説明

ナビゲーション装置

【課題】カーナビゲーション装置において、経路案内や地図表示に制約を受けることを極力防止しながらコリドー機能を果たす。
【解決手段】設定された目的地までの経路を探索する際、制御装置は、「標準」、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」の各条件で経路探索を行う。経路探索後に「コリドー」が選択されると、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」で探索した各経路のうち、最も案内データ量の少ない経路をコリドー機能に適した経路として設定し、その案内のためのデータをRAMに記憶する。また、地図データをCDプレーヤにセットされている地図用CD−ROMから読み出してRAMに記憶する。このとき、案内データ量が少ないので多量の地図データをRAMに記憶することができ、経路案内や地図表示に支障をきたすことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データ記録媒体から地図データを取り込むための入力装置を、オーディオまたはオーディオ・ビデオ記録媒体からオーディオデータまたはオーディオ・ビデオデータを取り込むための入力装置に兼用したナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CD−ROMプレーヤ(入力装置)をナビゲーション用とオーディオ用に兼用するカーナビゲーション装置がある。この種のカーナビゲーション装置では、CD−ROMプレーヤをオーディオ用として使用しているときには、ナビゲーションができないという問題がある。このため、例えば特許文献1では、CD−ROMプレーヤをオーディオ用として使用する際には、予め地図用CD−ROMから自車の現在位置を中心とした地図データを読み出してメモリに記憶しておき、CD−ROMプレーヤをオーディオ用として使用している時、地図データの要求があった場合には、メモリに記憶してある地図データを出力するようにしている。
このように、入力装置をナビゲーション用とオーディオ用とに兼用する形式のナビゲーション装置において、事前に地図データを読み出してメモリに記憶しておくことにより、オーディオ機能とナビゲーション機能とを両立させる機能をコリドー機能という。
【特許文献1】特開平3−6773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コリドー機能は、膨大な量の地図データをメモリに記憶しておかねばならない。このため、特に目的地までの経路が設定されている場合、描画できる地図範囲や詳細度などにおいて、地図用CD−ROMから直接地図データを読み取ってナビゲーション用に使用する場合に比べ、制約を受けることがある。
このナビゲーション機能における制約は、コリドー機能のために使用するメモリの容量がCD−ROMに比べて小さいことからくる。つまり、メモリ容量を無制限にコリドー機能(地図データ記憶)に割り当てることができればまだしも、コリドー機能に割り当てることができる容量には限界があるので、地図データという膨大なデータ量を記憶しておくに必要な容量を得ることは困難である。
【0004】
特に、目的地が設定されている場合、その目的地までの経路の案内データもメモリに記憶させておかねばならないので、自車位置周辺の地図データを記憶させるためのメモリ容量は、一層の制限を受ける。このため、コリドー機能中はナビゲーション機能としての案内内容や表示される地図内容に制約を受けるのが一般的である。例えば、できるだけ広い範囲の地図データをメモリに記憶させるためには、詳細な地図ではなく、高速道や国道、県道といった主要道路を表示する程度としたりしなければならない。逆に、詳細な地図を表示しようとすれば、広い範囲の地図データをメモリに記憶させることができないため、車両の走行距離によっては、メモリに記憶した地図の範囲を超えてしまい、表示装置に現在位置周辺の地図を表示することができなくなったりする場合が生ずる。
【0005】
コリドー機能は、CD−ROMの入力装置を1台しか備えていなくとも、ナビゲーション機能とオーディオ機能とを両立させることができるので、非常に有意義な機能である。このため、目的地までの経路は多少遠回りであっても構わないから、できるだけオーディオ機能を使用したい、ただし、目的地までは正しく経路案内してもらいたい、というユーザの要望に対処することができるナビゲーション装置の出現が要望されてきている。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、コリドー機能中、目的地まで正しく経路案内することができ、しかも、案内内容や地図内容に制約を受けることを極力防止することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来のコリドー機能における経路探索は、特にコリドー機能を使用することを前提とすることなく、有料道路優先、一般道優先、距離優先などの条件で経路を探索し、それをそのままコリドー機能中の案内経路にも使用していた。このため、場合によっては経路案内に使用するデータ量が多く、経路案内のためのデータを記憶手段に記憶させた場合、地図データを記憶するための容量がその分減少する。
【0008】
そこで、経路案内のためのデータ量を減らすことができれば、地図データのための記憶容量が増えるので、それだけ広い範囲、或は詳細な地図データを記憶させることができる。本発明は、以上のような発想を基に、コリドー機能を有効化するか否かを選択するコリドー機能選択手段を設け、このコリドー機能選択手段によりコリドー機能の有効化が選択されたとき、コリドー機能に適した経路として、経路案内のためのデータ量が少ない経路を探索することを特徴とするものである(請求項1)。
この構成の本発明では、経路案内のためのデータ量が少ないので、コリドー機能を有効化させる際に記憶手段に記憶させるべき地図データ量を多くすることができる。このため、コリドー機能中であっても、目的地まで正しく案内でき、しかも、案内内容や表示される地図内容に制約を受けることを極力防止することができる。
【0009】
この場合、コリドー機能を有効化させる選択を行うと、以後の経路探索の全てに対して有効としても良いし(請求項2)、また、経路探索の都度、コリドー機能を有効化させるか否かの選択を行うようにしても良い(請求項3)。
コリドー機能に適した経路を設定する場合、複数の異なる条件で選択した経路のうち、経路案内のためのデータ量が少ない経路をコリドー機能に適した経路とすることができる。このようにすることによりコリドー機能に適した経路の探索が容易となる(請求項4)。
【0010】
また、複数の異なる経路探索条件のうち、いずれかを指定してコリドー機能が有効化されたとき、指定された条件で探索した経路よりも更に経路案内のためのデータ量の少ない経路を探索してこれをコリドー機能に適した経路とするようにしても良い(請求項5)。
これによれば、使用者の好みの条件でコリドー機能に適した経路を探索できる。
【0011】
また、経路案内のためのデータ量が少ない経路としては、案内ポイント、つまり交差点、分岐点、有料道路のジャンクションなどの数の少ない経路とすることができる(請求項6)。
この構成によれば、経路案内のためのデータ量そのものを比較するよりも簡易にコリドー機能に適した経路を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<第1の実施例>
以下、本発明をカーナビゲーション装置に適用した第1の実施例につき、図1〜図4を参照しながら説明する。図1はカーナビゲーション装置1の電気的構成を示すブロック図である。この図1に示すように、カーナビゲーション装置1は、位置検出手段としての位置検出装置2、入力装置としてCDプレーヤ3、操作手段としての操作スイッチ群4、リモコンセンサ5、例えば液晶ディスプレイからなる表示装置6、外部メモリ7、VICSなどの通信装置8、音声制御部9、これらが接続された制御手段としての制御装置10、音声制御部9に接続された音声出力手段としてのスピーカ11、リモコンセンサ5と対をなす操作手段としてのリモコン12を備えている。
【0013】
そのうち位置検出装置2は、GPS用の人工衛星からの送信電波に基づいて自車両の位置を検出(測位)するGPS(Global Positioning System )のためのGPS受信機13、自車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ14、自車両の走行距離を検出する距離センサ15、自車両の進行方位を検出するための地磁気センサ16を有している。これらセンサは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。
【0014】
CDプレーヤ3は、記録媒体としてのCD−ROMに記録されたデータを読み取るためのもので、オーディオ記録媒体としてのオーディオ用CD−ROMからのオーディオデータの読み取り(オーディオ用)と地図データ記録媒体としての地図用CD−ROMからの地図データの読み取り(地図用)とを兼用している。地図用CD−ROMに記録された地図データには、道路地図データ、位置検出の精度向上のための所謂マップマッチング用データ、経路設定用データ、設定された経路に沿った案内などのための音声データが含まれている。なお、前記道路地図データは、道路形状、道路幅、道路名、建造物、各種施設、それらの電話番号、地名、地形等のデータを含むと共に、その道路地図を前記表示装置6の画面上に再生するためのデータを含んで構成されている。
【0015】
前記操作スイッチ群4は、使用者が、目的地の指定や、表示装置6に表示される道路地図の選択等の各種のコマンドを入力するための各種のメカニカルスイッチ、表示装置6の画面上に設けられたタッチパネルから構成されている。
前記表示装置6の画面には、各種縮尺の道路地図が表示されると共に、その表示に重ね合わせて、自車両の現在位置および進行方向を示すポインタが表示されるようになっている。また、使用者が目的地などを入力するための各種の入力用画面や、各種のメッセージやインフォメーションなども表示されるようになっている。更には、目的地までの案内を行なう経路案内機能の実行時には、道路地図に重ね合わせて進むべき経路(経路)などが表示されるようになっている。
【0016】
前記制御装置10は、CPU17、ROM18、RAM19などからなるマイクロコンピュータを主体として構成されており、ROM18にはナビゲーション用ソフトやオーディオ用ソフトを含むアプリケーションソフトが記憶されている。そして、制御装置10は、CDプレーヤ3にセットされたCD−ROMから読み取ったデータがオーディオデータであるか地図データであるかを判別する。
そして、CDプレーヤ3にオーディオ用CD−ROMがセットされると、制御装置10は、オーディオ用ソフトを立ち上げ、オーディオ用CD−ROMから読み取ったオーディオ用データを再生してスピーカ11から出力するようになっている。
【0017】
一方、CDプレーヤ3に地図用CD−ROMがセットされると、制御装置10は、ナビゲーション用ソフトを立ち上げ、地図用CD−ROMから読み取った道路地図データに基づいて表示装置6に道路地図を表示させると共に、位置検出装置2の検出に基づいて車両の現在位置および進行方向を示すポインタを表示させる。このとき、車両の現在位置を道路上にのせるマップマッチングが行なわれるようになっている。また、使用者のコマンド入力に基づいて、表示装置6に表示させる地図の種類(縮尺)の切替えなどを行なう。
【0018】
更に、制御装置10は、経路探索手段および経路案内手段として機能し、使用者による目的地の入力に基づいて、自動経路探索および経路案内の機能を実行するようになっている。自動経路探索の機能は、車両の現在位置から使用者により入力された目的地までの最適な経路(走行経路)を自動的に算出するものであり、経路案内の機能は、上述のように、表示装置6に表示された道路地図上にその経路を重ねて表示して目的地まで案内すると共に、音声制御部9の音声合成機能を用いて、例えば「200m先の交差点を左です。」といった案内音声を前記スピーカ11から出力したり、交差点や分岐点などの拡大図を表示して当該拡大図に進行方向を表示したりする。
【0019】
さて、制御装置10は、CDプレーヤ3をオーディオ用として使用する際、事前にCDプレーヤ3により地図用CD−ROMから自車位置周辺の地図データ、目的地までの経路が設定されている場合にはその経路のデータおよび自車位置周辺の地図データを読み取って記憶手段としてのRAM19に記憶させ、オーディオ機能とナビゲーション機能とを同時に果たすコリドー機能を有している。
【0020】
このコリドー機能において、ナビゲーション機能を支障なく果たすために、本実施例では、コリドー機能を有効化するか否かを選択できるようにすると共に、コリドー機能の有効化が選択されたときの自動経路探索時には、案内データの少ない経路をコリドー機能に適した経路として探索するようになっている。
即ち、図2は表示装置6に表示された経路探索結果の画面である。これは、目的地が設定されたとき、出発地(通常は現在位置)から目的地までの経路を探索し、その結果を示す画面である。同経路探索結果表示画面において、左側の「標準」、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」、「コリドー」の各項目は、経路探索の条件などを示す。
【0021】
このうち、「標準」は、出発地から目的地までの距離とか、目的地までの所要時間とか、道路の広狭とかの様々な条件に関して最もバランスの取れた経路であり、「距離」は、目的地までの距離が最も短い経路であり、「別ルート」は、上記「標準」で探索された経路の次に各種条件に関してバランスの取れた経路であることを示す。また、「有料」は、目的地まで有料道路を優先的に使用する経路であり、「一般」は、有料道路を使用することなく、一般道路を優先して使用する経路である。そして、「コリドー」は、本実施例の場合、上記の「標準」、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」の項目で探索した経路のうち、最も経路案内のためのデータ量が少ない経路を指す。
【0022】
ここで、コリドー機能を有効化して経路探索を行う場合の制御装置10の制御内容につき、図3および図4のフローチャートを参照しながら説明する。ユーザが操作スイッチ群4或はリモコン12を操作してカーナビゲーション装置1を目的地設定モードにし、目的地と希望する経由地(希望する経由地がない場合には、目的地のみ。)を入力する(ステップS1)。すると、制御装置10は、複数の経路探索条件、つまり「標準」、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」の各条件項目について、それぞれに適した経路の探索を開始する(ステップS2)。
【0023】
一つの条件項目について最適経路を探索すると、制御装置10は、その探索した経路について、案内データ量を記憶する(ステップS3で「NO」、ステップS4、ステップS5、ステップS3で「NO」の繰り返し。)。この場合、案内データ量とは、まず、経路データ、交差点や分岐点やカーブ地点などの案内ポイントでの進行方向を指示する音声データと拡大図による進行方向表示データ、その他のデータからなる。なお、経路データは、地図データが道路をリンクの連続として表現していることから、目的地までの連続したリンクデータで構成されるものである。
【0024】
全ての条件項目についての経路探索が終了すると(ステップS3で「YES」)、制御装置10は、表示装置6に図2に示す経路探索結果の画面を表示する。そして、この画面において、「標準」、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」といった条件項目およびコリドー機能を有効化するか否かを選択するための「コリドー」のいずれかを選択的にタッチすると、タッチパネルがタッチされた項目に応じた信号を出力する(ステップS6)。すると、制御装置10は、その選択された項目に応じた処理を実行する。
【0025】
即ち、「コリドー」以外の項目のいずれかが選択された場合(ステップS7で「NO」)には、制御装置10は、選択された条件項目により探索された経路を経路として設定し(ステップS8)、その経路を表示装置6に表示されている道路地図上に重ねて表示し、経路案内モードに切り換えられると、その表示された経路に沿った通常の経路案内を実行する(ステップS9)。そして、目的地またはその近傍に到着すると、制御装置10は、その経路案内を終了し(ステップS10で「YES」)、エンドとなる。
【0026】
一方、選択された項目が「コリドー」であった場合、制御装置10は、各条件項目で探索された経路の案内データ量を比較し(ステップS11)、最小の案内データ量の探索経路を選択する(ステップS12)。そして、制御装置10は、その最小案内データ量の探索経路をコリドー機能に適した経路(図2にRで示す。)として設定し(ステップS13)、その経路の案内データをRAM19に記憶する(ステップS14)。
【0027】
その後、制御装置10は、CDプレーヤ3にセットされている地図用CD−ROMから現在位置周辺の地図データと、経路に沿った周辺の地図データとを読み出してRAM19に記憶する(ステップS15)。そして、CDプレーヤ3から地図用CD−ROMが取り出されてオーディオ用CD−ROMがセットされると、制御装置10は、コリドー機能による経路案内を開始する(ステップS16)。
【0028】
つまり、制御装置10は、CDプレーヤ3が読み取ったオーディオデータを再生してこれをスピーカ11から出力すると共に、RAM19に記憶されている地図データにより現在位置周辺の地図を表示装置6に表示し、且つRAM19に記憶されている案内データに基づいて表示装置6に表示されている地図に重ねて経路を表示する。そして、交差点や分岐点やカーブなどの案内ポイントに差しかかると、音声にて進行方向を指示すると共に、拡大地図を表示装置6に表示して当該拡大地図上に進行方向を表示する。
このようなコリドー機能により、オーディオ用CD−ROMの音楽を聴きながら目的地或はその近傍まで到着すると、制御装置10は、その経路案内を終了し(ステップS17で「YES」)、エンドとなる。
【0029】
このように本実施によれば、コリドー機能によりオーディオ用CD−ROMを再生して音楽を聴きながら、RAM19に記憶した地図データにより表示装置6に地図を表示して
支障なく目的地まで案内することができる。この場合、コリドー機能を有効化させる操作を行うことによって、目的地までの経路が、案内のためのデータ量の少ない経路に設定されるので、RAM19に記憶させることができる地図データ量を多くすることができ、経路案内に支障をきたすことを極力防止できる。
【0030】
<第2の実施例>
図5および図6は本発明の第2の実施例を示す。この実施例は、前記第1の実施例において、コリドー機能に適した経路として、経路案内のためのデータ量の最も少ない経路を選択した。しかしながら、経路案内のためのデータ量を具体的に把握するにはデータ項目数が多く存在したりして制御装置10の処理時間が長くかかる。ただ、案内ポイント、つまり交差点、分岐点、カーブ、高速道路のジャンクションなどが多いと、どちらに進むのかを指示するためのデータも多くなるので、案内のためのデータ量が多くなるというように、案内のためのデータ量と案内ポイント数とは比例することとなる。
【0031】
そこで、この第2の実施例では、案内データの量を比較するのではなく、案内ポイントの数を比較することによってコリドー機能に適した経路を選択しようとするものである。即ち、図5および図6のフローチャートは基本的には前記第1の実施例の図3および図4のフローチャートと同じで、第1の実施例の図3のステップS5に相当する図5のステップS5−1では、探索した経路の案内ポイントの数をRAM19に記憶する。
【0032】
そして、前記第1の実施例の図4のステップS11〜ステップS13に相当する図6のステップS11−1〜ステップS13−1では、各条件項目での探索した経路の案内ポイントの数を比較し(ステップS11−1)、そして、最小の案内ポイント数の探索経路を選択し(ステップS12−1)、この最小の案内ポイント数の経路をコリドー機能に適した経路として設定する(ステップS13−1)。
このように構成した本実施例によれば、案内ポイント数の多少によってコリドー機能に適した経路か否かを判断するので、制御装置10の処理速度が速くなる。
【0033】
<第3の実施例>
図7は本発明の第3の実施例を示す。上述したように、案内ポイント数が少ない経路は案内データ量も少ないと考えられる。単位距離当たりの案内ポイント数を比較すると、最小は有料道路、次は幅の広い有名な国道や県道であると考えられる。そこで、本実施例では、コリドー機能が選択された場合には、コリドー機能に適した経路の探索にあたり、まず、有料道路優先で目的地までの経路探索を行う(ステップA1)。次に、有料道路優先で探索した経路のうち、有料道路以外の道路を抽出し(ステップA2)、有料道路以外の道路に対して、有名な国道および県道優先で経路を探索する(ステップA3)。
【0034】
そして、有名な国道および県道優先で探索した経路のうち、有名な国道および県道以外の経路を抽出し(ステップA4)、次いで、その抽出した有名な国道および県道以外の経路を一般道優先で経路探索を行う(ステップA5)。以上のようにして求めた目的地までの経路をコリドー機能に適した経路として設定する。このようにしても、案内データ量の少ない経路を探索することができる。
【0035】
<第4の実施例>
図8は本発明の第4の実施例を示す。この実施例は、「標準」、「距離」、「別ルート」、「有料」、「一般」の条件項目で探索した経路に対し、コリドー機能を適用してより案内データ量の少ない経路を探索するようにしたものである。図8はそのコリドー機能を適用するか否かを選択するための表示装置6の画面を示す。
例えば、条件項目「標準」で探索した経路に対してコリドー機能適用を選択すると、前記第3の実施例で説明したと同様に、まず、有料道路優先で経路探索を行い、次いで有料道路以外の道路を抽出してこの部分を有名な国道および県道を条件に経路を再探索し、更に、有名な国道および県道以外の経路に対して一般道優先で経路探索を行い、その結果得られた経路をコリドー機能に適した経路として設定する。
また、条件項目「一般」で探索した経路に対してコリドー機能適用を選択した場合には、有名な国道および県道を優先した再探索が行われ、その結果探索された経路がコリドー機能に適した経路として設定される。
【0036】
<第5の実施例>
図9は本発明の第5の実施例を示す。この実施例は、経路探索する場合、常にコリドー機能に適した経路を選択するように設定するか否かを選択するようにしたもので、図9はその選択のための表示装置6の画面を示す。図9において、「コリドー機能考慮探索」をONすると、以後、経路を探索する場合には、常にコリドー機能に適した経路が探索されるようになる。また、「コリドー機能考慮探索」をOFFすると、以後、経路を探索する場合には、常にコリドー機能を考慮することなく、通常の経路探索が行われるようになる。
【0037】
<その他の実施例>
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、次のような拡張或は変更が可能である。
コリドー機能のために地図データを記憶するRAM19は1個に限られない。
記憶手段はRAM19に限られない。
入力装置はCDプレーヤに限られず、オーディオ・ビデオ用のDVDプレーヤでも良く、その他のメディアを対象とした入力装置であっても良い。
ナビゲーション装置は車両用に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施例を示し、カーナビゲーション装置の電気的構成のブロック図
【図2】経路探索結果を示す表示装置の画面の図
【図3】経路探索のためのフローチャートその1
【図4】経路探索のためのフローチャートその2
【図5】本発明の第2の実施例を示す経路探索のためのフローチャートその1
【図6】経路探索のためのフローチャートその2
【図7】本発明の第3の実施例を示し、コリドー機能に適した経路探索のためのフローチャート
【図8】本発明の第4の実施例を示す図2相当図
【図9】本発明の第5の実施例を示し、コリドー機能を考慮した経路探索を選択するための表示装置の画面の図
【符号の説明】
【0039】
図中、1はカーナビゲーション装置、3はCDプレーヤ(入力装置)、6は表示装置、10は制御装置(経路探索手段)、19はRAM(記憶手段)を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データ記録媒体から地図データを取り込むための入力装置を、オーディオまたはオーディオ・ビデオ記録媒体からオーディオまたはオーディオ・ビデオデータを取り込むための入力装置に兼用し、前記入力装置をオーディオデータまたはオーディオ・ビデオデータの取り込みのために使用する際、事前に前記入力装置により前記地図データ記録媒体から地図データを取り込んで記憶手段に記憶してオーディオ機能またはオーディオ・ビデオ機能とナビゲーション機能とを同時に果たすコリドー機能を有したナビゲーション装置において、
前記コリドー機能を有効化するか否かを選択するコリドー機能選択手段と、
目的地が設定されたとき、その目的地までの経路を探索する経路探索手段とを具備し、
前記経路探索手段は、前記コリドー機能選択手段によりコリドー機能の有効化が選択されたとき、経路案内のためのデータ量が少ない経路をコリドー機能に適した経路として探索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記コリドー機能選択手段によるコリドー機能の有効化の選択は、選択以後の経路探索の全てに対して有効であることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記コリドー機能選択手段による選択は、経路探索毎に行うことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路探索手段は、複数の異なる条件で経路を探索可能で、コリドー機能の有効化が選択されたとき、それら複数の異なる条件で探索した経路のうち、経路案内のためのデータ量が少ない経路をコリドー機能に適した経路とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路探索手段は、複数の異なる条件で経路を探索可能で、それら複数の異なる条件のうちのいずれかを指定してコリドー機能が有効化されたとき、当該指定された条件で探索した経路よりも更に経路案内のためのデータ量の少ない経路を探索してこれをコリドー機能に適した経路とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記経路探索手段は、案内ポイントが少ない経路を、経路案内のためのデータ量が少ない経路とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−170703(P2006−170703A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361462(P2004−361462)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】