ナビゲーション装置、経路案内方法、経路案内プログラム及び記憶媒体
【課題】移動体に搭載した状態と移動体に搭載していない状態の両方で適切な経路案内が可能なナビゲーション装置及び経路案内方法を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、車両などの移動体に対して着脱可能に構成される。車両に搭載された状態で経路案内などが可能であるとともに、車両から取り外した状態でも、ユーザが歩行中に携帯し、ナビゲーション装置として使用することができる。移動体に取り付けられた搭載状態であるか、取り外された非搭載状態であるかは使用状態検出手段により検出される。そして、搭載状態と非搭載状態とでは、異なる態様で経路案内が実行される。よって、車両の走行中であるか歩行中であるか、などの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。
【解決手段】ナビゲーション装置は、車両などの移動体に対して着脱可能に構成される。車両に搭載された状態で経路案内などが可能であるとともに、車両から取り外した状態でも、ユーザが歩行中に携帯し、ナビゲーション装置として使用することができる。移動体に取り付けられた搭載状態であるか、取り外された非搭載状態であるかは使用状態検出手段により検出される。そして、搭載状態と非搭載状態とでは、異なる態様で経路案内が実行される。よって、車両の走行中であるか歩行中であるか、などの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体から着脱可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などの移動体に搭載した状態で使用可能であるとともに、移動体から取り外して外部に持ち出し、歩行時などに使用可能なナビゲーション装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−165889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置において経路案内を実行する場合、車両への搭載時と非搭載時(一般には、歩行中の使用時など)とでは好適な案内タイミングが異なってくる。例えば、歩行中のユーザの速度を精度良く取得することは難しく、一時的に歩行を停止する場合などもあるので、ユーザが次の交差点に到達する時間を予測することは困難である。このため、次の案内地点までの距離に基づいて経路案内を行うことが適当であると考えられるが、車載時と歩行時とでは移動速度が大きく異なるので、車載時に適切な経路案内タイミングと歩行時に適切な経路案内タイミングとは異なる。例えば、車載時には次の案内地点までの距離が100m、50m、30mの地点で経路案内を出力するものとする。この場合、歩行時にも同じタイミングで経路案内を出力することとすると、案内が早すぎてしまう。また、このような場合、現在位置から次の案内地点である交差点までの間に別の交差点が存在すると、ユーザは混乱を招くことになる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、移動体に搭載した状態と移動体に搭載していない状態の両方で適切な経路案内が可能なナビゲーション装置及び経路案内方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置であって、非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とする。
【0007】
請求項8に記載の発明は、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内方法であって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項9に記載の発明は、コンピュータを有し、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内プログラムであって、非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力するように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】システムコントローラの機能ブロック図である。
【図3】案内出力タイミング制御の第1例のフローチャートである。
【図4】案内出力タイミング制御の第2例のフローチャートである。
【図5】案内出力タイミング制御の第3例のフローチャートである。
【図6】地図縮尺制御のフローチャートである。
【図7】道塗り態様制御のフローチャートである。
【図8】ナビゲーション装置の使用状態に応じた道塗り態様の例を示す。
【図9】ナビゲーション装置の使用状態に応じた道塗り態様の例を示す。
【図10】ナビゲーション装置の使用状態に応じた道塗り態様の例を示す。
【図11】ディスプレイ輝度制御のフローチャートである。
【図12】案内音声制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0010】
10 自立測位装置
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
40 表示ユニット
60 入力装置
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の好適な実施形態では、移動体に着脱可能なナビゲーション装置は、前記移動体に取り付けられた搭載状態であるか、前記移動体から取り外された非搭載状態であるかを検出する使用状態検出手段と、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、異なる態様で経路案内を実行する経路案内手段と、を備える。
【0012】
上記のナビゲーション装置は、車両などの移動体に対して着脱可能に構成される。車両に搭載された状態で経路案内が可能であるとともに、移動体から取り外した状態でも、ユーザが歩行中に携帯し、ナビゲーション装置として使用することができる。移動体に取り付けられた搭載状態であるか、取り外された非搭載状態であるかは使用状態検出手段により検出される。そして、搭載状態と非搭載状態とでは、異なる態様で経路案内が実行される。よって、車両の走行中であるか歩行中であるかなどの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。
【0013】
上記のナビゲーション装置の一態様では、前記経路案内手段は、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、経路案内の出力タイミングを異ならせる。これにより、車両の走行速度と人間の歩行速度の相違を考慮して、適切なタイミングで経路案内を提供することが可能となる。好適な例では、前記経路案内手段は、経路案内を出力する回数、及び/又は、次の案内地点と経路案内を出力する地点との距離である案内出力距離を異ならせる。
【0014】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内手段は、非搭載状態においては、次の案内地点までに交差点が存在しなくなってから経路案内を出力する。非搭載状態においては走行速度が遅いため、案内地点の手前に別の交差点が存在すると、ユーザがその交差点を案内地点と誤る可能性がある。そこで、別の交差点が無くなってから経路案内を出力することにより、そのような誤認識を防止する。
【0015】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内手段は、非搭載状態においては、経路案内を一度出力した後、次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に経路案内を出力する。非搭載状態においては走行速度が遅いため、経路案内を出力してから案内地点に到達するまでに時間を要する場合がある。よって、案内地点に到達するまでは所定時間毎に繰り返し経路案内を出力する。
【0016】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記搭載状態から前記非搭載状態に変化したときに、前記地図の縮尺を最も詳細な地図の縮尺に変更する。主として歩行中に相当する非搭載状態では、走行速度が遅いので最も詳細な地図を表示することが好ましい。
【0017】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、前記経路案内手段は、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、相互に識別可能な異なる表示態様で前記地図上に案内経路を表示する。これにより、それぞれの状態に応じた適切な態様で案内経路を表示することができる。
【0018】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、地図を表示する表示装置と、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、前記表示装置の輝度を異ならせる輝度調整手段と、を備える。車両などへの搭載状態と、歩行中などの非搭載状態では、バッテリー容量や周辺の明るさなどが異なるので、状況に応じて表示装置の輝度を調整することが好ましい。
【0019】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内手段は音声案内を出力し、前記搭載状態と前記非搭載状態とで前記音声案内の音量を変化させる。車両などへの搭載状態と、歩行中などの非搭載状態では、周囲の騒音レベルなどが異なるので、状況に応じて音声案内の音量を調整することが好ましい。
【0020】
上記のナビゲーション装置の好適な例では、前記移動体にはセンサが設けられており、前記使用状態検出手段は、前記センサからの出力信号の有無に基づいて、前記搭載状態であるか前記非搭載状態であるかを判定する。
【0021】
本発明の他の好適な実施形態では、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内方法は、前記移動体に取り付けられた搭載状態であるか、前記移動体から取り外された非搭載状態であるかを検出する使用状態検出工程と、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、異なる態様で経路案内を実行する経路案内工程と、を有する。搭載状態と非搭載状態とでは異なる態様で経路案内が実行されるので、車両の走行中であるか歩行中であるかなどの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。
【0022】
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを有し、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内プログラムは、前記移動体に取り付けられた搭載状態であるか、前記移動体から取り外された非搭載状態であるかを検出する使用状態検出手段、及び、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、異なる態様で経路案内を実行する経路案内手段、として前記コンピュータを機能させる。搭載状態と非搭載状態とでは異なる態様で経路案内が実行されるので、車両の走行中であるか歩行中であるかなどの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。なお、上記の経路案内プログラムは記憶媒体に記憶して取り扱うことが好適である。
【実施例】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0024】
[ナビゲーション装置]
図1に、本発明の実施例に係るナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0025】
なお、本実施例に係るナビゲーション装置1は、車両などの移動体に着脱可能に構成されている。具体的には、図1に示す自立測位装置10は車両に固定的に搭載される。一方、自立測位装置10以外の構成要素は、車両から取り外し可能なポータブルユニット1xとして構成されている。
【0026】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0027】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0028】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU22、ROM23及びRAM24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0029】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0030】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0031】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。なお、ディスクドライブ31は、ポータブルユニット1xの外部に設けられ、車両に固定されていてもよい。
【0032】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
【0033】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。
【0034】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイ44などの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データを、ディスプレイ44の表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0035】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、ディスクドライブ31、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0036】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0037】
図2は、本実施例により経路案内や地図表示などを行うための機能構成を示すブロック図である。本実施例において経路案内や地図表示などの各種処理を実行するシステムコントローラ20は、図1にも示すように、自立測位装置10、表示ユニット40及び音声出力ユニット50に接続されている。表示ユニット40はディスプレイ44を備える。ディスプレイ44は例えば液晶表示装置であり、バックライトユニット45を備えている。
【0038】
システムコントローラ20は自立測位装置10を構成する各種センサ11〜13からの出力データを取得するためのインタフェース21を備える。また、前述のように、インタフェース21は、図示しないコネクタなどを備え、自立測位装置10から取り外し可能となっている。
【0039】
システムコントローラ20は、RAM24に記憶されたプログラムを実行することにより、使用状態検出部101、地図縮尺制御部102、道塗り態様制御部103、輝度調整部104、案内出力制御部105、音量制御部106として機能する。
【0040】
使用状態検出部101は、ナビゲーション装置1の使用状態を検出する。具体的には、使用状態検出部101は、ナビゲーション装置1のポータブルユニット1xが移動体への搭載状態か、非搭載状態かを検出する。使用状態の検出方法は、以下のようにいくつか考えられる。
【0041】
第1の検出方法は、自立測位装置10内の距離センサ13から出力される車速パルスを利用する。即ち、距離センサ13から車速パルスが供給されている場合にナビゲーション装置1(のポータブルユニット1x)は搭載状態であると判定し、車速パルスが供給されていない場合にナビゲーション装置1は非搭載状態であると判定する。
【0042】
第2の検出方法は、振動センサや加速度センサなどから出力される信号レベルの振動の有無を利用する。例えば、自立測位装置10内の加速度センサ11から出力される信号レベルが所定周期で変化しない場合にナビゲーション装置1は搭載状態であると判定し、信号レベルが所定周期で変化する場合にナビゲーション装置1は非搭載状態であると判定する。
【0043】
第3の検出方法は、インタフェース21の電気的な接続状態を利用する方法である。即ち、インタフェース21のコネクタの電位などを検出することにより、移動体に取り付けられている自立測位装置10にポータブルユニット1xが接続されているか否かを判定する。なお、上記の検出方法は例示であり、本発明では、上記以外の手法によりナビゲーション装置1の使用状態を検出してもかまわない。
【0044】
使用状態検出部101は、上記のような方法でナビゲーション装置1の使用状態が搭載状態であるか非搭載状態であるかを検出し、その結果を地図縮尺制御部102、道塗り態様制御部103、輝度調整部104、案内出力制御部105及び音量制御部106へ供給する。
【0045】
地図縮尺制御部102は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、ディスプレイ44に表示する地図の縮尺を変更する。具体的には、ナビゲーション装置1の搭載状態においては、地図縮尺制御部102はユーザが指定した縮尺で地図を表示する。一方、ナビゲーション装置1が車両から取り外され、非搭載状態となったときには、地図縮尺制御部102は最も詳細な地図が表示されるように地図の縮尺を変更する。これは、基本的に非搭載状態ではユーザは歩行中にナビゲーション装置1を使用すると考えられるため、移動速度(歩行速度)は十分に低く、最も詳細な地図を表示するのが適切だからである。なお、非搭載状態において、例えばユーザが自転車を利用するなどの場合も想定できるので、非搭載状態への変更時に自動的に表示される地図の縮尺はユーザの操作により変更可能とすることが望ましい。
【0046】
道塗り態様制御部103は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、経路案内の表示態様、より詳しくはディスプレイ44に表示される案内経路の道塗りの態様を変更する。即ち、搭載状態と非搭載状態とで、地図中に表示される案内経路が、相互に識別可能な異なる表示態様で表示されるようにする。具体例は後述するが、例えばナビゲーション装置1の使用状態に応じて、道塗りの色を変える、実線と破線などの線の種類を使い分ける、道路に対する道塗りの表示位置や太さなどを変える、などの方法が挙げられる。
【0047】
輝度調整部104は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、ディスプレイ44の明るさ、より具体的にはバックライトユニット45の輝度を調整する。具体的には、ナビゲーション装置1が搭載状態の場合には、電源として車両のバッテリーを使用できるので、バックライトユニット45の輝度を高く設定し、明るい表示を行う。一方、非搭載状態の場合には、ポータブルユニット1xのバッテリー容量に制限があるので、バックライトユニット45の輝度を低く変更する。これにより、携帯使用時のバッテリーの消耗を軽減することができる。
【0048】
なお、昼間の歩行時などで周囲が明るいため、非搭載状態でも明るい表示が求められることもある。よって、搭載状態と非搭載状態において輝度調整部104により調整される輝度は、ユーザが予め設定又は調整可能とすることが望ましい。
【0049】
案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、経路案内、主として音声案内の出力タイミングを制御する。ここで、「音声案内の出力タイミング」とは、音声案内の出力回数と案内出力距離とを含む概念である。「案内出力回数」とは、1つの案内地点に対して音声案内を出力する回数を言う。また、「案内出力距離」とは、経路案内における次の案内地点と、その案内地点に関する案内音声を出力する地点との距離を言う。例えば、1つの案内地点について、その手前100m、50m、30mの3つの地点で音声案内を出力する場合、案内出力回数は3回であり、案内出力距離はそれぞれ100m、50m、30mである。
【0050】
基本的には、案内出力制御部105は、非搭載状態では搭載状態よりも案内出力回数を少なくするとともに、案内出力距離を短くする。これは、主として歩行中である非搭載状態では、主として車両走行中である搭載状態より、移動速度が遅いためである。例えば、非搭載状態では、案内出力回数を2回とし、案内出力距離を10m、5mとする。なお、非搭載状態における案内出力回数及び案内出力距離はユーザが任意に設定可能とすることができる。これにより、歩行中に使用するか、自転車で走行中に使用するかなどの状況に応じて適切な案内タイミングで経路案内を出力することが可能となる。
【0051】
また、案内出力制御部105は、非搭載状態で次の案内地点である交差点の手前に別の交差点がある場合には、その交差点を通過した後で音声案内を出力することが好ましい。即ち、次の案内地点である交差点の手前にある最後の交差点を通過した後で音声案内を出力することが好ましい。これにより、歩行中のユーザが手前の交差点を案内地点と間違えることを防止できる。
【0052】
さらに、案内出力制御部105は、非搭載状態において、1度音声案内を出力した後に所定時間が経過してもナビゲーション装置1が案内地点を通過しない場合に、所定時間毎に繰り返し音声案内を出力することとしてもよい。これは、歩行中などにおいては、一時的に走行速度が遅くなったり、どこかに立ち寄ったりして、次の案内地点までの移動に通常以上に時間を要する場合などがあり得るためである。
【0053】
音量制御部106は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、音声案内の音量を変化させる。一般的には、車両の窓を締めて走行する搭載時より、戸外を歩行している非搭載時の方が周囲の雑音が多く、案内音声が聞き難くなるため、非搭載状態の方が案内音声の音量を大きくすることが好ましい。その一方で、歩行中に案内音声があまり大きいと周囲の人に迷惑をかけることもあるので、そのような場合には、非搭載状態の方が案内音声の音量を小さくすることとしてもよい。これらの設定はユーザがいずれかを選択して行うこととしてもよい。なお、上記のいずれかに基本設定を行った後、状況次第でユーザが案内音声の音量を調整できることは言うまでもない。
【0054】
なお、本実施例では、上記のように、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、経路案内や地図表示の手法を異ならせるので、これによりナビゲーション装置1の着脱の不具合やインタフェースの故障などを検出することも可能となる。即ち、例えば、車両への搭載状態で使用しているにも拘わらず、音声案内が案内地点直前まで出力されなかった場合には、ポータブルユニット1xの接続が不完全である、又は、インタフェースが故障しているなどの推定が可能となる。
【0055】
以下、ナビゲーション装置の使用状態に基づいた各種の処理について説明する。
【0056】
[案内出力タイミング制御]
まず、経路案内における案内出力タイミング制御について説明する。
【0057】
図3は、案内出力タイミング制御の第1例のフローチャートである。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び案内出力制御部105として機能することにより実現される。
【0058】
まず、システムコントローラ20は、ユーザによる目的地の設定を受け取り(ステップS101)、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS102)。目的地に到着した場合(ステップS102;Yes)、処理は終了する。一方、目的地に到着していない場合(ステップS102;No)、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0059】
搭載状態である場合(ステップS103;Yes)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を搭載状態用の値に設定する(ステップS104)。前述の例では、案内出力制御部105は、案内出力回数を3回、案内出力距離を100m、50m、30mに設定する。一方、非搭載状態である場合(ステップS103;No)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を非搭載状態用の値に設定する(ステップS105)。前述の例では、案内出力制御部105は、案内出力回数を2回、案内出力距離を10m、5mに設定する。
【0060】
次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定し(ステップS106)、案内出力距離内に入っていれば(ステップS106;Yes)、音声案内を出力する(ステップS107)。一方、案内出力距離に入っていない場合(ステップS106;No)、処理はステップS101へ戻る。
【0061】
以上のように、音声出力タイミング制御の第1例によれば、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、音声案内の出力タイミング、即ち、案内出力回数及び案内出力距離が変化するので、車両での走行中であるか、歩行中であるかなどに応じて、適切なタイミングで経路案内を実行することができる。
【0062】
図4は、案内出力タイミング制御の第2例のフローチャートである。この例では、ナビゲーション装置1が非搭載状態である場合には、次の案内地点より手前に別の交差点があるか否かを判定し、次の案内地点より手前に交差点が無くなった時点で音声案内を出力する。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び案内出力制御部105として機能することにより実現される。
【0063】
図4において、ステップS111〜S113は図3に示すステップS101〜103と同様であるので説明は省略する。ステップS113において、ナビゲーション装置1が搭載状態であると判断された場合(ステップS113;Yes)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を搭載状態用の値に設定する(ステップS114)。次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定し(ステップS115)、案内出力距離内に入っていれば(ステップS115;Yes)、音声案内を出力する(ステップS116)。一方、案内出力距離に入っていない場合(ステップS115;No)、処理はステップS111へ戻る。
【0064】
一方、ステップS113において、ナビゲーション装置1が非搭載状態であると判断された場合(ステップS113;No)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を非搭載状態用の値に設定する(ステップS117)。次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定する(ステップS118)。案内出力距離内に入って以内場合(ステップS118;No)、処理はステップS111へ戻る。一方、案内出力距離内に入っていれば(ステップS118;Yes)、次の案内地点前に別の交差点があるか否かを判定する(ステップS119)。この判定は、例えばデータ記憶ユニット36に記憶した地図データを参照することにより行われる。また、交差点の有無の判定には、道路の分岐があるか否かの判定も含まれるようにしてもよい。
【0065】
案内地点前に交差点がある場合(ステップS119;Yes)、音声案内は出力されず、処理はS111へ戻る。これにより、ユーザが手前に存在する交差点を案内地点であると誤認識することが防止される。一方、案内地点前に交差点が無い場合(ステップS119;No)、案内出力制御部105は音声案内を出力する(ステップS116)。
【0066】
図5は、案内出力タイミング制御の第3例のフローチャートである。この例では、ナビゲーション装置1が非搭載状態である場合において、1度音声案内を出力した後に所定時間が経過してもナビゲーション装置1が案内地点を通過しない場合には、音声案内を繰り返し行う。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び案内出力制御部105として機能することにより実現される。
【0067】
図5において、ステップS121〜S126は、図4に示すステップS111〜116と同様であるので説明は省略する。ステップS123において、ナビゲーション装置1が搭載状態でないと判断された場合(ステップS123;No)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を非搭載状態用の値に設定する(ステップS127)。
【0068】
次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定する(ステップS128)。案内出力距離に入っていない場合(ステップS128;No)、処理はステップS121へ戻る。一方、案内出力距離内に入っていれば(ステップS128;Yes)、音声案内を出力する(ステップS129)。続いて、案内出力制御部105は時間計測を開始し(ステップS130)、ナビゲーション装置1が次の案内地点に到達したか否かを判定する(ステップS131)。次の案内地点に到達した場合(ステップS131;Yes)、処理はステップS121へ戻る。
【0069】
一方、次の案内地点に到達しない場合(ステップS131;No)、案内出力制御部105は一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS132)。一定時間が経過した場合(ステップS132;Yes)、案内出力制御部105は音声案内を出力し(ステップS133)、計測時間をリセットする(ステップS134)。その後、処理はステップS130へ戻る。こうして、ナビゲーション装置1が次の案内地点に到達する(ステップS131;Yes)までの間は、一定時間が経過する度に音声案内が出力される。これにより、ユーザの歩行が遅い場合などにおいても、適切に経路案内を継続することができる。
【0070】
[地図縮尺制御]
次に、地図縮尺制御について説明する。図6は、地図縮尺制御のフローチャートである。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び地図縮尺制御部102として機能することにより実現される。
【0071】
まず、使用状態検出部101は、ナビゲーション装置1が搭載状態であるか非搭載状態であるかを判定する(ステップS201)。搭載状態である場合(ステップS201;Yes)、処理は後述するステップ205へ進む。一方、搭載状態でない場合(ステップS201;No)、地図縮尺制御部102は現在の表示地図が詳細地図であるか否かを判定する(ステップS202)。ここで、「詳細地図」とは、最も詳細な地図表示を行う縮尺の地図であり、予め決められた縮尺のものである。
【0072】
現在の表示地図が詳細地図である場合(ステップS202;Yes)、処理はステップS205へ進む。一方、詳細地図で無い場合(ステップS202;No)、地図縮尺制御部102は表示地図を、詳細地図に変更する(ステップS203)。次に、地図縮尺制御部201は、詳細地図の縮尺を描画縮尺として記憶する(ステップS204)。なお、「描画縮尺」とは、地図表示に使用される地図の縮尺である。
【0073】
次に、地図縮尺制御部102は、ユーザの操作などにより、縮尺の変更がなされたか否かを判定する(ステップS205)。縮尺が変更された場合(ステップS205;Yes)、変更後の縮尺が描画縮尺として記憶される(ステップS206)。一方、変更後の縮尺が変更されない場合(ステップS205;No)、処理はステップS207へ進む。よってこの場合は描画縮尺の変更はなされない。その後、地図縮尺制御部102は、現在記憶されている描画縮尺で地図を表示する(ステップS207)。
【0074】
次に、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS208)、オフされていない場合には(ステップS208;No)、処理はステップS201へ戻る。電源がオフされた場合(ステップS208;Yes)、処理は終了する。
【0075】
このように、地図縮尺制御によれば、ナビゲーション装置1が非搭載モードとなったときには、表示地図が所定の縮尺の詳細地図に自動的に変更されるので、歩行などによる移動速度に応じた適切な縮尺の地図が表示される。
【0076】
[道塗り態様制御]
次に、経路案内における道塗り態様制御について説明する。「道塗り」とは、経路案内時の表示地図上において、案内経路を色つきの太線などにより示す表示をいう。本実施例では、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、道塗りの態様を異ならせる。
【0077】
図7に道塗り態様制御のフローチャートを示す。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び道塗り態様制御部103として機能することにより実現される。
【0078】
まず、システムコントローラ20は、ユーザによる目的地の設定を受け取り(ステップS301)、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS302)。目的地に到着した場合(ステップS302;Yes)、処理は終了する。一方、目的地に到着していない場合(ステップS302;No)、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0079】
搭載状態である場合(ステップS303;Yes)、道塗り態様制御部103は、搭載状態の態様で道塗りを行って地図を表示する(ステップS304)。一方、搭載状態でない場合(ステップS303;No)、道塗り態様制御部103は、非搭載状態の態様で道塗りを行って地図を表示する(ステップS305)。
【0080】
以下、搭載状態と非搭載状態の道塗りの態様を例示して説明する。図8(a)及び(b)は道塗りの線の種類を変える例である。図8(a)、(b)において、地図表示画面200a、200bには自車位置マーク201と、道塗りされた案内経路202a、202bが示されている。例えば、搭載状態においては図8(a)に示すように案内経路202aは実線で道塗りされ、非搭載状態においては図8(b)に示すように案内経路202bが破線により道塗りされる。なお、逆に、搭載状態を破線の道塗りとし、非搭載状態を実線の道塗りとしてもよい。
【0081】
図9(a)、(b)は搭載状態における道塗りの他の例を示す。図9(a)に示す地図表示画面210aでは、搭載状態の案内経路211は道路全体が道塗りされている。また、図9(b)に示す地図表示画面210bでは、搭載状態の案内経路212は道路の中央が道塗りされている。これに対し、図10(a)、(b)は非搭載状態における道塗りの他の例を示す。図10(a)に示す地図表示画面210cでは、非搭載状態の案内経路213は道路の左側のみが道塗りされている。この場合、歩行者に対する経路案内として、ナビゲーション装置1は道路の左側を通行することを勧めている。また、図10(b)に示す地図表示画面210dでは、非搭載状態の案内経路214は道路の右側のみが道塗りされている。この場合、歩行者に対する経路案内として、ナビゲーション装置1は道路の右側を通行することを勧めている。
【0082】
このように、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて道塗りの態様を異ならせることにより、車両での走行中と歩行中のいずれにおいても、適切な経路案内を提供することができる。
【0083】
[ディスプレイ輝度制御]
次に、ディスプレイ輝度制御について説明する。ディスプレイ輝度制御は、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、地図などを表示するディスプレイ44の明るさを制御するものである。本実施例では、ディスプレイ44は液晶表示装置であるとし、そのバックライトユニット45の輝度を調整するものとする。
【0084】
図11にディスプレイ輝度制御のフローチャートを示す。この処理は、システムコントローラ20内のCPU20が使用状態検出部101及び輝度調整部104として機能することにより実現される。
【0085】
まず、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS401)。搭載状態である場合(ステップS401;Yes)、輝度調整部104はバックライトユニット45の輝度を搭載状態用輝度に設定する(ステップS402)。一方、搭載状態で無い場合(ステップS401;No)、輝度調整部104はバックライトユニット45の輝度を非搭載状態用輝度に設定する(ステップS403)。なお、搭載状態用輝度と非搭載状態用輝度は前述のように、具体的な環境やユーザの嗜好などに基づいて予め決定される。
【0086】
次に、輝度調整部104は、実際のバックライトユニット45の輝度を、ステップS402又はS403で設定された輝度に変更する(ステップS404)。そして、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS405)、オフされていない場合には(ステップS405:No)、処理はステップS201へ戻る。一方、電源がオフされた場合(ステップS405;Yes)、処理は終了する。
【0087】
このように、ディスプレイ輝度制御によれば、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、ディスプレイ44の輝度が自動的に切り替わるので、使用状態に応じて適切な輝度で地図などの表示がなされる。
【0088】
[案内音量制御]
次に、案内音量制御について説明する。案内音量制御は、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、主として経路案内における案内音声の音量を制御するものである。
【0089】
図12に案内音量制御のフローチャートを示す。この処理は、システムコントローラ20内のCPU20が使用状態検出部101及び音量制御部106として機能することにより実現される。
【0090】
まず、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS501)。搭載状態である場合(ステップS501;Yes)、音量制御部106は案内音量を搭載状態用音量に設定する(ステップS502)。一方、搭載状態で無い場合(ステップS501;No)、音量制御部106は案内音量を非搭載状態用音量に設定する(ステップS503)。なお、搭載状態用音量と非搭載状態用音量は前述のように、具体的な環境やユーザの嗜好などに基づいて予め決定される。
【0091】
次に、音量制御部106は、ステップS502又はS503において設定された案内音量に応じてアンプ52の音量設定を変更する(ステップS504)。これにより、スピーカ53から出力される案内音声の音量が変更される。
【0092】
そして、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS505)、オフされていない場合には(ステップS505:No)、処理はステップS501へ戻る。一方、電源がオフされた場合(ステップS505;Yes)、処理は終了する。
【0093】
このように、案内音量制御によれば、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、経路案内における案内音声の音量が自動的に変化するので、使用状態に応じて適切な音量で経路案内を提供することができる。
【0094】
[変形例]
上記の実施例では、本発明を着脱可能なポータブルユニットを有するカーナビゲーション装置に適用しているが、本発明の適用はこれには限定されない。例えば、GPS機能を備える携帯電話、小型の可搬性端末装置、ゲーム機などが歩行者用のナビゲーション機能を有し、車載キットなどを利用することにより車載用ナビゲーション装置としても使用することができるような場合にも本発明を適用することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体から着脱可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などの移動体に搭載した状態で使用可能であるとともに、移動体から取り外して外部に持ち出し、歩行時などに使用可能なナビゲーション装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−165889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置において経路案内を実行する場合、車両への搭載時と非搭載時(一般には、歩行中の使用時など)とでは好適な案内タイミングが異なってくる。例えば、歩行中のユーザの速度を精度良く取得することは難しく、一時的に歩行を停止する場合などもあるので、ユーザが次の交差点に到達する時間を予測することは困難である。このため、次の案内地点までの距離に基づいて経路案内を行うことが適当であると考えられるが、車載時と歩行時とでは移動速度が大きく異なるので、車載時に適切な経路案内タイミングと歩行時に適切な経路案内タイミングとは異なる。例えば、車載時には次の案内地点までの距離が100m、50m、30mの地点で経路案内を出力するものとする。この場合、歩行時にも同じタイミングで経路案内を出力することとすると、案内が早すぎてしまう。また、このような場合、現在位置から次の案内地点である交差点までの間に別の交差点が存在すると、ユーザは混乱を招くことになる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、移動体に搭載した状態と移動体に搭載していない状態の両方で適切な経路案内が可能なナビゲーション装置及び経路案内方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置であって、非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とする。
【0007】
請求項8に記載の発明は、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内方法であって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項9に記載の発明は、コンピュータを有し、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内プログラムであって、非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力するように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】システムコントローラの機能ブロック図である。
【図3】案内出力タイミング制御の第1例のフローチャートである。
【図4】案内出力タイミング制御の第2例のフローチャートである。
【図5】案内出力タイミング制御の第3例のフローチャートである。
【図6】地図縮尺制御のフローチャートである。
【図7】道塗り態様制御のフローチャートである。
【図8】ナビゲーション装置の使用状態に応じた道塗り態様の例を示す。
【図9】ナビゲーション装置の使用状態に応じた道塗り態様の例を示す。
【図10】ナビゲーション装置の使用状態に応じた道塗り態様の例を示す。
【図11】ディスプレイ輝度制御のフローチャートである。
【図12】案内音声制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0010】
10 自立測位装置
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
40 表示ユニット
60 入力装置
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の好適な実施形態では、移動体に着脱可能なナビゲーション装置は、前記移動体に取り付けられた搭載状態であるか、前記移動体から取り外された非搭載状態であるかを検出する使用状態検出手段と、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、異なる態様で経路案内を実行する経路案内手段と、を備える。
【0012】
上記のナビゲーション装置は、車両などの移動体に対して着脱可能に構成される。車両に搭載された状態で経路案内が可能であるとともに、移動体から取り外した状態でも、ユーザが歩行中に携帯し、ナビゲーション装置として使用することができる。移動体に取り付けられた搭載状態であるか、取り外された非搭載状態であるかは使用状態検出手段により検出される。そして、搭載状態と非搭載状態とでは、異なる態様で経路案内が実行される。よって、車両の走行中であるか歩行中であるかなどの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。
【0013】
上記のナビゲーション装置の一態様では、前記経路案内手段は、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、経路案内の出力タイミングを異ならせる。これにより、車両の走行速度と人間の歩行速度の相違を考慮して、適切なタイミングで経路案内を提供することが可能となる。好適な例では、前記経路案内手段は、経路案内を出力する回数、及び/又は、次の案内地点と経路案内を出力する地点との距離である案内出力距離を異ならせる。
【0014】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内手段は、非搭載状態においては、次の案内地点までに交差点が存在しなくなってから経路案内を出力する。非搭載状態においては走行速度が遅いため、案内地点の手前に別の交差点が存在すると、ユーザがその交差点を案内地点と誤る可能性がある。そこで、別の交差点が無くなってから経路案内を出力することにより、そのような誤認識を防止する。
【0015】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内手段は、非搭載状態においては、経路案内を一度出力した後、次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に経路案内を出力する。非搭載状態においては走行速度が遅いため、経路案内を出力してから案内地点に到達するまでに時間を要する場合がある。よって、案内地点に到達するまでは所定時間毎に繰り返し経路案内を出力する。
【0016】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記搭載状態から前記非搭載状態に変化したときに、前記地図の縮尺を最も詳細な地図の縮尺に変更する。主として歩行中に相当する非搭載状態では、走行速度が遅いので最も詳細な地図を表示することが好ましい。
【0017】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、前記経路案内手段は、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、相互に識別可能な異なる表示態様で前記地図上に案内経路を表示する。これにより、それぞれの状態に応じた適切な態様で案内経路を表示することができる。
【0018】
上記のナビゲーション装置の他の一態様は、地図を表示する表示装置と、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、前記表示装置の輝度を異ならせる輝度調整手段と、を備える。車両などへの搭載状態と、歩行中などの非搭載状態では、バッテリー容量や周辺の明るさなどが異なるので、状況に応じて表示装置の輝度を調整することが好ましい。
【0019】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記経路案内手段は音声案内を出力し、前記搭載状態と前記非搭載状態とで前記音声案内の音量を変化させる。車両などへの搭載状態と、歩行中などの非搭載状態では、周囲の騒音レベルなどが異なるので、状況に応じて音声案内の音量を調整することが好ましい。
【0020】
上記のナビゲーション装置の好適な例では、前記移動体にはセンサが設けられており、前記使用状態検出手段は、前記センサからの出力信号の有無に基づいて、前記搭載状態であるか前記非搭載状態であるかを判定する。
【0021】
本発明の他の好適な実施形態では、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内方法は、前記移動体に取り付けられた搭載状態であるか、前記移動体から取り外された非搭載状態であるかを検出する使用状態検出工程と、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、異なる態様で経路案内を実行する経路案内工程と、を有する。搭載状態と非搭載状態とでは異なる態様で経路案内が実行されるので、車両の走行中であるか歩行中であるかなどの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。
【0022】
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを有し、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内プログラムは、前記移動体に取り付けられた搭載状態であるか、前記移動体から取り外された非搭載状態であるかを検出する使用状態検出手段、及び、前記搭載状態と前記非搭載状態とで、異なる態様で経路案内を実行する経路案内手段、として前記コンピュータを機能させる。搭載状態と非搭載状態とでは異なる態様で経路案内が実行されるので、車両の走行中であるか歩行中であるかなどの状況の相違に応じて、適切な経路案内が可能となる。なお、上記の経路案内プログラムは記憶媒体に記憶して取り扱うことが好適である。
【実施例】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0024】
[ナビゲーション装置]
図1に、本発明の実施例に係るナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0025】
なお、本実施例に係るナビゲーション装置1は、車両などの移動体に着脱可能に構成されている。具体的には、図1に示す自立測位装置10は車両に固定的に搭載される。一方、自立測位装置10以外の構成要素は、車両から取り外し可能なポータブルユニット1xとして構成されている。
【0026】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0027】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0028】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU22、ROM23及びRAM24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0029】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0030】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0031】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。なお、ディスクドライブ31は、ポータブルユニット1xの外部に設けられ、車両に固定されていてもよい。
【0032】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
【0033】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。
【0034】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイ44などの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データを、ディスプレイ44の表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0035】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、ディスクドライブ31、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0036】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0037】
図2は、本実施例により経路案内や地図表示などを行うための機能構成を示すブロック図である。本実施例において経路案内や地図表示などの各種処理を実行するシステムコントローラ20は、図1にも示すように、自立測位装置10、表示ユニット40及び音声出力ユニット50に接続されている。表示ユニット40はディスプレイ44を備える。ディスプレイ44は例えば液晶表示装置であり、バックライトユニット45を備えている。
【0038】
システムコントローラ20は自立測位装置10を構成する各種センサ11〜13からの出力データを取得するためのインタフェース21を備える。また、前述のように、インタフェース21は、図示しないコネクタなどを備え、自立測位装置10から取り外し可能となっている。
【0039】
システムコントローラ20は、RAM24に記憶されたプログラムを実行することにより、使用状態検出部101、地図縮尺制御部102、道塗り態様制御部103、輝度調整部104、案内出力制御部105、音量制御部106として機能する。
【0040】
使用状態検出部101は、ナビゲーション装置1の使用状態を検出する。具体的には、使用状態検出部101は、ナビゲーション装置1のポータブルユニット1xが移動体への搭載状態か、非搭載状態かを検出する。使用状態の検出方法は、以下のようにいくつか考えられる。
【0041】
第1の検出方法は、自立測位装置10内の距離センサ13から出力される車速パルスを利用する。即ち、距離センサ13から車速パルスが供給されている場合にナビゲーション装置1(のポータブルユニット1x)は搭載状態であると判定し、車速パルスが供給されていない場合にナビゲーション装置1は非搭載状態であると判定する。
【0042】
第2の検出方法は、振動センサや加速度センサなどから出力される信号レベルの振動の有無を利用する。例えば、自立測位装置10内の加速度センサ11から出力される信号レベルが所定周期で変化しない場合にナビゲーション装置1は搭載状態であると判定し、信号レベルが所定周期で変化する場合にナビゲーション装置1は非搭載状態であると判定する。
【0043】
第3の検出方法は、インタフェース21の電気的な接続状態を利用する方法である。即ち、インタフェース21のコネクタの電位などを検出することにより、移動体に取り付けられている自立測位装置10にポータブルユニット1xが接続されているか否かを判定する。なお、上記の検出方法は例示であり、本発明では、上記以外の手法によりナビゲーション装置1の使用状態を検出してもかまわない。
【0044】
使用状態検出部101は、上記のような方法でナビゲーション装置1の使用状態が搭載状態であるか非搭載状態であるかを検出し、その結果を地図縮尺制御部102、道塗り態様制御部103、輝度調整部104、案内出力制御部105及び音量制御部106へ供給する。
【0045】
地図縮尺制御部102は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、ディスプレイ44に表示する地図の縮尺を変更する。具体的には、ナビゲーション装置1の搭載状態においては、地図縮尺制御部102はユーザが指定した縮尺で地図を表示する。一方、ナビゲーション装置1が車両から取り外され、非搭載状態となったときには、地図縮尺制御部102は最も詳細な地図が表示されるように地図の縮尺を変更する。これは、基本的に非搭載状態ではユーザは歩行中にナビゲーション装置1を使用すると考えられるため、移動速度(歩行速度)は十分に低く、最も詳細な地図を表示するのが適切だからである。なお、非搭載状態において、例えばユーザが自転車を利用するなどの場合も想定できるので、非搭載状態への変更時に自動的に表示される地図の縮尺はユーザの操作により変更可能とすることが望ましい。
【0046】
道塗り態様制御部103は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、経路案内の表示態様、より詳しくはディスプレイ44に表示される案内経路の道塗りの態様を変更する。即ち、搭載状態と非搭載状態とで、地図中に表示される案内経路が、相互に識別可能な異なる表示態様で表示されるようにする。具体例は後述するが、例えばナビゲーション装置1の使用状態に応じて、道塗りの色を変える、実線と破線などの線の種類を使い分ける、道路に対する道塗りの表示位置や太さなどを変える、などの方法が挙げられる。
【0047】
輝度調整部104は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、ディスプレイ44の明るさ、より具体的にはバックライトユニット45の輝度を調整する。具体的には、ナビゲーション装置1が搭載状態の場合には、電源として車両のバッテリーを使用できるので、バックライトユニット45の輝度を高く設定し、明るい表示を行う。一方、非搭載状態の場合には、ポータブルユニット1xのバッテリー容量に制限があるので、バックライトユニット45の輝度を低く変更する。これにより、携帯使用時のバッテリーの消耗を軽減することができる。
【0048】
なお、昼間の歩行時などで周囲が明るいため、非搭載状態でも明るい表示が求められることもある。よって、搭載状態と非搭載状態において輝度調整部104により調整される輝度は、ユーザが予め設定又は調整可能とすることが望ましい。
【0049】
案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、経路案内、主として音声案内の出力タイミングを制御する。ここで、「音声案内の出力タイミング」とは、音声案内の出力回数と案内出力距離とを含む概念である。「案内出力回数」とは、1つの案内地点に対して音声案内を出力する回数を言う。また、「案内出力距離」とは、経路案内における次の案内地点と、その案内地点に関する案内音声を出力する地点との距離を言う。例えば、1つの案内地点について、その手前100m、50m、30mの3つの地点で音声案内を出力する場合、案内出力回数は3回であり、案内出力距離はそれぞれ100m、50m、30mである。
【0050】
基本的には、案内出力制御部105は、非搭載状態では搭載状態よりも案内出力回数を少なくするとともに、案内出力距離を短くする。これは、主として歩行中である非搭載状態では、主として車両走行中である搭載状態より、移動速度が遅いためである。例えば、非搭載状態では、案内出力回数を2回とし、案内出力距離を10m、5mとする。なお、非搭載状態における案内出力回数及び案内出力距離はユーザが任意に設定可能とすることができる。これにより、歩行中に使用するか、自転車で走行中に使用するかなどの状況に応じて適切な案内タイミングで経路案内を出力することが可能となる。
【0051】
また、案内出力制御部105は、非搭載状態で次の案内地点である交差点の手前に別の交差点がある場合には、その交差点を通過した後で音声案内を出力することが好ましい。即ち、次の案内地点である交差点の手前にある最後の交差点を通過した後で音声案内を出力することが好ましい。これにより、歩行中のユーザが手前の交差点を案内地点と間違えることを防止できる。
【0052】
さらに、案内出力制御部105は、非搭載状態において、1度音声案内を出力した後に所定時間が経過してもナビゲーション装置1が案内地点を通過しない場合に、所定時間毎に繰り返し音声案内を出力することとしてもよい。これは、歩行中などにおいては、一時的に走行速度が遅くなったり、どこかに立ち寄ったりして、次の案内地点までの移動に通常以上に時間を要する場合などがあり得るためである。
【0053】
音量制御部106は、ナビゲーション装置1の使用状態に基づいて、音声案内の音量を変化させる。一般的には、車両の窓を締めて走行する搭載時より、戸外を歩行している非搭載時の方が周囲の雑音が多く、案内音声が聞き難くなるため、非搭載状態の方が案内音声の音量を大きくすることが好ましい。その一方で、歩行中に案内音声があまり大きいと周囲の人に迷惑をかけることもあるので、そのような場合には、非搭載状態の方が案内音声の音量を小さくすることとしてもよい。これらの設定はユーザがいずれかを選択して行うこととしてもよい。なお、上記のいずれかに基本設定を行った後、状況次第でユーザが案内音声の音量を調整できることは言うまでもない。
【0054】
なお、本実施例では、上記のように、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、経路案内や地図表示の手法を異ならせるので、これによりナビゲーション装置1の着脱の不具合やインタフェースの故障などを検出することも可能となる。即ち、例えば、車両への搭載状態で使用しているにも拘わらず、音声案内が案内地点直前まで出力されなかった場合には、ポータブルユニット1xの接続が不完全である、又は、インタフェースが故障しているなどの推定が可能となる。
【0055】
以下、ナビゲーション装置の使用状態に基づいた各種の処理について説明する。
【0056】
[案内出力タイミング制御]
まず、経路案内における案内出力タイミング制御について説明する。
【0057】
図3は、案内出力タイミング制御の第1例のフローチャートである。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び案内出力制御部105として機能することにより実現される。
【0058】
まず、システムコントローラ20は、ユーザによる目的地の設定を受け取り(ステップS101)、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS102)。目的地に到着した場合(ステップS102;Yes)、処理は終了する。一方、目的地に到着していない場合(ステップS102;No)、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0059】
搭載状態である場合(ステップS103;Yes)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を搭載状態用の値に設定する(ステップS104)。前述の例では、案内出力制御部105は、案内出力回数を3回、案内出力距離を100m、50m、30mに設定する。一方、非搭載状態である場合(ステップS103;No)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を非搭載状態用の値に設定する(ステップS105)。前述の例では、案内出力制御部105は、案内出力回数を2回、案内出力距離を10m、5mに設定する。
【0060】
次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定し(ステップS106)、案内出力距離内に入っていれば(ステップS106;Yes)、音声案内を出力する(ステップS107)。一方、案内出力距離に入っていない場合(ステップS106;No)、処理はステップS101へ戻る。
【0061】
以上のように、音声出力タイミング制御の第1例によれば、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、音声案内の出力タイミング、即ち、案内出力回数及び案内出力距離が変化するので、車両での走行中であるか、歩行中であるかなどに応じて、適切なタイミングで経路案内を実行することができる。
【0062】
図4は、案内出力タイミング制御の第2例のフローチャートである。この例では、ナビゲーション装置1が非搭載状態である場合には、次の案内地点より手前に別の交差点があるか否かを判定し、次の案内地点より手前に交差点が無くなった時点で音声案内を出力する。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び案内出力制御部105として機能することにより実現される。
【0063】
図4において、ステップS111〜S113は図3に示すステップS101〜103と同様であるので説明は省略する。ステップS113において、ナビゲーション装置1が搭載状態であると判断された場合(ステップS113;Yes)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を搭載状態用の値に設定する(ステップS114)。次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定し(ステップS115)、案内出力距離内に入っていれば(ステップS115;Yes)、音声案内を出力する(ステップS116)。一方、案内出力距離に入っていない場合(ステップS115;No)、処理はステップS111へ戻る。
【0064】
一方、ステップS113において、ナビゲーション装置1が非搭載状態であると判断された場合(ステップS113;No)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を非搭載状態用の値に設定する(ステップS117)。次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定する(ステップS118)。案内出力距離内に入って以内場合(ステップS118;No)、処理はステップS111へ戻る。一方、案内出力距離内に入っていれば(ステップS118;Yes)、次の案内地点前に別の交差点があるか否かを判定する(ステップS119)。この判定は、例えばデータ記憶ユニット36に記憶した地図データを参照することにより行われる。また、交差点の有無の判定には、道路の分岐があるか否かの判定も含まれるようにしてもよい。
【0065】
案内地点前に交差点がある場合(ステップS119;Yes)、音声案内は出力されず、処理はS111へ戻る。これにより、ユーザが手前に存在する交差点を案内地点であると誤認識することが防止される。一方、案内地点前に交差点が無い場合(ステップS119;No)、案内出力制御部105は音声案内を出力する(ステップS116)。
【0066】
図5は、案内出力タイミング制御の第3例のフローチャートである。この例では、ナビゲーション装置1が非搭載状態である場合において、1度音声案内を出力した後に所定時間が経過してもナビゲーション装置1が案内地点を通過しない場合には、音声案内を繰り返し行う。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び案内出力制御部105として機能することにより実現される。
【0067】
図5において、ステップS121〜S126は、図4に示すステップS111〜116と同様であるので説明は省略する。ステップS123において、ナビゲーション装置1が搭載状態でないと判断された場合(ステップS123;No)、案内出力制御部105は、案内出力回数及び案内出力距離を非搭載状態用の値に設定する(ステップS127)。
【0068】
次に、案内出力制御部105は、ナビゲーション装置1が、次の案内地点を基準として、案内出力距離内に入ったか否かを判定する(ステップS128)。案内出力距離に入っていない場合(ステップS128;No)、処理はステップS121へ戻る。一方、案内出力距離内に入っていれば(ステップS128;Yes)、音声案内を出力する(ステップS129)。続いて、案内出力制御部105は時間計測を開始し(ステップS130)、ナビゲーション装置1が次の案内地点に到達したか否かを判定する(ステップS131)。次の案内地点に到達した場合(ステップS131;Yes)、処理はステップS121へ戻る。
【0069】
一方、次の案内地点に到達しない場合(ステップS131;No)、案内出力制御部105は一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS132)。一定時間が経過した場合(ステップS132;Yes)、案内出力制御部105は音声案内を出力し(ステップS133)、計測時間をリセットする(ステップS134)。その後、処理はステップS130へ戻る。こうして、ナビゲーション装置1が次の案内地点に到達する(ステップS131;Yes)までの間は、一定時間が経過する度に音声案内が出力される。これにより、ユーザの歩行が遅い場合などにおいても、適切に経路案内を継続することができる。
【0070】
[地図縮尺制御]
次に、地図縮尺制御について説明する。図6は、地図縮尺制御のフローチャートである。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び地図縮尺制御部102として機能することにより実現される。
【0071】
まず、使用状態検出部101は、ナビゲーション装置1が搭載状態であるか非搭載状態であるかを判定する(ステップS201)。搭載状態である場合(ステップS201;Yes)、処理は後述するステップ205へ進む。一方、搭載状態でない場合(ステップS201;No)、地図縮尺制御部102は現在の表示地図が詳細地図であるか否かを判定する(ステップS202)。ここで、「詳細地図」とは、最も詳細な地図表示を行う縮尺の地図であり、予め決められた縮尺のものである。
【0072】
現在の表示地図が詳細地図である場合(ステップS202;Yes)、処理はステップS205へ進む。一方、詳細地図で無い場合(ステップS202;No)、地図縮尺制御部102は表示地図を、詳細地図に変更する(ステップS203)。次に、地図縮尺制御部201は、詳細地図の縮尺を描画縮尺として記憶する(ステップS204)。なお、「描画縮尺」とは、地図表示に使用される地図の縮尺である。
【0073】
次に、地図縮尺制御部102は、ユーザの操作などにより、縮尺の変更がなされたか否かを判定する(ステップS205)。縮尺が変更された場合(ステップS205;Yes)、変更後の縮尺が描画縮尺として記憶される(ステップS206)。一方、変更後の縮尺が変更されない場合(ステップS205;No)、処理はステップS207へ進む。よってこの場合は描画縮尺の変更はなされない。その後、地図縮尺制御部102は、現在記憶されている描画縮尺で地図を表示する(ステップS207)。
【0074】
次に、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS208)、オフされていない場合には(ステップS208;No)、処理はステップS201へ戻る。電源がオフされた場合(ステップS208;Yes)、処理は終了する。
【0075】
このように、地図縮尺制御によれば、ナビゲーション装置1が非搭載モードとなったときには、表示地図が所定の縮尺の詳細地図に自動的に変更されるので、歩行などによる移動速度に応じた適切な縮尺の地図が表示される。
【0076】
[道塗り態様制御]
次に、経路案内における道塗り態様制御について説明する。「道塗り」とは、経路案内時の表示地図上において、案内経路を色つきの太線などにより示す表示をいう。本実施例では、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、道塗りの態様を異ならせる。
【0077】
図7に道塗り態様制御のフローチャートを示す。この処理は、システムコントローラ20内のCPU22が使用状態検出部101及び道塗り態様制御部103として機能することにより実現される。
【0078】
まず、システムコントローラ20は、ユーザによる目的地の設定を受け取り(ステップS301)、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS302)。目的地に到着した場合(ステップS302;Yes)、処理は終了する。一方、目的地に到着していない場合(ステップS302;No)、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0079】
搭載状態である場合(ステップS303;Yes)、道塗り態様制御部103は、搭載状態の態様で道塗りを行って地図を表示する(ステップS304)。一方、搭載状態でない場合(ステップS303;No)、道塗り態様制御部103は、非搭載状態の態様で道塗りを行って地図を表示する(ステップS305)。
【0080】
以下、搭載状態と非搭載状態の道塗りの態様を例示して説明する。図8(a)及び(b)は道塗りの線の種類を変える例である。図8(a)、(b)において、地図表示画面200a、200bには自車位置マーク201と、道塗りされた案内経路202a、202bが示されている。例えば、搭載状態においては図8(a)に示すように案内経路202aは実線で道塗りされ、非搭載状態においては図8(b)に示すように案内経路202bが破線により道塗りされる。なお、逆に、搭載状態を破線の道塗りとし、非搭載状態を実線の道塗りとしてもよい。
【0081】
図9(a)、(b)は搭載状態における道塗りの他の例を示す。図9(a)に示す地図表示画面210aでは、搭載状態の案内経路211は道路全体が道塗りされている。また、図9(b)に示す地図表示画面210bでは、搭載状態の案内経路212は道路の中央が道塗りされている。これに対し、図10(a)、(b)は非搭載状態における道塗りの他の例を示す。図10(a)に示す地図表示画面210cでは、非搭載状態の案内経路213は道路の左側のみが道塗りされている。この場合、歩行者に対する経路案内として、ナビゲーション装置1は道路の左側を通行することを勧めている。また、図10(b)に示す地図表示画面210dでは、非搭載状態の案内経路214は道路の右側のみが道塗りされている。この場合、歩行者に対する経路案内として、ナビゲーション装置1は道路の右側を通行することを勧めている。
【0082】
このように、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて道塗りの態様を異ならせることにより、車両での走行中と歩行中のいずれにおいても、適切な経路案内を提供することができる。
【0083】
[ディスプレイ輝度制御]
次に、ディスプレイ輝度制御について説明する。ディスプレイ輝度制御は、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、地図などを表示するディスプレイ44の明るさを制御するものである。本実施例では、ディスプレイ44は液晶表示装置であるとし、そのバックライトユニット45の輝度を調整するものとする。
【0084】
図11にディスプレイ輝度制御のフローチャートを示す。この処理は、システムコントローラ20内のCPU20が使用状態検出部101及び輝度調整部104として機能することにより実現される。
【0085】
まず、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS401)。搭載状態である場合(ステップS401;Yes)、輝度調整部104はバックライトユニット45の輝度を搭載状態用輝度に設定する(ステップS402)。一方、搭載状態で無い場合(ステップS401;No)、輝度調整部104はバックライトユニット45の輝度を非搭載状態用輝度に設定する(ステップS403)。なお、搭載状態用輝度と非搭載状態用輝度は前述のように、具体的な環境やユーザの嗜好などに基づいて予め決定される。
【0086】
次に、輝度調整部104は、実際のバックライトユニット45の輝度を、ステップS402又はS403で設定された輝度に変更する(ステップS404)。そして、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS405)、オフされていない場合には(ステップS405:No)、処理はステップS201へ戻る。一方、電源がオフされた場合(ステップS405;Yes)、処理は終了する。
【0087】
このように、ディスプレイ輝度制御によれば、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、ディスプレイ44の輝度が自動的に切り替わるので、使用状態に応じて適切な輝度で地図などの表示がなされる。
【0088】
[案内音量制御]
次に、案内音量制御について説明する。案内音量制御は、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、主として経路案内における案内音声の音量を制御するものである。
【0089】
図12に案内音量制御のフローチャートを示す。この処理は、システムコントローラ20内のCPU20が使用状態検出部101及び音量制御部106として機能することにより実現される。
【0090】
まず、使用状態検出部101はナビゲーション装置1が搭載状態であるか否かを判定する(ステップS501)。搭載状態である場合(ステップS501;Yes)、音量制御部106は案内音量を搭載状態用音量に設定する(ステップS502)。一方、搭載状態で無い場合(ステップS501;No)、音量制御部106は案内音量を非搭載状態用音量に設定する(ステップS503)。なお、搭載状態用音量と非搭載状態用音量は前述のように、具体的な環境やユーザの嗜好などに基づいて予め決定される。
【0091】
次に、音量制御部106は、ステップS502又はS503において設定された案内音量に応じてアンプ52の音量設定を変更する(ステップS504)。これにより、スピーカ53から出力される案内音声の音量が変更される。
【0092】
そして、システムコントローラ20は、ナビゲーション装置1の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS505)、オフされていない場合には(ステップS505:No)、処理はステップS501へ戻る。一方、電源がオフされた場合(ステップS505;Yes)、処理は終了する。
【0093】
このように、案内音量制御によれば、ナビゲーション装置1の使用状態に応じて、経路案内における案内音声の音量が自動的に変化するので、使用状態に応じて適切な音量で経路案内を提供することができる。
【0094】
[変形例]
上記の実施例では、本発明を着脱可能なポータブルユニットを有するカーナビゲーション装置に適用しているが、本発明の適用はこれには限定されない。例えば、GPS機能を備える携帯電話、小型の可搬性端末装置、ゲーム機などが歩行者用のナビゲーション機能を有し、車載キットなどを利用することにより車載用ナビゲーション装置としても使用することができるような場合にも本発明を適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置であって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
経路案内を出力する回数、及び/又は、次の案内地点と経路案内を出力する地点との距離である案内出力距離を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、搭載時の移動体走行状態から非搭載時の歩行状態に変化したときに、前記地図の縮尺を変更することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、
搭載時の移動体走行状態と非搭載時の歩行状態とで、相互に識別可能な異なる表示態様で前記地図上に案内経路を表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
地図を表示する表示装置と、
搭載時の移動体走行状態と非搭載時の歩行状態とで、前記表示装置の輝度を異ならせる輝度調整手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
搭載時の移動体走行状態と非搭載時の歩行状態とで前記音声案内の音量を変化させる音声出力手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記移動体にはセンサが設けられており、
前記センサからの出力信号の有無に基づいて、搭載時の移動体走行状態であるか非搭載時の歩行状態であるかを判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内方法であって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とする経路案内方法。
【請求項9】
コンピュータを有し、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内プログラムであって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力するように前記コンピュータを機能させることを特徴とする経路案内プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の経路案内プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置であって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
経路案内を出力する回数、及び/又は、次の案内地点と経路案内を出力する地点との距離である案内出力距離を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、搭載時の移動体走行状態から非搭載時の歩行状態に変化したときに、前記地図の縮尺を変更することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
表示装置に地図を表示する表示制御手段を備え、
搭載時の移動体走行状態と非搭載時の歩行状態とで、相互に識別可能な異なる表示態様で前記地図上に案内経路を表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
地図を表示する表示装置と、
搭載時の移動体走行状態と非搭載時の歩行状態とで、前記表示装置の輝度を異ならせる輝度調整手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
搭載時の移動体走行状態と非搭載時の歩行状態とで前記音声案内の音量を変化させる音声出力手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記移動体にはセンサが設けられており、
前記センサからの出力信号の有無に基づいて、搭載時の移動体走行状態であるか非搭載時の歩行状態であるかを判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内方法であって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力することを特徴とする経路案内方法。
【請求項9】
コンピュータを有し、移動体に取り付けられた搭載時の移動体走行状態と、前記移動体から取り外された非搭載時の歩行状態とで異なる態様で経路案内を実行する、移動体に着脱可能なナビゲーション装置において実行される経路案内プログラムであって、
非搭載時の歩行状態においては、次の案内地点に到達する前の段階にて当該次の案内地点に関する経路案内を一度出力した後、当該次の案内地点を通過するまでの間は、一定時間毎に当該次の案内地点に関する経路案内を出力するように前記コンピュータを機能させることを特徴とする経路案内プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の経路案内プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−257421(P2011−257421A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173838(P2011−173838)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【分割の表示】特願2007−130231(P2007−130231)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【分割の表示】特願2007−130231(P2007−130231)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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