説明

パターン形成方法及びパターン形成装置

【課題】インクジェット方式を用いた微細パターンの形成におけるパターンのにじみが防止され、好ましい微細パターン形成が実現されるパターン形成方法及びパターン形成装置を提供する。
【解決手段】基板(10)のパターン形成面(10A)に形成されるパターン(12)に対応して、パターンの幅方向の両側の外縁を含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドット(26)の直径未満の幅を有する光線(20)を照射して、当該処理対象領域に改質処理が施される改質処理工程と、改質処理が施された処理対象領域を含むパターンが形成される領域に対してインクジェット方式により機能性液体が打滴される打滴工程と、を含むことを特徴とする。改質処理の露光解像度はドット解像度の10倍以上とする態様が好ましい。また、改質処理中の基板に対して反応ガスを供給する反応ガス供給工程を含む態様が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパターン形成方法及びパターン形成装置に係り、特に、インクジェット方式を用いた微細パターンの形成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット方式の液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を用いて、基板上に電気配線パターンやマスクパターンなどの微細パターンを形成する技術が注目されている。例えば、金属粒子や樹脂粒子を拡散させた液体をインクジェットヘッドから打滴してパターンを描画し、加熱等により硬化させて、電気配線パターンやマスクパターンが形成される。インクジェット方式を用いたパターンの描画における課題として、基板上に着弾した複数の液滴が合一することにより発生するバルジ(集まり)の発生や、液滴の飛翔方向ズレ又は基板上に着弾した液滴の移動より生じるジャギーの発生等によるインクのにじみが挙げられる。
【0003】
図31(a),(b)は、従来技術に係るインクジェット方式を用いた微細パターン形成方法の課題を説明する図であり、基板1のパターン形成面1Aが図示されている。図31(a)は、基板1のパターン形成面1Aに着弾した複数の液滴2が合一して1つの大きな液滴3となった状態(バルジが発生した状態)が図示されている。また、図31(b)は、基板1のパターン形成面1Aに着弾した液滴2に着弾位置のズレが生じ、ジャギーが発生した状態が図示されている。図31(a),(b)とも、本来形成されるべきパターンは符号4を付し破線により図示した形状である。かかる課題を解決するために様々な検討がなされている。
【0004】
非特許文献1は、フォトリソグラフィー技術を応用して、基板の表面エネルギーを部分的に変えてからインクジェット法を用いて液滴を打滴することで、正確に細かいパターンを描画する手法を開示している。
【0005】
また、特許文献1は、レーザー光により取り囲まれた領域に液滴が打滴されることで、所定の起動から外れた液滴を所定の軌道に戻し、レーザー光で取り囲まれた領域内に当該液滴が着弾するように構成された液体吐出装置を開示している。
【0006】
特許文献2は、機能性材料を含有する溶液をインクジェット方式により噴射させ、基体上に機能性材料を残留させて、機能性基体を製造する方法を開示している。引用文献2に開示された技術では、機能性材料の溶液を噴射させる前に、基体上にレーザー光を照射して基体上の溶液付着力改質を行うように構成されている。また、特許文献2は、レーザー光のスポットサイズ(φ10μm)よりも単独のドット径(15μm)が大きい旨を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「フレキシブル電気泳動表示用全印刷有機TFTアレイ」(株式会社リコー、鈴木幸栄著、月刊ディスプレイ ’10 5月号、35ページ〜40ページ)
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3794406号
【特許文献2】特開2005−81159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1に開示された手法は、事前にフォトマスクが必要であり、基板とのアライメント工程が必須である。さらに、基板の変形(歪み)にフォトマスクを対応させることができないため、基板の変形等に対して表面エネルギーを変化させる処理を追従させることができない。そのために、基板の変形等に起因して描画されたパターンがずれてしまう問題などが生じる。
【0010】
また、特許文献1に開示された液体吐出装置は、液滴の飛翔方向の曲がりを回避することができるものの、着弾後の液滴が移動してしまうことを回避するものではない。したがって、基板上における液滴の合一によるバルジの発生や、着弾後の液滴の移動により生じるジャギーの発生によるパターンのにじみを回避することが困難である。
【0011】
特許文献2に開示された機能性基体の製造方法は、レーザー光のスポット径が単独のドット径よりも小さくなっているために、機能性材料のパターンのエッジ部にジャギーが発生し、機能性材料のパターンの品質が低下してしまう。さらに、機能性材料の溶液の塗れ広がりがレーザー光の照射領域により規制されてしまい、所定のサイズのドットを得ることが困難である。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インクジェット方式を用いた微細パターンの形成におけるパターンのにじみが防止され、基板の歪みに追従(対応)した、好ましい微細パターン形成が実現されるパターン形成方法及びパターン形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係るパターン形成方法は、基板のパターン形成面に形成されるパターンに対応して、前記パターンの内部あるいは前記パターンの外縁のいずれかを含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドットの直径未満の幅を有する光線を照射して、当該処理対象領域に改質処理が施される改質処理工程と、前記改質処理が施された処理対象領域に対してインクジェット方式により液滴が打滴される打滴工程と、含むことを特徴とする。また、基板の歪みを検出してオンデマンドで改質する領域を変更することで、パターンずれのない正確な描画を可能とする特徴がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板のパターン形成面に形成されるパターンに対応する処理対象領域に対して改質処理を施すことで、ドットの着弾位置にずれが生じたとしても、ドットが所定位置に引き寄せられ、ドットの位置ずれや位置ずれに起因する合一が防止される。また、ドットの直径未満の幅で改質処理が施されることで、ドットの定着位置が改質処理の幅のオーダーで調整されるので、パターンの品質(描画品質)が向上する。特に、パターンのエッジ部分(パターンの幅方向の両端部)に生じるジャギーが改質処理の幅にならうために、ジャギーが視認されにくくなり、当該パターンのエッジ部分の品質が向上する。また、基板の歪みを検出して改質パターンを変更することで、オンデマンドでパターンずれを補正することができ、描画の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るパターン形成方法における改質処理工程の概念図
【図2】図1に示す改質処理工程における改質処理後の状態を模式的に示す説明図
【図3】本発明に係るパターン形成方法における打滴処理工程の概念図
【図4】図3に示す打滴工程におけるインク打滴後の状態を模式的に示す説明図
【図5】本発明に係るパターン形成方法を用いて形成された配線基板の配線パターンを示す説明図
【図6】図5に示す配線パターンの曲げ部近傍の改質処理後の状態を模式的に示す説明図
【図7】図5に示す配線パターンの曲げ部近傍の打滴後の状態を模式的に示す説明図
【図8】打滴後のドットの形状変化の説明図
【図9】図5に示す配線パターンの曲げ部近傍の最終状態を示す説明図
【図10】本発明に係るパターン形成装置の概略構成を示す全体構成図
【図11】図10に示す改質処理部の概略構成を示す構成図
【図12】図10に示すパターン形成部の概略構成を示す構成図
【図13】図10に示すパターン形成部に適用されるインクジェットヘッドのノズル配置を説明する図
【図14】図10に示すインクジェットヘッドの立体構造を示す断面図
【図15】図12に示すパターン形成部の他の構成例を示す全体構成図
【図16】図15に示すライン型ヘッドの構成を示す平面透視図
【図17】図16に示すライン型ヘッドのノズル配置を説明する図
【図18】図10に示すパターン形成装置の制御系の構成を示すブロック図
【図19】本発明の応用例に係るパターン形成方法の説明図
【図20】本発明の第2実施形態に係るパターン形成装置の概略構成を示す斜視図
【図21】図20に示すパターン形成装置を搬送ドラムの側面側から見た側面図
【図22】図20に示すパターン形成装置の制御系の構成を示すブロック図
【図23】本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法における打滴処理工程の概念図
【図24】図23に示すパターン形成装置の他の構成例の説明図
【図25】図23に示すパターン形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図
【図26】本発明の第4実施形態に係るパターン形成装置の概略構成を示す構成図
【図27】図26に示すインクジェットヘッド及び紫外線光源の配置例を示す平面透視図
【図28】図26に示すパターン形成装置の他の構成例の説明図
【図29】図26に示すパターン形成装置のさらに他の構成例の説明図
【図30】図26に示すパターン形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図
【図31】従来技術に係るインクジェット方式を用いたパターン描画の課題を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
〔パターン形成方法の説明〕
本発明に係るパターン形成方法は、ガラス基板やシリコンウエハ(シリコン基板)、シリコン樹脂、フィルム基板、絶縁加工された金属板などの基板(基体)のパターン形成面に、電気配線パターンやマスクパターン(レジストパターン)などの微細パターンを形成するものであり、配線パターンが形成される領域に対応した改質処理領域に対して改質処理を施す改質処理工程と、改質処理後の基板へ溶媒に金属粒子を分散させた金属液、溶媒に樹脂粒子を分散させた樹脂液などの機能性液体(以下、単に「液体」と記載することがある。)を打滴する打滴(パターン形成)工程と、を含んでいる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るパターン形成方法における改質処理工程の概念図である。同図に示す改質処理工程は、基板10のパターン形成面10Aにおける直線状の微細パターン12(二点破線により図示)が形成される領域に対して、改質エネルギー付与部14から改質処理エネルギー(白抜き矢印線により図示)を付与して改質処理を施す工程である。
【0019】
基板10は、ガラス基板、シリコンウエハ(シリコン基板)、フィルム基板、シリコン樹脂、絶縁された金属板などが適用される。ガラス基板の材料として、石英、LCD用無鉛ガラスが挙げられる。さらに、ガラスと樹脂を混合したガラスエポキシ樹脂(ガラエポ基板)なども適用可能である。
【0020】
また、フィルム基板の材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)などが挙げられる。
【0021】
フィルム基板は、バリア層や導電層を含むものでもよい。絶縁加工された金属板の材料として、アルミニウムの表面を酸化させたアルミナ基板などが挙げられる。
【0022】
本例に示す改質処理工程における改質エネルギーはレーザー光線(スポット光)が適用される。このレーザー光線の一例を挙げると、波長は300(nm)、365(nm)、405(nm)などの紫外線領域又は可視光領域であり、出力は10〜数百(mJ/cm2)、レーザー光線の光径(スポット径)は1〜2μmである。
【0023】
もちろん、紫外線領域、可視光領域だけでなく赤外光領域のレーザー光を適用することも可能である。また、半導体レーザーや固体レーザー、液体レーザー、気体レーザーなど、様々な媒体を適用することが可能である。
【0024】
改質エネルギーにレーザー光線が適用される改質エネルギー付与部14は、レーザー光を発生させるレーザー光源ユニット(発振器)と、光学系により所定の光径となるように絞られたレーザー光線を基板に照射する露光ヘッドと、を具備している。レーザー光源は、露光ヘッドに内蔵されていてもよいし、外部に設置されていてもよい。
【0025】
改質処理の一例として、親液処理と撥液処理が挙げられる。改質処理に用いられる反応ガスを切り換えることで、親液処理と撥液処理とを選択的に切換可能である。
【0026】
例えば、反応ガス(雰囲気ガス)供給部16から酸素を含む反応ガス、又は窒素を含む反応ガスが供給された雰囲気に改質処理対象の基板10が置かれ、該反応ガス雰囲気下の基板10にレーザー光線が照射されると、当該レーザー光線が照射された照射領域はレーザー光線が照射されていない非照射領域よりも高い親液性を有する。
【0027】
一方、フッ素系ガス雰囲気に置かれた基板10にレーザー光線が照射されると、該レーザー光線が照射された照射領域はレーザー光線が照射されていない非照射領域よりも高い撥液性を有する。
【0028】
なお、「高い親液性」を有する状態とは、基板10に対する液滴の接触角が相対的に小さい状態であり、「高い撥液性」を有する状態とは、基板10に対する液滴の接触角が相対的に大きい状態である。
【0029】
「高い撥液性を有する状態」の具体例として、基板10に対する液滴の接触角が45°以下である状態が挙げられる。また、「高い撥液性を有する状態」の具体例として、基板10に対する液滴の接触角が80°以上である状態が挙げられる。
【0030】
図1は、ステージ18に保持された基板10を所定の移動方向に移動させながら(矢印線により移動方向を図示)、レーザー光線が照射される態様が図示されている。基板10の移動方向と直交する方向については、同方向についてレーザー光線を走査させてもよいし、基板10の同方向の長さ(全幅)に対応して多数のスポット光の照射口を備えて、同時にレーザー光線を照射するマルチ露光を適用してもよい。1つのレーザー光を走査させる態様では、1回の走査幅がスポット光の光径に対応する。
【0031】
また、固定された基板10に対して露光ヘッド(改質エネルギー付与部14)を移動させる態様も可能である。すなわち、露光ヘッドを支持するとともに、二次元的に移動させる移動機構により露光ヘッドを移動させながら、所定の照射領域にレーザー光を照射する。
【0032】
図2は、微細パターン12が形成される領域(微細パターンを構成するドットが配置される領域の内縁の内側、後述する液体(ドット)によって被覆される領域)に改質処理が施された状態を模式的に図示した説明図である。
【0033】
同図では、微細パターン12の形状が二点破線により図示されている。改質処理工程において、基板10(図1参照)に照射されるレーザー光線の光径(露光径)Dは2μmであり、レーザー光線の露光ピッチPは2μm未満となっている。
【0034】
なお、図2において、符号20を付して図示したレーザー光線の1ビームの照射領域は、図示の都合上隣同士が重なっていないが、実際には隣同士が重なり合いパターン12の内部の全域に対して改質処理が施される。
【0035】
すなわち、微細パターン12が形成される領域である改質処理対象領域は、1ビームあたり2μmの露光径(露光幅)を有するレーザー光線が隙間なく、かつ、微細パターン12が形成される領域を埋めつくすように照射される。
【0036】
レーザー光線の露光径(露光幅)Dは、後述するドットの直径D(図4参照)よりも十分に小さくなっており、レーザー光線の露光ピッチPは、パターンのドットピッチP(図4参照)よりも十分に小さく(細かく)なっている。
【0037】
図3は、本例に示すパターン形成方法における打滴(パターン形成)工程の概念図である。同図に示す打滴工程は、改質処理後の基板10に対して、インクジェットヘッド22から液滴24が打滴され、基板10のパターン形成面10Aに着弾した液滴24によってドット26が形成される工程である。
【0038】
本工程に適用可能な液体は、インクジェット方式によって打滴可能な物性(粘度等)を有しており、その一例として、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)などの金属粒子や、これらの金属元素を含む合金の粒子を所定の溶媒中に分散させた金属液や、上記した金属を含む前駆体溶液などの配線インクが挙げられる。かかる配線インクによって10μmから数十μmの微細幅を有する電気配線が形成される。
【0039】
また、上記した配線インクを用いた電気配線パターン形成以外にも、樹脂粒子などの絶縁体粒子を溶媒中に分散させた液体(例えば、レジストインク)を用いたマスクパターン形成や、半導体、有機EL発光材などを溶媒中に分散させた電子材料インクを用いたパターン形成も可能である。このように、インクジェット方式によるパターン形成は、オンデマンドでマスクレス化された微細パターンの形成が可能である。
【0040】
図3には、基板10を所定の移動方向(矢印線により図示)に移動させながらパターン形成を行う態様が例示されている。基板10の移動方向と直交する方向については、インクジェットヘッド22を同方向に走査させるシリアル方式でもよいし、基板10の同方向における長さ(全幅)にわたって多数のノズルが配置されたフルライン型ヘッドを備え、同方向について同時に打滴可能な形態でもよい。
【0041】
図4は、改質処理が施された領域にドット26が形成された状態を模式的に図示した説明図である。同図に示すドット26の直径Dは、レーザー光線の露光径Dよりも十分に大きくなっており、図4に示すドット26の直径Dは、レーザー光線の露光径Dの10倍である。
【0042】
また、ドット間ピッチPは、レーザー光線の露光ピッチPの10倍となっている。言い換えると、ドット解像度は改質処理の解像度の1/10未満となっている。なお、図4では、隣接するドット26の一部がわずかに重なるように打滴される態様を図示したが、隣接するドット26の重なり部分がより多くなるように打滴してもよい。
【0043】
すなわち、本例に示すパターン形成方法では、ドット解像度よりも改質処理の解像度を十分に大きくすることで、ドット26の着弾位置のずれが改質処理の解像度のオーダーに応じて補正される。
【0044】
したがって、ドット26の定着位置の精度が改質処理の解像度のオーダーとなり、改質処理が施されない場合よりも十分に高くなり、ドット26の位置ずれに起因するジャギーやバルジの発生が抑制される。
【0045】
また、改質処理が施された領域はドットの定着性(基板10とドット26との間の接合性能)が高くなっているので、ドットは改質処理の解像度にならって定着し、仮にジャギーが発生したとしてもそのジャギーは視認されにくい程度の小さなものとなっている。
【0046】
図示の例では、ドット解像度を改質処理の解像度の1/10程度とする態様を例示したが、ドット解像度を改質処理の解像度の1/10倍よりもさらに小さくして、改質処理の解像度をより細かくすることが好ましい。
【0047】
図5は、本例に示すパターン形成方法が適用され、配線パターンが形成されたプリント配線基板のパターン形成面を示す平面図である。
【0048】
同図に示すプリント配線基板10は、エッジ部10Bに形成された複数の電極(パッド)30のそれぞれと接続される複数の電気配線パターン12が形成されている。この複数の電極30は、該エッジ部10Bに取り付けられるカードエッジコネクタに対応しており、その配置ピッチは10μmから数十μmである。また、配線パターン12の幅及び配置ピッチも10μmから数十μmとなっている。
【0049】
図5に符号32を付した配線パターン12の曲げ部は、ドットの定着位置のずれにより、ジャギーやバルジが発生すると、パターン切れなどの欠陥となりやすく、特にドットの位置決め精度が要求される。
【0050】
したがって、本例に示すパターン形成方法を適用することで、ジャギーやバルジの発生が抑制され、配線パターン12の曲げ部32におけるパターン12の欠陥の発生が防止される。
【0051】
図6は、図5に図示した配線パターン12の曲げ部32に改質処理が施された状態が模式的に図示されている。
【0052】
図6において拡大して図示された配線パターン12(曲げ部32)は、R=φ20μm、線幅=50μmである。なお、図5では、曲げ部32の曲げ角度を約45°に図示したが、図6では、曲げ部32の形状が極端な場合として、曲げ角度を約90°として図示した。
【0053】
また、基板10(図5参照)は、厚みが0.1mmのPETフィルム基板であり、改質エネルギーは、出力が100(mJ/cm2)、波長が405nm、ビーム径Dが2μmのレーザー光線が適用される。
【0054】
さらに、反応ガスとして酸素を含むガス(大気でも可)が適用され、改質処理後の処理対象領域(ドット26(図4参照)が打滴される領域)は親液性となっている。
【0055】
図6に示すように、ドット解像度よりも十分に細かい解像度(図示の例では10倍程度)で改質処理が施されるので、パターン12の曲線に対して多少の改質処理の欠損(改質部分を示す円形状がない部分)が存在するものの、パターンの曲げ部32のエッジでも実質的に十分な、直線部分とほぼ同一の改質解像度が得られている。
【0056】
図7は、改質処理(親液処理)後の基板10に銀インク(又は銅インク)が打滴された状態を模式的に図示した説明図である。また、図8(a),(b)は、着弾後の液滴(ドット)26の状態変化を模式的に図示した説明図(断面図)である。
【0057】
図8(a)に示すように、着弾直後の液滴(ドット)26は半球形状を有しているが、時間経過とともに中心から放射状に濡れ広がり、直径が大きくなるとともに高さが低くなる。
【0058】
図示の例では、着弾時のドット26の直径はφ30mmであり、濡れ広がって安定したドットの直径はφ50mmである。図8(b)に示すように、濡れ広がったドット26が隣接する打滴位置に着弾した他のドットと接触すると、互いの表面張力によって引き寄せ合い、図8(b)に示すように一体化して、図9に示す配線パターン12が形成される。
【0059】
すなわち、液滴(ドット)26の着弾位置に図7に示すような位置ズレが生じても、また、濡れ広がったドット26が、改質処理がされていない領域にはみ出したとしても、ドット26は改質処理がされた親液性を有する領域に引き寄せられる。
【0060】
また、隣接するドット同士が一体化するときにも、改質処理が施されたパターン(露光パターン)にならうので、配線パターン12を形成するドット26が改質処理されている親液性を有する領域に収まり、非改質領域にはみ出すことがない。
【0061】
さらに、改質処理の解像度がドット解像度よりも十分に細かいので、パターンのエッジに生じるジャギーは改質処理領域のエッジ形状にならい目立たなくなるので、配線パターン品質(特に、エッジ部)の品質が向上する。
【0062】
このようにして、改質処理における処理解像度をパターン描画のドット解像度よりも十分に細かくすることで、液滴(ドット)の定着位置の精度が向上し、パターンの高品質化が可能となる。
【0063】
特に、描画パターンのエッジ部における形状が安定してジャギーレスとなり、より高い描画品質が得られる。
【0064】
また、改質エネルギーとしてレーザー光線を適用することで、高いエネルギーによる効率のよい改質処理が可能となり、基板の材質や形状に依存することなく高速かつ高品質の改質処理が可能である。
【0065】
さらに、改質処理雰囲気に導入される反応ガスを適宜選択することで、改質処理の内容を選択することができ、様々な材質の基板や、様々な物性を有する液体に対応することができる。さらにまた、ドット(パターン)と基板との接合力が向上するので、平滑面にも高精度に液滴を定着させることができ、基板の曲げにも強く、かつ、耐久性が向上する。
【0066】
本例に示すパターン形成方法が適用されて作製される作製物として、プリント配線基板、フレキシブル配線基板、フレキシブル有機ELディスプレイ(有機ELディスプレイパネル)、電子ペーパー、太陽電池パネルなどが挙げられる。
【0067】
例えば、TFTピッチが10μm×100μmから200μm×200μm程度であり、ゲート線、ソース線の最小線幅が40μm、スペースが20μm、ソース電極の最小線幅は20μm、チャネル幅が5μmのTFTアレイを作製することが可能である。
【0068】
また、これらの電気配線パターンや、素子を形成するための半導体層やその他マスクパターン形成にも適用可能である。なお、上記の作製物を作製する工程の一部に本発明に係るパターン形成方法を適用し、他の手法に係る工程との併用も可能である。
【0069】
〔パターン形成装置の説明〕
次に、上述したパターン形成方法を具現化するための装置構成について説明する。
【0070】
図10は、本発明の実施形態に係るパターン形成装置の概略構成図である。同図に示す
パターン形成装置100は、基板102の歪みを検出する歪み検出部110と、基板102に改質処理を施す改質処理部120と、改質処理後の基板102に微細パターンを形成するパターン形成部(インクジェット打滴部)130と、を具備している。
【0071】
歪み検出部110は、基板102を支持する搬送機構112と、基板102の歪みを検出するセンサ114と、を含んで構成されている。搬送機構112は、センサ114の検出領域において基板102を所定の姿勢に保持しながら所定の方向に移動させる。搬送機構112は基板102を一方向に搬送する形態でもよいし、直交する二方向(例えばXY方向)に搬送する形態でもよい。
【0072】
センサ114は、半導体レーザーやLEDなどの光源と、CCDなどの撮像素子を具備する光学式の検出システムが適用される。すなわち、センサ114は、予め基板102に設けられているアライメントマーク(図10中不図示、図20に符号303を付して図示)を撮像し、その撮像信号を制御系(図18に詳細を図示)に送出する。
【0073】
該制御系では、センサ114から得られた検出信号(撮像信号)に基づいて、基板102自体の歪み及び描画の歪みを検出し、その歪みを打ち消すようにパターンの補正データが生成されるとともに、該パターンの補正データに対応する改質処理の補正データが生成される。すなわち、パターン形成前の基板102の歪みに対応する補正がオンデマンドで実行される。
【0074】
ここでいう「基板の歪み」は、基板102自体の歪みの他に、描画の歪みも含まれる。基板102自体の歪みとして、基板102が所定位置から縦方向や横方向にずれている場合、高さ方向にずれている場合、又は回転している場合などが挙げられる。
【0075】
また、描画の歪みは、描画位置のずれの他に、描画形状が拡大されている場合、縮小されている場合、台形状に歪んでいる場合などが挙げられる。
【0076】
なお、センサ114を二次元的に移動させながら、固定された基板の歪みを検出する形態や、基板102(搬送機構112)及びセンサ114の両者を相対的に移動させながら、基板の歪みを検出する形態も可能である。
【0077】
上記に説明した歪み検出部110の機能は、先に説明したパターン形成方法における歪み検出工程として構成することも可能である。すなわち、上記のパターン形成方法は、基板10の歪みを検出する歪み検出工程と、歪み検出工程により検出された基板10の歪みに対応した改質処理の補正データ及びパターン形成の補正データが生成される補正データ生成工程と、を含み、該補正データに基づいて改質処理工程、及びパターン形成工程が実行されるように構成してもよい。
【0078】
改質処理部120は、所定の反応ガスが充填されたチャンバー122と、チャンバー122内で基板102を保持するとともに所定の移動方向へ移動させる搬送機構124と、基板102の所定領域に対してレーザー光線を照射する露光ヘッド126と、を具備している。
【0079】
図11は、露光ヘッド126の概略構成を示す構成図である。同図に示す露光ヘッド126は、レーザー発振器126A、シャッター機構126B、コリメートレンズ126C、レーザー光の光束を調整するレンズ系126D、露光対象面に必要なスポット径のレーザー光線を照射するための先端光学系(ミラー、レンズ等)126Eを具備し、所定の露光径を有するスポット光を基板に照射するように構成されている。
【0080】
本例では、基板102の移動方向と直交する方向に露光ヘッド126を走査させて、同方向における一回の走査で改質処理が可能な領域について改質処理を実行し、該走査方向における一回の改質処理が終了すると、基板102を所定量移動させて次の領域について改質処理を実行し、この動作を繰り返すことで基板102の全面にわたって改質処理が施されるシリアル方式が適用される。
【0081】
もちろん、走査光学系を具備し、露光ヘッド126を走査させる代わりにレーザー光線自体を走査させてもよいし、基板102を移動させながら、基板102の全幅にわたって多数のスポット光端を配列させ、基板102の全幅にわたって同時にレーザー光線を照射する形態も可能である。
【0082】
図10に示すパターン形成部130は、基板102を固定しつつ所定の方向へ移動させる搬送機構132と、インクジェットヘッド134と、を含んで構成されている。インクジェットヘッド134から液滴が打滴され、所定のパターンが形成された基板102は不図示の基板排出部から排出される。
【0083】
また、図10に示すパターン形成装置100は、歪み検出部110と改質処理部120との間で基板102の受け渡しを行う受渡部140と、改質処理部120とパターン形成部130との間で基板102の受け渡しを行う受渡部142と、を備えている。
【0084】
図12は、パターン形成部130の一態様を示す構成図である。同図に示すパターン形成部130は、インクジェットヘッド134の走査方式として、シリアル方式が適用される。
【0085】
すなわち、パターン形成部130は、インクジェットヘッド134が搭載されたキャリッジ150を主走査方向Mに沿って移動させる走査機構152と、基板102を支持するステージ156を副走査方向Sに沿って移動させる搬送機構132と、を具備している。
【0086】
図12に示す走査機構152は、キャリッジ150の送り機構としてボールネジ154が適用され、キャリッジ150の支持部材としてガイド部材158が適用される。また、搬送機構132は、ステージ156の送り機構としてボールネジ160が適用される。
【0087】
なお、ボールネジ160に代わり、リニアスライダーなどのリニアアクチュエータを適用してもよいし、xyテーブルを適用してもよい。
【0088】
図13(a)は、インクジェットヘッド134のノズル配置を示すインクジェットヘッド134のノズル面の平面図である。同図に示すように、インクジェットヘッド134は、副走査方向(図中上下方向)について、複数のノズル170が配置ピッチPで一列に並べられた構造を有している。
【0089】
ノズル170の配置ピッチを高密度化するために、図13(b)に示すように複数のノズル170を千鳥状に配置してもよいし、マトリクス状に配列してもよい(図17参照)。図13(b)に示す千鳥配置におけるノズル170の実質的な配置ピッチP’は、図13(a)に示すノズル170の配置ピッチPの1/2となっている。
【0090】
図14は、インクジェットヘッド134を構成する記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル170に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図である。
【0091】
同図に示すように、本例のインクジェットヘッド134は、ノズル170が形成されたノズルプレート172と、圧力室174や共通流路176等の流路が形成された流路板178等を積層接合した構造から成る。
【0092】
ノズルプレート172は、インクジェットヘッド134のノズル面172Aを構成し、各圧力室174にそれぞれ連通する複数のノズル170が副走査方向に沿って一列に形成されている(図13(a)参照)。
【0093】
流路板178は、圧力室174の側壁部を構成するとともに、共通流路176から圧力室174にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口180が形成される流路形成部材である。
【0094】
なお、説明の便宜上、図14では簡略的に図示をしているが、流路板178は一枚又は複数の基板を積層した構造である。ノズルプレート172及び流路板178は、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
【0095】
共通流路176はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路176を介して各圧力室174に供給される。
【0096】
圧力室174の一部の面(図14における天面)を構成する振動板182には、上部電極(個別電極)184及び下部電極186を備え、上部電極184と下部電極186との間に圧電体188がはさまれた構造を有するピエゾアクチュエータ(圧電素子)190が接合されている。
【0097】
振動板182を金属薄膜や金属酸化膜により構成すると、ピエゾアクチュエータ190の下部電極186に相当する共通電極として機能する。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様では、振動板部材の表面に金属などの導電材料による下部電極層が形成される。
【0098】
上部電極184に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ190が変形して圧力室174の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル170からインクが吐出される。
【0099】
インク吐出後、ピエゾアクチュエータ190が元の状態に戻る際に、共通流路176から供給口180を通って新しいインクが圧力室174に再充填される。
【0100】
なお、本例に示すインクジェットヘッド134の吐出方式として、サーマル方式を適用してもよい。サーマル方式についての詳細な説明は省略するが、サーマル方式では、液室内に設けられたヒータに駆動信号が印加されると液室内の液体が加熱され、液室内の液体の膜沸騰現象を利用してノズルから所定量の液滴が吐出される。
【0101】
図15は、図12に図示したパターン形成部130の他の態様を示す構成図である。同図に示すパターン形成部130’は、シリアル型のインクジェットヘッド134に代わり、フルライン型のインクジェットヘッド134’が具備されている。
【0102】
フルライン型のインクジェットヘッド134’とは、基板102の主走査方向Mにおける全長に対応する長さにわたって、ノズル170(図17参照)が並べられた構造を有し、インクジェットヘッド134’と基板102とを副走査方向Sについて1回だけ相対的に移動させることで、基板102の全域にわたって描画を行うことができる。
【0103】
図16は、フルライン型インクジェットヘッド134’の構成例を示す平面透視図(インクジェットヘッド134’から基板102を見た図)であり、図17は、図16に示すインクジェットヘッド134’のノズル配置を説明する図である。
【0104】
図16に示すインクジェットヘッド134’は、n個のヘッドモジュール134A‐i(iは1からnの整数)をインクジェットヘッド134’の長手方向に沿って一列につなぎ合わせてマルチヘッドを構成している。
【0105】
また、各ヘッドモジュール134A‐iは、インクジェットヘッド134’の短手方向の両側からヘッドカバー134B,1342Cによって支持されている。なお、ヘッドモジュール134Aを千鳥状に配置してマルチヘッドを構成することも可能である。
【0106】
かかる構造を有するインクジェットヘッド134’と記録媒体とを相対的に一回だけ走査させてパターン形成を行う、いわゆるシングルパス方式により、基板10の全面にわたって微細パターン12(図4参照)を形成し得る。
【0107】
インクジェットヘッド134’を構成するヘッドモジュール134A‐iは、図17に示すように、略平行四辺形の平面形状を有し、隣接するサブヘッド間にオーバーラップ部が設けられている。
【0108】
オーバーラップ部とは、サブヘッドのつなぎ部分であり、ヘッドモジュール134A‐iの並び方向について、隣接するドットが異なるサブヘッドに属するノズルによって形成される。
【0109】
図17に示すように、各ヘッドモジュール134A‐iは、ノズル170が二次元状に並べられた構造を有し、かかるヘッドモジュール134A‐iを備えたヘッドは、いわゆるマトリクスヘッドと呼ばれるものである。
【0110】
図17に図示したヘッドモジュール134A‐iは、副走査方向Y(図15に符号Sを付して図示た方向)に対して角度αをなす列方向W、及び主走査方向X(図15に符号Mを付して図示た方向)に対して角度βをなす行方向Vに沿って多数のノズル170が並べられた構造を有し、主走査方向Xの実質的なノズル配置密度が高密度化されている。
【0111】
図17では、行方向Vに沿って並べられたノズル群(ノズル行)は符号170Aを付し、列方向Wに沿って並べられたノズル群(ノズル列)は符号170Bを付して図示されている。
【0112】
なお、ノズル170のマトリクス配置の他の例として、主走査方向Xに沿う行方向、及び主走査方向Xに対して斜め方向の列方向に沿って複数のノズル170を配置する構成が挙げられる。
【0113】
図18は、パターン形成装置100の制御系の概略構成を示すブロック図である。パターン形成装置100は、通信インターフェース200、システム制御部202、搬送制御部204、画像処理部206、インクジェットヘッド駆動部(IJヘッド駆動部)208、露光ヘッド駆動部209を備えるとともに、画像メモリ210、ROM212を備えている。
【0114】
通信インターフェース200は、ホストコンピュータ214から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース200は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。
【0115】
通信インターフェース200は、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
【0116】
システム制御部202は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってパターン形成装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、画像メモリ210及びROM212のメモリコントローラとして機能する。
【0117】
すなわち、システム制御部202は、通信インターフェース200、搬送制御部204等の各部を制御し、ホストコンピュータ214との間の通信制御、画像メモリ210及びROM212の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
【0118】
ホストコンピュータ214から送出された画像データは通信インターフェース200を介してパターン形成装置100に取り込まれ、画像処理部206によって所定の画像処理が施される。
【0119】
画像処理部206は、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをインクジェットヘッド駆動部208、及び露光ヘッド駆動部209に供給する制御部である。
【0120】
画像処理部206において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、インクジェットヘッド駆動部208を介してインクジェットヘッド134の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。
【0121】
これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、図18に示すインクジェットヘッド駆動部208には、インクジェットヘッド134の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
【0122】
露光ヘッド駆動部209は、画像処理部206によって生成された印字制御用の信号に基づいて改質処理用の制御信号(改質処理データ)を生成する。該改質処理データによって、レーザー光の照射条件や露光ヘッド126の走査条件等が決められる。
【0123】
搬送制御部204は、画像処理部206により生成された印字制御用の信号に基づいて基板102(図10参照)の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。
【0124】
図18における搬送駆動部216は、図12のボールネジ154,160を駆動するモータや、歪み検出部110や改質処理部120において基板102を搬送する搬送機構の駆動モータなど、が含まれる。すなわち、搬送制御部204は上記のモータのドライバーとしての機能を有している。
【0125】
画像メモリ(一次記憶メモリ)210は、通信インターフェース200を介して入力された画像データを一旦格納する一次記憶手段としての機能や、ROM212に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部206の作業領域)としての機能を有している。画像メモリ210には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
【0126】
ROM212は、システム制御部202のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部202を通じてデータの読み書きが行われる。
【0127】
ROM212は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
【0128】
本例に示すパターン形成装置100は、ユーザインターフェース220を具備している。該ユーザインターフェース220は、オペレータ(ユーザ)が各種入力を行うための入力装置222と、表示部(ディスプレイ)224と、を含んで構成される。
【0129】
入力装置222には、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなど各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置222を操作することにより、印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索などを行うことができ、入力内容や検索結果など等の各種情報は表示部224の表示を通じて確認することができる。
【0130】
この表示部224は、エラーメッセージなどの警告を表示する手段としても機能する。なお、図18の表示部224は、異常を知らせる報知手段としてのディスプレイに適用することができる。
【0131】
パラメータ記憶部230は、パターン形成装置100の動作に必要な各種制御パラメータが記憶されている。システム制御部202は、制御に必要なパラメータを適宜読み出すとともに、必要に応じて各種パラメータの更新(書換)を実行する。
【0132】
プログラム格納部232は、パターン形成装置100を動作させるための制御プログラムが格納されている記憶手段である。
【0133】
雰囲気ガス調整ユニット234は、システム制御部202の指令信号に応じて、図10に示すチャンバー122内に充填される反応ガスの濃度(充填量)等のチャンバー122内の環境を調整するための制御ブロックである。複数の反応ガスを選択的に充填可能に構成されている場合は、反応ガスの排出及び充填を制御する。
【0134】
アライメント位置検出ユニット236は、歪み検出部110(センサ114)から得られる検出信号に基づいて、基板102(図10参照)の歪み情報(及び描画の歪み情報)を生成するブロックである。
【0135】
この基板102の歪み情報は、システム制御部202を介して画像処理部206へ送られる。画像処理部206は、基板102の歪み情報に基づいて露光用(改質処理用)の補正データを生成するとともに、描画用の補正データを生成する。
【0136】
例えば、基板102の位置が所定位置に対して回転しているときは、その回転量が算出されるとともに、その回転を打ち消すようにパターンの補正データがオンデマンドで生成されるとともに、該パターンの補正データに対応する露光用の補正データがオンデマンドで生成される。
【0137】
ここでいう「補正データ」は、露光用のデータ及び描画用のドットデータ(パターンを構成するドットの位置情報)に対して、シフト処理(面方向のずれ補正)、オフセット処理(厚み方向のずれ補正)、回転処理が施されたものや、拡大処理、縮小処理、台形補正処理(台形状に歪んだパターンを矩形状に補正する処理)が施されたものがある。
【0138】
すなわち、改質処理部120及びパターン形成部130は共通のフィードバックループを有しており、歪み検出部110から得られる同一の(共通の)基板102の歪み情報に基づいて、露光補正及び描画補正を行うように構成されている。
【0139】
上記の如く構成されたパターン形成方法、及びパターン形成装置によれば、レーザー光線の露光分解能である改質処理の分解能をパターン形成(描画)のドット分解能よりも十分に大きくすることで改質処理の精度が向上し、パターンを形成するドットの固定位置の精度が向上することで、ジャギーやバルジの発生が防止されるとともに、基板とパターンとの接合力の向上により、曲げ強度や耐久性が向上する。
【0140】
また、歪み検出部110から得られる基板102及び描画の歪み情報に基づいて、オンデマンドで改質処理の補正データ及びパターン形成の補正データが生成されるので、基板ごと固体差に対応した最適な改質処理及びパターン形成が実現される。
【0141】
さらに、改質処理時の雰囲気に導入される反応ガスとの組み合わせにより、基板の種類や液体の種類に応じた改質処理が施され、様々な種類の基板及び液体に適した条件でパターン形成が実行される。
【0142】
本例では、基板に電気配線パターンが形成される態様を例示したが、本発明は、紙や樹脂などのシート状の媒体に対するグラフィック印刷にも適用可能である。すなわち、グラフィック用の印刷媒体の表面に改質処理を施した後に、所望の画像を形成する画像形成装置にも、本発明に係るパターン形成方法(装置)を適用可能である。
【0143】
〔応用例〕
次に、本発明の応用例に係るパターン形成方法について説明する。本応用例に係るパターン形成方法は、上述した実施形態に係るパターン形成方法から改質処理工程が変更されている。なお、以下の説明では、先に説明した内容と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0144】
図19は、本応用例に係るパターン形成方法に適用される改質処理工程の説明図である。同図に示すように、本例に示す改質処理工程では、微細パターン12の外縁部12Aの外側にレーザー光線が照射され(レーザー光線の照射部分に符号20’を付して図示)、改質処理が施された領域の内側にドット26が形成される。
【0145】
水を溶媒に用いる液体によって微細パターン12を形成する場合は、微細パターン12の外縁部12Aの外側に対して撥液処理が施され、有機溶媒を用いた液体によってパターンを形成する場合は、パターン12の外縁部12Aの外側に対して親液処理が施される。
【0146】
基板10(図1参照)上に形成される微細パターン12に対するネガパターンの縁部分を改質処理領域として、パターン12の外縁部12Aの外側を縁取るように改質処理が施される。
【0147】
そうすると、微細パターン12の外縁部12Aの外側にドット(液体)26がはみ出して着弾したとしても、改質処理された領域(符号20’を付して図示したレーザー光線の照射部分)が障壁となり、改質処理された領域で両側を囲まれた部分にドット26が引き寄せられる。
【0148】
また、微細パターン12の非形成領域の全面に対して改質処理を施すのではなく、微細パターン12の外縁部12Aの外側の近傍のみに改質処理を施すことで、改質処理工程の処理時間が短縮され、さらに、ドット解像度よりも十分に細かい解像度で改質処理が施されるので、ドット26の定着位置が安定するとともに、定着位置の精度が向上する。
【0149】
なお、図19には、微細パターン12の外縁部12Aの外側の近傍の一例として、レーザー光線のスポット径D(図4参照)の幅を有する領域が図示されている。
【0150】
もちろん、図1〜図9を用いて説明したパターン形成方法との組み合わせも可能である。すなわち、水を溶媒に用いた液体によりパターン12を形成する際に、パターン12の外縁部12Aに撥液処理を施すとともに、パターン12の内縁の内側に親液処理を施すことで、パターン12の内縁部を含む内側にドット26が引き寄せられ、ドット26がパターンの外縁部12Aよりも外側へはみ出して定着することが防止される。
【0151】
本例では、基板上の配線パターンやマスクパターンなどのパターン描画を行う方法及び装置を例示したが、本発明は、紙などの記録媒体上に画像を形成するグラフィック印刷や、有機ELパネルなどの薄型パネルの作製にも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0152】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図20は、本発明の第2実施形態に係るパターン形成装置の概略構成を示す斜視図であり、図21は、図20に示すパターン形成装置を搬送ドラムの側面側から見た側面図である。
【0153】
本例に示すパターン形成装置300は、転写ドラム301(基体)の外周面に対して改質処理を施す露光ヘッド326と、改質処理が施された転写ドラム301の外周面に配線インクや樹脂インクなどの液体(機能性材料を含有する液体)を吐出させるインクジェットヘッド334と、基板302の歪みを検出するセンサ314と、基板302を搬送する搬送機構(図21に符号324を付して図示)と、を備えている。
【0154】
すなわち、本例に示すパターン形成装置300は、いわゆる中間転写型であり、転写ドラム301の外周目に形成されたパターン(基板302に形成されるパターンの鏡像パターン)が基板302へ転写されるように構成されている。
【0155】
また、センサ314によって基板302の歪みが検出され、基板の歪みをキャンセルするように露光データ及び印字データが補正される。図20に符号303を付した基板302の四隅に設けられたマークは、基板302の歪み検出の基準となるアライメントマーク303である。
【0156】
露光ヘッド326は、転写ドラム301の外周面にレーザー光の発光面が対向するように、転写ドラム301の外周面から所定の距離だけ離されて配置されている。
【0157】
また、インクジェットヘッド334は、露光ヘッド326の転写ドラム301の回転方向における下流側に、転写ドラム301の外周面にインク吐出面が対向するように配置されている。
【0158】
露光ヘッド326及びインクジェットヘッド334と転写ドラム301の外周面との距離は、図10に示す形態と同一とされる。
【0159】
図20及び図21には、転写ドラム301の最上部に対向する位置にインクジェットヘッド334が配置され、かつ、インクジェットヘッド334に対して転写ドラム301の回転角に換算して90°離れた位置に露光ヘッド326が配置される態様が図示されているが、露光ヘッド326の転写ドラム301の回転方向(矢印線により図示した反時計回り方向)下流側にインクジェットヘッド334が設けられていればよく、露光ヘッド326及びインクジェットヘッド334の配置は適宜変更することができる。
【0160】
図20において、符号311を付して図示した二点破線により囲まれた領域は、露光ヘッド326によってレーザー光が照射された改質処理領域である。この改質処理領域311に対して、インクジェットヘッド334から液体が打滴される。
【0161】
インクジェットヘッド334が打滴された液体により形成されたパターンは、転写ドラム301の外周面において移動しない程度に仮硬化させ、転写ドラム301の最下部に位置する転写部305へ送られる。
【0162】
センサ314によって歪みが検出された基板302は、転写ドラム301の外周面に形成されたパターンと同期して転写部305へ送られる。すなわち、転写部305において、基板302のパターン形成領域の先端部と、転写ドラム301の外周面のパターン形成領域の先端部と、の位置が合わされる。
【0163】
その後、転写ドラム301の外周面に基板302を押圧させて、転写ドラム301の外周面に形成されたパターンが基板302へ転写される。基板302へ転写されたパターンは、符号312を付して破線で図示されている。
【0164】
転写部305を通過した改質処理領域は、転写部305の転写ドラム301回転方向下流側においてクリーニング処理が施される。パターンの変更がない場合(同じパターンが形成される基板302を複数形成する場合)は、クリーニング処理が施された改質処理領域には、インクジェットヘッド334から打滴された液体によりパターンが形成される。
【0165】
なお、図20及び図21に図示したセンサ314、露光ヘッド326、及びインクジェットヘッド334等のパターン形成装置300の構成や、露光ヘッド326の露光条件(光径、露光分解能)及びインクジェットヘッド334の打滴条件(ドット径、ドット分解能)などは、先に説明した図10に示すパターン形成装置100と同様の構成、同様の条件を適用することができる。
【0166】
図22は、図20及び図21に示すパターン形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。図22に示すブロック図は、図18に図示したブロック図に転写ドラム制御部205及び転写ドラム駆動部217が追加されている。
【0167】
転写ドラム制御部205は、システム制御部202から送られる指令信号に基づいて、図20に示す転写ドラム301の回転及び停止、回転速度等を制御するための制御信号を生成する。この制御信号は転写ドラム駆動部217へ送出され、該制御信号に基づいてドラム駆動部217に含まれる転写ドラム301を動作させるためのモータの動作が制御される。すなわち、転写ドラム制御部205は転写ドラム301を動作させるためのモータのドライバーとしての機能を有している。
【0168】
複数の基板302に対して同一のパターンが形成される場合(複数回にわたって、転写ドラム301の外周面に同一のパターンが形成される場合)は、少なくとも一回目の転写ドラム301の外周面へのパターン形成の際に、転写ドラム301の外周面へ改質処理が施されればよい。
【0169】
また、二回目以降の転写ドラム301の外周面へのパターン形成の際に、適宜転写ドラム301の外周面への改質処理が施されてもよい。
【0170】
基板302(転写ドラム301の外周面)に形成されるパターンが変更される場合は、転写ドラム301の外周面に回復処理が施された後に、変更後の画像データに基づいて転写ドラム301の外周面への改質処理が施される。
【0171】
回復処理の具体例として、転写ドラム301の外周面の交換、転写ドラム301の外周面の研磨等の物理的処理、転写ドラム301の外周面の化学的処理、電気的処理などが挙げられる。
【0172】
例えば、ドクターブレードによる処理、コロナ放電処理などの手法が行われる場合がありうる。なお、回復処理が不要である場合もありうる。
【0173】
転写ドラム301の外周面への改質処理は、転写ドラム301の外周面から転写ドラム301の直径方向について0.1μm以内の最表面に施されることで、パターンの接合力と回復処理の効率化とを両立させることができる。
【0174】
なお、この改質処理の厚み方向の範囲は、基板の表面に直接パターンが形成される形態における基板にも適用可能である。
【0175】
第2実施形態に係るパターン形成装置(方法)によれば、中間転写方式が適用される微細パターン形成において、転写ドラム301の外周面にドット分解能よりも十分に大きい分解能で改質処理が施され、改質処理が施された部分に液体が打滴されるので、改質処理の精度が向上し、パターンを形成するドットの固定位置の精度が向上することで、ジャギーやバルジの発生が防止されるとともに、基板とパターンとの接合力の向上により、曲げ強度や耐久性が向上するといった、直接描画方式と同様の効果を得ることができる。
【0176】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図23は、第3実施形態に係るパターン形成方法における打滴処理工程の概念図である。なお、以下の説明において、先に説明した部分と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0177】
同図に示す打滴処理工程は、基板10(パターン形成面10A)の温度を制御する温度制御工程が含まれる。図23には、基板10の裏面(パターン形成面10Aの反対側面)からヒータ19により基板10が加熱される形態が図示されている。
【0178】
図23に示すヒータ19に代わり、ペルチェ素子を備える形態や、基板10のパターン形成面10A側から加熱する形態も可能である。さらに、基板10のパターン形成面10Aを冷却するためのファンを備える態様も好ましい。
【0179】
基板10の温度を適宜調整することで、ドット26の形状(厚み、直径)を変えることも可能である。例えば、液滴24(ドット26)の着弾直後から高温が付与されてドット26が素早く硬化すると、ドットの濡れ広がりが抑制され、厚みが大きく直径が小さいドット26が形成される。
【0180】
一方、液滴24(ドット26)に低温が付与されると、ドット26が十分に濡れ広がり、厚みが小さく直径が大きいドット26が形成される。ドット26の硬化と温度との関係は液体の種類ごとに異なるので、使用される液体ごとに温度とドットの硬化状態との関係を予め把握しておき、記憶しておくことが好ましい。
【0181】
図示は省略するが、図1に示す改質処理工程において、基板10の温度を制御する態様も好ましい。改質処理中及び改質処理後の基板10を加熱させることで、改質処理を促進させることが可能である。
【0182】
図24は、第3実施形態に係るパターン形成方法に対して、中間転写方式を適用した例を示す説明図である。同図に示すように、基板302を搬送する搬送機構324にヒータ319が内蔵されており、パターンが転写された後の基板302が加熱されるように構成されている。
【0183】
中間転写方式では、パターンが形成された後の転写ドラム301の温度を制御して、転写ドラム301の外周面に着弾した液滴(ドット26)の粘度を制御することが可能である。
【0184】
例えば、転写ドラム301の外周面に着弾してから転写部305へ移動するまでは、高温(例えば、樹脂粒子を含む液体における樹脂粒子のガラス転移点以上)を付与してドット26の高粘度の状態を維持し、転写部305による転写時には、温度を下げて(例えば、ガラス転移点未満)、ドット26の粘度を下げ、基板302へパターンを転写しやすくすることが可能である。
【0185】
かかる態様は、転写ドラム301にヒータを内蔵し、転写ドラム301の外周面の温度を検出しながらヒータに加熱量を適宜制御することで実現することができる。
【0186】
図25は、図23に示すパターン形成方法を実現するパターン形成装置100’の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図に示すパターン形成装置100’は、図10に示すパターン形成装置100の制御系に、ヒータ19のオンオフ、放出熱量などを制御するヒータ制御部238を備えている。
【0187】
図24に示す中間転写方式では、基板302の搬送機構324に内蔵されるヒータ319、及び転写ドラム301に内蔵されるヒータの温度を制御するヒータ制御部が具備される。
【0188】
第3実施形態に係るパターン形成方法(装置)によれば、基板10(302)を加熱することで基板10に着弾した液滴(ドット26)の硬化を促進させることができるとともに、改質処理の効果を促進させることができる。また、基板10の温度を適宜可変させることで、ドット26の形状を制御することが可能となる。
【0189】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図26は、第4実施形態に係るパターン形成装置(100”)におけるパターン形成部130の概略構成を示す構成図である。同図に示すパターン形成部130は、キャリッジ150にインクジェットヘッド134と補助光照射部135が搭載されている。
【0190】
本例では、補助光が照射により高粘度化する液体が適用される。補助光照射部135は、基板102に着弾した液滴(ドット26)に補助光を照射し、ドット26を高粘度化させる。
【0191】
補助光は、可視光領域から紫外領域までの波長を有する光が適用可能である。インクジェットヘッド134から吐出させる液体として、紫外線照射により硬化する紫外線硬化型インクが適用される場合は、補助光として紫外線が適用される。紫外線硬化型インクは、紫外線の照射光量を制御することで、ドット26の硬化状態(形状)を制御することが可能である。
【0192】
例えば、数mJ/cmから数十mJ/cm程度の低光量紫外線を照射すると、ドット26を半硬化状態とすることができ、100mJ/cmから数百mJ/cm程度の高光量の紫外線を照射すると、ドット26を完全硬化状態とすることができる。
【0193】
「半硬化状態」とは、隣接ドット間の着弾干渉を回避するものの、ドット展開がされる(十分に広がることができる)程度に硬化した状態である。
【0194】
図27は、インクジェットヘッド134と補助光照射部135の配置例を示す平面透視図である。図27(a)は、キャリッジ150が一方方向(図中符号Mを付した方向)に走査するときのみに、インクジェットヘッド134から液体が打滴される場合の配置例である。
【0195】
図27(a)に示すように、インクジェットヘッド134の走査方向下流側に補助光照射部135が配置され、着弾直後から液滴(ドット26)に対して補助光が照射される。
【0196】
図27(a)における符号Mを付した方向と反対方向にインクジェットヘッド134を走査させるときにも、補助光照射部135から補助光を照射させることで、ドット26の硬化を促進させることができる。
【0197】
図27(b)に図示される形態は、インクジェットヘッド134の走査方向の両側に補助光照射部135A,135Bを備えている。インクジェットヘッド134を図中右から左へ走査させるときには、少なくとも補助光照射部135Aから補助光を照射させ、インクジェットヘッド134を図中左から右へ走査させるときには、少なくとも補助光照射部135Bから補助光を照射させる。
【0198】
図27(b)に示す形態によれば、マルチパス方式のように、インクジェットヘッド134を主走査方向に往復走査させながら液体が打滴される場合にも、基板102(図26参照)の着弾した液体(ドット26)に対して確実に補助光を照射させることが可能である。
【0199】
図28は、図26に示すパターン形成装置の他の構成例の説明図である。図28に示すパターン形成部130’は、フルライン型のインクジェットヘッド134’を備え、基板102の搬送方向(符号Sを付して図示する方向)のインクジェットヘッド134’の下流側に補助光照射部135’が配置されている。
【0200】
図28に示す補助光照射部135’は、基板102の主走査方向の全幅に対応する長さにわたる照射領域を構成するように、複数の光源(不図示)が主走査方向に沿って並べられている。
【0201】
かかる形態によれば、同一のタイミングでインクジェットヘッド134’から打滴された複数の液滴に対して、略同一タイミングで一括して補助光を照射することが可能である。
【0202】
図29は、図26に示すパターン形成装置のさらに他の構成例の説明図である。図29に示すパターン形成装置300”は、中間転写方式が適用され、インクジェットヘッド334の転写ドラム301の回転方向下流川に補助光照射部335が配置されている。
【0203】
図29に示す構成において、転写部305の基板302の搬送方向下流側にも補助光照射部を備えることで、基板302に転写された微細パターンを素早く硬化させることが可能である。
【0204】
なお、補助光(図27参照)がインクジェットヘッド134(134’,334)のノズルに照射されないように、インクジェットヘッド134(134’ ,334)と、補助光照射部135(135A,135B,135’,335)との間に補助光を遮る遮蔽部材を備える態様が好ましい。
【0205】
図30は、図26に示すパターン形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。図30に示す制御系は、図18に示す制御系と比較して、システム制御部202から送出される指令信号に応じて、補助光照射部135(135’,335)のオンオフ及び照射光量を制御する補助光照射制御部240が具備される。
【0206】
第4実施形態に係るパターン形成装置(方法)によれば、基板102(転写ドラム301の外周面)に着弾した液滴(ドット26)に補助光を照射させることで、ドット26の硬化を促進させることができる。また、補助光の照射光量を調整することで、ドット26の硬化状態を制御することができる。
【0207】
以上、本発明に係るパターン形成方法及びパターン形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよい。
【0208】
<付記>
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
【0209】
(発明1):基体のパターン形成面に形成されるパターンに対応して、少なくとも前記パターンの幅方向における両側の外縁を含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドットの直径未満の幅を有する光線を照射して、当該処理対象領域に改質処理が施される改質処理工程と、前記改質処理が施された処理対象領域を含む前記パターンが形成される領域に対してインクジェット方式により機能性液体が打滴される打滴工程と、を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【0210】
本発明によれば、基体のパターン形成面に形成されるパターンに対応して、少なくともパターンの幅方向における両側の外縁を含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドットの直径未満の幅を有する光線を照射して改質処理を施すことで、ドットの着弾位置にずれが生じたとしても、ドットが所定位置に引き寄せられ、ドットの位置ずれや位置ずれに起因する合一が防止される。
【0211】
また、ドットの解像度(描画解像度)を超える解像度で改質処理が施されることで、ドットの定着位置が改質処理の解像度のオーダーで調整されるので、パターンの品質(描画品質)が向上する。
【0212】
特に、パターンのエッジ部分(パターンの幅方向の両端部)に生じるジャギーが改質処理の解像度にならうために、ジャギーが視認性されにくくなり、当該パターンのエッジ部分の品質が向上する。
【0213】
また、パターンに対応する改質処理の処理対象領域は、パターンの幅方向の両側の外縁及びパターンの内部として、パターンを構成する液体によって被覆される全領域とすることが好ましい。
【0214】
改質処理に適用される光線は、レーザー光線(レーザーのスポット光)を適用することが可能である。例えば、大気中で基板表面にレーザー光が照射されると、非照射領域に対して照射領域は親液性となる。
【0215】
(発明2):発明1に記載のパターン形成方法において、前記基体は、基板であることを特徴とする。
【0216】
かかる態様によれば、インクジェット方式によって、基板上に好ましい微罪パターンが直接形成される。
【0217】
かかる態様において、インクジェットヘッドと基板とを相対的に搬送させる相対搬送手段を備える態様が好ましい。
【0218】
(発明3):発明2に記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程及び前記打滴工程、前記打滴工程の後の少なくとも何れかに、前記基板の温度を調整する温度調整工程を含むことを特徴とする。
【0219】
かかる態様によれば、改質処理工程において、基板の温度を上げることで改質処置を促進させることが可能である。
【0220】
また、打滴工程おいて、又は打滴工程の後に基板の温度調整することで、機能性液体の形状(厚み、ドット径)を適宜調整することができる。
【0221】
(発明4):発明1に記載のパターン形成方法において、前記基体は、中間転写体であり、前記中間転写体に形成されたパターンを基板に転写する転写工程を含むことを特徴とする。
【0222】
かかる態様によれば、中間転写方式において、基板上の好ましい微細パターンを形成しうる。
【0223】
(発明5):発明4に記載のパターン形成方法において、前記転写工程及び前記転写工程の後の少なくともいずれかに、前記基板の温度を調整する温度調整工程を含むことを特徴とする。
【0224】
かかる態様によれば、基板に転写されたパターンの硬化が促進される。
【0225】
打滴工程において、中間転写体の温度尾を調節する態様も好ましい。
【0226】
(発明6):発明2から5のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記基板の歪みを検出する検出工程と、前記検出された基板の歪みに基づいて、前記光線の照射データ及び前記打滴のデータの補正データを生成する補正データ生成工程と、を含み、前記改質処理工程は、前記補正データに基づいて、当該処理対象領域に対して前記光線が照射され、前記打滴工程は、前記補正データに基づいて、前記改質処理が施された処理対象領域に対してインクジェット方式により液滴を打滴することを特徴とする。
【0227】
かかる態様によれば、検出工程において検出された基板の歪み情報を共通の検出結果として、改質処理データの補正データ及びドットデータの補正データがオンデマンドで生成されるので、基板ごとの歪みに対応した好ましい改質処理及びパターン形成が実行される。
【0228】
検出工程は、基板のパターン形成面に設けられた読取部を読み取る読取工程と、読取結果(読取信号)に基づいて歪み情報を取得する歪み情報取得工程と、を含む態様が好ましい。
【0229】
(発明7):発明1から6のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程における光線照射領域に対して、反応ガスを供給する反応ガス供給工程を含むことを特徴とする。
【0230】
かかる態様によれば、反応ガス雰囲気下において、改質処理を実行することで、改質処理効率が向上する。また、反応ガスの種類を選択的に切り替えることで、改質処理の内容を選択的に切り替えることが可能である。
【0231】
例えば、酸素系ガス、窒素系ガスを用いると親液処理となり、フッ素系ガスを用いると撥液処理となる。
【0232】
(発明8):発明1から7のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程は、前記パターンの内部を改質処理領域として光線を照射することを特徴とする。
【0233】
かかる態様によれば、改質処理が施されたパターンの内部にドットが引き寄せられ、ドットがパターンの外側へはみ出して定着することが防止される。
【0234】
かかる態様において、水系溶媒を用いた液体によりパターンを形成する場合は、改質処理工程において親液処理がなされ、有機溶媒を用いた液体によりパターンを形成する場合は、改質処理工程において撥液処理がなされる。
【0235】
(発明9):発明1から8のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程は、前記パターンの幅方向における両側の外縁のそれぞれに対して前記パターンの全幅の1/2以下の照射幅を有する光線を照射することを特徴とする。
【0236】
かかる態様によれば、パターンの外縁に対して改質処理を施すことで、改質処理された部分が障壁となってパターンの内部に引き寄せられるので、パターンを形成するドットがパターンの外側にはみ出して定着することが防止される。
【0237】
かかる態様において、水系溶媒を用いた液体によりパターンを形成する場合は、改質処理工程において撥液処理がなされ、有機溶媒を用いた液体によりパターンを形成する場合は、改質処理工程において親液処理がなされる。
【0238】
(発明10):発明1から9のいずれか1項に記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程は、前記パターンの幅方向における両側の外縁の外側を含む処理対象領域に対して改質処理を施すことを特徴とする。
【0239】
かかる態様における改質処理を撥液処理とする態様が好ましい。
【0240】
(発明11):発明1から10のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程は、ドットの直径の1/10以下の幅を有する光線を照射することを特徴とする。
【0241】
かかる態様において、1ビームの照射径をドット径の1/10以下とする態様が好ましい。
【0242】
(発明12):発明1から11のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程は、ドット解像度未満の解像度で光線を照射することを特徴とする。
【0243】
かかる態様における「ドット解像度」とは、単位面積(長さ)あたりのドット数で表される。また、「光線の解像度」は、単位面積当たりの照射(スポット)数でもよいし、光線を所定の方向に走査させる態様では、単位長さあたりの走査数でもよい。
【0244】
(発明13):発明1から12のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記改質処理工程は、ドット解像度の1/10以上の解像度で光線を照射することを特徴とするパターン形成方法。
【0245】
かかる態様において、光線の照射ピッチは光線の光径(照射径)未満とすることが好ましい。
【0246】
(発明14):発明1から13のいずれか1項に記載のパターン形成方法において、前記打滴工程の後に、前記打滴された機能性液体に対して補助光を照射する補助光照射工程を含むことを特徴とする。
【0247】
かかる態様によれば、打滴工程により打滴された機能性液体(ドット)の硬化を促進させるとともに、該ドットの形状を制御することができる。
【0248】
かかる態様における打滴工程には、補助光の照射により硬化を促進させることができる機能性液体が適用される。
【0249】
かかる態様における補助光として、紫外線が挙げられる。紫外線の照射光量を調整することで、機能性液体の硬化状態(ドットの硬化状態)を制御(調整)することができる。
【0250】
(発明15):発明4から14のいずれか1項に記載のパターン形成方法において、前記転写工程の後に、前記転写されたパターンに対して補助光を照射する補助光照射工程を含むことを特徴とする。
【0251】
かかる態様によれば、基板に転写されたパターンの硬化が促進される。
【0252】
(発明16):基体のパターン形成面に形成されるパターンに対応して、少なくとも前記パターンの幅方向における両側の外縁を含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドットの直径未満の幅を有する光線を照射して、当該処理対象領域に改質処理を施す改質処理手段と、前記改質処理が施された処理対象領域を含む前記パターンが形成される領域に対してインクジェット方式により機能性液体を打滴するインクジェットヘッドと、を備えたことを特徴とするパターン形成装置。
【0253】
本発明において、前記基板の歪みを検出する検出手段と、前記検出された基板の歪みに基づいて、前記光線の照射データ及び前記打滴データの補正データを生成する補正データ生成手段と、前記補正データに基づいて、当該処理対象領域に対して前記光線が照射されるように改質処理手段を制御する改質処理制御手段と、前記補正データに基づいて、前記改質処理が施された処理対象領域に対して液滴を打滴するようにインクジェットヘッドを制御する打滴制御手段と、を備える態様が好ましい。
【0254】
また。改質処理手段における光線照射領域に対して、反応ガスを供給する反応ガス供給手段を供える態様が好ましい。
【0255】
また、改質処理制御手段は、パターンの内部を改質処理領域として光線を照射するように改質処理手段を制御する態様が好ましい。パターンを形成する液体が水系溶媒を用いるものであれば親液処理とされ、有機溶媒を用いるものであれば撥液処理とされる。
【0256】
一方、改質処理制御手段は、パターンの外縁に対して前記光線を照射する改質処理手段を制御する態様も好ましい。パターンを形成する液体が水系溶媒を用いるものであれば撥液処理とされ、有機溶媒を用いるものであれば親液処理とされる。
【0257】
本発明における基体には、基板及び中間転写体の少なくともいずれかが含まれる。基体として中間転写体を備える態様では、中間転写体に形成された機能性液体によるパターンを基板に転写する転写手段が具備される。
【0258】
また、基体に打滴された機能性液体、又は基板に転写されたパターンに補助光を照射する補助光照射手段を備える態様が好ましい。
【符号の説明】
【0259】
10,102,302…基板、10A…パターン形成面、12…パターン、14…改質エネルギー付与部、16…反応ガス供給部、19…ヒータ、22,134,134’,334…インクジェットヘッド、110…歪み検出部、112,124,132,324…搬送機構、114,314…センサ、122…チャンバー、126,326…露光ヘッド、135,135’,335…補助光照射部、208…インクジェットヘッド駆動部、209…露光ヘッド駆動部、234…雰囲気ガス調整ユニット、236…アライメント検出部、238…ヒータ制御部、301…転写ドラム、305…転写部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体のパターン形成面に形成されるパターンに対応して、少なくとも前記パターンの幅方向における両側の外縁を含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドットの直径未満の幅を有する光線を照射して、当該処理対象領域に改質処理が施される改質処理工程と、
前記改質処理が施された処理対象領域を含む前記パターンが形成される領域に対してインクジェット方式により機能性液体が打滴される打滴工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記基体は、基板であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記改質処理工程及び前記打滴工程、前記打滴工程の後の少なくとも何れかに、前記基板の温度を調整する温度調整工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記基体は、中間転写体であり、
前記中間転写体に形成されたパターンを基板に転写する転写工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記転写工程及び前記転写工程の後の少なくともいずれかに、前記基板の温度を調整する温度調整工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記基板の歪みを検出する検出工程と、
前記検出された基板の歪みに基づいて、前記光線の照射データ及び前記打滴のデータの補正データを生成する補正データ生成工程と、
を含み、
前記改質処理工程は、前記補正データに基づいて、当該処理対象領域に対して前記光線が照射され、
前記打滴工程は、前記補正データに基づいて、前記改質処理が施された処理対象領域に対してインクジェット方式により液滴を打滴することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記改質処理工程における光線照射領域に対して、反応ガスを供給する反応ガス供給工程を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記改質処理工程は、前記パターンの内部を改質処理領域として光線を照射することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記改質処理工程は、前記パターンの幅方向における両側の外縁のそれぞれに対して前記パターンの全幅の1/2以下の照射幅を有する光線を照射することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記改質処理工程は、前記パターンの幅方向における両側の外縁の外側を含む処理対象領域に対して改質処理を施すことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記改質処理工程は、ドットの直径の1/10以下の幅を有する光線を照射することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記改質処理工程は、ドット解像度未満の解像度で光線を照射することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項13】
前記改質処理工程は、ドット解像度の1/10以上の解像度で光線を照射することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項14】
前記打滴工程の後に、前記打滴された機能性液体に対して補助光を照射する補助光照射工程を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記転写工程の後に、前記転写されたパターンに対して補助光を照射する補助光照射工程を含むことを特徴とする請求項4から14のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項16】
基体のパターン形成面に形成されるパターンに対応して、少なくとも前記パターンの幅方向における両側の外縁を含む処理対象領域に対して、当該パターンを構成するドットの直径未満の幅を有する光線を照射して、当該処理対象領域に改質処理を施す改質処理手段と、
前記改質処理が施された処理対象領域を含む前記パターンが形成される領域に対してインクジェット方式により機能性液体を打滴するインクジェットヘッドと、
を備えたことを特徴とするパターン形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−81460(P2012−81460A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72576(P2011−72576)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】