説明

ナビゲーション装置

【課題】目的地が表示画面外に存在する際に、ユーザが、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】このカーナビゲーション100(ナビゲーション装置)は、現在位置を検出する位置測定部62と、現在位置(マークP)と目的地(マークQ)とを地図画像71の上に重ねて表示可能な表示画面部30と、現在位置から目的地に向かう経路Zにおいて、目的地(マークQ)が表示画面部30外に消失した場合に、現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを指し示すことにより、表示画面部30外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示80を表示画面部30内に表示する制御を行う制御部61とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、現在位置を検出する位置測定部と表示画面部とを備えるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置を検出する位置測定部と表示画面部とを備えるナビゲーション装置などが知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1には、地図画像を表示可能な表示器と、地図上の始点位置から目的地までの経路を演算して表示器内の画面(地図画像)上に表示する制御手段とを備えた携帯型地図表示装置(ナビゲーション装置)が開示されている。この携帯型地図表示装置では、目的地が表示器内の画面の枠外(外側)に存在する場合に、目的地の方向を矢印で指し示す指標マークを画面内に表示することが可能であるように構成されている。この際、指標マークは、目的地までの経路が画面の端部で途切れる位置(画面上の経路の終端位置)を吹き出しの根元部として画面内に吹き出して表示されるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、道路データを含む地図画像を表示可能な表示モニタと、表示モニタ内に表示された地図画像において交差点の方面案内看板を模した模擬画像を地図画像上に別枠で表示することが可能な制御回路とを備えたナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置では、走行中、表示モニタ内において前方に近づく交差点の方面案内看板の模擬画像に表示された行き先(地名など)をユーザが指で触れた場合、ユーザが触れた行き先のさらに先に存在する情報(その先の地名など)を吹き出し状に表示することが可能に構成されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、道路データを含む地図画像を表示可能な表示部と、道路データに基づいて演算された自車位置から目的地までの経路を表示部に表示する表示手段とを備えたナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置では、目的地までの経路上に複数の交差点が存在する場合、最も手前の交差点に関する詳細な案内図を画面の手前側に表示するとともに、経路に沿った3番目の交差点までの各々の詳細な案内図を、順次、画面の奥側にずらした状態で重ねて表示することが可能に構成されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、道路データを含む地図画像と地図画像上を走行する自車位置とを表示画面に表示する制御部を備えたナビゲーション表示装置が開示されている。このナビゲーション表示装置では、制御部によって、自車が走行する道路において分岐点(交差点)が接近するのが検出された際、分岐点における分岐路の形状と分岐路毎の行き先に関する情報とを、分岐点(交差点)の近傍位置から画面内に吹き出し状に表示することが可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−159538号公報
【特許文献2】特開2008−32629号公報
【特許文献3】特開2004−117264号公報
【特許文献4】特開平8−145708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の携帯型地図表示装置では、目的地が画面外に存在する際に、ユーザが、画面上の経路の終端位置から吹き出された指標マークを見ることにより、画面内に表示される経路の終端位置から見た場合の目的地のおおよその方角を把握することができる一方、この指標マークは、現在位置を基準として見た場合の目的地の位置を示すようには構成されていない。このため、ユーザは、現在位置と画面外に存在する目的地との位置関係を容易に把握することができないという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献2に記載のナビゲーション装置では、ユーザが、交差点の方面案内看板の模擬画像を見たり、模擬画像に触れてさらに吹き出す情報(交差点の先の地名など)を見たりすることによって進路上に存在する情報を把握することができる一方、このような模擬画像や吹き出しは、現在位置を基準として見た場合の目的地の方角(位置)などを具体的に示すようには構成されていない。このため、目的地が表示モニタ外に存在する際に、ユーザは、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができないという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献3および4に記載のナビゲーション装置についても、ユーザが、交差点における詳細な案内図を見ることによって進路上に存在する情報を把握することができる一方、このような詳細な案内図は、現在位置を基準として見た場合の目的地の位置などを具体的に示すようには構成されていない。このため、目的地が表示画面外に存在する際に、ユーザは、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができないという問題点がある。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、目的地が表示画面外に存在する際に、ユーザが、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することが可能なナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0012】
この発明の一の局面によるナビゲーション装置は、現在位置を検出する位置測定部と、位置測定部により検出された現在位置とユーザにより指定された目的地を示す情報とを、道路データを含む地図画像とともに地図画像の上に重ねて表示可能な表示画面部と、現在位置から目的地に向かう経路上において、目的地を示す情報が表示画面部外に消失した場合に、現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部の縁部を指し示すことにより、表示画面部外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示を表示画面部内に表示する制御を行う制御部とを備える。
【0013】
この発明の一の局面によるナビゲーション装置では、上記のように、現在位置から目的地に向かう経路上において、目的地を示す情報が表示画面部外に消失した場合に、現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部の縁部を指し示すことにより、表示画面部外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示を表示画面部内に表示する制御を行う制御部を備えることによって、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部の外側に消失した場合であっても、ユーザは、案内表示が現在位置の進む方向における目的地の座標位置に対応した表示画面部の縁部を指し示している状態を容易に認識することができる。この結果、ユーザは、案内表示の指し示す位置に基づいて、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができる。
【0014】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、道路データを含む地図画像は、現在位置の後方上空から現在位置の進む方向に沿った遠方に向かって斜めに見下ろす鳥瞰図の状態で表示画面部に表示されるように構成されており、制御部は、地図画像が鳥瞰図の状態で表示画面部に表示されている状態において、ユーザが現在位置から目的地に向かう経路上において、目的地を示す情報が表示画面部外に消失した場合に、現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部の縁部を指し示すことにより、表示画面部外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示を表示画面部内に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、地図画像が鳥瞰図の状態で表示される場合においても、ユーザは、案内表示の指し示す位置に基づいて、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができる。ここで、地図画像が鳥瞰図の状態で表示される場合、画面の左右方向に表示される距離範囲は、画面の奥行方向に表示される距離範囲よりも短く(狭く)表示されるので、たとえば、ユーザが経路上において右折や左折をして進路を変更した場合、進路変更前には画面奥方向に表示されていた目的地を示す情報が、進路変更後に左右方向に移動して表示画面部の外側に消失しやすい傾向にあると考えられる。すなわち、鳥瞰図表示での進路変更に伴って目的地を示す情報が表示画面部の外側に消失しやすいような場合でも、現在位置の進む方向における目的地の座標位置に対応した表示画面部の縁部を指し示すように構成された案内表示が表示画面部内に表示されるので、ユーザは、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができる。
【0015】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、目的地を示す情報が表示画面部外に消失した側の表示画面部の縁部を指し示すことにより、縁部側の表示画面部外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示を表示画面部内に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、案内表示は、目的地を示す情報が表示画面部の外側に消失した側の表示画面部の縁部を指し示す状態で表示画面部内に表示されるので、ユーザは、案内表示の指し示す方向における表示画面部の外側の領域に目的地が存在することを、容易に認識することができる。
【0016】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、案内表示は、現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部の縁部を起点として表示画面部内に向かって吹き出し状に表示されるように構成されている。このように構成すれば、案内表示が現在位置の進む方向における目的地の座標位置に対応した表示画面部の縁部を起点として吹き出し状に表示されるので、ユーザは、目的地が一時的に表示画面部の外側に消失して案内表示が表示されている状況を、容易に把握することができる。
【0017】
上記案内表示が吹き出し状に表示される構成において、好ましくは、案内表示は、表示画面部の縁部を起点として縁部を指し示すとともに表示画面部内に向かって延びる引き出し線と、引き出し線の縁部とは反対側の端部近傍において目的地を示す情報を表示するための吹き出し表示領域とを含む。このように構成すれば、ユーザが案内表示を見た際、目的地を示す情報が表示された吹き出し表示領域と、吹き出し表示領域から延びる引き出し線の先端位置が目的地の座標位置に対応した位置(表示画面部の縁部)を指し示している状態とを、ユーザに容易に認識させることができる。これにより、引き出し線の指し示す位置に基づいて、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握させることができる。
【0018】
上記案内表示が引き出し線と吹き出し表示領域とを含む構成において、好ましくは、引き出し線は、表示画面部の縁部を起点として、現在位置の進む方向と略直交する方向に延びるように配置された水平線部を有する。このように構成すれば、引き出し線のうちの水平線部は、目的地の座標位置に対応した位置(表示画面部の縁部)から水平に引き出されているので、ユーザは、水平線部の表示位置に基づいて、現在位置から見た目的地の位置のみならず方向(水平線部の延びる方向)をも迅速に把握することができる。
【0019】
上記案内表示が引き出し線と吹き出し表示領域とを含む構成において、好ましくは、目的地を示す情報は、目的地を表現する画像を含み、案内表示の吹き出し表示領域には、目的地を表現する画像が表示されるように構成されている。このように構成すれば、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部の外側に消失した場合であっても、ユーザは、吹き出し表示領域に目的地を表現する画像が表示されているので、吹き出し表示領域および吹き出しの根元部に相当する引き出し線の起点(表示画面部の縁部)とに基づいて、目的地までより容易に到達することができる。
【0020】
上記案内表示が引き出し線と吹き出し表示領域とを含む構成において、好ましくは、目的地を示す情報は、現在位置から目的地までの残余距離に関する情報を含み、案内表示の吹き出し表示領域には、現在位置から目的地までの残余距離に関する情報が表示されるように構成されている。このように構成すれば、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部の外側に消失した場合であっても、ユーザは、吹き出し表示領域に表示された現在位置から目的地までの残余距離に関する情報に基づいて、目的地の位置のみならず目的地までの距離をも認識することができる。
【0021】
上記案内表示が引き出し線と吹き出し表示領域とを含む構成において、好ましくは、目的地を示す情報は、目的地の周辺に関する情報を含み、案内表示の吹き出し表示領域には、目的地の周辺に関する情報が表示されるように構成されている。このように構成すれば、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部の外側に消失した場合であっても、ユーザは、目的地の位置のみならず吹き出し表示領域に表示された目的地の周辺に関する情報(たとえば、目印となる風景など)を手がかりとして、目的地を容易に見つけ出すことができる。
【0022】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部によって目的地を示す情報が表示画面部内に表示されている状態から表示画面部外に消失した際に、現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部の縁部を指し示すことにより、表示画面部外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示が表示画面部内に表示される制御が行われる際、制御部は、地図画像の表示範囲を移動させることにより現在位置を表示画面部の略中央下部の領域に固定的に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、目的地までの経路上をどのような方向に移動している場合であっても、背景の地図画像が動かされることにより相対的に自己の位置が表示画面部内の同じ位置に固定されるので、ユーザが自己の現在位置を見失うのを抑制することができる。
【0023】
上記一の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、目的地を示す情報が表示画面部外に消失した際、目的地を示す情報が表示画面部内に表示されている状態と略同一の縮尺によって地図画像を表示画面部に表示した状態で表示案内を表示画面部内に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部の外側に消失した場合であっても、ユーザは、略同一の縮尺で表示された地図画像と地図画像上に重ねて表示された表示案内を見ることができるので、縮尺が変わらない分、現在位置に対する目的地の方向や距離感を、容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションの全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションがルート案内を行う際の表示画面部の様子を示した平面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションがルート案内を行う際の表示画面部の様子を示した平面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションがルート案内を行う際の表示画面部の様子を示した平面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションがルート案内を行う際の目的地付近における表示画面部の様子を示した平面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションによって示される案内表示の詳細を説明するための模式図である。
【図8】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションがルート案内を行う際の目的地付近における表示画面部の様子を示した平面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるカーナビゲーションがルート案内を行う際の制御フローを示した図である。
【図10】本発明の第1変形例による案内表示の詳細を説明するための模式図である。
【図11】本発明の第2変形例による案内表示の詳細を説明するための模式図である。
【図12】本発明の第3変形例による案内表示の詳細を説明するための模式図である。
【図13】本発明の第4変形例による案内表示の詳細を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態によるカーナビゲーション100の構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明のナビゲーション装置の一例であるカーナビゲーション100に本発明を適用した場合について説明する。
【0027】
本発明の一実施形態によるカーナビゲーション100は、図1に示すように、装置本体10と、ケーブル21を介して装置本体10に接続されるGPSアンテナ20とを備えている。また、装置本体10には、表示枠11aが形成されるとともに樹脂製の筐体11内に収納された液晶画面からなる表示画面部30と、表示画面部30の下方に配置された複数のボタンからなる操作部40と、表示画面部30の上方に配置され、経路案内時の音声などを出力する音声出力部50とが設けられている。また、筐体11の内部には、装置本体10をナビゲーション装置として制御するための制御回路部60が内蔵されている。また、一実施形態におけるカーナビゲーション100は、車両1の車内において、装置本体10が運転席近傍のダッシュボード2上にスタンド3を介して設置された状態で使用されるように構成されている。
【0028】
また、図1に示すように、操作部40は、システム起動ボタン41と、メニューボタン42と、現在位置を表示させる現在位置表示ボタン43と、消音ボタン44とを含んでいる。
【0029】
システム起動ボタン41は、車両1の走行または停車に関係なくユーザがカーナビゲーション100による経路案内機能を利用する際にシステムを起動させるためのボタンとして設けられている。また、メニューボタン42は、システムの起動後にカーナビゲーション100が有する諸機能に関する設定(後述する地図画像71の表示方法などを含む)を行う際に操作されるボタンとして設けられている。また、現在位置表示ボタン43は、ユーザが押下することによって車両1の現在位置を表示画面部30に表示させるためのボタンとして設けられている。また、消音ボタン44は、押下した場合にルート案内時の音声案内を中止するためのボタンとして設けられている。
【0030】
また、図2に示すように、制御回路部60は、CPUからなる制御部61と、位置測定部62と、ROM(読取り専用記憶装置)63と、フラッシュROM(不揮発性メモリ)64とによって構成されている。また、制御回路部60は、表示画面部30、操作部40および音声出力部50に対して、制御部61を介して電気的に接続されている。
【0031】
また、制御部61は、カーナビゲーション100の制御処理を統括する役割を有している。また、位置測定部62は、ケーブル21を介してGPSアンテナ20に接続されることにより、衛星測位システムなどを利用して車両1の現在位置を検出する機能を有している。また、ROM63には、制御部61が実行可能な制御プログラムなどが格納されるように構成されている。また、フラッシュROM64には、制御処理時に一時的に生成されるデータに加えて、カーナビゲーション100が使用される地域(国)の地図データ70が記憶されるように構成されている。なお、地図データ70は、図示しないCDやDVDなどの地図データが記憶された記憶媒体に格納されており、記憶媒体(CDやDVD)を装置本体10の内部に装填することにより、制御部61が地図データ70をフラッシュROM64に読み出して使用するように構成されている。なお、地図データ70には、道路データに加えて、ナビゲーションシステムを利用するユーザに提供される様々な情報(道路名、地名、施設名、施設の電話番号など)が含まれている。また、カーナビゲーション100では、ナビゲーションシステムによるルート案内を行う際、地図データ70に含まれる情報に基づいて描画される地図画像71(図3参照)が、表示画面部30内にリアルタイムに表示されるように構成されている。
【0032】
ここで、本実施形態では、図3に示すように、地図画像71は、マークPで示される現在位置の後方上空(紙面手前側)から現在位置の進むB方向に沿った遠方(紙面奥側)に向かって斜めに見下ろす鳥瞰図の状態で表示画面部30に表示されるように構成されている。また、図4に示すように、ユーザがマークQで示される目的地を設定した場合、現在位置と目的地との間において最適であると算出された経路Zが、道路画像72の幅よりも太くてかつ異なる色の状態で表示画面部30に描画されるように構成されている。この際、マークQで示される目的地の座標は、東西方向の位置をX座標とするとともに南北方向の位置をY座標とした場合の座標(Xg、Yg)として設定されるように構成されており、XgおよびYgには、地図画像71上の経度および緯度がそれぞれ対応するように構成されている。なお、図4において、カーナビゲーション100では、白丸内に「黒い三角印」が付されたマークPによって現在位置が表示されるとともに、白丸内に「G」の文字が付されたマークQによって目的地を示す情報が表示されるように構成されている。なお、マークPは、本発明の「現在位置」の一例であり、マークQは、本発明の「目的地を示す情報」の一例である。
【0033】
また、本実施形態では、車両1(図1参照)が示される現在位置(マークP)が、図3に示した位置から経路Zに沿って走行することにより、表示画面部30は、図3から図4に示した状態、さらには図4から図5に示した状態へと遷移するように構成されている。ここで、図3〜図5では、車両1が、北向きに走行している状態を示している。したがって、車両1(マークP)のB方向への移動に伴って、鳥瞰図の状態で表示された地図画像71が相対的に表示画面部30の奥側から手前側に迫りながら描画されるように構成されており、マークQ(目的地)が画面手前側に近づきながら表示されるように構成されている。したがって、車両1のマークP(現在位置)は、常に、表示画面部30の略中央下部の同じ位置に定まった状態で表示されるように構成されている。これにより、現在位置が表示画面部30の略中央下部に固定されて表示されるので、ユーザは表示画面部30内における自車位置を見失うことなくルート案内に追随することが可能であるように構成されている。
【0034】
そして、目的地にさらに接近するために車両1(図1参照)が図5に示した位置から経路Zに沿ってB方向の前方の交差点Rを右折しておおよそ東向きに走行した場合、図6に示すように、地図画像71は、左方向(X1方向)に約90°回転された状態で描画されるように構成されている。この際、それまで画面奥方向に表示されていた目的地が、地図画像71の鳥瞰方向の切り換えに伴って表示画面部30から一時的に消失してしまう。ここで、本実施形態では、図6に示すような案内表示80が表示画面部30内に表示されるように構成されている。
【0035】
具体的には、案内表示80は、表示画面部30の縁部31aを起点として表示画面部30内に向かって延びる引き出し線81と、引き出し線81の縁部31a側の端部81aとは反対側の端部81b近傍において目的地を示す情報を表示するための吹き出し表示領域82とによって構成されている。また、吹き出し表示領域82には、目的地を示す情報としての画像90が表示されるように構成されている。なお、本実施形態では、画像90は、ユーザがルート案内時に設定した目的地を示すマークQが対応するように構成されている。なお、端部81bは、本発明の「縁部とは反対側の端部」の一例であり、画像90としてのマークQは、本発明の「目的地を表現する画像」の一例である。
【0036】
また、図7に示すように、案内表示80のうちの矢印で示される引き出し線81の端部81aは、マークP(現在位置)の進む方向におけるマークQ(目的地)の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを指し示すように構成されている。また、引き出し線81は、端部81aを起点として筐体11の表示枠11aの延びる方向(B方向)に対して略直交するA方向(水平方向)に所定の長さだけ延びる水平線部81cを有した後、斜め上方向に折れ曲がって延びる斜辺部81dの端部81bを介して吹き出し表示領域82に繋がるように構成されている。これにより、ユーザは、水平線部81cの端部81aの延長線上に表示画面部30の外側に消失した目的地の位置が存在することを認識しながら案内表示80を見ることが可能であるように構成されている。
【0037】
その後、車両1(図1参照)が図6に示した位置から経路Zに沿ってB方向の前方の交差点Sを左折した場合、図8に示すように、地図画像71は、右方向に約90°回転された状態で描画されるように構成されている。これにより、車両1は、再び北向きに走行する状態となる。この際、それまで表示画面部30の左方向(A1方向)の外側に一時的に消失していた目的地が、再度、画面奥方向に表示されるのに伴って、案内表示80(図6参照)は、表示画面部30から消失する(非表示状態となる)ように構成されている。
【0038】
なお、カーナビゲーション100は、上述した案内表示80が表示画面部30に表示されるか否かを、ユーザにより予め設定可能であるように構成されている。
【0039】
なお、本実施形態では、上記したルート案内の各画面(図3、図4、図5、図6および図8)において、常に、地図画像71が略同一の縮尺によって表示画面部30内に表示されるように構成されている。これにより、ルート案内の最中にマークQで示される目的地が表示画面部30の外側に消失した場合であっても、ユーザは、略同一の縮尺で表示された地図画像71と地図画像71上に重ねて表示された表示案内80を見ることができて、マークP(現在位置)に対する目的地の方向や距離感を容易に把握することが可能であるように構成されている。
【0040】
次に、図1、図4および図6〜図9を参照して、本実施形態におけるカーナビゲーション100がナビゲーション動作(ルート案内)を行う際の制御フローについて説明する。なお、以下の説明では、ユーザがカーナビゲーション100を起動してマークQで示される目的地を設定するとともに、ルート案内機能を「ON状態(有効)」としている場合の制御部61の制御フローについて説明する。
【0041】
まず、ステップS1では、制御部61により、車両1(図1参照)が走行中の現在位置(マークP)と、現在位置に合わせた地図画像71とを表示画面部30に描画させる制御を行う。すなわち、表示画面部30には、図3に示すような鳥瞰図表示の地図画像71が描画される。
【0042】
そして、ステップS2では、現在位置(マークP)の移動に伴ってマークQで示される目的地(座標(Xg、Yg):図4参照)が表示画面部30内に表示される描画領域に進入したか否かが制御部61によって判断されるとともに、マークQで示される目的地が表示画面部30内に表示される描画領域に進入するまでステップS1およびS2の動作が繰り返される。ステップS2において、図4に示すようにマークQで示される目的地が表示画面部30内に表示される描画領域に進入したと判断された場合、ステップS3において、現在の「吹き出し表示モード」が「ON状態」であるか否かが制御部61によって判断される。ステップS3において、「吹き出し表示モード」が「ON状態」であると判断された場合、次のステップS5に進む。一方、ステップS3において、「吹き出し表示モード」が「OFF状態」であると判断された場合、ステップS4において、制御部61により「吹き出し表示モード」が「ON状態」に切り換えられる。
【0043】
その後、ステップS5では、目的地の座標(Xg、Yg)(図4参照)が表示画面部30に対応する表示領域の外に存在するか否かが判断されるとともに、目的地の座標が表示画面部30に対応する表示領域の外に存在しない場合は、上述したステップS1に戻り、以降のステップS2〜ステップS5までの処理が繰り返される。
【0044】
一方、ステップS5において、図6に示すように、目的地の座標(Xg、Yg)(図4参照)が表示画面部30に対応する表示領域の外(A1側の外)に存在すると判断された場合、ステップS6では、制御部61によって目的地の座標(Xg、Yg)が一時的に取得される。また、この際、制御部61によって、目的地の座標(Xg)が吹き出しの根元部(引き出し線81の起点)に設定される。そして、ステップS7では、図6に示すような案内表示80が表示画面部30内に吹き出し状に表示される。
【0045】
すなわち、本実施形態では、図7に示すように、表示画面部30の外側に存在する目的地(マークQ)の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを起点とした引き出し線81と、引き出し線81の端部81b近傍から吹き出し表示領域82が吹き出し状に表示されるような案内表示80が、表示画面部30内に表示される。これにより、ユーザは、引き出し線81(水平線部81c)の端部81aの延長線上に表示画面部30のA1側の外部に消失した目的地が存在することを認識しながら案内表示80を見ることが可能となる。
【0046】
その後、ステップS8では、制御部61により目的地に到着したか否かが判断されるとともに、目的地に到着していないと判断された場合は、上述したステップS1に戻るとともに以降のステップS2〜ステップS8までの処理が繰り返される。なお、車両1の現在位置によって、目的地が表示画面部30の左方向(A1側)の外側に一時的に消失している状態が継続されている場合は、常に案内表示80が表示された状態でステップS2〜ステップS8までの処理が繰り返される。また、車両1の現在位置がさらに移動して、図6に示した状態から図8に示した状態へと変化した場合には、表示画面部30の左方向(A1側)の外側に一時的に消失していた目的地が、再度、画面奥方向に表示されるのに伴って、案内表示80(図6参照)が表示画面部30から消えて非表示状態となる。すなわち、車両1が目的地に到着するまでは、表示画面部30において案内表示80の表示と非表示とが繰り返される状態となる。
【0047】
また、ステップS8において、車両1(図1参照)が目的地に到着したと判断された場合、ステップS9において、制御部61により「吹き出し表示モード」が現在の「ON状態」から「OFF状態」に切り換えられる。そして、ステップS10において、表示画面部30に対する地図画像71の描画動作が中止(停止)される。このようにしてカーナビゲーション100におけるルート案内時の制御フローが行われる。
【0048】
本実施形態では、上記のように、現在位置から目的地に向かう経路Zにおいて、目的地を示す情報が表示画面部30内に表示されている状態(図5の状態)から表示画面部30外に消失した場合(図6の状態)に、現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを指し示すことにより、表示画面部30外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示80を表示画面部30内に表示する制御を行う制御部61を備えることによって、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部30の外側に消失した場合であっても、ユーザは、案内表示80が現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)に対応した表示画面部30の縁部31aを指し示している状態を容易に認識することができる。この結果、ユーザは、案内表示80の指し示す位置(縁部31a)に基づいて、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができる。
【0049】
また、本実施形態では、カーナビゲーション100が、地図画像71に対して鳥瞰図表示によりルート案内を行う際に、目的地を示す情報が表示画面部30外に消失した場合(図6の状態)に、現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを指し示すことにより、表示画面部30外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示80を表示画面部30内に表示する制御を行う制御部61を備えることによって、地図画像71が鳥瞰図の状態で表示される場合においても、進路変更前(図5の状態)に表示されていた目的地を示す情報が、進路変更後(図6の状態)に左右方向に移動して表示画面部30の外側に消失しやすいような場合でも、現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)に対応した表示画面部30の縁部31aを指し示すように構成された案内表示80が表示画面部30内に表示されるので、ユーザは、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができる。
【0050】
また、本実施形態では、制御部61を、目的地を示す情報が表示画面部30外に消失した側の表示画面部30の縁部31aを指し示すことにより、縁部31a側の表示画面部30外に消失した目的地の位置(図7における座標位置(Xg))がユーザにより把握可能となるような案内表示80を表示画面部30内に表示する制御を行うように構成することによって、案内表示80は、目的地を示す情報が表示画面部30の外側に消失した側の表示画面部30の縁部31aを指し示す状態で表示画面部30内に表示されるので、ユーザは、案内表示80の指し示す方向における表示画面部30の外側の領域に目的地が存在することを、容易に認識することができる。
【0051】
また、本実施形態では、案内表示80を、現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを起点として表示画面部30内に向かって吹き出し状に表示されるように構成することによって、案内表示80が現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)に対応した表示画面部30の縁部31aを起点として吹き出し状に表示されるので、ユーザは、目的地が一時的に表示画面部30の外側に消失して案内表示80が表示されている状況を、容易に把握することができる。
【0052】
また、本実施形態では、案内表示80を、表示画面部30の縁部31aを起点として縁部31aを指し示すとともに表示画面部30内に向かって延びる引き出し線81と、引き出し線81の縁部31aとは反対側の端部81b近傍において目的地を示す情報を表示するための吹き出し表示領域82とを含むように構成することによって、ユーザが案内表示80を見た際、目的地を示す情報が表示された吹き出し表示領域82と、吹き出し表示領域82から延びる引き出し線81の先端位置が目的地の座標位置(Xg)に対応した位置(表示画面部30の縁部31a)を指し示している状態とを、ユーザに容易に認識させることができる。これにより、引き出し線81の指し示す位置に基づいて、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、引き出し線81を、表示画面部30の縁部31aを起点として、現在位置の進む方向(B方向)と略直交する方向に延びるように配置された水平線部81cを有するように構成することによって、引き出し線81のうちの水平線部81cは、目的地の座標位置(Xg)に対応した位置(表示画面部30の縁部31a)から水平に引き出されているので、ユーザは、水平線部81cの表示位置に基づいて、現在位置から見た目的地の位置のみならず方向(水平線部81cの延びる方向)をも迅速に把握することができる。
【0054】
また、本実施形態では、案内表示80の吹き出し表示領域82に、目的地を表現するための画像90(マークQ)が表示されるように構成することによって、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部30の外側に消失した場合であっても、ユーザは、吹き出し表示領域82に目的地を示す画像90(マークQ)が表示されているので、吹き出し表示領域82および吹き出しの根元部に相当する引き出し線81の端部81aとに基づいて、目的地までより容易に到達することができる。
【0055】
また、本実施形態では、制御部61によって目的地を示す情報が表示画面部30内に表示されている状態から表示画面部30外に消失した際に、現在位置の進む方向(B方向)における目的地の座標位置(Xg)と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを指し示すことにより、表示画面部30外に消失した目的地の位置がユーザにより把握可能となるような案内表示80が表示画面部30内に表示される制御が行われる際に、制御部61を、地図画像71の表示範囲を移動させることにより現在位置を表示画面部30の略中央下部の領域に固定的に表示する制御を行うように構成することによって、目的地までの経路Zをどのような方向に移動している場合であっても、背景の地図画像71が動かされることにより相対的に自己の位置(車両1の位置)が表示画面部30内の同じ位置に固定されるので、ユーザが自己の現在位置を見失うのを抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、制御部61を、目的地を示す情報が表示画面部30外に消失した際、目的地を示す情報が表示画面部30内に表示されている状態と略同一の縮尺によって地図画像71を表示画面部30に表示した状態で表示案内80を表示画面部30内に表示する制御を行うように構成することによって、ナビゲーション動作の最中に目的地が表示画面部30の外側に消失した場合であっても、ユーザは、略同一の縮尺で表示された地図画像71と地図画像71上に重ねて表示された表示案内80を見ることができるので、縮尺が変わらない分、現在位置に対する目的地の方向や距離感を、容易に把握することができる。
【0057】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0058】
たとえば、上記実施形態では、目的地(マークQ)が表示画面部30の外側に消失した場合に引き出し線81を根元部として吹き出し表示領域82を吹き出し状に表示した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明では、目的地(マークQ)が表示画面部30の外側に消失した場合に、目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部31aを指し示す引き出し線81(水平線部81c)のみを表示することにより、目的地の情報(座標位置)をユーザに知らせるように構成してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、車両1がユーザにより設定された目的地に基づいて制御部61が算出した経路Z(図4参照)上を移動している最中に、目的地(マークQ)が表示画面部30の外側に消失した場合に引き出し線81を含む案内表示80を表示して目的地の位置をユーザに知らせるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明では、車両1が制御部61が算出した経路Zから外れた道路を走行している場合や、車両1が経路Z上および経路Z以外の道路に関係なく途中の地点(たとえば、道沿いの施設など)に立ち寄って一時的に停車している場合であっても、目的地(マークQ)が表示画面部30の外側に消失している場合には、引き出し線81を含む案内表示80を表示して目的地の位置を常にユーザに知らせるように構成するのがより好ましい。
【0060】
また、上記実施形態では、案内表示80の吹き出し表示領域82に、マークQで示される目的地の画像90が表示されるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、図10に示す第1変形例のように、マークQで示される画像90に加えて、現在位置から目的地までの残余距離が「目的地まであと約275mです」のようなメッセージ91として吹き出し表示領域82に表示されるように構成してもよいし、現在位置から目的地までの残余距離のみが吹き出し表示領域82に表示されるように構成してもよい。なお、メッセージ91は、本発明の「残余距離に関する情報」の一例である。この第1変形例のように構成すれば、ルート案内の最中に目的地が表示画面部30の外側に消失した場合であっても、ユーザは、吹き出し表示領域82に表示された現在位置から目的地までの残余距離に関するメッセージ91に基づいて、目的地の位置のみならず目的地までの距離をも認識することができる。
【0061】
また、図11に示す第2変形例のように、目的地の周辺に存在する他の施設などの目印(ランドマーク)となる対象物を模した画像92が、吹き出し表示領域82に表示されるように構成してもよい。なお、画像92は、本発明の「目的地の周辺に関する情報」の一例である。ここで、画像92は、鳥瞰図表示された地図画像71の目的地周辺を示した画像のうちの吹き出し表示領域82に対応する領域を切り抜いた状態で吹き出し表示領域82にはめ込み合成して表示するように構成されていてもよいし、画像92を吹き出し表示領域82に表示するための専用の画像データを生成して表示させるように構成してもよい。この際、吹き出し表示領域82以外の地図画像71の向き(図11では画面上側がおおよそ東向きである)と同じ向きの状態で、目的地周辺を鳥瞰図表示した画像92が表示されるように構成されていてもよいし、目的地周辺を平面図的に見た状態の画像が表示されるように構成されていてもよい。また、吹き出し表示領域82以外の地図画像71の向き(おおよそ東向き)とは異なる向き(たとえば、目的地に対して画面手前側からアプローチするような向き)の状態の画像が表示されるように構成されていてもよい。この第2変形例のように構成すれば、ルート案内の最中に目的地が表示画面部30の外側に消失した場合であっても、ユーザは、目的地の位置のみならず吹き出し表示領域82に表示された目的地の周辺に関する画像92を手がかりとして、目的地を容易に見つけ出すことができる。
【0062】
また、上記実施形態では、略「くの字」状に折れ曲がる引き出し線81と吹き出し表示領域82とによって案内表示80を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図12に示す第3変形例のように、水平線部81cの端部から吹き出し表示領域86が吹き出して表示されるような案内表示85を構成してもよい。この場合、吹き出し表示領域86には、上記第1変形例のような画像90およびメッセージ91が表示されるように構成されていてもよいし、上記第2変形例のような画像90および92が表示されるように構成されていてもよい。また、本発明では、図13に示す第4変形例のように、表示画面部30の縁部31aから直接吹き出し表示領域88が吹き出して表示されるような案内表示87を構成してもよい。この場合も、吹き出し表示領域88には、上記第1変形例のような画像90およびメッセージ91が表示されるように構成されていてもよいし、上記第2変形例のような画像90および92が表示されるように構成されていてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、表示画面部30に地図画像71が鳥瞰図の状態で表示された場合のルート案内において案内表示80を表示させるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示画面部30に地図画像71が平面図の状態で表示された場合のルート案内においても、目的地を示す情報が表示画面部30内に表示されている状態から表示画面部30の外部に消失した際、現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する表示画面部30の縁部を指し示す案内表示80を表示させるように構成してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、本発明のナビゲーション装置を車両1に固定的に設置されるカーナビゲーション100に適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、現在位置を検出する位置測定部と表示画面部とを備えるナビゲーション装置であれば、カーナビゲーション100以外のたとえば携帯型ナビゲーション装置に本発明を適用してもよい。すなわち、携帯型ナビゲーション装置の場合、ユーザの移動手段に関係なくユーザが自己の手などに携帯した状態で表示画面部を見ながらルート案内に従って行動する際、車両などと比較して比較的自由に装置本体の向きを変えるような状況であっても、表示画面部の向きに応じて目的地を示すための案内表示80(図6参照)が表示される分、ユーザは、現在位置と目的地との位置関係を容易に把握することができる。なお、携帯型ナビゲーション装置は、ナビゲーション機能のみを有する専用機器であってもよいし、携帯電話機などにナビゲーション機能が組み込まれたものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
30 表示画面部
31a 縁部
61 制御部
62 位置測定部
71 地図画像
80 案内表示
81 引き出し線
81b 端部(縁部とは反対側の端部)
81c 水平線部
82 吹き出し表示領域
90 画像(目的地を示す情報、目的地を表現する画像)
91 メッセージ(残余距離に関する情報)
92 画像(目的地の周辺に関する情報)
100 カーナビゲーション(ナビゲーション装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する位置測定部と、
前記位置測定部により検出された現在位置とユーザにより指定された目的地を示す情報とを、道路データを含む地図画像とともに前記地図画像の上に重ねて表示可能な表示画面部と、
前記現在位置から前記目的地に向かう経路上において、前記目的地を示す情報が前記表示画面部外に消失した場合に、前記現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する前記表示画面部の縁部を指し示すことにより、前記表示画面部外に消失した前記目的地の位置が前記ユーザにより把握可能となるような案内表示を前記表示画面部内に表示する制御を行う制御部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記道路データを含む地図画像は、前記現在位置の後方上空から前記現在位置の進む方向に沿った遠方に向かって斜めに見下ろす鳥瞰図の状態で前記表示画面部に表示されるように構成されており、
前記制御部は、前記地図画像が前記鳥瞰図の状態で前記表示画面部に表示されている状態において、前記ユーザが前記現在位置から前記目的地に向かう経路上において、前記目的地を示す情報が前記表示画面部外に消失した場合に、前記現在位置の進む方向における前記目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する前記表示画面部の縁部を指し示すことにより、前記表示画面部外に消失した前記目的地の位置が前記ユーザにより把握可能となるような前記案内表示を前記表示画面部内に表示する制御を行うように構成されている、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記目的地を示す情報が前記表示画面部外に消失した側の前記表示画面部の縁部を指し示すことにより、前記縁部側の前記表示画面部外に消失した前記目的地の位置が前記ユーザにより把握可能となるような前記案内表示を前記表示画面部内に表示する制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内表示は、前記現在位置の進む方向における前記目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する前記表示画面部の縁部を起点として前記表示画面部内に向かって吹き出し状に表示されるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内表示は、前記表示画面部の前記縁部を起点として前記縁部を指し示すとともに前記表示画面部内に向かって延びる引き出し線と、前記引き出し線の前記縁部とは反対側の端部近傍において前記目的地を示す情報を表示するための吹き出し表示領域とを含む、請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記引き出し線は、前記表示画面部の前記縁部を起点として、前記現在位置の進む方向と略直交する方向に延びるように配置された水平線部を有する、請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記目的地を示す情報は、前記目的地を表現する画像を含み、
前記案内表示の前記吹き出し表示領域には、前記目的地を表現する画像が表示されるように構成されている、請求項5または6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記目的地を示す情報は、前記現在位置から前記目的地までの残余距離に関する情報を含み、
前記案内表示の前記吹き出し表示領域には、前記現在位置から前記目的地までの残余距離に関する情報が表示されるように構成されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記目的地を示す情報は、前記目的地の周辺に関する情報を含み、
前記案内表示の前記吹き出し表示領域には、前記目的地の周辺に関する情報が表示されるように構成されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記制御部によって前記目的地を示す情報が前記表示画面部内に表示されている状態から前記表示画面部外に消失した際に、前記現在位置の進む方向における目的地の座標位置と同じ座標位置に位置する前記表示画面部の縁部を指し示すことにより、前記表示画面部外に消失した前記目的地の位置が前記ユーザにより把握可能となるような前記案内表示が前記表示画面部内に表示される制御が行われる際、
前記制御部は、前記地図画像の表示範囲を移動させることにより前記現在位置を前記表示画面部の略中央下部の領域に固定的に表示する制御を行うように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記目的地を示す情報が前記表示画面部外に消失した際、前記目的地を示す情報が前記表示画面部内に表示されている状態と略同一の縮尺によって前記地図画像を前記表示画面部に表示した状態で前記表示案内を前記表示画面部内に表示する制御を行うように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−122994(P2011−122994A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282455(P2009−282455)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】