説明

ハブの電着塗装方法

【課題】 円筒部16の表面に電着した未乾燥の塗装膜27を加熱して、この塗装膜27をこの円筒部16の表面に焼き付ける際に、高周波焼き入れ処理により形成した硬化層26の温度が過度に上昇する事を防止する。
【解決手段】 上記未乾燥の塗装膜27の加熱温度を、140℃未満とする。これにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明に係るハブの電着塗装方法は、車輪支持用ハブユニットを構成するハブの外端部に設けた円筒部の表面に、防錆用の塗装膜を形成する為に利用する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車輪を構成するホイール1、及び、制動用回転部材であって制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2は、例えば図7に示す様な構造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支持している。即ち、このナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、車輪支持用ハブユニット5を構成する外輪6を、複数本のボルト7により固定している。一方、この車輪支持用ハブユニット5を構成するハブ8に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット10とにより結合固定している。
【0003】
上記外輪6の内周面には複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対し固定している。
【0004】
一方、上記ハブ8は、ハブ本体13と内輪14とから成る。このうちのハブ本体13の外周面の一部で、上記外輪6の外端(軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、図1〜6の下側、図7、8の左側を言う。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図1〜6の上側、図7、8の右側を、軸方向に関して「内」と言う。本明細書及び特許請求の範囲の全体で同じ。)開口から突出した部分には、取付フランジ15を形成している。又、上記ハブ本体13の外端部には、パイロット部と呼ばれる円筒部16を、このハブ本体13と同心に設けている。上記ホイール1及びロータ2は、この円筒部16に外嵌する事により径方向の位置決めを図った状態で、上記取付フランジ15の外側面に、上記各スタッド9とナット10とにより結合固定している。
【0005】
又、上記ハブ本体13の外周面の中間部には、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する内輪軌道17aを、同じく内端部には小径段部18を、それぞれ形成している。そして、この小径段部18に、上記内輪14を外嵌している。この内輪14の外周面には、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向する、内輪軌道17bを形成している。この様な内輪14は、上記ハブ本体13の内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部19により、このハブ本体13に対して固定している。そして、上記各外輪軌道11a、11bと上記各内輪軌道17a、17bとの間に転動体20、20を、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けている。尚、図示の例では、上記外側の内輪軌道17aを上記ハブ本体13の外周面の中間部に直接形成しているが、この外側の内輪軌道17aは、図7に二点鎖線で示す様に、上記ハブ本体13の中間部に外嵌した別体の内輪14aの外周面に形成する場合もある。又、図示の例では、上記各転動体20、20として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用のハブユニットの場合には、円すいころを使用する場合もある。又、上記各転動体20、20を設置した円筒状の空間の両端開口部は、それぞれシールリング21a、21bにより密閉している。
【0006】
更に、図示の例は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全車輪)用の車輪支持用ハブユニット5である為、上記ハブ8の中心部に、スプライン孔22を形成している。そして、このスプライン孔22に、等速ジョイント用外輪23の外端面に固設したスプライン軸24を挿入している。これと共に、このスプライン軸24の先端部にナット25を螺合し、更に緊締する事により、上記ハブ本体13を、このナット25と上記等速ジョイント用外輪23との間に挟持している。
【0007】
次に、図8は、従来から知られている車輪支持用ハブユニットの第2例として、従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)用のものを示している。この第2例の車輪支持用ハブユニット5aは、従動輪用である為、ハブ8aを構成するハブ本体13aの中心部にスプライン孔を設けていない。又、本例の場合も、このハブ本体13aの外周面の中間部には、外側の内輪軌道17aを直接形成しているが、この外側の内輪軌道17aは、上記ハブ本体13aの中間部に外嵌した別体の内輪(図示省略)の外周面に形成する場合もある。その他の部分の構造及び作用は、上述した第1例の車輪支持用ハブユニット5の場合と同様である。
【0008】
ところで、上述した様な各車輪支持用ハブユニット5、5aの場合、ハブ本体13、13aの外端部に設けた円筒部16の表面には、防錆等の目的で、塗装膜を形成する。又、この様な塗装膜の形成方法として従来から、刷毛塗り塗装法や電着塗装法等の各種の方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。これら各方法のうち、電着塗装法を採用すれば、例えば刷毛塗り塗装法を採用する場合に比べて、上記円筒部16の表面に塗装膜を薄く均一に形成でき、しかもこの塗装膜を上記表面から剥がれにくくできる為、他の塗装法に比べて好ましい事に加えて、乾燥時間を短くできる。
【0009】
電着塗装法により、上記円筒部16の表面に塗装膜を形成する場合には、先ず、この円筒部16の表面を塗装液に接触させた状態で、この塗装液の他の部分に接触させた電極と上記ハブ本体13、13aとの間に電圧を印加する。これにより、上記塗装液中の塗料粒子をイオン化し、このイオン化した塗料粒子を上記円筒部16の表面に電着させる事で、この表面に未乾燥の塗装膜を形成する。その後、この未乾燥の塗装膜を加熱して乾燥させる事により、この塗装膜を上記表面に焼き付けた後、この塗装膜を冷却して、塗装作業を完了する。
【0010】
ところで、上述の様に円筒部16の表面に塗装膜を焼き付ける際に、未乾燥の塗装膜の加熱の仕方を誤ると、次の様な不都合を生じる。即ち、上記ハブ本体13、13aの外周面の中間部乃至内端寄り部分の少なくとも一部(例えば、取付フランジ15の根元部分、内輪軌道17aを形成した部分、内輪14、14aを外嵌した部分等)には、当該部分の硬度を向上させるべく、全周に亙り高周波焼入れ処理を施して、硬化層を形成している。この為、上述の様に未乾燥の塗装膜の加熱の仕方を誤った結果、上記硬化層の温度が過度に上昇した場合には、この硬化層部分で軟化作用(焼なまし、焼き戻し等)が生じ、この硬化層の硬度が低下すると言った不都合を生じる。又、車輪支持用ハブユニット5、5aを組み立てた状態で未乾燥の塗装膜を加熱する場合、この未乾燥の塗装膜の加熱の仕方を誤った結果、前記各転動体20、20の設置部に封入したグリースの温度が過度に上昇した場合には、このグリースが劣化すると言った不都合を生じる。
【0011】
【特許文献1】特開2003−136902号公報
【特許文献2】特開2003−342793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明のハブの電着塗装方法は、上述の様な事情に鑑み、ハブを構成する円筒部の表面に塗装膜を焼き付けるべく、未乾燥の塗装膜を加熱する場合に、ハブの外周面のうち高周波焼入れ処理による硬化層を形成した部分の温度が過度に上昇したり、或は転動体設置部に封入したグリースの温度が過度に上昇する事を防止できる方法を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のハブの電着塗装方法は、外周面の外端寄り部分に車輪及び制動用回転部材を支持固定する為の取付フランジを、外端部にこれら車輪と制動用回転部材とのうちの少なくとも一方を外嵌する為の円筒部を、それぞれ備えた、車輪支持用ハブユニットを構成するハブのうち、上記円筒部の表面に(イオン化した)塗料粒子を電着させる事により、この表面に未乾燥の塗装膜を形成した後、この未乾燥の塗装膜を加熱して乾燥させる事によりこの塗装膜を上記円筒部の表面に焼き付ける。
【0014】
特に、本発明のうち請求項1に記載したハブの電着塗装方法に於いては、上記未乾燥の塗装膜の加熱温度を、140℃未満としている。
又、請求項2に記載したハブの電着塗装方法に於いては、上記未乾燥の塗装膜の加熱温度を140〜220℃とすると共に、この未乾燥の塗装膜の加熱作業を、上記ハブを内端側(このハブのうち上記円筒部よりも内端側の部分)から冷却しながら行なう。
尚、本発明は、上記車輪支持用ハブユニットを組み立てる以前の、上記ハブ単体の状態で実施しても良いし、上記車輪支持用ハブユニットを組み立てた状態で実施しても良い。
【発明の効果】
【0015】
上述の様な本発明のハブの電着塗装方法によれば、円筒部の表面に塗装膜を焼き付けるべく、未乾燥の塗装膜を加熱する際に、ハブの外周面のうち高周波焼入れ処理を施した部分である硬化層の温度が過度に(この硬化層で焼なましや焼き戻し等の軟化作用が生じる程度に)上昇したり、或は車輪支持用ハブユニットを構成する転動体設置部に封入したグリースの温度が過度に(このグリースが劣化する程度に)上昇する事を防止できる。
【0016】
即ち、前述の図7〜8に示した様な車輪支持用ハブユニットの場合、上記硬化層を形成する場合の焼き戻し温度は炉加熱で150〜180℃である。この為、150℃未満であれば、当該温度に曝らされる時間にもよるが、未乾燥の塗装膜を乾燥させる時間程度では、上記硬化層で焼き戻し等の軟化作用は生じない。例えば、140℃で30分程度曝らしたとしても、上記硬化層で焼き戻し等の軟化作用は生じない。又、上述の図7〜8に示した様な車輪支持用ハブユニットの場合、転動体設置部に封入するグリースは、滴点(グリースの種類によるが、例えば260℃程度)に至ると、曝らされる時間に拘らず劣化するが、120℃程度であれば、曝らされる時間に拘らず劣化しないし、140℃程度であれば、上記塗装膜を乾燥させる程度の時間(例えば30分以下)であれば劣化しない。
【0017】
これに対し、上述した様に、請求項1に記載した発明の場合には、未乾燥の塗装膜の加熱温度を140℃未満と小さくしている。この為、この塗装膜に加えた熱が上記硬化層に伝達された場合でも、この硬化層の温度が過度に上昇する事はない。又、当該熱が上記グリースに伝達された場合でも、このグリースの温度が、劣化を生じる程過度に上昇する事はない。
【0018】
又、上述した様に、請求項2に記載した発明の場合には、未乾燥の塗装膜の加熱温度を140〜220℃と比較的高くするが、この未乾燥の塗装膜の加熱作業を、上記ハブを内端側から冷却しながら行なう。この為、上記塗装膜に加えた熱により上記硬化層や上記グリースの温度が上昇する事を抑えられる。従って、上記硬化層が過度の温度上昇により軟化したり、或は上記グリースが過度の温度上昇により劣化する事を防止できる。又、請求項2に記載した発明の場合には、上記未乾燥の塗装膜の加熱温度を比較的高くしている為、この塗装膜の焼き付け時間を短くできる。
【実施例1】
【0019】
図1〜4は、請求項1に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例では、図1に示す様なハブ本体13aを実施の対象とする。このハブ本体13aは、前述の図8に示した車輪支持用ハブユニット5aの構成部材である。図示の例の場合、上記ハブ本体13aの外周面の中間部で内輪軌道17aを含む部分(斜格子を付して示した部分)に、全周に亙り高周波焼き入れ処理を施して、当該部分に硬化層26を形成している。そして、この様な硬化層26を形成する事により、上記ハブ本体13aの耐久性を高めている。
【0020】
又、本実施例の場合には、上記ハブ本体13aの外端部に設けた円筒部16の外周面、内周面、及び外端面、並びに、このハブ本体13aの外端面の径方向中央部(図1に破線イを付して示した部分)に、電着塗装を施す。この為に本実施例の場合、先ず、この破線イを付して示した部分に対し、脱脂洗浄等の所定の前処理を行なった後、この破線イを付した部分を塗装液(図示せず)に接触させ(浸漬し)た状態で、この塗装液の他の部分に接触させた電極(図示せず)と上記ハブ本体13aとの間に電圧を印加する(塗装液側に+極を、ハブ本体13a側に−極を、それぞれ通じさせる)。これにより、上記塗装液中の塗料粒子をイオン化し、このイオン化した塗料粒子を上記破線イを付して示した部分に電着させる事で、図2に示す様に、当該部分に未乾燥の塗装膜27を形成する。尚、図示の例では、便宜上、この塗装膜27を太線で示しているが、この太線の幅は、この塗装膜27の厚さを示すものではない。実際の塗装膜27の厚さは、上述した電圧の印加時間にもよるが、後述する焼き付け後の状態で、例えば十数μm程度である。
【0021】
そして、上述の様に未乾燥の塗装膜27を形成した後、図3に示す様に、この未乾燥の塗装膜27を、セラミックヒータ28から発せられる遠赤外線で加熱する。これにより、上記未乾燥の塗装膜27を乾燥させて、この塗装膜27を上記ハブ本体13aの表面に焼き付ける。本実施例の場合、この際の塗装膜27の加熱温度は、140℃未満としている。
【0022】
そして、上述の様に塗装膜27をハブ本体13aの表面に焼き付けたならば、次いで、図4に示す様に、クーラ29から噴出した冷風を上記塗装膜27に吹き付ける事により、この塗装膜27を冷却して、塗装作業を完了する。
【0023】
上述した様に、本実施例のハブの電着塗装方法の場合には、未乾燥の塗装膜27の加熱温度を140℃未満と低くしている。この為、この塗装膜27に加えた熱が、ハブ本体13aの中間部外周面に形成した硬化層26に伝達された場合でも、この硬化層26の温度が過度に(この硬化層26で焼なましや焼き戻し等の軟化作用が生じる程度にまで)上昇する事はない。従って、本実施例の場合には、上記塗装膜27を形成する際に、上記硬化層26の硬度が低下する事を防止できる。
【実施例2】
【0024】
次に、図5〜6は、請求項2に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合、前述の図1に破線イを付して示した部分に、イオン化した塗料粒子を電着させる事により、前述の図2に示す様に、当該部分に未乾燥の塗装膜27を形成するまでの作業手順は、上述した実施例1の場合と同様である。
【0025】
本実施例の場合には、上述の様に未乾燥の塗装膜27を形成した後、図5に示す様に、クーラ29a、29aから噴出した冷風を、ハブ本体13aの中間部(硬化層26を形成した部分)乃至内端部に吹き付ける。これにより、当該部分を冷却しながら、上記未乾燥の塗装膜27を、セラミックヒータ28から発せられる遠赤外線で加熱する。これにより、上記塗装膜27を乾燥させて、この塗装膜27を上記ハブ本体13aの表面に焼き付ける。本実施例の場合、この際の塗装膜27の加熱温度は、140〜220℃の範囲内で規制される温度としている。
【0026】
そして、上述の様に塗装膜27をハブ本体13aの表面に焼き付けたならば、次いで、図6に示す様に、クーラ29から噴出した冷風を、上記塗装膜27に直接吹き付けると共に、クーラ29a、29aから噴出した冷風を、ハブ本体13aの中間部(硬化層26を形成した部分)乃至内端部に吹き付ける事により、上記塗装膜27を冷却して、塗装作業を完了する。
【0027】
上述した様に、本実施例のハブの電着塗装方法の場合には、未乾燥の塗装膜27の加熱温度を140〜220℃と比較的高くするが、この未乾燥の塗装膜27の加熱作業を、上記ハブ本体13aの中間部乃至内端部を冷却しながら行なう。この為、上記塗装膜27に加えた熱により硬化層26の温度が上昇する事を抑えられる。従って、上記硬化層26の温度が過度に(この硬化層26で焼なましや焼き戻し等の軟化作用が生じる程度に)上昇する事を防止できる。この結果、本実施例の場合も、上記塗装膜27を形成する際に、上記硬化層26の硬度が低下する事を防止できる。更に、本実施例の場合には、上記未乾燥の塗装膜27の加熱温度を比較的大きくしている為、この塗装膜27の焼き付け時間を、上述した実施例1の場合に比べて短くできる。
【0028】
尚、上述した各実施例では、前述の図8に示した従動輪用の車輪支持用ハブユニット5aを構成するハブ(ハブ本体13a)を対象として本発明を実施したが、本発明は、前述の図7に示した駆動輪用の車輪支持用ハブユニット5を構成するハブ(ハブ本体13)を対象として実施する事もできる。又、これらに限らず、各種構造の車輪支持用ハブユニットを構成するハブ(外側の外輪軌道をハブ本体の外周面の中間部に直接形成したものと、この外側の外輪軌道をハブ本体の中間部に外嵌した別体の内輪の外周面に形成したものとの、双方を含む。)に対しても実施する事ができる。
【0029】
又、上述した各実施例では、電着塗装法による塗装膜の形成作業を、車輪支持用ハブユニットを組み立てる以前の、ハブ単体の状態で実施する方法を採用した。但し、本発明を実施する場合には、電着塗装法による塗装膜の形成作業を、車輪支持用ハブユニットを組み立てた状態で実施しても良い。この様に車輪支持用ハブユニットを組み立てた状態で実施する場合には、上述した各実施例で説明した効果を得られる他、上記塗装膜を形成する際に、転動体設置部に封入したグリースが熱劣化する事を防止できると言った効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1を示す、電着塗装を施すべきハブ本体の断面図。
【図2】円筒部の表面に未乾燥の塗装膜を形成した状態で示す、ハブ本体の断面図。
【図3】未乾燥の塗装膜を加熱する事により、この塗装膜を円筒部の表面に焼き付ける工程を、ハブ本体を切断した状態で示す図。
【図4】円筒部の表面に焼き付けた塗装膜を冷却する工程を、ハブ本体を切断した状態で示す図。
【図5】本発明の実施例2で未乾燥の塗装膜を加熱する事により、この塗装膜を円筒部の表面に焼き付ける工程を、ハブ本体を切断した状態で示す図。
【図6】円筒部の表面に焼き付けた塗装膜を冷却する工程を、ハブ本体を切断した状態で示す図。
【図7】駆動輪用の車輪支持用ハブユニットの1例を、ナックルに組み付けた状態で示す断面図。
【図8】従動輪用の車輪支持用ハブユニットの1例を示す断面図。
【符号の説明】
【0031】
1 ホイール
2 ナックル
3 ロータ
4 支持孔
5、5a 車輪支持用ハブユニット
6 外輪
7 ボルト
8、8a ハブ
9 スタッド
10 ナット
11a、11b 外輪軌道
12 結合フランジ
13、13a ハブ本体
14、14a 内輪
15 取付フランジ
16 円筒部
17a、17b 内輪軌道
18 小径段部
19 かしめ部
20 転動体
21a、21b シールリング
22 スプライン孔
23 等速ジョイント用外輪
24 スプライン軸
25 ナット
26 硬化層
27 塗装膜
28 セラミックヒータ
29、29a クーラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面の外端寄り部分に車輪及び制動用回転部材を支持固定する為の取付フランジを、外端部にこれら車輪と制動用回転部材とのうちの少なくとも一方を外嵌する為の円筒部を、それぞれ備えた、車輪支持用ハブユニットを構成するハブのうち、上記円筒部の表面に塗料粒子を電着させる事によりこの表面に未乾燥の塗装膜を形成した後、この未乾燥の塗装膜を加熱して乾燥させる事によりこの塗装膜を上記円筒部の表面に焼き付ける、ハブの電着塗装方法に於いて、上記未乾燥の塗装膜の加熱温度を140℃未満とした事を特徴とするハブの電着塗装方法。
【請求項2】
外周面の外端寄り部分に車輪及び制動用回転部材を支持固定する為の取付フランジを、外端部にこれら車輪と制動用回転部材とのうちの少なくとも一方を外嵌する為の円筒部を、それぞれ備えた、車輪支持用ハブユニットを構成するハブのうち、上記円筒部の表面に塗料粒子を電着させる事によりこの表面に未乾燥の塗装膜を形成した後、この未乾燥の塗装膜を加熱して乾燥させる事によりこの塗装膜を上記円筒部の表面に焼き付ける、ハブの電着塗装方法に於いて、上記未乾燥の塗装膜の加熱温度を140〜220℃とすると共に、この未乾燥の塗装膜の加熱作業を、上記ハブを内端側から冷却しながら行なう事を特徴とするハブの電着塗装方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−169608(P2006−169608A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367107(P2004−367107)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】