説明

バイオマスの熱分解のための方法及び装置

本発明は、加熱エレメントとバイオマスを案内するための手段によるバイオマスの熱分解のための方法に関する。熱分解中には、加熱エレメントとバイオマスは圧力5バール〜80バールで相互に押付けられる。本発明は、材料供給機(4)と熱分解ステーション(6)を含む、バイオマスを熱分解するための装置にも関する。材料供給機(4)は、圧力5バール〜200バールを発生させ、熱分解すべき原料を熱分解ステーション(6)に押付ける手段を含む。熱分解ステーション(6)は、運転状態において温度300℃〜1000℃に加熱される加熱エレメント(22)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱エレメントとバイオバスを供給するための手段によるバイオマスの融蝕熱分解のための方法、並びにそのためのプラント及び本発明により製造される燃料に関する。
【背景技術】
【0002】
熱分解とは、有機材料を、ほとんどの場合は無酸素状態で、温度最大約600℃において気体、液体及び固体分解産物に分解する方法である。その目的は、高いエネルギー含量を有する熱分解生成物として様々な方法で使用することもできる液体分解産物を最大化することにある。フラッシュ熱分解はこの工業的転換に特に適している。分解すべき有機材料は可能最短時間で温度約450℃〜500℃に加熱され、形成される熱分解産物は大部分が熱分解生成物に凝縮される。
【0003】
フラッシュ熱分解の原理により行われる方法は例えば砂床反応器を使用し、そこでは、微粉砕粒子が熱い砂と混合されて、熱分解される(WO 97/06886 Biomass Technologyを参照)。温度500℃〜900℃で有機材料が押付けられる加熱回転ディスクを使用するその他の方法もある(Martin et al., “Ablative melting of a solid cylinder perpendicularly
pressed against a heated wall” in Heat Mass Transfer, Vol. 29, No. 9, pp.
1407-1415, 1986)。一方、上にのせられた分解すべき有機材料があちこちと動かされる加熱静止反応器パネルを使用するその他の方法もある(Bridgewater and Peacocke, Fast pyrolysis processes for biomass, in
Renewable & Suitable Energy Reviews 4, 2000, 1073)。Bridgewater と Peacockeは実験室用、試験生産用及び工業用設備の現状を(存在する範囲において)網羅的に記載している。そこに記載してある設備は共通して反応器の構造を有し、熱分解産物の処理は比較的複雑である。さらに、これらの設備の場合は、完全な熱分解を確実に行うために、バイオマスを非常に小さな固体粒子に分解することが必要である。かかる微細粒子の製造はエネルギー消費量が多く、方法の効率を低下させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、有機材料の熱分解のための簡単な方法と簡単なプラントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による方法は、加熱エレメントとバイオマスを供給するための手段とを含み、加熱エレメントとバイオマスが熱分解中に圧力5バール〜200バールで相互に押付けられる。その過程で、有機材料には、熱分解すべき材料からの熱の取出しよりも迅速に熱を供給しなければならず、これにより、表面において溶融(融蝕熱分解)が起こることになる。これらの比較的高い接触圧力が適用された場合は、この方法は特に経済的なものになる。本発明の好適な実施形態によれば、圧力は約5バール〜約150バール、好ましくは約10バール〜約100バール、極めて好ましくは約10バール〜約80バール、効果的には約20バール〜約60バールである。
【0006】
分解すべきバイオマスを支えている加熱エレメントは、最適な熱分解に必要な温度よりも高い温度に加熱されるが、これは、バイオマスが、加熱エレメントとの接触により、加熱エレメントから熱を取出し、その熱はその後には熱分解に使用することができないからである。加熱エレメントから分解すべき材料の接触表面への熱エネルギーの供給は、この状況においては、熱分解すべき材料からの熱の取出しよりも迅速に行わなければならない。適用される接触圧力の関数でもある温度は、約300℃〜約1000℃、好ましくは約400℃〜約800℃、特に好ましくは約500℃〜約700℃、効果的には約550℃〜約600℃の広い範囲で設定することもできる。
【0007】
加熱エレメントは、任意に個々のセグメントから構成された平面又はアーチ形パネルとして設計されている。従って、加熱エレメントは簡単な方法で設備のサイズに適応させることもできる。任意の直径において、アーチ形パネルとして設計することにより、利用可能加熱面積の拡大が可能になる。アーチ形加熱エレメントを使用した場合は、熱分解産物の取出しがさらに簡単になる。一方、単純な平面パネルは、価格が妥当で、実施が容易な加熱エレメントである。
加熱エレメントとして使用されるパネルは好ましくは円形である。パネルの直径は、例えば、試験又はパイロットプラントの場合の約20cmから、約10,000kg/hの能力を有する工業用設備の場合の約300cmまで、広い範囲で変えることもできる。
【0008】
加熱エレメントの好ましい実施形態は異形材パネルであり、その異形材が熱分解産物の取出しのためのスペースを提供する。特に、加熱エレメントの直接加熱の場合は、その異形材により、有機材料との接触の直前のどの時点においても、パネルを加熱することが可能になる。それに加えて、このパネル設計により、材料の節約にもなる。もう1つの効果は、特に、加熱エレメントの表面にグルーブを備えた設計にした場合は、この異形材により、熱分解産物の前方運搬が改善されるという事実である。グルーブを備えた加熱エレメントの設計が特に好ましい。グルーブは半径方向に配置するのが非常に好適であることが明らかになっている。
加熱エレメントの材料は、原理的には、この方法の条件の下で、特に、圧力、温度、熱伝導率、及び、場合によっては、熱分解産物の攻撃性に対する耐性を有するものであれば、どんな材料でもよい。金属及び/又はセラミック製のパネルが、適切な場合は、これらの使用材料の組合せでも、特に好適であることが明らかになっている。
【0009】
表面/界面に供給される熱のために、加熱エレメントに押付けられるバイオマスは、その大部分が気体粒子に、さらに、量は少ないが、固体粒子に分解される。これらの気体熱分解産物の形成と次の処理との間の滞留時間は約0.5から10秒、好ましくは5秒未満、特に好ましくは約2秒に設定される。加熱エレメントに関しては、一方では、融蝕溶融バイオマスが熱エネルギーを加熱エレメントから取出し、その結果、この滞留時間の後には、加熱エレメントの温度が明らかに低下することが知見されている。他方では、この滞留時間は、バイオマスをこの融蝕法により低分子のほとんどが気体の成分に分解するには十分なものである。次の処理までの熱分解産物の滞留時間が短いために、二次熱分解化合物の形成に必要な反応時間を確保することができないので、一次熱分解産物の最大可能部分の処理が可能になる。
【0010】
最先端の公知の熱分解法においては、熱分解の前に、熱分解すべきバイオマスを非常に小さな固体粒子に粉砕しなければならないのが特徴的である。このために、エネルギーコストが高く、装置コストも高くなり、その結果、公知の方法の経済効果は好ましいものではないことが分かる。他方、本発明による方法の条件の下では、融蝕法により熱分解を行うことにより、比較的粗い固体粒子でも完全に熱分解することができる。0.5mm〜70cm、好ましくは5cm〜50cm、特に好ましくは15cm〜30cmの粒度を処理することもできる。これにより、熱分解用原料の入手コストがかなり低下する。このことは、本発明の範囲内で提案されている方法の効率が特に高いことを意味している。本発明による融蝕法は経済的に利用することができる。
【0011】
加熱エレメントは好ましくは直接加熱される。というのは、そうすることにより、プラントを特に簡単な方法で建設することができるからである。あるいは又、間接加熱を行うこともできる。加熱エレメントは好ましくはガスバーナにより直接加熱される。この目的のためには、熱分解生産チャー(char)の燃焼から回収された煙道ガスを使用するのが好ましい。熱分解中に回収されたチャーは比較的高いエネルギー含量又は熱的価値を有しており、従って、チャーの品質は、必要な工程エネルギーを燃焼により生成するのには通常は十分である。また、電気加熱が好ましいことが明らかになっている。その利点は、温度プロフィールの正確な制御にある。
【0012】
本発明による方法の効果的な実施形態によれば、加熱エレメントとバイオマスは熱分解中に相対移動させられる。これにより、加熱エレメントをバイオマスに対して、バイオマスを加熱エレメントに対して移動させることが可能になる。好ましい実施形態によれば、加熱エレメントとバイオマスは熱分解中に相対移動する。この相対移動により、融蝕熱分解のエネルギー的に特に有利な進行が可能になる。
【0013】
好ましい実施形態によれば、加熱エレメントは熱分解中に回転し、バイオマスは圧力の下で加熱エレメントに対して前進させられる。この実施形態においては、バイオマスの動きにより決まる加熱エレメントとバイオマスを供給するための手段の軸方向を斜めに、好ましくは約10°を超える角度に配置するのが効果的であることが知見された。加熱エレメントが斜め方向であることによりもたらされる‐バイオマスの運動の方向に関する‐この配置により、融蝕熱分解にとって有利な圧力分布が得られ、熱分解産物の取出しが容易になる。
あるいは又、‐加熱エレメントに関する供給に加えて‐、バイオマスは第2の運動を、好ましくは静止又は回転する加熱エレメントに対して回転運動を行うこともできる。
【0014】
本発明による方法の効果的な実施形態によれば、バイオマスを供給するための手段は同時にバイオマスを搬送するための手段として設計されている。この状況においては、供給手段はU字状の異形財又は箱状の異形材の形とすることができ、圧力ローラ、圧力ピストン、又は通常は上ループを使用するチェーンコンベヤにより、バイオマスが加熱エレメントに押付けられる。しかしながら、押出機、ウォームコンベヤ、又は配列搬送ロールを備えることもでき、それにより、熱分解すべきバイオマスが加熱エレメントに供給され、押付けられる。
【0015】
熱分解すべきバイオマスは加熱エレメントの全ての加熱される表面に適用されるわけではない。それどころか、熱分解すべきバイオマスは加熱エレメントの一部分を占めるにすぎない。加熱エレメントと1つ又は複数のバイオマスを供給するための手段は、バイオマスを供給するための手段の横断面積が全体で、熱分解中は、加熱エレメントの表面積の1%〜80%、好ましくは2%〜75%、特に好ましくは5〜70%、効果的には加熱エレメントの表面積の6〜50%を占めるように配置されている。複数の供給手段と、必要に応じて、バイオマスを搬送するための手段を備え、それらが圧力の下でバイオマスを加熱エレメントに押付けることにより、この方法とプラントの経済性が向上する。これにより、融蝕熱分解中の加熱エレメント上及びバイオマスと加熱エレメントの界面において、均一な温度プロフィールが維持される。
【0016】
本発明による方法を実施するために、熱分解産物を回収するための手段を備えられているのが適切である。これらの手段は、重力又はサイクロンにより、固体が液体又は気体熱分解産物から分離されるように、設計されているのが効果的である。これらの回収手段は、好ましくはハウジングの形であり、融蝕熱分解による全ての分解産物が、すなわち、気体、液体及び固体材料が回収され、以降の処理又は利用のために送られるように、加熱エレメントと少なくとも部分的に加熱エレメントに押付けられるバイオマスの周囲のスペースを包んでいる。熱分解産物を回収するための手段は、好ましくは、一次熱分解産物の滞留時間が、ほぼ上記の好ましい期間内で、可能な限り短くなるように設計されている。
効果的には、回収手段は、特に熱分解産物を分留し、凝縮させるための処理手段に連結されている。
【0017】
全収率に関する熱分解産物の収率は、使用されるバイオマスに関して、液体の主として有機成分が最大70重量%、固体成分と気体成分がそれぞれ約15%である。液体成分のエネルギー含量は通常は約16〜約18MJ/kgである。
【0018】
バイオマスを供給するための手段と、必要に応じて、加熱エレメントは、通常はビーム又はフレームに取付けられる。このビームにより、熱分解中に適用しなければならない高い圧力が吸収される。少なくとも2つの加熱エレメントと2つのバイオマスを供給するための手段を鏡像方式でそれぞれ配置することが特に効果的であることが明らかになっており、この場合、加熱エレメントは好ましくは中心に取付けられ、バイオマスを供給するための手段は外側に取付けられる。特に機械的理由から、この構造は、融蝕熱分解中に発生する高い圧力を吸収するために特に効果的である。
【0019】
効果的には、本実施形態においては、直接又は間接の熱エネルギーを発生させるための手段としては、単一のガスバーナで十分である。熱分解産物を回収するための手段は、同様に、少なくとも2つの加熱エレメントと‐少なくとも部分的に‐バイオマスを供給するための手段を含む一体型ハウジングとして経済的に構成することもできる。材料の流れが比較的多い場合は、同様に、例えば凝縮又は分留プラントにおける比較的多量の熱分解産物の処理が優れている。
【0020】
さらなる好ましい実施形態はバイオマスの供給手段に関する。これらの手段をリボルバーシリンダのように配置し、‐加熱エレメントに対して‐回転させることが特に経済的であることが明らかになっている。それを行う際には、搬送手段は、各供給手段に対して、内部に収容されているバイオマスの熱分解に必要な圧力を適用する。1回転するごとに、バイオマスのかなりの部分が、必ずしも各供給手段の中に収容されている全てのバイオマスではないが、熱分解産物に転換される。
【0021】
供給装置への再装入がここで本発明によれば所定の位置において行われ、その位置には、バイオマスを供給するための手段への再装入のための装置が、通常はホッパが備えられている。簡単な実施形態においては、ホッパは、バイオマスを圧縮し、圧縮されたバイオマスを供給手段に入れるように設計されている。バイオマスのタイプとプラント要件に応じて、この場合における圧縮とは、簡単な突固め、不可欠な脱気、又は、例えばペレット化までの比較的強い圧縮を意味し、この比較的強い圧縮の場合は、バイオマスは圧縮され、出発原料よりも高い密度を有する。これらの極端な事例の間で、突固めの全ての中間段階が可能である。
【0022】
さらなる改良実施形態によれば、再装入のための手段には、再装入すべきバイオマスを供給するための手段の空き収容能力を記録するための手段が備えられている。それに加えて、この再装入のための手段には、再装入すべきバイオマスの量を計算するための手段が備えられている。例えば、元のバイオマスの80%が熱分解により使用された場合は、80%しか再装入することができない。空き収容能力を記録するための手段がこれを再装入のための手段に伝えた場合は、再装入のための手段は多量のバイオマスを知らされた80%に相当する寸法に突固め、それをバイオマスを供給するための手段に供給する。あるいは又、バイオマスはすでに圧縮されており、かかる量だけが、バイオマスを供給するための手段が収容できるものとして分離される。
【0023】
以下では‐上記方法の説明をさらに分かりやすくするためにも‐本発明による方法を実施する際に使用される本発明による熱分解のためのプラントの実施形態について記述する。
バイオマスの熱分解のための装置には材料供給機と熱分解ステーションが備えられ、材料供給機は、5バール〜80バールの圧力を発生させ、熱分解すべき原料を前記熱分解ステーションに押付けるための手段を含み、熱分解ステーションは、運転状態において温度300℃〜1000℃に加熱される加熱ステーションを含む。
【0024】
本発明によるプラントは、耐熱材料、好ましくは、金属、セラミック、又は金属成分とセラミック成分を含む材料製で、駆動手段を備えた加熱エレメントを含む。駆動手段は加熱エレメントを運転状態において回転させる。加熱エレメントは、分解すべきバイオマスが運転状態において押付けられる作業表面を有する。加熱エレメントに対向する側面には、すなわち、加熱表面には、直接又は間接加熱のための装置が備えられている。好ましくは、オープン石炭バーナが備えられており、その燃焼ガスが熱分解により製造されたチャーから回収される。チャーのエネルギー含量が複雑な処理又は長い輸送無しで直ちに十分に利用されるので、この形態の直接加熱は効率が高く、しかも経済的である。
【0025】
加熱エレメントは上記耐熱使用材料からなる。加熱エレメントは平面又は弓形パネルの形状であり、任意にセグメントから構成することもできる。好ましくは円形パネルとして設計されており、好ましくは異形材を含む。必要に応じて、異形材加熱エレメントの作業表面にはグルーブを備えることもできる。グルーブは、半径方向に配置されている場合は、融蝕製造熱分解産物の取出しに特に好適である。
【0026】
作業表面に対向して、バイオマスを加熱エレメントに供給するための手段が備えられている。この手段は、上記のように、個々のプラントの要件に応じて、様々な構造に設計することができる。U字状の異形材の使用が好ましく、その開放上側の上方には、バイオマスを加熱エレメントに供給するために、ホッパが、例えば、シャフトが備えられている。U字状の異形材は第1開放端面が加熱エレメントの作業表面のすぐ前方まで突出している。好ましくは、バイオマスを搬送するための手段としての液圧/空気圧ピストンが第2開放端面と係合している。圧力ピストンは同様にU字状の異形材の中を案内されて、内部に収容されているバイオマスを加熱エレメントの作業表面に押付ける。シャフトの中に収容されたバイオマスが熱分解されると、圧力ピストンは戻され、シャフトに割り当てられたホッパから新しいバイオマスが供給され、そのバイオマスは圧力ピストンにより圧縮され、加熱エレメントに押付けられる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数のこれらのU字状の異形材は、通常は4〜12であるが、対応するホッパと液圧ピストンとともに、作業表面の前方に備えられている。これらのU字状の異形材は全作業表面の約1%〜約85%、好ましくは約2%〜約75%、効果的には約5〜約70%、特に好ましくは全作業表面の約6〜50%を占める。作業表面は一部が熱分解すべきバイオマス又は熱分解済みのバイオマスを押付けるだけであり、その後には自由に、邪魔されずに回転するので、特に均一な熱分解の進行が保証される。バイオマスに押付けられ、バイオマスへの熱の放出により冷却される個々の部分の間の作業表面は、再び必要な温度に加熱され、その結果として、均一かつ完全にバイオマスを分解することができる。バイオマスの融蝕熱分解により放出される気体成分と固体成分は回収され、さらに利用される。
【0028】
あるいは又、本発明による装置は、移動手段が供給手段のために備えられるように設計することもでき、この移動手段は、熱分解中に、供給手段を回転させ、静止加熱エレメントの先まで案内する。
圧力を発生させるための手段は好ましくは液圧ピストンとして設計されている。この手段は最大200バールの圧力をバイオマスに、そしてバイオマスを通じて、加熱エレメントに適用する。従って、必要な運転圧力を正確に調整し、維持することができるように、これらの設備部分はしっかりと固定されている。あるいは又、圧力を発生させるための手段は、ウォームコンベヤ、押出機又はロールコンベヤとして設計することもできる。その場合、圧力を作り出すための手段は同時にバイオマスを供給する手段の機能も果たすことになる。
【0029】
バイオマスが融蝕熱分解される領域の周囲には、ハウジングが熱分解産物を回収するための手段として配置されており、床又はハウジングの下端には、第1下開口がそれぞれ備えられている。この開口は、重力により底に沈んだ固体熱分解産物を回収し、取出すために使用される。ハウジングの上端の少なくとも1つの第2開口が、運転状態において冷却される凝縮器に連結されている。固体は別として、当初は揮発性分解産物だけが熱分解により発生するので、これらの熱分解産物は最上部まで上昇し、そこで集められ、ハウジングでの最短可能滞留時間の後に、凝縮器により冷却され、その結果、液体相が得られ、この液体相は、必要に応じて、同時に分留される。液体熱分解生成物は主として有機性であるが、しかしながら、最大35%の水を含んでおり、従って、タール状留分と水溶性成分からなる。熱分解生成物を分留し、清浄するための通常の構成部品も、例えば、まだ存在している可能性のある固体又は捕集された物質を分離するサイクロン又は静電フィルタのような、分離及び濾過装置を含む。
【0030】
天然又は合成オリゴマー、天然又は合成ポリマー、リグノセルロース原料、ゴム、プラスチック及びそれらの材料の混合物、液体肥料、汚泥、特に下水汚泥、骨、皮革、羽根のような有機残留物、さらには、コーティング、ニス塗り、化粧、又はその他の表面処理木材のような環境上問題のある材料、最後に、残留工業用木材及び建築用木材を、熱分解用の原料として使用することもできる。
【0031】
バイオマスの熱分解のための本発明による装置は、上記のように、一方では材料供給機と他方では熱分解ステーションを含む。材料供給機には、熱分解すべきバイオマス用の実際の供給手段と、約5〜約200バールの接触圧力を熱分解ステーションに提供するための手段が備えられている。接触圧力を適用するための手段は通常は同時にバイオマスを熱分解ステーションに搬送するための手段でもある。装置の連続運転を保証するために、バイオマス用の供給機にはバイオマスを再装入するためのホッパが通常は備えられている。ホッパへの装入は手動でも自動でもよい。
【0032】
熱分解ステーションは、通常は金属及び/又はセラミック製のパネルである加熱エレメントが上に取付けられシャフトを含む。シャフトは駆動手段と変速機により回転させられる。さらに、熱分解ステーションは、加熱エレメントを運転状態において温度300℃〜1000℃に加熱する加熱装置を含む。
直接加熱が好ましいが、間接加熱を行うこともできる。直接加熱は、この方法により得られた固体熱分解産物を使用して、特にエネルギーとコスト節約効果の高い方法で行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施例を図によりさらに詳細に説明する。
図1は、材料供給機4と熱分解ステーション6がジョイントビーム8上に備えられた、熱分解のための装置2を示したものである。材料供給機4は、必要な接触圧力を熱分解ステーション6において発生させるための構成部品10を含む。ここでは、この構成部品10は液圧により圧力を発生させる(液圧構成部品10)。さらに、材料供給機4は、熱分解すべき原料用の供給手段12を含む。4つの並列供給手段12が備えられ、その各々が、専用の関連する駅圧構成部品10により、約5バール〜約200バールの必要な圧力を有する液圧ピストン(詳細は図示せず)を通じて作動させられる。同時に、液圧構成部品は熱分解ステーション6への原料の供給を行う。
【0034】
原料は供給ホッパ14を通じて供給手段12の中に供給される。1つのホッパ14がそれぞれの供給手段12に割り当てられている。ホッパ14への原料の装入は、いずれの場合にも、手動でも自動でも行うことができる。原理的には、原料供給機4は回転するように設計することもできる。これにより、熱分解中に、原料が熱分解ステーション6の加熱プレート上で回転することになる。しかしながら、図1に示した実施形態においては、材料供給機4は静止式である。
【0035】
熱分解ステーション6は、ジョイントビーム8上に支持された回収手段16を含む。回収手段16は、シャフト20が内部を貫通している変速機18を有する。材料供給機側の端部21に、シャフト20は、運転状態において加熱されるプレート22を有し、このプレート22は変速機18により回転させられる。シャフト20の他端部23には、駆動手段26が、この場合には、電気駆動手段が備えられ、回転状態において変速機18を、従って、プレート22を回転させる。さらに、シャフト20の第1端部21の領域には、加熱装置24が備えられ、プレート22を所定の運転温度に調節する。加熱装置24は好ましくは回収手段16の真上に配置されている。この場合は、加熱装置24はガスヒータであり、運転状態においてプレート22を直接加熱する。
【0036】
供給手段12が熱分解すべき原料を加熱される回転プレート22に押付ける位置においては、熱分解産物を回収するためのハウジング28が供給手段12の端部とプレート22を包んでいる。ハウジング28は、固体熱分解産物が重力により底に向かって分離され、回収容器30の中に集められるように設計されている。ハウジング28の中に回収される熱分解産物の大部分は気体であり、回収ダクト32を通じて凝縮装置(それ自体は公知のものであり、詳細には図示せず)と、必要に応じて、分留装置に供給される。もし必要であれば、サイクロン又は類似の分別又は分離装置が熱分解産物の収集の際に備えられる。
熱分解ステーション2は耐熱材料製、この場合は、金属製である。プレート22は耐熱・耐磨耗セラミック材からなる。
【0037】
図2は、ハウジング28(ここでは図示せず)により包まれた加熱エレメントとプレート22をそれぞれ、すなわち、熱分解ステーション22の詳細を示したものである。シャフト20上において、プレート22はフランジ34に回転不能に固定されており、フランジ34の直径はプレート22の直径とほぼ同じである。フランジ34とシャフト22は封止手段36により相互に封止されている。これにより、プレート22の固定を介しての熱分解産物の漏出や、熱分解ステーション2の駆動機構又は加熱装置の損傷が確実に防止される。プレート22はパイプ20により熱分解温度750℃に直接加熱される。
【0038】
例えば、古い家具、木材残留物、木材使用材料残留物等のような、熱分解すべき原料が破片として、通常は寸法5〜70cm又はそれ以下のプレカット又はペレット化材料の形でホッパ14の中に供給されるような方法で、熱分解ステーション2が運転される。しかしながら、汚泥、液体肥料、プラスチック等の形のバイオマスも何の問題もなく処理することができる。ホッパ14と供給手段12は、必要に応じて、例えば、ウォームコンベヤ又はその他の供給手段を使用することにより、使用される原料のタイプに適応させなければならない。原料はホッパ14を通じて供給手段12の中に入る。そこでは、液圧構成部品10により、圧力200バールが供給手段12の中の原料に適用される。原料は圧力200バールにより圧縮され、プレート22に押付けられる。
【0039】
プレート22は温度750℃に加熱される。この温度において、熱分解すべき原料は、プレート22のところで、すなわち、表面上だけにおいて、いずれの場合も原料とプレート22との界面において、無酸素状態で固体、液体及び気体成分に融蝕分解される。プレート22が供給手段12に対して回転するので、熱分解成分はプレート上に放出される。固体成分は重力により底に到達し、ハウジング28を通じて回収容器30に供給される。液体成分は気体状態に移行し、ハウジング28の上端において、すでに放出された熱分解ガスとともに回収され、回収ダクト32を通じて、凝縮装置と、必要に応じて、分留装置に供給される。
【0040】
運転状態においては、プレート22はモータ26と変速機18により回転させられ、加熱手段24により750℃に加熱される。熱分解すべき原料が入っている4つの供給手段12がプレート22の加熱される表面にもたれている。原料の熱分解中に、熱エネルギーが消費され、プレート22は冷える。4つの供給手段12がプレート22に当接することから、ギャップが形成され、しかも、プレート22の一部は、4つの供給手段12の先まで回転し、その過程で熱分解により熱を失った後に、再び750℃に加熱される。このことは、本発明によるプラントにおいては、可能な限り均一は温度プロフィールが維持され、熱分解生成物の組成が特に均質かつ完全である特に均一な熱分解が可能になることを意味している。原料の加圧表面とプレート22の作業表面との非常に好ましい割合は、プレート22の加熱される表面の35〜65%である。
【0041】
供給手段12の中のプレート22に供給されたバイオマスを使い尽くしてしまうと、供給手段12の中の各圧力ピストンに対する圧力が下げられ、圧力ピストンは、プレート22から離れたその開始位置に戻される。供給手段12には新しいバイオマスがホッパ14から装入され、供給手段12は、作業圧力が再び適用される圧力ピストンにより圧縮される。バイオマスはプレート22に押付けられ、熱分解が始まる。
加熱装置24は、好ましくは、回収容器30に回収された固体熱分解産物を使用するガスバーナとして設計されている。加熱材料の複雑な運搬を全く必要としないこのプレート22の直接加熱はエネルギー消費の点で特に効果的であることが明らかになっている。
【0042】
図3は、本発明による装置2の代替的実施形態の不可欠な構造用構成部品を示したものである。この実施形態の記述に際しては‐可能な場合は‐図1及び2と同じ参照符号を使用する。本実施形態においては、2つの熱分解ステーション6がビーム8上に鏡像状方式で配置されており、それらのビームはここでは2分割して図示されている。熱分解ステーション6の間の真ん中に配置すべき両面加熱ディスクはここには図示していない。加熱エレメントに対向している、ノズル40を備えた供給手段12は、ビーム8上に相互に心合わせされた状態で配置されている。ビーム8はジョイントサポート(ここには図示せず)に固定するのが好ましい。熱分解すべきバイオマス用の供給手段は、いずれの場合も、外側に備えられている。供給手段12は回転するように設計されており、供給手段12は熱分解中に毎分約3回転し、同様に、加熱ディスクは毎分約100回転する。
【0043】
供給手段12の上方の装置2の最上部に、静止ホッパ38が備えられている。バイオマスはホッパ38に供給され、ホッパの中で圧縮され、ホッパ12の断面と同じ形状にされる。ホッパ38には、圧縮されたバイオマスを測定するための手段が設けられている。測定された圧縮バイオマスは、ホッパ38から、ホッパ38の下方又は隣に配置された供給手段12の中に供給される。この方法により、全ての供給手段12にバイオマスを供給するには、1つのホッパ38で十分である。
【0044】
図3に示したホッパ38には、さらに、装填されるべき各供給手段12の空き収容能力を記録するための手段が設けられている。最も簡単な形態においては、これらの手段は光学検出手段である。あるいは又、装填されるべき各供給手段12の中にバイオマスが残っているかどうかを示す圧力ピストン10の位置を記録することもできる。記録手段が発する信号に応じて、ホッパ38は対応する量のバイオマスを圧縮し、それにより、バイオマスの寸法は、供給手段12の中の再装填のために利用可能なスペースに対応したものになる。この測定により、ホッパに到達する前に全てのバイオマスが熱分解されたかどうかに拘わらず、ホッパ38を通過した後に、各供給手段12への完全な装填が確実に行われることになる。同時に、この配置により、様々なサイズの供給手段12に単一のホッパ38から確実に装填を行うことが可能になる。バイオマスを装填すべきホッパの一般的な寸法は、例えば、最大幅約2cm、高さ約28cm、奥行き約15〜約30cmである。例えば、木材チップ又は木質繊維を処理する場合は、供給装置(ここには図示せず)がホッパ38の上流に設置され、バイオマスを連続的にシャフト幅約4cmから厚さ約2cmに圧縮し、圧縮されたバイオマスの長さは、中身の減ったシャフトの充填度に適応させる。供給手段12が完全に空になっていない場合は、長さを短縮した圧縮バイオマスが供給される。
【0045】
供給手段12とノズル40の配置により、図3に示した配置においては、等分された二つの装置2A,2Bが相互に逆に作動するので、力の状態が熱分解中に特に効果的に広がることになる。
加熱エレメント(ここには図示せず)とノズル40はジョイントハウジング(ここには図示せず)の中に配置されており、ジョイントガスバーナ又は2つの個別ガスバーナにより任意に加熱される。ノズル40のところに発生する熱分解産物は一緒に処理される。これは経済的運転にも貢献することになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】熱分解のための装置の概略図である。
【図2】ディスク形状の回転加熱エレメントである。
【図3】2つの加熱エレメントを含む熱分解のための装置の不可欠な構成部品の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱エレメント(22)とバイオマスを供給するための手段(12)を含む前記バイオマスの融蝕熱分解のための方法において、前記加熱エレメント(22)と前記バイオマスが熱分解中に圧力5バール〜200バールで相互に押付けられることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記圧力が5バール〜150バール、好ましくは10バール〜100バール、特に好ましくは10バール〜80バール、効果的には20バール〜60バールであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記加熱エレメント(22)が、運転状態において、温度300℃〜1000℃、好ましくは400℃〜800℃、特に好ましくは500℃〜700℃、効果的には550℃〜600℃に加熱されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記加熱エレメント(22)が、任意に、個々のセグメントから構成された平面又はアーチ形状のプレートであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記加熱エレメント(22)が、異形材プレート、好ましくはグルーブを含むプレートであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記加熱エレメント(22)として、好ましくは直径約20〜約300cmの円形プレートが使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記加熱エレメント(22)が金属及び/又はセラミック製であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
次の処理までの一次熱分解産物の滞留時間が約0.5〜約10秒、好ましくは5秒未満、特に好ましくは2秒未満に設定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
熱分解の前に、前記バイオマスが粒度約0.5mm〜約70cm、好ましくは約5cm〜約50cm、特に好ましくは約15cm〜約30cmに破砕されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記加熱エレメント(22)が直接加熱又は間接加熱のための装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記バイオマスが、前記加熱エレメント(22)に対する前進運動に加えて、第2の運動を、好ましくは静止した前記加熱エレメント(22)に対して回転運動を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
熱分解中に、前記バイオマスと前記加熱エレメント(22)が相対移動させられ、前記加熱エレメント(22)と前記供給手段(12)が、前記加熱エレメント(22)に対する前記バイオマスの供給の方向により決まる軸に関して、10°を超える角度で相対的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記加熱エレメント(22)が熱分解中に回転することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
熱分解中に、前記バイオマスが前記加熱エレメント(22)に対して移動させられることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記バイオマスを供給するための前記手段(12)が、内部において前記バイオマスが搬送手段(10)により供給されるU字状の異形材又は箱状の異形材として設計されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記供給手段(12)が押出機又はウォームコンベヤの形をとるか、又はローラフィーダとして設計されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
複数の前記バイオマスを供給するための手段(12)が加熱エレメント(22)に備えられていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記供給手段(12)が圧力ピストン、チェーンコンベヤ(上ループ)又は加圧ロールの形をとることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
加熱エレメント(22)と1つ又は複数の前記バイオマスを供給するための手段(12)を含み、前記バイオマスを供給するための手段(12)の断面積が全体で、熱分解中は、前記加熱エレメント(22)の表面積の1%〜80%、好ましくは2%〜75%、特に好ましくは5〜70%、効果的には前記加熱エレメント(22)の表面積の6〜50%を占めることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
熱分解産物を回収するための手段(28)が備えられていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記熱分解産物、特に固体と気体の全てが回収されるように、熱分解中に前記加熱エレメント(22)と前記バイオマスを供給するための手段(12)が相互に支えあっている位置において、それらを包んでいるハウジング(28)が前記回収手段として備えられていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記熱分解産物を回収するための手段(28)は、重力又はサイクロンにより、固体が液体又は気体熱分解産物から分離されるように、設計されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記熱分解産物を回収するための手段(28)が、前記気体熱分解産物を分留するための装置を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記加熱エレメント(22)を加熱するためのエネルギーが、熱分解産物の、好ましくはチャーの燃焼により生成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項25】
天然又は合成オリゴマー、天然又は合成ポリマー、リグノセルロース原料、ゴム、プラスチック及びそれらの材料の混合物、液体肥料、汚泥、特に下水汚泥、骨、皮革、羽根のような有機残留物、残留木材切屑及び建築用木材がバイオマスとして使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
加熱エレメント(22)とバイオマスを供給するための手段(12)によるバイオマスの融蝕熱分解のための方法において、熱分解すべき材料からの熱の取出しよりも迅速に熱供給が行われることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法により製造される燃焼プラント用燃料。
【請求項28】
材料供給機(4)と熱分解ステーション(6)を含む、バイオマスを熱分解するための装置において、前記材料供給機(4)が、5バール〜80バールの圧力を発生させ、熱分解すべき原料を前記熱分解ステーション(6)に押付けるための手段を含み、前記熱分解ステーション(6)が、運転状態において温度300℃〜1000℃に加熱される加熱エレメント(22)を含むことを特徴とする装置。
【請求項29】
運転状態において前記加熱エレメント(22)を回転させる変速機(18)が備えられていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項30】
直接加熱用又は間接加熱用のいずれかに設計された加熱装置(24)が前記加熱エレメント(22)に備えられていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項31】
前記加熱エレメント(22)が金属及び/又はセラミック製であることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項32】
前記加熱エレメント(22)が、任意に、個々のセグメントから構成された平面又はアーチ形状のプレートであることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項33】
前記加熱エレメント(22)が、異形材プレート、好ましくはグルーブを含むプレートであることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項34】
前記加熱エレメント(22)が半径方向を向いた異形材を備えていることを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項35】
前記加熱エレメント(22)と前記供給手段(12)が、前記加熱エレメント(22)に対する前記バイオマスの供給の方向により決まる軸に関して、10°を超える角度で相対的に配置されていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項36】
移動手段が備えられており、前記移動手段により、熱分解中に、前記供給手段(12)が前記加熱エレメントに対して移動させられることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項37】
前記バイオマスを供給するための手段(12)が、内部において前記バイオマスが搬送手段(10)により供給されるU字状の異形材又は箱状の異形材として設計されていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項38】
前記供給手段(12)が押出機又はウォームコンベヤの形をとるか、又はローラフィーダとして設計されていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項39】
複数の前記バイオマスを供給するための手段(12)が前記加熱エレメント(22)に備えられていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項40】
前記搬送手段(10)が圧力ピストン、チェーンコンベヤ(上ループ)又は加圧ロールの形をとることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項41】
加熱エレメント(22)と1つ又は複数の前記バイオマスを供給するための手段(12)を含み、前記バイオマスを供給するための手段(12)の断面積が全体で、熱分解中は、前記加熱エレメント(22)の加熱される表面積の1%〜85%、好ましくは2%〜75%、特に好ましくは5〜60%、効果的には前記加熱エレメント(22)の加熱される表面積の6〜50%を占めることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項42】
熱分解産物を回収するための手段(28)が備えられていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項43】
前記熱分解産物、特に固体と気体の全てが回収されるように、熱分解中に前記加熱エレメント(22)と前記バイオマスを供給するための手段(12)が相互に支えあっている位置において、それらを包んでいるハウジング(28)が前記回収手段として備えられていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項44】
前記熱分解産物を回収するための手段(28)は、重力又はサイクロンにより、固体が液体又は気体熱分解産物から分離されるように、設計されていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項45】
前記熱分解産物を回収するための手段(28)が、前記気体熱分解産物を分留するための装置を含むことを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項46】
前記加熱エレメント(22)を加熱するためのエネルギーが、熱分解産物の、好ましくはチャーの燃焼により生成されるように設計された、エネルギーを発生させるための装置を備えていることを特徴とする請求項25記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−518787(P2006−518787A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501952(P2006−501952)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001858
【国際公開番号】WO2004/076591
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505311984)ピューテック テルモヒェーミッシェ アンラーゲン ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】