説明

ナビゲーション装置、音声案内方法、音声案内システム及び入出力装置

【課題】 音声案内処理を迅速に行うことができるナビゲーション装置、音声案内方法、音声案内システム及び入出力装置を提供する。負荷を軽減できるナビゲーション装置、音声案内方法、音声案内システム及び入出力装置を提供する。
【解決手段】 自車位置を検出し、道路データ記憶部14を備えたナビゲーション装置10は、音声データを格納した音声データ記憶部28及び音声再生機能を備えた入出力装置20にケーブル7を介してデータを送受信可能に接続されている。また、道路データ15に基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索し、その案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する。さらに、音声案内対象地点に対する音声案内を構成する音声データのアドレスを、入出力装置20の音声データ記憶部28に接続して取得し、取得した各アドレスを入出力装置20に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、音声案内方法、音声案内システム及び入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されるナビゲーション装置では、自車位置を地図に重ねてディスプレイに表示する現在位置表示機能と、目的地までの最適な経路を探索する経路探索機能と、経路を地図上に表示する経路案内機能とを備えている。また、音声を出力して経路を案内する音声案内機能を備えたナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。このナビゲーション装置は、各音声データを格納した記憶部を備え、自車位置と案内経路とに基づいて、所定のタイミングで音声を出力していた。また、ナビゲーション装置は、交差点等の音声案内対象地点を検出し、音声再生のタイミングを演算しながら、前記記憶部から所望の音声データを1つ又は複数読み出して合成していた。そして、合成した音声データを、再生部(DA変換器)で再生してスピーカに出力していた。
【特許文献1】特開2002−277271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、音声案内を行うための音声データのデータ量は、非常に大きく、音声データの読出処理、合成処理及び再生処理を行うことは、ナビゲーション装置に大きな負荷となる。このため、案内処理のためのその他の処理が遅れ、迅速な経路案内に悪影響を与える可能性がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、音声案内処理を迅速に行うことができるナビゲーション装置、音声案内方法、音声案内システム及び入出力装置を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、負荷を軽減できるナビゲーション装置、音声案内方法、音声案内システム及び入出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置において、各音声データをそれぞれ格納した音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置にデータを送受信可能に接続され、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、前記案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する第1算出手段と、前記音声案内対象地点に対する音声案内のための前記音声データのアドレスを、前記入出力装置の前記音声データ記憶手段にアクセスして取得するアドレス取得手段と、取得した前記各アドレスを前記入出力装置に送信するアドレス送信手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段とを備えるとともに、前記判断手段が、自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記アドレス送信手段が、取得した前記アドレスを前記入出力装置に送信することを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、音声再生命令を前記入出力装置に送信する再生命令送信手段を備えるとともに、前記アドレス送信手段が、自車位置が前記各音声再生地点に到達する前に、複数の前記音声再生地点にそれぞれ対応する前記各音声データの前記各アドレスを、前記各音声再生地点に対応する識別子を付与して前記入出力装置に送信し、前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記再生命令送信手段が、その音声再生地点に対応する前記識別子とともに前記音声再生命令を送信することを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、音声データを格納した音声データ記憶手段及び音声再生手段を備え、前記ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置とを使用して、経路を案内するための音声を出力する音声案内方法であって、前記ナビゲーション装置が、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階と、前記案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する段階と、前記音声案内対象地点に対する音声案内のための音声データのアドレスを、前記入出力装置の前記音声データ記憶手段にアクセスして取得する段階と、取得した前記アドレスを前記入出力装置に送信する段階とを備えることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の音声案内方法において、前記ナビゲーション装置が、前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する段階と、前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する段階とをさらに備えるとともに、前記アドレスを前記入出力装置に送信する段階は、自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記アドレスを前記入出力装置に送信することを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の音声案内方法において、前記ナビゲーション装置が、前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する段階と、前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する段階とを備え、前記アドレスを前記入出力装置に送信する際に、複数の前記音声再生地点に対応する前記各アドレスを、前記各音声再生地点に対応する各識別子を付与して前記入出力装置にそれぞれ送信し、自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、その音声再生地点に対応する前記識別子とともに音声再生命令を送信する段階をさらに備えることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、音声データを格納した音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置とから構成される音声案内システムであって、前記ナビゲーション装置が、前記入出力装置とデータを送受信可能に接続され、前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、前記案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する第1算出手段と、前記音声案内対象地点に対する音声案内のための音声データのアドレスを、前記入出力装置の前記音声データ記憶手段にアクセスして取得するアドレス取得手段と、取得した前記各アドレスを前記入出力装置に送信するアドレス送信手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の音声案内システムにおいて、前記ナビゲーション装置が、前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段とを備えるとともに、前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記アドレス送信手段が、前記アドレスを前記入出力装置に送信することを要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の音声案内システムにおいて、前記ナビゲーション装置が、前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、音声再生命令を前記入出力装置に送信する再生命令送信手段を備えるとともに、前記アドレス送信手段が、自車位置が前記各音声再生地点に到達する前に、複数の前記音声再生地点にそれぞれ対応する前記各音声データの前記各アドレスを、前記各音声再生地点に対応する識別子を付与して前記入出力装置に送信し、前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記再生命令送信手段が、その音声再生地点に対応する前記識別子とともに前記音声再生命令を送信することを要旨とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一つに記載の音声案内システムにおいて、前記入出力装置が、前記ナビゲーション装置から前記アドレスを受信するアドレス受信手段と、受信した前記アドレスに基づいて、前記音声データ記憶手段から音声データを読出す第1読出手段とを備え、前記音声再生手段により、読出された前記音声データを再生することを要旨とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の音声案内システムにおいて、前記入出力装置が、前記第1読出手段により読出された前記各音声データを合成する音声データ合成手段をさらに備えることを要旨とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の音声案内システムにおいて、前記入出力装置の前記アドレス受信手段が、前記アドレスとともに前記音声再生地点に対応する前記識別子を受信し、前記第1読出手段が、前記アドレスに基づいて読出した前記音声データを、前記識別子とともに待機データ記憶手段に一時格納するとともに前記ナビゲーション装置から前記音声再生命令及び前記識別子を受信した際に、その識別子に関連付けられた前記音声データを、前記待機データ記憶手段から読出す第2読出手段を備えたことを要旨とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、自車位置を検出し、自車位置から目的地までの経路を探索するナビゲーション装置に、データを送受信可能に接続される入出力装置であって、音声データと、同音声データのアドレスとを格納した音声データ記憶手段と、前記ナビゲーション装置から受信した前記アドレスに基づいて、前記音声データ記憶手段から前記音声データを読出す第1読出手段と、読出された前記音声データを再生する音声再生手段とを備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置にデータを送受信可能に接続されている。また、ナビゲーション装置は、案内経路を探索する探索手段と、算出した案内経路に基づいて音声案内対象地点を算出する第1算出手段とを備えている。さらに、音声案内対象地点に対する音声案内を構成する音声データのアドレスを取得するアドレス取得手段と、その各アドレスを入出力装置に送信するアドレス送信手段とを備えている。このため、入出力装置は、受信し
たアドレスが付与された音声データを使用して、音声データを再生することができる。従って、音声案内処理の際に、ナビゲーション装置からデータ量が小さいアドレスが送信されるため、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、ナビゲーション装置においてアドレスを取得する処理を行い、入出力装置において、音声データの読出処理、再生処理等を行って、処理動作を分担させるようにしたので、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0020】
請求項2又は8に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段を備えている。また、道路データに基づいて、自車位置が音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段を備えている。そして、判断手段により、自車位置が音声再生地点に到達したと判断した際に、アドレス送信手段は、アドレスを入出力装置に送信する。このため、入出力装置は、自車が音声再生地点に到達した際に、音声データのアドレスを受信して、そのアドレスに基づいて音声再生処理を行うことができる。
【0021】
請求項3又は9に記載の発明によれば、ナビゲーション装置は、音声再生地点を算出する第2算出手段と、自車位置が音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段と、自車位置が音声再生地点に到達した際に、音声再生命令を送信する再生命令送信手段を備える。また、アドレス送信手段は、自車位置が各音声再生地点に到達する前に、複数の音声再生地点に対応する各アドレスを、各音声再生地点に対応する識別子を付与して入出力装置に送信する。このため、入出力装置は、複数の音声再生地点に対する音声データを予め読み出して、準備することができる。
【0022】
さらに、ナビゲーション装置の再生命令送信手段は、自車位置が音声再生地点に到達した際に、その音声再生地点に対応する識別子とともに音声再生命令を送信する。このため、入出力装置は識別子及び音声データに基づいて、音声を再生することができる。従って、自車が音声再生地点に到達した際に、ナビゲーション装置から、データ量の大きい音声データ等ではなく、識別子及び命令が送信されるので、入出力装置による音声再生処理を迅速に行うことができる。このため、各音声再生地点の間の距離が短い場合等にも、適切なタイミングで音声案内を実行することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、自車位置検出手段及び道路データ記憶手段から道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置は、音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置とデータを送受信可能に接続されている。また、音声案内処理の際には、ナビゲーション装置が、道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階を備える。また、算出された案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する段階と、音声案内対象地点に対する音声案内を構成する音声データのアドレスを、入出力装置の音声データ記憶手段にアクセスして取得する段階と、アドレスを入出力装置に送信する段階とを備える。このため、入出力装置は、受信したアドレスが付与された音声データを使用して、音声データを再生することができる。従って、音声案内処理の際に、ナビゲーション装置からデータ量が小さいアドレスが送信されるため、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、ナビゲーション装置においてアドレスを取得する処理を行い、入出力装置において、音声データの読出処理、再生処理等を行って、処理動作を分担させるようにしたので、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、音声再生地点を算出する段階、自車位置が音声再生地点に到達したか否かを判断する段階をさらに備える。また、自車位置が音声再生地点に到達したと判断した際に、アドレスを入出力装置に送信する。このため、入出力装置は、自車が音声再生地点に到達した際に、音声データのアドレスを受信して、そのアドレスが付
与された音声データに基づいて音声再生処理を行うことができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、音声案内方法では、音声案内対象地点に対して、音声再生地点を算出する。また、アドレスを入出力装置に送信する段階では、複数の音声再生地点に対応する各アドレスを、各音声再生地点に対する各識別子を付与して送信する。このため、入出力装置は、受信したアドレスに基づいて、複数の音声再生地点に対する音声データを読出して、蓄積することができる。また、ナビゲーション装置は、道路データに基づいて、自車位置が音声再生地点に到達したと判断した際に、音声再生地点に対応する識別子とともに、音声再生命令を送信する。即ち、自車が音声再生地点に到達した際に、ナビゲーション装置から、データ量の大きい音声データ等ではなく、識別子及び命令を送信するので、入出力装置による音声再生処理を迅速に行うことができる。このため、各音声再生地点の間の距離が短い場合等にも、適切なタイミングで音声案内を実行することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、音声案内システムは、自車位置検出手段を備え、道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続され、音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置とから構成されている。また、ナビゲーション装置は、案内経路を探索する探索手段と、算出した案内経路に基づいて音声案内対象地点を算出する第1算出手段を備えている。さらに、音声案内対象地点に対する音声案内を構成する音声データのアドレスを取得するアドレス取得手段と、その各アドレスを入出力装置に送信するアドレス送信手段とを備えている。このため、入出力装置は、受信したアドレスが付与された音声データを使用して、音声データを再生することができる。従って、音声案内処理の際に、ナビゲーション装置からデータ量が小さいアドレスが送信されるため、入出力装置へのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、ナビゲーション装置においてアドレスを取得する処理を行い、入出力装置において、音声データの読出処理、再生処理等を行って、処理動作を分担させるようにしたので、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、入出力装置は、アドレスを受信する受信手段と、受信したアドレスに基づいて音声データ記憶手段から音声データを読出す第1読出手段とを備える。また、音声案内システムは、音声再生手段は、読出した音声データを再生する。このため、入出力装置は、データ量が小さいアドレスを受信して音声データを読出すので、ナビゲーション装置からのデータ転送を短時間で完了させることができる。また、入出力装置が音声データ記憶部を備えることで、入出力装置の設計の自由度が向上する。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、入出力装置は、読出された各音声データを合成する音声データ合成手段を備える。このため、例えば、フレーズごとに区切られた音声データを合成することができる。
【0029】
請求項12に記載の発明によれば、音声案内システムの入出力装置は、アドレス受信手段にて、音声再生地点に対応する識別子を受信する。また、第1読出手段は、各アドレスに基づいて読出された音声データを、識別子とともに待機データ記憶手段に一時格納する。さらに、音声再生命令及び識別子を受信した際に、識別子に関連付けられた音声データを待機データ記憶手段から読出す第2読出手段とを備える。このため、各音声再生地点の間の距離が短い場合等にも、音声データを迅速に読出して、適切なタイミングで音声案内を実行することができる。
【0030】
請求項13に記載の発明によれば、ナビゲーション装置に接続された入出力装置は、音声データ及びそのアドレスを格納した音声データ記憶手段と、指定されたアドレスに基づいて、音声データを読出す第1読出手段と、読出された音声データを再生する音声再生手
段とを備えている。従って、ナビゲーション装置から、比較的伝送量の大きい音声データを受信することがないので、音声案内処理動作を迅速に行うことができる。このため、頻繁に音声案内を行う場合であっても、タイミングが遅れたり、重なることなく音声を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、本実施形態の音声案内システムの構成を説明するブロック図である。
【0032】
図1に示すように、音声案内システム1は、車両に搭載されるナビゲーション装置(以下、単にナビ装置と言う)10及び入出力装置20を備えている。ナビ装置10は、自車位置検出手段、探索手段、第1算出手段、アドレス取得手段、アドレス送信手段、第2算出手段、判断手段、再生命令送信手段を構成する案内制御部11を備えている。案内制御部11は、経路を探索するためのCPU、RAM等のハードウェア、探索用プログラム、アドレスデータ作成プログラム、音声再生用プログラム等のソフトウェアを備えたモジュールを備えている。また、案内制御部11は、アドレスデータ作成プログラム等に基づいて、例えば、交差点、県境等の案内対象地点(音声案内対象地点)を求める。
【0033】
また、ナビ装置10は、受信制御手段、送信制御手段を構成する送受信制御部12を備えている。送受信制御部12は、ケーブル7を介して、入出力装置20との各種データの送受信を制御する。これらの送受信制御部12及びケーブル7は、公知のインターフェース及びケーブルであって、例えば、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)規格等のインタフェース及びケーブルが使用可能である

【0034】
また、ナビ装置10は、自車位置検出手段を構成するGPS(Global Positioning System)受信部13を備え、GPS衛星から受信した電波に基づき、自車位置の緯度、経度
、高度を算出する。案内制御部11は、GPS衛星からの電波受信状況が良好でない場合に、車両に設けられた車速センサ5、方位センサ6から各種データを受信して、相対移動距離、相対方位を算出して自車位置を求めたり、GPS受信部13に基づいて算出した自車位置の補正を行う。
【0035】
さらに、ナビ装置10は、道路データ記憶手段としての道路データ記憶部14を備えている。道路データ記憶部14は、ハードディスクから構成され、各道路データ15を格納している。各道路データ15は、全国を単位区域ごとに区画した各エリアのデータであり、ノードデータ、リンクデータ、緯度・経度、道路幅員データ、道路種別データ、交差点データ等の各種情報を含んでいる。
【0036】
ナビ装置10とケーブル7を介して接続された入出力装置20は、音声再生手段、アドレス受信手段、第1読出手段、音声データ合成手段、第2読出手段を構成する入出力制御部21を備えている。入出力制御部21は、描画モジュール及び音声再生モジュールを有し、各モジュールは、CPU等のハードウェア及び音声データ合成プログラム、音声再生プログラム等のソフトウェアから構成されている。また、入出力制御部21は、ケーブル7と接続されたIEEE1394規格等のインターフェース(I/F)22を介してナビ装置10と各種データを送受信可能に接続されている。
【0037】
さらに、入出力装置20は、表示部23を備えている。表示部23には、各画像を表示するタッチパネル24と各スイッチ25とが備えられている。入出力制御部21は、タッチパネル24、各スイッチ25の操作により各種命令を実行する。
【0038】
また、入出力装置20は、ハードディスクからなる描画データ記憶部26を備えている。描画データ記憶部26には、メニュー画面等の操作画面を表示するための画面描画データ、鳥瞰図、平面図、狭域地図、広域地図等の各種地図を構成する地図描画データ、施設情報を提供する施設用描画データ等、各画像を表示する描画データ27がそれぞれ格納されている。各種地図を表示するための描画データ27は、地図上の道路に対応するノード、リンクや、「市街地」、「私有地」等の道路以外の場所を識別するためのエリア識別子等に関連付けられて格納されている。入出力装置20は、ナビ装置10から送信された案内経路に基づいて、描画データ記憶部26から必要な各描画データ27をそれぞれ読出し、地図表示データを作成する。そして、作成した地図表示データをタッチパネル24に出力する。
【0039】
さらに、入出力装置20は、音声データ記憶手段としての音声データ記憶部28を備えている。音声データ記憶部28は、各フレーズデータ30(図2参照)をそれぞれ格納している。入出力制御部21は、1つ又は複数のフレーズデータ30を使用して、音声案内を行うための音声合成データを作成する。また、この音声データ記憶部28には、ナビ装置10がケーブル7及びインターフェース22を介してアクセス可能に構成されている。さらに、入出力装置20は、音声合成データ等を一時格納する待機データ記憶手段としてのRAM29と、音声合成データに基づいて再生された音声が出力されるスピーカSを備えている。
【0040】
各フレーズデータ30について、図2に従って説明する。図2は、各フレーズデータ30を模式的に示した説明図である。図2に示すように、各フレーズデータ30は、アドレス31と、音声データ32とから構成されている。アドレス31は、各フレーズデータ30をそれぞれ識別可能な識別子である。音声データ32は、例えば「この先」、「右折です」等の各フレーズごとに区切られた音声データである。この音声データ32には、その音声データ32の内容を示す、文字列等からなる識別データが付与されている。つまり、ナビ装置10が、この識別データを参照することにより、音声データ32を再生することなく、各音声データ32の内容を判断できるようになっている。
【0041】
次に、本実施形態の音声案内のためのアドレスデータ作成処理について図3に従って説明する。まず、タッチパネル24に表示された図示しない登録画面等に従って、ユーザにより目的地等が入力されると、ナビ装置10の案内制御部11は、自車位置と目的地とに基づき、道路データ15を使用して、自車位置から目的地までの案内経路を探索する。
【0042】
また、ナビ装置10の案内制御部11は、案内経路上にある案内対象地点を算出する(ステップS1−1)。本実施形態では、案内対象地点は、交差点、県境、目的地であって、案内制御部11は、次の案内対象地点を所定のタイミングで算出する。尚、案内制御部11は、自車位置から目的地までの案内経路上にある全ての案内対象地点を一度に算出するようにしてもよい。
【0043】
対象地点を算出すると、案内制御部11は、案内制御部11が備えるアドレスデータ作成プログラムに従って、対象地点に対する案内情報を作成する(ステップS1−2)。案内情報は、音声案内の基となる文字データからなる。例えば、図4に模式的に示すように、案内対象地点71として設定された、道路50,51の交差点52で右折するような場合には、「あと100メートル先を右折です」等の案内情報を作成する。
【0044】
また、案内制御部11は、案内対象地点に対する音声再生地点を算出する(ステップS1−3)。つまり、図4に示すように、交差点52が案内対象地点71として算出された場合には、案内対象地点71よりも所定距離(例えば、100メートル)だけ手前の地点
を音声再生地点72として設定し、道路データ15に基づいて、その座標データを算出する。この座標データは、例えば、緯度、経度、リンク番号又はノード番号等である。
【0045】
そして、案内制御部11は、次に通過する案内対象地点に対するアドレスデータを作成する(ステップS1−4)。詳述すると、案内制御部11は、自車位置と案内対象地点とに基づいて、ケーブル7及びインターフェース22を介して音声データ記憶部28にアクセスし、その案内対象地点に対する「あと100メートル先を右折です」等の案内情報にそれぞれ対応するフレーズデータ30を検索する。前記したように、フレーズデータ30には、文字データからなる識別データが付与されているので、この識別データに基づき、音声データ32の内容を判断する。例えば、「あと100メートル先を右折です」という案内情報の場合は、「あと」、「100メートル先を」、「右折です」等の音声データ32を検出し、各音声データ32に対応するアドレス31を読出す。そして、これらのアドレス31を再生される順番で集結させて、図5に示すようなアドレスデータ33を構築する。従って、案内制御部11は、音声データよりも遥かに小さいアドレス31を使用してアドレスデータ33を作成するため、演算処理の負荷が軽減される。尚、本実施形態では、次に通過する案内対象地点に対するアドレスデータを作成するようにしたが、全ての案内対象地点、自車位置から所定距離内にある各案内対象地点、又は、通過する順に所定数の案内対象地点に対してアドレスデータ33を逐次作成してもよい。
【0046】
また、案内制御部11は、自車位置より前方の案内経路上に、案内対象地点(音声再生地点)があるか否かを判断する(ステップS1−5)。案内経路上に、案内対象地点が残っている場合には(ステップS1−5においてYES)、ステップS1−1に戻り、前記した処理を繰り返す。案内対象地点が残っていない場合には(ステップS1−5においてNO)、アドレスデータ作成処理を終了する。
【0047】
次に、音声案内のための音声再生処理について図6に従って説明する。案内制御部11は、自車位置と、ステップS1−3で算出した音声再生地点の座標データに基づいて、自車が音声再生地点に到達したか否かを判断する(ステップS2−1)。自車位置が、音声再生地点に到達した場合には(ステップS2−1においてYES)、その音声再生地点に対応するアドレスデータ33を、ケーブル7を介してナビ装置10に送信する(ステップS2−2)。このとき、音声データ32のデータ量よりも遙かにデータ量が小さいアドレスデータ33が送信されるため、案内制御部11は、音声案内のためのデータ転送を短時間で完了させることができる。自車位置が音声再生地点に到達しない場合(ステップS2−1においてNO)、ステップS2−1の処理を繰り返す。
【0048】
アドレスデータ33を受信した入出力装置20の入出力制御部21は、アドレスデータ33を構成する各アドレス31に対応する音声データ32を、音声データ記憶部28から読出す(ステップS2−3)。そして、入出力制御部21は、読出した各音声データ32を、各アドレス31が連結された順番に合成し、音声合成データを作成する(ステップS2−4)。これにより、図7に示すような、各音声データ32からなる音声合成データ34が構築される。各音声データ32は、アドレスデータ33の各アドレス31にそれぞれ対応し、各アドレス31の連結順に従って連結されている。
【0049】
そして、入出力制御部21は、音声合成データ34を再生して、音声を出力する(ステップS2−5)。すると、図8に模式的に示すように、自車位置が音声再生地点72を通過する際に、例えば「あと100メートル先を右折です」という音声がスピーカSから出力される。このとき、タッチパネル24には、道路50,51及び交差点52を表示した地図画像と、案内経路を示す指標73、自車位置マーク74が表示される。
【0050】
そして、ナビ装置10の案内制御部11は、前方の案内経路上に、案内対象地点(音声
再生地点)があるか否かを判断する(ステップS2−6)。案内経路上に、案内対象地点が残っている場合には(ステップS2−6においてYES)、前記した音声案内処理を繰り返す。案内対象地点が残っていない場合には(ステップS2−6においてNO)、音声案内処理を終了する。
【0051】
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1実施形態によれば、ナビ装置10(案内制御部11)は、音声データ記憶部28及び音声を再生する入出力制御部21を備えた入出力装置20に、ケーブル7を介してデータを送受信可能に接続されるようにした。また、ナビ装置10(案内制御部11)は、入出力装置20の音声データ記憶部28にアクセスし、音声案内に必要な音声データ32のアドレス31を取得するようにした。さらに、その各アドレス31を連結させてアドレスデータ33を作成し、そのアドレスデータ33を入出力装置20(入出力制御部21)に送信するようにした。そして、入出力装置20(入出力制御部21)では、受信したアドレスデータ33に基づき、音声データ記憶部28から音声データ32を読出し、音声合成データ34を作成した。さらに、入出力装置20(入出力制御部21)は、その音声合成データ34をスピーカSから出力するようにした。このため、音声案内の際に、ナビ装置10から、データ量の大きい音声データ32を入出力装置20に送信する必要がないので、データ転送を短時間で完了させることができる。しかも、ナビ装置10が探索処理、経路案内処理及びアドレスデータ作成処理を行い、入出力装置20(入出力制御部21)が音声データ読出処理及び合成処理、音声再生処理を行うようにして、処理動作を分担させるようにした。従って、ナビ装置10の演算処理動作の負荷を軽減することができる。
【0052】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図9〜図14に従って説明する。尚、第1実施形態では、ナビ装置10の案内制御部11は、各案内対象地点に対してアドレスデータを作成し、自車が次に通過する案内対象地点に対するアドレスデータを入出力装置20に送信した。第2実施形態では、求めた複数の案内対象地点に対してアドレスデータをそれぞれ作成し、各アドレスデータを入出力装置20に送信して、入出力装置20に各アドレスデータに基づいた音声合成データを予め蓄積させた点が第1実施形態と相違する。従って、本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明し、その他の部分は符号を同じにしてその詳細な説明を説明の便宜上省略する。
【0053】
まず、アドレスデータ作成処理及び音声合成データ作成処理について、図9に従って説明する。ナビ装置10の案内制御部11は、案内経路上にある全ての案内対象地点をそれぞれ算出する(ステップS1−1)。そして、各案内対象地点に対して案内情報をそれぞれ作成する(ステップS1−2)。
【0054】
また、案内制御部11は、案内対象地点に対する音声再生地点を算出する(ステップS1−3)。例えば、図10に模式的に示すように、道路53〜56がそれぞれ交差する各交差点57〜59に対して、案内対象地点75〜77がそれぞれ設定されていると仮定すると、各案内対象地点75〜77に対して、各音声再生地点78〜80の座標データをそれぞれ算出する。
【0055】
次に、ナビ装置10の案内制御部11は、第1実施形態と同様に入出力装置20の音声データ記憶部28にアクセスして、アドレスデータ33を作成する(ステップS1−4)。このとき、案内制御部11は、ステップS1−2で作成した全ての案内情報に対してアドレスデータ33をそれぞれ作成する。或いは、案内制御部11は、自車位置から所定距離内にある各案内対象地点、又は、通過する順に所定数の案内対象地点に対してアドレスデータ33を作成してもよい。
【0056】
例えば、案内制御部11は、図10に示す、1番目の案内対象地点75に対しては「あと100メートル先を右折です」という音声案内のための音声データ32を検索し、各音声データ32のアドレス31を取得して、アドレスデータ33を作成する。また、2番目及び3番目の案内対象地点76,77に対しては、各交差点57〜59の相対距離が短いため、「すぐに左折です」等の音声案内のための音声データ32を検索し、各音声データ32のアドレスを取得する。
【0057】
これにより、図11に示すように、各案内対象地点に対する各アドレスデータ33が作成される。また、案内制御部11は、各アドレスデータ33に各識別子35をそれぞれ付与する。これらの識別子35は、ステップS1−3で算出した各音声再生地点の座標データと関連付けられている。このため、案内制御部11により、各アドレスデータ33が、どの音声再生地点のデータであるかを判別可能になっている。
【0058】
そして、案内制御部11は、作成した各アドレスデータ33及び各識別子35を、ケーブル7を介して入出力装置20に送信する(ステップS2−2)。入出力制御部21は、各アドレスデータ33及び識別子35を受信すると、各アドレスデータ33ごとに、その各アドレス31に対応する音声データ32を音声データ記憶部28から読出す(ステップS2−3)。そして、入出力制御部21は、読出した各音声データ32を、各アドレス31が連結された順番に合成し、各識別子35ごとに各音声合成データを作成する(ステップS2−4)。これにより、図12に示すような、単数又は複数の音声合成データ34が識別子35ごとに作成される。各音声合成データ34は、各音声データ32がアドレス31の連結された順番に従って連結され、識別子35が関連付けられている。入出力制御部21は、合成した各音声合成データ34を、RAM29に一時格納する(S1−6)。その結果、入出力装置20のRAM29には、複数の案内対象地点に対する音声合成データ34が格納される。
【0059】
そして、入出力制御部21が、案内経路上の全ての案内対象地点について音声合成データ34を作成した場合には、そのまま処理を終了する。一方、ナビ装置10の案内制御部11が、全ての案内対象地点ではなく、自車位置から所定距離内の案内対象地点等に対してアドレスデータ33を作成した場合等には、自車位置の移動に従って、前記したアドレスデータ作成処理及び音声合成データ作成処理を繰り返す。
【0060】
次に、音声再生処理について、図13に従って説明する。ナビ装置10の案内制御部11は、音声再生地点に到達したか否かを判断する(ステップS2−1)。音声再生地点に到達したと判断すると(ステップS2−1においてYES)、案内制御部11は、その音声再生地点に対応するアドレスデータ33の識別子35を検出する。そして、その識別子35及び音声再生命令をケーブル7を介して入出力装置20に送信する(ステップS2−7)。
【0061】
入出力制御部21は、再生命令及び識別子35を受信すると、RAM29に蓄積した音声合成データ34から、受信した識別子35を有する音声合成データ34を読出す(ステップS2−8)。そして、入出力制御部21は、読み出した音声合成データ34を再生し、スピーカSから出力する(ステップS2−5)。出力が終了すると、その音声合成データ34をRAM29から削除する。
【0062】
そして、ナビ装置10の案内制御部11は、案内経路上における案内対象地点又は音声再生地点の有無を判断する(ステップS2−6)。対象地点又は再生地点があると判断した場合(ステップS2−6においてNO)、前記した音声再生処理を繰り返す。これにより、図14に模式的に示すように、自車位置が各音声再生地点78〜80を通過する際に
、RAM29に蓄積された各音声合成データ34がそれぞれ読み出されて再生される。このため、自車が、相対距離が短い各案内対象地点75〜77を通過するような場合にも、音声再生のタイミングが遅くなることなく、各音声合成データ34を各音声再生地点78〜80の通過時に再生することができる。
【0063】
第2実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(2)第2実施形態によれば、ナビ装置10の案内制御部11は、複数の案内対象地点(音声再生地点)に対応するアドレスデータ33を予め作成するようにした。また、それらのアドレスデータ33を、各音声再生地点に関連付けられた識別子35を付して、入出力装置20に送信するようにした。さらに、入出力装置20の入出力制御部21が、受信した各アドレスデータ33に基づいて、各アドレス31に対応する音声データ32を読出して、各識別子35が付与された音声合成データ34を作成した。そして、その音声合成データ34をRAM29に蓄積するようにした。
【0064】
また、案内制御部11は、自車位置が各音声再生地点に到達した際に、その音声再生地点に対応する識別子35及び再生命令を送信して、入出力装置20によりその識別子35を有する音声合成データ34を再生及び出力するようにした。即ち、自車が音声再生地点に到達した際に、ナビ装置10から、データ量の大きい音声データ等ではなく、識別子35及び命令を送信し、入出力装置20に予め蓄積された音声合成データ34を出力するようにしたので、音声再生処理を迅速に行うことができる。このため、各音声再生地点の間の距離が短い場合等に、音声出力のタイミングが遅れたり、重なったりすることなく、適切なタイミングで音声案内を実行することができる。
【0065】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1の実施形態では、ナビ装置10が次に通過する音声再生地点のアドレスデータ33を送信して、入出力装置20がそのアドレスデータ33に基づいて、音声再生処理をすぐに行うようにした。これを、ナビ装置10が、次に通過する音声再生地点のアドレスデータ33を予め送信し、入出力装置20がそのアドレスデータ33に基づく音声合成データ34を作成及びRAM29に格納しておくようにしてもよい。この場合、入出力制御部21は、ナビ装置10からの音声再生命令を待ち、その命令を受信した際に、RAM29から音声合成データ34を読み出して、再生及び出力する。
【0066】
・ナビ装置10に備えられる道路データ記憶部14は、ナビ装置10が備える図示しないディスクドライブに挿入される光ディスク等から構成されてもよい。入出力装置20に備えられる描画データ記憶部26、音声データ記憶部28は、入出力装置20が備える図示しないディスクドライブに挿入される光ディスク等から構成されてもよい。
【0067】
・ナビ装置10は、車速センサ5又は方位センサ6を一体に備えるようにしてもよい。
・ナビ装置10と入出力装置20は、IEEE1394規格以外の高速シリアルバスで接続したり、ナビ装置10と入出力装置20とを光通信で接続したりしてもよい。要は、ナビ装置10と入出力装置20とを分離可能に接続できる通信インターフェースであれば、どんなインターフェースでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1実施形態の経路探索システムの構成を説明するブロック図。
【図2】入出力装置に格納されたフレーズデータのデータ構成の説明図。
【図3】第1実施形態のアドレスデータ作成処理の処理手順の説明図。
【図4】案内対象地点及び音声再生地点を説明する模式図。
【図5】アドレスデータのデータ構成の説明図。
【図6】音声再生処理の処理手順の説明図。
【図7】音声合成データのデータ構成の説明図。
【図8】音声出力の際の案内対象地点及び音声再生地点を説明する模式図。
【図9】第2の実施形態の処理手順の説明図。
【図10】複数の案内対象地点及び音声再生地点を説明する模式図。
【図11】各アドレスデータのデータ構成の説明図。
【図12】各音声合成データのデータ構成の説明図。
【図13】第2の実施形態の音声再生処理の処理手順を説明する模式図。
【図14】音声出力の際の案内対象地点及び音声再生地点を説明する模式図。
【符号の説明】
【0069】
1…音声案内システム、10…ナビゲーション装置、11…自車位置検出手段、探索手段、第1算出手段、アドレス取得手段、アドレス送信手段、第2算出手段、判断手段、再生命令送信手段を構成する案内制御部、13…自車位置検出手段を構成するGPS受信部、14…道路データ記憶手段としての道路データ記憶部、15…道路データ、20…入出力装置、21…音声再生手段、アドレス受信手段、第1読出手段、音声データ合成手段、第2読出手段を構成する入出力制御部、28…音声データ記憶手段、29…待機データ記憶手段、31…アドレス、32…音声データ、35…識別子、71,75,76,77…案内対象地点、72,78,79,80…音声再生地点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置において、
各音声データをそれぞれ格納した音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置にデータを送受信可能に接続され、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、
前記案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する第1算出手段と、
前記音声案内対象地点に対する音声案内のための前記音声データのアドレスを、前記入出力装置の前記音声データ記憶手段にアクセスして取得するアドレス取得手段と、
取得した前記各アドレスを前記入出力装置に送信するアドレス送信手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、
前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段とを備えるとともに、
前記判断手段が、自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記アドレス送信手段が、取得した前記アドレスを前記入出力装置に送信することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、
前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、音声再生命令を前記入出力装置に送信する再生命令送信手段を備えるとともに、
前記アドレス送信手段が、自車位置が前記各音声再生地点に到達する前に、複数の前記音声再生地点にそれぞれ対応する前記各音声データの前記各アドレスを、前記各音声再生地点に対応する識別子を付与して前記入出力装置に送信し、
前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記再生命令送信手段が、その音声再生地点に対応する前記識別子とともに前記音声再生命令を送信することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、
音声データを格納した音声データ記憶手段及び音声再生手段を備え、前記ナビゲーション装置とデータを送受信可能に接続された入出力装置とを使用して、経路を案内するための音声を出力する音声案内方法であって、
前記ナビゲーション装置が、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する段階と、
前記案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する段階と、
前記音声案内対象地点に対する音声案内のための音声データのアドレスを、前記入出力装置の前記音声データ記憶手段にアクセスして取得する段階と、
取得した前記アドレスを前記入出力装置に送信する段階と
を備えることを特徴とする音声案内方法。
【請求項5】
請求項4に記載の音声案内方法において、
前記ナビゲーション装置が、
前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する段階と、
前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する段階とをさらに備えるとともに、
前記アドレスを前記入出力装置に送信する段階は、自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記アドレスを前記入出力装置に送信することを特徴とする音声案内方法。
【請求項6】
請求項4に記載の音声案内方法において、
前記ナビゲーション装置が、
前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する段階と、
前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する段階とを備え、
前記アドレスを前記入出力装置に送信する際に、複数の前記音声再生地点に対応する前記各アドレスを、前記各音声再生地点に対応する各識別子を付与して前記入出力装置にそれぞれ送信し、
自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、その音声再生地点に対応する前記識別子とともに音声再生命令を送信する段階をさらに備えることを特徴とする音声案内方法。
【請求項7】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、道路データ記憶手段から案内経路を探索するための道路データを読出可能に構成されたナビゲーション装置と、音声データを格納した音声データ記憶手段及び音声再生手段を備えた入出力装置とから構成される音声案内システムであって、
前記ナビゲーション装置が、
前記入出力装置とデータを送受信可能に接続され、
前記道路データに基づいて、自車位置から目的地までの案内経路を探索する探索手段と、
前記案内経路に基づいて、音声案内対象地点を算出する第1算出手段と、
前記音声案内対象地点に対する音声案内のための音声データのアドレスを、前記入出力装置の前記音声データ記憶手段にアクセスして取得するアドレス取得手段と、
取得した前記各アドレスを前記入出力装置に送信するアドレス送信手段と
を備えたことを特徴とする音声案内システム。
【請求項8】
請求項7に記載の音声案内システムにおいて、
前記ナビゲーション装置が、
前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、
前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する判断手段とを備えるとともに、
前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記アドレス送信手段が、前記アドレスを前記入出力装置に送信することを特徴とする音声案内システム。
【請求項9】
請求項7に記載の音声案内システムにおいて、
前記ナビゲーション装置が、
前記音声案内対象地点に対して、音声を再生する音声再生地点を算出する第2算出手段と、
前記道路データに基づいて、自車位置が前記音声再生地点に到達したか否かを判断する
判断手段と、
前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、音声再生命令を前記入出力装置に送信する再生命令送信手段を備えるとともに、
前記アドレス送信手段が、自車位置が前記各音声再生地点に到達する前に、複数の前記音声再生地点にそれぞれ対応する前記各音声データの前記各アドレスを、前記各音声再生地点に対応する識別子を付与して前記入出力装置に送信し、
前記判断手段が自車位置が前記音声再生地点に到達したと判断した際に、前記再生命令送信手段が、その音声再生地点に対応する前記識別子とともに前記音声再生命令を送信することを特徴とする音声案内システム。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一つに記載の音声案内システムにおいて、
前記入出力装置が、
前記ナビゲーション装置から前記アドレスを受信するアドレス受信手段と、
受信した前記アドレスに基づいて、前記音声データ記憶手段から音声データを読出す第1読出手段とを備え、
前記音声再生手段により、読出された前記音声データを再生することを特徴とする音声案内システム。
【請求項11】
請求項10に記載の音声案内システムにおいて、
前記入出力装置が、
前記第1読出手段により読出された前記各音声データを合成する音声データ合成手段をさらに備えることを特徴とする音声案内システム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の音声案内システムにおいて、
前記入出力装置の前記アドレス受信手段が、前記アドレスとともに前記音声再生地点に対応する前記識別子を受信し、
前記第1読出手段が、前記アドレスに基づいて読出した前記音声データを、前記識別子とともに待機データ記憶手段に一時格納するとともに
前記ナビゲーション装置から前記音声再生命令及び前記識別子を受信した際に、その識別子に関連付けられた前記音声データを、前記待機データ記憶手段から読出す第2読出手段を備えたことを特徴とする音声案内システム。
【請求項13】
自車位置を検出し、自車位置から目的地までの経路を探索するナビゲーション装置に、データを送受信可能に接続される入出力装置であって、
音声データと、同音声データのアドレスとを格納した音声データ記憶手段と、
前記ナビゲーション装置から受信した前記アドレスに基づいて、前記音声データ記憶手段から前記音声データを読出す第1読出手段と、
読出された前記音声データを再生する音声再生手段とを備えたことを特徴とする入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−153755(P2006−153755A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347479(P2004−347479)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】