説明

ナビゲーション装置

【課題】交差点においてスムーズに右左折を行うことができるように案内するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
ナビゲーション装置は、交差点における右左折するための右左折車線数を取得する右左折車線数取得手段、右左折した後の進入車線数を取得する進入車線情報取得手段を有する。また、車両がどの車線を走行中であるかを取得する走行車線取得手段を備え、これらの情報から車線変更判断手段によって、走行車線とその進入すべき進入車線とを比較して車線変更する必要があるかを判断する。そして車線変更判断手段によって、車線の変更があると判断された場合には、車線変更案内手段によって、ユーザに走行車線の変更を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点における車線の案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両内に設置し、現在位置を表示し、目的地までの経路を表示するナビゲーションシステムが知られている。車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
このナビゲーション装置を使用する場合には、運転者が、目的地を入力することによって、現在位置から目的地までの推奨ルートを算出し表示する。運転者はこの指示に従うことによって、道に迷わずに目的地まで到達することができる。そしてナビゲーション装置は、推奨ルートを道路地図上で示すとともに、交差点付近においてもルート検索の結果に従った走行案内を行っている。
【0004】
この交差点付近の案内技術として、特許文献1のように交差点を曲がった後に走行すべき車線を指示する機能や、特許文献2のように適切なレーンへの進入案内を行う機能がある。これらの機能は、交差点を右折してからどの車線に進入すべきかの判断が可能である。
【0005】
【特許文献1】特開昭64−16915号公報
【特許文献2】特開平05−87583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらこれらの機能は、交差点通過後に自動車がどの車線にいるべきかの指示であり、交差点通過前にどの車線に進入すべきかという指示がなされていないため、右折レーンが複数ある道路で右折後に右車線に進入したい場合、車両が一番右の右折レーンにいなかったため、所望の車線に一回で入れず、右折後に車線変更をするという非効率なことが生じる。また、このとき進入予定の車線が渋滞していたため、車線変更ができず、走行ルートを変えざるを得ないという状態も起こる可能性が生じる。
【0007】
そこで本発明の課題は、交差点においてスムーズに右左折を行うことができるように案内するナビゲーション装置を提供する。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
本発明のナビゲーション装置は、右左折車線数取得手段、進入車線情報取得手段を備えることにより、交差点における右左折するための右左折車線数と、右左折した後の進入車線数を取得することができる。そして走行車線取得手段を備えることにより、車両がどの車線を走行中であるかを取得することができ、これらの情報から車線変更判断手段によって、走行車線とその進入すべき進入車線とを比較して車線変更する必要があるかを判断することができる。また車線変更判断手段によって、車線の変更があると判断された場合には、車線変更案内手段によって、ユーザに走行車線の変更を案内する。案内は、ナビゲーション装置の表示部において表示してもよいし、音声によって案内してもよい。
【0009】
そして車線変更判断手段は、右左折を行う案内対象交差点の進行方向の次の交差点における進行方向によって、車両がどの進入車線に進むのが適切であるかを判断することができる。例えば、案内対象交差点の次の交差点において、左折する場合には、案内対象交差点において、右折または左折した後に、左側の車線に進入するように案内する。
【0010】
また車線変更判断手段は、案内対象交差点における右折または左折のために、どの走行車線を走行するべきかを判断して、車線変更案内手段によって、ユーザに案内する。さらに車線変更判断手段は、右折する場合には、右折車線が2車線以上ある場合に、あるいは左折する場合には、左折車線が2車線以上ある場合に、どの右折車線または左折車線を走行するべきかを判断して、車線変更案内手段によってユーザに案内することができる。
【0011】
車両の走行車線を取得する走行車線取得手段は、GPSやジャイロセンサなどの位置検出器や、レーンライン認識センサなどを用いることができる。ここでレーンライン認識センサとは、道路に描かれた車線を分離するための白色や黄色等で描かれたレーンラインを認識するセンサである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施例としての車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。本ナビゲーション装置100は、位置検出器1、地図データ入力器6、操作スイッチ群7、リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11、白線認識センサ23、送受信機13、音声案内などを行うスピーカ15、外部メモリ9、表示装置10、通信ユニット19、ETC車載器16、これらの接続された制御回路8、リモコン端末12を備えている。
【0013】
現在位置検出手段としての位置検出器1は、周知の地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ4、および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPSのためのGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0014】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体20から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVD,ハードディスクドライブ(以降、HDDと称する)を用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、この記憶媒体20は地図情報記憶手段である。
【0015】
地図データは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶すると共に、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。
【0016】
操作スイッチ群7は、例えば表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、表示装置10の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。これら操作スイッチ群7およびリモコン端末12によって、種々の指示を入力することが可能である。操作スイッチ群7は、目的地設定手段を構成する。
【0017】
レーンライン認識センサである白線認識センサは、カメラとその画像を判別するレーン判定部とを含んで構成される。このカメラは車両に設置され、このカメラによって撮影された画像に基づいて、走行レーン判定部によって車両の走行レーンが判定される。なおこの白線認識センサは、道路上において、各レーンの区切りを示すために描画されている白色を認識できるのみならず、同様にレーンの区切りを示すために描画されている黄色などの線(点線等も含む)を含んで判別することができる。
【0018】
表示部としての表示装置10はカラー液晶表示器により構成されており、表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、情報センタ14から受信した情報、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行うためのボタンが表示される。
【0019】
送信部、受信部としての送受信機13は、VICS(Vehicle Information and Communication System)等の情報センタ14から提供される情報を受信し、また情報センタ14へ情報を送信するための装置である。この送受信機13を介して外部から受け取った情報は、制御回路8において処理する。
【0020】
また、本車両用ナビゲーション装置100は、通信ユニット19を介して、携帯電話機17など移動体通信機器により、外部ネットワーク18との接続が可能で、インターネットに接続したり、専用の情報センタに接続することができる。さらに、ETC(自動料金収受システム,ETC:Electronic Toll Collection)車載器16と通信することにより、ETC車載器16がETC路上器から受信した、料金情報などをナビゲーション装置に取り込むことができる。また、ETC車載器16によって外部ネットワーク18と接続することも可能である。
【0021】
さらに、外部メモリ9には、本ナビゲーション装置の動作に必要なデータが記憶される。なお、外部メモリ9は、車両のイグニッションスイッチがオフ状態になっても(即ち、ナビゲーション装置100がオフ状態)、記憶内容が保持される。
【0022】
制御部としての制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、図2のように周知のCPU81,ROM82,RAM83,I/O84およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。制御回路8は、右左折車線数取得手段、進入車線情報取得手段、車線変更判断手段である。
【0023】
CPU81は、ROM82およびRAM83に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行う。図2のように、ROM82にはオペレーティングシステム(以下、OSと称する)82sとOS82s上で動作するナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと称する)82p、車線判断プログラム82kが格納される。また、ナビプログラム82pは、OS82s上にてナビプログラム用ワークメモリ83wを作業領域とする形で、車線判断プログラム82kは、車線判断プログラム用ワークメモリ83kを作業領域とする形で作動する。さらに、RAM83には、OS82sのワークメモリ83sが形成される。
【0024】
このような構成を持つことにより、本ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム82pが起動されると、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12を操作して、表示装置10上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。即ち、運転者が目的地を入力すると、GPS受信機5から得られる衛星のデータに基づき車両の現在地が求められ、情報センタ14から情報を受信し、表示装置10上に道路地図を表示し、運転者に適切な経路を案内する。上記の動作および以下の実施例は、ナビプログラム82pにより制御されている。
【0025】
この経路案内は、地図データ内のリンク情報、ノード情報を用いて公知のダイクストラ法によって行われる。具体的には、ノード間のリンクに対するリンク情報を用いて現在地から各ノードに至るまでの経路計算コストを算出し、目的地までの全てのコスト計算が終了した段階で、総コストが最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定している。つまり、例えば、出発地と目的地とを結ぶ経路を、距離又は所要時間が最小になるような組み合わせを取得することにより誘導経路が定まることとなる。
【0026】
このようにして経路が探索された後、この経路に沿って車両が走行する場合に、次の交差点において車両が右折、又は左折を行う場合には、ナビゲーション装置100は、右折または左折をユーザに案内するとともに、そのための走行車線、右左折レーンの案内を車線判断プログラム82kによって行う。
【0027】
そのために本発明のナビゲーション装置100は、交差点における自動車の走行車線を案内する機能を備えた走行車線案内機能を有する。この走行車線案内機能は、進入車線を判断する(a)進入車線判断機能と、現在自動車が走行している車線を認識する(b)走行車線認識機能と、進入車線から現在走行するべき車線を判断する(c)走行すべき車線判断機能によって構成される。
【0028】
(a)の進入車線判断機能は、次に曲がる案内対象交差点とその案内対象交差点の次の交差点までの地図データのリンク情報から、案内対象交差点の次の交差点においてスムーズに走行するためには、案内対象交差点で右折又は左折を行った場合にどの車線に進入すべきかを判断する。この進入車線判断機能は、進入車線情報取得手段が有し、進入車線情報取得手段は、制御回路8によって構成される。
【0029】
また(b)の走行車線認識機能は、走行車線取得手段が有し、GPS5やジャイロセンサ3、白線認識センサ23などの各種センサによって構成され、現在自動車が走行している車線を認識する機能である。
【0030】
さらに(c)の走行すべき車線判断機能は、車線変更判断手段が有する機能で、地図データから対象交差点前方の右左折レーン数を取得し、右左折方向に対応するレーン数が1つ以上ある場合、進入車線判断機能と走行車線認識機能から得られた情報により、進入すべき進入車線と現在走行している車線を比較し、どのレーンに現在いるべきかを判断する機能である。そして、現在走行すべき車線を認識した結果と現在走行している車線を比較し、必要に応じた案内をユーザに対して行う。
【0031】
以上の機能により交差点に近づくと、ナビゲーション装置は、地図データから対象交差点前方の右左折レーン数を取得し、右左折方向に対応するレーン数が1つ以上ある場合、進入車線判断機能と走行車線認識機能から得られた情報により、進入するべき進入車線と現在走行している車線を比較し、車線変更判断手段によってどのレーンを現在走行するべきかを判断する。そしてナビゲーション装置100は、走行するべき車線を認識した結果、現在走行している車線を比較し、必要に応じた案内を車線変更案内手段である表示装置10、スピーカ15によってユーザに対して行う。
【0032】
図3を用いて右左折レーン(車線)の案内の処理について説明する。ナビゲーション装置100の制御部8は、車両41が走行している前方の右左折を行う交差点を案内対象交差点とし、その案内対象交差点の進行方向に対応する右左折レーンがあるかを地図データのノード情報から取得する(S1)。進行方向に対応する右左折レーンとは、右折する場合には、右折レーン、左折する場合には、左折レーンのことを指す。進行方向は、経路探索によりすでに求められている。そして取得された進行方向に対応する右折レーンまたは左折レーンが1車線以上あれば、S3へ、なければ右左折レーン案内の処理を終了する。
【0033】
ここで図4を用いて、案内対象交差点の右左折レーン数について説明する。(a)に示すように車両41の前方の対象交差点に右左折レーンがない場合には、車線の案内を行わないため、右左折レーンの案内処理は、終了となる。車両41が右折する場合に、(b)に示すように前方の案内対象交差点に右折レーンが1本以上ある場合には、図3のS3へ進む。または車両が左折する場合に、図5(a)に示すように左折レーンが1本以上ある場合、さらに図5(b)に示すように右折レーンや左折レーンがある場合にも、右折レーンまたは左折レーンの案内をするために、図3のS3へ進む。
【0034】
そしてナビゲーション装置100の制御部(制御回路8)は、交差点を右左折した後に進入する進入車線の車線情報を地図データから取得する(S3)。例えば、図4(b)において車両41が右折する場合であれば、進入車線が2車線であることが車線判断プログラム82kによって取得される。続いて、制御部は、現在車両が走行している走行車線における車両の位置情報を位置検出器1または白線認識センサ23によって取得する(S4)。そしてこの情報から走行車線のどの車線を走行しているかを制御部は取得する。制御部は、案内対象交差点の次の交差点情報から進入車線において進入するべき車線を判断する。そしてこの車両が走行している車線と、進入車線において走行するべき車線の情報を比較する(S5)。
【0035】
そして適する進入車線に進むために、現在走行中の走行車線でよいならば(S6:NO)、制御部は、車両が案内対象交差点を通過したかを判断し(S8)、通過していなければ(S8:NO)、S4へ戻り走行車線の位置情報を監視する。もし適さない車線へ車線変更を運転者が行えば、適する車線への案内を行う。車両が案内対象交差点を通過すれば(S8:YES)、この交差点に対する右左折レーンの案内を終了する。制御部は、S6で走行車線の変更の必要があると判断すれば(S6:YES)、S7で車線変更案内処理を表示部に表示して、またはスピーカ15により音声によって行う。
【0036】
交差点の図を用いてナビゲーション装置100によるレーン案内をさらに説明する。まず右折する場合には、右折レーンが、左折する場合には、左折レーンが1車線の場合について説明する。図4(b)に示すように右折レーンがあり、右折する必要がある場合には、ナビゲーション装置100は、右折レーンがあることを報知する。また直進または左折する必要がある場合には、左側の車線に進むように報知する。図5(a)に示すように左折レーンがある場合で、左折する必要がある場合は、ナビゲーション装置100は、左折レーンがあることを報知する。直進する必要があれば右側のレーンを進むように報知する。図5(b)のように右折レーンが1車線の場合に、右折するならば、ナビゲーション装置100は右折レーンがあることを報知する。また左折レーンが1車線の場合に左折するならば、ナビゲーション装置100は、左折することを報知する。もし右折する場合に、左側の車線(車線12)を走行していれば、ナビゲーション装置100は、右側の車線(車線11)への変更を促したり、右折レーンがあることを報知する。
【0037】
次に図6を用いて右折の場合に右折レーンが、左折の場合に左折レーンが2車線ある場合について説明する。(a)は、前方の案内対象交差点の右折レーンが2車線ある例である。また右折した後に進入する進入車線は2車線である。車両が右折する場合には、右側の右折レーン(車線1)または左側の右折レーン(車線2)を進むことになる。この場合、どちらの右折レーンがよいかをナビゲーション装置100が案内する。
【0038】
図7を用いて、進入車線の案内について説明する。車両41は、走行車線を走行中で、案内対象交差点50において右折し、案内対象交差点50の次の交差点53において直進または左折する場合について説明する。ナビゲーション装置100は、案内対象交差点50の次の交差点53において目的地の方向を判断する。すなわちA方面が目的地の場合、ナビゲーション装置100は、車線判断プログラム82kによって、進入車線は、右側のレーンを走行するのが適切と判断する。したがって経路52を走行するのが適切と判断する。またB方面が目的地の場合に、ナビゲーション装置100は、左側のレーンを走行するのが適切と判断する。したがって経路51を走行するのが適切と判断する。そこで目的地に合わせて進入車線において右側を走行するか、左側を走行するかを判断し、このために走行車線においてどちらのレーンを走行して交差点に進入するとよいかを表示装置100に表示、またはスピーカ15によって音声により案内する。
【0039】
図6(a)に戻って車線案内について説明する。まず車線1を走行中の車両41が右折する場合について説明する。車線1を走行中の車両41が車線4に進入する必要がある場合には、R1の軌跡となる。この場合、車線1をそのまま走行すればよいため、特に車線変更の案内をする必要はない。ただし「そのままお進みください」「右折レーンがあります」などの案内を行ってもよい。次に車線1を走行中の車両が車線3に進入する必要がある場合には、左側の右折レーンである車線2に車線変更するようにナビゲーション装置100は、案内をする。そこで車両41はR2の軌跡を走行することになる。
【0040】
続いて車線2を走行中の車両41が右折する場合について説明する。車線2を走行中の車両が車線3に進入する必要がある場合は、そのまま左側の右折レーンを走行すればよいため、特に案内をする必要はないが、「そのままお進みください」「右折レーンがあります」などの案内を行ってもよい。そして車両41はR4の軌跡を走行する。また車線2を走行中の車両41が車線4を走行する必要がある場合には、右側の右折レーンである車線1に車線変更するようにナビゲーション装置100は、案内する。これにより車両41は、R3の軌跡を走行することになる。
【0041】
図6(b)を用いて左折の場合について説明する。まず車線5を走行中の車両41が左折する場合について説明する。車線5を走行中の車両41が車線7に進入する必要がある場合には、L2の軌跡となる。この場合、そのままの走行レーンでよいため、ナビゲーション装置100は、特に車線変更の案内をする必要はない。次に車線5を走行中の車両41が車線8に進入する必要がある場合には、左側の右折レーンである車線6に車線変更するようにナビゲーション装置100は、案内をする。そこで車両41はL1の軌跡を走行することになる。
【0042】
続いて車線6を走行中の車両が左折する場合について説明する。車線6を走行中の車両が車線8に進入する必要がある場合は、そのまま左側の左折レーンを走行すればよいため、特に案内をする必要はなく、車両41はL3の軌跡を走行する。また車線6を走行中の車両41が車線7を走行する必要がある場合には、ナビゲーション装置100は、右側の左折レーンである車線5に変更するように案内する。これにより車両41は、L4の軌跡を走行することになる。
【0043】
図8を用いて走行車線が1車線で交差点付近のみ右折レーンが2車線の場合について説明する。進入車線において右側のレーンに進入する必要がある場合には、右側の右折レーン(左折レーン1)を走行するようにナビゲーション装置100が案内する。また進入車線において左側のレーンに進入する必要がある場合には、左側の右折レーン(左折レーン2)を走行するようにナビゲーション装置100が案内する。このようにすることでドライバは、どのレーンへ進めばよいか迷うことがなくなる。
【0044】
以上の案内を図9にまとめる。(a)は、右折、(b)は、左折の場合である。進行方向とは、次の交差点において、右折をするのか左折をするのかを示す。右左折レーン数とは、交差点における右左折をする前の右左折レーン数を示す。走行車線とは、交差点の手前で車両が走行している車線を示す。進入車線とは、交差点において右左折を行った後に走行する車線を示す。
【0045】
例えば、(a)の3では、進入車線では右車線以外を走行することが望ましいが、右側のレーンを走行している場合である。これは図6(a)のR2に対応する。この場合「左のレーンから右折してください」と案内がなされる。また図9(a)の4は、図6(a)のR3に対応する場合であるが、進入車線では右車線を走行することが望ましいが、現在左レーンを走行しているため、「右側のレーンから右折してください」と案内がなされる。右折レーンまたは左折レーンが2車線以上ある場合に、適切なレーンを走行していない場合には、隣の車線へ変更するように案内がなされる。
【0046】
図9(b)は、左折の場合であり、ナビゲーション装置によって(a)の場合と同様の案内がなされる。運転者は、どのレーンに進むか迷うことなく、スムーズに対象交差点で左折することができる。
【0047】
以上のように、ナビゲーション装置は、次の交差点に右折レーン、左折レーンが設けられている場合には、そのことを報知し、また右折レーン(または左折レーン)が2車線以上ある場合には、案内対象交差点の次の交差点における進行方向を考慮して、右折(左折)した後にどの車線に進むとこが望ましいかを判断し、そのために適切な右折レーン(左折レーン)を報知する。これによりドライバが、どのレーンに進むべきかを迷うことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例としてのナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】制御部を説明するためのブロック図。
【図3】レーン案内の処理を説明するためのフローチャート。
【図4】レーン案内の必要・不必要の交差点を説明するための図。
【図5】右折レーンまたは左折レーンが1車線である交差点の図。
【図6】右折レーンが2車線の交差点と、左折レーンが2車線の交差点におけるレーン案内を説明するための図。
【図7】進入車線の適切なレーンの判断方法を説明するための図。
【図8】交差点近くで車線が複数ある場合の図。
【図9】レーン案内のまとめの図。
【符号の説明】
【0049】
8 制御回路
23 白線認識センサ
41 車両
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報が表示される電子地図上で車両の現在地を表示して目的地への車両の走行を助ける車両用ナビゲーション装置において、
道路の車線情報を含んだ地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報から右左折を行う案内対象交差点における右左折前の道路の右左折車線数を取得する右左折車線数取得手段と、
前記地図情報から前記案内対象交差点における右折後または左折後に進入する道路の車線情報を取得する進入車線情報取得手段と、
前記車両がどの走行車線を走行中であるかを取得する走行車線取得手段と、
進入すべき進入車線を判断し、前記走行中の道路の前記走行車線とその進入すべき進入車線とを比較して車線変更する必要があるかを判断する車線変更判断手段と、
前記走行中の道路の前記走行車線を変更する必要があると判断された場合に、走行車線の変更を案内する車線変更案内手段と、
を含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記車線変更判断手段は、前記進入車線が複数車線の場合に、右左折を行う前記案内対象交差点の進行方向の次の交差点における進行方向によって、前記対象交差点における進入すべき前記進入車線を決める請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記車線変更判断手段は、右左折の案内を行う前記案内対象交差点の右左折車線数を前記地図情報から取得し、その進行方向に対応する右左折車線数が1つ以上ある場合、どの走行車線を走行するかを判断する請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記車線変更判断手段は、右左折の案内を行う前記案内対象交差点の右左折車線数を前記地図情報から取得し、その進行方向に対応する右左折車線数が複数ある場合、進入するべき前記進入車線から、どの右折車線または左折車線を走行するかを判断する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記走行車線取得手段は、道路に描かれた車線を分離するためのレーンラインを認識するレーンライン認識センサを含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−64661(P2006−64661A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250628(P2004−250628)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】