説明

パターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法及びパターン形成装置

【課題】液滴吐出ヘッドの発熱量を予測し、その予測に基づいて、液滴の吐出重量の安定性を向上させる液滴吐出ヘッドの制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置100は、ビットマップデータBDに基づいて、各液滴吐出ヘッド40における各圧電素子PZの駆動回数の累計から、描画終了時における機能液の液滴の温度(粘性)を予測する。そして、予測した温度(粘性)から描画中の液滴の吐出重量が等しくなるように、駆動電圧値Vhを適宜変更する。駆動波形生成回路107は、駆動電圧値Vhに基づいて駆動波形信号COMを生成する。ヘッド駆動回路108は、制御装置100からの駆動波形信号COMに基づいて各圧電素子PZを駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法及びパターン形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、機能液を使って基板上に所望のパターンを形成する装置として、機能液を液滴にして吐出するインクジェット装置、すなわち液滴吐出装置が知られている。液滴吐出装置は、ステージに載置される基板と機能液を液滴にして吐出する液滴吐出ヘッドとを2次元的に相対移動させながら、液滴吐出ヘッドから吐出される機能液の液滴を基板上の任意の箇所に配置することによりパターンを形成する。
【0003】
液滴吐出ヘッドは、別設のタンクなどから機能液が供給されるとともに、供給された機能液をその内部に設けたインク室(キャビティ)に一時的に貯留する。そして、ステージと相対向するように設けたノズルプレートに多数形成されたノズル孔からインク室に貯留した機能液を液滴にして吐出する。
【0004】
詳述すると、液滴吐出ヘッドには、駆動素子(例えば、ピエゾ素子)及び同駆動素子を駆動させる駆動回路が設けられている。駆動素子は、駆動回路から駆動電圧が供給されると収縮及び伸張して、連結した振動板を振動させる。この振動板の振動がキャビティの体積を拡大及び縮小することによって、機能液をノズル孔から液滴にして吐出している。
【0005】
ところで、液滴吐出ヘッドは、機能液を吐出していると、すなわち、駆動素子に駆動回路から駆動電圧を供給していると同駆動素子及び駆動回路が発熱し、キャビティに貯留した機能液に熱影響を及ぼす。そして、この熱影響による機能液の温度変化にともなって機能液の粘度が変化してしまい、液滴の吐出重量が変化してしまう。つまり、各液滴吐出ヘッドからの吐出重量を均一に保つことができなくなってしまう。
【0006】
このような熱影響による吐出重量の変化を抑制するために、インク室の機能液の温度を測定し、その測定結果に基づいて機能液を加熱又は冷却することによって、インク室に供給される機能液の温度調整をする方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−305973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、駆動素子や駆動回路などからの発熱量は、液滴を吐出するパターンによって異なる。従って、特許文献1の方法では、機能液の温度の測定結果に基づいて機能液を加熱又は冷却するため、吐出パターンが変化することによって、機能液への熱影響による温度変化が想定される場合であっても、その温度変化への対策が対処療法的にならざるを得なかった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、液滴吐出ヘッドの発熱量を予測し、その予測に基づいて、液滴の吐出重量の安定性を向上させる液滴吐出ヘッドの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の液滴吐出ヘッド制御方法は、駆動素子を駆動して、ノズルプレートに形成したノズル孔から基板に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備え、前記液滴吐出ヘッドを、前記
基板に描画されるパターンの描画データに基づいて、前記基板に予め定められたパターンを描画するパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法であって、前記描画データから、前記液滴吐出ヘッドの発熱量を求め、その求めた発熱量から液滴の粘性を予測し、予測した粘性に応じて、駆動素子の駆動力を変更して、前記ノズル孔から吐出される液滴の吐出重量が、前記パターンが形成されるまで終始一定となるようにした。
【0010】
この液滴吐出ヘッド制御方法によれば、描画データから液滴吐出ヘッドの発熱量を求め、その発熱量から液滴の粘性を予測し、その粘性に応じて駆動素子の駆動力を変更することができる。従って、例えば、予測した粘性から、描画中に液滴の吐出量が多量になってしまうときに、駆動素子の駆動力を適宜変更することによって、液滴の吐出量を終始一定になるようにすることができる。その結果、液滴の吐出重量の変化に起因する基板の品質不良を低減することができる。
【0011】
この液滴吐出ヘッド制御方法は、前記描画データから求める発熱量は、前記描画データに基づくパターンが形成されるまでの液滴吐出ヘッドの発熱量であり、その求めた発熱量から、そのパターン形成途中の予め定められた時々の液滴吐出ヘッドの温度を予測し、その時々毎に、前記予測した液滴吐出ヘッドの温度に対する液滴の粘性を予測し、その時々毎に、予測した粘性に応じて、前記駆動素子の駆動力を変更して、前記基板にパターンが形成されるまで、前記ノズル孔から吐出される液滴の吐出重量が終始一定となるようにしてもよい。
【0012】
この液滴吐出ヘッド制御方法によれば、描画終了時までの発熱量からパターン形成時の予め定めた時々毎のヘッドの温度を予測し、その予測した温度における粘性に応じて、その時々毎に駆動素子の駆動力を適宜変更することができる。従って、例えば、基板を主走査方向に往動又は復動させて描画を開始する時々毎に、駆動素子の駆動力を適宜変更することによって、液滴の吐出重量を終始一定になるようにすることができる。
【0013】
この液滴吐出ヘッド制御方法は、前記描画データは、前記基板が主走査方向に往動及び復動する毎に設けられた、前記液滴吐出ヘッドの各ノズルに対する前記駆動素子の駆動の有無からなるビットマップデータから構成され、前記基板が往動及び復動する毎に、前記液滴吐出ヘッドの温度を予測し、その往動及び復動する毎に、前記予測した液滴吐出ヘッドの温度に対する液滴の粘性を予測し、その往動及び復動する毎に、予測した粘性に応じて、前記駆動素子の駆動力を変更してもよい。
【0014】
この液滴吐出ヘッド制御方法によれば、描画終了時までの発熱量からパターン形成時の基板が主走査方向に往動及び復動する時々毎のヘッドの温度を予測し、その予測した温度における粘性に応じて、その時々毎に駆動素子の駆動力を変更することができる。従って、基板を主走査方向に往動又は複動させて描画を開始する時々毎に駆動素子の駆動力を変更することによって、液滴の吐出重量を終始一定になるようにすることができる。
【0015】
本発明のパターン形成装置は、主走査方向に往復移動するワークテーブルと、前記ワークテーブルの移動経路の上方であって、前記主走査方向と直交する副走査方向に延出形成された一対の案内レールと、前記一対の案内レール間に支持され、その一対の案内レールに沿って副走査方向に往復移動可能なキャリッジと、前記キャリッジのユニットプレートに並設した複数の液滴吐出ヘッドと、前記基板に描画されるパターンの描画データを記憶する描画データ記憶手段と、前記描画データに基づいて、液滴吐出ヘッドの各駆動素子を駆動制御してノズル孔から前記基板に液滴を吐出させる制御手段と、を備え、
前記基板を載置したワークテーブルを主走査方向に移動させながら、前記基板に描画データに基づいて、前記基板に予め定められたパターンを描画するパターン形成装置において、前記基板に前記パターンが形成されるまでの吐出ヘッドの発熱量を、前記描画データ
に基づいて算出する発熱量算出手段と、その求めた発熱量から、そのパターン形成途中の予め定められた時々の前記液滴吐出ヘッドの温度を予測する温度予測手段と、その時々毎に、前記予測した液滴吐出ヘッドの温度に対する液滴の粘性を算出する粘性算出手段と、
前記基板にパターンが形成されるまで前記ノズル孔から吐出される液滴の吐出重量が終始一定となるように、その時々毎に、算出した粘性に応じて駆動素子の駆動力を算出し、該算出した駆動力を前記制御手段に出力する駆動力算出手段と、を備えた。
【0016】
本発明のパターン形成装置によれば、基板に描画されるパターンの描画データに基づいて、液滴吐出ヘッドの発熱量を求めて、その求めた発熱量に基づいて、予め定めた時々の液滴吐出ヘッドの温度を予測することができる。そして、予測した各温度における粘性を算出して、その算出した粘性に応じて駆動素子の駆動力を適宜変更することができる。従って、各粘性において、液滴が予め定めた吐出重量になるように駆動素子の駆動力を変更することによって、描画中の液滴の吐出重量を終始一定となるようにすることができる。その結果、液滴の吐出重量の変化に起因する基板の品質不良を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施したパターン形成装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、ブラックマトリクスが形成されたガラス基板に赤、緑、青のカラーフィルタを形成するためのパターン形成装置としての液滴吐出装置1の概略構成を示している。図1に示すように、液滴吐出装置1は、床面に主走査方向(X軸方向)に延在した基台2が設置され、その上面に2aに一対のX軸ガイドレール11が主走査方向(X軸方向)に敷設され、その一対のX軸ガイドレール11にはX軸移動プレート12が載置されている。X軸移動プレート12は、X軸ガイドレール11に沿って主走査方向に移動可能に搭載されている。一対のX軸ガイドレール11には、X軸リニアモータM1が備えられ、X軸リニアモータM1は、一対のX軸ガイドレール11に載置されたX軸移動プレート12を、エアスライダ(図示省略)を介してX軸方向に往復移動させる。
【0018】
尚、図1において、主走査方向をX軸方向、主走査方向(X軸方向)に直交する副走査方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(上下方向)をZ軸方向、Z軸方向回りの回動方向をθ方向と表記する。
【0019】
X軸移動プレート12の上面には、ワークテーブルとしての基板ステージ14が設けられている。基板ステージ14は、真空吸着テーブルであって、その上面にガラス基板よりなるカラーフィルタ基板(CF基板という)Wを吸着固定し、同CF基板Wを搬送する。基板ステージ14は、X軸移動プレート12と基板ステージ14との間に設けた破線で示すステージ回動機構16によって、X軸移動プレート12に対してθ方向に回動可能に支持固定されている。
【0020】
従って、基板ステージ14(CF基板W)は、X軸移動プレート12とともにX軸方向(主走査方向)に移動する。また、基板ステージ14(CF基板W)は、X軸移動プレート12の平面(XY平面(水平面))に対して平行にθ方向に回動する。
【0021】
前記X軸ガイドレール11の上方向をY軸方向に跨ぐように、案内レールとしての一対のY軸ガイドレール18が配設されている。一対のY軸ガイドレール18の一端の支柱19aは、基台2の上面2a一側に立設され、他端の支柱19bは基台2から離間した床に立設されている。一対のY軸ガイドレール18は、X軸方向に予め定めた間隔をおいて平行に配設されている。尚、本実施形態では、Y軸方向に平行に延びた一対のY軸ガイドレール18において、基台2の上方位置を作業領域、基台2から離間した位置を待機領域としている。
【0022】
一対のY軸ガイドレール18の間に、複数(本実施形態では、6個)のキャリッジプレート21が差し渡されるように配置されている。そして、各キャリッジプレート21は、Y軸ガイドレール18に沿って副走査方向(Y軸方向)に移動可能に載置されている。一対のY軸ガイドレール18には、Y軸リニアモータM2を備え、Y軸リニアモータM2は、一対のY軸ガイドレール18に載置された各キャリッジプレート21をそれぞれエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に往復移動させる。つまり、各キャリッジプレート21は、Y軸ガイドレール18上の作業領域と待機領域との間を往復移動するようになっている。
【0023】
各キャリッジプレート21の上面には、機能液供給ユニット22とヘッド用電装ユニット23とが載置されている。機能液供給ユニット22は、機能液F(図3(b)参照)を所定量貯蔵して、各液滴吐出ヘッド40(図3(a),(b)参照)に機能液Fを供給するための供給回路装置である。機能液供給ユニット22に貯蔵されている機能液Fは予め定めた温度(初期設定温度Tk)に設定され、その初期設定温度Tkの機能液Fが各液滴吐出ヘッド40に供給されるようになっている。一方、ヘッド用電装ユニット23は、各液滴吐出ヘッド40を駆動するための電気信号を供給するための電気回路装置である。
【0024】
また、ここでいう機能液Fとは、CF基板Wに形成されたブラックマトリクスの枠内に配置される赤、緑、青のフィルタ用インクである。機能液Fは、CF基板Wに形成されたブラックマトリクスの枠内に配置された後に乾燥させると、赤、緑、青のフィルタとなる。
【0025】
図2に示すように、各キャリッジプレート21の下面の中央位置には、吊下機構25が設けられ、その吊下機構25の下端部にキャリッジ30が取着されている。
吊下機構25は、吊下基板26と、吊下回動枠27と、吊下支持枠28とを有している。吊下基板26は、キャリッジプレート21の下面中央位置に連結固定され、その下端部に吊下回動枠27を連結している。吊下回動枠27は、その下端部に吊下支持枠28をθ方向に回動可能に連結支持している。吊下回動枠27には、θ軸回動モータ(図示省略)を有し、θ軸回動モータは吊下支持枠28を吊下基板26(キャリッジプレート21)に対してθ方向に回動させるようになっている。吊下支持枠28には、キャリッジ30が支持固定され、吊下機構25に垂設されたキャリッジ30をθ方向に回動させる。また、キャリッジ30の略直方体形状のキャリッジ枠31の下端部には、ユニットプレート34が図示しないネジ等により固設されている。ユニットプレート34には、液滴吐出ヘッド40が着脱可能に、かつ、精度よく位置決め固定されて取り付けられている。本実施形態では、X軸方向に沿って並設された3個の液滴吐出ヘッド40が、Y軸方向と平行に2列、すなわち合計6個の液滴吐出ヘッド40が取り付けられている。尚、キャリッジ枠31の内側は、配管や配線などが配設されているが、表示すると煩雑になるため図示を省略している。
(液滴吐出ヘッド40)
次に、ユニットプレート34に取着した液滴吐出ヘッド40について図3を参照して説明する。図3(a)は、液滴吐出ヘッドを基板ステージ14側から見た外観斜視図である。この液滴吐出ヘッド40は、2つの接続針42を有する液体導入部41と、液体導入部41の側方に連なるヘッド基板43と、液体導入部41に連なるポンプ部44と、ポンプ部44に連なるノズルプレート45とを備えている。
【0026】
液体導入部41の接続針42には、機能液供給ユニット22に連通した図示しない配管接続部材が接続されている。ヘッド基板43には、一対のヘッドコネクタ43Aが実装されており、当該ヘッドコネクタ43Aを介して、ヘッド用電装ユニット23に接続された図示しないフレキシブルフラットケーブルが接続される。
【0027】
一方、このポンプ部44とノズルプレート45とにより、方形のヘッド本体40Aが構成されている。
ノズルプレート45のノズル形成面45aには、液滴を吐出する吐出ノズル46からなる2本のノズル列47が形成されている。2本のノズル列47は相互に平行に列設されており、各ノズル列47は、等ピッチで並設された180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル46で構成されている。すなわち、ヘッド本体40Aのノズル形成面45aには、その中心線を挟んで2本のノズル列47が対称に配設されている。
【0028】
図3(b)は、液滴吐出ヘッド40のポンプ部44の内部を示し、各吐出ノズル46の上側にそれぞれキャビティ52、振動板53及び駆動素子としての圧電素子PZを有している。各キャビティ52は、それぞれ配管接続部材を介して機能液供給ユニット22に接続され、同機能液供給ユニット22からの機能液F(フィルタ用インク)を収容し、そのフィルタ用インクを吐出ノズル46に供給する。振動板53は、各キャビティ52に対向する領域をZ方向に振動することによって、該キャビティ52の容積を拡大及び縮小させて、これに伴って吐出ノズル46のメニスカスを振動させる。各圧電素子PZは、それぞれ所定の駆動波形信号を受けるとき、Z方向に収縮して伸張することによって、振動板53の各領域をZ方向に振動させる。各キャビティ52は、それぞれの振動板53がZ方向に振動するとき、収容する機能液F(フィルタ用インク)の一部を所定重量の液滴Fbにして吐出ノズル46から吐出させる。
【0029】
ポンプ部44の基部側、すなわちヘッド本体40Aの基部側は、液体導入部41を受けるべく方形フランジ状にフランジ部48が形成されている。このフランジ部48は、抜け止めの役目を果たすとともに、ヘッド止めネジ(図示せず)でユニットプレート34と連結固定される連結部の役目を果たす。フランジ部48には、液滴吐出ヘッド40をユニットプレート34に固定する小ネジ用のネジ孔(雌ネジ)49が一対形成されている。つまり、液滴吐出ヘッド40は、ユニットプレート34の所定の位置に形成された貫通穴(図示せず)に、ヘッド本体40Aを貫挿させて、ユニットプレート34を貫挿してネジ孔49と螺合するヘッド止めネジ(図示せず)によってユニットプレート34に固定される。
【0030】
図2及び図3に示したX軸、Y軸、Z軸は、図1に示したX軸、Y軸、Z軸と同一である。すなわち、ユニットプレート34が液滴吐出装置1に取り付けられた状態では、液滴吐出ヘッド40に形成されたノズル列47(図3参照)は、Y軸方向に延在する構成になっている。
【0031】
次に、液滴吐出装置1の電気的構成を図4に従って説明する。図4は、液滴吐出装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図4において、制御手段としての制御装置100は、CPU101、ROM102、描画データ記憶手段としてのRAM103等を有している。制御装置100は、格納された各種データ及び各種制御プログラムに従って、X軸移動プレート12の搬送処理、各キャリッジプレート21の搬送処理などを実行する。また、制御装置100は、各液滴吐出ヘッド40の発熱量予測処理を実行するとともに、各キャリッジ30に設けた各液滴吐出ヘッド40の液滴吐出処理などを実行する。
【0032】
制御装置100には、各種操作スイッチとディスプレイを有した入出力装置104が接続されている。入出力装置104は、液滴吐出装置1が実行する各種処理の処理状況を表示する。入出力装置104は、CF基板Wに液滴Fbでパターンを形成するための描画データ(ビットマップデータBD)を生成し、そのビットマップデータBDを制御装置100に入力する。また、制御装置100は、入力されたビットマップデータBDをRAM103に記憶する。
【0033】
ビットマップデータBDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて各圧電素子PZのオンあるいはオフを規定したデータである。ビットマップデータBDは、液滴吐出ヘッド40(各吐出ノズル46)の直下をCF基板Wが通過する際、CF基板Wの予め特定された各位置に、液滴Fbを吐出するか否かを規定したデータである。
【0034】
すなわち、ビットマップデータBDは、CF基板Wに液滴Fbでカラーフィルタのパターンを形成するために、液滴吐出ヘッド40(各吐出ノズル46)の直下を、何度もCF基板Wを往復動させ、その往動及び復動する毎に、カラーフィルタのパターンを形成するために用意された、配置位置に液滴Fbを吐出するか否かを規定したデータである。
【0035】
詳述すると、X軸移動プレート12(CF基板W)が液滴吐出ヘッド40(各吐出ノズル46)の直下を往動及び復動する毎に用意された、各往動及び各復動に対応するビットマップデータBDをつかって、液滴Fbを吐出させれば、CF基板Wにカラーフィルタのパターンが描画されることになる。
【0036】
そして、本実施形態では、このCF基板Wに描画するパターンは、予め設計等で求め、その求めたパターンからビットマップデータBDが作成される。
制御装置100には、X軸リニアモータ駆動回路105が接続されている。制御装置100は、駆動制御信号をX軸リニアモータ駆動回路105に出力する。X軸リニアモータ駆動回路105は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、X軸移動プレート12(CF基板W)を移動させるためのX軸リニアモータM1を駆動させる。
【0037】
制御装置100には、Y軸リニアモータ駆動回路106が接続されている。制御装置100は、駆動制御信号をY軸リニアモータ駆動回路106に出力する。Y軸リニアモータ駆動回路106は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、各キャリッジプレート21を移動させるためのY軸リニアモータM2を駆動させる。
【0038】
発熱量算出手段としての制御装置100は、ビットマップデータBDを使って、CF基板Wにパターンを描画した際に、各液滴吐出ヘッド40の吐出動作に基づく各液滴吐出ヘッド40の発熱量を演算する。発熱量の演算は、CF基板Wにパターンを描画したときに、駆動された圧電素子PZの駆動回数の累計NtをビットマップデータBDから求める。
【0039】
続いて、制御装置100は、圧電素子PZの1回の駆動に基づく駆動エネルギーに対する基準熱量Jを予め求めておき、この基準熱量Jと累計NtからCF基板Wに配線パターンが描画される際の液滴吐出ヘッド40の発熱量Q(=Nt×J)を演算する。
【0040】
温度予測手段としての制御装置100は、液滴吐出ヘッド40の発熱量Q(=Nt×J)を演算すると、この発熱量Qから、キャビティ52内の機能液Fの温度が初期設定温度Tkからどのくらい温度上昇するかその予測温度Tnを演算する。
【0041】
粘性算出手段としての制御装置100は、予測温度Tnが算出されると、その予測温度Tnに対する機能液F(液滴Fb)の粘性を求める。また、制御装置100は、初期設定温度Tkに対する機能液F(液滴Fb)の粘性を求める。尚、機能液Fの温度に対する該機能液Fの粘性は、予めROM102にデータとして記憶されていて、制御装置100は、ROM102に記憶したデータから各粘性を求めるようにしている。
【0042】
制御装置100は、予測温度Tn及び初期設定温度Tkでの粘性がそれぞれ求まると、各温度Tn,Tkにおける液滴Fbの吐出重量Wn,Wkを求める。尚、機能液Fの粘性に対する液滴吐出ヘッド40の吐出重量は、予めROM102にデータとして記憶されていて、制御装置100は、ROM102に記憶したデータから各温度に対する吐出重量を
求めるようにしている。
【0043】
制御装置100は、各温度Tn,Tkにおける液滴Fbの吐出重量Wn,Wkを求めると、初期設定温度Tkにおける液滴Fbの吐出重量Wkで、CF基板Wにカラーフィルタのパターンを描画した時の機能液Fの総重量Swkと、予測温度Tnにおける液滴Fbの吐出重量Wnで、CF基板Wにカラーフィルタのパターンを描画した時の機能液Fの総重量Swnとを求める。
【0044】
そして、制御装置100は、初期設定温度Tkにおける機能液Fの総重量Swkに対する予測温度Tnにおける機能液Fの総重量Swnの誤差が、例えば、1%未満かどうか判断するようになっている。制御装置100は、誤差が1%以上の場合、液滴吐出ヘッド40の温度上昇が大きく液滴Fbの吐出重量(吐出量)が重く(多量と)なり、高精細なカラーフィルタのパターンが描画できないとして、圧電素子PZの駆動量を調整して1回の吐出重量を減らす処理を行う。
【0045】
制御装置100は、液滴吐出ヘッド40が初期設定温度Tkから予測温度Tnに上昇するに際して、パターン形成開始からパターン形成終了まで温度は線形で変化するものとし、新たなビットマップデータBDを使ってCF基板Wが往動または復動を開始するその時々の時間での機能液Fの温度を、それぞれ求める。
【0046】
駆動力算出手段としての制御装置100は、その時々の時間での機能液Fの温度がそれぞれ求まると、その温度における液滴Fbの吐出重量が初期設定温度Tkの時の吐出重量Wkと同じなるための、各圧電素子PZを駆動させるための駆動電圧値Vhを求める。
【0047】
尚、その時々の時間での温度における吐出重量が初期設定温度Tkの時の吐出重量Wkと同じなるための、各圧電素子PZを駆動させるための駆動電圧値Vhは、予めROM102にデータとして記憶されていて、制御装置100は、ROM102に記憶したデータから各温度に対する駆動電圧値Vhを求めるようにしている。
【0048】
制御装置100には、駆動波形生成回路107が接続されている。制御装置100は、求めた圧電素子PZを駆動させるための駆動電圧値Vhを駆動波形生成回路107に出力する。駆動波形生成回路107は、制御装置100からの駆動電圧値Vhに基づき圧電素子PZに印加する駆動波形信号COMを生成する。図5は、駆動波形信号COMの一例を示しており、圧電素子PZに印加する駆動電圧の波高値が大きいほど、吐出量が大きくなる。すなわち、図5において、駆動波形信号COM0(波高値h0)は、駆動波形信号COM1(波高値h1)よりも波高値が大きいので吐出重量は大きくなる。
【0049】
従って、駆動波形生成回路107は、制御装置100からの駆動電圧値Vhに基づき、常に、温度に関係なく吐出重量が一定となる波高値の駆動波形信号COMを生成し、制御装置100に出力する。
【0050】
制御装置100には、各液滴吐出ヘッド40毎に設けられたヘッド駆動回路108が接続されている。制御装置100は、所定の吐出周波数に同期させたパターン形成用制御信号SIをヘッド駆動回路108に出力する。制御装置100は、駆動波形生成回路107にて生成された各液滴吐出ヘッド40毎の駆動波形信号COMを所定の吐出周波数に同期させて、それぞれ対応するヘッド駆動回路108に出力する。
【0051】
詳述すると、制御装置100は、ビットマップデータBDを利用して所定の周波数に同期したパターン形成用制御信号SIを生成し、パターン形成用制御信号SIをヘッド駆動回路108にシリアル転送する。ヘッド駆動回路108は、制御装置100からのパター
ン形成用制御信号SIを各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換する。ヘッド駆動回路108は、制御装置100からの吐出タイミング信号LTを受けるたびに、シリアル/パラレル変換したパターン形成用制御信号SIをラッチし、パターン形成用制御信号SIによって選択される圧電素子PZにそれぞれ駆動波形信号COMを供給する。
【0052】
従って、液滴吐出ヘッド40は、予測した機能液Fの温度に応じて、圧電素子PZに印加される駆動波形信号COMが制御されるため、各吐出ノズル46から吐出される液滴Fbの吐出重量を終止一定とすることができる。
【0053】
しかも、ビットマップデータBDに基づいて機能液Fの温度上昇を予測したので、液滴吐出ヘッド40に温度センサを設けずに済み、液滴吐出ヘッド40の構成を複雑な構成にしなくて済む。
【0054】
上記実施形態によれば以下のような、効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、描画終了時までの各液滴吐出ヘッド40からの発熱量QをビットマップデータBDに基づいて算出し、その発熱量Qから描画終了時におけるキャビティ52内の機能液Fの初期設定温度Tkから温度上昇した予測温度Tnを求めた。そして、初期設定温度Tkと予測温度Tnとにおける粘性を求めて、その粘性に基づいて各温度における液滴Fbの吐出重量Wk,Wnを求めた。そして、各吐出重量Wk,Wnで描画したときの総重量Swk,Swnを比較して、圧電素子PZを駆動させる駆動電圧値Vhを適宜変更するようにした。
【0055】
従って、発熱量Qから求めた予測温度Tnにおける粘性を求めて、その粘性に基づいて吐出重量Wnを求めることによって、各液滴吐出ヘッド40の描画中の発熱による総吐出重量の変化を予測することができる。そして、その吐出重量の変化に基づいて圧電素子PZを駆動させる駆動電圧値Vhを適宜変更することによって、液滴Fbの吐出重量を調整することができる。その結果、描画中における液滴Fbの吐出重量を終始一定となるようにすることができるとともに、吐出重量の変化に起因する基板の品質不良を低減することができる。
【0056】
(2)上記実施形態によれば、描画終了時までの各液滴吐出ヘッド40からの発熱量QをビットマップデータBDに基づいて算出し、その発熱量Qから描画終了時におけるキャビティ52内の機能液Fの予測温度Tnを予測した。そして、予測温度Tnと初期設定温度Tkに基づいて機能液Fの温度変化を予測して、基板ステージ14(CF基板W)が往動または復動を開始するその時々の時間での機能液Fの各温度を求めて、その各温度における機能液Fの粘性を求めた。その求めた機能液Fの各粘性において、初期設定温度Tkの時の液滴Fbの吐出重量Wkと等しくなるように、圧電素子PZを駆動させるための駆動電圧値Vhを変更するようにした。
【0057】
従って、基板ステージ14(CF基板W)が往動または復動を開始するその時々の時間でのキャビティ52内の機能液Fの温度に基づいて、圧電素子PZを駆動させるための駆動電圧値Vhを適宜変更することによって、初期設定温度Tkの時の吐出重量Wkと基板ステージ14(CF基板W)を往動又は復動を開始するその時々における吐出重量とを等しくすることができる。その結果、描画終了時までの吐出重量を終始一定になるようにすることができるとともに、吐出重量の変化に起因する基板の品質不良を低減することができる。
【0058】
(3)上記実施形態では、各液滴吐出ヘッド40の発熱量Qは、液滴Fbを吐出するか否か、すなわち、各圧電素子PZを駆動させるか否かのデータであるビットマップデータ
BDに基づき、各圧電素子PZの駆動回数の累計Ntから算出した。
【0059】
従って、描画終了時までの液滴吐出ヘッド40からの発熱量Qを正確に求めることができる。すなわち、描画終了時における初期設定温度Tkから温度上昇した予測温度Tnを正確に求めることができる。つまり、初期設定温度Tkの時の液滴Fbの吐出重量と予測温度Tnに基づいて駆動電圧値Vhを変更した時の液滴Fbの吐出重量との誤差を小さくすることができる。その結果、描画開始時から描画終了時までの液滴Fbの吐出重量をより一定にすることができる。しかも、液滴吐出ヘッド40に温度センサを設けずに済み、液滴吐出ヘッド40の構成を複雑な構成にしなくて済むとともに、部品点数を低減することができる。
【0060】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、基板ステージ14(CF基板W)が往動または復動を開始するその時々の時間に駆動電圧値Vhを変更した。すなわち、CF基板Wに描画をしていないときに駆動電圧値Vhを変更した。これに限らず、例えば、描画中に駆動電圧値Vhを変更するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施形態では、機能液Fの温度をビットマップデータBDに基づいた発熱量Qから予測した。これに限らず、ビットマップデータBDに対するキャビティ52内の機能液Fの温度を予め測定しておき、その測定結果に基づいて駆動電圧値Vhを適宜変更させるようにしてもよい。
【0062】
・上記実施形態では、発熱量Qを液滴吐出ヘッド40毎に算出して、各液滴吐出ヘッド40の駆動電圧値Vhを変更した。これに限らず、例えば、発熱量を各圧電素子PZ毎に算出して、各圧電素子毎に駆動電圧値Vhを変更してもよい。また、例えば、全吐出ノズル46をいくつかのノズル群に分割し、そのノズル群毎に発熱量を求めて、駆動電圧値Vhを変更するようにしてもよい。
【0063】
・上記実施形態では、液滴吐出ヘッド40を6個搭載したキャリッジを6個搭載した液滴吐出装置1に具体化した。これに限らず、キャリッジに搭載される液滴吐出ヘッドの配置や数、及び、液滴吐出装置に搭載されるキャリッジの数は、適宜変更してもよい。例えば、液滴吐出ヘッドを1つ搭載したキャリッジを1つ搭載した液滴吐出装置に具体化してもよい。
【0064】
・上記実施形態では、機能液Fとしてフィルタ用インクを吐出する液滴吐出装置1について具体化した。これに限らず、例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの機能液であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】キャリッジプレートとキャリッジの関係を表す平面図。
【図3】(a)液滴吐出ヘッドを基板ステージ側から見た斜視図、(b)液滴吐出ヘッドのポンプ部断面図。
【図4】液滴吐出装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】駆動波形信号の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
【0066】
BD…ビットマップデータ、COM…駆動波形信号、COM0…駆動波形信号、COM1…駆動波形信号、h0…波高値、h1…波高値、J…基準熱量、F…機能液、Fb…液
滴、LT…吐出タイミング信号、M1…X軸リニアモータ、M2…Y軸リニアモータ、Nt…累計、PZ…圧電素子、Q…発熱量、SI…パターン形成用制御信号、Swk…総重量、Swn…総重量、Tk…初期設定温度、Tn…予測温度、Vh…駆動電圧値、W…CF基板、Wk…吐出重量、Wn…吐出重量、1…液滴吐出装置、2…基台、2a…上面、11…X軸ガイドレール、12…X軸移動プレート、14…基板ステージ、16…ステージ回動機構、18…Y軸ガイドレール、19a…支柱、19b…支柱、21…キャリッジプレート、22…機能液供給ユニット、23…ヘッド用電装ユニット、25…吊下機構、26…吊下基板、27…吊下回動枠、28…吊下支持枠、30…キャリッジ、31…キャリッジ枠、34…ユニットプレート、40…液滴吐出ヘッド、40A…ヘッド本体、41…液体導入部、42…接続針、43…ヘッド基板、43A…ヘッドコネクタ、44…ポンプ部、45…ノズルプレート、45a…ノズル形成面、46…吐出ノズル、47…ノズル列、48…フランジ部、49…ネジ孔、52…キャビティ、53…振動板、100…制御装置、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…入出力装置、105…X軸リニアモータ駆動回路、106…Y軸リニアモータ駆動回路、107…駆動波形生成回路、108…ヘッド駆動回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動素子を駆動して、ノズルプレートに形成したノズル孔から基板に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備え、前記液滴吐出ヘッドを、前記基板に描画されるパターンの描画データに基づいて、前記基板に予め定められたパターンを描画するパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法であって、
前記描画データから、前記液滴吐出ヘッドの発熱量を求め、その求めた発熱量から液滴の粘性を予測し、
予測した粘性に応じて、駆動素子の駆動力を変更して、
前記ノズル孔から吐出される液滴の吐出重量が、前記パターンが形成されるまで終始一定となるようにしたことを特徴とするパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法において、
前記描画データから求める発熱量は、前記描画データに基づくパターンが形成されるまでの液滴吐出ヘッドの発熱量であり、
その求めた発熱量から、そのパターン形成途中の予め定められた時々の液滴吐出ヘッドの温度を予測し、
その時々毎に、前記予測した液滴吐出ヘッドの温度に対する液滴の粘性を予測し、
その時々毎に、予測した粘性に応じて、前記駆動素子の駆動力を変更して、前記基板にパターンが形成されるまで、前記ノズル孔から吐出される液滴の吐出重量が終始一定となるようにしたことを特徴とするパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載のパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法において、
前記描画データは、前記基板が主走査方向に往動及び復動する毎に設けられた、前記液滴吐出ヘッドの各ノズルに対する前記駆動素子の駆動の有無からなるビットマップデータから構成され、
前記基板が往動及び復動する毎に、前記液滴吐出ヘッドの温度を予測し、
その往動及び復動する毎に、前記予測した液滴吐出ヘッドの温度に対する液滴の粘性を予測し、
その往動及び復動する毎に、予測した粘性に応じて、前記駆動素子の駆動力を変更したことを特徴とするパターン形成装置の液滴吐出ヘッド制御方法。
【請求項4】
主走査方向に往復移動して載置した基板を搬送するワークテーブルと、
前記ワークテーブルの移動経路の上方であって、前記主走査方向と直交する副走査方向に延出形成された一対の案内レールと、
前記一対の案内レール間に支持され、その一対の案内レールに沿って副走査方向に往復移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジのユニットプレートに並設した複数の液滴吐出ヘッドと、
前記基板に描画されるパターンの描画データを記憶する描画データ記憶手段と、
前記描画データに基づいて、液滴吐出ヘッドの各駆動素子を駆動制御してノズル孔から前記基板に液滴を吐出させる制御手段と、
を備え、
前記基板を載置したワークテーブルを主走査方向に移動させながら、前記基板に描画データに基づいて、前記基板に予め定められたパターンを描画するパターン形成装置において、
前記基板に前記パターンが形成されるまでの液滴吐出ヘッドの発熱量を、前記描画データに基づいて算出する発熱量算出手段と、
その求めた発熱量から、そのパターン形成途中の予め定められた時々の前記液滴吐出ヘッドの温度を予測する温度予測手段と、
その時々毎に、前記予測した液滴吐出ヘッドの温度に対する液滴の粘性を算出する粘性
算出手段と、
前記基板にパターンが形成されるまで前記ノズル孔から吐出される液滴の吐出重量が終始一定となるように、その時々毎に、算出した粘性に応じて駆動素子の駆動力を算出し、該算出した駆動力を前記制御手段に出力する駆動力算出手段と、
を備えたことを特徴とするパターン形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−78252(P2009−78252A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251160(P2007−251160)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】