説明

ナビゲーション装置、及びナビゲーションプログラム

【課題】移動による消費熱量を考慮したナビゲーション装置の利便性を向上させることができるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置100が、複数の店舗それぞれの客1人あたりの摂取熱量の目安を含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶部22と、ユーザAの身体情報と、実行可能な運動の程度とを示すユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部23とを備え、店舗情報が示す複数の店舗の中から目的地を特定し、店舗情報に応じて予測摂取熱量を特定し、予測摂取熱量を摂取する場合にユーザAが行うべきである運動の量を特定し、目的地Gまでの推奨移動経路を探索し、探索した推奨移動経路R1を移動した場合に消費する熱量の予測量を算出し、予測消費熱量が推奨運動量によりユーザAが消費する熱量よりも少ないと判定した場合に、ユーザAが目的地Gへの移動に関連して消費する熱量が推奨消費熱量以上となる経路を探索して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示してユーザを目的地まで誘導するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両や人間などの移動体の目的地への到達を支援するための装置として、ナビゲーション装置が知られている。このナビゲーション装置は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって移動体の現在位置を導出し、この移動体の現在位置情報と道路地図情報とを基に経路探索処理によって推奨移動経路を求め、この推奨移動経路に基づいて移動経路の自動案内(以下、「経路誘導」という。)を行う。
【0003】
このようなナビゲーション装置には、ユーザの健康管理に寄与することなどを目的として、ユーザの消費カロリーを算出できるものが提案されている。
【0004】
すなわち、公知のナビゲーション装置には、例えば、ユーザにより指定された飲食物のカロリー(以下、熱量)のうちの所定分(例えば、60%分など)を消費するのに必要な移動距離を算出し、現在位置から指定された飲食物を提供可能な飲食店までの移動距離を算出し、算出した2つの移動距離の関係が所定の条件を満たす飲食店の飲食店データを取得して表示部に表示し、ユーザにより飲食店を選択させて移動案内表示を表示させる構成したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−309574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなナビゲーション装置は、施設の検索と検索した施設への経路案内とを主要な目的とするナビゲーション装置において、利便性に欠ける部分があるという問題があった。
【0007】
すなわち、例えば特許文献1に記載のナビゲーション装置の場合、指定された飲食物を提供可能な飲食店のうち移動距離に関する所定の条件を満たすものだけを表示してユーザの選択を受け付けるため、ユーザが指定した飲食物を提供する飲食店であってもユーザが気づくことができない場合があるという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決すべく、移動による消費熱量を考慮したナビゲーション装置の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示して前記ユーザを目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、複数の店舗それぞれの店舗名と、位置と、客1人あたりの摂取熱量の目安とを含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶手段と、前記ユーザの身体情報と、実行可能な運動の程度とを示すユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、前記ユーザからの要求に応じて前記店舗情報が示す複数の店舗の中から前記目的地を特定する目的地特定手段と、該目的地特定手段により特定された目的地に対応する前記店舗情報が示す客1人あたりの摂取熱量の目安に応じて前記ユーザが摂取する熱量の予測量である予測摂取熱量を特定する予測摂取熱量特定手段と、前記ユーザ情報に基づいて、前記予測摂取熱量を摂取する場合に前記ユーザが行うべきである運動の量である推奨運動量を特定する推奨運動量特定手段と、前記道路情報に基づいて前記目的地までの推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段と、前記ユーザが前記推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路を移動した場合に消費する熱量の予測量である予測消費熱量を算出する予測消費熱量算出手段と、該予測消費熱量算出手段により算出された予測消費熱量が前記推奨運動量により前記ユーザが消費する熱量である推奨消費熱量よりも少ないか判定する消費熱量判定手段と、該消費熱量判定手段により前記予測消費熱量が前記推奨消費熱量よりも少ないと判定された場合に、前記道路情報と前記推奨運動量とに基づいて、前記ユーザが前記目的地への移動に関連して消費する熱量が前記推奨消費熱量以上となる経路である推奨熱量消費経路を探索する推奨熱量消費経路探索手段と、該推奨熱量消費経路探索手段により探索された推奨熱量消費経路を前記表示装置の表示画面に表示する経路表示手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、移動による消費熱量を考慮したナビゲーション装置の利便性を向上させることができるようになる。
【0011】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの熱量消費率が高くなる移動速度である推奨移動速度を含み、前記推奨移動速度と前記推奨運動量とに基づいて、前記ユーザが前記推奨熱量消費経路上における所定の条件を満たす地点である経由地を通過するまでに要する時間を設定する経由地通過時間設定手段を含む構成とされていてもよい。
【0012】
前記道路情報は、階段や坂道に関する情報である通路情報を含み、前記ユーザ情報は、景観を優先することや階段を回避することを優先することなど、目的地までの迂回路を探索する場合の迂回条件を含み、前記推奨熱量消費経路探索手段は、前記迂回条件に基づいて前記目的地までの迂回路を探索する構成とされていてもよい。
【0013】
前記推奨消費熱量と前記予測消費熱量との差が所定の閾値以上であるか判定する過剰熱量判定手段と、該過剰熱量判定手段により前記推奨消費熱量と前記予測消費熱量との差が所定の閾値以上であると判定された場合に、前記目的地から所定距離以内に位置し、前記客1人あたりの摂取熱量の目安が前記目的地に対応する客1人あたりの摂取熱量の目安よりも低い店舗を検索する代替店舗検索手段と、該代替店舗検索手段により検索された店舗を前記ユーザに提示する代替店舗提示手段とを含む構成とされていてもよい。
【0014】
前記ユーザが前記目的地に到着後に移動する予定である移動予定経路を特定する移動予定経路特定手段を含み、前記推奨熱量消費経路探索手段は、前記迂回条件に従う場合に、前記ユーザが前記目的地への移動経路において消費する熱量が前記推奨消費熱量以上になるか否か判定する経路判定手段と、経路判定手段により目的地への移動経路において消費する熱量が推奨消費熱量以上にならないと判定された場合に、前記移動予定経路特定手段により特定された移動予定経路の移動で前記ユーザが消費する熱量と前記目的地への移動経路において消費する熱量との和が前記推奨消費熱量以上となるように前記移動予定経路を変更する移動予定経路変更手段とを有する構成とされていてもよい。
【0015】
徒歩、自転車、自動車および電車など、前記ユーザの移動方法を特定する移動方法特定手段を含み、前記推奨運動量特定手段は、前記移動方法特定手段により特定された移動方法に対応する運動方法により推奨される運動量を推奨運動量として特定する構成とされていてもよい。
【0016】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示して前記ユーザを目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、前記ユーザからの要求に応じて複数の店舗それぞれの店舗名と、位置と、客1人あたりの摂取熱量の目安とを含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶手段に記憶された店舗情報が示す複数の店舗の中から前記目的地を特定する目的地特定処理と、該目的地特定処理にて特定された目的地に対応する前記店舗情報が示す客1人あたりの摂取熱量の目安に応じて前記ユーザが摂取する熱量の予測量である予測摂取熱量を特定する予測摂取熱量特定処理と、前記ユーザの身体情報と、実行可能な運動の程度とを示すユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記予測摂取熱量を摂取する場合に前記ユーザが行うべきである運動の量である推奨運動量を特定する推奨運動量特定処理と、道路情報を記憶する道路情報記憶手段に記憶された道路情報に基づいて前記目的地までの推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索処理と、前記ユーザが前記推奨移動経路探索処理にて探索された推奨移動経路を移動した場合に消費する熱量の予測量である予測消費熱量を算出する予測消費熱量算出処理と、該予測消費熱量算出処理にて算出された予測消費熱量が前記推奨運動量により前記ユーザが消費する熱量である推奨消費熱量よりも少ないか判定する消費熱量判定処理と、該消費熱量判定処理にて前記予測消費熱量が前記推奨消費熱量よりも少ないと判定された場合に、前記道路情報と前記推奨運動量とに基づいて、前記ユーザが前記目的地への移動に関連して消費する熱量が前記推奨消費熱量以上となる経路である推奨熱量消費経路を探索する推奨熱量消費経路探索処理と、該推奨熱量消費経路探索処理にて探索された推奨熱量消費経路を前記表示装置の表示画面に表示する経路表示処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、移動による消費熱量を考慮したナビゲーション装置の利便性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】制御部と記憶部の構成の例を説明するための説明図である。
【図3】店舗情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】ユーザ情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】ナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。
【図6】推奨移動経路表示画面の例を示す説明図である。
【図7】推奨熱量消費経路表示画面の例を示す説明図である。
【図8】推奨熱量消費経路探索処理の例を示すフローチャートである。
【図9】メッセージを表示する画面の例を示す説明図である。。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置100の構成の例を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable
Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成されるものである。本例においては、図1に示すように、ナビゲーション装置100は、制御部10と、記憶部20と、メモリ30と、表示部40と、センサ部50と、通信部60と、入力部70とを含む。以下、ナビゲーション装置100が、ユーザにより携帯される場合について説明する。
【0021】
なお、図示しないが、ナビゲーション装置100は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)等を有する。
【0022】
制御部10は、例えばCPU(中央処理装置)により構成され、記憶部20に記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーション装置100に動作制御させるためのコンピュータプログラムであり、ナビゲーションプログラムを含む。)に従い、ナビゲーション装置100を構成する各要素を統括制御し、経路探索機能、経路誘導機能、サービス情報(ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル・旅館といった店舗情報や、有名な施設情報、行楽地情報といったPOI(Point Of Interest)情報)を検索する情報検索機能を含む各種の処理を実行するための各種の機能を有する。なお、これらの各種機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。制御部10の構成については、後で詳しく説明する(図2参照)。
【0023】
記憶部20は、ROMやRAMなどで構成され、ナビゲーション装置100が使用する各種コンピュータプログラムや、地図情報などナビゲーション装置として必要な各種情報を記憶する記憶媒体である。記憶部20の構成については、後で詳しく説明する(図2参照)。
【0024】
メモリ30は、制御部10が処理する各種情報を一時的に保持する記憶媒体であり、RAMなどの半導体記憶装置により構成される。
【0025】
出力部40は、経路誘導に関する情報を出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示装置(ディスプレイ装置、モニタ)と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)とを含む。画像表示装置は、道路地図情報とユーザの現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの推奨移動経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって道順などを報知する。
【0026】
また、音声出力装置は、各種音声情報に基づいて各種音声を出力することで、聴覚によって移動経路の道順(例えば、「100m先を右折」など)や、移動経路に関連する情報(例えば、道路名称や交通規制情報、付近のお奨め施設の紹介など)などを報知する。なお、音声出力装置を含む出力部40は、制御部10または経路誘導部13からの通知を受けて音声案内などを行う。
【0027】
センサ部50は、ナビゲーション装置100の現在位置(すなわち、ユーザの現在位置)を測位する機能を備えており、例えば、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【0028】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0029】
また、センサ部50は、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコード等の処理を行い、制御部10に通知する機能を有する。
【0030】
通信部60は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワークに接続された管理サーバなどの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。
【0031】
入力部70は、制御部10に対する各種指示をユーザから受け付ける機能を備える。本例では、入力部70は、例えば、表示部40の表示画面上に表示される操作ボタンなどによって構成される。
【0032】
図2は、本例における制御部10と記憶部20の構成の例を説明するための説明図である。図2に示すように、制御部10は、経路探索部11と、現在位置特定部12と、経路誘導部13と、目的地特定部14と、予測摂取熱量特定部15と、推奨運動量特定部16と、予測消費熱量算出部17と、熱量判定部18と、代替店舗提示部19とを含む。
【0033】
経路探索部11は、出発位置(例えば、ユーザの現在位置やユーザにより入力された位置)から目的地(例えば、地図上のユーザが選択した位置)までの移動経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、入力部70を介して出発地(または、現在位置)と目的地とを示す情報の入力を受け付けて、受け付けた情報に基づいて、道路情報を参照して出発地から目的地までの移動経路を導出するとともに、導出した移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、経路探索処理に必要な情報、例えば現在位置の特定や移動経路周辺地図を生成するためなどに用いられる地図情報は、予め記憶部20に記憶されている構成としてもよいし、通信部60により外部の管理サーバなどから取得する構成としてもよい。
【0034】
また、図2に示すように、本例における経路探索部11は、推奨移動経路探索部11Aと、推奨熱量消費経路探索部11Bと、経由地通過時間設定部11Cと、経路判定部11Dと、移動方法特定部11Eとを含む。
【0035】
推奨移動経路探索部11Aは、後述する道路情報(または、道路地図情報)に基づいて目的地までの推奨移動経路を探索する処理を行う機能を有する。ここで、推奨移動経路探索部11Aが探索する推奨移動経路は、「移動距離が短い経路」や「移動に要する時間が短い経路」など、消費熱量を推奨する条件に含まない一般的な移動経路であることとする。
【0036】
推奨熱量消費経路探索部11Bは、ユーザが目的地への移動に関連して消費する熱量が、後述する「推奨消費熱量」以上となる経路(推奨熱量消費経路)を探索する処理を行う機能を有する。本例においては、推奨熱量消費経路探索部11Bは、後述する道路情報(または、道路地図情報)と、後述する推奨運動量とに基づいて推奨熱量消費経路を探索する。推奨熱量消費経路の探索については、後で詳しく説明する(図8参照)。
【0037】
経由地通過時間設定部11Cは、後述するユーザ情報が含む推奨移動速度(図4参照)と後述する推奨運動量とに基づいて、ユーザが推奨熱量消費経路上における所定の条件を満たす地点である経由地を通過するまでに要する時間を設定する処理を行う機能を有する。なお、本例においては、記憶部20に、経由地を特定する所定の条件として、「出発地または目的地から特定距離にある地点」が記憶されている場合を例に説明を行なう。なお、経由地の特定方法は特に限定されず、例えば、目的地のみが経由地として特定される構成としてもよい。また、本例における経由地通過時間設定部11Cは、目的地への到着予定時刻が決定している場合には、ユーザ情報と、推奨運動量と、到着予定時刻とに基づいて、各経由地を通過すべき時刻を特定する処理を行う機能を有するものとする。
【0038】
移動方法特定部11Eは、徒歩、自転車、自動車および電車など、ユーザの移動方法を特定する処理を行う機能を有する。本例においては、移動方法特定部11Eは、ユーザによる選択を受け付けることにより移動方法を特定するものとする。以下、移動方法が「徒歩」に限定されている場合を例に説明を行なう。
【0039】
現在位置特定部12は、ユーザの現在位置情報を特定する処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。現在位置特定部12は、例えば、センサ部50から通知される情報に基づいて現在位置を示す現在位置情報を特定する。
【0040】
経路誘導部13は、経路探索部11により探索された推奨移動経路(推奨熱量消費経路のうち、推奨移動経路とみなされた経路を含む。)を用いた一般的な経路誘導(ユーザの現在位置に応じた推奨移動経路を含む地図の表示や、音声案内など)を行うための処理を行う機能を有する。
【0041】
目的地特定部14は、ユーザからの要求に応じて、後述する店舗情報(図3参照)が示す複数の店舗の中から目的地を特定する処理を行う機能を有する。
【0042】
予測摂取熱量特定部15は、目的地特定部14により特定された目的地に対応する店舗情報が示す「客1人あたりの摂取熱量の目安」に応じてユーザが摂取する熱量の予測量である予測摂取熱量を特定する処理を行う機能を有する。本例においては、予測摂取量特定部15は、客1人あたりの摂取量の目安として設定された「平均摂取熱量」を予測摂取熱量として特定する。なお、客1人あたりの摂取量の目安として設定された熱量が複数ある場合には、予測摂取熱量特定部15は、ユーザによる選択を受け付けるための処理(例えば、複数の熱量やメニューの名称などを選択可能に出力部40の表示画面に表示するための処理)を行う構成としてもよいし、所定の項目に設定された熱量を優先して選択する構成としてもよい。本例においては、予測摂取熱量特定部15が、「平均摂取熱量」として設定された熱量を優先して選択する場合について説明する。
【0043】
推奨運動量特定部16は、後述するユーザ情報(図4参照)に基づいて、予測摂取熱量特定部15により特定された予測摂取熱量をユーザが摂取する場合に、健康状態の維持などのためにユーザが行うべきである運動の量である推奨運動量を特定する処理を行う機能を有する。本例においては、推奨運動量特定部16は、後述する運動レベル(推奨移動速度や限界運動量などを示す水準)を超えない範囲で、ユーザの健康状態の維持などのために有効であると考えられる運動量(例えば、歩行速度、歩行距離、歩行時間など)を特定する。また、推奨運動量特定部16は、移動方法特定部11Eにより特定された移動方法に対応する運動方法により推奨される運動量を推奨運動量として特定する。
【0044】
予測消費熱量算出部17は、ユーザが経路探索部11により探索された推奨移動経路を移動した場合に消費する熱量の予測量である予測消費熱量を算出する処理を行う機能を有する。本例においては、予測消費熱量算出部17は、ユーザ情報が示すユーザの身体情報(身長や体重)と、目的地までの移動に要する移動時間と、目的地までの移動距離と、移動方法とに基づいて、予測消費熱量を算出する。また、本例における予測消費熱量算出部17は、推奨運動量特定部16により特定された推奨運動量によりユーザが消費する熱量(推奨消費熱量)を算出する処理を行う機能を有するものとする。なお、推奨運動量から推奨消費熱量を算出する方法としては、予測消費熱量を算出する場合と同様に、一般的な消費熱量の算出方法を用いることとする。
【0045】
熱量判定部18は、予測消費熱量算出部17により算出された予測消費熱量が推奨運動量特定部16により特定された推奨運動量によりユーザが消費する熱量である推奨消費熱量よりも少ないか判定する処理(消費熱量判定処理)を行う機能を有する。
【0046】
また、本例における熱量判定部18は、推奨消費熱量と予測消費熱量との差が所定の閾値(例えば、1000[kcal])以上であるか否か判定する処理(過剰熱量判定処理)を行う機能を有する。
【0047】
代替店舗提示部19は、熱量判定部18により、推奨消費熱量と予測消費熱量との差が所定の閾値以上であると判定された場合に、目的地から所定距離以内(例えば、500[m]以内)に位置し、店舗情報が示す客1人あたりの摂取熱量の目安(図3参照)が目的地に対応する客1人あたりの摂取熱量の目安よりも低い店舗を検索し、検索した店舗をユーザに提示するための処理を行う機能を有する。なお、本例においては、制御部10が、店舗情報記憶部22に記憶された店舗情報の中から、検索条件を満たす店舗を示す店舗情報を検索するものとする。
【0048】
また、本例において、記憶部20は、図2に示すように、道路地図情報記憶部21と、店舗情報記憶部22と、ユーザ情報記憶部23とを含む。
【0049】
道路地図情報記憶部21は、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(以下、「メッシュ」という。)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、道路地図情報記憶部21に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、道路地図情報記憶部21は、交通規制や道路の構成などを示す道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各ノードとリンクに関して経路構成ノード情報と経路構成リンク情報とを記憶する記憶媒体である。すなわち、経路探索部11は、経路探索処理において必要な情報を道路地図情報記憶部21から取得することとなる。以下、適宜地図情報と道路情報とを対応付けした情報を「道路地図情報」と呼ぶ。
【0050】
なお、道路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となる場合がある。ここで、本例における道路情報には、各リンクの長さや通過時間を経路コストとして格納されている。また、道路情報は、複数の階層を持っており、本例においては近傍用(全ての道路を格納)、近距離用(細街路以外の道路を格納)、中距離用(県道以上の道路を格納)、遠距離用(高速道、国道を格納)が設定されている。この場合、例えば道路情報を構成するノードとリンクに階層情報を設定するようにすればよい。これにより、経路探索の条件によって経路探索の対象となる道路情報を使い分けることができる。すなわち、例えば現在位置から目的地までの距離が長距離である場合には、間に存在する道路情報の量が膨大になるため、遠距離用が設定された道路情報を用いて経路探索処理を行うことにより、経路探索部11の処理負荷を軽減させることができる。
【0051】
また、本例における道路情報は、階段や坂道に関する情報である通路情報を含む。階段や坂道の位置や大きさを示す通路情報を含むことにより、例えば、後述する運動レベルの高いユーザには、階段や坂道が多い移動経路を推奨熱量消費経路として提供することができるようになる。
【0052】
店舗情報記憶部22は、複数の店舗それぞれの店舗名と、位置と、客1人あたりの摂取熱量の目安とを含む店舗情報を記憶する記憶媒体である。なお、本例における「店舗」は、飲食物を提供する施設を意味するものとする。
【0053】
図3は、店舗情報記憶部22における店舗情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例における店舗情報は、店舗名と、位置と、客1人あたりの摂取熱量の目安(平均摂取熱量とお奨めメニューの熱量)とを含む。
【0054】
ここで、「位置」とは、現実に店舗が存在する位置を示すものであり、本例においては住所が記憶される。
【0055】
また、「平均摂取熱量」とは、各店舗の客1人あたりの平均摂取熱量を示すものである。
【0056】
また、「お奨めメニューの熱量」とは、店舗毎に推奨しているメニューの熱量を示すものである。飲食物は、季節や天候などによって推奨するものが変更する可能性が高いので、例えば、各店舗からの要求に応じてお奨めメニューの熱量を更新する構成とされることが好ましい。なお、お奨めメニューの熱量として、例えば、インターネット上の口コミの内容が示すメニューの熱量や、ユーザの嗜好に応じたメニューの熱量などを記憶する構成としてもよい。この場合、例えば所定の周期で、店舗情報を更新する構成とされることが好ましい。
【0057】
なお、本例においては、「客1人あたりの摂取熱量の目安」として「平均摂取熱量」と「お奨めメニューの熱量」とを用いる場合について説明するが、ユーザの熱量摂取量を予測するための情報はこれに限定されない。すなわち、例えば、客層の種類に応じた平均摂取熱量を記憶しておき、ユーザが属する客層の平均摂取熱量を後述するナビゲーション処理にて用いることができる構成としてもよい。また、各店舗のメニューの平均熱量を平均摂取熱量として記憶しておく構成としてもよい。
【0058】
ユーザ情報記憶部23は、ユーザの身体情報と、実行可能な運動の程度とを示すユーザ情報を記憶する記憶媒体である。
【0059】
図4は、ユーザ情報記憶部23におけるユーザ情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、本例におけるユーザ情報は、ユーザ名と、年齢と、身長と、体重と、迂回条件と、運動レベルとを含む。
【0060】
ここで、「迂回条件」とは、目的地までの最短経路や、移動に要する料金が安価な経路などを示す通常の推奨移動経路と比べて、目的地に対して遠回りする経路(迂回路)を探索する場合の探索条件を意味する。迂回条件としては、例えば、「景観を優先」、「階段の回避を優先」、「迂回による追加時間は30分以内」など、種々の内容が考えられる。
【0061】
また、「運動レベル」とは、ユーザの運動可能量(本例においては、歩行距離の上限)を示す値であり、年齢や日頃の運動量および所定の特定基準に基づいて特定される値である。なお、運動レベルは、ナビゲーション装置100が、ユーザ情報やユーザの行動履歴から特定可能な日頃の運動量などに基づいて特定する構成としてもよいし、ユーザによる入力を受け付ける構成としてもよい。なお、本例における運動レベルは、記憶部20に予め記憶された運動レベルの特定基準に従って、制御部10が特定するものとする。また、本例においては、ユーザ情報記憶部23には、運動レベルに応じて、ユーザの体に過度の負担がかからない範囲で、ユーザの熱量消費率が高くなる移動速度(歩行速度や自転車での移動速度などを含む。以下、「推奨移動速度」)が対応付けされているものとする(図示せず)。
【0062】
次に、本例におけるナビゲーション装置100の動作について図を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0063】
図5は、ナビゲーション装置100が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。ナビゲーション処理では、ナビゲーション装置100のユーザAが消費する熱量を考慮した経路探索を行うための処理が行われる。
【0064】
本例におけるナビゲーション処理は、例えば、ナビゲーション装置100が、目的地を検索するユーザAの操作に応じて、店舗情報の表示に要する処理を開始したことにより開始される。
【0065】
ナビゲーション処理において、先ず、制御部10は、店舗情報記憶部22を参照して、ユーザAによる入力部70の操作に応じた検索条件を満たす店舗情報を表示する(ステップS101)。
【0066】
店舗情報を表示すると、制御部10は、目的地特定部14により、表示した店舗情報に応じた位置を目的地に設定するか否かを判定する(ステップS102)。
【0067】
ユーザAによる目的地の設定操作を受け付けたことにより、表示した店舗情報に応じた位置を目的地に設定すると判定すると(ステップS102のY)、制御部10は、予測摂取熱量特定部16により、目的地における予測摂取熱量を特定する(ステップS103)。
【0068】
予測摂取熱量を特定すると、制御部10は、推奨運動量特定部15により、予測摂取熱量に対する推奨運動量を特定する(ステップS104)。
【0069】
推奨運動量を特定すると、制御部10は、予測消費熱量算出部17により、特定した推奨運動量に対応する推奨消費熱量を算出する(ステップS105)。
【0070】
推奨消費熱量を算出すると、制御部10は、推奨移動経路探索部11Aにより、ユーザAの現在位置から目的地までの推奨移動経路を探索する(ステップS106)。
【0071】
推奨移動経路を探索すると、制御部10は、制御部10は、予測消費熱量算出部17により、探索した推奨移動経路R1を移動した場合の予測消費熱量を算出する(ステップS107)。
【0072】
予測消費熱量を算出すると、制御部10は、出力部40の表示画面に、推奨移動経路表示画面を表示する(ステップS108)。
【0073】
図6は、推奨移動経路表示画面の例を示す説明図である。図6に示すように、本例における推奨移動経路表示画面は、推奨移動経路を表示する領域である推奨移動経路表示領域101と、推奨移動経路や目的地に関する情報を表示する領域である関連情報表示領域102とを備える。
【0074】
ここで、推奨移動経路表示領域101は、ユーザAの現在位置Pと目的地Gとを結ぶ推奨移動経路R1と、目的地Gにおける摂取予定熱量を表示する摂取予定量表示領域103と、ユーザAの移動方法を表示する移動方法表示領域104とを含む。
【0075】
また、関連情報表示領域102には、目的地Gへの到着予定時刻と、推奨移動経路を移動するのに要する時間(移動時間)と、移動距離と、移動熱量(すなわち、予測消費熱量)とが表示される。
【0076】
推奨移動経路表示画面を表示すると、制御部10は、算出した予測消費熱量が、特定した推奨消費熱量よりも低いか否か判定する(ステップS109)。ここで、予測消費熱量が推奨消費熱量以上であると判定すると(ステップS109のN)、制御部10は、ここでの処理を終了する。なお、この場合、制御部10は、経路誘導部13により、推奨移動経路R1をユーザAが移動するように経路誘導を行う。
【0077】
一方、予測消費熱量が推奨消費熱量よりも低いと判定すると(ステップS109のY)、制御部10は、推奨消費熱量と予測消費熱量との差(すなわち、推奨消費熱量から予測消費熱量を減算した値)が所定の閾値以上であるか否か判定する(ステップS110)。
【0078】
ここで、推奨消費熱量と予測消費熱量との差が所定の閾値以上であると判定すると(ステップS110のY)、制御部10は、店舗情報記憶部22を参照し、目的地から所定距離以内に位置し、「客1人あたりの摂取熱量の目安」が現在の目的地に対応する「客1人あたりの摂取熱量の目安」よりも低い店舗を検索する(すなわち、現在の目的地の代替案として提示する代替店舗を検索する)(ステップS111)。
【0079】
代替店舗を検索すると、制御部10は、検索した代替店舗をユーザAに提示するための処理を行い(ステップS112)、ここでの処理を終了する。本例においては、制御部10は、検索した店舗情報の一部(例えば、店舗名と位置)を出力部40の表示画面に表示する。
【0080】
なお、本例におけるナビゲーション装置100は、代替店舗を提示した後は、ユーザによる代替店舗の選択を受け付けて、選択を受け付けた代替店舗を目的地とする場合のナビゲーション処理ステップS102の処理を開始するものとする。
【0081】
一方、推奨消費熱量と予測消費熱量との差が所定の閾値以上でないと判定すると(ステップS110のY)、制御部10は、推奨熱量消費経路探索部11Bにより、推奨消費熱量に応じた推奨熱量消費経路の探索処理を行う(ステップS113)。なお、推奨熱量消費経路の探索処理については、後で詳しく説明する(図8参照)。
【0082】
推奨熱量消費経路を探索すると、制御部10は、出力部40の表示画面に、推奨熱量消費経路表示画面を表示して(ステップS114)、ここでの処理を終了する。
【0083】
図7は、推奨熱量消費経路表示画面の例を示す説明図である。図7に示すように、本例における推奨熱量消費経路表示画面は、現在の推奨移動経路R1に重畳して推奨熱量消費経路を表示する推奨熱量消費経路表示領域201と、推奨熱量消費経路関する情報を表示する領域である関連情報表示領域202とを備える。
【0084】
ここで、推奨熱量消費経路表示領域201は、推奨移動経路表示領域101(図6参照)に、探索した推奨熱量消費経路D1,D2を識別可能に追加した形態となる。
【0085】
また、関連情報表示領域202には、推奨熱量消費経路毎の移動時間と、移動距離と、移動によりユーザが消費する熱量(移動熱量。すなわち、予測消費熱量)とが表示される。
【0086】
なお、本例におけるナビゲーション装置100は、推奨熱量消費経路表示画面を表示した後は、ユーザによる推奨熱量消費経路の選択を受け付けて、選択を受け付けた推奨熱量消費経路を推奨移動経路に決定し、経路誘導部13による経路誘導を開始するものとする。
【0087】
次に、本例におけるナビゲーション装置100が実行する推奨熱量消費経路探索処理の例について説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0088】
図8は、ナビゲーション装置100が実行する推奨熱量消費経路探索処理の例を示すフローチャートである。
【0089】
推奨熱量消費経路探索処理において、制御部10は、先ず、ユーザ情報記憶部23を参照して、ユーザAの運動レベルを確認する(ステップS201)。
【0090】
ユーザの運動レベルを確認すると、制御部10は、経路判定部11Dにより、ユーザAの運動レベルを超えない範囲での移動時間の制限により、推奨移動経路を変更せずに推奨消費熱量以上の熱量を消費することができないか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、例えば、ユーザAが、推奨移動経路R1を早く歩くことにより、推奨消費熱量以上の熱量を消費し得るか否かを判定する。
【0091】
ここで、推奨移動経路を変更せずに推奨消費熱量以上の熱量を消費することができないと判定すると(ステップS202のY)、制御部10は、ユーザ情報記憶部23を参照して、ユーザAの迂回条件を確認する(ステップS203)。
【0092】
迂回条件を確認すると、制御部10は、ユーザAに対応する迂回条件に基づいて、ユーザAが消費する熱量が推奨消費熱量以上となる迂回路を探索する(ステップS204)。
【0093】
迂回路を探索すると、制御部10は、探索した迂回路を推奨熱量消費経路に決定する(ステップS205)。
【0094】
一方、ステップS202の処理において、推奨移動経路を変更せずに推奨消費熱量以上の熱量を消費することができると判定すると(ステップS202のN)、制御部10は、現在の推奨移動経路を推奨熱量消費経路に決定する(ステップS206)。
【0095】
推奨熱量消費経路を決定すると、制御部10は、経由地通過時間設定部11Cにより、ユーザAが推奨熱量消費経路上の経由地の通過時間を設定して(ステップS207)、ナビゲーション処理におけるステップS114の処理に移行する。
【0096】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置(例えば、出力部40)の表示画面における地図上にユーザAの現在位置を表示してユーザAを目的地Gまで誘導するナビゲーション装置100が、道路情報を記憶する道路情報記憶部(例えば、道路地図情報記憶部21)と、複数の店舗それぞれの店舗名と、位置(例えば、住所)と、客1人あたりの摂取熱量の目安(例えば、平均摂取熱量やお奨めメニューの熱量)とを含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶部22と、ユーザAの身体情報(例えば、年齢、身長、体重)と、実行可能な運動の程度(例えば、運動レベル)とを示すユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部23とを備え、ユーザAからの要求に応じて店舗情報が示す複数の店舗の中から目的地を特定し、特定した目的地Gに対応する店舗情報が示す客1人あたりの摂取熱量の目安に応じてユーザが摂取する熱量の予測量である予測摂取熱量を特定し、ユーザ情報に基づいて、予測摂取熱量を摂取する場合にユーザAが行うべきである運動の量である推奨運動量を特定し、道路情報(例えば、道路地図情報)に基づいて目的地Gまでの推奨移動経路(例えば、移動距離が最短な経路)を探索し、ユーザAが探索した推奨移動経路R1を移動した場合に消費する熱量の予測量である予測消費熱量を算出し、算出した予測消費熱量が推奨運動量によりユーザAが消費する熱量である推奨消費熱量よりも少ないか判定し、予測消費熱量が推奨消費熱量よりも少ないと判定した場合に、道路情報(例えば、道路地図情報)と推奨運動量とに基づいて、ユーザAが目的地Gへの移動に関連して消費する熱量が推奨消費熱量以上となる経路である推奨熱量消費経路を探索し、探索した推奨熱量消費経路D1,D2を表示装置(例えば、出力部40)の表示画面に表示する構成としているので、移動による消費熱量を考慮したナビゲーション装置の利便性を向上させることができるようになる。
【0097】
すなわち、目的地への移動経路を探索する場合に、目的地においてユーザが摂取する熱量を予測して、予測結果を反映させた移動経路を提供することができるようになるので、肥満防止や、熱量コントロール中の人へのサポートを有効に実施することができるようになる。
【0098】
また、上述した実施の形態では、ユーザ情報がユーザの熱量消費率が高くなる移動速度である推奨移動速度(例えば、運動レベルに対応する推奨移動速度)を含み、推奨移動速度と推奨運動量とに基づいて、ユーザAが推奨熱量消費経路上における所定の条件を満たす地点である経由地を通過するまでに要する時間を設定する構成としているので、ユーザに対し、熱量の消費効率が高い移動速度による移動を行うことための目安となる情報を提供することができるようになる。
【0099】
また、推奨熱量消費経路探索処理(図8参照)において、経由地の通過時間を設定することにより、例えば、推奨熱量消費経路D1(図7参照)を推奨移動経路として経路誘導を行う場合に、ナビゲーション装置100が、ユーザAの現在位置と、経由地と、現在時刻とに基づいて、ユーザAの移動が熱量の消費に有効な速度を保っているか否かを判定することができるようになる。
【0100】
また、ユーザAが経由地通過時間を越えても経由地を通過できそうにない場合(例えば、現在時刻から経由通過時刻まで残り時間が所定の条件を満たしたときに、ユーザAの現在位置と経由地との移動距離が特定距離以上である場合)、例えば図9に示すように、移動速度が落ちていることをユーザに報知するメッセージ301を出力部40の表示画面に表示する構成としてもよい。
【0101】
また、上述した実施の形態では、道路情報は、階段や坂道に関する情報である通路情報を含み、ユーザ情報は、景観を優先することや階段を回避することを優先することなど、目的地までの迂回路を探索する場合の迂回条件を含み、ナビゲーション装置100が、迂回条件に基づいて目的地Gまでの迂回路(例えば、推奨熱量消費経路D1,D2)を探索する構成としているので、ユーザに応じた迂回路を探索して、熱量を消費するための迂回がユーザに不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。この場合、迂回条件にユーザの嗜好を反映させる構成とすることが好ましい。
【0102】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、推奨消費熱量と予測消費熱量との差が所定の閾値以上であるか判定し、推奨消費熱量と予測消費熱量との差が所定の閾値以上であると判定した場合に、目的地Gから所定距離以内に位置し、客1人あたりの摂取熱量の目安(例えば、平均摂取熱量やお奨めメニューの熱量)が目的地Gに対応する客1人あたりの摂取熱量の目安よりも低い店舗を検索し、検索した店舗をユーザAに提示する構成としているので、ユーザに対して、ユーザが代替目的地として許容し得る店舗のうち、ユーザに適した消費熱量のメニューを提供する店舗を案内することができるようになる。
【0103】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、徒歩、自転車、自動車および電車など、ユーザAの移動方法を特定し、特定した移動方法に対応する運動方法により推奨される運動量を推奨運動量として特定する構成としているので、ユーザの移動方法に応じた熱量消費を考慮した経路探索ができるようになる。
【0104】
なお、上述した実施の形態においては特に言及していないが、ナビゲーション装置100が、ユーザAが目的地Gに到着後に移動する予定である移動予定経路を特定し、ユーザAの迂回条件に従う場合に、ユーザAが目的地Gへの移動経路において消費する熱量が推奨消費熱量以上になるか否か判定し、目的地Gへの移動経路において消費する熱量が推奨消費熱量以上にならないと判定した場合に、特定した移動予定経路の移動でユーザAが消費する熱量と目的地Gへの移動経路において消費する熱量との和が推奨消費熱量以上となるように移動予定経路を変更する構成としてもよい。このような構成とすることにより、目的地到着前の移動で推奨消費熱量を消費できない場合にも、ユーザによる熱量コントロールを支援することができるようになる。
【0105】
この場合、ナビゲーション装置100が、ユーザによる移動予定経路の入力を受け付けることにより移動予定経路を特定する構成としてもよいし、目的地から所定の位置(例えば、ユーザの自宅の住所など)を結ぶ経路を移動予定経路として特定する構成としてもよい。
【0106】
また、移動予定経路の変更に関しては、ナビゲーション装置100が、ユーザ情報における迂回条件に従って移動経路を変更する構成とすればよい。
【0107】
なお、この場合、推奨移動経路に対する迂回条件と、移動予定経路に対する迂回条件とを別々に記憶しておく構成としてもよい。このような構成とすることにより、例えば食後には過度な運動を望まないユーザに対しても、適切な移動経路を提供することができるようになる。
【0108】
また、目的地の到着前と到着後との移動において消費する熱量の割合(熱量消費割合)を予め設定しておき、ナビゲーション装置100が、設定された熱量消費割合に基づいて、推奨移動経路に対応する推奨熱量消費経路と、移動予定経路の変更とを実行する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、ユーザの進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、特に、移動による消費熱量を考慮したナビゲーション装置の利便性を向上させるのに有用である。
【符号の説明】
【0110】
10 制御部
11 経路探索部
11A 推奨移動経路探索部
11B 推奨熱量消費経路探索部
11C 経由地通過時間設定部
11D 経路判定部
11E 移動方法特定部
12 現在位置特定部
13 経路誘導部
14 目的地特定部
15 予測摂取熱量特定部
16 推奨運動量特定部
17 予測消費熱量算出部
18 熱量判定部
19 代替店舗提示部
20 記憶部
21 道路地図情報記憶部
22 店舗情報記憶部
23 ユーザ情報記憶部
30 メモリ
40 出力部
50 センサ部
60 通信部
70 入力部
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示して前記ユーザを目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
複数の店舗それぞれの店舗名と、位置と、客1人あたりの摂取熱量の目安とを含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶手段と、
前記ユーザの身体情報と、実行可能な運動の程度とを示すユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザからの要求に応じて前記店舗情報が示す複数の店舗の中から前記目的地を特定する目的地特定手段と、
該目的地特定手段により特定された目的地に対応する前記店舗情報が示す客1人あたりの摂取熱量の目安に応じて前記ユーザが摂取する熱量の予測量である予測摂取熱量を特定する予測摂取熱量特定手段と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記予測摂取熱量を摂取する場合に前記ユーザが行うべきである運動の量である推奨運動量を特定する推奨運動量特定手段と、
前記道路情報に基づいて前記目的地までの推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段と、
前記ユーザが前記推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路を移動した場合に消費する熱量の予測量である予測消費熱量を算出する予測消費熱量算出手段と、
該予測消費熱量算出手段により算出された予測消費熱量が前記推奨運動量により前記ユーザが消費する熱量である推奨消費熱量よりも少ないか判定する消費熱量判定手段と、
該消費熱量判定手段により前記予測消費熱量が前記推奨消費熱量よりも少ないと判定された場合に、前記道路情報と前記推奨運動量とに基づいて、前記ユーザが前記目的地への移動に関連して消費する熱量が前記推奨消費熱量以上となる経路である推奨熱量消費経路を探索する推奨熱量消費経路探索手段と、
該推奨熱量消費経路探索手段により探索された推奨熱量消費経路を前記表示装置の表示画面に表示する経路表示手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの熱量消費率が高くなる移動速度である推奨移動速度を含み、
前記推奨移動速度と前記推奨運動量とに基づいて、前記ユーザが前記推奨熱量消費経路上における所定の条件を満たす地点である経由地を通過するまでに要する時間を設定する経由地通過時間設定手段を含む
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記道路情報は、階段や坂道に関する情報である通路情報を含み、
前記ユーザ情報は、景観を優先することや階段を回避することを優先することなど、目的地までの迂回路を探索する場合の迂回条件を含み、
前記推奨熱量消費経路探索手段は、前記迂回条件に基づいて前記目的地までの迂回路を探索する
請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記推奨消費熱量と前記予測消費熱量との差が所定の閾値以上であるか判定する過剰熱量判定手段と、
該過剰熱量判定手段により前記推奨消費熱量と前記予測消費熱量との差が所定の閾値以上であると判定された場合に、前記目的地から所定距離以内に位置し、前記客1人あたりの摂取熱量の目安が前記目的地に対応する客1人あたりの摂取熱量の目安よりも低い店舗を検索する代替店舗検索手段と、
該代替店舗検索手段により検索された店舗を前記ユーザに提示する代替店舗提示手段とを含む
請求項1から請求項3のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ユーザが前記目的地に到着後に移動する予定である移動予定経路を特定する移動予定経路特定手段を含み、
前記推奨熱量消費経路探索手段は、
前記迂回条件に従う場合に、前記ユーザが前記目的地への移動経路において消費する熱量が前記推奨消費熱量以上になるか否か判定する経路判定手段と、
該経路判定手段により前記目的地への移動経路において消費する熱量が前記推奨消費熱量以上にならないと判定された場合に、前記移動予定経路特定手段により特定された移動予定経路の移動で前記ユーザが消費する熱量と前記目的地への移動経路において消費する熱量との和が前記推奨消費熱量以上となるように前記移動予定経路を変更する移動予定経路変更手段とを有する
請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
徒歩、自転車、自動車および電車など、前記ユーザの移動方法を特定する移動方法特定手段を含み、
前記推奨運動量特定手段は、前記移動方法特定手段により特定された移動方法に対応する運動方法により推奨される運動量を推奨運動量として特定する
請求項1から請求項5のうち何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
表示装置の表示画面における地図上にユーザの現在位置を表示して前記ユーザを目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
前記ユーザからの要求に応じて複数の店舗それぞれの店舗名と、位置と、客1人あたりの摂取熱量の目安とを含む店舗情報を記憶する店舗情報記憶手段に記憶された店舗情報が示す複数の店舗の中から前記目的地を特定する目的地特定処理と、
該目的地特定処理にて特定された目的地に対応する前記店舗情報が示す客1人あたりの摂取熱量の目安に応じて前記ユーザが摂取する熱量の予測量である予測摂取熱量を特定する予測摂取熱量特定処理と、
前記ユーザの身体情報と、実行可能な運動の程度とを示すユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記予測摂取熱量を摂取する場合に前記ユーザが行うべきである運動の量である推奨運動量を特定する推奨運動量特定処理と、
道路情報を記憶する道路情報記憶手段に記憶された道路情報に基づいて前記目的地までの推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索処理と、
前記ユーザが前記推奨移動経路探索処理にて探索された推奨移動経路を移動した場合に消費する熱量の予測量である予測消費熱量を算出する予測消費熱量算出処理と、
該予測消費熱量算出処理にて算出された予測消費熱量が前記推奨運動量により前記ユーザが消費する熱量である推奨消費熱量よりも少ないか判定する消費熱量判定処理と、
該消費熱量判定処理にて前記予測消費熱量が前記推奨消費熱量よりも少ないと判定された場合に、前記道路情報と前記推奨運動量とに基づいて、前記ユーザが前記目的地への移動に関連して消費する熱量が前記推奨消費熱量以上となる経路である推奨熱量消費経路を探索する推奨熱量消費経路探索処理と、
該推奨熱量消費経路探索処理にて探索された推奨熱量消費経路を前記表示装置の表示画面に表示する経路表示処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−113516(P2012−113516A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261978(P2010−261978)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】