説明

バッテリパック

【課題】簡単な構造としながら、放電コネクタに雨水が浸水しても、浸入する雨水に起因するショート等の弊害を確実に防止する。簡単な構造で、充電コネクタからの雨水の浸入を確実に防止する。
【解決手段】バッテリパックは、複数の電池1を直列と並列に接続して収納してなる外装ケース40と、この外装ケース40に設けられて、内蔵する電池1を充電する充電コネクタ70を備えている。充電コネクタ70は、外装ケース40の側面に配設されると共に、この側面を下方に向かって対向面に接近するアンダーカット面52として、充電コネクタ70の端子挿入部70Aが水平よりも下方を向く姿勢で配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてアシスト自転車や電動自転車等の屋外で使用される電動機器の電源として使用されるバッテリパックに関し、とくに、電動機器に接続される充放電用のコネクタを防水構造とするバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
アシスト自転車や電動自転車等の大きな出力が要求される電源として、複数の電池を直列と並列に接続しているバッテリパックが使用される。このバッテリパックは、電池を直列に接続する数を多くして出力電圧を高くでき、また、並列に接続する数を多くして電流容量を大きくできる。
【0003】
また、アシスト自転車や電動自転車等のように、屋外で使用される電動機器の電源として使用されるバッテリパックは、風雨に晒される環境で使用されることから、放電用のコネクタや充電用のコネクタに雨水がかかるのを皆無にはできない。また、この種のバッテリパックは、電動機器に脱着できるように装着されるので、放電用のコネクタや充電用のコネクタを外部に表出するように設ける必要があって、この表出部分から雨水が浸入するのを確実に防止するのが難しい。放電用のコネクタや充電用のコネクタから雨水が浸入すると、内部の金属部分を腐食させて接触不良の原因となり、また、絶縁低下により漏電やショートの原因ともなる。ケースに浸入する雨水による弊害を有効に防止するバッテリパックは、開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−170537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるバッテリパックは、複数の電池を連結している電池コアの下にケースに浸入する水が流下するのを阻止する防水カバーを配設して、この防水カバーの下にプリント基板と放電コネクタと充電コネクタを配設している。この構造のバッテリパックは、ケースの下部を防水カバーで区画しているので、ケース内に浸入した水がプリント基板の部分に流下するのを防水カバーで阻止して、ケースに浸入した雨水に起因する故障を有効に防止できる。
【0006】
このバッテリパックは、ケースの側面である垂直面にコネクタ窓を設けて、このコネクタ窓から充電コネクタを外部に表出させている。充電コネクタは、充電時にのみ充電プラグを接続して使用されるので、通常は、コネクタ窓を開閉蓋で閉塞して、雨水の浸入を阻止している。ただ、開閉蓋は、必ずしも長期間にわたって雨水の浸入を確実に阻止できるとは限らない。たとえば、ユーザーが、充電コネクタのコネクタ窓を開閉蓋で閉塞するのを忘れたり、あるいは走行中に開閉蓋が外れたり、あるいは又、経時的な劣化や損傷により、充電コネクタを開閉蓋で確実に閉塞できなくなることもある。このように、開閉蓋で確実に閉塞されない充電コネクタは、風雨にさらされる環境では、雨水が浸入するのを確実に阻止できなくなる。
【0007】
また、このバッテリパックは、ケースの底面にコネクタ窓を設けて、このコネクタ窓から放電コネクタを外部に表出しているので、ケースの底部が雨水に浸水すると、放電コネクタに内蔵される複数の出力端子が同時に雨水に浸かって、ショート等を起こすことがある。
さらに、放電コネクタや充電コネクタとして防水機能を有するものも開発されている。ただ、これらのコネクタは、非常に高価であって、製造コストが高くなる等の問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単な構造としながら、充電コネクタからの雨水の浸入を確実に防止できるバッテリパックを提供することにある。
さらに、本発明の他の大切な目的は、簡単な構造としながら、放電コネクタに雨水が浸水しても、浸入する雨水に起因するショート等の弊害を確実に防止できるバッテリパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明のバッテリパックは、複数の電池1を直列と並列に接続して収納してなる外装ケース40と、この外装ケース40に設けられて、内蔵する電池1を充電する充電コネクタ70を備えている。充電コネクタ70は、外装ケース40の側面に配設されると共に、この側面を下方に向かって対向面に接近するアンダーカット面52として、充電コネクタ70の端子挿入部70Aが水平よりも下方を向く姿勢で配置している。
【0010】
以上のバッテリパックは、簡単な構造としながら、充電コネクタからの雨水の浸入を確実に防止できる特長がある。それは、以上のバッテリパックが、充電コネクタを、外装ケースの側面に配設すると共に、この側面を下方に向かって対向面に接近するアンダーカット面として、充電コネクタの端子挿入部を水平よりも下方を向く姿勢で配置しているからである。このように、端子挿入部が下方を向く姿勢で配置される充電コネクタは、風雨に晒される環境においても、雨水が端子挿入部に直接に吹き込むのを有効に防止できる。したがって、極めて簡単な構造で充電コネクタからの雨水の浸入を防止できる
【0011】
本発明のバッテリパックは、外部に電力を出力する放電コネクタ60を備えて、この放電コネクタ60を、外装ケース40の垂直面40Xに配設すると共に、複数の出力端子62を上下に離して配置することができる。
以上のバッテリパックは、簡単な構造としながら、放電コネクタに雨水が浸水しても、浸入する雨水に起因するショート等の弊害を確実に防止できる特長がある。それは、以上のバッテリパックが、放電コネクタを、外装ケースの垂直面に配設すると共に、複数の出力端子を上下に離して配置しているからである。このように複数の出力端子を上下に離して垂直面に配置する構造は、コネクタ部分が浸水しても、全ての出力端子が同時に浸水するのを確実に防止できるので、ショート等の弊害の発生を有効に防止できる。
【0012】
本発明のバッテリパックは、放電コネクタ60が、出力端子62の接続面を水平姿勢として、複数の出力端子62を互いに平行な姿勢で配列することができる。
以上のバッテリパックは、複数列の出力端子を水平な姿勢で上下に離して配列しながら、コネクタ部分の浸水時において、全ての出力端子が同時に浸水するのを確実に防止できる。
【0013】
本発明のバッテリパックは、外装ケース40を、筒部を有するケース本体41とこのケース本体41の開口部を閉塞する閉塞部43とで構成し、この閉塞部43の端面を垂直面40Xとして放電コネクタ60を配置して、閉塞部43の側面に充電コネクタ70を配置することができる。
以上のバッテリパックは、外装ケースを水平な姿勢としながら、閉塞部の端面である垂直面に配設される放電コネクタを電動機器に接続できる
【0014】
本発明のバッテリパックは、閉塞部43の内部において、放電コネクタ60から引き出される放電用リード線61と充電コネクタ70から引き出される充電用リード線71とを互いに異なる方向に引き出して配線することができる。
以上のバッテリパックは、放電用リード線と充電用リード線とを互いに異なる方向に引き出すので、放電用リード線と充電用リード線とを互いに干渉させることなく、また、他の部品との干渉を防ぎつつ、効率よく部品配置できる特長がある。
【0015】
本発明のバッテリパックは、閉塞部43が、垂直面40Xの内面に放電コネクタ60を収納する収納凹部55を備えて、この収納凹部55に放電コネクタ60を収納して、端子挿入部60Aを垂直面40Xに設けた開口窓51から外部に表出させると共に、収納凹部55の開口部を両面テープ65を介して接着される閉塞プレート64で閉塞し、さらに、放電コネクタ60から引き出される放電用リード線61を防水パッキン63を介して防水することができる。
以上のバッテリパックは、閉塞部の内側に配置される放電コネクタを、簡単な構造で確実に防水構造にできる。
【0016】
本発明のバッテリパックは、充電コネクタ70が、コネクタ本体部70Bから引き出される充電用リード線71の引き出し部を絶縁部72で防水構造とすることができる。この絶縁部72は、コネクタ本体部70Bの後端部に連結してなる絶縁チューブ73と、この絶縁チューブ73に充填してなる絶縁樹脂74とすることができる。
以上のバッテリパックは、簡単かつ安価に、充電コネクタに防水機能を設けて、充電コネクタから引き出される充電用リード線を防水できる。
【0017】
本発明のバッテリパックは、自転車90Aの駆動用の電源として、自転車90Aの荷台部分に水平姿勢で搭載することができる。
【0018】
本発明のバッテリパックは、自転車90Aが、車体を傾斜姿勢で保持するスタンド98を片側に有して、このスタンド98を有する側の側面に充電コネクタ70を配置することができる。
以上のバッテリパックは、自転車のスタンド側の側面に充電コネクタを配置しているので、スタンドを介して傾斜姿勢で自転車を駐輪する状態において、充電コネクタの端子挿入部を、さらに下向きの姿勢として、充電コネクタからの雨水の浸入をより確実に阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例にかかるバッテリパックの底面斜視図である。
【図2】図1に示すバッテリパックの背面から斜視図である。
【図3】図2に示すバッテリパックの分解斜視図である。
【図4】図2に示すバッテリパックの外装ケースの一方の端部の分解斜視図である。
【図5】図2に示すバッテリパックの外装ケースの他方の端部の分解斜視図である。
【図6】図4に示す外装ケースの閉塞部の正面図である。
【図7】図6に示す閉塞部の分解斜視図である。
【図8】図7に示す閉塞部を背面から見た分解斜視図である。
【図9】図1に示すバッテリパックを電動機器に装着する状態を示す拡大断面図である。
【図10】充電コネクタの絶縁部の成形工程を示す図である。
【図11】図2に示すバッテリパックの垂直横断面図であって、図12のXI−XI線断面図である。
【図12】図3に示すバッテリパックのコアパックの断面図であって、図11のXII−XII線断面に相当する図である。
【図13】図3に示すバッテリパックのコアパックの斜視図である。
【図14】図13に示すコアパックの分解斜視図である。
【図15】電池ブロックの分解斜視図である。
【図16】図15に示す電池ブロックの背面斜視図である。
【図17】サブ電池ブロックの分解斜視図である
【図18】コアパックの製造工程を示す斜視図である。
【図19】本発明の一実施例にかかるバッテリパックを電動機器に装着する一例を示す側面図である。
【図20】本発明の一実施例にかかるバッテリパックを電動機器に装着する他の一例を示す垂直断面図である。
【図21】本発明の他の実施例にかかるバッテリパックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのバッテリパックを例示するものであって、本発明はバッテリパックを以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0021】
本発明のバッテリパックは、主として、屋外で使用される電動機器に装着されて、駆動用のモータに電力を供給する電源として使用される。本発明のバッテリパックは、たとえば、アシスト自転車、電動自転車、電動バイク、電動車椅子、電動三輪車、電動カート等の電動の乗り物である電動機器に使用され、あるいは、電動耕耘機、電機草刈り機、電動遊具等の電動機器に駆動用の電源として使用される。ただ、本発明はバッテリパックの用途を特定するものではなく、電動工具等の屋外で使用される種々の電動機器用の電源として使用することもできる。
【0022】
図1ないし図18は、本発明の一実施例にかかるバッテリパックを示している。これらの図に示すバッテリパック100は、複数の電池1を直列と並列に接続してなる外装ケース40と、この外装ケース40に設けられて、外部に電力を出力する放電コネクタ60と、外装ケース40に設けられて、内蔵する電池1を充電する充電コネクタ70とを備えている。放電コネクタ60は、外装ケース40の垂直面40Xに配設しており、充電コネクタ70は、外装ケース40の側面に配設している。バッテリパック100は、複数の素電池1を接続してなる電池ブロック3をリード板5で連結してなる電池のコアパック10を外装ケース40に収納している。
なお、本明細書において、外装ケースの垂直面とは、バッテリパックを電動機器に装着する状態で垂直な姿勢となる面を意味するものとし、バッテリパックの上下方向は、外装ケースを電動機器に装着する状態における上下方向を意味するものとする。ただし、垂直な姿勢とは、垂直方向から多少は傾斜する姿勢も含む広い意味で使用する。
【0023】
図のバッテリパック100は、図2に示す水平姿勢として、図の矢印で示す方向に移動して、電動機器にセットされる。図19は、アシスト自転車や電動自転車等の自転車90Aである電動機器90に、バッテリパック100をセットする状態を示している。図に示す自転車90Aは、バッテリパック100を、荷台部分にセットするようにしている。図の自転車90Aは、バッテリパック100がセットされる装着部91を、後輪96の上方であって荷台95の下方に設けており、この装着部91にバッテリパック100を挿入して定位置にセットするようにしている。さらに、図に示す自転車90Aは、バッテリパック100の先端面に設けた放電コネクタ60が接続される入力端子92をサドル97の下方に設けている。このバッテリパック100は、装着部91に水平な姿勢で挿入されると共に、先端の放電コネクタ60が入力端子92に接続されて定位置に配置される。図示しないが、電動車椅子、電動三輪車、電動カート等の荷台のない乗り物は、例えば、座部の下に水平姿勢でセットすることができる。
【0024】
[外装ケース]
外装ケース40は、筒部を有するケース本体41と、このケース本体41の開口部を閉塞する閉塞部42、43とを備える。図の外装ケース40は、ケース本体41を、両端を開口してなる筒体とし、この筒状のケース本体41の両端開口部を閉塞部42、43で閉塞して、内部に電池のコアパック10を収納している。ただ、外装ケースは、ケース本体を、一方の端面のみを開口させた有底の筒状として、ひとつの閉塞部で端面開口を閉塞する構成とすることもできる。
【0025】
ケース本体41は、強度と放熱性に優れた、例えばアルミニウム等の金属製としている。図のケース本体41は、厚さよりも横幅を広くした長方形の筒形であって、両端を開口した角筒状に成形している。筒状のケース本体41は、例えば、アルミニウムを引き抜き成形して作製される。有底の筒状であるケース本体は、アルミニウム板をプレス成形して作製される。ケース本体41は、図において上下に配置される2枚の対向面の内面に、長さ方向に伸びる凸条44を一体的に設けて、この凸条44によって強度を高くしている。図のケース本体41は、対向面の両側に、互いに平行に凸条44を設けている。この凸条44は、図3に示すように、後述する電池ホルダー4の外周面であって、ケース本体41との間にできる谷間スペース49に配置している。この谷間スペース49として、後述する保持筒20の谷間や電池ホルダー4のコーナー部にできるデッドスペースが利用できる。この谷間スペース49に凸条44を配置することにより、電池のコアパック10を位置ずれしないように外装ケース40の内部の定位置に保持している。これらの凸条44は、中央部に長さ方向に伸びる縦溝45を設けており、凸条44の両端において、この縦溝45の開口端をねじ穴46としている。このねじ穴46に、閉塞部42、43を貫通する止ネジ47をねじ込んで、ケース本体41の両端に閉塞部42、43を固定している。さらに、外装ケース40は、金属製のケース本体41を絶縁するため、表面をラミネートフィルムやビニールなどで被覆することもできる。
【0026】
閉塞部42、43は、硬質のプラスチック製としている。ただ、閉塞部も金属製とすることができる。閉塞部42、43は、ケース本体41の開口端を閉塞できるように、ケース本体41の開口部と同じ形状に形成している。この閉塞部42、43は、長辺である上下の両側部でねじ止めして、ケース本体41に固定している。さらに、外装ケース40は、ケース本体41の開口部と閉塞部42、43との間にリング状のパッキン48を挟着して、両端の開口部を防水構造で閉塞している。
【0027】
閉塞部42、43は、端面プレート42A、43Aの周囲に周壁42B、43Bを連結してなる形状としており、この周壁42B、43Bの端面にリング状のパッキン48を嵌入するリング溝42C、43Cを設けている。さらに、閉塞部42、43は、上下に位置する周壁42B、43Bの内側に突出して、止ネジ47を挿通するボス42D、43Dを設けており、このボス42D、43Dに挿通される止ネジ47を閉塞部42、43に貫通させてケース本体41にねじ込むようにしている。閉塞部42、43は、ケース本体41の両端の開口部に、各々ネジ止めして固定されて、筒状のケース本体41の両端を防水構造で閉塞する。図3と図5に示す一方の閉塞部42は、周壁42Bを低く成形して、外装ケース40の外形を小さくしている。なお、有底のケース本体においては、この閉塞部を省略する。さらに、図4ないし図6に示す他方の閉塞部43は、周壁43Bを高く成形して、閉塞部43の内部に、放電コネクタ60と充電コネクタ70を収納する収納部50を設けている。
【0028】
閉塞部43は、内蔵される電池1の電力を外部に出力する放電コネクタ60と、内蔵される電池1を充電する充電コネクタ70とを備えている。図の閉塞部43は、外装ケース40の垂直面40Xとなる端面に放電コネクタ60を配置している。閉塞部43は、端面プレート43Aに開口窓51を開口しており、この開口窓51の内側に放電コネクタ60を配置して、放電コネクタ60を開口窓51から外部に表出させている。さらに、閉塞部43は、一方の側面であって、外装ケース40の側面となる周壁43Bに充電コネクタ70を配置している。閉塞部43は、充電コネクタ70が配置される側面を、下方に向かって対向面(反対側の側面)に接近するアンダーカット面52として、このアンダーカット面52に、充電コネクタ70を配置している。閉塞部43は、このアンダーカット面52に、貫通穴53を開口しており、この貫通穴53に充電コネクタ70のコネクタ本体部52Bを挿通して、充電コネクタ70の端子挿入部70Aが水平よりも下方を向く姿勢となるように、充電コネクタ70をアンダーカット面52に配置している。このように、充電コネクタ70を配置する側面を下方に向かって対向面に接近するアンダーカット面52として、充電コネクタ70の端子挿入部70Aを下向きに配置する構造は、電動機器に装着されるバッテリパックが風雨に晒される環境においても、雨水が充電コネクタ70の内部に浸入するのを有効に防止できる特徴がある。
【0029】
図の閉塞部43は、端面プレート43Aの片側に放電コネクタ60を配置して、反対側の側面に充電コネクタ70を配置している。すなわち、閉塞部43は、放電コネクタ60と充電コネクタ70とを左右の反対側に配置している。図1に示す閉塞部は、端面プレート43Aの左側に放電コネクタ60を配置し、右側の側面に充電コネクタ70を配置している。このバッテリパック100は、図20に示すように、車体を傾斜姿勢で保持するスタンド98を片側に有する自転車90Aに搭載する状態において、このスタンド98を有する側の側面に充電コネクタ70を配置できる。図のバッテリパックは、自転車90Aのスタンド98側の側面に充電コネクタ70を配置しているので、自転車90Aを傾斜姿勢で駐輪する状態において、充電コネクタ70の端子挿入部を、さらに下向きの姿勢として、充電コネクタ70からの雨水の浸入をより確実に阻止できる。ただ、閉塞部は、端面プレートの右側に放電コネクタを配置して、左側の側面に充電コネクタを配置することもできる。
【0030】
[放電コネクタ]
放電コネクタ60は、図9に示すように、電動機器の入力端子92に接続される複数の出力端子62を備えている。放電コネクタ60は、外装ケース40の垂直面40Xに配置されており、複数の出力端子62を上下に離して配列している。図の放電コネクタ60は、垂直面40Xに設けた開口窓51から表出する端子挿入部60Aに、複数列の横溝60Bを上下に離して平行に設けており、この横溝60Bの内部に弾性接点である出力端子62を配設している。弾性接点である出力端子62は、図9に示すように、横溝60Bに挿入される板状の入力端子92を両側から弾性的に挟着して、入力端子92に電気接続される。図の放電コネクタ60は、出力端子62の接続面を、横溝60Bに沿った水平姿勢として、複数の出力端子62を互いに平行な姿勢で配列している。図の放電コネクタ60は、3列の出力端子62を備えている。ただ、出力端子は、2列とすることも、4列以上とすることもできる。3列以上の出力端子は、正負の出力端子と通信端子とすることができる。以上の放電コネクタ60は、図9と図19に示すように、バッテリパック100を電動機器90の装着部91に装着する状態で、電動機器90に設けた入力端子92に接続される。図のバッテリパック100は、閉塞部43の端部の片側に、放電コネクタ60を内蔵してなる段差凸部54を設けており、この段差凸部54を電動機器90に設けた連結凹部94に嵌入して、放電コネクタ60を電動機器90の定位置に連結して、出力端子62を入力端子92に接続するようにしている。
【0031】
放電コネクタ60は、防水構造で閉塞部43に配置される。閉塞部43は、図8と図9に示すように、段差凸部54の内側に、放電コネクタ60を収納する収納凹部55を設けている。収納凹部55は、底面である端面プレート43Aに開口窓51を開口しており、この開口窓51に放電コネクタ60の端子挿入部60Aを配置して出力端子62を外部に表出させている。さらに、放電コネクタ60から引き出される放電用リード線61を一対の防水パッキン63で挟着して、放電コネクタ60を防水構造で収納凹部55に収納している。図8に示す閉塞部43は、収納凹部55に隣接して、ブロック状の防水パッキン63を収納する嵌合凹部56を設けている。嵌合凹部56は、両側に隔壁57を備えており、対向する隔壁57で防水パッキン63を定位置に保持している。この隔壁57は、中央部に切欠部57Aを設けており、嵌合凹部56に圧入される防水パッキン63で挟着される放電用リード線61を切欠部57Aに案内している。さらに、閉塞部43は、収納凹部55と嵌合凹部56の開口部を閉塞プレート64で閉塞している。閉塞プレート64は金属プレートで、両面テープ65を介して収納凹部55と嵌合凹部56の開口部に貼着すると共に、止ネジ66を介して閉塞部43の内面に固定して、収納凹部55に収納される放電コネクタ60と、嵌合凹部56に収納される防水パッキン63とを防水構造で閉塞している。両面テープ65は、好ましくは、発泡シートの両面に粘着層を有するものを使用する。この両面テープ65は、閉塞プレート64の内面を、収納凹部55と嵌合凹部56の開口縁部、及び防水パッキン63の表面に密着させて、確実に水密構造で閉塞できる。
【0032】
[充電コネクタ]
充電コネクタ70は、外装ケース40の側面に設けたアンダーカット面52に配置されており、充電器の充電プラグ(図示せず)が接続されて充電器から電力が供給される。図7と図8に示す充電コネクタ70は、アンダーカット面52の表面に配置される鍔部70Cと、この鍔部70Cに対して垂直な姿勢で連結してなるコネクタ本体部70Bとを備えている。図の充電コネクタ70は、鍔部70Cの中央部に配置されるコネクタ本体部70Bの先端に、充電器の充電プラグが接続される端子挿入部70Aを設けている。この充電コネクタ70は、アンダーカット面52に設けた貫通穴53にコネクタ本体部70Bを挿入して、鍔部70Cをアンダーカット面52の表面に固定している。充電コネクタ70は、鍔部70Cを貫通する止ネジ78を介して、アンダーカット面52に固定される。アンダーカット面52に固定される充電コネクタ70は、端子挿入部70Aが水平よりも下方を向く姿勢で配置される。図6に示すように、充電コネクタ70の端子挿入部70Aが水平よりも下方を向く俯角(α)は、3〜45度、好ましくは5〜30度とすることができる。バッテリパックは、端子挿入部70Aの俯角(α)を大きくして、より確実に雨水の浸入を防止できる。
【0033】
充電コネクタ70は、防水構造で閉塞部43に固定している。図7と図8に示すバッテリパック100は、アンダーカット面52の貫通穴53の周囲において、充電コネクタ70の鍔部70Cとアンダーカット面52との間にパッキン75を挟着しており、このパッキン75によって、貫通穴53からの水分の浸入を阻止している。図に示すパッキン75はゴムシートで、充電コネクタ70のコネクタ本体部70Bを挿入する貫通孔75Aを設けている。さらに、図に示すバッテリパック100は、充電プラグを接続しない状態でゴミ等の異物や水分が浸入するのを防止するために、充電コネクタ70の表面をカバーするコネクタカバー76を備えている。図に示すコネクタカバー76は、ゴムシートの中央部に筒部76Aを設けており、この筒部76Aを端子挿入部70Aに装着して充電コネクタ70をカバーするようにしている。図に示すコネクタカバー76は、折曲連結部77を介してパッキン75に連結されており、パッキン75と一体的に成形している。このコネクタカバー76は、充電コネクタ70を介してアンダーカット面52に固定されるパッキン75を介して閉塞部の定位置に配置される。コネクタカバー76は、充電コネクタ70に充電プラグを接続する状態で開かれ、充電コネクタ70に充電プラグを接続しない状態、すなわちバッテリパックを電動機器にセットする状態で充電コネクタ70の端子挿入部70Aを閉塞する。
【0034】
さらに、図に示す充電コネクタ70は、コネクタ本体部70Bから充電用リード線71を防水構造で引き出すために、充電用リード線71の引き出し部分に絶縁部72を設けている。図に示す絶縁部72は、コネクタ本体部70Bの後端部に連結してなる絶縁チューブ73と、この絶縁チューブ73に充填してなる絶縁樹脂74とからなる。絶縁チューブ73は、プラスチックシートまたはゴムシートを筒状に成形したもので、一方の端部をコネクタ本体部70Bの外周に沿って隙間なく被覆すると共に、他方の端部をコネクタ本体部70Bの後端部から突出させて、内側に充電用リード線71を挿通している。絶縁樹脂74は、シリコン等のプラスチック樹脂である。この絶縁部72は、図10に示すように、コネクタ本体部70Bの後端部に絶縁チューブ73を連結すると共に、この絶縁チューブ73の内部に絶縁樹脂74を充填して、充電用リード線71の引き出し部を絶縁樹脂74で防水構造に被覆している。この構造は、簡単かつ容易に、充電コネクタ70のコネクタ本体部70Bを防水構造としながら、充電用リード線71を引き出しできる。
【0035】
以上の放電コネクタ60と充電コネクタ70は、図6に示すように、閉塞部43に固定される状態で、放電コネクタ60から引き出される放電用リード線61と充電コネクタ70から引き出される充電用リード線71とを互いに異なる方向に引き出して配線している。閉塞部43の内部において、異なる方向に引き出される放電用リード線61と充電用リード線71は、互いに干渉することなく理想的に配線できる。このため、閉塞部43の内部の収納部50に放電コネクタ60と充電コネクタ70を省スペースに配置しながら、放電用リード線61と充電用リード線71とを無理な姿勢とすることなく安全かつスムーズに配線できる。
【0036】
以上のバッテリパックは、図19に示すように、外装ケース40の長手方向と横幅方向を水平な方向として電動機器90に装着する構造としている。ただ、本発明のバッテリパックは、必ずしも外装ケースの長手方向と横幅方向を水平な方向として電動機器に装着する必要はなく、図21に示すように、外装ケース240の長手方向を垂直姿勢として電動機器に装着することもできる。このバッテリパック200は、図において前面に位置する垂直面240Xの下端部に放電コネクタ260を配置して、複数の出力端子を上下に離して配列すると共に、外装ケース240の側面の一部(図においては下端部)を、下方に向かって対向面に接近するアンダーカット面252として、このアンダーカット面252に端子挿入部が水平よりも下方を向く姿勢で充電コネクタ270を配置している。
【0037】
[コアパック]
コアパック10は、図11ないし図14に示すように、複数の素電池1を多段多列に配列してなる複数の電池ブロック3を、素電池1の長手方向である長さ方向に積層して直線状に配置している。このコアパック10は、複数本の素電池1を並列に接続して並列ユニット2として出力電流を大きくすると共に、複数組の並列ユニット2を直列に接続して出力電圧を高くしている。
【0038】
[電池ブロック]
電池ブロック3は、図15と図16の分解斜視図に示すように、充電できる複数の素電池1を、多段多列に配置している。素電池1は、円筒形の充電できる二次電池で、リチウムイオン二次電池である。ただし、本発明は、素電池をリチウムイオン電池に特定せず、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池、リチウムポリマー電池等の充電できる他の全ての二次電池が使用できる。さらに、図のバッテリパックは、素電池1を円筒形電池とするが、素電池は角形電池とすることもできる。
【0039】
電池ブロック3は、複数の素電池1を、各々の素電池1の長手方向が同じ方向を向く平行な姿勢で配置している。電池ブロック3を構成する複数の素電池1は、複数組の並列ユニット2に分割されている。各々の並列ユニット2は、素電池1の両端の端面電極1Aに接続してなるリード板5でもって、並列ユニット2を構成する複数の素電池1を並列に接続している。複数組に分割された各々の並列ユニット2は、横一列に配置されると共に、互いに隣接する並列ユニット2同士では、素電池1の端面電極1Aの極性が逆向きとなるように配列している。さらに、電池ブロック3は、隣接して配置している並列ユニット2同士を、並列ユニット2を構成する素電池1を並列に接続してなるリード板5で直列に接続している。
【0040】
図の電池ブロック3は、複数の素電池1を、3組以上である奇数組の並列ユニット2に分割している。電池ブロック3が備える並列ユニット2を奇数組とするのは、複数の電池ブロック3を直線状に配置する状態で、互いに隣接する電池ブロック3の並列ユニット2をリード板5で連結して直列に接続するためである。図に示す電池ブロック3は、12本の素電池1を備えており、これらの素電池1を4本ずつ3組の並列ユニット2に分割している。ただ、電池ブロックは、3組以上である奇数組、例えば、5組や7組の並列ユニットを備えることができる。さらに、各々の並列ユニットを構成する素電池の本数も4本には特定せず、3本以下、または5本以上とすることができる。たとえば、電池ブロックは、図示しないが、6本の素電池で構成される並列ユニットを3組備えて、全体で18本の素電池を配置することも、3本の素電池で構成される並列ユニットを5組備えて、全体で15本の素電池を配置することもできる。
【0041】
このバッテリパックは、直列に接続する電池ブロック3の数で出力電圧を変更しながら、電池ブロック3を構成する並列ユニット2の数で横幅を自由に調整して、用途に最適な外形にできる特長がある。さらに、このバッテリパックは、隣接して配置している電池ブロック3の並列ユニット2を直列に接続するリード板5を中間で折曲して隣接する電池ブロック3を直線状に連結することにより、能率よく安価に組み立てできる特長がある。ただ、本発明のバッテリパックは、必ずしも、3組以上である奇数組の並列ユニットを備える複数の電池ブロックを直線状に配置してコアパックとする必要はない。本発明のバッテリパックは、外装ケースに内蔵される複数の電池の本数や配列、及び接続状態、さらに、複数の電池を備える電池ブロックの個数や配列、及び接続状態等を、現在すでに開発され、あるいは今後開発される全ての構成とすることができる。
【0042】
[電池ホルダー]
電池ブロック3は、素電池1を定位置に配置する電池ホルダー4を備えており、この電池ホルダー4でもって、電池ブロック3を構成する複数の素電池1を定位置に配置している。電池ホルダー4は、絶縁性に優れた部材、例えばプラスチック等で成形している。電池ホルダー4は、各々の素電池1を平行な姿勢として、素電池1の両端の端面電極1Aを同一面に位置させるように定位置に保持している。
【0043】
電池ホルダー4は、図15と図16に示すように、素電池1を挿通して保持する複数の保持筒20を備えている。電池ホルダー4は、複数の保持筒20を連結する形状に、一体的に成形している。各々の保持筒20は、素電池1の表面のほぼ全周に沿う筒状の挿通穴21を貫通して設けている。電池ホルダー4は、各々の挿通穴21に素電池1を挿通して、複数の素電池1を所定の位置に保持している。ただ、保持筒は、必ずしも電池の全周に沿う筒状に挿通穴21を開口する必要はない。図の電池ホルダー4は、上段中央部に位置する2列の保持筒20の上面を切除して表出開口22を設けており、この表出開口22から素電池1の外装缶を表出させている。図11と図12のバッテリパックは、電池ホルダー4の表出開口22から表出する素電池1の表面に温度センサ19を配設して、素電池1の温度を検出している。図のバッテリパックは、電池ホルダー4の中央部の上面に配置される基板ホルダ9の底面に、温度センサ19を固定している。
【0044】
図の電池ホルダー4は、12本の素電池1を、上下2段に配列すると共に、各段に配置される電池を6列として、2段6列に配列している。この電池ホルダー4は、各並列ユニット2を構成する4本の素電池1を2段2列に配列して、全体で3組の並列ユニット2を横一列に配置している。さらに、図に示す電池ホルダー4は、その中央部において、素電池1の軸が格子の交点に位置するように2段4列に素電池1を配置すると共に、両側に配置される上下2本の素電池1は、隣接する素電池1の谷間に配置する俵積みの姿勢となるように配列している。この形状の電池ホルダー4は、図11に示すように、両側に配置される保持筒20の上端が、中央部に配置される保持筒20の上端よりも上方に突出する。これにより、中央部の保持筒20の上面に、回路基板8を配置する収納スペースとなる収納凹部11を設けている。ただ、電池ホルダーは、必ずしも中央部の一面に凹部を設ける形状とする必要はない。電池ホルダーは、収納する全ての素電池の軸が格子の交点に位置するように配列する略長方形状とすることも、全ての素電池を俵積みの状態で配置する形状とすることも、格子状と俵積み状とを組み合わせた種々の形状として複数の素電池を配列することもできる。
【0045】
電池ホルダー4は、素電池1の中間で2分割してなる一対のセルホルダー4A、4Bからなる。一対のセルホルダー4A、4Bは、各々の素電池1の中央で保持筒20を2分割して成形している。2分割された各々のセルホルダー4A、4Bは、保持筒20に素電池1の両端部を挿入する状態で、素電池1を介して相対位置がずれないように連結される。中間で分割される保持筒20の挿通穴21は、分割端面4Y側から外側端面4X側に向かって次第に内径が小さくなるテーパー状に内面を成形しており、外側端面4X側において、挿通穴21の最も小さい内形を素電池1の外形にほぼ等しくしている。この保持筒20は、挿通穴21に素電池1をスムーズに挿入でき、また、素電池1を挿入する状態では、素電池1の端部を挿通穴21の保持筒20の外側端面4X側の内面に接触させて、素電池1を定位置に保持できる。このように、保持筒20を中間で分割する構造は、プラスチックを成形する金型の設計を簡単にして、プラスチック成形を容易にできる特長がある。
【0046】
さらに、一対のセルホルダー4A、4Bは、相対位置がずれないように連結するために、一方のセルホルダー4A(図15及び図16において右側)の分割端面4Yから突出する連結ボス24を設けると共に、他方のセルホルダー4B(図15及び図16において左側)の分割端面4Yには、この連結ボス24を嵌入する連結凹部25を設けている。図に示すセルホルダー4A、4Bは、多段多列に配列される複数の保持筒20の連結部であって、上下左右に格子状に設けられる4つの保持筒20の間にできる十字状の連結部23に連結ボス24と連結凹部25を設けている。この電池ホルダー4は、保持筒20の中心が格子の交点と一致するように配置することによって生じたデッドスペースである連結部23に、連結ボス24と連結凹部25を設けている。図に示す一対のセルホルダー4A、4Bは、左右両側の2ヶ所の連結部23に、連結ボス24と連結凹部25を対向して設けている。
【0047】
さらに、図に示す電池ホルダー4は、コアパック10の全体を貫通する貫通ネジ12を挿通する貫通孔26を開口している。この貫通孔26は、電池ホルダー4の中央部であって、前述の4つの保持筒20の間にできる十字状の連結部23に設けている。この電池ホルダー4は、スペースを有効利用しながら貫通孔26を設けることができる。この貫通孔26は、電池ホルダー4の両側の2ヶ所に設けており、前述の連結ボス24と連結凹部25の中心を貫通して設けている。
【0048】
分割して成形される一対のセルホルダー4A、4Bは、係止構造で連結している。一対のセルホルダー4A、4Bは、図13の一部拡大図に示すように、両側面に一体成形して設けてなる爪嵌合30によって互いに連結している。図15と図16の電池ホルダー4は、一方(図において左側)のセルホルダー4Bの両側面に係止凸部31を設けると共に、他方(図において右側)のセルホルダー4Aの両側面には、この係止凸部31を案内して係止する係止部32を設けている。図の係止部32は、他方のセルホルダー4Aの側面から一方のセルホルダー4Bの係止凸部31に向かって突出する突出片32Aを一体成形して設けると共に、この突出片32Aに、係止凸部31を案内する係止孔32Bを開口して設けている。係止部は、突出片の内側に係止凹部を設けて係止凸部を案内することもできる。以上の爪嵌合30は、突出片32Aを弾性変形させながら、係止凸部31をスムーズに係止孔32Bに案内して、一対のセルホルダー4A、4Bを簡単かつ容易に、しかも離れないように連結できる。ただ、爪嵌合は、一方のセルホルダーの側面から突出する突出片の内側に係止フックを設けて、他方のセルホルダーの側面に、この係止フックを案内する係止凹部を設けることもできる。さらに、2分割されたセルホルダーは、係止構造以外の連結構造、例えば、ネジ止めして連結することも、接着して連結することもできる。
【0049】
以上の電池ホルダー4は、2分割してプラスチックで成形しているが、本発明のバッテリパックは、電池ホルダーを以上の構造に特定しない。電池ホルダーは、複数の電池を所定の位置に保持できる他の全ての構造とすることができる。電池ホルダーは、たとえば、分割することなく全体を一体構造とすることも、3つ以上に分割する構造とすることもできる。
【0050】
さらに、電池ホルダー4は、挿通穴21に挿入される素電池1の端面電極1Aが、外側端面4Xから外側に突出するのを阻止する突出阻止部27を外側端面4Xに一体的に成形して設けている。この突出阻止部27は、挿通穴21に挿入される素電池1の端面電極1Aを外側端面4Xから表出させるが、端面電極1Aが開口端から突出しないように、挿通穴21の開口端縁から内側に突出して、挿通穴21の開口部に部分的に被さる状態で設けている。図15と図16の電池ホルダー4は、中央部において、複数の保持筒20の連結部23に、挿通穴21の開口部に被さる位置決ブロック27Aを設けると共に、外周部において、電池ホルダー4の外周縁から内側に突出する位置決凸条27Bを設けて突出阻止部27としている。この電池ホルダー4は、挿通穴21に挿通される素電池1の端面電極1Aに突出阻止部27が当接して素電池1の端面電極1Aが外側端面4Xから突出するのを阻止する。
【0051】
さらに、電池ホルダー4は、互いに隣接する電池ブロック3を、相対位置がずれないように連結するために、電池ホルダー4の一方の端面(図15及び図16において右側)に、位置決ブロック27Aから突出する連結ボス34を設けると共に、これと対向する反対側の端面(図15及び図16において左側)の位置決ブロック27Aには、この連結ボス34を嵌入する連結凹部35を設けている。これらの電池ホルダー4は、前述の連結ボス24と連結凹部25が設けられる連結部23に一体的に設けた位置決ブロック27Aに連結ボス34と連結凹部35を設けている。したがって、これらの連結ボス34と連結凹部35も、貫通ネジ12を挿通する貫通孔26を、その中心を貫通して開口している。互いに隣接する電池ブロック3は、一方の端面から突出する連結ボス34を他方の端面の連結凹部35に嵌入して相対位置がずれないように連結される。
【0052】
さらに、電池ホルダー4は、外側端面4Xに配置されるリード板5を嵌入する位置決凹部28を両端面に設けている。図の電池ホルダー4は、外側端面4Xから突出する位置決凸条27Bの内側であって、位置決ブロック27Aの外側の領域を、これらの突出阻止部27より一段低い段差部としてリード板5を嵌入する位置決凹部28としている。この位置決凹部28は、ここにリード板5を入れて定位置に配置している。
【0053】
[サブ電池ブロック]
さらに、図14に示す電池のコアパック10は、複数の電池ブロック3を直線状に配置してなる電池ブロック3の積層体10Aの一端に、サブ電池ブロック6を配置している。このサブ電池ブロック6は、電池ブロック3よりも少ない組数の並列ユニット2を備えている。図のコアパック10は、電池ブロック3の積層体10Aの一端にのみ、サブ電池ブロック6を配置しているが、サブ電池ブロックは、電池ブロックの積層体の両端に配置することもできる。
【0054】
サブ電池ブロック6は、図17に示すように、一対のセルホルダー7A、7Bからなるサブ電池ホルダー7を備えている。サブ電池ホルダー7は、電池ホルダー4よりも少ない組数の並列ユニット2を収納するので、保持筒20の本数を電池ホルダー4よりも少なくしている。図17に示すサブ電池ホルダー7は、4本の素電池1を収納できるように、4本の保持筒20を備えている。このサブ電池ホルダー7は、片側に(図17において手前側)に4本の素電池1を挿入する保持筒20を設けており、反対側は空洞としている。このサブ電池ホルダー7は、この空洞部分をコネクタ等の部品の配置スペースとして利用することもできる。ただ、サブ電池ホルダーは、サブ電池ブロックに配置する素電池の本数に応じて保持筒の数を種々に変更できる。
なお、サブ電池ホルダー7について、前述の電池ホルダー4と同じ構成要素については、同符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0055】
図14に示す電池のコアパック10は、4本の素電池1をそれぞれ並列に接続すると共に、互いに隣接する並列ユニット2同士を直列に接続することで、ひとつの電池ブロック3において12本の素電池1を3直4並に接続している。さらに、このような電池ブロック3を3個、直列に接続して、計36本の素電池1を9直4並に接続している。さらにまた、サブ電池ブロック6に収納する4本の素電池1を並列ユニット2として、電池ブロック3の積層体10Aと直列に接続することで、3つの電池ブロック3と1つのサブ電池ブロック6を組み合わせて、合計40本の素電池1を10直4並に接続している。これにより、例えば、素電池1として1セル当たり3.6Vのリチウムイオン二次電池を使用する場合は、10本直列に接続して36Vの出力を得ることができる。ただ、コアパックは、必ずしも電池ホルダー及びサブ電池ホルダーの全ての保持筒に素電池を収納する必要はなく、たとえば、3個の電池ホルダーにそれぞれ9本ずつの素電池を収納し、サブ電池ホルダーには3本の素電池を収納して、全体で30本の電池を10直3並に接続することもできる。
【0056】
以上のように、電池ブロック3の積層体10Aの一端または両端にサブ電池ブロック6を連結する構造は、直列接続される並列ユニット2の組数を自由に調整できる特長がある。さらに、バッテリパックは、電池ブロック3に配置する並列ユニット2を3組に特定しない。電池ブロック3は、3組以上の奇数組の並列ユニット2を備えることができる。
【0057】
[リード板5]
リード板5は、電池ホルダー4の両端面において、挿通穴21の開口部から表出する素電池1の端面電極1Aにスポット溶接等で溶着して固定している。リード板5は、導電性に優れた薄い金属板で構成される。リード板5は、並列ユニット2を構成する複数の素電池1の端面電極1Aが同一平面となるように連結して、これらの素電池1を並列に接続すると共に、隣接して配置している並列ユニット2同士を直列に接続している。図に示すリード板5は、同一の電池ブロック3を構成する並列ユニット2を直列に接続する平面リード板5Xと、互いに隣接する電池ブロック3の並列ユニット2を直列に接続する折曲リード板5Yとを備えている。
【0058】
平面リード板5Xは、電池ホルダー4の端面に配置されて、互いに隣接する並列ユニット2の端面電極1Aが同一平面となるように連結して、隣接する並列ユニット2同士を直列に接続している。図に示す平面リード板5Xは、各々の並列ユニット2を構成する4本の素電池1を並列に接続し、かつ、互いに隣接する2組の並列ユニット2を直列に接続する。したがって、8本の素電池1を接続できるように、8個の電池接続部を多段多列に設けている。各々の電池接続部には、スポット溶接するためのスリットを設けている。さらに、図の平面リード板5Xは、電池ホルダー4の端面に配置する状態で、位置決ブロック27Aを案内する貫通穴5eを、8個の電池接続部の間に設けている。この平面リード板5Xは、貫通穴5eに位置決ブロック27Aを案内して電池ホルダー4の端面の定位置に配置される。
【0059】
折曲リード板5Yは、隣接する電池ホルダー4に跨って連結されて、互いに隣接する電池ブロック3の並列ユニット2同士を直列に接続している。この折曲リード板5Yは、隣接する電池ブロック3を直線状に配置する状態では、図14に示すように、中間の折曲部5bで折曲されて、この折曲部5bの両側の接続片5cで、隣接する電池ブロック3の並列ユニット2を直列に接続する。図に示す折曲リード板5Yは、各々の並列ユニット2を構成する4本の素電池1を接続片5cで並列に接続し、かつ、互いに隣接する2組の並列ユニット2を折曲部5bで直列に接続する。したがって、接続片5cは、4本の素電池1を接続できるように、スリットを設けた4個の電池接続部を2段2列に設けている。また、2つの接続片5cを連結する折曲部5bは、折曲しやすいように接続片5cよりも幅を狭くしている。接続片5cは、電池ホルダー4の端面に配置する状態で、位置決ブロック27Aを案内する貫通穴5eを、4個の電池接続部の間に設けている。この折曲リード板5Yは、接続片5cの貫通穴5eに位置決ブロック27Aを案内して電池ホルダー4の端面の定位置に配置される。
【0060】
この折曲リード板5Yは、電池ブロック3の対角位置に配置されて、隣接する電池ブロック3の対向する側部に配置される並列ユニット2を直列に接続する。このように、奇数組の並列ユニット2を備える電池ブロック3の対角位置に折曲リード板5Yを配置することで、互いに隣接する電池ブロック3の両端を左右で交互に連結して直線状に配置している。
【0061】
さらに、サブ電池ブロック6とこれに隣接する電池ブロック3も、折曲リード板5Yを介して連結している。この折曲リード板5Yは、互いに隣接する電池ブロック3とサブ電池ブロック6を直線状に配置する状態では、図14に示すように、中間の折曲部5bで折曲されて、この折曲部5bの両側の接続片5cで、互いに隣接するサブ電池ブロック6と電池ブロック3の並列ユニット2同士を直列に接続している。この折曲リード板5Yも、接続片5cに設けた4個の電池接続部で、サブ電池ブロック6を構成する4本の素電池1を並列に接続している。
【0062】
さらに、平面リード板5Xと折曲リード板5Yは、図13と図14に示すように、中間電位を検出するための接続端子部5aを、上端から突出して設けている。接続端子部5aは、クランク状に折曲してなる折曲片で、図13に示すように、直線状に連結される電池ホルダー4の上面に引き出されると共に、その先端部を垂直に折曲して上向きに突出させている。接続端子部5aは、その先端部に接続されるリード14を介して、収納凹部11に配置される回路基板8に接続している。
【0063】
さらに、リード板5は、コアパック10の前後の端面に配置される端面リード板5Zを備える。この端面リード板5Zは、互いに直列に接続される複数の並列ユニット2の両端に位置する端面電極1Aに接続されて、コアパック10の出力を取り出す。端面リード5Zは、L字状に折曲してなる折曲片5dを介して回路基板8に接続している。コアパック10からの出力は、放電用リード線71を介して、放電コネクタ60に接続している。
【0064】
以上のコアパック10は、3個の電池ブロック3と1個のサブ電池ブロック6とを折曲リード板5Yを介して直線状に連結している。このコアパック10は、図14に示すように、最も左側の電池ブロック3と左から2番目の電池ブロック3とを連結する折曲リード板5Yを左右方向に折曲し、左から2番目の電池ブロック3と左から3番目の電池ブロック3とを連結する折曲リード板5Yを上下方向に折曲し、さらに、左から3番目の電池ブロック3とサブ電池ブロック6とを連結する折曲リード板5Yを左右方向に折曲している。すなわち、このコアパック10は、3個の電池ブロック3と1個のサブ電池ブロック6とを、一対の接続片5cを折曲部5bで左右方向に折曲してなる折曲リード板5Yと、一対の接続片5cを折曲部5bで上下方向に折曲してなる折曲リード板5Yとを交互に配置して互いに直列に連結している。このコアパックは、例えば、図18に示すように、3個の電池ブロック3と1個のサブ電池ブロック6とを2段2列に積み重ねた状態で、電池ホルダー4及びサブ電池ホルダー7の両端面に配置される複数のリード板5を、両側からスポット溶接して素電池1の端面電極1Aに効率よく溶着できる。とくに、このバッテリパックは、電池ブロック3とサブ電池ブロック6とを2段2列に積み重ねた姿勢として、全体の長さを短くしながら、両端面に配置されるリード板5をスポット溶接できるので、スポット溶接機のストローク範囲を小さくしながら効率よくスポット溶接できる。このため、ストローク範囲の大きなスポット溶接機を導入することなく、ストローク範囲の狭い既存のスポット溶接機を有効に使用しながらスポット溶接できる。このコアパック10は、全ての素電池1をリード板5で並列と直列に接続した後、折曲リード板5Yを、折曲部5bで所定の方向、すなわち左右方向と上下方向に折曲して、3個の電池ブロック3と1個のサブ電池ブロック6とを直線状に配置する。
【0065】
さらに、バッテリパックは、電池のコアパックとして直線状に配置される電池ブロック及びサブ電池ブロックの総数を4個に特定しない。電池のコアパックは、図示しないが、4個以上の電池ブロック、または、3個以上の電池ブロック及び1個以上のサブ電池ブロックを、リード板で互いに直列に連結することもできる。
【0066】
[絶縁シート]
以上のようにして複数の電池ブロック3及びサブ電池ブロック6を直線状に連結する際は、図14に示すように、対向する電池ブロック3同士、及び電池ブロック3とサブ電池ブロック6の境界面で、リード板5がショートしないよう、絶縁シート18を介在させる。絶縁シート18には、絶縁性に優れた紙やプラスチックフィルムなどが利用できる。図に示す絶縁シート18は、電池ホルダー4に設けた位置決凹部28に嵌入する外形として、位置決凹部28に配置されるリード板5の表面を覆うことができるようにしている。さらに、図14に示す絶縁シート18は、電池ホルダー4の端面に配置する状態で、位置決ブロック27Aを案内する貫通穴18Aを開口している。この貫通穴18Aは、位置決ブロック27Aを嵌入できる形状としており、この貫通穴18Aに位置決ブロック27Aを嵌入して、対向する電池ブロック3同士、及び電池ブロック3とサブ電池ブロック6の境界の定位置に絶縁シート18を挟着して配置している。なお、図に示す絶縁シート8は、折曲された折曲リード板5Yの接続片5cの間にも介在させている。これにより、対向する接続片5c同士の間で意図しない放電が生じる事態を回避できる。
【0067】
[連結部材]
さらに、図に示すコアパック10は、直線状に連結された複数の電池ブロック3及びサブ電池ブロック6をより強固に連結するために、連結部材を介して連結している。図に示す連結部材は、コアパックの10の中央部を貫通する貫通ネジ12としている。電池ホルダー4とサブ電池ホルダー7は、中央部の2ヶ所に貫通ネジ12を挿通する貫通孔26を開口している。このコアパック10は、複数の電池ブロック3とサブ電池ブロック6を直線状に連結する状態で、電池ホルダー4とサブ電池ホルダー7を貫通する貫通ネジ12を挿通し、貫通ネジ12の先端部をナット13にねじ込んで、複数の電池ブロック3を直線状に連結された状態に保持している。図12に示すバッテリパックは、貫通ネジ12の先端がねじ込まれるナット13を、サブ電池ホルダー7のセルホルダー7Aにインサートして固定している。ただ、ナットは、インサートすることなく、貫通孔の外側に配置することもできる。
【0068】
さらに、複数の電池ブロック及びサブ電池ブロックを連結する連結部材は、図示しないが、電池ホルダーとサブ電池ホルダーの外周面に沿って長さ方向に配置される連結フレームとすることもできる。この連結フレームは、その両端部を、コアパックの両端に固定して、直線状に連結される複数の電池ブロック及びサブ電池ブロックを分離しないように連結する。この連結フレームは、たとえば、電池ホルダーとサブ電池ホルダーの外周面に形成される保持筒の谷間に配置して、コアパックの外形を大きくすることなく省スペースに配置できる。
【0069】
[回路基板]
さらに、図3に示すバッテリパックは、電池のコアパック10に接続している回路基板8を備えている。図12と図13に示すコアパック10は、互いに連結してなる電池ホルダー4とサブ電池ホルダー7の上面に回路基板8を配置する収納凹部11を設けており、この収納凹部11に回路基板8を配置している。回路基板8は、基板ホルダ9を介してコアパック10の定位置に配置している。図のコアパック10は、各々のリード板5を、基板ホルダ9に配置している回路基板8に接続している。
【0070】
回路基板8は、素電池1の充放電を制御する保護回路(図示せず)を実装している。回路基板8は、この保護回路を実現する電子部品15を実装している。回路基板8は、図12と図13に示すようにコアパック10の長さ方向に沿って延長してなる板状としている。この構造は、素電池1を直列接続する長さ方向に沿うように、延長された回路基板8を配置するので、回路基板8から各素電池1までの距離が短くなり、中間電位の検出など、各素電池1までの配線を容易となる利点が得られる。図13では、個別のリード線を設けることなく、各電池ブロック3のリード板5から延長させた接続端子部5aによって配線を行っており、組み立て工程を簡素化できることに加え、別部材のリード線も不要としている。
【0071】
さらに、保護回路は、各々の電池電圧を検出して、充放電の電流を遮断する回路も備えている。この保護回路は、いずれかの電池電圧が最低電圧よりも低くなると、放電電流を遮断するスイッチング素子をオフに切り換えて、放電電流を遮断する。また、いずれかの電池電圧が最高電圧よりも高くなると、充電を停止するスイッチング素子をオフに切り換えて、充電を停止する。このように、各々の電池電圧を検出して、充放電をコントロールする保護回路を実装するバッテリパックは、素電池1を保護しながら安全に使用できる。さらに、回路基板8は、素電池1の温度異常を検出する温度検出回路も実装している。この温度検出回路は、温度センサ19で検出される素電池1の温度が異常に上昇することを検出して、電池の放電と充電の電流を制御し、あるいは充放電を停止する等の制御をする。
【0072】
基板ホルダ9は、回路基板8を固定して所定の位置に配置する。図11ないし図13に示す基板ホルダ9は、収納凹部11に配置される薄い箱形に成形している。基板ホルダ9は、図13に示すように、外周から突出する連結部9Aを一体成形して設けており、この連結部9Aを貫通する止ネジ16を電池ホルダー4及びサブ電池ホルダー7にねじ込んで固定している。電池ホルダー4及びサブ電池ホルダー7は、止ネジ16をねじ込むために、収納凹部11に突出する固定ボス29を一体成形して設けている。基板ホルダ9の連結部9Aは、図13に示すように、電池ホルダー4及びサブ電池ホルダー7の固定ボス29に対向する位置に設けている。基板ホルダ9は、連結部9Aを貫通する止ネジ16が固定ボス29にねじ込まれて、収納凹部11の定位置に固定される。ただ、基板ホルダは、図示しないが、係止構造で電池ホルダー及びサブ電池ホルダーに固定することもできる。
【0073】
さらに、図のバッテリパックは、金属製のケース本体41と、これに収納されるコアパック10のリード板5及び回路基板8とのショートを防止するために、コアパック10の側面と回路基板8の上面に絶縁シート17を配設している。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係るバッテリパックは、屋外で使用される電動機器、とくに、アシスト自転車用の電源として好適に利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1…電池 1A…端面電極
2…並列ユニット
3…電池ブロック
4…電池ホルダー 4A…セルホルダー
4B…セルホルダー
4X…外側端面
4Y…分割端面
5…リード板 5X…平面リード板
5Y…折曲リード板
5Z…端面リード板
5a…接続端子部
5b…折曲部
5c…接続片
5d…折曲片
5e…貫通穴
6…サブ電池ブロック
7…サブ電池ホルダー 7A…セルホルダー
7B…セルホルダー
8…回路基板
9…基板ホルダ 9A…連結部
10…コアパック 10A…積層体
11…収納凹部
12…貫通ネジ
13…ナット
14…リード
15…電子部品
16…止ネジ
17…絶縁シート
18…絶縁シート 18A…貫通穴
19…温度センサ
20…保持筒
21…挿通穴
22…表出開口
23…連結部
24…連結ボス
25…連結凹部
26…貫通孔
27…突出阻止部 27A…位置決ブロック
27B…位置決凸条
28…位置決凹部
29…固定ボス
30…爪嵌合
31…係止凸部
32…係止部 32A…突出片
32B…係止孔
34…連結ボス
35…連結凹部
40…外装ケース 40X…垂直面
41…ケース本体
42…閉塞部 42A…端面プレート
42B…周壁
42C…リング溝
42D…ボス
43…閉塞部 43A…端面プレート
43B…周壁
43C…リング溝
43D…ボス
44…凸条
45…縦溝
46…ねじ穴
47…止ネジ
48…パッキン
49…谷間スペース
50…収納部
51…開口窓
52…アンダーカット面
53…貫通穴
54…段差凸部
55…収納凹部
56…嵌合凹部
57…隔壁 57A…切欠部
60…放電コネクタ 60A…端子挿入部
60B…横溝
61…放電用リード線
62…出力端子
63…防水パッキン
64…閉塞プレート
65…両面テープ
66…止ネジ
70…充電コネクタ 70A…端子挿入部
70B…コネクタ本体部
70C…鍔部
71…充電用リード線
72…絶縁部
73…絶縁チューブ
74…絶縁樹脂
75…パッキン 75A…貫通孔
76…コネクタカバー 76A…筒部
77…折曲連結部
78…止ネジ
90…電動機器 90A…自転車
91…装着部
92…入力端子
94…連結凹部
95…荷台
96…後輪
97…サドル
98…スタンド
100…バッテリパック
200…バッテリパック
240…外装ケース 240X…垂直面
252…アンダーカット面
260…放電コネクタ
270…充電コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池を直列と並列に接続して収納してなる外装ケースと、前記外装ケースに設けられて、内蔵する電池を充電する充電コネクタを備えるバッテリパックであって、
前記充電コネクタは、外装ケースの側面に配置されると共に、この側面を下方に向かって対向面に接近するアンダーカット面として、充電コネクタの端子挿入部が水平よりも下方を向く姿勢で配置してなることを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
外部に電力を出力する放電コネクタを備え、前記放電コネクタは、外装ケースの垂直面に配設されると共に、複数の出力端子を上下に離して配置してなる請求項1に記載されるバッテリパック。
【請求項3】
前記放電コネクタが、前記出力端子の接続面を水平姿勢として、複数の出力端子を互いに平行な姿勢で配列してなる請求項2に記載されるバッテリパック。
【請求項4】
前記外装ケースが、筒部を有するケース本体とこのケース本体の開口部を閉塞する閉塞部とを備えており、この閉塞部の端面を垂直面として放電コネクタを配置すると共に、閉塞部の側面に充電コネクタを配置してなる請求項2または3に記載されるバッテリパック。
【請求項5】
前記閉塞部の内部において、前記放電コネクタから引き出される放電用リード線と前記充電コネクタから引き出される充電用リード線とを互いに異なる方向に引き出して配線してなる請求項4に記載されるバッテリパック。
【請求項6】
前記閉塞部が、前記垂直面の内面に前記放電コネクタを収納する収納凹部を備えており、この収納凹部に前記放電コネクタを収納して、端子挿入部を前記垂直面に設けた開口窓から外部に表出させると共に、前記収納凹部の開口部を両面テープを介して接着される閉塞プレートで閉塞しており、さらに、前記放電コネクタから引き出される放電用リード線を防水パッキンを介して防水してなる請求項4または5に記載されるバッテリパック。
【請求項7】
前記充電コネクタが、コネクタ本体部から引き出される充電用リード線の引き出し部を絶縁部で防水構造としており、前記絶縁部が、コネクタ本体部の後端部に連結してなる絶縁チューブと、この絶縁チューブに充填してなる絶縁樹脂とからなる請求項1ないし6のいずれかに記載されるバッテリパック。
【請求項8】
前記バッテリパックが自転車の駆動用の電源であって、荷台部分に水平姿勢で配置されるようにしてなることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載されるバッテリパック。
【請求項9】
前記バッテリパックが自転車の駆動用の電源であって、前記自転車が、車体を傾斜姿勢で保持するスタンドを片側に有しており、このスタンドを有する側の側面に充電コネクタを配置してなる請求項1ないし8のいずれかに記載されるバッテリパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−9277(P2012−9277A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144261(P2010−144261)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】