説明

ナビゲーション装置

【課題】符号化時の車速と復号時の車速の違いによる復号処理の破綻を回避するという課題を解決する。
【解決手段】位置情報検出手段201と、動画像入力手段202と、速度情報検出手段301と、動画像符号化手段203を備え、位置情報と速度情報を用いて動画像符号化手段を制御し、位置情報と速度情報と動画像情報を動画像符号化手段で同一の符号化ストリームに重畳することにより、画面内符号化フレームを適宜挿入することが可能となるので、復号処理の破綻を回避することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路沿いの景観を撮影した動画像情報と、撮影時の関連情報を符号化し、送受信するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、特許文献1に記載された従来のナビゲーション装置を示すものである。
【0003】
従来のナビゲーション装置としては、国土地理院公認の地図情報に対応する地図データ、地図データ上の道路沿いの景観をビデオ撮影した動画データ、これらの地図データと動画データとを対応付けるためのリンクデータを入力するデータ入力部1102、各種データを記憶するデータ記憶部1101、所定の地図データを指定したり、動画データを表示する所定の道路を指定したりする指示入力部1105、ナビゲーション装置全体の動作を制御すると共に指示入力部1105から入力される指示に従って、データ記憶部1101に記憶されている各種データを処理する処理部1104、地図データ及び関連する動画データを表示する表示部1106、インターネット等に接続するためのネットワークインタフェース1103を有している。尚、リンクデータはGPS(Global Positioning System)を利用して、自動車を一定の速度で移動しながら道路沿いの景観を撮影することにより、地図データ上の各位置と道路沿いの景観をビデオ撮影した動画データの再生タイミングとを正確に対応付けされ作成される。
【0004】
また、特許文献2に記載された従来のナビゲーション装置としては、撮影時の時刻とその時刻における映像データを管理する映像情報ファイル、撮影時の時刻とその時刻における地図上の座標位置を管理する位置情報管理ファイルを用いて、撮影時の状態に依存しない映像再生が可能となるように、道路地図上の経路を設定し、設定された移動速度に応じて、その速度で移動する経路上の位置に対応した映像情報を記憶手段から抽出して再生する機能を有している。
【特許文献1】特開2001−297400号公報
【特許文献2】特開2003−329462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1で実施されている従来の構成は、GPSを利用して検出される地図データ上の各位置と道路沿いの景観をビデオ撮影した動画データの再生タイミングとを正確に対応付けされたリンクデータを用いて、指示入力部から指定される地図位置情報に対応した道路をリンクデータ内から検索し、その検索された道路沿いの動画データを再生し、地図データ上に再生中の動画データの撮影位置を表示するだけであった。
【0006】
また、位置情報から映像情報を表示するために、複数の情報ファイルを検索する必要があり、再生時の走行速度によっては、映像データの検索が再生表示に間に合わない場合や、ビデオ撮影時の走行速度と再生時の走行速度の違いにより、動画データの再生時に、動画データの復号処理が破綻することが起こり得る、という課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、位置情報、速度情報から映像情報の検索を高速にし、更に、撮影時の走行速度と再生時の走行速度の違いから映像データの復号処理が破綻しないナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、第1の発明に係るナビゲーション装置は、測位システムを利用して地図上の位置を検出する位置情報検出手段と、道路沿いの景観をビデオ撮影するための動画像入力手段と、動画像入力手段から得られた動画像情報と、位置情報検出手段から得られた位置情報とを重畳した動画像ストリームとして符号化する動画像符号化手段と、動画像符号化手段により符号化された動画像ストリームを蓄積するための動画像ストリーム蓄積手段と、動画像ストリーム蓄積手段に蓄積されている動画像ストリームを、通信網を介して送信するための動画像ストリーム送信手段と、を備える。
【0009】
この構成において、動画像情報と位置情報が同じ動画像ストリームデータとして構成でき、動画ストリームデータを、ネットワークを介して送信し、受信側の動画ストリーム復号時において、位置情報から動画像データの抽出を高速に行うことができる。
【0010】
第2の発明に係るナビゲーション装置は、第1の発明の構成において、位置情報を用いて動画像符号化モードを決定する動画像符号化手段を備える。
【0011】
この構成において、動画像データを録画した場合の位置の変化に応じた画面内符号化フレームの挿入が可能となり、復号時の動画像データのスキップ処理を行うことができる。
【0012】
第3の発明に係るナビゲーション装置は、第2の発明の構成に加え、走行している速度を検出する速度検出手段を有し、位置情報検出手段から得られた位置情報と、速度検出手段から得られた速度情報と、動画像入力手段から得られた動画像情報とを重畳した動画像ストリームとして符号化する動画像符号化手段とを備える。
【0013】
この構成において、動画像情報と位置情報と速度情報が同じ動画像ストリームデータとして構成でき、動画ストリームデータを、ネットワークを介して送信し、受信側の動画ストリーム復号時において、位置情報と速度情報から動画像データの抽出を高速に行うことができる。
【0014】
第4の発明に係るナビゲーション装置は、第3の発明の構成において、位置情報検出手段から得られた位置情報と、速度検出手段から得られた速度情報より符号化モードを決定する動画像符号化手段を備える。
【0015】
この構成において、動画像データを録画した場合の速度の変化に応じた画面内符号化フレームの挿入が可能となり、復号時の動画像データのスキップ処理を行うことができる。
【0016】
第5の発明に係るナビゲーション装置は、測位システムを利用して地図上の位置を検出する位置情報検出手段と、通信網を介して動画ストリームを受信するための動画像ストリーム受信手段と、受信した動画ストリームを蓄積するための動画ストリーム蓄積手段と、動画ストリーム蓄積手段に蓄積されている動画ストリームを復号するための動画像復号手段と、動画像復号手段で復号された復号画像を蓄積するための復号画像蓄積手段と、復号画像蓄積手段に蓄積されている復号画像を表示する画像表示手段とを備える。
【0017】
この構成において、動画像情報と位置情報が同じデータとして構成された動画像ストリームデータを受信し、動画ストリームデータを復号することにより、実際に走行している位置と、位置に対応した動画像データを取得することができる。
【0018】
第6の発明に係るナビゲーション装置は、第5の発明の構成において、位置情報検出手段から得られた位置情報により動画像復号手段を制御し、画像表示手段へ表示する画像を復号する手段を備える。
【0019】
この構成において、実際に走行している位置と、動画ストリームデータを復号した時点での位置が大きく異なる場合に、実際の位置と位置に対応した動画像データを同期させるために動画ストリームデータのスキップ処理を行うことができる。
【0020】
第7の発明に係るナビゲーション装置は、第6の発明の構成に加え、走行している速度を検出する速度情報検出手段を備える。
【0021】
この構成において、動画像情報と位置情報と速度情報が同じデータとして構成された動画像ストリームデータを受信し、動画ストリームデータを復号することにより、実際に走行している位置と走行速度、走行速度から算出される位置に対応した動画像データを取得することができる。
【0022】
第8の発明に係るナビゲーション装置は、第6の発明の構成において、位置情報検出手段から得られた位置情報と速度情報検出手段から得られた速度情報により動画像復号手段を制御し、画像表示手段へ表示する画像を復号する手段を備える。
【0023】
この構成において、実際に走行している速度から算出される走行位置と、動画ストリームデータを復号した時点での位置が大きく異なる場合に、実際の位置と位置に対応した動画像データを同期させるために動画ストリームデータのスキップ処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のナビゲーション装置によれば、動的に変化する撮影条件に対し、位置情報、速度情報を用いることにより、再生する側の動画像ストリームの復号処理の破綻を回避する符号化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の送信側のブロック図である。図2に示すように、このナビゲーション装置200は、位置情報検出手段201、動画像入力手段202、動画像符号化手段203、動画ストリーム蓄積手段204、動画ストリーム送信手段205を備える。
【0027】
位置情報検出手段201は、測位システムとしてのGPSを利用して、走行している位置情報、すなわち、緯度(北緯DD度、MM分、SS.SS秒)、経度(東経DDD度、MM分、SS.SS秒)を取得する。
【0028】
動画像入力手段202は、道路沿いの景観を入力するためのデジタルビデオカメラである。
【0029】
動画像符号化手段203は、位置情報検出手段201で取得されたGPS位置情報と、動画像入力手段202から入力される画像データをMPEG(Moving Picture Expert Group)形式のストリームとして符号化を行う。
【0030】
図5はMPEG4形式で符号化した時のストリーム構成図である。
【0031】
MPEG4ストリームは、VOS階層、VO階層、VOL階層、VOP階層という階層構造をしており、動画像はVOPという1枚のフレーム構造の集合である。また、VOPのグループ構造を構成する単位としてGOV構造が構成可能である。MPEG4ストリームは、独自にストリームを拡張できるように、図中の「user data」で示されるユーザーデータ領域というものがある。
【0032】
動画像符号化手段203は、動画像入力手段202から入力された画像データを通常の符号化方式に従って、各階層のストリーム構造を構成する。位置情報検出手段201で取得されたGPS位置情報(東経:DDD度、MM分、SS.SS秒、北緯:DD度、MM分、SS.SS秒)は、GOV構造を構成する時点で重畳される。GOV構造は数VOP単位で構成可能であり、最小、1VOPでGOVを構成することも可能である。
【0033】
動画ストリーム蓄積手段204は、動画像符号化手段203で符号化された動画ストリームを蓄積する。
【0034】
動画ストリーム送信手段205は、動画ストリーム蓄積手段204に蓄積されている動画ストリームを、ネットワークを介して、図示されていない動画サーバーに送信する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の受信側のブロック図である。図1に示すように、このナビゲーション装置100は、位置情報検出手段101、復号画像蓄積手段102、動画像復号手段103、動画ストリーム蓄積手段104、動画ストリーム受信手段105、画像表示手段106を備える。
【0036】
位置情報検出手段101は、GPSを利用して、走行している位置情報、すなわち、緯度(北緯DD度、MM分、SS.SS秒)、経度(東経DDD度、MM分、SS.SS秒)を取得する。
【0037】
動画ストリーム受信手段105は、ネットワークを介して、図示されていない動画サーバーから図5に示す動画ストリームを受信する。
【0038】
動画ストリーム蓄積手段104は、受信した動画ストリームを蓄積する。
【0039】
動画像復号手段103は、動画ストリーム蓄積手段に蓄積されている動画ストリームを復号する。ストリーム復号時には、位置情報検出手段101から取得した位置情報とストリームを復号して得られた位置情報を比較し、位置情報検出手段101から取得した位置情報と復号して得られた位置情報が一致した時点で、復号画像蓄積手段に復号画像を出力する。
【0040】
復号画像蓄積手段102は、動画像復号手段103から出力された画像データを蓄積する。
【0041】
画像表示手段106は、復号画像蓄積手段102に画像データが蓄積された時点で画像を取得して表示する。
【0042】
上述したように、実施の形態1では、動画像符号化手段203において、動画データと位置情報を1つの動画像ストリームとして符号化することにより、再生時において、符号化ストリームを復号するだけで、位置情報、位置情報に対応する画像データが取得でき、高速な表示が可能となる。
【0043】
なお、本実施の形態において、各位置情報パラメータはGPSから取得した情報そのものを重畳した例を挙げたが、位置情報の差分情報を送信することも可能である。
【0044】
また、本実施の形態において、符号化ストリームの一例としてMPEG4ストリームを示したが、現在、MPEG4に替わる高能率動画像符号化方式としてMPEG4-AVC符号化が提案されているが、MPEG4-AVC方式では、NAL(Network Abstraction Layer)というパケット構造を採用しており、上述したGPS情報をGPS_NALパケットとして定義し、GPS_NALパケットを、フレームを構成するNALパケットの先頭に重畳することで、同様の効果を実現することが可能である。
【0045】
また、本実施の形態では、測位システムとしてGPSを利用したが、地図上での位置を特定できれば他の測位システムを利用してもよい。例えば欧州が開発中の衛星測位システムGalileoを利用することもできる。以下の実施形態においても同様である。
【0046】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の送信側のブロック図である。図3において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、このナビゲーション装置は、図2に示した構成要素に加えて、速度情報検出手段301をさらに備える。
【0048】
速度情報検出手段301は、走行車両の速度情報、すなわち、速度(時速Vキロメートル)を取得する。
【0049】
図6はMPEG4形式で符号化した時のストリーム構成図である。
【0050】
図6において、動画像入力手段から入力された画像データを通常の符号化方式に従って、各階層のストリーム構造を構成する処理は実施の形態1に示す処理と同様である。位置情報検出手段で取得されたGPS位置情報と速度情報検出手段で検出される速度情報は、GOV構造を構成する時点で画像データのストリーム構造に重畳される。GOV構造は数VOP単位で構成可能であり、最小、1VOPでGOVを構成することも可能である。
【0051】
以降の処理は、実施の形態1で示した送信側の処理と同様であるため省略する。
【0052】
図4は、本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の受信側のブロック図である。図4において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0053】
図4に示すように、このナビゲーション装置は、図1に示した構成要素に加えて、速度情報検出手401をさらに備える。
【0054】
動画ストリーム受信手段105は、ネットワークを介して、図示されていない動画サーバーから図6に示す動画ストリームを受信する。
【0055】
速度情報検出手段401は、走行車両の速度情報、すなわち、速度(時速Vキロメートル)を取得する。
【0056】
動画像復号手段103は、動画ストリーム蓄積手段に蓄積されている動画ストリームを復号する。ストリーム復号時には、位置情報検出手段101から取得した位置情報と速度情報検出手段から取得した速度情報と、ストリームを復号して得られた位置情報と速度情報を比較し、速度情報から算出される位置情報と復号して得られた位置情報が一致した時点で、復号画像蓄積手段に復号画像を出力する。
【0057】
以降の処理は、実施の形態1で示した受信側の処理と同様であるため省略する。
【0058】
上述したように、実施の形態2では、動画像符号化手段203において、動画データと位置情報と速度情報を1つの動画像ストリームとして符号化することにより、再生時において、符号化ストリームを復号するだけで、位置情報、速度情報、位置情報、速度情報に対応する画像データが取得でき、高速な表示が可能となる。
【0059】
なお、本実施の形態において、速度情報パラメータは速度情報検出手段から取得した情報そのものを重畳した例を挙げたが、速度情報の差分情報を送信することも可能である。
【0060】
また、実施の形態1同様に、MPEG4-AVC符号化方式のパケット構造を採用し、上述した速度情報をVelocity_NALパケットとして定義し、Velocity_NALパケットを、フレームを構成するNALパケットの先頭に重畳することで、同様の効果を実現することが可能である。
【0061】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を説明するにあたって、図7から図8を用いて説明する。
【0062】
図7は、図2における動画像符号化手段203の符号化処理を示したフローチャートである。
【0063】
図7において、符号化処理の流れを説明する。尚、図7で用いている画面内符号化タイプとは、そのストリームデータのみ復号するだけでフレームを構成できる符号化タイプであり、画面間符号化タイプとは、前フレームに符号化した差分データを加算することでフレームを構成できる符号化タイプである。即ち、画面内符号化タイプの符号化データを適宜挿入しておくことで、復号時に処理が間に合わなくなった場合、画面内符号化されたデータまでスキップすることで、復号処理を破綻させることなく継続させることができる。
701: 動画像入力手段から現位置のフレームデータを入力する。
702: 位置情報検出手段から現位置情報を取得する。
703: 検出した位置情報の変位を求め、変位が閾値を越えるか比較し、
超えない場合は704、超える場合は705の処理を行う。
704: 現フレームデータを画面間符号化タイプで符号化する。
705: GOV構造を挿入し、現フレームデータを画面内符号化タイプで符号化する。
706: 符号化した動画ストリームを動画ストリーム蓄積手段に蓄積する。
【0064】
この符号化処理によって、符号化フレーム間隔における位置の変位が復号フレーム間隔における位置の変位)越えた場合、フレームをスキップし処理を継続できるように画面内符号化フレームを挿入することが可能となる。
【0065】
図8は、図1における動画像復号手段103の復号処理を示したフローチャートである。
【0066】
図8において、復号処理の流れを説明する。
801: 動画ストリームのGOV構造を復号し、位置情報を取得する。
802: 位置情報検出手段から現位置情報を取得する。
803: 検出した位置情報の変位が、復号した位置情報の変位を超えるか比較し、
超えない場合は804、超える場合は805の処理を行う。
804: 次のVOPフレーム構造を復号し、806の処理を行う。
805: 次のGOV構造のスタートコードを検出し、801の処理を行う。
806: 復号した動画データを復号画像蓄積手段に蓄積する。
【0067】
この復号処理によって、符号化フレーム間隔における位置の変位が復号フレーム間隔における位置の変位を越えた場合、処理が破綻すると判断し、フレームをスキップすることが可能となる。
【0068】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4を説明するにあたって、図9から図10を用いて説明する。
【0069】
図9は、図3における動画像符号化手段203の符号化処理を示したフローチャートである。
【0070】
図9において、符号化処理の流れを説明する。
901: 動画像入力手段から現位置のフレームデータを入力する。
902: 位置情報検出手段から現位置情報を取得する。
903: 速度情報検出手段から現速度情報を取得する。
904: 検出した速度情報が閾値を越えるかを比較し、
超えない場合は906、超える場合は907の処理を行う。
905: 閾値を設定する。
906: 検出した位置情報の変位を求め、変位が閾値を越えるか比較し、
超えない場合は907、超える場合は908の処理を行う。
907: 現フレームデータを画面間符号化タイプで符号化する。
908: GOV構造を挿入し、現フレームデータを画面内符号化タイプで符号化する。
909: 符号化した動画ストリームを動画ストリーム蓄積手段に蓄積する。
【0071】
この符号化処理によって、復号時の走行速度が符号化時の走行速度を越えた場合、フレームをスキップし処理を継続できるように画面内符号化フレームを挿入することが可能となる。
【0072】
図10は、図4における動画像復号手段103の復号処理を示したフローチャートである。図10において、復号処理の流れを説明する。
1001: 動画ストリームのGOV構造を復号し、速度情報を取得する。
1002: 速度情報検出手段から現速度情報を取得する。
1003: 検出した速度情報が、復号した速度情報を超えるか比較し、
超えない場合は1004、超える場合は1005の処理を行う。
1004: 次のVOPフレーム構造を復号し、1006の処理を行う。
1005: 次のGOV構造のスタートコードを検出し、1001の処理を行う。
1006: 復号した動画データを復号画像蓄積手段に蓄積する。
【0073】
この復号処理によって、復号時の走行速度が符号化時の走行速度を越えた場合、処理が破綻すると判断し、フレームをスキップすることが可能となる。
【0074】
尚、図2と図3を独立に実施する実施例、図1と図4を独立に実施する実施例で本発明の実施の形態を説明したが、双方を併せて実施することにより、位置を考慮した符号化/復号方式と速度を考慮した符号化/復号方式を動的に切り替えることにより、より正確なフレーム制御が可能なナビゲーション装置を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係るナビゲーション装置は、GPS装置、デジタルビデオ装置を有し、実際の動画像を用いた車載ナビゲーションシステムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の受信側のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の送信側のブロック図
【図3】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の送信側のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の受信側のブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における符号化ストリームの構成図
【図6】本発明の実施の形態2における符号化ストリームの構成図
【図7】本発明の実施の形態3における符号化処理のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における復号処理のフローチャート
【図9】本発明の実施の形態4における符号化処理のフローチャート
【図10】本発明の実施の形態4における復号処理のフローチャート
【図11】従来のナビゲーション装置のブロック図
【符号の説明】
【0077】
100 受信装置
101 位置情報検出手段
102 復号画像蓄積手段
103 動画像復号手段
104 動画ストリーム蓄積手段
105 動画ストリーム受信手段
106 画像表示手段
200 送信装置
201 位置情報検出手段
202 動画像入力手段
203 動画像符号化手段
204 動画ストリーム蓄積手段
205 動画ストリーム送信手段
300 送信装置
301 速度情報検出手段
400 受信装置
401 速度情報検出手段
1100 情報提供装置
1101 データ記憶部
1102 データ入力部
1103 ネットワークインタフェース
1104 処理部
1105 指示入力部
1106 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図データを記憶しているナビゲーション装置において、
測位システムを利用して地図上の位置を検出する位置情報検出手段と、
道路沿いの景観をビデオ撮影するための動画像入力手段と、
前記動画像入力手段から得られた動画像情報と、前記位置情報検出手段から得られた位置情報とを動画像ストリームとして重畳して符号化する動画像符号化手段と、
前記動画像符号化手段により符号化された動画像ストリームを蓄積するための動画像ストリーム蓄積手段と、
前記動画像ストリーム蓄積手段に蓄積されている動画像ストリームを、通信網を介して送信するための動画像ストリーム送信手段と、
を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記動画像符号化手段は、前記位置情報検出手段から得られた位置情報より符号化モードを決定することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
走行している速度を検出する速度検出手段を更に有し、
前記動画像符号化手段は、前記位置情報検出手段から得られた位置情報と、前記速度検出手段から得られた速度情報と、前記動画像入力手段から得られた動画像情報とを動画像ストリームとして重畳して符号化する
ことを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記動画像符号化手段は、前記位置情報検出手段から得られた位置情報と、前記速度検出手段から得られた速度情報より符号化モードを決定することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
道路地図データを記憶しているナビゲーション装置において、
測位システムを利用して地図上の位置を検出する位置情報検出手段と、
通信網を介して動画ストリームを受信するための動画像ストリーム受信手段と、
受信した動画ストリームを蓄積するための動画ストリーム蓄積手段と、
前記動画ストリーム蓄積手段に蓄積されている動画ストリームを復号するための動画像復号手段と、
前記動画像復号手段で復号された復号画像を蓄積するための復号画像蓄積手段と、
前記復号画像蓄積手段に蓄積されている復号画像を表示する画像表示手段と、
を備えたナビゲーション装置。
【請求項6】
前記位置情報検出手段から得られた位置情報により前記動画像復号手段を制御し、前記画像表示手段へ表示する画像を復号することを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
走行している速度を検出する速度情報検出手段を更に有していることを特徴とする請求項5または6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記速度情報検出手段から得られた速度情報により前記動画像復号手段を制御し、前記画像表示手段へ表示する画像を復号することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−166067(P2006−166067A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355130(P2004−355130)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】