説明

パスワード設定装置、パスワード設定プログラム、パスワード設定システムおよびパスワード設定方法

【課題】複数の情報処理装置に対するパスワードの設定作業の負担を軽減する。
【解決手段】パスワード設定情報記憶手段1dは、識別情報と情報処理装置2に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶する。設定情報取得手段1aは、パスワード設定情報記憶手段1dに記憶されているパスワード設定情報を取得する。プログラム生成手段1bは、設定情報取得手段1aによって取得されたパスワード設定情報を有すると共に情報処理装置にパスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成する。出力手段1cは、プログラム生成手段1bによって生成された設定実行プログラムを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスワード設定装置、パスワード設定プログラム、パスワード設定システムおよびパスワード設定方法に関し、特に、情報処理装置のパスワードを設定するパスワード設定装置、パスワード設定プログラム、パスワード設定システムおよびパスワード設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パスワードによりユーザの正当性を判定するパスワード認証を用いる装置に対してパスワードを設定する技術が知られている。これにより、複数の機器に対して自動的にパスワードを設定することができる。
【特許文献1】特開2006−31575号公報
【特許文献2】特開2001−134492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1記載の技術では、外部からハードディスクドライブに対してパスワードの設定を行うものであり、情報処理装置に対してパスワードを設定する際には適さないという問題点がある。
【0004】
また、特許文献2記載の技術では、複数の情報処理装置に対して異なるパスワードの自動設定を行う際には、情報処理装置と、その情報処理装置に設定されたパスワードとの対応関係の管理が煩雑であるという問題点がある。
【0005】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、複数の情報処理装置に対する異なるパスワードの設定作業の負担を軽減するパスワード設定装置、パスワード設定プログラム、パスワード設定システムおよびパスワード設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のパスワード設定装置は、識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶するパスワード設定情報記憶手段と、前記パスワード設定情報記憶手段に記憶されている前記パスワード設定情報を取得する設定情報取得手段と、前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段と、前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段と、を有する。
【0007】
開示のパスワード設定装置によれば、パスワード設定情報記憶手段により、パスワード設定情報が記憶される。設定情報取得手段により、パスワード設定情報が取得される。プログラム生成手段により、設定実行プログラムが生成される。出力手段により、設定実行プログラムが出力される。
【発明の効果】
【0008】
開示のパスワード設定装置、パスワード設定プログラム、パスワード設定システムおよびパスワード設定方法によれば、情報処理装置にパスワードを設定する際の作業負担を軽減することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の概要を示す図である。図1に示すパスワード設定装置1は、情報処理装置2のパスワードを設定するための設定実行プログラムを出力する。パスワード設定装置1は、設定情報取得手段1a、プログラム生成手段1b、出力手段1cおよびパスワード設定情報記憶手段1dを有する。
【0010】
設定情報取得手段1aは、パスワード設定情報記憶手段1dに記憶されているパスワード設定情報を取得する。
プログラム生成手段1bは、設定情報取得手段1aによって取得されたパスワード設定情報を有すると共に情報処理装置2にパスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成する。
【0011】
出力手段1cは、プログラム生成手段1bによって生成された設定実行プログラムを出力する。
パスワード設定情報記憶手段1dは、識別情報と情報処理装置2に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶する。この識別情報は、例えば情報処理装置2のシリアルナンバ(製造番号)等、情報処理装置2を識別可能にする情報である。
【0012】
情報処理装置2は、パスワード設定装置1から出力された設定実行プログラムによってパスワードが設定される。情報処理装置2は、入力手段2aおよび識別情報記憶手段2eを有すると共に、設定実行プログラムの実行により、識別情報取得手段2b、パスワード取得手段2cおよび設定手段2dとして機能する。
【0013】
入力手段2aは、パスワード設定装置1が有する出力手段1cから出力された設定実行プログラムの入力を受け付ける。設定実行プログラムは、情報処理装置2を、識別情報取得手段2b、パスワード取得手段2c、設定手段2dとして機能させる。
【0014】
識別情報取得手段2bは、識別情報記憶手段2eに記憶されている識別情報を取得し、入力手段2aによって入力が受け付けられた設定実行プログラムが有するパスワード設定情報から、設定されるパスワードに対応付けられた識別情報を取得する。
【0015】
パスワード取得手段2cは、設定実行プログラムが有するパスワード設定情報から、パスワード設定情報によって情報処理装置2の識別情報と一致するパスワード設定情報の識別情報に対応付けられたパスワードを取得する。
【0016】
設定手段2dは、パスワード取得手段によって取得されたパスワードを情報処理装置に設定する。
識別情報記憶手段2eは、情報処理装置2に予め設定された識別情報を記憶する。この識別情報は、情報処理装置2に対して割り当てられた識別情報である。これにより、情報処理装置2を特定することができる。
【0017】
なお、識別情報は、例えば情報処理装置2を使用するユーザのID(Identification)等、情報処理装置2を他の情報処理装置と間接的に識別可能にする情報であってもよい。この場合、識別情報は、例えば情報処理装置2がユーザに対して割り当てられることが決定された後に入力される。識別情報が入力された後に情報処理装置2で設定実行プログラムが実行されると、入力された識別情報に基づいてパスワードが設定される。
【0018】
このようなパスワード設定装置1によれば、パスワード設定情報記憶手段1dにより、パスワード設定情報が記憶される。設定情報取得手段1aにより、パスワード設定情報記憶手段1dからパスワード設定情報が取得される。プログラム生成手段1bにより、設定実行プログラムが生成される。出力手段1cにより、設定実行プログラムが出力される。
【0019】
これによって、プログラム生成手段1bにより、パスワード設定情報を有する設定実行プログラムが生成され、出力手段1cにより、設定実行プログラムが出力されるので、情報処理装置2はこの設定実行プログラムを実行することにより、情報処理装置2にパスワードを設定する際の作業負担を軽減することが可能になる。
【0020】
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施の形態のシステム構成を示す図である。図2に示すシステムでは、職場等、ユーザによって操作されるパーソナルコンピュータ200,300,400等の情報処理装置について、設定サーバ100がパスワードの設定を行う。
【0021】
本実施の形態に係るシステムでは、設定サーバ100が、LAN(Local Area Network)10を介して、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ200,300,400に対してパスワードの設定を行う。
【0022】
パーソナルコンピュータ200,300,400は、ユーザが例えば業務等に使用するコンピュータである。パーソナルコンピュータ200,300はノートタイプ(ラップトップタイプ:laptop type)のパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータ400は、デスクトップ(desktop type)タイプのパーソナルコンピュータである。なお、パーソナルコンピュータ200,300,400は情報処理装置の一例であり、本実施の形態のパスワード設定機能は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)を初めとする移動通信用端末装置、情報処理システムの端末装置等のように、装置毎に異なるパスワードが設定される情報処理装置に適用することができる。
【0023】
図3は、設定サーバのハードウェア構成を示す図である。図3に示す設定サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105および通信インタフェース106が接続されている。
【0024】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0025】
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。
【0026】
通信インタフェース106は、LAN10に接続されている。通信インタフェース106は、LAN10を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
図4は、パーソナルコンピュータのハードウェア構成を示す図である。図4に示すパーソナルコンピュータ200は、前述のようにノートタイプのパーソナルコンピュータであり、図2において前述した設定サーバ100と同様、CPU201によって装置全体が制御されている。CPU201には、バス207を介してRAM202、HDD203、グラフィック処理装置204、入力インタフェース205および通信インタフェース206が接続されている。
【0027】
RAM202には、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM202には、CPU201による処理に必要な各種データが格納される。
【0028】
HDD203には、パーソナルコンピュータ200上のOSやアプリケーションが扱うデータが格納される。
グラフィック処理装置204には、LCD(Liquid Crystal Display)221等の表示装置が接続されている。グラフィック処理装置204は、CPU201からの命令にしたがって、画像をLCD221等の表示装置の表示画面に表示させることができる。また、グラフィック処理装置204とLCD221とは、例えば、シリアル通信ケーブルで接続され制御信号と画像信号とが交互に送受信される。
【0029】
入力インタフェース205には、キーボード231、マウス23等の入力装置が接続可能である。入力インタフェース205は、キーボード231等の入力装置から送られてくる信号を、バス207を介してCPU201に出力する。
【0030】
また、入力インタフェース205には、セキュリティ部240が接続されている。このセキュリティ部240は、ユーザによるパスワードの入力を受け付けて認証を行い、認証に成功した場合に、パーソナルコンピュータ200を使用可能にする。セキュリティ部240は、認証部241およびパスワード入力操作部242を有する。
【0031】
認証部241は、図示しないEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)を有する。認証部241は、設定されたパスワードをEEPROMに記憶させ、EEPROMに記憶させたパスワードおよびパスワード入力操作部242によって入力されたパスワードに基づいて認証を行う。パスワード入力操作部242は、ユーザによるパスワードの入力操作を受け付ける。
【0032】
セキュリティ部240および認証部241については、詳しくは図5において後述する。パスワード入力操作部242については、詳しくは図5、図12および図13において後述する。
【0033】
通信インタフェース206は、LAN10に接続されている。通信インタフェース206は、LAN10を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
LCD221は、パーソナルコンピュータ200の動作にしたがって情報を表示することができる。
【0034】
なお、パーソナルコンピュータ300は、パーソナルコンピュータ200と同様のハードウェア構成によって実現される。また、デスクトップタイプのパーソナルコンピュータ400も、図示しないモニタおよびキーボードが外部に接続される他はパーソナルコンピュータ200と同様のハードウェア構成によって実現される。
【0035】
また、本実施の形態では、セキュリティ部240を、CPU201等は別個のハードウェア構成によって実現するが、これに限らず、CPU201等をソフトウェアによって動作させ、ユーザを認証させることによって実現してもよい。
【0036】
また、本実施の形態では、パスワード入力操作部242によってユーザによるパスワードの入力操作を受け付けるが、これに限らず、キーボード231およびLCD221に表示されるログイン画面310(図14において後述)等、その他のパスワード入力方法を用いることもできる。
【0037】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図5は、設定サーバの構成を示すブロック図である。図5に示す設定サーバ100は、LAN10によって接続されたパーソナルコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ200)にパスワードを設定する。設定サーバ100は、設定情報取得部111、プログラム生成部112、出力部113、パスワード設定情報記憶部151を有する。
【0038】
設定情報取得部111は、パスワード設定情報記憶部151に記憶されているパスワード設定情報を取得する。
プログラム生成部112は、設定情報取得部111によって取得されたパスワード設定情報を有すると共にパーソナルコンピュータ200にパスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成する。
【0039】
ここで、設定実行プログラムは、複数のパスワード設定情報を有する。この複数のパスワードのそれぞれは、パスワード設定情報によって、各パーソナルコンピュータの識別情報と対応付けられている。これにより、設定実行プログラムは、読み込まれたパーソナルコンピュータ200の識別情報を取得して、パスワード設定情報によりそのパーソナルコンピュータ200の識別情報に対応付けられているパスワードを取得し、取得したパスワードを設定するので、パーソナルコンピュータ200に設定されるべきパスワードを、自動的に、他のコンピュータと区別して設定することができる。
【0040】
出力部113は、プログラム生成部112によって生成された設定実行プログラムを出力する。出力部113は、通信インタフェース106(図3において前述)によってLAN10を通じてパーソナルコンピュータ200と通信し、パーソナルコンピュータ200に設定実行プログラムを出力する。これにより、パーソナルコンピュータ200は、設定実行プログラムを取得することができる。
【0041】
出力部113は、パーソナルコンピュータ200に設定実行プログラムを実行させるパスワード設定要求を送信する。
なお、出力部113から出力された設定実行プログラムは、図示しない記憶装置または情報処理装置等に格納されてもよい。この場合、格納された設定実行プログラムは、必要に応じて読み出され、パスワードが設定されるパーソナルコンピュータ200に書き込まれる。
【0042】
パスワード設定情報記憶部151は、識別情報とパーソナルコンピュータ200に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶する。この識別情報は、例えばパーソナルコンピュータ200のシリアルナンバ(製造番号)等、パーソナルコンピュータ200を識別可能にする情報である。
【0043】
パーソナルコンピュータ200は、設定サーバ100から出力された設定実行プログラムによってパスワードが設定される。パーソナルコンピュータ200は、入力部211および識別情報記憶部251を有すると共に、設定実行プログラムの実行により、識別情報取得部212、パスワード取得部213および設定部214として機能する。
【0044】
入力部211は、設定サーバ100が有する出力部113から出力された設定実行プログラムの入力を受け付ける。設定実行プログラムは、パーソナルコンピュータ200を、識別情報取得部212、パスワード取得部213、設定部214として機能させる。
【0045】
識別情報取得部212は、識別情報記憶部251に記憶されている識別情報を取得し、入力部211によって入力が受け付けられた設定実行プログラムが有するパスワード設定情報から、設定されるパスワードに対応付けられた識別情報を取得する。
【0046】
パスワード取得部213は、設定実行プログラムが有するパスワード設定情報から、パスワード設定情報によってパーソナルコンピュータ200の識別情報と一致するパスワード設定情報の識別情報に対応付けられたパスワードを取得する。
【0047】
設定部214は、パスワード取得部213によって取得されたパスワードをパーソナルコンピュータ200に設定する。このとき設定部214は、認証部241にパスワード取得部213によって取得されたパスワードを設定する。
【0048】
セキュリティ部240は、ユーザによるパスワードの入力を受け付けて認証を行い、認証に成功した場合に、パーソナルコンピュータ200を使用可能にする。セキュリティ部240は、認証部241およびパスワード入力操作部242を有する。
【0049】
認証部241は、パスワード入力操作部242によって入力されたパスワードと予め設定されたパスワードとを比較することによりユーザを認証する。パスワード入力操作部242は、ユーザによるパスワードの入力操作を受け付ける。
【0050】
識別情報記憶部251は、パーソナルコンピュータ200に予め設定された識別情報を記憶する。この識別情報は、パーソナルコンピュータ200に対して割り当てられた識別情報である。この識別情報により、設定実行処理においてパーソナルコンピュータ200を特定することができる。
【0051】
なお、識別情報は、例えばパーソナルコンピュータ200を使用するユーザのIDのようにパーソナルコンピュータ200を操作するユーザを識別する情報等、パーソナルコンピュータ200を他の情報処理装置と間接的に識別可能にする情報であってもよい。この場合、識別情報は、例えばパーソナルコンピュータ200がユーザに対して割り当てられることが決定された後に入力される。識別情報が入力された後にパーソナルコンピュータ200で設定実行プログラムが実行されると、入力された識別情報に基づいてパスワードが設定される。
【0052】
次に、本実施の形態で使用されるデータのデータ構造例について説明する。
図6は、パスワード設定テーブルの構成例を示す図である。図6に示すパスワード設定テーブル151aは、設定サーバ100(図2において前述)によって作成および管理され、HDD103(図3において前述)に格納されている。パスワード設定テーブル151aは、各パーソナルコンピュータに設定された識別情報および各パーソナルコンピュータに設定されるパスワードを示すパスワード情報を有するパスワード設定情報を格納するテーブルである。
【0053】
パスワード設定テーブル151aには、各パーソナルコンピュータを一意に特定するために設定された情報を示す項目である“識別情報”、そのパーソナルコンピュータに設定される管理者パスワードを示す管理者パスワード情報を示す項目である“管理者パスワード”、そのパーソナルコンピュータに設定される利用者パスワードを示す利用者パスワード情報を示す項目である“利用者パスワード”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、パスワード設定情報を構成する。
【0054】
識別情報は、各パーソナルコンピュータを識別するために各パーソナルコンピュータに設定されている情報である。識別情報は、任意の文字列を用いることができるが、各パーソナルコンピュータに対し、システム内において各パーソナルコンピュータを一意に特定できるように定められる。この識別情報は、例えば各パーソナルコンピュータのシリアルナンバ(製造番号)等であり、そのパーソナルコンピュータに対して工場における製造時に設定される。
【0055】
管理者パスワードは、システムのパーソナルコンピュータを管理する管理者の正当性を確認するためのパスワードである。管理者パスワードは、システムのパーソナルコンピュータを利用する利用者の正当性を確認するためのパスワードである。本実施の形態では、パスワード設定情報を用いて、各パーソナルコンピュータが有する識別情報に基づいてこれらのパスワードを設定する。
【0056】
本実施の形態の設定サーバ100では、パスワード設定情報は、システムの管理者による設定サーバ100によって作成され、設定サーバ100のHDD103に格納される。
なお、本実施の形態のパスワード設定情報の管理者パスワードおよび利用者パスワードは、規則的または不規則に文字が羅列された文字列を、設定サーバ100または他のコンピュータによって自動生成して用いてもよい。
【0057】
また、本実施の形態のパスワード設定情報は、パスワードとして管理者パスワードおよび利用者パスワードの2種類のパスワードを有するが、これに限らず、例えば、利用者パスワードのみ等、1種類のパスワードを有してもよい。また、例えば、複数ユーザのパスワード等、3種類以上のパスワードを有してもよい。
【0058】
次に、本実施の形態で実行される処理について説明する。
図7は、設定実行プログラム生成処理の手順を示すフローチャートである。図7に示す設定実行プログラム生成処理は、設定サーバ100において実行される処理である。この設定実行プログラム生成処理は、設定サーバ100が各パーソナルコンピュータ(例えば、図2において前述したパーソナルコンピュータ200)で実行される設定実行プログラムを生成する処理であり、システムの管理者による設定実行プログラム生成機能の呼び出しによって実行が開始される。
【0059】
[ステップS11]設定情報取得部111は、パスワード設定情報記憶部151(図5において前述)に記憶されているパスワード設定テーブル151a(図6において前述)からパスワード設定情報を取得する。
【0060】
[ステップS12]プログラム生成部112は、ステップS11で取得されたパスワード設定情報を用いて設定実行プログラムを生成する。この設定実行プログラムにおいて実行される処理については、詳しくは図8において後述する。
【0061】
[ステップS13]出力部113は、ステップS12で生成した設定実行プログラムを、LAN10を通じてパスワードを設定するパーソナルコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ200)に対して送信する。パスワードを設定するパーソナルコンピュータが複数存在する場合には、パスワードを設定するすべてのパーソナルコンピュータに対して同一の設定実行プログラムを送信する。
【0062】
[ステップS14]出力部113は、パスワードを設定するパーソナルコンピュータに対してパスワード設定要求を送信する。ステップS13と同様、パスワードを設定するパーソナルコンピュータが複数存在する場合には、パスワードを設定するすべてのパーソナルコンピュータに対してパスワード設定要求を送信する。その後、処理は終了する。
【0063】
図8は、設定実行処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す設定実行処理は、設定サーバ100から送信され、入力部211が受信したパスワード設定要求に基づいて、パスワードの設定の対象であるパーソナルコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ200)が、設定サーバ100から送信され、入力部211が受信した設定実行プログラムを実行することによりパスワードを設定する処理であり、設定サーバ100によって送信されるパスワード設定要求の受信によって実行が開始される。
【0064】
[ステップS21]識別情報取得部212は、設定実行処理を実行しているそのパーソナルコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ200)の識別情報記憶部251から識別情報を取得する。
【0065】
[ステップS22]識別情報取得部212は、設定サーバ100から送信され入力部211によって受信された設定実行プログラムが有する設定情報から識別情報を取得する。
[ステップS23]パスワード取得部213は、ステップS21で取得したパーソナルコンピュータ200の識別情報とステップS22で取得したパスワード設定情報の識別情報とを比較し、パーソナルコンピュータ200の識別情報に一致する識別情報がパスワード設定情報の識別情報に含まれているか否かについて判定する。パーソナルコンピュータ200の識別情報に一致する識別情報がパスワード設定情報の識別情報に含まれていれば、ステップS24に処理が進められる。一方、パーソナルコンピュータ200の識別情報に一致する識別情報がパスワード設定情報の識別情報に含まれていなければ、処理は終了する。
【0066】
[ステップS24]パスワード取得部213は、設定サーバ100から送信され入力部211によって受信された設定実行プログラムが有する設定情報から、ステップS23で取得したパーソナルコンピュータ200の識別情報と一致すると判定された識別情報に対応するパスワードを取得する。
【0067】
[ステップS25]設定部214は、ステップS24で取得したパスワードを設定する。このとき設定部214は、図6において前述した管理者パスワードおよび利用者パスワードのように、パスワード設定情報において1つの識別情報に複数のパスワードが対応する場合には、パーソナルコンピュータ200の識別情報に対応するすべてのパスワードが設定される。その後、処理は終了する。
【0068】
なお、本実施の形態の設定実行プログラムは、パーソナルコンピュータ200において、設定サーバ100によって送信されるパスワード設定要求の受信によって実行が開始されるが、これに限らず、設定実行プログラムの入力後におけるパーソナルコンピュータ200の次回の再起動時に実行が開始されてもよい。さらに、設定実行プログラムの入力後であってパスワード設定要求の受信後におけるパーソナルコンピュータ200の次回の再起動時に実行が開始されてもよい。
【0069】
図9は、パスワード設定時の手順を示すシーケンス図である。
以下に、設定サーバ100とパスワードが設定されるパーソナルコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ200)との間におけるパスワード設定時の手順を図に従って説明する。
【0070】
[ステップS101]設定サーバ100のプログラム生成部112は、設定実行プログラムを生成する。
[ステップS102]設定サーバ100の出力部113は、パーソナルコンピュータ200に設定実行プログラムを送信する。
【0071】
[ステップS103]パーソナルコンピュータ200の入力部211は、設定実行プログラムを受信する。
[ステップS104]設定サーバ100の出力部113は、パーソナルコンピュータ200にパスワード設定要求を送信する。
【0072】
[ステップS105]パーソナルコンピュータ200の入力部211は、パスワード設定要求を受信する。
[ステップS106]パーソナルコンピュータ200の識別情報取得部212、パスワード取得部213、設定部214は、設定実行プログラムを実行することにより、パスワードを設定する。その後、処理は終了する。
【0073】
次に、本実施の形態で表示される表示画面について説明する。
図10は、管理画面を示す図である。図10に示す管理画面160は、設定サーバ100(図2において前述)と接続されたモニタ11に表示される画面であり、設定サーバ100が有するパスワード設定情報を表示すると共にパスワード設定情報を管理する管理画面の一例である。
【0074】
管理画面160には、設定情報表示領域161、新規ボタン162、編集ボタン163、削除ボタン164、生成ボタン165および管理画面を閉じて終了する閉じるボタン166が設けられている。
【0075】
設定情報表示領域161には、管理対象であるパスワード設定情報(図6において前述)が表示される。設定情報表示領域161は、スクロールバー161aを有する。このスクロールバー161aにより、多数のパスワード管理情報が存在する場合にも、表示させるパスワード設定情報をスクロールさせることができる。
【0076】
新規ボタン162は、新たに追加するパスワード設定情報を入力する画面である図示しない新規画面を起動するボタンである。新規画面は、入力された識別情報とパスワードとの新規の関連付けを作成する画面である。新規画面は、設定サーバ100に接続されているモニタ11に表示される。
【0077】
編集ボタン163は、既に入力されているパスワード設定情報を編集する画面である図11において後述する編集画面170を起動するボタンである。編集画面170は、入力された識別情報とパスワードとによって既存の関連付けを更新する画面である。編集画面170は、新規画面と同様、設定サーバ100に接続されているモニタ11に表示される。
【0078】
削除ボタン164は、既に入力されているパスワード設定情報を削除するボタンである。生成ボタン165は、設定実行プログラムを生成するボタンである。閉じるボタン166は、管理画面160を閉じ、パスワード設定情報の管理を終了するボタンである。
【0079】
図11は、編集画面を示す図である。図11に示す編集画面170は、管理者等がパスワード設定情報(図6において前述)を編集する際に、設定サーバ100と接続されたモニタ11に表示される編集画面の一例である。
【0080】
編集画面170には、識別情報であるシリアル番号の入力を受け付けるシリアル番号入力欄171、パスワードの入力を受け付けるパスワード入力欄172、シリアル番号入力欄171およびパスワード入力欄172に正しい入力内容を入力したときに、入力した内容でパスワード設定情報を更新するための操作を受け付けるOKボタン173、シリアル番号入力欄171およびパスワード入力欄172に誤った入力内容を入力してしまったとき等に、パスワード設定情報の編集をキャンセルするための操作を受け付けるキャンセルボタン174が設けられている。
【0081】
パスワード設定情報を編集する管理者等は、図10において前述した編集ボタン163を操作して編集画面170を起動させる。次に管理者等は、編集するパスワード設定情報のシリアル番号をシリアル番号入力欄171に入力し、シリアル番号に対応するパスワードをパスワード入力欄172に入力した後、OKボタン173を操作する。これにより、設定サーバ100によってパスワード設定情報の編集が受け付けられる。このようにして管理者等は、編集画面170を操作してパスワード設定情報を更新することができる。なお、パスワード入力欄172は、入力されたパスワードを表示せずに、例えば「*」や「●」等を用いて入力された文字を隠してもよい。
【0082】
また、本実施の形態では説明を省略したが、図示しないシリアル番号入力欄、パスワード入力欄、OKボタンおよびキャンセルボタンを有しており、パスワード設定情報を新たに作成するための図示しない新規画面を設けてもよい。そして、これにより、ユーザにこの新規画面を操作させてパスワード設定情報を新たに作成させ、作成されたパスワード設定情報を追加することができる。
【0083】
図12は、パーソナルコンピュータの外観を示す図である。図12に示すパーソナルコンピュータ200は、パスワード認証によるセキュリティ機能が付加されたノートタイプのパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータ200は、LCD221を有するディスプレイ部220、キーボード231ならびに図4において前述したセキュリティ部240その他のCPU201等の電子部品を有する本体部230を有する。また、本体部230の上面には、前述のようにセキュリティ部240が有するパスワード入力操作部242が配置されている。
【0084】
LCD221は、文字または画像を表示する表示画面を有する表示装置である。なお、表示装置としては、LCD以外にも、例えば有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の他の薄型表示デバイスを用いてもよい。キーボード231は、文字の入力およびその他の操作を行うための入力装置である。
【0085】
パスワード入力操作部242は、詳しくは図13において後述するが、ユーザによるパスワードを入力するための操作部である。
なお、本実施の形態のパーソナルコンピュータ200では、ノートタイプのパーソナルコンピュータについて説明したが、これに限らず、デスクトップタイプのパーソナルコンピュータとしてもよい。また、その他の携帯型情報端末装置等の情報処理装置であってもよい。
【0086】
図13は、パスワード入力操作部を示す図である。図13に示すパスワード入力操作部242は、図4において前述したセキュリティ部240の一部であり、ユーザによるパスワードを入力するための操作部である。パスワード入力操作部242は、パスワード入力ボタン242aおよびパスワード確定ボタン242bを有する。
【0087】
パスワード入力ボタン242aは、パスワードの入力を受け付けるボタンである。本実施の形態のパスワード入力操作部242は、パスワード入力ボタン242aとして、それぞれが「1」〜「4」に対応する4個のボタンを有するが、これに限らず、個数および対応する文字は、必要に応じて自由に設定することができる。
【0088】
パスワード確定ボタン242bは、パスワード入力ボタン242aを操作することによって行われたパスワードの入力を確定させるボタンである。パスワード確定ボタン242bが操作されると、パスワード入力ボタン242aにより入力されたパスワードが、認証部241によって認証される。
【0089】
ユーザはこのパスワード入力ボタン242aおよびパスワード確定ボタン242bを操作することにより。パスワードを入力することができる。具体的には、ユーザは、この「1」〜「4」のボタンをパスワードとして定められた順序で操作することにより、パスワードを入力する。例えば、パスワードが「3」、「1」、「2」、「4」と定められている場合には、ユーザは、パスワード入力ボタン242aを「3」、「1」、「2」、「4」の順序で操作した後、パスワード確定ボタン242bを操作する。これにより、ユーザによるパスワードの入力が受け付けられ、認証部241によってユーザの正当性が確認される。
【0090】
(本実施の形態の変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。上記の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
【0091】
本変形例は、ログイン画面によってパスワードの入力操作を受け付ける点および識別情報がユーザを識別するユーザIDである点で、本実施の形態と異なる。
本変形例では、パスワード設定情報記憶部151(図5において前述)に記憶されているパスワード設定情報(図6において前述)が有する識別情報および識別情報記憶部251(図5において前述)に記憶されている識別情報は、ユーザを識別するユーザIDである。これにより、本変形例では、識別情報によりユーザIDとパスワードとが対応付けられている。なお、ユーザIDは、設定実行プログラムの実行前にあらかじめパーソナルコンピュータ200に設定するものとする。
【0092】
これにしたがい、設定情報取得部111(図5において前述)は、ユーザIDとこれに対応付けられているパスワードとを有する識別情報を取得する。プログラム生成部112は、取得されたユーザIDを有する設定実行プログラムを生成する。出力部113は、生成されたユーザIDを有する設定実行プログラムを出力する。
【0093】
また、入力部211は、ユーザIDを有する設定実行プログラムの入力を受け付ける。識別情報取得部212(図5において前述)は、識別情報記憶部251に記憶されている識別情報であるユーザIDを取得し、入力部211(図5において前述)によって入力が受け付けられた設定実行プログラムが有するパスワード設定情報から、設定されるパスワードに対応付けられた識別情報であるユーザIDを取得する。パスワード取得部213(図5において前述)は、識別情報取得部212によって取得された、識別情報記憶部251に記憶されていたユーザIDと、設定実行プログラムが有するユーザIDとを比較してユーザIDが一致するパスワードを取得する。設定部214(図5において前述)は、取得されたパスワードおよびパスワードに対応付けられているユーザIDを認証部241に設定する。認証部241は、ユーザIDおよびパスワードを用いて認証を行う。
【0094】
また、認証部241による認証の際は、図14において後述するログイン画面310によってユーザによるパスワードの入力操作を受け付ける。
図14は、本実施の形態の変形例におけるログイン画面を示す図である。図14に示すログイン画面310は、本変形例において、ユーザによって使用される図2において前述したパーソナルコンピュータ200,300,400(例えばパーソナルコンピュータ200)によって、ユーザがそのパーソナルコンピュータ200にログインするためのログイン操作を行っている際に、パーソナルコンピュータ200のLCD221に表示されるログイン画面の一例である。
【0095】
ログイン画面310には、ユーザIDの入力を受け付けるユーザID入力欄311、パスワードの入力を受け付けるパスワード入力欄312、ユーザID入力欄311およびパスワード入力欄312に対して正しい入力内容を入力したときに、パーソナルコンピュータ200にパスワードの認証を実行させてログインを行うためのログイン操作を受け付けるログインボタン313、ユーザID入力欄311およびパスワード入力欄312に誤った入力内容を入力してしまったとき等に、ログイン操作を取り消すための操作を受け付けるキャンセルボタン314が設けられている。
【0096】
パーソナルコンピュータ200にログインするユーザは、キーボード231およびマウス23等の入力装置を操作して、予め設定されたユーザIDをユーザID入力欄311に入力し、ユーザIDに対応するパスワードをパスワード入力欄312に入力した後、ログインボタン313を操作する。これにより、パーソナルコンピュータ200によってパスワードの認証が行われ、認証によってユーザの正当性の確認に成功した場合、ユーザはパーソナルコンピュータ200にログインすることができる。
【0097】
本実施の形態の設定サーバ100は、特に、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に対して、情報処理装置の完成後に設置され、または注文生産時のオプションとして追加的に搭載されるパスワード認証を行うセキュリティ装置(例えば、セキュリティ部240)のパスワード設定にも適している。
【0098】
パスワード認証によるセキュリティ装置を利用するためには、ユーザ側で各コンピュータのセキュリティ装置のパスワードを設定しておくか、セキュリティ装置または情報処理装置の製造時等に既定のパスワードを設定しておく必要がある。
【0099】
ここで、例えば企業等の多数のパーソナルコンピュータを使用する現場において、1台ずつ手作業でパスワードを設定するのは管理者にとって負担が大きい。これに対して規定のパスワードを用いれば安全性の点で問題がある。また、管理者がユーザ個人にパスワードの再設定を指示してもユーザ個人にとっても手間が面倒であり、徹底が困難な場合もある。
【0100】
以上のように、本実施の形態によれば、設定サーバ100が有するプログラム生成部112により、パスワード設定情報を有する設定実行プログラムが生成され、出力部113により、設定実行プログラムが出力される。これにより、パーソナルコンピュータ200は、この設定実行プログラムを実行することで、複数の情報処理装置にそれぞれ異なるパスワードを設定する際の作業負担を軽減することが可能になる。
【0101】
また、プログラム生成部112が生成する設定実行プログラムにより、パーソナルコンピュータ200側で特別なプログラムを準備することなくパスワードを自動的に設定することができる。
【0102】
また、複数のコンピュータのセキュリティ装置のパスワードを容易に設定可能であるため、少数の管理者で多数の情報処理装置が有するセキュリティ装置の設定を特定の規則に基づき行う場合の工数が減るため、セキュリティ装置の設置が促進され、情報処理装置のセキュリティが向上する。
【0103】
また、パーソナルコンピュータ200で実行される設定実行プログラムは、設定サーバ100から出力されるパスワード設定変更要求を待ってパスワードの設定を行うので、設定実行プログラムを不正に入手してもパスワードの設定が実行されないため、安全性が高まる。
【0104】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、設定サーバ100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0105】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto - Optical disk)等がある。
【0106】
上記プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータに格納しておき、ネットワークを通じて、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0107】
上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0108】
以上、開示のパスワード設定装置、パスワード設定プログラム、パスワード設定システムおよびパスワード設定方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、開示の技術に他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、開示の技術は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
【0109】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、開示の技術は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【0110】
(付記1) 識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶するパスワード設定情報記憶手段と、
前記パスワード設定情報記憶手段に記憶されている前記パスワード設定情報を取得する設定情報取得手段と、
前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段と、
前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段と、
を有することを特徴とするパスワード設定装置。
【0111】
(付記2) 前記パスワード設定情報記憶手段は、第1の識別情報と前記情報処理装置に設定される前記パスワードとが対応付けられた前記パスワード設定情報を記憶し、
前記情報処理装置は、
前記パスワード設定装置が有する前記出力手段から出力された前記設定実行プログラムの入力を受け付ける入力手段と、
第2の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
を有し、
前記設定実行プログラムは、前記情報処理装置を、
前記識別情報記憶手段に記憶されている前記第2の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から前記第1の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から、前記パスワード設定情報によって前記第2の識別情報と一致する前記第1の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得するパスワード取得手段、
前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定する設定手段、
として機能させることを特徴とする付記1記載のパスワード設定装置。
【0112】
(付記3) 前記出力手段は、電気通信回線を通じて前記情報処理装置に前記設定実行プログラムを出力することを特徴とする付記1記載のパスワード設定装置。
(付記4) 前記識別情報は、前記情報処理装置を識別する情報であることを特徴とする付記1記載のパスワード設定装置。
【0113】
(付記5) 前記設定実行プログラムは、複数の前記パスワード設定情報を有することを特徴とする付記1記載のパスワード設定装置。
(付記6) 前記識別情報は、前記情報処理装置を操作するユーザを識別する情報であることを特徴とする付記1記載のパスワード設定装置。
【0114】
(付記7) 前記出力手段は、前記情報処理装置に前記設定実行プログラムを実行させるパスワード設定要求を送信することを特徴とする付記1記載のパスワード設定装置。
(付記8) 第1の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
第2の識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記識別情報記憶手段に記憶されている前記第1の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記パスワード設定情報から前記第2の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記入力手段によって入力が受け付けられた前記パスワード設定情報が有する前記パスワードであって、前記パスワード設定情報によって、前記第1の識別情報と一致する前記第2の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得するパスワード取得手段と、
前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定する設定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0115】
(付記9) ユーザのパスワードの入力操作を受け付けるパスワード入力操作手段と、
前記パスワード入力操作手段によって入力された前記パスワードと設定されたパスワードとを比較することにより前記ユーザを認証する認証手段と、
を有するセキュリティ手段を有し、
前記設定手段は、前記認証手段に前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを設定することを特徴とする付記8記載の情報処理装置。
【0116】
(付記10) コンピュータを、
パスワード設定情報記憶手段に記憶されている、識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を取得する設定情報取得手段、
前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段、
前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段、
として機能させることを特徴とするパスワード設定プログラム。
【0117】
(付記11) パスワード設定装置と情報処理装置とを有するパスワード設定システムであって、
前記パスワード設定装置は、
第1の識別情報と前記情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶するパスワード設定情報記憶手段と、
前記パスワード設定情報記憶手段に記憶されている前記パスワード設定情報を取得する設定情報取得手段と、
前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段と、
前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記パスワード設定装置が有する前記出力手段から出力された前記設定実行プログラムの入力を受け付ける入力手段と、
第2の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
を有し、
前記設定実行プログラムは、前記情報処理装置を、
前記識別情報記憶手段に記憶されている前記第2の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から前記第1の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から、前記パスワード設定情報によって前記第2の識別情報と一致する前記第1の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得するパスワード取得手段、
前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定する設定手段、
として機能させることを特徴とするパスワード設定システム。
【0118】
(付記12) パスワード設定装置が有する設定情報取得手段が、パスワード設定情報記憶手段に記憶されている第1の識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を取得し、
前記パスワード設定装置が有するプログラム生成手段が、前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成し、
前記パスワード設定装置が有する出力手段が、前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力し、
前記情報処理装置が有する入力手段が、前記パスワード設定装置が有する前記出力手段から出力された前記設定実行プログラムの入力を受け付け、
前記情報処理装置が前記設定実行プログラムを実行することにより、
前記情報処理装置が有する識別情報取得手段が、識別情報記憶手段に記憶されている第2の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から前記第1の識別情報を取得し、
前記情報処理装置が有するパスワード取得手段が、前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から、前記パスワード設定情報によって前記第2の識別情報と一致する前記第1の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得し、
前記情報処理装置が有する設定手段が、前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定することを特徴とするパスワード設定方法。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施の形態の概要を示す図である。
【図2】本実施の形態のシステム構成を示す図である。
【図3】設定サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図4】パーソナルコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【図5】設定サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】パスワード設定テーブルの構成例を示す図である。
【図7】設定実行プログラム生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】設定実行処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】パスワード設定時の手順を示すシーケンス図である。
【図10】管理画面を示す図である。
【図11】編集画面を示す図である。
【図12】パーソナルコンピュータの外観を示す図である。
【図13】パスワード入力操作部を示す図である。
【図14】本実施の形態の変形例におけるログイン画面を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
1 パスワード設定装置
1a 設定情報取得手段
1b プログラム生成手段
1c 出力手段
1d パスワード設定情報記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶するパスワード設定情報記憶手段と、
前記パスワード設定情報記憶手段に記憶されている前記パスワード設定情報を取得する設定情報取得手段と、
前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段と、
前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段と、
を有することを特徴とするパスワード設定装置。
【請求項2】
前記パスワード設定情報記憶手段は、第1の識別情報と前記情報処理装置に設定される前記パスワードとが対応付けられた前記パスワード設定情報を記憶し、
前記情報処理装置は、
前記パスワード設定装置が有する前記出力手段から出力された前記設定実行プログラムの入力を受け付ける入力手段と、
第2の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
を有し、
前記設定実行プログラムは、前記情報処理装置を、
前記識別情報記憶手段に記憶されている前記第2の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から前記第1の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から、前記パスワード設定情報によって前記第2の識別情報と一致する前記第1の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得するパスワード取得手段、
前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定する設定手段、
として機能させることを特徴とする請求項1記載のパスワード設定装置。
【請求項3】
前記出力手段は、電気通信回線を通じて前記情報処理装置に前記設定実行プログラムを出力することを特徴とする請求項1記載のパスワード設定装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記情報処理装置を識別する情報であることを特徴とする請求項1記載のパスワード設定装置。
【請求項5】
前記設定実行プログラムは、複数の前記パスワード設定情報を有することを特徴とする請求項1記載のパスワード設定装置。
【請求項6】
コンピュータを、
パスワード設定情報記憶手段に記憶されている、識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を取得する設定情報取得手段、
前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段、
前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段、
として機能させることを特徴とするパスワード設定プログラム。
【請求項7】
パスワード設定装置と情報処理装置とを有するパスワード設定システムであって、
前記パスワード設定装置は、
第1の識別情報と前記情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を記憶するパスワード設定情報記憶手段と、
前記パスワード設定情報記憶手段に記憶されている前記パスワード設定情報を取得する設定情報取得手段と、
前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成するプログラム生成手段と、
前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力する出力手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記パスワード設定装置が有する前記出力手段から出力された前記設定実行プログラムの入力を受け付ける入力手段と、
第2の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
を有し、
前記設定実行プログラムは、前記情報処理装置を、
前記識別情報記憶手段に記憶されている前記第2の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から前記第1の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から、前記パスワード設定情報によって前記第2の識別情報と一致する前記第1の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得するパスワード取得手段、
前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定する設定手段、
として機能させることを特徴とするパスワード設定システム。
【請求項8】
パスワード設定装置が有する設定情報取得手段が、パスワード設定情報記憶手段に記憶されている第1の識別情報と情報処理装置に設定されるパスワードとが対応付けられたパスワード設定情報を取得し、
前記パスワード設定装置が有するプログラム生成手段が、前記設定情報取得手段によって取得された前記パスワード設定情報を有すると共に前記情報処理装置に前記パスワードの設定の処理を実行させる設定実行プログラムを生成し、
前記パスワード設定装置が有する出力手段が、前記プログラム生成手段によって生成された前記設定実行プログラムを出力し、
前記情報処理装置が有する入力手段が、前記パスワード設定装置が有する前記出力手段から出力された前記設定実行プログラムの入力を受け付け、
前記情報処理装置が前記設定実行プログラムを実行することにより、
前記情報処理装置が有する識別情報取得手段が、識別情報記憶手段に記憶されている第2の識別情報を取得し、前記入力手段によって入力が受け付けられた前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から前記第1の識別情報を取得し、
前記情報処理装置が有するパスワード取得手段が、前記設定実行プログラムが有する前記パスワード設定情報から、前記パスワード設定情報によって前記第2の識別情報と一致する前記第1の識別情報に対応付けられた前記パスワードを取得し、
前記情報処理装置が有する設定手段が、前記パスワード取得手段によって取得された前記パスワードを前記情報処理装置に設定することを特徴とするパスワード設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−92134(P2010−92134A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259198(P2008−259198)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】