説明

ハイブリッド自動車

【課題】エンジンを運転するときに可変バルブタイミング機構を作動させやすくする。
【解決手段】エンジンの潤滑系のオイルの油温Toilが予め定められた温度閾値Tref以上のときには、要求トルクTr*に対応する要求パワーPe*と、燃費最適動作ラインよりエンジンの回転数が高くなる傾向の高油温用動作ラインと、に基づく運転ポイントでエンジンが運転されると共に要求トルクTr*により走行するようエンジンと可変バルブタイミング機構と2つのモータとを制御する。これにより、油温Toilが温度閾値Tref以上と高温であるためにオイルの粘度が高く機械式ポンプの回転駆動によっても油圧が上がりにくいときでも、エンジンの回転数を高くすることができ、可変バルブタイミング機構のロックピンによるロックを解除しやすくすることができる。この結果、エンジンを運転するときに可変バルブタイミング機構を作動させやすくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、エンジンと、エンジンに取り付けられた可変バルブタイミング機構と、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸との3軸に3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、駆動軸に接続された第2モータと、バッテリと、を備えるハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトの回転に伴って作動油を圧送するオイルポンプからの作動油の油圧を用いてロックピンを係止孔から外すことによりエンジンの吸気バルブのバルブタイミングを最遅角のタイミングから変更可能な可変バルブタイミング機構と、第1のモータ(MG1)と、駆動輪に連結された駆動軸とエンジンのクランクシャフトと第1のモータの回転軸との3軸にそれぞれリングギヤとキャリアとサンギヤとが接続されたプラネタリギヤと、駆動軸に接続された第2のモータ(MG2)と、第1および第2のモータと電力のやりとりが可能なバッテリとを備え、エンジンの始動要求があったときに、作動油の油温が高温であるときには、作動油の粘性が低く油圧が上がりにくいことから、エンジンの点火開始回転数を油温が高温でないときに比して大きい回転数に設定して、エンジンをモータリングし始動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、これにより、作動油の油温が高温のときであっても、可変バルブタイミング機構のロックピンを係止孔から確実に外し、エンジンの始動を開始した後に吸気バルブのバルブタイミングをスムーズに変更することができるものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−153212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のハイブリッド自動車では、エンジンをモータリングして始動した後のエンジンの運転中に、可変バルブタイミング機構のロックピンが係止孔に嵌入されている状態を考えると、この状態で作動油の油温が高温であるときには、エンジンの回転数が低いために、ロックピンを係止孔から外すのに十分な油圧を確保することができない場合が生じる。
【0005】
本発明のハイブリッド自動車は、エンジンを運転するときに可変バルブタイミング機構を作動させやすくすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、前記エンジンに取り付けられて該エンジンの回転により駆動されるポンプからの作動油の圧力を用いてロック部材によるロックを解除することにより該エンジンの吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構と、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸との3軸に3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、
走行用の要求駆動力に対応する要求パワーと前記エンジンを効率よく運転するために該エンジンの回転数とトルクとの関係を予め定めた効率用動作ラインとに基づく運転ポイントで前記エンジンが運転されると共に前記要求駆動力により走行するよう前記エンジンと前記可変バルブタイミング機構と前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段
を備え、
前記制御手段は、前記作動油の温度が予め定められた温度閾値以上のときには、前記要求パワーと前記効率用動作ラインより前記エンジンの回転数が高くなる傾向の高油温用動作ラインとに基づく運転ポイントで前記エンジンが運転されると共に前記要求駆動力により走行するよう制御する手段である、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明のハイブリッド自動車では、走行用の要求駆動力に対応する要求パワーとエンジンを効率よく運転するためにエンジンの回転数とトルクとの関係を予め定めた効率用動作ラインとに基づく運転ポイントでエンジンが運転されると共に要求駆動力により走行するようエンジンと可変バルブタイミング機構と第1モータと第2モータとを制御する。そして、作動油の温度が予め定められた温度閾値以上のときには、要求パワーと効率用動作ラインよりエンジンの回転数が高くなる傾向の高油温用動作ラインとに基づく運転ポイントでエンジンが運転されると共に要求駆動力により走行するよう制御する。これにより、作動油の温度が温度閾値以上と高温のときに可変バルブタイミング機構のロック部材によるロックを解除しやすくすることができる。この結果、エンジンを運転するときに可変バルブタイミング機構を作動させやすくすることができる。ここで、前記温度閾値は、前記可変バルブタイミング機構のロック部材によるロックが解除されない可能性が生じる程に高い温度として予め定められた閾値である、ものとすることもできる。
【0009】
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記高油温用動作ラインは、前記作動油の温度が前記温度閾値以上で高いほど前記効率用動作ラインより前記エンジンの回転数が高くなる傾向の動作ラインである、ものとすることもできる。こうすれば、作動油の温度が温度閾値以上と高温のときに、可変バルブタイミング機構のロック部材によるロックを解除しやすくすることと、効率用動作ラインとは異なる高油温用動作ラインを用いることによるエネルギ効率の低下を抑制することとを、より適正に調整することができる。この結果、エンジンを運転するときの可変バルブタイミング機構を作動させやすくすることとエネルギ効率の低下の抑制との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】可変バルブタイミング機構150の外観構成を示す外観構成図である。
【図3】可変バルブタイミング機構150の構成の概略を示す構成図である。
【図4】ロックピン154の構成の概略を示す構成図である
【図5】実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】エンジン22の燃費最適動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。
【図7】エンジン22の高油温用動作ラインの例を示す説明図である。
【図8】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、図示しない複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータMG1,MG2を駆動するインバータ41,42と、インバータ41,42の複数のスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、モータMG1,MG2やインバータ41,42を冷却する冷却装置60と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
【0013】
エンジン22は、図2および図3の構成図に示すように、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを連続的に変更可能な可変バルブタイミング機構150を備える。可変バルブタイミング機構150は、図示するように、クランクシャフト26にタイミングチェーン162を介して接続されたタイミングギヤ164に固定されたハウジング部152aと吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフト129に固定されたベーン部152bとからなるベーン式のVVTコントローラ152と、VVTコントローラ152の進角室および遅角室に油圧を作用させるオイルコントロールバルブ156とを備え、オイルコントロールバルブ156を介してVVTコントローラ152の進角室および遅角室に作用させる油圧を調節することによりハウジング部152aに対してベーン部152bを相対的に回転させて吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト129の角度を連続的に変更する。実施例では、エンジン22から効率よく動力が出力される吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト129の角度を基準角とし、インテークカムシャフト129の角度をその基準角よりも進角させることによりエンジン22から高トルクが出力可能な運転状態とすることができ、インテークカムシャフト129の角度を最遅角させることによりエンジン22の気筒内の圧力変動を小さくしてエンジン22の運転の停止や始動に適した運転状態とすることができるよう構成されている。なお、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを早くすること、即ち、インテークカムシャフト129の角度を進角させることを「進角する」といい、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを遅くすること、即ち、インテークカムシャフト129の角度を遅角させることを「遅角する」という。
【0014】
また、VVTコントローラ152のベーン部152bには、ハウジング部152aとベーン部152bとの相対回転を固定するロックピン154が取り付けられている。図4にロックピン154の構成の概略を示す構成図を示す。ロックピン154は、図示するようにロックピン本体154aと、ロックピン本体154aがハウジング部152aの方向に付勢されるよう取り付けられたスプリング154bとを備え、インテークカムシャフト129の角度が最遅角に位置されたときにスプリング154bのスプリング力によりハウジング部152aに形成された溝158に嵌合しベーン部152bをハウジング部152aに固定する(ロック状態となる)。また、ロックピン154は、油路159を介してスプリング154bのスプリング力に打ち勝つ油圧を作用させることにより溝158に嵌合されたロックピン本体154aを引き抜くことができる(ロック状態を解除できる)ようになっている。なお、VVTコントローラ152の進角室および遅角室に作用させる油圧や、ロックピン本体154aを溝158から引き抜くための油圧、即ちインテークカムシャフト129の最遅角位置でのロックピン154によるロックを解除するための油圧は、エンジン22を潤滑する図示しない潤滑系のオイルによるものであり、このオイルは、エンジン22のクランクシャフト26の回転により駆動される機械式ポンプ170が回転駆動することによって図示しないオイルパンから供給される。
【0015】
なお、実施例のハイブリッド自動車20では、可変バルブタイミング機構150は、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能に構成されているものとして説明するが、吸気バルブ128に加えて、または、吸気バルブ128に代えて、エンジン22の排気バルブの開閉タイミングを変更可能に構成されているものとしてもよい。この場合、可変バルブタイミング機構では、エンジン22から効率よく動力が出力される排気バルブの開閉タイミングにおけるエキゾーストカムシャフトの角度を基準角とし、エンジン22の運転状態に応じてエキゾーストカムシャフトの角度をその基準角よりも遅角させたり進角させたりする。また、エキゾーストカムシャフト側のVVTコントローラに取り付けられたロックピンは、エキゾーストカムシャフトの角度が最進角に位置されたときにスプリング力により溝に嵌合しロック状態となり、機械式ポンプ170の回転駆動により供給されるオイルの油圧を作用させることによりロック状態を解除できる。
【0016】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Twe,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジション(例えば、インテークカムシャフト129のカムポジションθca),スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2,潤滑系のオイルの温度を検出する温度センサ151からの油温Toilなどが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
【0017】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
【0018】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
【0019】
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0020】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
【0021】
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン運転モードで走行する際の動作について説明する。図5は、HVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
【0022】
駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPUは、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の潤滑系のオイルの油温Toil,可変バルブタイミング機構150の駆動要求がなされたときに値1が設定されるVVT駆動要求フラグF,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の潤滑系のオイルの油温Toilは、温度センサ151により検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。VVT駆動要求フラグFは、図示しないフラグ設定ルーチンにより、吸気バルブ128の開閉タイミングVTを変更するために可変バルブタイミング機構150の駆動要求がなされたときに値1が設定され、この駆動要求がなされていないときに値0が設定されたものを、エンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
【0023】
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪38a,38bに連結された駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、駆動軸36の回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を用いたりすることができる。
【0024】
続いて、VVT駆動要求フラグFが値1であるか否かを判定すると共に(ステップS120)、入力した油温Toilが温度閾値Tref以上であるか否かを判定する(ステップS130)。ここで、温度閾値Trefは、実施例では、エンジン22の潤滑系のオイルの油温Toilが高くなるとオイルの粘度が低くなり機械式ポンプ170の回転駆動によっても油圧が上がりにくくなることから、可変バルブタイミング機構150のロックピン154によるロックが解除されない可能性が生じる程に高い温度として、予め実験などにより求められたもの(例えば、70℃や80℃,90℃など)を用いるものとした。
【0025】
VVT駆動要求フラグFが値0のときや、VVT駆動要求フラグFが値1でも油温Toilが温度閾値Tref未満のときには、エンジン22を効率よく運転すると判断し、エンジン22を効率よく運転するための燃費最適動作ラインを実行用動作ラインに設定すると共に(ステップS140)、設定した実行用動作ラインと要求パワーPe*とに基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS160)。ここで、実行用動作ラインに設定されたエンジン22の燃費最適動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、実行用動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
【0026】
次に、設定した目標回転数Ne*と駆動軸36の回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に、計算した目標回転数Nm1*とモータMG1の回転数Nm1とを用いてモータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS170)。
【0027】
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
【0028】
更に、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*および回転数Nm1を用いて次式(3)および式(4)により計算されるモータMG2のトルク制限Tmin,Tmaxで、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて式(5)により計算されるモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(6)により制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS180)。
【0029】
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tmax),Tmin) (6)
【0030】
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御,吸気バルブ128の開閉タイミング制御(VVT駆動要求フラグFに値1が設定されたときにエンジン22の運転状態に応じて開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構150の制御)などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、可変バルブタイミング機構150の駆動を伴ってエンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に要求トルクTr*を出力して走行することができる。
【0031】
ステップS120,S130でVVT駆動要求フラグFが値1であり且つ油温Toilが温度閾値Tref以上のときには、可変バルブタイミング機構150の駆動に際してロックピン154によるロックが解除されない可能性があると判断し、油温Toilに基づいて高油温用動作ラインの1つを選択して実行用動作ラインに設定すると共に(ステップS150)、設定した実行用動作ラインと要求パワーPe*とに基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS160)、設定したエンジン22の目標回転数Ne*を用いてモータMG1の目標回転数Ne*とトルク指令Tm1*とを設定すると共に(ステップS170)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*とを用いてバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して(ステップS180)、エンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とをエンジンECU24とモータECU40とにそれぞれ送信し(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。
【0032】
図7にエンジン22の高油温用動作ラインの例を示す。図中、比較のために、燃費最適動作ラインを点線で示す。図示するように、高油温用動作ラインは、燃費最適動作ラインよりエンジン22の回転数Neが高くなる傾向に定められており、更に実施例では、油温Toilが温度閾値Tref以上で高いほど燃費最適動作ラインよりエンジン22の回転数Neが高くなるように複数の高油温用動作ライン(図7の例では、油温Toilが温度T1,T2,T3の順に高くなるほど動作ラインにおけるエンジン22の回転数が高くなるように3つの高油温用動作ライン)が定められている。実施例では、こうした油温Toilと油温Toilに対応する複数の高油温用動作ラインのうちの1つとの関係を、油温Toilが高くてもロックピン154によるロックを解除可能な程度に高油温用動作ラインにおけるエンジン22の回転数を高くした関係として予め定めたマップを、図示しないROMに記憶しておき、油温Toilが与えられるとマップから対応する高油温動作ラインを導出することによって、複数の高油温用動作ラインの1つを選択するものとした。このように、可変バルブタイミング機構150の駆動要求がなされており、且つ、油温Toilが温度閾値Tref以上と高温で機械式ポンプ170の回転駆動によっても油圧が上がりにくいために可変バルブタイミング機構150におけるロックピン154によるロックが解除されない可能性が生じているときには、高油温用動作ライン上の運転ポイントでエンジン22を運転するから、エンジン22の回転数Neを高くして機械式ポンプ170からの油圧を確保することができ、可変バルブタイミング機構150におけるロックピン本体154aを溝158から引き抜けなくなるのを抑制することができる。
【0033】
したがって、可変バルブタイミング機構150の駆動を伴ってエンジン22を運転するときに可変バルブタイミング機構150の異常判定を行なう場合に、即ち、可変バルブタイミング機構150が制御信号に従って動作するか否かをインテークカムシャフト129のカムポジションθcaを用いて判定する(制御値と検出値とが所定範囲を超えて乖離した状態を所定時間継続することを異常と判定する)場合に、ロックピン154によるロックが解除されないために可変バルブタイミング機構150が正常であるにも拘わらず異常と誤って判定することを抑制することができる。なお、エンジン22を運転するときにロックピン154によるロックが解除されなくなる場合は、例えば、ロックピン154によるロック状態でエンジン22が始動された後に要求パワーPe*と動作ラインとに基づく運転ポイントでのエンジン22の運転を開始したときや、エンジン22の運転中にその運転状態に応じてロックピン154によるロックがなされた後にエンジン22の運転状態に応じてそのロックを解除しようとするときなどがある。
【0034】
また、実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが温度閾値Tref以上で高いほどエンジン22の回転数が高くなるように定められた複数の高油温用動作ラインを用いるから、ロックピン154によるロックを確実に解除可能な1つの高油温用動作ライン(例えば、図7の例で温度T3に対応する高油温用動作ライン)を用いるものに比して、エンジン22を燃費最適動作ライン上の運転ポイントとは異なる運転ポイントで運転することによる効率の低下(燃費の悪化)の程度を抑制することができる。
【0035】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、要求トルクTr*に対応する要求パワーPe*とエンジン22を効率よく運転するためにエンジン22の回転数とトルクとの関係を予め定めた燃費最適動作ラインとに基づく運転ポイントでエンジン22が運転されると共に要求トルクTr*により走行するようエンジン22と可変バルブタイミング機構150とモータMG1,MG2とを制御するものにおいて、エンジン22の潤滑系のオイルの油温Toilが予め定められた温度閾値Tref以上のときには、要求パワーPe*と燃費最適動作ラインよりエンジン22の回転数が高くなる傾向の高油温用動作ラインとに基づく運転ポイントでエンジン22が運転されると共に要求トルクTr*により走行するよう制御するから、油温Toilが温度閾値Tref以上と高温のときに可変バルブタイミング機構150のロックピン154によるロックを解除しやすくすることができる。この結果、エンジン22を運転するときに可変バルブタイミング機構150を作動させやすくすることができる。
【0036】
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toilが温度閾値Tref以上のときには複数の高油温用動作ラインの1つを用いてエンジン22の運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしたが、油温Toilが温度閾値Tref以上のときには燃費最適動作ラインよりエンジン22の回転数が高くなる傾向に予め定められた1つの高油温用動作ラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定するものとしてもよい。
【0037】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪39a,39bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0038】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、可変バルブタイミング機構150が「可変バルブタイミング機構」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、図5の駆動制御ルーチンを実行するHVECU70とエンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御,吸気バルブ128の開閉タイミング制御などを行なうエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2を制御するモータECU40との組み合わせが「制御手段」に相当する。
【0039】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0040】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、128 吸気バルブ、129 インテークカムシャフト、150 可変バルブタイミング機構、151 温度センサ、152 VVTコントローラ、152a ハウジング部、152b ベーン部、154 ロックピン、154a ロックピン本体、154b スプリング、156 オイルコントロールバルブ,158 溝、159 油路、162 タイミングチェーン、164 タイミングギヤ、170 機械式ポンプ、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンに取り付けられて該エンジンの回転により駆動されるポンプからの作動油の圧力を用いてロック部材によるロックを解除することにより該エンジンの吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構と、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸との3軸に3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、
走行用の要求駆動力に対応する要求パワーと前記エンジンを効率よく運転するために該エンジンの回転数とトルクとの関係を予め定めた効率用動作ラインとに基づく運転ポイントで前記エンジンが運転されると共に前記要求駆動力により走行するよう前記エンジンと前記可変バルブタイミング機構と前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段
を備え、
前記制御手段は、前記作動油の温度が予め定められた温度閾値以上のときには、前記要求パワーと前記効率用動作ラインより前記エンジンの回転数が高くなる傾向の高油温用動作ラインとに基づく運転ポイントで前記エンジンが運転されると共に前記要求駆動力により走行するよう制御する手段である、
ことを特徴とするハイブリッド自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−43605(P2013−43605A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184167(P2011−184167)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】