字列情報(例えば、下位キーワード)を表示する構成としているので、段階的に案内する特定経路を限定していくことができるようになる。
【0089】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、予め複数の文字列情報とそのお勧め度を示す評価指数(例えば、評価値と危険度)とが対応付けされたお勧め度情報を記憶するお勧め度情報記憶部F6を備え、記憶されたお勧め度情報を参照し、抽出された文字列情報(例えば、キーワード)に応じて特定経路情報(例えば、ドライブコース情報)のお勧め度を決定し、決定されたお勧め度に応じて表示画面に表示する特定経路情報を選択する構成としているので、お勧め度の高いキーワードから特定経路情報を選択させることができるようになり、利便性を向上させることができるようになる。
【0090】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、移動体(例えば、車両)の目的地を設定し、検出された現在位置から設定された目的地までの推奨移動経路を導出し、移動体が、導出された推奨移動経路上を移動するように誘導し、誘導中、記憶されたお勧め度情報を変更する構成としてもよい。
【0091】
すなわち、例えば、ナビゲーション装置10に、車両の状況とナビゲーション装置10に含まれる各部の動作状況とを監視し、これらの状況に応じて特定の分類項目に対応する評価値に対してバイアスをかけるお勧め度情報変更部21を設けてもよい。すなわち、例えばナビゲーション装置10が車両の誘導処理を実行している場合には、お勧め度情報変更部21が、分類項目「経路」に対応するお勧め度情報管理テーブル(経路テーブル)の評価値を3倍にするといった構成としてもよい。このような構成にすることで、「迂回路」や「ぬけみち」など、経路誘導中に関連性の高いキーワードが表示されやすくするこができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、電子地図の表示が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0093】
F1 誘導経路情報記憶部
F2 地図情報記憶部
F3 POI情報記憶部
F4 ドライブコース情報記憶部
F5 コメント情報記憶部
F6 お勧め度情報記憶部
F7 案内履歴情報記憶部
F8 嗜好情報記憶部
10 ナビゲーション装置
11 経路探索部
12 自車位置情報受付部
13 方位情報受付部
14 検索対象情報決定部
15 コメント情報収集部
16 コメント情報解析部
17 キーワード分類部
18 お勧め度決定部
19 ドライブコース情報案内部
20 ドライブコース情報検索部
30 出力装置
31 画像表示装置
32 音声出力装置
40 入力装置
50 自車位置測位装置
100 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面上における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
特定の経路を示す特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段と、
前記特定経路情報に対する評価を示す評価情報を記憶する評価情報記憶手段と、
所定のタイミングで前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、
該位置検出手段により検出された現在位置から所定範囲内に存在する特定経路に対する評価を示す評価情報を検索する評価情報検索手段と、
前記評価情報検索手段により検索された評価情報が示す特定経路情報の中から前記表示画面に表示する特定経路情報を選択する特定経路情報選択手段と、
該特定経路情報選択手段により選択された特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報表示手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記評価情報検索手段により検索された評価情報から所定の文字列情報を抽出する文字列情報抽出手段と、
前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報を前記表示画面に表示する文字列情報表示手段と、
前記文字列情報表示手段により前記表示画面に表示された文字列情報の選択を受け付ける文字列情報選択受付手段とを含み、
前記特定経路情報選択手段は、前記文字列情報選択受付手段により選択を受け付けた文字列情報から前記評価情報を特定し、特定された前記評価情報が示す前記特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報として選択する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
複数のユーザによる前記特定経路情報の評価を受け付ける評価情報受付手段と、
前記評価情報受付手段によりユーザの評価を受け付けたことに応じて、前記評価情報記憶手段に記憶された評価情報を更新する評価情報更新手段とを含む
請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報の表示優先度を決定する表示優先度設定手段を含み、
前記文字列情報表示手段は、
前記表示優先度決定手段により決定された表示優先度に応じて前記文字列情報を前記表示画面に表示し、
前記文字列情報選択受付手段により前記表示画面に表示された文字列情報の選択を受け付けたとき、該選択を受け付けた文字列情報を含む前記評価情報から抽出された他の文字列情報を表示する
請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
予め複数の文字列情報と当該文字列情報のお勧め度を示す評価指数とが対応付けされたお勧め度情報を記憶するお勧め度情報記憶手段と、
該お勧め度情報記憶手段に記憶されたお勧め度情報を参照し、前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報に応じて前記特定経路情報のお勧め度を決定するお勧め度決定手段とを含み、
前記特定経路情報選択手段は、前記お勧め度決定手段により決定されたお勧め度に応じて前記表示画面に表示する特定経路情報を選択する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記移動体の目的地を設定する目的地設定手段と、
前記位置検出手段により検出された現在位置から前記目的地設定手段により設定された目的地までの推奨移動経路を導出する推奨移動経路導出手段と、
前記移動体が、前記推奨移動経路導出手段により導出された推奨移動経路上を移動するように誘導する誘導手段と、
該誘導手段による誘導中、前記お勧め度情報記憶手段に記憶されたお勧め度情報を変更するお勧め度情報変更手段とを含む
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
表示装置の表示画面上における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段に記憶された当該地図情報を参照して所定のタイミングで前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、
特定の経路を示す特定経路情報を記憶する特定経路情報記憶手段に記憶された当該特定経路情報と、該特定経路情報に対する評価を示す評価情報を記憶する評価情報記憶手段に記憶された当該評価情報とを参照して、前記位置検出処理にて検出された現在位置から所定範囲内に存在する特定経路に対する評価を示す評価情報を検索する評価情報検索処理と、
該評価情報検索処理にて検索された評価情報が示す特定経路情報の中から前記表示画面に表示する特定経路情報を選択する特定経路情報選択処理と、
該特定経路情報選択処理により選択された特定経路情報を前記表示画面に表示する特定経路情報表示処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−59032(P2011−59032A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211333(P2009−211333)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】