説明

ニューロキニンアンタゴニストとしての置換オキシムおよびヒドラゾン

【課題】喘息、咳、気管支痙攣、うつ病、嘔吐、炎症性疾患および胃腸障害のような疾患への治療方法を提供すること。
【解決手段】構造式(I)に表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、ここでaは0〜3であり;b、dおよびeは0〜2であり;Rは所定の基であり;Aは必要に応じて置換されたオキシムまたはヒドラゾンであり;dは0ではなくそしてXは所定の結合であるか;あるいはdは0であり、そしてXは所定の結合であり;Tは所定の基であり;Qは所定の基であり;R6a、R7a、R8aおよびR9aはHまたはアルキルであり;Zは、ヘテロシクロ基またはヘテロシクロアルキル基により置換された窒素含有ヘテロシクロ基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、タキキニンレセプターのアンタゴニストとして、特に神経ペプチドニューロキニン−1レセプター(NK1)および/またはニューロキニン−2レセプター(NK2)および/またはニューロキニン−3レセプター(NK3)のアンタゴニストとして有用である置換されたオキシムおよびヒドラゾンの属に関する。
【背景技術】
【0002】
ニューロキニンレセプターは、哺乳動物の神経系および循環器系および末梢組織に見出され、従ってそれらは種々の生物学的プロセスに含まれる。ニューロキニンレセプターアンタゴニストは、哺乳動物の種々の疾患状態(例えば、喘息、咳、気管支痙攣、関節炎のような炎症性疾患、片頭痛および癲癇のような中枢神経系状態、痛覚、うつ病、ならびにクローン病のような種々の胃腸障害)の治療または予防に有用であることが結果として期待される。
【0003】
特に、NK1レセプターは微小血管漏れおよび粘液分泌を含むことが報告されてきており、そしてNK2レセプターは平滑筋収縮に関与している。このことは、NK1およびNK2レセプターアンタゴニストを、喘息の治療および予防に特に有用にする。
【0004】
置換オキシムおよびヒドラゾンであるNK1およびNK2レセプターアンタゴニストは、以前に特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示された。
【特許文献1】米国特許第5,696,267号明細書
【特許文献2】米国特許第5,688,960号明細書
【特許文献3】米国特許第5,789,422号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明によって以下が提供される。
(項目1) 以下の構造式:
【化1−4】

に表される化合物であるかまたはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで;
aは0、1、2または3であり;
bおよびdは独立して0、1または2であり;
RはH、C1-6アルキル、−OR6または−Fであり;
Aは=N−OR1または=N−N(R2)(R3)であり;
dが0でない場合、Xは結合、−C(O)−、−O−、−NR9−、−S(O)e−、−N(R6)C(O)−、−C(O)N(R6)−、−OC(O)NR6−、−OC(=S)NR6−、−N(R6)C(=S)O−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)−または−N(R6)C(O)NR7−であり;
そして
dが0の場合、Xは結合または−NR6−であり;
TはH、R4−アリール、R4−ヘテロシクロアルキルまたはR4−ヘテロアリールであり;
QはR5−フェニル、R5−ナフチルまたはR5−ヘテロアリールであり;
1はH、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2、−(C(R6)(R7))p−M−(C(R13)(R14))n−Gまたは−(C(R6)(R7))p−M−(R4−ヘテロアリール)であり;
2およびR3は、H、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2および−S(O)e13からなる群から独立して選択されるか;または、R2およびR3は、これらが結合している窒素と共に5〜6員環を形成し、ここで0、1または2の環員は−O−、−S−および−N(R19)−からなる群から選択され;
4およびR5は、H、ハロゲノ、−OR6、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−N(R6)(R7)、C1-6アルキル、−CF3、−C25、−COR6、−CO26、−CON(R6)(R7)、−S(O)e13、−CN、−OCF3、−OCHF2、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、NO2、−N(R6)S(O)213または−S(O)2N(R6)(R7)からなる群から独立して選択される独立した1〜3の置換基であるか;または、隣接したR4置換基もしくは隣接したR5置換基は−O−CH2−O−基を形成し得;
6、R7、R8、R13およびR14はH、C1-6アルキル、C2−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、R15−フェニルおよびR15−ベンジルからなる群から独立して選択され;
9はR6および−OR6からなる群から独立して選択され、
あるいはR6およびR7、またはR7およびR9はこれらが結合している窒素と共に5〜6員環を形成し、ここで0、1または2の環員は−O−、−S−および−N(R19)−からなる群から選択され;
6a、R7a、R8a、R9a、R10およびR10aはHおよびC1-6アルキルからなる群から独立して選択され;
15は、H、−OH、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、ハロゲノ、−CF3、−C25、−COR10、−CO210、−C(O)N(R102、−S(O)e10a、−CN、−N(R10)COR10、−N(R10)CON(R102および−NO2からなる群から独立して選択される1〜3の置換基であり;
16はC1-6アルキル、R15−フェニルまたはR15−ベンジルであり;
19はH、C1−C6アルキル、−C(O)N(R102または−CO210であり;
nおよびpは独立して1〜6であり;
GはH、R4−アリール、R4−ヘテロ−シクロアルキル、R4−ヘテロアリール、R4−シクロアルキル、−CH2F、−CHF2、−CF3、−OR6、−N(R6)(R7)、−COR6、−CO26、−CON(R7)(R9)、−S(O)e13、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、−N(R6)S(O)213、−N(R6)S(O)2N(R33)(R34)、−S(O)2N(R6)(R7)、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−C(=NOR8)N(R6)(R7)、−C(=NR25)N(R6)(R7)、−N(R8)C(=NR25)N(R6)(R7)、−CN、−C(O)N(R6)OR7および−C(O)N(R9)−(R4−ヘテロアリール)からなる群から選択され、ただし、nは1であり、Gは−OHまたは−N(R6)(R7)でない場合であり;
Mは二重結合、−O−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(R6)(OR7)−、−C(R8)(N(R6)(R7))−、−C(=NOR6)N(R7)−、−C(N(R6)(R7))=NO−、−C(=NR25)N(R6)−、−C(O)N(R9)−、−N(R9)C(O)−、−C(=S)N(R9)−、−N(R9)C(=S)−および−N(R6)C(O)N(R7)−からなる群から選択され、ただし、nは1であり、GはOHまたは−NH(R6)でない場合;そしてpは2−6である場合、Mはまた、−N(R6)C(=NR25)N(R7)−または−OC(O)N(R6)−であり得;
2はR4−アリール、R4−ヘテロシクロアルキル、R4−ヘテロアリール、R4−シクロアルキル、−COR6、−CO216、−S(O)2N(R6)(R7)または−CON(R6)(R7)であり;
eは0、1または2であり、ただし、eは1または2の場合、R13およびR10aはHでなく;
25は、H、C1−C6アルキル、−CN、R15−フェニルまたはR15−ベンジルであり;
Zは、
【化2】

【化3−1】

であり;
g、hおよびjは独立して0〜2であり;
kは1〜4であり;
1は−O−、−S−または−NR9−であり;
Jは=O、=S、=NR9、=NCNまたは=NOR1であり;
1およびJ2は、2つのハロゲン原子、=O、=S、=NR9および=NOR1からなる群から独立して選択され;
26、R27およびR29は、H、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2−、−C(O)−(C(R8)(R9))n−Gおよび−S(O)e13からなる群から独立して選択され;
28はH、−(C(R6)(R7))t−Gまたは−CON(R6)(R7)であり;
tは0、1、2または3であり、ただし、jは0、tは1、2または3の場合であり;
30は、H、ハロゲノ、−OR6、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−N(R6)(R7)、−C1-6アルキル、−CF3、−C25、−COR6、−CO26、−CON(R6)(R7)、−S(O)e13、−CN、−OCF3、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、NO2、−N(R6)S(O)213または−S(O)2N(R6)(R7)からなる群からから独立して選択される1〜3の置換基であるか;または隣接するR30置換基は−O−CH2−O−基を形成し得;
31は、HおよびC1−C6アルキルからなる群から独立して選択され;
32は、H、OHおよびC1−C6アルコキシからなる群から独立して選択され;そして
33およびR34はH、C1−C6アルキル、R15フェニルおよびR15ベンジルからなる群から独立して選択される、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
(項目2) dは0でなく、そしてXは−O−、−C(O)−、結合、−NR9−、−S(O)e−、−N(R6)C(O)−、−C(O)NR6または−OC(O)NR6−である、項目1に記載の化合物。
(項目3) Tは、R4−アリールまたはR4−ヘテロアリールである、項目1に記載の化合物。
(項目4) QはR5−フェニルである、項目1に記載の化合物。
(項目5) Zは
【化3−2】

であり;gおよびhは各々1であり;Jは=Oであり;jは0であり;kは1または2であり;そしてR28はHである、項目1に記載の化合物。
(項目6) dは0でなく、そしてXは−O−、−C(O)−、結合、−NR9−、−S(O)e−、−N(R6)C(O)−、−C(O)NR6または−OC(O)NR6−であり;TはR4−アリールまたはR4−ヘテロアリールであり;QはR5−フェニルであり;Zは
【化4−1】

であり;gおよびhは各々1であり;Jは=Oであり;jは0であり;kは1または2であり;そしてR28はHである、項目1に記載の化合物。
(項目7) Aは=N−OR1であり、Xは−N(R6)C(O)−であり、TはR4−アリールであり;QはR5−フェニルであり;そしてR6a、R7a、R8aおよびR9aはそれぞれHである、項目6に記載の化合物。
(項目8) Zは
【化4−2】

であり、kは1または2である、項目7に記載の化合物。
(項目9) 以下の式:
【化5】

で表される化合物の群から選択される、項目1に記載の化合物であって、
ここでZ、R1およびTは以下の表:
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

に定義される、化合物。
(項目10) 有効量の項目1に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(項目11) 呼吸疾患、炎症性疾患、皮膚障害、眼科学的(ophthamalogical)障害、嗜癖、中枢神経系状態、胃腸障害、膀胱障害、アテローム硬化症、線維化障害および肥満の治療薬の調製のための、項目1に記載の化合物の使用。
本発明の化合物は式I:
【0006】
【化6】

に表されるか、またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで;
aは0、1、2または3であり;
bとdは独立して0、1または2であり;
RはH、C1-6アルキル、−OR6または−Fであり;
Aは=N−OR1または=N−N(R2)(R3)であり;
dが0でない場合、Xは結合、−C(O)−、−O−、−NR9−、−S(O)e−、−N(R6)C(O)−、−C(O)N(R6)−、−OC(O)NR6−、−OC(=S)NR6−、−N(R6)C(=S)O−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)−または−N(R6)C(O)NR7であり;
そして
dが0の場合、Xは結合または−NR6−であり;
TはH、R4−アリール、R4−ヘテロシクロアルキルまたはR4−ヘテロアリールであり;
QはR5−フェニル、R5−ナフチルまたはR5−ヘテロアリールであり;
1はH、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2、−(C(R6)(R7))p−M−(C(R13)(R14))n−Gまたは−(C(R6)(R7))p−M−(R4−ヘテロアリール)であり;
2およびR3は、H、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2および−S(O)e13からなる群から独立して選択されるか;または、R2およびR3は、これらが結合している窒素と共に5−6員環を形成し、ここで0、1または2の環員は−O−、−S−および−N(R19)−からなる群から選択され;
4およびR5は、H、ハロゲノ、−OR6、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−N(R6)(R7)、C1-6アルキル、−CF3、−C25、−COR6、−CO26、−CON(R6)(R7)、−S(O)e13、−CN、−OCF3、−OCHF2、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、NO2、−N(R6)S(O)213または−S(O)2N(R6)(R7)からなる群から独立して選択される独立した1〜3の置換基であり;または、隣接したR4置換基もしくは隣接したR5置換基は−O−CH2−O−基を形成し得;
6、R7、R8、R13およびR14はH、C1-6アルキル、C2−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、R15−フェニルおよびR15−ベンジルからなる群から独立して選択され;
9はR6および−OR6からなる群から独立して選択され;
あるいはR6およびR7、またはR7およびR9はこれらが結合している窒素と共に5−6員環を形成し、ここで0、1または2の環員は−O−、−S−および−N(R19)−からなる群から選択され;
6a、R7a、R8a、R9a、R10およびR10aはHおよびC1-6アルキルからなる群から独立して選択され;
15は、H、−OH、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、ハロゲノ、−CF3、−C25、−COR10、−CO210、−C(O)N(R102、−S(O)e10a、−CN、−N(R10)COR10、−N(R10)CON(R102および−NO2からなる群から独立して選択される1〜3の置換基であり;
16はC1-6アルキル、R15−フェニルまたはR15−ベンジルであり;
19はH、C1−C6アルキル、−C(O)N(R102または−CO210であり;
nおよびpは独立して1〜6であり;
GはH、R4−アリール、R4−ヘテロシクロアルキル、R4−ヘテロアリール、R4−シクロアルキル、−CH2F、−CHF2、−CF3、−OR6、−N(R6)(R7)、−COR6、−CO26、−CON(R7)(R9)、−S(O)e13、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、−N(R6)S(O)213、−N(R6)S(O)2N(R33)(R34)、−S(O)2N(R6)(R7)、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−C(=NOR8)N(R6)(R7)、−C(=NR25)N(R6)(R7)、−N(R8)C(=NR25)N(R6)(R7)、−CN、−C(O)N(R6)OR7、および−C(O)N(R9)−(R4−ヘテロアリール)からなる群から選択され、ただし、nは1である場合、Gは−OHまたは−N(R6)(R7)でなく;
Mは二重結合、−O−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(R6)(OR7)−、−C(R8)(N(R6)(R7))−、−C(=NOR6)N(R7)−、−C(N(R6)(R7))=NO−、−C(=NR25)N(R6)−、−C(O)N(R9)−、−N(R9)C(O)−、−C(=S)N(R9)−、−N(R9)C(=S)−および−N(R6)C(O)N(R7)−からなる群から選択され、ただし、nは1である場合、GはOHまたは−NH(R6)でなく;そしてpは2−6である場合、Mはまた、−N(R6)C(=NR25)N(R7)−または−OC(O)N(R6)−であり得;
2はR4アリール、R4ヘテロシクロアルキル、R4−ヘテロアリール、R4−シクロアルキル、−COR6、−CO216、−S(O)2N(R6)(R7)または−CON(R6)(R7)であり;
eは0、1または2であり、ただし、eが1または2の場合、R13およびR10aはHでなく;
25は、H、C1−C6アルキル、−CN、R15−フェニルまたはR15−ベンジルであり;
Zは、
【0007】
【化7】

であり;
g、hおよびjは独立して0−2であり;
kは1−4であり;
1は−O−、−S−または−NR9−であり;
Jは=O、=S、=NR9、=NCNまたは=NOR1であり;
1およびJ2は、2つのハロゲン原子、=O、=S、=NR9および=NOR1からなる群から独立して選択され;
26、R27およびR29は、H、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2、−C(O)−(C(R8)(R9))n−Gおよび−S(O)e13からなる群から独立して選択され;
28はH、−(C(R6)(R7))t−Gまたは−CON(R6)(R7)であり;
tは0、1、2または3であり、ただし、jが0の場合、tは1、2または3であり;
30は、H、ハロゲノ、−OR6、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−N(R6)(R7)、C1-6アルキル、−CF3、−C25、−COR6、−CO26、−CON(R6)(R7)、−S(O)e13、−CN、−OCF3、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、NO2、−N(R6)S(O)213または−S(O)2N(R6)(R7)からなる群からから独立して選択される1〜3の置換基であるか;または隣接するR30置換基は−O−CH2−O−基を形成し得;
31は、HおよびC1−C6アルキルからなる群から独立して選択され;
32は、H、−OHおよびC1−C6アルコキシからなる群から独立して選択され;そして
33およびR34はH、C1−C6アルキル、R15フェニルおよびR15ベンジルからなる群から独立して選択される。
【0008】
好ましいのは、Xが−O−、−C(O)−、結合、−NR6−、−S(O)e−、−N(R6)C(O)−、−OC(O)NR6または−C(=NOR1)−である式Iの化合物である。より好ましいのは、Xが−O−、−NR6−、−N(R6)C(O)−または−OC(O)NR6である式Iの化合物である。さらに好ましい定義は:Xが−O−または−N(R6)−の場合、bは1または2であり;Xが−N(R6)C(O)−の場合、bは0であり;そしてdは1または2である。Tは好ましくは、R4−アリールであり、R4−フェニルはより好ましい。また好ましいのは、R6a、R7a、R8aおよびR9aは独立して水素、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルである化合物であり、水素はより好ましい。特に好ましいのは、R8aおよびR9aは各々水素であり、dおよびbは各々1であり、Xは−O−、−NR6−、−N(R6)C(O)−または−OC(O)NR6であり、TはR4−アリールそしてR4はC1-6アルキル、ハロゲノ、−CF3およびC1-6アルコキシから選択される2つの置換基である化合物である。
【0009】
また好ましいのは、Rが水素である式Iの化合物である。Qは好ましくはR5−フェニルであり;特に好ましいQについての定義は、R5は2つのハロゲノ置換基である、R5−フェニルである。
【0010】
好ましいのは、Aが=N−OR1である式Iの化合物である。R1は好ましくはH、アルキル、−(CH2n−G、−(CH2)p−M−(CH2n−Gまたは−C(O)N(R6)(R7)であり、ここでMは−O−または−C(O)N(R9)−そしてGは−CO26、−OR6、−C(O)N(R7)(R9)、−C(=NOR8)N(R6)(R7)、−C(O)N(R9)(R4−ヘテロアリール)またはR4−ヘテロアリールである。Aが=N−N(R2)(R3)の場合、R2およびR3は独立して好ましくはH、C1−C6アルキル、−(C(R6)(R7))n−GまたはG2である。
【0011】
好ましいZの定義は、
【0012】
【化8】

である。
変数gおよびhは好ましくは各々1であり;Jは好ましくは=Oであり;jは好ましくは0であり;kは好ましくは1または2であり;そしてR28は好ましくはHである。
【0013】
より好ましいZの定義は、
【0014】
【化9】

であり、ここでkは好ましくは1または2である。
【0015】
本発明はまた、例えば慢性肺疾患、気管支炎、肺炎、喘息、アレルギー、咳、気管支痙攣のような呼吸疾患;関節炎および乾癬のような炎症性疾患;アトピー性皮膚炎および接触皮膚炎のような皮膚障害;網膜炎、眼性高血圧および白内障などの眼科学的な(ophthamalogical)障害;アルコール依存症およびストレス関連障害などの嗜癖;不安、片頭痛、癲癇、痛覚、嘔吐、うつ病、精神病、精神分裂症、アルツハイマー病、AIDS関連痴呆およびTowne病のような中枢神経系状態;クローン病および大腸炎のような胃腸障害;膀胱障害;アテローム硬化症;線維化障害;ならびに肥満の治療における式Iの化合物の使用に関連する。
【0016】
別の局面において、本発明は薬学的に受容可能なキャリア中に式Iの化合物を含む薬学的組成物に関連する。本発明は、また、上記に列挙された哺乳動物の疾患状態の治療における、上記の薬学的組成物の使用に関連する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(詳細な説明)
本明細書中で使用する場合、「アルキル」とは、直鎖状または分枝状のアルキル鎖をいう。「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子のアルキル鎖をいい、そして同様に、低級アルコキシとは、1〜6個の炭素原子のアルコキシ鎖をいう。
【0018】
「シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有する環式アルキル基を意味する。
【0019】
「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、アントラセニルまたはフルオレニルを意味する。
【0020】
「ハロゲノ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードの原子をいう。
【0021】
「ヘテロシクロアルキル」とは、−O−、−S−および−N(R19)−からなる群より独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、残りの環員が炭素である、4〜6員の飽和した環をいう。ヘテロシクロアルキル環の例としては、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびピペラジニルがある。R4−ヘテロシクロアルキルとは、このような基であって、置換可能な環炭素原子がR4置換基を有するものをいう。
【0022】
「ヘテロアリール」とは、−O−、−S−および−N=からなる群より独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、ただし、環が隣接する酸素および/または硫黄原子を含まない、5〜10員の単一またはベンゼン縮合した芳香環をいう。単環のヘテロアリール基の例は、ピリジル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびトリアゾリルである。ベンゼン縮合へテロアリール基の例は、インドリル、キノリニル、チアナフテニルおよびベンゾフラザニルである。窒素含有へテロアリール基のN−オキシドもまた含まれる。全ての位置異性体は考慮される(例えば、1−ピリジル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4‐ピリジル)。R4−ヘテロアリールとは、このような基であって、置換可能な環炭素原子がR4置換基を有するものをいう。
【0023】
ここで、窒素原子上のR2およびR3、またはR6およびR7置換基は、環を形成し、さらなるヘテロ原子が存在する場合、この環は、隣接酸素および/または硫黄原子、あるいは3つの隣接へテロ原子を含まない。そのようにして形成される典型的な環は、モルホリニル、ピペラジニルおよびピペリジニルである。
【0024】
上記の定義において、例えば、変数R6、R7、R8、R13、R14、R15、R30、R31およびR32は、置換基の群より独立して選択される上記のものであり、本発明者らは、R6、R7、R8、R13、R14、R15、R30、R31およびR32は独立して選択されるが、また、R6、R7、R8、R13、R14、R15、R30、R31またはR32の変数が、1つの分子中で1つより多く存在する場合、これらの存在は独立して選択される(例えば、Rが−OR6であってR6が水素である場合、Xは、−N(R6)−であってR6はエチルであり得る)。同様に、R4およびR5は、置換基の群より独立して選択され得、そしてここで、1つより多くのR4およびR5が存在する場合、この置換基は独立して選択され;当業者は、置換基(単数または複数)の大きさや性質が、存在し得る置換基数に影響することを認識する。
【0025】
式Iの化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を有し得、そして全ての異性体(ジアステレオマー、エナンチオマーおよび回転異性体、ならびにオキシム、ヒドラゾンおよびオレフィン基のEおよびZ異性体)は、本発明の一部分であるように意図される。本発明は、純粋な形態と混合物の両方においてdおよびl異性体を含み、ラセミ混合物を含む。異性体は、光学的に純粋かまたは光学的にエンリッチな出発物質を反応させるか、あるいは式Iの化合物の異性体を分離することによって、従来技術を使用して調製され得る。
【0026】
当業者は、式Iのいくつかの化合物について、1つの異性体が他の異性体よりも高い薬理活性を示すことを理解する。
【0027】
本発明の化合物は、有機酸および無機酸と薬学的に受容可能な塩を形成し得る、少なくとも1つのアミノ基を有する。塩の形成に適切な酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸である。塩は遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて、塩を生成することによって調製される。遊離塩基形態は、塩を、炭酸水素ナトリウム希薄水溶液のような適切な希薄塩基水溶液で処理することによって再生され得る。遊離塩基形態は特定の物理特性、例えば極性溶媒への溶解度において、そのそれぞれの塩形態といくぶん異なるが、この塩は、本発明の目的に関して、それ以外はそのそれぞれの遊離塩基形態と等価である。
【0028】
本発明の特定の化合物(例えば、カルボキシル基を有する化合物)は酸性である。これらの化合物は、無機および有機塩基を用いて、薬学的に受容可能な塩を形成する。このような塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、金および銀の塩である。また、薬学的に受容可能なアミン、例えば、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミンなどによって形成される塩も含まれる。
【0029】
式Iの化合物は、当業者に周知の方法(例えば、本明細書中に参考として援用される米国特許第5,696,267号に開示の手順)を使用して調製され得る。当業者は、他の手順が容認可能であり得、そしてこの手順は、式Iの範囲内の他の化合物の調製のために適切に変更され得ることを認識する。
【0030】
定義された式Iの化合物は、好ましくは、米国特許第5,696,267号に開示のように、以下の反応スキームに示されるように調製される。この反応スキームにおいて、変数は上記の定義の通りである:
【0031】
【化10】

工程1において、式47Aの化合物(Qは上記で定義した通りである)は、THFまたはDMEのような不活性有機溶媒中で、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、KHMDSまたはKHのような塩基と反応して、ジアニオンを生成する。式46A、46Bまたは46Cの酸クロリド、エステルまたはアミドが添加されて、式48のケトンを与える。好ましい反応温度は、−78℃〜30℃の範囲である。
【0032】
あるいは、式48の化合物は、式46の化合物、好ましくは46Cの化合物と、Mt(例えば、リチウムまたはMgHal、ここで、「Hal」はハロゲン)が金属である式QCH2Mtの金属化された種との反応によって生成され得る。金属化された種QCH2Mtは、式QCH2Halの化合物をMgで処理するような従来の手順によってか、または、QCH3を有機リチウム塩基で処理することによって生成され得る。
【0033】
【化11】

工程2において、Rが水素ではない化合物に関して、ケトン48は、THFのような不活性有機溶媒中で、LDAまたはKHのような適切な塩基と反応される。Rがアルキルまたはヒドロキシアルキルである化合物に関して、化合物R−R17"(ここで、R17"はBr、Iまたはトリフレートのような脱離基である)が添加される。RがOHである化合物に関して、ジメチルジオキシランまたはデービス(Davis)試薬のような適切な酸化剤が添加される。好ましい反応温度は、−78℃〜50℃の範囲である。RがHである本発明の化合物に関して、ケトン48は工程3で直接使用される。
【0034】
【化12】

工程3において、ケトン49は、THFのような溶媒中で、LDAのような塩基と反応され、次いで式50のオレフィン(ここで、R17"は、上記で定義した通りである)が添加され、付加物51を与える。好ましい反応温度は、−78℃〜60℃の範囲である。
【0035】
【化13】

工程4において、ケトン51は、HA’(ここで、A’はNH−OR1である)と、ピリジンまたはエタノールのような有機溶媒中で、25℃〜150℃の温度で反応され、式52の化合物を与える。
【0036】
【化14】

工程5において、式52の化合物は、オゾン分解によって酸化され、式53のアルデヒドを与える。適切な有機溶媒には、EtOAc、CH3OH、エタノール、CH2Cl2などが挙げられる。好ましい反応温度は、−78℃〜0℃である。
【0037】
【化15】

工程6において、式53のアルデヒドは、式Z−Hの化合物(ここで、Zは上記で定義した通りである)と反応される。この反応は、好ましくは適切な置換アミン(例えば、HClまたはマレイン酸塩のような酸塩として、またはその遊離塩基として)およびNaBH3CNまたはナトリウムトリアセトキシボロヒドリドのようなヒドリド供給源を用いて、適切な溶媒中(例えば、NaBH3CNについてはCH3OH、CH3CH2OHまたはCF3CH2OH、あるいはトリアセトキシボロヒドリドについてはTHF、1,2−ジクロロエタン、CH3CNまたはCF3CH2OH)で、3Aのシーブを用いて行われ、所望の生成物を得る。任意の適切な温度が用いられ、好ましい温度は0℃〜25℃の間である。
【0038】
あるいは、式Iの化合物は、以下の反応スキームによって、51から調製され得、ここで、変数は、引用された米国特許についての定義のとおりである:
【0039】
【化16】

化合物51は、上記の工程5に記載される条件と同様の条件下で、式54の化合物に酸化される。式54のアルデヒドは、工程6に記載の様式と同様の様式で式Z−Hの化合物と反応され、次いで、生じたケトンは、上記の工程4に記載されたように式HA’の化合物と反応され、式Iの化合物を得る。
【0040】
出発物の「ZH」基は、公知であるか、または当該分野で公知の手順によって作製される。例えば、以下の調製3〜12を参照のこと。
【0041】
上記のプロセスに含まれない反応性基は、反応の間に、反応後に標準的な手順によって除去し得る従来の保護基を用いて保護され得る。以下の表1に、いくつかの典型的な保護基を示す:
【0042】
【表2】

本発明によって記載される化合物から薬学的組成物を調製することに関して、不活性で、薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態調製物には、粉末、錠剤、分散可能な顆粒、カプセル、カシェ剤および坐剤が挙げられる。粉末および錠剤は、約5〜約95パーセントの活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースである。錠剤、粉末、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適切な固体投薬形態として使用され得る。薬学的に受容可能なキャリアおよび種々の組成物の製造方法の例は、A.Gennaro編、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvaniaにおいて見出され得る。
【0043】
液体形態調製物には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。例として、非経口注射に関しては水または水−プロピレングリコール溶液、あるいは経口溶液、懸濁液および乳濁液に関しては甘味料および乳白剤の添加が言及され得る。液体形態調製物はまた、鼻腔内投与のための溶液も含む。
【0044】
吸入に適切なエアロゾル調製物には、溶液および粉末形態の固体が挙げられ得、これらは、不活性圧縮ガス(例えば、窒素)のような薬学的に受容可能なキャリアと組み合わされ得る。
【0045】
使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態調製物に、変換されるように意図される固体形態調製物もまた含まれる。このような液体形態には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0046】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。経皮的組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとり得、そして、この目的に関して当該分野で慣習的であるような、マトリックスまたはリザーバー型の経皮パッチにおいて含まれ得る。
【0047】
好ましくは、この化合物は経口的に投与される。
【0048】
好ましくは、この薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態において、この調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的に到達するための有効量)を含む適切なサイズの単位用量に細分される。
【0049】
ぜん息、咳、気管支痙攣、炎症性疾患、偏頭痛、侵害受容、うつ病、嘔吐および胃腸障害を処置するための調製物の単位用量における活性成分の量は、約1mg〜約1500mg、好ましくは約50mg〜約500mg、より好ましくは約20mg〜約200mgで、個々の適用に従って変化または調節され得る。
【0050】
使用される実際の投薬量は、患者の要求および処置される状態の重症度に依存して変化され得る。個々の状況に適切な投薬レジメンの決定は、当該分野の技術の範囲内である。簡便のために、毎日の投薬量の合計は分割され得、日中に必要に応じて一部ずつ投与され得る。
【0051】
本発明の化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の、投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および大きさ、ならびに処置される症状の重症度のような要因を考慮する主治医の判断に従って調節される。経口投与に関する推奨される典型的な毎日の投薬レジメンは、約1mg/日〜約1500mg/日の範囲の、2〜4分割の用量であり得る。
【0052】
以下は、出発物質および式Iの化合物の調製の例である。本明細書中で使用する場合、Meはメチルであり、Buはブチルであり、Brはブロモであり、Acはアセチルであり、Etはエチルであり、そしてPhはフェニルである。
【実施例】
【0053】
【化17】

工程1:CH3OH(5mL)中の1−ベンジル−4−アミノピペリジン(25g、0.13mol)の溶液を、アクリロニトリル(9.6mL、0.15mol)で23℃で処理する。22時間攪拌し、そして濃縮して粗生成物を得る。
工程2:工程1の生成物(31.9g、0.13mol)をCH3OH(1L)に溶解し、塩化コバルト(II)(34g、0.26mol)を添加し、続いてNaBH4(50g、0.13mol)を、いくつかの小さな部分に分けて、45分かけて0℃で添加する。得られた懸濁液を1.5時間攪拌し、3NのHClを用いて、色が桃色になるまで慎重に酸性化する。この水溶液をエーテル(Et2O)(1L)で抽出し、NaOHを10℃でpH=12になるまで添加する。得られた懸濁液をEt2O(1L)、次いでCH2Cl2(2×1L)で抽出する。固体物質を除去するために水層を濾過し、そしてCH2Cl2(3×1L)でさらに抽出する。合わせた有機層を濃縮し、23.6gの所望の生成物を得る。
工程3:工程2の生成物(10.0g、0.41mol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(70mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(13.2g、0.81mol)で処理し、そして60℃まで14時間加熱する。この混合物を濃縮し、そしてシリカプラグを通して、CH2Cl2およびCH3OH(NH3で飽和)を94:6の割合で用いて濾過し、8.6gの表題生成物を得る。
【0054】
【化18】

工程1:CHCl3(30mL)中の4−アミノ−N−ベンジルピペリジン(20.4mL、0.10mol)の溶液を、無水フタリド(10.0g、0.068mol)で処理し、この混合物を70℃で18時間還流するために加熱する。水およびCH2Cl2を添加し、層を分離し、水層をCH2Cl2(2×40mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、そして99:1の割合のCH2Cl2およびCH3OH(NH3で飽和)で溶出するカラムクロマトグラフィーを用いてこの混合物を精製して、6.9gの所望の生成物を得る。
工程2:工程1の生成物を酢酸(HOAc)(10mL)に溶解し、粉末亜鉛(1.28g、20mmol)を添加し、還流のために120℃で12時間加熱する。この混合物を冷却した後、NaHCO3(飽和)溶液をpH=10までゆっくり添加し、層を分離し、水層をCH2Cl2(2×40mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、この混合物を濃縮し、そして2%のトリエチルアミン(TEA)を含むEtOAc:ヘキサン(1:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.50gの生成物を得る。
【0055】
【化19】

ジクロロエタン(10mL)中の4−アミノ−N−ベンジルピペリジン(1.0g、5.26mmol)および2−アセチル安息香酸(1.0g、6.10mmol)の溶液を、NaBH3CN(0.37g、6.0mmol)で処理し、そして23℃で24時間攪拌する。この混合物を、80℃まで、さらに24時間加熱する。水(30mL)およびEtOAc(30mL)を添加し、セライトを通して濾過し、濾液の層を分離し、そして有機層を濃縮する。2%のTEAを含むEtOAc:ヘキサン(1:2)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.86gの生成物を得る。
【0056】
【化20】

調製4、工程1の生成物(0.76g、2.38mmol)を無水THF(6mL)に溶解し、そしてCH3MgBr(3M、2mL、6mmol)を0℃で添加する。この混合物を加温し、23℃で3時間攪拌する。0℃で、水およびCH2Cl2でクエンチし、層を分離し、そして水層をCH2Cl2(2×40mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮して0.68gの生成物を得る。
【0057】
【化21】

当該分野で公知の手順を使用して、3,4−ジクロロ−フェニル酢酸の溶液をN−t−BOC−サルコシンメチルエステルで処理し、2−ブロモ−エタノールを、t−ブチルジメチルシリルクロリドで別々に処理する。第1工程の生成物をNaHと反応させ、そして第2工程の生成物およびNaIを添加する。得られた生成物をO−メトキシアミン HClで処理し、続いて、CH2Cl2中でHClを使用して脱保護する。HPLCを用いるキラル分離によって、キラルな物質が得られる。
【0058】
【化22】

工程1:CH2Cl2(300mL)中のt−ブチル−n−(2−アミノエチル)カルバメート(18.6g、116mmol)および1−ベンジル−4−ピペリドン(20g、106mmol)の溶液を、HOAc(4.1g、68mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(25g、118mmol)で、0℃で処理し、さらに15時間、23℃で攪拌する。NaHCO3(飽和)(150mL)を添加し、そしてCH2Cl2(150mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮して35.5gの生成物を得る。
工程2:工程1の生成物(7g、21mmol)およびEt3N(6.37g、63mmol)をCH2Cl2(200mL)に溶解し、クロロアセチルクロリド(2.85g、25mmol)を添加し、そして23℃で2時間攪拌する。NaHCO3溶液(150mL)を添加し、CH2Cl2(150mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮する。97:3の割合のCH2Cl2およびCH3OH(NH3で飽和)で溶出するカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、5.3gの生成物を得る。
工程3:トリフルオロ酢酸(15mL)を含むCH2Cl2に、工程2の生成物(5.3g、12.0mmol)を溶解し、そして23℃で1時間攪拌する。減圧下で溶媒を除去し、そしてpH=10までCH2Cl2およびNaOH(1M)で希釈する。CH2Cl2(150mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮して3.3gの表題化合物を得る。
【0059】
【化23】

工程1:調製8の工程1と同様の手順を用いて、t−ブチル−n−(2−アミノエチル)カルバメートおよびHOAcの代わりにグリシンメチルエステル塩酸塩を使用する。
工程2:実施例7Aの工程1と同様のアミド化手順を用いて、工程1の生成物を、Boc−グリシンで処理する。
工程3:調製8の工程3と同様の手順を用いて、工程2の生成物を、トリフルオロ酢酸で処理し、表題化合物を得る。
【0060】
【化24】

工程1:4−ベンジル−ピペリドン(11.48g、50.7mmol)をEtOH(60mL)に溶解し、3−アミノプロパノール(8.29g、110.4mmol)で処理し、90分間攪拌する。0℃まで冷却し、ジオキサン中のHCl(14mL、56mmol)、続いてNaBH3CN(7.8g、124nmol)を添加する。この混合物を23℃まで加温し、そしてさらに20時間攪拌する。水でクエンチし、EtOAcで希釈し、有機層を分離し、そしてこの水層をpH>10まで塩基性化する。有機層をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄して濃縮する。94:6の割合のCH2Cl2およびCH3OH(NH3で飽和)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、7.5gの生成物を得る。
工程2:調製3、工程3と同様の手順を用いて、工程1の生成物を処理し、6.6gの表題化合物を得る。
【0061】
【化25】

メカニカルスターラー装置を備え、1,2ジクロロエタン(400mL)を充填した5Lの三口フラスコに、N−Boc−ピペリドン(20g、100mmol、1当量)、続いて3−アミノ−1−プロパノール(9.21mL、120mmol、1.2当量)を添加し、そして30分間攪拌する。Na(OAc)3BH(25.4g、120mmol、1.2当量)を添加し、そして4時間攪拌する。反応物を0℃まで冷却し、そして300mLの飽和NaHCO3水溶液を添加する。p−ニトロフェニルクロロホルメート(30.25g、150mmol、1.5当量)を添加し、90分間攪拌し、そして−20℃で14時間で保管する。0℃まで加温し、反応の完了をTLCで確認する。NaBr(300mLの飽和NaHCO3水溶液中に、11.3g、110mmol、1.1当量(5分間超音波処理する))の溶液を調製し、そして反応容器に添加する。TEMPO(156mg、1mmol)を添加する。激しく攪拌しながら、500mLの添加漏斗を用いて、300mLの市販用漂白剤(約0.7M、220mmol、2.2当量)を添加する。TLCが示すように反応が完了していない場合、完了するまで漂白剤を一部づつ(25mL)添加する。TLCが反応の完了を示す場合、飽和Na223水溶液(300mL)を添加し、分液漏斗に移す。有機層を単離し、そして水層をCH2Cl2(2×1L)で抽出する。有機層を合わせ、そして飽和NaHCO3水溶液(1L)で洗浄する。最後の水性洗浄液を1LのCH2Cl2で逆抽出し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して65gの粗生成物を得る。800gのシリカを用い、ヘキサン/EtOAcの勾配溶出(2:1−−>1:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、36.5g(87%)の所望のアルデヒドを得る。
【0062】
(調製12A〜12O)
【0063】
【化26】

【0064】
【表3−1】

【表3−2】

(調製12A)
(工程1):4−ニトロフェニルクロロホルメートの代わりにフェニルクロロホルメートを用い、調製11と同様の手順を用いて、対応するフェニルカルバメートアルデヒドを調製する。
【0065】
(工程2):工程1の生成物(5g、13.2mmol)、NH2CH3(THF中7.3mLの2M)の、2,2,2−トリフルオロエタノール(150mL)中の溶液を30分間攪拌し、次いで4.67gのNa(OAc)3BHを加え、そして18時間攪拌する。フリットを通して濾過し、EtOAcでリンスし、濾液を飽和NaHCO3、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮する。粗生成物をDMF(100mL)中に溶解し、そして100℃まで1時間加熱する。減圧下でDMFを除去し、そしてEtOAc/CH3OH(9:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2.46gの所望のboc−ピペリジンを得る。
【0066】
(工程3):工程2の生成物を、30mLのCH2Cl2(30mL)に0℃で溶解し、そして50mLのHCl/ジオキサン(4N)で処理し、そしてTLCにより出発物質が残存しなくなるまで攪拌する。減圧下で濃縮し、そして得られるHCl塩を、CH2Cl2/CH3OH(NH3で飽和)で溶出するシリカゲル充填物を通して濾過し、所望のピペリジン遊離塩基を得る。
【0067】
(調製12B)
NH2CH3をイソプロピルアミンに代えて調製12Aと同様の手順を用いて、工程2において100℃まで1時間加熱する代わりに、125℃まで6〜8時間加熱する。
【0068】
(調製12C〜12H)
(工程1):工程1においてフェニルカルバメートを調製11の生成物に代え、そして適切なアミンを用いて、調製12Aの手順と同様の手順を用い、対応するBoc−ピペリジンを調製した。不溶性アミン(調製12D)については、工程2における共溶媒としての2,2,2トリフルオロエタノールに、1〜20%Et3Nを加えた。工程2において、立体障害のあるアミン(調製12H)は、環化を起こすためにDMF中での持続した加熱(120℃、4〜5日)を必要とし得る。より立体障害の少ないアミンについては、環化は自然に起こり得、そしてDMF中での加熱を必要としなくてもよい。
【0069】
(工程2):調製12A、工程3と同様の手順を用いて脱保護する。
【0070】
(調製12I〜12L)
調製12E〜12H、工程1で得られた所望のBoc保護ピペリジンのCH2Cl2中の溶液(0.05〜0.25mmol)を、1.5〜5当量のmCPBAで処理し、そして2〜18時間攪拌する。減圧下で濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。Boc基を調製12A、工程3の手順と同様の手順を用いて脱保護し、適切なピペリジンを得る。
【0071】
(調製12M)
適切なアミンをグリシンアミドに代えて調製12C〜H、工程1および2と同様の手順を用い、得られるグリシンアミド置換尿素/ピペリジン遊離塩基を調製する。
【0072】
(調製12N)
(工程1):調製12A、工程1(6.2g、16.5mmol)の生成物のピリジン(100mL)中の溶液を、NH2OH(1.72g,24.7mmol)で処理し、そして60℃まで2.5時間加熱する。冷却し、そして減圧下で濃縮し、そしてCH2Cl2/CH3OH(NH3)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、5.9g(88%)のオキシムを白色粉末として得る。
【0073】
(工程2):工程1の生成物(5.7g、15mmol)の、170mLのCH3OH中の溶液を、微量のメチルオレンジ指示薬、次いでNaCNBH3(1.03g)で処理する。1M HCl/CH3OHを、混合物がオレンジ色のままになるまで(約23mL)加える。400mLのEtOAcおよび75mLの飽和NaHCO3でクエンチする。得られた乳濁液をセライトを通して濾過し、そしてEtOAcで洗浄する。有機層を75mLの飽和NaHCO3、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下で濃縮して、3.82g(67%)のヒドロキシルアミンを無色ガラス状物として得る。
【0074】
(工程3):工程2の生成物を50mLのDMFに溶解し、そして100℃まで4時間加熱する。減圧下で濃縮し、そしてCH2Cl2/CH3OH(NH3)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3.0g(99%)のヒドロキシル尿素を得る。
【0075】
(工程4):調製12A、工程3と同様の手順でBoc基を脱保護し、所望のピペリジンを得る。
【0076】
(調製12O)
(工程1):調製12A、工程1の生成物(3.0g、7.13mmol)の1,2−ジクロロエタン(20mL)中の溶液を、アミノモルホリン(1.37mL、14.25mmol)およびNa(OAc)3BH(3.0g)で処理する。反応混合物をフリットを通して濾過し、そして減圧下で濃縮することによって、得られるヒドラゾンを単離する。
【0077】
(工程2):工程1の生成物の、50mLのTHF中の溶液を、1当量のトシック酸(tosic acid)、次いでNaCNBH3(2当量)で処理する。飽和NaHCO3でクエンチし、そしてEtOAcで抽出する。有機層を飽和NaHCO3、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして減圧下で濃縮する。2%Et3Nを含む、EtOAc/ヘキサン(2:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1.5gの所望のヒドラゾンを得る。
【0078】
(工程3):工程2の生成物を50mLのDMFに溶解し、そして120℃まで3時間加熱する。減圧下で濃縮し、そしてCH2Cl2/CH3OH(NH3)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、255mg(10%、2工程)のアミノモルホリノ尿素を得る。
【0079】
(工程4):調製12A、工程3と同様の手順でBoc基を脱保護し、所望のピペリジンを得る。
【0080】
(調製12P)
(工程1):メチルアミンをアミノアセトニトリルに代えて、調製12A、工程2と同様の手順を用いる。この生成物を、CH3OHに溶解し、ラネーNiを加え、そして得られる混合物を、50psiのH2圧で3時間、Parrシェーカーで振盪する。この混合物をセライトを通して濾過し、そして濃縮して所望の生成物を得る。
【0081】
(工程2):工程1の生成物(0.17g、0.52mmol)をCH2Cl2中に溶解し、そしてメチルイソシアネート(0.035ml、0.57mmol)で、23℃で3時間処理する。水およびCH2Cl2で希釈し、層を分離し、そして水層をCH2Cl2(2×40ml)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮する。CH2Cl2およびCH3OH(アンモニアで飽和)を98:2の比率で用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.68gの生成物を得る。
【0082】
(工程3):調製12A、工程3と同様の手順を用い、所望の生成物を得る。
【0083】
(調製12Q〜12T)
メチルイソシアネートを適切なイソシアネートまたは塩化物に代えて、調製12Bと同様の手順を用いる。
【0084】
(調製12U)
(工程1):調製12P、工程1の生成物をジオキサンに溶解し、スルファミドで処理し、100℃で8時間還流し、そして濃縮して粗生成物を得る。
【0085】
(工程2):調製12A、工程3と同様の手順を用いて、所望の生成物を得る。
【0086】
(実施例1)
【0087】
【化27】

(工程1:) 調製3の生成物(11.3g、0.042mol)を無水ジメチルホルムアミド(DMF)(30mL)中に溶解し、これをリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1M、50mL、0.050mol)を用いて0℃で処理し、この反応混合物を23℃まで40分間にわたり加温する。t−ブチルブロモアセテート(13.5mL、0.084mol)を添加し、そして18時間攪拌する。水でクエンチし、そして酢酸エチル(EtOAc)で希釈し、有機層を分離し、98:2の割合のCH2Cl2およびCH3OH(NH3で飽和)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーにより、この混合物を濃縮および精製して、12.1gの生成物を得る。
【0088】
(工程2:) CH3OH(200mL)中の工程1の生成物(12.1g、0.032mol)の溶液にHClを0℃で15分間吹きかけ(bubble)、そして得られた溶液を60℃で2時間加熱する。冷却後、反応混合物を10%
NaOH水溶液(100mL)に注ぎ、そしてpH=10になるまでNaHCO3溶液(飽和)を添加する。有機層を分離し、そしてCH2Cl2(2×10mL)で水層をさらに抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮して、12.3gの生成物を得る。
【0089】
(工程3A:) 工程2の生成物(1g、3.0mmol)をCH3OH(10ml)に溶解し、炭素担持Pd(OH)2(150mg)を添加し、そして反応混合物を、50psiのH2圧力で3時間Parr振盪機で振盪する。この混合物をセライトを通して濾過し、そして濃縮して、粗生成物を得る。この生成物および調製1からのアルデヒド(1.5g、3.14mmol)をトリフルオロエタノール(10mL)中に再溶解し、3Åのモレキュラーシーブ(0.3g)およびNaBH3CN(0.37g、6.0mmol)で処理し、そして2時間攪拌する。水(30mL)およびEtOAc(30mL)を添加し、この混合物をセライトを通して濾過し、濾液の層を分離し、水溶液をEtOAc(2×40mL)で抽出し、そして合わせた有機層を濃縮する。98:2の割合のCH2Cl2およびCH3OH(NH3で飽和)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.89gの所望の生成物を得る。HRMS(FAB、M+H+):計算値:714.1784、実測値:714.1791。
【0090】
(工程3B:) あるいは、光学的に活性な材料を調製するために、工程3Aと同様の様式で、調製1からのアルデヒドの代わりに調製2からのアルデヒド、トリフルオロエタノールの代わりにジクロロエタン、およびNaBH3CNの代わりにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて、進行する。HRMS(FAB、M+H+)計算値:714.1784、実測値:714.1779。
【0091】
(実施例2)
【0092】
【化28】

(工程1:) 調製12C−H(工程1および2)と同様の手順を用い、そして適切なアミンの代わりにセリンメチルエステル・HClを用いて、得られるセリンメチルエステル置換された、尿素/ピペリジン遊離塩基を調製する。
【0093】
(工程2:) 1,2ジクロロエタン(20mL)および5mLのCF3CH2OH中の工程1の生成物(3.68mmol)を、調製2(1.23g、2.45mmol)および3Å MS(1.5g)で処理する。30分間撹拌し、次いでNa(OAc)3BH(943mg、4.5mmol)を添加し、そして1〜5時間攪拌する。セライトを通して濾過し、そしてEtOAcを用いてセライトパッドを洗浄する。分液漏斗に移し、そして飽和NaHCO3(2×50mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、Na2SO4を用いて有機層を乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。クロマトグラフィー(EtOAc/NEt3)により精製して、1.3gの所望の生成物を得る。
【0094】
(実施例3)
【0095】
【化29】

セリンメチルエステル・HClの代わりにチロシンエチルエステル・HClを用いて、実施例2と同様の手順を用い、生成物を得る。
【0096】
(実施例4)
【0097】
【化30−1】

【化30−2】

【化30−3】

(実施例4A:)
実施例1の工程3Aの生成物(0.50g、0.69mmol)をCH3OH(6mL)に溶解し、NaOH(60mg、1.5mmol)の水溶液(0.25mL)を添加し、そして4時間攪拌する。当量のHCl(水中10%)を添加し、混合物をCH2Cl2中の15%CH3OHで抽出する(5×30mL)。合わせた有機層を濃縮し、そしてCH2Cl2中の15%CH3OHを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物0.36gを得る。
【0098】
(実施例4B:)
実施例4Aの生成物(60mg、0.086mmol)およびカルボニルジイミダゾール(28mg、0.17mmol)をCH2Cl2(1mL)に溶解し、そしてピロリジン(22mL、0.26mmol)を0℃で添加する。23℃で12時間攪拌した後、水(20mL)およびCH2Cl2(20mL)を添加し、層を分離し、CH2Cl2(2×20mL)で水層を抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、そしてCH2Cl2およびCH3OH(98:2)(NH3含有)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーによりこの混合物を精製し、47mgの生成物を得る。
【0099】
(実施例4C〜4J:)
実施例4Aの生成物と適切なアミンとを反応させることによって、実施例4Bと類似の手順に従って化合物を調製する。
【0100】
(実施例4K:)
実施例4Aの生成物(200mg、0.29mmol)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(87mg、0.43mmol)および4−ジメチル−アミノピリジン(DMAP)(53mg、0.43mmol)をCH2Cl2(2mL)に溶解し、EtOH(25mL、0.43mmol)を0℃で添加する。23℃で12時間攪拌した後、水(20mL)およびCH2Cl2(20mL)を添加し、層を分離し、水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、CH2Cl2およびCH3OH(97:3)(NH3含有)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーにより、この混合物を濃縮および精製して、165mgの生成物を得る。
【0101】
(実施例4L〜4R:)
実施例4Aの生成物と適切なアルコールとを反応させることによって、目的化合物を、実施例4Kと類似の手順に従って調製する。
【0102】
(実施例4S〜4T)
実施例4Kと類似の手順を用い、DCC、DMAPおよびEtOHの代わりにビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィンクロリド(BOP−Cl)、Et3Nおよび適切なチオールを用いて、化合物を調製する。
【0103】
(実施例4V:)
t−ブチルブロモアセテートの代わりにメチル3−ブロモプロピオネートを用いて、実施例1、工程1と類似の手順を使用し、次いで、実施例1、工程3と類似の手順を用いて脱ベンジル化および還元的アミノ化を行う。
【0104】
(実施例4W:)
実施例4Yの生成物を、実施例4Aの手順と同様の加水分解手順を用いて処理する。
【0105】
(実施例4X:)
実施例4Wの生成物を、ピロリジンの代わりに(CH32NHを用いて、実施例4Bと同様のアミド化手順を用いて処理する。
【0106】
(実施例4Y:)
1)調製11の生成物(19g、44mmol)およびエタノールアミン(4mL、66mmol)をジクロロエタン(120mL)中に溶解し、そして30分間攪拌する。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(14g、66mmol)で処理し、そして14時間攪拌する。NaHCO3(飽和)(150mL)を添加し、CH2Cl2(150mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、そして濃縮して、8.75gの生成物を得る。
【0107】
2)工程1の生成物を実施例1、工程3Aと類似の手順により処理して、生成物を得る。
【0108】
(実施例4Z:)
実施例4Yの生成物(138mg、0.2mmol)を乾燥THF(1mL)中に溶解し、NaH(16mg、0.4mmol)を0℃で添加し、そして15分間攪拌する。CH3I(19mL、0.3mmol)を0℃で添加し、この混合物を23℃まで加温し、そして2時間攪拌する。反応を0℃で水(10mL)を用いてクエンチし、そしてEtOAc(10mL)で希釈する。層を分離し、EtOAc(2×40mL)を用いて水溶液を抽出し、そして合わせた有機層を濃縮する。5% Et3Nを含有するEtOAcおよびCH3OH(99:1)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、103mgの生成物を得る。
【0109】
(実施例4ZZ:)
実施例4Yの生成物を、CH3Iの代わりにベンジルブロミドを用いて、実施例4Zと類似の手順を用いて処理する。
【0110】
(実施例5)
【0111】
【化31】

(実施例5A〜5C)
実施例1、工程3と類似の手順により、調製4、5および6の生成物をそれぞれ用いて、化合物を調製する。
【0112】
(実施例6)
【0113】
【化32−1】

【化32−2】

【化32−3】

【化32−4】

(実施例6A)
実施例4Aと同様の手順により、実施例1、工程3Aの生成物の代りに実施例1、工程3Bの生成物を使用して、この化合物を合成した。
【0114】
(実施例6B〜6G)
実施例6Aの生成物を、カルボニルジイミダゾールの代りに1−(3−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド(EDC)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を使用する、実施例4Bと同様のアミド化手順を使用して、適切なアミンで処理した。
【0115】
(実施例6H〜6J)
調製1の生成物の代りに調製2からの光学的に純粋な生成物を使用することを除いて、実施例4K、4Yおよび4Wと同様の手順により、これらの化合物を調製した。
【0116】
(実施例6K)
実施例6Hの生成物(0.12g、0.16mmol)を、無水THF(2mL)に溶解して、そしてCH3MgBr(3M、0.2mL、0.6mmol)を0℃で添加した。この混合物を昇温して、そして23℃で3時間攪拌した。0℃で水およびCH2Cl2を添加し、二層を分離し、水層をCH2Cl2(2×40mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄して、そして濃縮した。CH2Cl2およびCH3OH(99:1〜95:5)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.05gの生成物を得た。
【0117】
(実施例6L)
(工程1):N−Boc−ピペリドンの代りにN−ベンジルピペリドンを用いて、そしてTEMPO酸化の代りに標準Swern酸化を用いて、調製11における手順を使用した。
【0118】
(工程2):工程1の生成物(6.83g、16.6mmol)およびα,α−ジメチルグリシンメチルエステル塩酸塩(2.86g、18.6mmol)をトリフルオロエタノール(32mL)およびCH2Cl2(63mL)中に溶解し、NaSO4(2.8g)を添加して、そして30分間攪拌した。この混合物をトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムで処理して、そしてさらに4時間攪拌した。固体を濾別し、濃縮して粗生成物を得た。EtOAcおよびCH3OH(99:1〜95:5)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、7.65gの生成物を得た。
【0119】
(工程3):工程2の生成物(1.54g、3mmol)をトルエン(140mL)中に溶解し、そして封管中120℃で40時間加熱した。冷却して溶媒を除去し、EtOAcおよびCH2Cl2に再溶解し、1N NaOH、ブラインで洗浄して、そして濃縮して0.97gの生成物を得た。
【0120】
(工程4):工程3の生成物を、調製3、工程3と同様の手順を使用して処理し、生成物を得た。
【0121】
(実施例6M)
(工程1):実施例6Lの工程3の生成物を、実施例6Aと同様であるが、70℃で24時間還流する加水分解手順を用いて処理した。
【0122】
(工程2):工程1の生成物を、実施例1、工程3と同様の手順を使用して処理し、生成物を得た。
【0123】
(実施例6N)
実施例6Mの生成物を、実施例4Eと同様のアミド化手順で処理し、生成物を得た。
【0124】
(実施例6O)
(工程1):調製3、工程3の生成物(2.0g、7.5mmol)をCH3OH(50mL)に溶解し、そしてPd(OH)2(Cに基づいて20%、50%H2O)で処理し、続いてH2(40psi)で処理した。Parr振盪器で17時間振盪した後、セライトを通して濾過し、そして濃縮して所望のピペリジン(1.33g、7.33mmol、98%)を得た。
【0125】
(工程2):1,2−ジクロロエタン(15mL)中の工程1の生成物(2.13g、4.5mmol)を、調製2(1.42g、3.0mmol)および3ÅMS(2g)で処理した。30分間攪拌し、次いでNa(OAc)3BH(943mg、4.5mmol)を添加し、そして1〜5時間攪拌した。セライトを通して濾過し、そしてセライトパッドをEtOAcで洗浄した。分液漏斗に移し、飽和NaHCO3(2×50mL)、ブラインで洗浄し、そして有機層をNa2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(EtOAc/NEt3からEtOAc/NEt3/CH3OHの勾配)により精製し、810mgの所望の生成物を得た。
【0126】
(実施例6P〜6AA、6FF、6II、および6LL〜6RR)
調製12A〜12L、12M、12N、および12O〜12Uからの適切なピペリジンならびに調製2からのアルデヒドを、実施例6O、工程2と同様の手順で使用し、表題化合物を得た。
【0127】
(実施例6BB)
実施例2の生成物を、実施例4Aと同様の手順で使用して、対応するカルボン酸化合物を得た。
【0128】
(実施例6CC)
実施例4Aと同様の手順で、NaOHの代りにLiOHを用い、そしてCH3OHの代りに水性DMEを用いて、実施例3の生成物を使用して、対応するカルボン酸表題化合物を得た。
【0129】
(実施例6DDおよび6EE)
出発カルボン酸として実施例6BBおよび実施例6CCを用いて、DMAPのかわりにHOBTを使用して、そしてアミンとしてTHF中のNH3を使用して、実施例4Kと同様の手順を使用し、実施例6DDおよび6EEをそれぞれ得た。
【0130】
(実施例6GG)
(工程1):ベンゼン(5mL)中の乾燥NH4Cl(58mg)の懸濁液を0℃に冷却し、そしてトルエン中の2Mトリメチルアルミニウム525μLで処理した。23℃に昇温し、そして1時間攪拌した。250mgの実施例6FFを添加して、そしてこの混合物を2.5時間加熱還流した。冷却し、そして減圧下で溶媒を除去し、そして生じたニトリルを、溶離液としてCH2Cl2/CH3OH(NH3)(95:5)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、140mg(57%)のニトリルを得た。
【0131】
(工程2):乾燥EtOH(5mL)中のNH2OH(152mg、2.21mmol)および1N KOH/CH3OH(1.76mL)の混合物を、15分間超音波処理した。3ÅMSを含む乾燥EtOH(7mL)中の工程1の生成物(300mg)の溶液に、この懸濁液を添加し、そして2時間加熱還流した。飽和NaHCO3でクエンチし、EtOAc(150mL)で希釈し、フリットを通して濾過し、そして減圧下で濃縮した。CH2Cl2/CH3OH(NH3)(97:3→95:5)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得た。
【0132】
(実施例6HH)
CH3OH(5mL)中の実施例6GG、工程1の生成物(300mg)の溶液を、47mgのNaOCH3で処理し、そして23℃で18時間攪拌した。乾燥NH4Clを添加し、そして4時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、そしてCH2Cl2/CH3OH(NH3)(95:5→80:10)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、262mg(86%)の表題化合物を得た。
【0133】
(実施例6JJ)
3mLのCH2Cl2中の実施例6II(250mg、0.38mol)および46μL(0.57mmol)のピリジンの溶液を、メチルイソシアネート(33.5μL、0.57mmol)で処理し、そして3時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、そしてCH2Cl2/CH3OH(NH3)(95:5)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、226mg(83%)の表題化合物を得た。
【0134】
(実施例6KK)
(工程1):乾燥DMF(10mL)中の実施例6II(500mg、0.76mol)の溶液を、0℃でNaH(46mg、60%)で処理し、そして30分間攪拌した。メチルブロモアセテート(86μL、0.914mmol)を添加し、30分間攪拌し、そして3mLの飽和NaHCO3でクエンチした。EtOACで抽出し、フリットを通して濾過し、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。CH2Cl2/CH3OH(NH3)(97:3)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、440mg(79%)のメチルエステルを得た。
【0135】
(工程2):工程1の生成物(389mg)の溶液を、NH3で飽和されたCH3OH(20mL)で処理し、そして2時間超音波処理した。減圧下で濃縮した。CH2Cl2/CH3OH(NH3)(95:5)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、300mg(79%)の表題化合物を得た。
【0136】
(実施例7)
【0137】
【化33】

(実施例7A)
(工程1):調製7の生成物(1.0g、1.36mmol)、EDC(.38g、2.00mmol)およびHOBt(0.24g、1.8mmol)をCH2Cl2(5mL)中に溶解し、0℃で3,5−ジメチル安息香酸(0.3g、2.00mmol)およびEt3N(.7mL、4.00mmol)を添加した。23℃で12時間攪拌した後、水(20mL)およびCH2Cl2(20mL)を添加し、二層を分離し、水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、濃縮し、そして混合物を、NH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(98:2)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製し、0.22gの生成物を得た。
【0138】
(工程2):工程1の生成物(0.22g、0.25mmol)を乾燥THF(2mL)中に溶解し、この溶液をテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M、0.3mL、0.30mmol)で0℃で処理した。この混合物を30分かけて23℃まで昇温させ、そしてさらに1時間攪拌した。EtOAc(50mL)および水(50mL)で希釈し、水相をEtOAc(2×40mL)で抽出し、そして合わせた有機層を濃縮した。EtOAcおよびヘキサン(1:1)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.15gの生成物を得た。
【0139】
(工程3):工程2の生成物(140mg、0.32mmol)をEtOAc(3mL)に溶解し、3mLの飽和NaHCO3水溶液中のNaBr(33mg、0.32mmol)の溶液を調製して、そして反応容器に添加した。TEMPO(1mg)を添加した。激しく攪拌しながら、1mLの市販の漂白剤(約0.7M、0.7mmol)を添加した。飽和Na223水溶液(3mL)を添加し、有機層を単離し、そして水層をCH2Cl2で抽出した。有機層を合わせて、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、そして濃縮して140mgのアルデヒドを生成物として得た。
【0140】
(工程4):実施例1、工程3に記載される手順と同様の手順を使用して調製3の生成物を水素化した。生じた脱保護生成物を、実施例1、工程3に記載される手順と同様の手順で、工程3からのアルデヒドと反応させ、表題化合物を得た。
【0141】
(実施例7B〜7F)
実施例7Aと同様の手順により、適切なアリール酸を使用して、化合物を調製した。
【0142】
(実施例8)
【0143】
【化34】

(実施例8A)
(工程1):CH2Cl2(3mL)中の調製8の生成物(240mg、0.88mmol)を、2−(トリメチルシリル)エチル4−ニトロフェニルカーボネート(350mg、1.24mmol)で処理し、そして14時間攪拌した。水およびCH2Cl2を添加し、そして水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮して、そしてこの混合物を、NH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(98:2)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製し、149mgの生成物を得た。
【0144】
(工程2):工程1の生成物を、実施例1の工程3Aと同様の手順を使用して処理した。あるいは、光学的に純粋な生成物のために、実施例1の工程3Bと同様の手順を使用した。
【0145】
(工程3):THF(2mL)中の工程2の生成物(190mg、0.24mmol)を、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M、0.5mL、0.50mmol)で処理し、そして3時間攪拌した。水およびCH2Cl2を添加し、そして水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、そしてこの混合物を、NH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(95:5)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製し、119mgの表題生成物を得た。
【0146】
(実施例8B)
(工程1):THF(3mL)中の調製8の生成物(320mg、1.17mmol)を、0℃で15分間NaH(鉱油中60%、56mg、1.41mmol)で処理し、そしてCH3I(88mL、1.41mmol)を添加した。2時間攪拌した後、水およびCH2Cl2でクエンチし、水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮してそしてこの混合物をNH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(95:5)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製し、180mgの生成物を得た。
【0147】
(工程2):工程1の生成物を、実施例1の工程3Bと同様の手順を使用して処理して、表題化合物を得た。
【0148】
(実施例8C)
(工程1):CH2Cl2(3mL)中の調製8の生成物(250mg、0.92mmol)を、Et3Nおよび塩化アセチル(90mg、1.19mmol)で処理して、そして2時間攪拌した。水およびCH2Cl2を添加し、水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出して、合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮して、そしてこの混合物をNH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(95:5)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製し、230mgの生成物を得た。
【0149】
(工程2):工程1の生成物を、実施例1の工程3と同様の手順を使用して処理し、表題化合物を得た。
【0150】
(実施例8D〜Fおよび8K)
実施例8Cに記載される手順と同様の手順により、適切なハロゲン化アシル、イソシアネートまたは塩化スルホニルを使用して、所望の化合物を調製した。
【0151】
(実施例8Gおよび8H)
実施例8Bに記載される手順と同様の手順により、適切なハロゲン化アルキルを使用して所望の化合物を調製した。
【0152】
(実施例8Iおよび8J)
NH4OHおよびNH4Clの混合物を、実施例8Gおよび8Hの生成物と共にCH3OH中で48時間攪拌することにより、標的化合物を調製した。
【0153】
(実施例8L)
1,4−ジオキサン(39mL)中の調製8の生成物(250mg、0.92mmol)を、スルファミド(0.6g、6.3mmol)で処理して、そして80℃で24時間還流した。濃縮してそしてこの混合物を、NH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(95:5)を使用するカラムクロマトグラフィーで精製し、150mgの表題生成物を得た。
【0154】
(実施例9)
【0155】
【化35】

(実施例9A)
調製9の生成物を、実施例1の工程3Aと同様の手順を用いて処理する。あるいは、実施例1、工程3Bと同様の手順を用いて、光学的に純粋な化合物を調製する。
【0156】
(実施例9B)
調製9の生成物を、実施例8Bと同様の手順を用いて処理し、目的の化合物を得る。
【0157】
(実施例9C)
調製9の生成物を、実施例8Hと同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0158】
(実施例9D)
実施例9Cの生成物を、実施例4Aに記載される手順と同様の手順を用いて加水分解する。
【0159】
(実施例9E〜9G)
実施例9Dの生成物を、適切なアミンを用い、実施例6Gに記載される手順と同様の手順を用いてアシル化する。
【0160】
(実施例10)
【0161】
【化36】

(実施例10A)
グリシンメチルエステルの代わりにL−N−Boc−アスパラギン酸メチルエステルを用い、調製9と同様の手順により表題化合物を調製する。
【0162】
(実施例10B〜10I)
実施例9D〜9Gに記載された手順と同様の標準的な加水分解手順およびアシル化手順により、所望の化合物を調製する。
【0163】
(実施例11)
【0164】
【化37】

(実施例11A〜11D)
L−N−Boc−アスパラギン酸メチルエステルの代わりにD−N−Boc−アスパラギン酸ベンジルエステルを用い、実施例10と同様の手順により所望の化合物を調製する。
【0165】
(実施例12)
【0166】
【化38】

(実施例12A)
(工程1):調製8、工程1の生成物(2.7g、8.1mmol)をCH2Cl2(40mL)に溶解し、ジオキサン中の4M HCl(40mL、160mmol)で処理し、そして2時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を得る。この生成物をTHF(45mL)に再溶解し、カルボニルジイミダゾール(2.26g、13.9mmol)で処理し、そして24時間還流する。溶媒を減圧下で除去し、そしてCH2Cl2およびNaHCO3で希釈する。有機層を分離し、濃縮し、そしてこの混合物を、NH3を含むCH2Cl2およびCH3OH(96:4)を用いるカラムクロマトグラフィーで精製し、1.8gの生成物を得る。
【0167】
(工程2):工程1の生成物を、実施例1、工程3と同様の手順により処理し、生成物を得る。
【0168】
(実施例12B)
(工程1):3−アミノ−1−プロパノールの代わりに2−アミノ−エタノールを用い、調製11に記載される手順を用いて生成物を得る。
【0169】
(工程2):工程1の生成物を、メチルアミンの代わりにグリシンエチルエステルを用い、調製12Aと同様の手順により処理する。
【0170】
(工程3):工程2の生成物を、実施例1、工程3と同様の手順により、水素添加の代わりに酸による脱保護(CH2Cl2中のHCl)を用いて処理する。
【0171】
(実施例12C)
実施例12Bの生成物を、実施例4Aと同様の様式で加水分解し、所望の生成物を得る。
【0172】
(実施例12Dおよび9E)
実施例12Cの生成物を、実施例4Eに記載される手順と同様のアミド化手順により処理し、表題化合物を得る。
【0173】
(実施例12F)
(工程1):3−アミノ−1−プロパノールの代わりに2−アミノエタノールを用い、調製11の手順を用いる。
【0174】
(工程2):工程1の生成物を、実施例6L、工程2〜4と同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0175】
(実施例12G〜12H)
実施例12Fの生成物を、実施例6Mおよび6Nと同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0176】
(実施例12I)
実施例12F、工程1の生成物を、実施例6Pと同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0177】
(実施例13)
【0178】
【化39】

(実施例13A)
調製10の生成物を、実施例1、工程3と同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0179】
(実施例13B)
実施例13Aの生成物を、調製12I〜12Lに記載される手順と同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0180】
(実施例14)
【0181】
【化40】

(実施例14A)
(工程1):0℃の乾燥DMF(40mL)中の3,5−ジクロロ−N−[3−(3,4−ジクロロフェニル)−2−[ヒドロキシイミノ]−6−メチル−5−ヘプテニル]−N−メチルベンズアミド(4.2g、8.6mmol)を、KHMDS(0.5M、トルエン、19mL)を用いて内温を<5℃までに保ちながら処理する。30分間の攪拌後、ブロモアセトニトリル(655μL、9.4mmol)を加え、そして10分間攪拌する。この混合物を、EtOAc(150mL)/飽和NaHCO3(75mL)に注ぐ。水層を抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮する。ヘキサン/EtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、3.83g(85%)のニトリルを無色の泡状物として得る。
【0182】
(工程2):工程1からのオレフィン(3.83g)の溶液(乾燥CH2Cl2(50mL)中)を−78℃まで冷却し、そしてオゾンで7分間処理する。この溶液を、ジメチルスルフィド(5.3mL、72.6mmol、10当量)で処理する。この溶液を23℃まで昇温させ、そして2.5時間攪拌する。この溶液をCH2Cl2(50mL)で希釈し、そして10%Na224で洗浄する。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮してアルデヒドを得る。
【0183】
(工程3):工程2の生成物を、実施例6FFと同様の手順を用いて処理する。
【0184】
(工程4):工程3の生成物を、実施例6GGの手順と同様の手順を用いて処理し、対応するヒドロキシアミジンを得る。
【0185】
(実施例14B)
実施例14Aを、実施例14A、工程1の手順と同様の手順を用い、KHMDSの代わりにLHMDSを用い、かつCH3Iをアルキル化剤として用いて処理し、表題化合物を得る。
【0186】
(実施例14C)
実施例14Aの生成物を、実施例14Aの工程1、次いで工程4の手順と同様の手順を用いて処理し、所望の化合物を得る。
【0187】
(実施例15)
【0188】
【化41】

(実施例15A)
実施例6O、工程1の生成物を、工程3の還元的アミノ化におけるピペリジンとして用いて、実施例14Aの手順と同様の手順を用いる。工程4まで進めて、表題化合物を得る。
【0189】
(実施例15B)
ブロモアセトニトリルの代わりにブロモ酢酸メチルを用いて、実施例6Aのための手順と同様の手順を用いる。実施例6O、工程1の生成物を用いる還元的アミノ化まで進めて、メチルエステルを得る。得られたメチルエステルを、NH3を飽和させたCH3OHとともに18時間攪拌する。減圧下で濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得る。
【0190】
(実施例16)
【0191】
【化42】

実施例14A、工程3の生成物を、実施例6GGの手順と同様の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。HRMS(FAB、m/e):計算値:772.2063;実測値:772.2059。
【0192】
(実施例17)
【0193】
【化43】

(工程1):調製12C〜12Hと同様の手順および適切なアミンの代わりにグリシンメチルエステルを用いて、対応する環状尿素/Bocピペリジンを調製する。
【0194】
(工程2):実施例4Aと同様の手順を用いて、メチルエステルをカルボン酸に加水分解する。
【0195】
(工程3):実施例4Bと同様の手順を用いて対応するピロリジンアミドを調製する。
【0196】
(工程4):調製12A、工程3と同様の手順を用いてBoc基を脱保護し、そして得られたピペリジンの遊離塩基を単離する。
【0197】
(工程5):実施例14A、工程3および工程4と同様の手順で工程4の生成物を用い、表題化合物を調製する。HRMS(FAB、M+H+):計算値:811.2424;実測値:811.2441。
【0198】
(実施例18)
【0199】
【化44】

(実施例18A)
4−(2−ケト−1−ベンズイミダゾリニル)−ピペリジンおよび調製2の生成物を、実施例2、工程2の手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0200】
(実施例18B〜18D)
実施例18Aの生成物を、実施例9B、9Cおよび9Dにおける手順を用いて処理し、表題化合物を得る。
【0201】
(実施例19)
【0202】
【化45】

(実施例19A)
(工程1):Boc−4−(2−ケト−1−ベンズイミダゾリニル)−ピペリジン(3.0g、9.46mmol)を、トルエン(75ml)中のNaOH(1.14g、28.2mmol)、K2CO3(2.61g、18.9mmol)およびnBuNHSO4(0.305g、0.9mmol)の予熱した混合物で30分間処理し、2−ブロモメトキシエタン(1.33ml、14.2mmol)を加え、そして80℃でさらに1時間加熱した。冷却しながら、この混合物を水およびEtOAcで処理し、10%クエン酸を用いてpHを7に調整する。EtOAcで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。
【0203】
(工程2):工程1の生成物のBoc基を、調製12A、工程3と同様の手順を用いて脱保護する。この生成物を、対応する光学的に純粋なアルデヒド(調製1のように調製する)を用い、実施例1、工程3Bと同様の手順を用いて処理し、所望の生成物を得る。
【0204】
(実施例19B)
対応するアルデヒド(調製1のように調製する)を用い、実施例18Cの手順と同様の手順を用いて生成物を得る。この生成物(0.5g、0.655mmol)を、2−メトキシエチルアミン(10ml)に溶解し、そして60℃で24時間加熱する。冷却しながら、この混合物を水およびEtOAcで処理する。EtOAcで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。CH2Cl2/CH3OH勾配溶出(99:1〜97:3)を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、0.277gの所望の生成物を得る。
【0205】
式Iの化合物は、NK1および/またはNK2および/またはNK3レセプターのアンタゴニストであることが見出されており、従ってこのレセプターの活性に起因するかまたはこのレセプターの活性により悪化する状態の処置において有用である。
【0206】
式Iの化合物の、インビトロおよびインビボでの活性は、当該分野において公知の種々の手順(例えば、NK1アゴニストであるサブスタンスPの活性を阻害するそれらの能力についての試験、単離されたハムスター気管NK2のアッセイ、サブスタンスP誘導性の気道微小血管漏出に対するNK1アンタゴニストの効果の試験、モルモットにおけるインビボでのNK2活性の測定、NKAに起因する気管支収縮の測定、およびニューロキニンレセプター結合アッセイ)により決定され得る。NK3活性は、文献(例えば、Molecular Pharmacol.,48(1995)、711〜716頁)に記載される手順と同様の手順に従って決定される。NK1活性およびNK2活性を決定するための代表的な手順は、本明細書中に参考として援用される、米国特許第5,696,267号に記載される。
【0207】
ニューロキニンアゴニスト活性の%阻害は、最大特異的結合(MSB)のパーセンテージと100%との間の差である。MSBのパーセントは、以下の等式:
【0208】
【数1】

により定義され、ここで「dpm」は1分間当たりの崩壊である。
【0209】
式Iの化合物は、様々な程度でNK1、NK2および/またはNK3アンタゴニスト活性を提示する(例えば、ある化合物は、強力なNK1アンタゴニスト活性を有するが、より弱いNK2およびNK3アンタゴニスト活性を有し、一方、他の化合物は強力なNK2アンタゴニストであるが、より弱いNK1およびNK3アンタゴニストである)ことが認識される。ほぼ等しい効力を有する化合物が好ましいが、臨床的に適切である場合、等しくないNK1/NK2/NK3アンタゴニスト活性を有する化合物を使用することもまた、本発明の範囲内である。
【0210】
当該分野において公知の試験手順を用い、好ましい式Iの化合物および/または代表的な式Iの化合物について、以下のデータ(%阻害またはKi)が得られた:
【0211】
【表4】

本発明の化合物は、一定の範囲の活性を示す:1μMの投薬量での%阻害は、約0%〜約100%のNK1阻害および/または約0%〜約100%のNK2阻害の範囲である。NK1レセプターに対してKi≦20nMを有する化合物が好ましい。NK2レセプターに対してKi≦20nMを有する化合物もまた好ましい。好ましい化合物の別の群は、NK1レセプターおよびNK2レセプターの各々に対してKi≦20nMを有する化合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式:
【化1−1】

に表される化合物であるかまたはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで;
aは0、1、2または3であり;
bおよびdは独立して0、1または2であり;
RはH、C1-6アルキル、−OR6または−Fであり;
Aは=N−OR1または=N−N(R2)(R3)であり;
dが0でない場合、Xは結合、−C(O)−、−O−、−NR9−、−S(O)e−、−N(R6)C(O)−、−C(O)N(R6)−、−OC(O)NR6−、−OC(=S)NR6−、−N(R6)C(=S)O−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)−または−N(R6)C(O)NR7−であり;
そして
dが0の場合、Xは結合または−NR6−であり;
TはH、R4−アリール、R4−ヘテロシクロアルキルまたはR4−ヘテロアリールであり;
QはR5−フェニル、R5−ナフチルまたはR5−ヘテロアリールであり;
1はH、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2、−(C(R6)(R7))p−M−(C(R13)(R14))n−Gまたは−(C(R6)(R7))p−M−(R4−ヘテロアリール)であり;
2およびR3は、H、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2および−S(O)e13からなる群から独立して選択されるか;または、R2およびR3は、これらが結合している窒素と共に5〜6員環を形成し、ここで0、1または2の環員は−O−、−S−および−N(R19)−からなる群から選択され;
4およびR5は、H、ハロゲノ、−OR6、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−N(R6)(R7)、C1-6アルキル、−CF3、−C25、−COR6、−CO26、−CON(R6)(R7)、−S(O)e13、−CN、−OCF3、−OCHF2、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、NO2、−N(R6)S(O)213または−S(O)2N(R6)(R7)からなる群から独立して選択される独立した1〜3の置換基であるか;または、隣接したR4置換基もしくは隣接したR5置換基は−O−CH2−O−基を形成し得;
6、R7、R8、R13およびR14はH、C1-6アルキル、C2−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシ−C1−C6アルキル、R15−フェニルおよびR15−ベンジルからなる群から独立して選択され;
9はR6および−OR6からなる群から独立して選択され、
あるいはR6およびR7、またはR7およびR9はこれらが結合している窒素と共に5〜6員環を形成し、ここで0、1または2の環員は−O−、−S−および−N(R19)−からなる群から選択され;
6a、R7a、R8a、R9a、R10およびR10aはHおよびC1-6アルキルからなる群から独立して選択され;
15は、H、−OH、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、ハロゲノ、−CF3、−C25、−COR10、−CO210、−C(O)N(R102、−S(O)e10a、−CN、−N(R10)COR10、−N(R10)CON(R102および−NO2からなる群から独立して選択される1〜3の置換基であり;
16はC1-6アルキル、R15−フェニルまたはR15−ベンジルであり;
19はH、C1−C6アルキル、−C(O)N(R102または−CO210であり;
nおよびpは独立して1〜6であり;
GはH、R4−アリール、R4−ヘテロ−シクロアルキル、R4−ヘテロアリール、R4−シクロアルキル、−CH2F、−CHF2、−CF3、−OR6、−N(R6)(R7)、−COR6、−CO26、−CON(R7)(R9)、−S(O)e13、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、−N(R6)S(O)213、−N(R6)S(O)2N(R33)(R34)、−S(O)2N(R6)(R7)、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−C(=NOR8)N(R6)(R7)、−C(=NR25)N(R6)(R7)、−N(R8)C(=NR25)N(R6)(R7)、−CN、−C(O)N(R6)OR7および−C(O)N(R9)−(R4−ヘテロアリール)からなる群から選択され、ただし、nは1であり、Gは−OHまたは−N(R6)(R7)でない場合であり;
Mは二重結合、−O−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(R6)(OR7)−、−C(R8)(N(R6)(R7))−、−C(=NOR6)N(R7)−、−C(N(R6)(R7))=NO−、−C(=NR25)N(R6)−、−C(O)N(R9)−、−N(R9)C(O)−、−C(=S)N(R9)−、−N(R9)C(=S)−および−N(R6)C(O)N(R7)−からなる群から選択され、ただし、nは1であり、GはOHまたは−NH(R6)でない場合;そしてpは2−6である場合、Mはまた、−N(R6)C(=NR25)N(R7)−または−OC(O)N(R6)−であり得;
2はR4−アリール、R4−ヘテロシクロアルキル、R4−ヘテロアリール、R4−シクロアルキル、−COR6、−CO216、−S(O)2N(R6)(R7)または−CON(R6)(R7)であり;
eは0、1または2であり、ただし、eは1または2の場合、R13およびR10aはHでなく;
25は、H、C1−C6アルキル、−CN、R15−フェニルまたはR15−ベンジルであり;
Zは、
【化1−2】

【化1−3】

であり;
g、hおよびjは独立して0〜2であり;
kは1〜4であり;
1は−O−、−S−または−NR9−であり;
Jは=O、=S、=NR9、=NCNまたは=NOR1であり;
1およびJ2は、2つのハロゲン原子、=O、=S、=NR9および=NOR1からなる群から独立して選択され;
26、R27およびR29は、H、C1-6アルキル、−(C(R6)(R7))n−G、−G2−、−C(O)−(C(R8)(R9))n−Gおよび−S(O)e13からなる群から独立して選択され;
28はH、−(C(R6)(R7))t−Gまたは−CON(R6)(R7)であり;
tは0、1、2または3であり、ただし、jは0、tは1、2または3の場合であり;
30は、H、ハロゲノ、−OR6、−OC(O)R6、−OC(O)N(R6)(R7)、−N(R6)(R7)、−C1-6アルキル、−CF3、−C25、−COR6、−CO26、−CON(R6)(R7)、−S(O)e13、−CN、−OCF3、−NR6CO216、−NR6COR7、−NR8CON(R6)(R7)、NO2、−N(R6)S(O)213または−S(O)2N(R6)(R7)からなる群からから独立して選択される1〜3の置換基であるか;または隣接するR30置換基は−O−CH2−O−基を形成し得;
31は、HおよびC1−C6アルキルからなる群から独立して選択され;
32は、H、OHおよびC1−C6アルコキシからなる群から独立して選択され;そして
33およびR34はH、C1−C6アルキル、R15フェニルおよびR15ベンジルからなる群から独立して選択される、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。

【公開番号】特開2006−298939(P2006−298939A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200127(P2006−200127)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【分割の表示】特願2000−591025(P2000−591025)の分割
【原出願日】平成11年12月21日(1999.12.21)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】