説明

ナビゲーション装置及び方法

ナビゲーション装置は、利用者がいつまでに駐車している車両(500)に戻るかを示す利用者の戻り時刻を表す時間データを入力する入力装置(220、240)と、利用者の戻り時刻までの残り時間を監視し、残り時間に応じて警報信号を発出する様に構成されているプロセッサ(210)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び方法に関し、特に、駐車車両に関するナビゲーション装置及び方法の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)信号の受信及び処理機能を有する可搬型ナビゲーション装置(PND)は公知であり、車載又は他の乗り物のナビゲーション・システムで広く採用されている。
【0003】
一般的な用語として、現在のPNDは、プロセッサと、メモリ(少なくとも揮発性メモリと不揮発性メモリのどちらかであり、通常は両方)と、メモリに保存される地図データを備えている。プロセッサ及びメモリは、ソフトウェア・オペレーティング・システムが動作する実行環境を提供するために協働し、PNDの機能の制御を可能にし、さらに、種々の他の機能を提供するために、1つ以上の他のソフトウェア・プログラムがさらに通常は与えられる。
【0004】
典型的に、これら装置は、利用者による装置の制御を可能とするための1つ以上の入力インタフェースと、利用者に情報を提示するための1つ以上の出力インタフェースを備えている。出力インタフェースの例としては、表示画面や、可聴出力のためのスピーカがある。入力インタフェースの例としては、オン/オフ操作又は装置の他の機能の制御のための1つ以上の物理的なボタン(ボタンは装置上にある必要はなく、装置が車両への組み込み型の場合にはハンドル上に設けることもできる)や、利用者の発話を検出するマイクがある。ある配置において、出力インタフェースの画面は、タッチセンサ式の画面(タッチセンサオーバーレイ等)として構成されており、利用者がタッチすることで操作できる入力インタフェースも提供している。
【0005】
この種の装置は、電力及び装置による付加的なデータの送受信を可能にする1つ以上の物理コネクタ・インタフェースもしばしば含んでおり、さらに、オプションとして、例えば、WiFi、Wi−Max GSMといった、セルラネットワーク、或いは、他の信号及びデータネットワーク経由での通信を可能にする1つ以上の無線トランシーバを含んでいる。
【0006】
この種のPND装置は、位置データを含む衛星からのブロードキャスト信号を受信するためのGPSアンテナも有しており、装置の現在位置の判定処理が行われる。
【0007】
PND装置は、現在の角度及び直線加速度を判定するために処理される信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を含むこともでき、GPS信号から得られる位置情報と併せて、装置の速度及び相対的な移動を判定し、これにより、PND装置が実装されている車両の速度及び相対的な移動を判定する。これら特徴は、車載のナビゲーション・システムにおいて通常設けられているものであるが、それらは必要に応じてPND装置にも設けることができる。
【0008】
その様なPNDの有用性は、主に、第1の位置(典型的には出発又は現在位置)と第2の位置(典型的には目的地)との間の経路を決定する能力にある。これら位置は、装置の利用者により種々の異なる方法、例えば、郵便番号、通り名、住宅番号、以前に保存した“公知”の場所(有名な場所、公共施設(運動場、プール等)、その他の興味のある場所等)、気に入った又は最近訪れた目的地等にて入力される。
【0009】
典型的に、PNDは、地図データから出発地と目的地間の“最適”又は“最善”経路を計算するソフトウェアにより実現される。“最適”又は“最善”経路は、予め決められた基準により判定され、これは、最も速い又は最も短い経路である必要はない。運転手を案内する経路の選択は洗練されており、選択された経路は、動的及び/又は無線により受信した現在の又は予想したトラフィック及び道路情報、道路速度に関する過去の情報、道路選択の判定要因とする運転手自身の好みについての情報(例えば、運転手は、自動車専用道路や有料道路を含まない経路を指示するかもしれない)を考慮している。
【0010】
さらに、装置は、継続して道路及びトラフィックの状態を監視することができ、状態の変更により、目的地までの残りの移動における経路の変更を提示又は選択させることができる。種々の技術によるリアルタイムのトラフィック監視システム(例えば、移動電話によるデータ交換、固定カメラ、GPSによる車両の追跡)が、トラフィックの遅延を特定するためと、通知システムにその情報を提供するために利用される。
【0011】
この種のPNDは、車両のダッシュボードや、ウィンドスクリーン上に取り付けられるが、車両のラジオに組み込まれたコンピュータの一部として、或いは、車両自体の制御システムの一部として形成することもできる。ナビゲーション装置は、PDA(Portable Digital Assistant)、メディア・プレイヤ、移動電話の様なハンドヘルド・システムの一部とすることもでき、その場合、ハンドヘルド・システムの通常の機能は、経路計算と、計算された経路に沿ったナビゲーションの両方を装置に実行させるソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画及びナビゲーション機能は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ型又はモバイル型のコンピュータ・リソースにより提供されるかもしれない。例えば、RAC(Royal Automobile Club)は、ウェブサイトhttp://www.rac.co.ukにおいて、オンラインの経路計画及びナビゲーション機能を提供し、そのサイトにおいて利用者は出発地及び目的地を入力でき、利用者のPCと接続しているサーバは、それらが入力されると経路(利用者が特定した態様における)を計算し、地図を生成し、選択した出発地から目的地に利用者を案内する一連の包括的なナビゲーション指示を生成する。そのサイトは、計算した経路の擬似的な3次元の図と、利用者の経路に沿った移動を模擬する経路プレビュー機能も提供し、これにより、計算した経路のプレビューを利用者に提示している。
【0013】
PNDにおいて、経路が計算されると、利用者は、オプションとして提示される経路のリストから、望ましい経路を選択するためにナビゲーション装置を操作する。オプションとして、利用者は、例えば、旅程において避けたい若しくは必ず通りたい経路、道路、位置又は基準を特定することにより、経路選択処理に介入又は経路選択処理の誘導を行うことができる。PNDの経路計算は主な機能の1つであり、経路に沿ったナビゲーション機能は、他の主の機能である。
【0014】
計算した経路に沿ったナビゲーションの間、選択した経路に沿って利用者を経路の最終地、つまり、目的地まで案内するために、PNDが視覚及び/又は可聴指示を提供することが有用である。また、ナビゲーションの間、PNDが画面上に地図情報を表示することも有用であり、画面上の情報を定期的に更新することで、表示される地図情報は、装置の現在位置を示し、よって、利用者や、装置が車両のナビゲーションに使用されるときは利用者の車両の現在位置を示すことになる。
【0015】
画面上のアイコンは、典型的には、現在の装置位置を示し、現在の地図情報及び周囲にある現在の装置位置付近の道路の中央に配置されており、画面には、他の地図に関する機能も表示されている。さらに、ナビゲーション情報は、表示されている地図情報の上、下又は一方の横側に配置されるオプションとしてのステータスバー内に表示することもでき、ナビゲーション情報の例は、利用者が走行している現在の道路から外れる位置までの距離を含み、外れる位置は、例えば、左折又は右折といった外れ方を示すさらなるアイコンにより表現することが可能である。ナビゲーション機能は、利用者を経路に沿って案内することができる様にする可聴的な指示の内容、期間、タイミングも決定する。“100m先を左折”といった簡単な指示でさえ、多くの処理及び分析を必要とすることは明らかである。既に述べた様に、利用者による装置の操作は、タッチ画面により行うことができ、さらに、又は、代わりに、ハンドルに実装されたリモートコントローラや、音声による指示の入力や、他の適切な方法を使用することができる。
【0016】
装置により提供される他の重要な機能は自動経路再計算機能であり、自動経路再計算機能は、ナビゲーションの間に利用者が以前に計算した経路から外れたとき(意図的又は誤って)、装置が現在の道路状況を自動的に取得でき、現在の道路状況により他の経路が便利であると判定されたとき、或いは、何らかの理由により利用者が経路再計算の実行を装置に指示したときに実行される。
【0017】
利用者が定義した基準により経路の計算を行うことも公知である。例えば、利用者は、装置が計算する経路として眺めの良い経路を好むかもしれず、現在混雑している若しくは混雑が予想される道路を避けたいと望むかもしれない。装置のソフトウェアは、色々な経路を計算し、例えば、景色が奇麗であるとタグ付けされている(POIとしても知られる)関心点の最も高い数を含む経路に、より好ましいことを示す重み付けを行う、或いは、特定の道路の主なトラフィック状態を示す保存された情報を使用し、起り得る混雑度や遅延の程度で計算された経路の並べ替えを行う。他のPOIやトラフィック情報に基づく経路計算とナビゲーション基準を使用することも可能である。
【0018】
経路計算及びナビゲーション機能はPNDの有用性の基礎であるが、現在の装置位置に関する地図情報のみを表示し、装置による経路計算やナビゲーションを行わない単なる情報表示、又は、“自由運転”のための装置として、PNDを利用することもできる。その様な動作モードは、利用者がその移動のための経路を既に知っており、ナビゲーションによる助けを必要としない場合にしばしば適用される。
【0019】
例えば、トムトム社により製造供給される720Tモデルといった、上述した種類の装置は、ある位置から他の位置に利用者を案内することを可能にする信頼性のある手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述した装置は、車により移動する利用者の運転経験を改善する偉大な効用を有するが、公知の装置は駐車しているときの問題には取り組んでいないので、駐車しているときに、利用者は種々の問題又は不便さを経験するかもしれない。
【0021】
例えば、有料駐車エリアに車両を駐車しているときに、利用者はしばしば、駐車チケットの期限が何時であるかを思い出すのに苦労する。また、車両に戻る時間になったことを絶えず確認する必要があることも利用者をいらだたせる。さらに、利用者が車両に歩いて戻るのに必要な時間を判定することは難しい場合もあり、この様な場合には、駐車料金を最大限生かす様に、駐車期間の終了時刻のぎりぎりに車両に戻る様に時間を設定することも難しくなる。
【0022】
利用者は、駐車期間の終了時刻が記載された駐車チケットが提供されない場合、終了時刻を書き留めておくかもしれないが、依然、利用者は駐車期間の終了時刻が近付いているかを確かめるために現在時間を確認し、車両に戻るまでの時間を判定することを繰り返さなければならず、これは利用者にストレスを与える。利用者は、安全サイドで行くために駐車メータに余分なお金を入れることができるが、そうしないと、駐車期間の終了後に遅れて車両に戻るというリスクを負うことになる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の側面によると、利用者がいつまでに駐車している車両に戻るかを示す利用者の戻り時刻を表す時間データを入力する入力装置と、利用者の戻り時刻までの残り時間を監視し、残り時間に応じて警報信号を発出する様に構成されているプロセッサとを備えているナビゲーション装置が提供される。
【0024】
利用者の戻り時刻は、駐車期間の終了時刻とすることができる。ナビゲーション装置は、利用者の位置を判定する位置判定部を備えることができ、プロセッサは、車両に対する利用者の位置に応じて警報信号を発出する様に構成されている。
【0025】
プロセッサは、ナビゲーション装置又は利用者装置の判定した位置と車両位置との間の距離を判定し、判定した距離に応じた警報信号を発出する様に構成され得る。ナビゲーション装置は、地図データを保存するメモリを、さらに、備えており、プロセッサは、地図データを利用して、ナビゲーション装置又は利用者装置の判定した位置と車両位置との間の距離を判定することができる。プロセッサは、経路決定モジュールを備えることができ、ナビゲーション装置又は利用者装置の判定した位置と車両位置との間の距離は、経路決定モジュールが決定した、ナビゲーション装置又は利用者装置の判定した位置から車両位置への経路に沿った距離であり得る。
【0026】
プロセッサは、利用者の車両までの移動時間を評価し、評価した移動時間に応じて警報信号を発出する様に構成され得る。
【0027】
プロセッサは、残り時間を閾値と比較し、残り時間が閾値以下である場合に警報信号を発出する様に構成され得る。閾値は、予め定めたオフセット時間、利用者が車両に移動するまでの時間を評価した評価移動時間、或いは、利用者が車両に移動するまでの時間を評価した評価移動時間と予め定めたオフセット時間の和に等しくすることができる。
【0028】
ナビゲーション装置は、利用者が、車両の外に持ち運んで動作させることができる様に構成された可搬型ナビゲーション装置とすることができ、装置の位置を判定する位置判定部を備えることができる。この様に、PNDの判定された位置は、利用者の位置であり得る。位置が判定できないとき(例えば、GPS信号又は他の位置信号を見失った場合)、位置、距離、利用者が車両に移動するまでの時間は、例えば、利用者が車両位置又はその近くに以前に駐車したか否か、最後に判定した利用者の位置(例えば、GPS等の信号を見失う以前に判定した最後の位置)で移動していたか否か、車両位置に戻るまでの以前の移動時間といった、過去のデータから判定できる。
【0029】
ナビゲーション装置は、利用者が、車両の外に持ち運んで動作させることができる様に構成された利用者装置と通信する通信回路を、さらに、備えることができ、プロセッサは、利用者装置の位置を表す位置データを、通信回路経由で受信する様に構成され得る。位置データによって表される利用者装置の位置は、よって、利用者の位置となり得る。
【0030】
ナビゲーション装置は、利用者が、車両の外に持ち運んで動作させることができる様に構成された利用者装置に警報信号を送信する様に構成され得る。利用者装置は、GPS装置及び/又は移動電話であり得る。
【0031】
プロセッサは、警報信号の発出後の利用者からの応答を監視する様に構成され得る。応答は、利用者が、後に警報を繰り返すことを要求するものであるかもしれない。プロセッサは、要求に応じて、後に警報信号を繰り返す様に構成され得る。この様に、スヌーズ機能を提供することができる。
【0032】
プロセッサは、利用者が警報信号に対して所定の応答を行わない場合、警報信号を繰り返すか他の警報信号を発出する様に構成され得る。警報信号に対する所定の応答は、入力装置による利用者からの入力、及び/又は、利用者の車両への移動を含むものとすることができる。
【0033】
プロセッサは、警報信号の発出後の利用者の移動を監視し、車両に対する利用者の移動状態に応じて警報信号を繰り返すか他の警報信号を発出する様に構成され得る。
【0034】
プロセッサは、利用者及び/又はナビゲーション装置の位置に応じた警報信号の発出後、車両までの評価移動時間を監視及び更新し、評価移動時間が残り時間より大きい場合若しくは実質的に等しい場合、又は、評価移動時間が残り時間とオフセット時間の和より大きい場合若しくは実質的に等しい場合には、他の警報信号を発出する様に構成され得る。
【0035】
ナビゲーション装置は、警報信号に応答して、利用者に出力を行う出力装置(260)を、さらに、備えることができ、出力は、利用者の戻り時刻、残り時間、オフセット時間、車両までの移動時間の評価、車両への戻り経路の少なくとも1つを示す、可聴警報、触覚警報、視覚警報の少なくとも1つとすることができる。
【0036】
代わりに、又は、追加的に、ナビゲーション装置は通信回路を備えることができ、プロセッサは、通信回路を使用して他の装置に警報信号を送信する様に構成され得る。他の装置は、移動電話又は他の個人的な利用者装置であり、警報信号に応答して利用者に出力を提示することができる。
【0037】
ナビゲーション装置は、車両の駐車を示す入力に応答して車両の位置を判定する様に構成され得る。入力は、ナビゲーション装置内の又はナビゲーション装置に関連する入力装置により利用者が行うことができる。代わりに、入力は、例えば、駐車料金を利用者の移動電話で支払うことができる電子式駐車管理システムからの入力とすることができる。車両の駐車を示す入力は、利用者の移動電話が行い、ナビゲーション装置で受信することができる。
【0038】
ナビゲーション装置は、車両位置を保存するメモリを、さらえ、備えることができる。
【0039】
ナビゲーション装置は、車両の駐車を示す入力に応答して、駐車料金の支払いが必要であること、利用者に戻り時刻の入力を要求すること、或いは、その両方を示す出力を利用者に提示する様に構成され得る。ナビゲーション装置は、車両の位置に応じて利用者に出力を提示する様に構成され得る。
【0040】
プロセッサは、地図データから車両位置が駐車料金の支払いが必要であるエリア内であるか否かを判定する様に構成され得る。
【0041】
ナビゲーション装置は、プロセッサに戻り時刻を提供する様に構成されている電子式駐車管理システムとインタフェースするインタフェース・モジュールを、さらに、備えることができる。
【0042】
プロセッサは、戻り時刻を延長するために、駐車料金の支払いの指示に応答することができる。駐車料金の支払いは、電子式駐車管理システム経由で行うことができ、支払いの指示は、電子式駐車管理システムによって提示される。
【0043】
ナビゲーション装置は、装置をスリープ状態と覚醒状態のいずれかに制御し、現在時間と戻り時刻の差に応じてスリープ状態から覚醒状態に装置を遷移させる様に構成された電力状態管理モジュールを、さらに、備えることができる。
【0044】
プロセッサは、利用者からの入力、駐車期間が延長されたことを示す入力、或いは、利用者からの入力と駐車期間が延長されたことを示す入力の両方に応答して、戻り時刻を延長する様に構成され得る。
【0045】
本発明のさらなる独立した側面によると、利用者がいつまでに駐車している車両に戻るかを示す利用者の戻り時刻を表す時間データを取得するステップと、利用者の戻り時刻までの残り時間を監視するステップと、残り時間に応じて警報信号を発出するステップとを備えている利用者の戻り時刻を監視する方法が提供される。
【0046】
本発明の他の独立した側面によると、上記方法を実行するための、コンピュータが読み込み実行する命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0047】
本発明のある側面の任意の特徴は、任意の適切な組み合わせとして、本発明の他の側面に適用することができる。特に、装置の特徴は方法の特徴に適用でき、方法の特徴は装置の特徴に適用できる。
【0048】
本発明の少なくとも1つの実施形態について、その例を、以下では図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ナビゲーション装置が利用できるGPSを示す図。
【図2】ナビゲーション装置の電子部品を示す図。
【図3】ナビゲーション装置と通信する無線通信チャネルを含む通信システムのブロック図。
【図4a】ナビゲーション装置の斜視図。
【図4b】ナビゲーション装置の斜視図。
【図5】図2のナビゲーション装置の構造スタックを示す図。
【図6】図2のナビゲーション装置のスクリーンショットを示す図。
【図7】図2のナビゲーション装置の警報モジュールの動作概要を示すフローチャート。
【図8】図2のナビゲーション装置の警報システムのブロック図。
【図9】ナビゲーション装置が表示するメニュー画面の配置を示す図。
【図10】警報信号に応じてナビゲーション装置が表示する経路マッピング画面を示す図。
【図11】GPS信号が利用不可のときに、ナビゲーション装置が表示する地図画面を示す図。
【図12】警報システムの他の形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
特にPNDを参照して、本発明の実施形態について述べる。しかしながら、本発明の教示内容は、PNDに限定されるものではなく、経路計画及びナビゲーション機能を提供するナビゲーション・ソフトウェアを実行する様に構成された任意の種類の処理装置に対して一般的に適用できることに留意すべきである。よって、本願において、装置が、PND、車両に組み込まれたナビゲーション装置、経路計画及びナビゲーション・ソフトウェアを実行するコンピュータ・リソース(デスクトップ型又は可搬型のパーソナル・コンピュータ(PC)、移動電話、PDA(Portable Digital Assistant)等)として具現化されているか否かに拘わらず、ナビゲーション装置は、任意の種類(制限することなく)の経路計画及びナビゲーション装置を含むものである。
【0051】
また、本発明の以下の教示内容は、利用者がある位置から他の位置へのナビゲーションを求めず、単に所定の位置の表示を提供することを望む環境においても有用であることが明らかである。その様な環境において、利用者によって選択される“目的地”は、利用者がナビゲーションの開始を望む開始位置と対応する必要はなく、よって、“目的地”は、目的地への移動が必ず生じ、経路の生成が必須であるものと解釈すべきではなく、目的地が対応する開始位置を必要とするものと解釈すべきではない。
【0052】
上記条件を念頭におき、図1は、ナビゲーション装置が利用可能であるGPS(Global Positioning System)の例を示している。その様なシステムは周知であり、種々の目的に使用される。一般的に、GPSは、連続的な位置、速度、時間及び幾つかの例においては方向情報を、無数のユーザに判定させることができる衛星無線に基づくナビゲーション・システムである。以前はNAVSTARとして周知であったが、GPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を使用する。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、それらの位置を任意の数の受信装置に中継できる。
【0053】
GPSデータを受信するために特に設けられた装置がGPS衛星信号の無線周波数の走査を開始するとき、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の様々な従来方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な位置を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0054】
図1に示すように、GPSシステム全体を参照番号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期であることが多い。表示されているGPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信している。
【0055】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が、三角測量によりその2次元位置を計算するために、GPS受信機140は少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星120から信号160を取得する結果となり、これによってGPS受信機140は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態のナビゲーション装置200の電子構成要素の一例を、ブロック構成要素の形式で示している。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の総ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0057】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、及び/又は情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置のうちの少なくとも1つを含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。1つの配置において、入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分にタッチするだけでよい。
【0058】
ナビゲーション装置は、さらに、可聴出力装置(例えば、ラウドスピーカ)といった出力装置260を含むことができる。出力装置260がナビゲーション装置200の利用者に対して可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができると理解される。
【0059】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220から入力情報を受信するように接続及び設定され、情報を出力するために、出力接続245を介して、表示画面240及び出力装置250のうちの少なくとも一方に動作可能に接続されている。さらに、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。メモリ・リソース230は、例えば、RAM(Random Access Memory)の様な揮発性メモリ、フラッシュメモリの様なデジタルメモリといった不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含み得るが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作と音声起動動作との少なくとも一方のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、及び/又は、例えば移動電話との接続のためといった、カーステレオユニットの様な任意の他の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するためと、インターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するためとの少なくとも一方のために、移動電話による接続を使用することができる。
【0060】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続をさらに示している。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機とすることができる。参照符号250で示されるアンテナ及び受信機は、図示するために概略的に組み合わされているが、アンテナ及び受信機は、別個に位置する構成要素であっても良く、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解される。
【0061】
さらに、図2に示す電子構成要素が従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解される。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成が本願の範囲内で考えられる。例えば、図2に示す構成要素は、有線接続と無線接続との少なくとも一方等を介して互いに通信状態にあってもよい。従って、本願のナビゲーション装置200の範囲は、可搬型又はハンドヘルド・ナビゲーション装置200を含む。
【0062】
さらに、図2の可搬型又はハンドヘルド・ナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の車両に周知の方法で接続又は“ドッキング”することができる。その様なナビゲーション装置200は、可搬型又はハンドヘルド・ナビゲーションとして使用するために、ドッキング場所から取り外し可能である。
【0063】
図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば、公知のブルートゥース(登録商標)技術によるデジタル接続等)を確立する移動装置(図示せず)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を備えた任意の装置)経由で、サーバ302と“移動”又は通信ネットワーク接続を確立することができる。その後、ネットワーク・サービス・プロバイダ経由で、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネット経由)を確立することができる。その様な、“移動”ネットワーク接続は、情報のための“リアルタイム”又は少なくとも“最新”のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で移動できる移動型及び/又は車載型であり得る)とサーバ302との間で確立される。
【0064】
例えば、インターネット(ワールド・ワイド・ウェブの様な)を使用して、移動装置(サービス・プロバイダ経由で)とサーバ302等の別の装置との間にネットワーク接続を確立することは、周知の方法で行われ得る。これは、例えばTCP/IP層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0065】
そのため、例えば、移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術経由でのデータ接続により達成されるインターネット接続を利用することができる。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば、移動電話又は他の移動装置とGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行うことができる。
【0066】
さらに、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完成し、例えば既存のブルートゥース(登録商標)技術を介して周知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完成する。この場合、例えばデータプロトコルは、GSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等の任意の数の規格を利用できる。
【0067】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自身の中に、自身の移動電話技術を含んでも良い(例えばアンテナを含む、或いは、ナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ、及び/又は、例えば必要な移動電話技術とアンテナとの少なくとも一方の機能を完成させる、挿入可能なカード(例えば、SIM(Subscriber Identity Module))を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、任意の移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介して、ナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0068】
GRPS電話設定の場合、移動電話の機種、製造業者等の多様な範囲に関して正しく動作するために、ブルートゥース(登録商標)対応の装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納することができる。この情報のために格納されたデータは更新することができる。
【0069】
図3は、多数の異なる配置により実現され得る汎用通信チャネル318経由で、サーバ302と通信するナビゲーション装置200を示している。サーバ302とナビゲーション装置200との間に通信チャネル318経由での接続(その様な接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)が確立されたとき、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信することができる。
【0070】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され、さらに、有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に接続されるプロセッサ304を含む。さらに、プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200と情報の送受信を行うために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され得る。なお、送信機308及び受信機310の機能は、単一のトランシーバとして結合することができる。
【0071】
サーバ302は、大容量データ記憶装置312に更に接続される(又は、大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量データ記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量データ記憶装置312は、ナビゲーションデータ及び地図情報を保存し、サーバ302とは別個の装置であっても、サーバ302に組み込まれても良い。
【0072】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信する様に構成され、図2を用いて述べたように、プロセッサ、メモリ等を含み、さらに、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送信する送信機320と受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用することができる。さらに、送信機320及び受信機322は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一のトランシーバとして結合することができる。
【0073】
サーバメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供されるサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0074】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0075】
通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。さらに、通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル318は、電気通信、光通信、及び/又は電磁通信等のパスを提供するように構成され得る。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。さらに、通信チャネル318は、例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0076】
1つの例示的な配置として、通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。さらに、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に適応できても良い。さらに、通信チャネル318は衛星通信に適応できるものであっても良い。
【0077】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要な又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM(Global System for Mobile Communications)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であり得る。
【0078】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)に接続するネットワークサーバを含んでもよい。
【0079】
サーバ302は、デスクトップ型又はラップトップ型のコンピュータといった、パーソナル・コンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナル・コンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナル・コンピュータは、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立するために、ナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されてもよい。あるいは、インターネットを介してナビゲーション装置200をサーバ302に接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0080】
ナビゲーション装置200は、情報のダウンロードによりサーバ302から情報を与えられ得る。情報は、例えば、ユーザがナビゲーション装置200をサーバ302に接続したときや、周期的に更新され、及び/又は、無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が、大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も、多くの場合においてはサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0081】
図2に示す様に、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220、表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えばタッチパネルスクリーンを介して情報の入力(直接入力、メニュー選択など)及び表示を可能とするために、一体型入力表示装置に統合される。このようなスクリーンは、当業者には周知のものであるように、例えばタッチ入力LCDスクリーンであってもよい。さらに、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、さらなる任意の入力装置220及び/又は出力装置241を含むことができる。
【0082】
図4A及び図4Bは、ナビゲーション装置200の斜視図である。図4Aに示す様に、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えばタッチパネル画面)と図2の他の構成要素(内蔵GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム230などを含むがこれに限定されない)を含むユニットであっても良い。
【0083】
ナビゲーション装置200は、、¥吸着カップ294を用いて、車両のダッシュボードや窓等に固定することができるアーム292上に備え付けることができる。このアーム292は、ナビゲーション装置200をドッキング可能なドッキングステーションの一例である。
【0084】
図4Bに示す様に、ナビゲーション装置200は、例えば、アーム292に対してナビゲーション装置200をスナップ接続することで、ドッキングステーションのアーム292にドッキング若しくは接続することができる。図4Bにおける矢印で示すように、ナビゲーション装置200は、アーム292上で回転可能である。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するためには、例えば、ナビゲーション装置200上のボタンを押下すればよい。ナビゲーション装置とドッキングステーションとを接続し分離する、同様な他の適切な配置は、当業者に公知である。
【0085】
添付の図5を参照すると、メモリ・リソース230は、メモリ・リソース230からオペレーティング・システム470をロードするために、プロセッサ210により実行されるブート・ローダ・プログラム(図示せず)を保存し、これにより、機能的なハードウェア部品460が、アプリケーション・ソフトウェア480を実行できる環境を提供する。オペレーティング・システム470は、機能的なハードウェア部品460を制御するためのサービスを提供し、アプリケーション・ソフトウェア480と機能的なハードウェア部品460との間に位置している。アプリケーション・ソフトウェア480は、例えば、地図の表示、経路計画、ナビゲーション機能、それらに伴う他の機能といった、ナビゲーション装置200のコアとなる機能を支持するGUIを含む動作環境を提供する。以下に示すより詳しい実施形態に従えば、アプリケーション・ソフトウェア480は、例えば、駐車期間の終了時刻の到来により、利用者に駐車車両に戻る様に警告する警報信号を発出する警報モジュール490を含んでいる。
【0086】
利用者がビゲーション装置200の電源をオンとすると、ビゲーション装置200は、GPS信号を捕捉し、ナビゲーション装置200の現在位置を計算(公知の方法で)する。位置は、アンテナ/受信機250、接続255及びプロセッサ210に含まれる位置判定モジュール(図示せず)を含む位置判定部を使用して計算される。図6に示す様に、ナビゲーション装置が判定した位置の局所的な環境494が、タッチスクリーンの表示画面240上に擬似3次元表示されて利用者に提示され、表示画面240の局所的な環境を示す領域の下の領域496には、一連の制御及び状態メッセージが表示される。装置200は、画面240に表示された一連のソフト又は仮想ボタンやメニュー画面による利用者の入力に応じて、利用者に経路計画、地図、ナビゲーション機能を提供する。
【0087】
ある実施形態においては、ナビゲーション装置は、車内でのナビゲーションと地図製作機能の提供に加えて、利用者が車両から離れているときにも、利用者にそれら機能を提供できることが重要である。特に、ナビゲーション装置200は、例えば、駐車期間が、間もなく期限切れとなる場合、駐車車両に戻ることを利用者に警告するための警報を発出するために使用することができる。
【0088】
図5に示す様に、プロセッサ210は、警報モジュール490を含んでいる。ナビゲーション装置200は、現在時刻を監視するタイミング回路を含むタイミング装置(図示せず)も含んでいる。タイミング装置は、プロセッサ210に含まれるプロセッサの標準的なクロック回路から、及び/又は、例えばGPS信号といった外部ソースからクロック又はタイミング信号を取得することができる。
【0089】
警報モジュール490は、タイミング装置から現在時刻を受信する様にプログラムされている。位置判定部は、アンテナ/受信機250が受信するGPS信号により装置200の位置を判定する。判定した位置は、警報モジュール490に供給される。
【0090】
動作中、駐車するときに、利用者は車両にいつまでに戻るかを示す時間である戻り時刻を入力し、警報を設定する。警報が設定されるとすぐ、警報モジュール490は、メモリ230に装置の現在位置200を車両位置として保存する。
【0091】
利用者は、装置200を携帯して車両を離れ、利用者が車両から離れて移動しているとき、警報モジュール490は、連続して又は定期的に、現在時刻と戻り時刻の差と、車両位置に対する装置200の位置を監視する。プロセッサ210は、任意の装置位置から車両位置に戻る最も速い徒歩経路を決定することができ、利用者が車両に戻るまでの必要な時間(人又はこの利用者の平均的な歩行速度に基づく)を評価することができる。
【0092】
警報モジュール490は、車両に対する装置の位置、車両に戻る最も速い徒歩経路、及び、設定されている任意のオフセット時間に基づき、駐車期間の終了前に利用者が車両に戻ることができる時刻に警報信号を生成する。警報信号を生成する時刻の判定基準は、利用者の好みにより設定することができる。
【0093】
図7は、警報モジュールの動作概要を示すフローチャートであり、その詳細を図8〜図11を参照して説明する。
【0094】
図8に示す駐車エリア502に車両500を駐車した際に、利用者は、まず、駐車期間だけ駐車するために駐車チケットを購入する。利用者は、その後、警報モジュール490の制御下において、図9に示すタッチスクリーン画面240に表示された入力画面により、車両500に戻る時間であることを利用者に通知するための設定を、可搬型ナビゲーション装置200に行う。
【0095】
利用者は、テキストボックス530及び532に表示された質問により、駐車期間又は駐車期間の終了時刻の入力を促される。利用者は、テキストボックス534、536により、可搬型ナビゲーション装置200に利用者が車両に戻るのに必要な時間の評価を行わせるか否かと、評価した戻り時刻にオフセット時間を加えるか否かを入力することを促される。利用者は、上下ボタン546、548、550及び552を使用してボックス538、540、542及び544に質問に対する回答を入力し、駐車警報を設定する。
【0096】
駐車警報が設定されると、プロセッサ200は、位置判定部を使用して車両の現在位置を判定し、判定した現在位置を車両位置としてメモリ230に保存する。装置200は、プロセッサ210に含まれる電力状態管理モジュールの制御の下、消費電力を抑えるスリープ状態に遷移し、利用者は、車両500の装置200のマウント504から装置200を取り外し、装置200を携帯して車両から離れる。電力状態管理モジュールは、警報モジュール490と協働し、装置200のスリープ状態と活動状態の制御を行う様に構成されている。
【0097】
駐車期間の半分、或いは、所定の期間(例えば、5分)が経過したとき、装置200は、電力状態管理モジュールの制御の下で覚醒し、タッチ画面240をロックし(装置がカバン内にある場合のため)、現在位置506を判定し、図8に示す様に、車両位置500までの徒歩経路508を計算し、計算した経路508により車両に歩いて戻るまでの時間を評価する。
【0098】
車両に歩いて戻るまでの評価時間が5分より大きい場合、警報モジュールは、現在時刻が、戻り時刻(この場合、駐車期間の終了時刻)から、車両に歩いて戻るまでの評価時間とオフセット時間である5分の合計を減じた時刻以後の時刻であるか否かを判定する。以後の時刻であれば、警報モジュールは、出力装置260に警報信号を発出し、出力装置260は、警報信号に応答して、可聴及び/又は触覚警告警報を発出する。以後の時刻でなければ、警報モジュールは、警報信号を発出しない。
【0099】
車両に歩いて戻るまでの評価時間が5分未満である場合、警報モジュールは、現在時刻と戻り時刻の差が10分以下であるか否かを判定する。10分以下であれば、警報モジュールは、出力装置260に警報信号を発出し、出力装置260は、警報信号に応答して、可聴及び/又は触覚警告警報を発出する。10分以下でなければ、警報モジュールは、警報信号を発出しない。
【0100】
その後、装置は、(a)戻り時刻と現在時刻との差が、以前に判定した、徒歩で戻るまでの評価時間に5分を加えた時間未満となるか、(b)残りの駐車期間が25%となるまで(どちらか早く来る時刻まで)スリープ状態に戻る。どちらの時刻が先に来たとしても、装置200は、覚醒し、タッチ画面240をロックし、現在位置を判定し、新たに判定した現在位置から車両位置までの新たな徒歩経路を計算し、新たに計算した経路により車両に歩いて戻るまでの時間を評価する。
【0101】
車両に歩いて戻るまでの新たな評価時間が5分より大きい場合、警報モジュールは、現在時刻が、戻り時刻(この場合、駐車期間の終了時刻)から、車両に歩いて戻るまでの評価時間とオフセット時間である5分の合計を減じた時刻以後の時刻であるか否かを判定する。以後の時刻であれば、警報モジュールは、出力装置260に警報信号を発出し、出力装置260は、警報信号に応答して、可聴及び/又は触覚警告警報を発出する。以後の時刻でなければ、警報モジュールは、警報信号を発出しない。
【0102】
車両に歩いて戻るまでの新たな評価時間が5分未満である場合、警報モジュールは、現在時刻と戻り時刻の差が10分以下であるか否かを判定する。10分以下であれば、警報モジュールは、出力装置260に警報信号を発出し、出力装置260は、警報信号に応答して、可聴及び/又は触覚警告警報を発出する。10分以下でなければ、警報モジュールは、警報信号を発出しない。
【0103】
その後、装置は、戻り時刻と現在時刻との差が、以前に判定した、歩いて戻るまでの評価時間に5分を加えた時間未満となるか、残りの駐車期間が10%となるまで(どちらか早く来る時刻まで)スリープ状態に戻り、上述した処理を繰り返す。装置は、残りの駐車期間の全駐車期間に対する割合が小さくなる度に覚醒し、警報を発出するか否かを判定するといった方法で、動作し続ける。
【0104】
最終的に、警報モジュールは警報信号を発出する。警報信号に応答して、可聴及び/又は触覚警告警報を発出する出力装置260に警報信号を発出することに加えて、警報モジュールは、図10に示す様に、警報信号に応答して、表示画面240をフラッシュし、利用者に情報を表示させるための、視覚警報も発出する。
【0105】
テキストボックス514には、利用者が直ちに車両に戻るべきであることを利用者に示すメッセージが表示される。表示領域516にはカウントダウン・クロックとして、残りの駐車時間も表示され、表示領域518には利用者が車両に歩いて戻るまでに必要な評価時間が表示される。利用者の徒歩経路508は、現在位置506から車両位置500へ歩いて戻る経路であり、表示画面240の地図に表示される。図10の例において、経路及び地図は、2次元で表示されているが、通常は、3次元又は擬似3次元で表示される。
【0106】
スヌーズ・ボタン520及び警報オフ・ボタン522も、タッチスクリーン画面240に表示されている。利用者がスヌーズ・ボタンを押すと、警報は停止するが、通常、数分である固定時間後に再度警報が発出される。利用者が警報オフ・ボタン522を押すと、警報は停止し、警報モジュール490は、駐車期間の終了時刻に関する更なる警報信号を発出しない。
【0107】
利用者が、スヌーズ・ボタン520と警報オフ・ボタン522のどちらも押さないとき、警報は、例えば、30秒といった固定時間後に停止される。その場合、警報モジュール490は、利用者が警報に応答して車両の方へ歩いて戻り始めたかどうかを判定するために、装置200の現在位置を監視する。警報モジュール490は、利用者が駐車期間の終了までに、車両に十分早く戻れるかどうかを判定することもできる。
【0108】
利用者が、スヌーズ・ボタン520若しくは警報オフ・ボタン522のどちらかを押すことや、車両の方向に歩いて戻るといった、警報に対して所定の応答を行わないとき、装置200は、可聴、触覚及び/又は視覚警報を6秒毎に(3秒間)繰り返すことで、利用者の注意を引き付けることを試みる。駐車期間が終了したとき、装置200は、可聴、触覚及び/又は視覚警報を30秒間、発出する。その後、装置200は、5分毎に(3秒間)警報を発出することを、3回まで(駐車期間の終了後15分まで)繰り返す。装置200は、その後、警報を停止し、警報モジュール490は、駐車期間の終了時刻に関する警報の発出を行わなくなる。
【0109】
図8から10に関する上記記述において、装置200の位置は、GPS信号により判定していた。しかしながら、装置200が、例えば、カバン等に入れられていたり、建物内に持ち込まれていたり等により、GPSによる位置判定が可能でない場合、装置200は位置を判定する他の方法を利用することができる。例えば、プロセッサ210は、以前のGPSにより判定した位置と、利用者の歩行速度に基づき現在の位置を推定することができる。また、装置200は、内部又は外部の移動電話が受信した信号に基づきその位置を決定する、電話による三角測量技術(セルID)を利用すること、或いは、その位置を知っている、電話又はネットワークに位置の通知を要求することができる。
【0110】
装置200が、GPSや、前述したその他の方法によりその位置を判定できない場合、車両位置500に戻る徒歩経路を計算することもできず、車両に戻るのに必要な時間を評価することもできない。表示画面240は、図11に示す様に、装置200がGPS信号の捕捉を試みていること、車両に戻る経路を表示できないことを、メッセージ・ボックス524に表示して利用者に示す。メッセージ・ボックス524は、領域528に示されている車両付近の領域において、地図上に重ねて表示される。駐車期間の終了へのカウント・ダウンが領域516に表示される。装置200は、駐車期間の残りが10分となるまで、5分ごとにその位置を判定することを試み続ける。残り10分の時点において、警報モジュール490は、警報信号を生成し、可聴及び視覚警報が発出される。
【0111】
装置200の位置を決定し、経路を計算する特定の時間や、警報信号のタイミングやオフセットは、図8から11に関して記載したもののみに限定されず、任意の適切なタイミングやオフセット、利用者の戻り時間までの残り時間に応じた警報信号を発出する任意の適切な動作モードを使用することができる。例えば、他の動作モードにおいて、スリープ・モードは使用されず、警報モジュール490は、装置200の位置を監視し、車両に戻るための時間を例えば5秒といった周期的に、或いは、連続して再評価する。装置位置を監視し警報信号を発出する他の適切なタイミングやオフセットを使用することができる。
【0112】
図8に関する実施形態の記述において、ナビゲーション装置200は、車両500から取り外され、車両500の外へと利用者により携帯されていた。他の実施形態において、ナビゲーション装置200は図12に示す様に車両500に残され、利用者は移動電話530又はGPSが利用できる利用者装置を携帯する。移動電話530とナビゲーション装置200(通信チャネル152経由で)はサーバ302と通信できる。移動電話530又はGPSが利用可能な利用者装置は、動作中、公知の技術によりその位置を判定することができ、判定した位置を、直接又はサーバ312経由で、ナビゲーション装置200に周期的に送信する。ナビゲーション装置200は、現在時刻、駐車終了時刻及び利用者の位置(移動電話530又はGPSが利用可能な利用者装置の位置に基づく)を監視し、図6から11に関して説明した技術に従い警報信号を発出する。警報信号は、装置200から、通信チャネル318及びサーバ302経由で、或いは、装置200の移動電話から移動通信ネットワーク経由で直接、移動電話530又はGPSが利用可能な利用者装置に送信される。移動電話530又はGPSが利用可能な利用者装置は、受信した警報信号に応答して、車両500に戻るべきことを利用者に示す可聴警報及び/又はテキスト・メッセージを発出又は表示する。警報信号は、移動電話530にSMSメッセージとして送信することができる。
【0113】
他の実施形態において、ナビゲーション装置200及び/又は移動電話530は、幾つかの市や町において提供されている電子式駐車管理システムと通信するインタフェース・モジュールを含んでいる。電子式駐車管理システムは、利用者が装置200又は移動電話530により駐車料金を支払うことを可能にする。その様な実施形態によると、利用者は、チケットを買うために車を降りる必要はなく、装置200に駐車期間や、その終了時刻を手動で入力する必要がなくなる。代わりに、駐車期間の終了時刻は、装置200による駐車期間の駐車料金の支払いにより、或いは、電子式駐車管理システムが装置200と自動的に通信することにより、自動的に設定される。装置200は、チケットが購入されたことと、いつまでの駐車料金が支払われているのかを自動的に知ることができる。装置200が行う必要があるのは、利用者が駐車警報の使用を望んでいるかを確認することのみである。利用者は、装置を隠し、車をロックし、チケットを買うために歩き、車に戻り、ナビゲーション装置200の電源を入れて警報を設定する必要がないため、利用者が駐車警報を利用する可能性が高くなる。
【0114】
利用者は、装置200又は移動電話530により、駐車期間を延長することも可能であり、その場合、装置200は、購入した追加の駐車時間に応じて、自動的に、駐車期間の終了時刻を延長する。その様な状況において、利用者は、駐車警報に応答して車両500に戻る必要はない。
【0115】
他の実施形態において、警報モジュール490は、車両位置を監視し、車両が静止しているか否か、つまり、車両が駐車しているか否かを判定する。警報モジュール490は、駐車料金を支払う必要がある位置に車両がいるか否かを判定するために、車両位置を地図データと比較する。車両位置が駐車料金を支払う必要のある位置であれば、さらにオプションとして現在時刻に応じて、警報モジュール490は、駐車料金の支払いが必要であることを利用者に提示する様に出力装置260又は出力画面240を制御することと、駐車警報の設定を利用者に促すことの両方、或いは、いずれか一方を行う。提示することや、促すことは、例えば、車両が駐車場、若しくは、駐車場を含む興味点(PОI)にいる場合や、それらから所定の距離内(例えば、駐車場や駐車POIから75m)にいる場合、或いは、車両が路上駐車場(例えば、駐車料金を必要とする通り又はエリア)にいる場合に行われる。警報モジュール490は、利用者が目的地に到着する度に、上記提示することや、駐車警報について促すことを行わない。例えば、車両が家、職場、利用者が駐車を許可されているエリア又は位置から所定の距離内にいる場合、上記提示することや、駐車警報について促すことは行われない。
【0116】
記載した実施形態や、それを変更した実施形態において、装置200は、駐車期間が終了するとき、利用者に警告を発出し、車両に戻るか、駐車期間を延長するかを利用者に忠告することができる。装置200は、駐車料金を装置200により、或いは、装置200と通信する第三者の駐車料金支払いシステムにより支払うことができる場合、警報を自動的に設定し、利用者の入力なく警告を発出することができる。利用者は、デジタル信号により支払う方法が利用可能である場合、装置200により(車両付近にいることなく)駐車期間を延長することができる。装置200は、車両位置を監視することができ、車両が駐車料金の支払いが必要なエリアに駐車していると判定した場合、利用者が駐車警報の設定を望むか否かを確認することができる。現在位置(又は最後の判定した位置)から車両に戻るまでに必要な徒歩時間を計算することにより、警報の時間を設定するための正確な時間マージンが考慮される。
【0117】
本発明の種々の側面及び実施形態について述べたが、本発明の範囲は、ここで述べた特定の配置に制限されず、それどころか、添付の特許請求の範囲の範囲内にある総ての配置、修正、置換を含む様に拡張される。
【0118】
例えば、本発明は可搬型ナビゲーション装置により例示されたが、経路計画及びナビゲーション機能は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ型又はモバイル型の計算リソースによっても提供され得ることが認識される。例えば、RAC(Royal Automobile Club)は、ウェブサイトhttp://www.rac.co.ukにおいて、オンラインの経路計画及びナビゲーション機能を提供し、そのサイトにおいて利用者は出発地及び目的地を入力でき、利用者の計算リソースと接続しているサーバは、それらが入力されると経路(利用者が特定した態様における)を計算し、地図を生成し、選択した出発地から目的地に利用者を案内する一連の包括的なナビゲーション指示を生成する。
【0119】
上記詳細な説明の実施形態はGPSを参照していたが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は、GPSに加えて)任意の種類の位置検出技術を利用することができる。例えば、ナビゲーション装置は、ヨーロッパ・ガリレオ・システムの様な、他の全世界的なナビゲーション衛星システムを利用することができる。同様に、衛星に基づくシステムに限定されず、装置に地理的な位置を判定させることができる地表ビーコンに基づくシステムや、他の任意のシステムを利用することができる。
【0120】
本発明の他の実施形態は、コンピュータ・システムで利用される、例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM若しくは固定ディスクの様な有形のデータ記録媒体、又は、有形の媒体若しくはマイクロ波や赤外線といった無線媒体を送信されるコンピュータ・データ信号に保存されている一連のコンピュータ命令である、コンピュータ・プログラム・プロダクトとして実現される。一連のコンピュータ命令は、上述した総ての又は一部の機能を含み、半導体、磁気、光等の揮発性又は不揮発性といった任意のメモリ装置にも保存することができる。
【0121】
記載した実施形態は、ソフトウェアによりその機能が実現されていたが、それら機能はハードウェア(例えば、1つ以上のASIC(Application Specific Integrated Circuit))や、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせでも同様に実現できることが当業者には理解される。よって、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されたもののみに限定されるものと解釈すべきではない。
【0122】
本発明の実施形態は、単なる例示であり、詳細部分について、本発明の範囲内での修正が可能である。
【0123】
記載した各特徴、(適切な)特許請求の範囲及び図面は、単独又は任意の適切な組み合わせとして提供され得る。
【0124】
最後に、添付の特許請求の範囲は、記載した特徴の特定の組み合わせを設定しているが、本発明の範囲は、特許請求の範囲の特定の組み合わせに限定されず、現時点における添付の特許請求の範囲に具体的に列挙されているか否かに拘らず、特徴又は実施形態の任意の組み合わせを含むところまで拡張され得ることに留意すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者がいつまでに駐車している車両(500)に戻るかを示す前記利用者の戻り時刻を表す時間データを入力する入力装置(220、240)と、
前記利用者の戻り時刻までの残り時間を監視し、前記残り時間に応じて警報信号を発出する様に構成されているプロセッサ(210)と、
を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記利用者の戻り時刻は、駐車期間の終了時刻である、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記利用者の位置を判定する位置判定部(250、255、210)を、さらに、備えており、
前記プロセッサ(210)は、前記車両(500)に対する前記利用者の位置に応じて前記警報信号を発出する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサ(210)は、前記利用者の前記車両(500)までの移動時間を評価し、前記評価した移動時間に応じて前記警報信号を発出する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサ(210)は、前記残り時間を閾値と比較し、前記残り時間が前記閾値以下である場合に前記警報信号を発出する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記閾値は、予め定めたオフセット時間、前記利用者が前記車両(500)に移動するまでの時間を評価した評価移動時間、或いは、前記利用者が前記車両(500)に移動するまでの時間を評価した評価移動時間と予め定めたオフセット時間の和に等しい、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ナビゲーション装置は、利用者が、前記車両(500)の外に持ち運んで動作させることができる様に構成された可搬型ナビゲーション装置(200)であり、
前記可搬型ナビゲーション装置の位置を判定する位置判定部(250、255、210)を備えている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
利用者が、前記車両(500)の外に持ち運んで動作させることができる様に構成された利用者装置(530)と通信する通信回路を、さらに、備えており、
前記プロセッサは、前記利用者装置(530)の位置を表す位置データを、前記通信回路経由で受信する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記車両(500)の外に持ち運んで利用者が動作させる様に構成された利用者装置(530)に、前記警報信号を送信する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサ(210)は、前記警報信号の発出後の前記利用者からの応答を監視する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサ(210)は、前記利用者が前記警報信号に対して所定の応答を行わない場合、前記警報信号を繰り返すか他の警報信号を発出する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサ(210)は、前記警報信号の発出後の前記利用者の移動を監視し、前記車両(500)に対する前記利用者の移動状態に応じて前記警報信号を繰り返すか他の警報信号を発出する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記警報信号に応答して、利用者に出力を行う出力装置(260)を、さらに、備えており、
前記出力は、前記利用者の戻り時刻、前記残り時間、オフセット時間、前記車両(500)までの移動時間の評価の少なくとも1つを示す、可聴警報、触覚警報、視覚警報、及びそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記車両(500)の駐車を示す入力に応答して前記車両(500)の位置を判定する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記車両(500)の駐車を示す入力に応答して、駐車料金の支払いが必要であること、前記利用者に前記戻り時刻の入力を要求すること、或いは、その両方を示す出力を前記利用者に提示する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記車両の位置に応じて前記利用者に前記出力を提示する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサ(210)は、利用者からの入力、駐車期間が延長されたことを示す入力、或いは、利用者からの入力と駐車期間が延長されたことを示す入力の両方に応答して、前記戻り時刻を延長する様に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
利用者がいつまでに駐車している車両(500)に戻るかを示す前記利用者の戻り時刻を表す時間データを取得するステップと、
前記利用者の戻り時刻までの残り時間を監視するステップと、
前記残り時間に応じて警報信号を発出するステップと、
を備えていることを特徴とする利用者の戻り時刻を監視する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−515326(P2012−515326A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544809(P2011−544809)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050383
【国際公開番号】WO2010/081550
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】