説明

パネルクリーニング装置

【課題】パネルの両面を短時間でクリーニングでき、設備の省スペース化ができるパネルクリーニング装置を提供することである。
【解決手段】パネルPを搬送するためのパネル搬送手段、パネルPの第一の面及び第二の面をクリーニングするためのパネルクリーニング手段、及びパネルPの第一の面及び第二の面を洗浄し、乾燥するためのパネル洗浄乾燥手段から構成されるパネルクリーニング装置10。パネル搬送手段は、パネルPを保持しながら回転して、このパネルPを搬送する第一、第二及び第三のパネル回転搬送体11、12、13、及び第一と第二のパネル回転搬送体11、12の間でパネルPを移送し、第二と第三のパネル回転搬送体12、13の間でパネルPを移送する第一及び第二のパネル移送手段14、15から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューター、テレビジョン、携帯電話、電卓、時計などの液晶表示装置(LCD)に用いられる液晶セルなど、表面に高い平滑性と清浄性が要求されるパネルをクリーニングするためのパネルクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるパネルは、所定サイズに切断加工された後、パネルに付着した切り粉や樹脂などの異物を除去するためにクリーニングされる。
【0003】
従来、このようなクリーニングは、織布、不織布、発泡体からなるテープで異物を拭き取るテープタイプ、ナイフを押し当てて異物を削り取るナイフタイプ、又はジェットノズルを通じて水を高圧で吹き付けて異物を流し取る水圧タイプのクリーニングヘッドを備えたクリーニングセクションを有するパネルクリーニング装置を使用して行われている(特許文献1〜3を参照)。
【0004】
パネルは、ベルト(例えば、特許文献1を参照)や複数本並置したローラ(例えば、特許文献2を参照)から構成されるリニアコンベヤーを使用して、クリーニングセクションへと真直ぐに搬送され、そこで位置決めされ(この位置決めについては、例えば、特許文献3を参照)、一方の面がクリーニングされ、その後、パネルは、上記と同様に構成されるリニアコンベヤーにより、クリーニングセクションから真直ぐに搬出される。そして、他方の面のクリーニングのため、パネルは表裏反転され、再びリニアコンベヤーに載せられてクリーニングセクションへと搬送され、上記のように、他方の面がクリーニングされ、クリーニングセクションから搬出される。
【特許文献1】特開平1−251651号公報
【特許文献2】特開平11−28653号公報
【特許文献3】特開2001−198753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このように、従来のパネルクリーニング装置では、パネルは、真直ぐなライン上でクリーニングされているので、このライン上に1ヶ所のクリーニングセクションが設けられている装置(すなわち、クリーニングヘッドが1基だけ備えられている場合)では、両面をクリーニングするため、ラインの一端から搬入され、他端から搬出されたパネルを再びラインの一端へと戻さなければならず、クリーニングに時間がかかるという問題がある。また、小型のパネル(縦10mm×横10mm程度で厚さが0.6〜1.4mm程度)は、短時間(一枚当り6秒以下)でクリーニングすることが要求されているが、パネルの搬送に時間がかかり、短時間でクリーニングすることができない。
【0006】
また、ライン上に2ヶ所のクリーニングセクションが設けられている装置(すなわち、各クリーニングセクションにクリーニングヘッドが1基ずつ備えられている場合)では、装置設備が長大化し、設備のためのスペースを確保しなければならず、またメンテナンスに時間とコストがかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、したがって、パネルの両面を短時間でクリーニングでき、設備の省スペース化ができるパネルクリーニング装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のパネルクリーニング装置は、パネルの第一の面と、この第一の面の裏側の第二の面をクリーニングするためのものであり、パネルを搬送するためのパネル搬送手段、パネルの第一及び第二の面をクリーニングするためのパネルクリーニング手段、及びパネルの第一及び第二の面を洗浄し、乾燥するためのパネル洗浄乾燥手段から構成される。
【0009】
パネル搬送手段は、パネルを保持しながら第一の回転軸に関して回転して、このパネルを搬送する第一のパネル回転搬送体、パネルを保持しながら第一の回転軸と平行な第二の回転軸に関して回転して、このパネルを搬送する第二のパネル回転搬送体、及びパネルを保持しながら第一の回転軸と平行な第三の回転軸に関して回転して、このパネルを搬送する第三のパネル回転搬送体を有する。
【0010】
第一のパネル回転搬送体は、その外周面上に、パネルの第二の面を吸着してパネルを保持する第一の保持手段を有する。この第一の保持手段は、好適に、パネルの第二の面を吸着するための第一の吸着面と、この第一の吸着面上に設けた第一のパネル保持枠とを有する第一のパネル保持板から構成される。第一のパネル保持枠は、第一の回転軸に沿った方向に長い縦材と、この縦材の足から第一のパネル回転搬送体の回転方向に長い横材とから成るL字形の枠材から構成され、これら縦材と横材は、それぞれ、パネルの厚さと同一又はそれ以下の厚さにある。
【0011】
第二のパネル回転搬送体は、その外周面上に、パネルの第一の面を吸着してパネルを保持する第二の保持手段を有する。この第二の保持手段は、好適に、パネルの第一の面を吸着するための第二の吸着面と、この第二の吸着面上に設けた第二のパネル保持枠とを有する第二のパネル保持板から構成される。第二のパネル保持枠は、第二の回転軸に沿った方向に長い縦材と、この縦材の足から第二のパネル回転搬送体の回転方向に長い横材とから成るL字形の枠材から構成され、これら縦材と横材は、それぞれ、前記パネルの厚さと同一又はそれ以下の厚さにある。
【0012】
第三のパネル回転搬送体は、その外周に、パネルの向かい合った二辺を挟んでパネルを保持するパネル挟持手段を有する。
【0013】
パネル搬送手段は、さらに、第一の保持手段に保持されているパネルを第二の保持手段に向けて移送し、このパネルを第二の保持手段に保持させるための第一のパネル移送手段、及び第二の保持手段に保持されているパネルをパネル挟持手段に向けて移送し、このパネルをパネル挟持手段に保持させるための第二のパネル移送手段を有する。
【0014】
第一のパネル移送手段は、好適に、第一のパネル保持板と第一のパネル回転搬送体の外周面との間を連結するスプリング、第一のパネル保持板に設けた上記の第一の回転軸と平行な方向に突き出した突起、及び第一の回転軸と平行な第四の回転軸に関して回転する第一の回転アーム体から構成される。第一のパネル保持板には、第一のパネル回転搬送体の外周面に向かうスプリング力が常に働いている。そして、第一の回転アーム体は、第四の回転軸と垂直な方向に長いアームを有し、第四の回転軸に関して回転して、このアームを第一のパネル保持板に設けた上記の突起に接触させ、第一の回転アーム体のアームでこの突起を押して、上記のスプリング力に抗して第一のパネル保持板を第二のパネル保持板に向けて移動し、パネルの第一の面を第二のパネル保持板の第二の吸着面に接触させる。
【0015】
第二のパネル移送手段は、好適に、第二のパネル保持板と第二のパネル回転搬送体の外周面との間を連結するスプリング、第二のパネル保持板に設けた上記の第一の回転軸と平行な方向に突き出した突起、及び第一の回転軸と平行な第五の回転軸に関して回転する第二の回転アーム体から構成される。第二のパネル保持板には、第二のパネル回転搬送体の外周面に向かうスプリング力が常に働いている。そして、第二の回転アーム体は、第五の回転軸と垂直な方向に長いアームを有し、第五の回転軸に関して回転して、このアームを第二のパネル保持板に設けた上記の突起に接触させ、第二の回転アーム体のアームでこの突起を押して、上記のスプリング力に抗して第二のパネル保持板をパネル挟持手段に向けて移動する。
【0016】
パネルクリーニング手段は、第一の保持手段に保持されているパネルの第一の面をクリーニングするための第一のクリーニング手段、及び第二の保持手段に保持されているパネルの第二の面をクリーニングするための第二のクリーニング手段から構成される。
【0017】
第一のクリーニング手段として、ディスクタイプのクリーニングヘッド、及び第一のパネル保持板に保持しているパネルの第一の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための移動手段から構成されたものが使用できる。このクリーニングヘッドは、表面にパッドを貼り付けたディスク、及びこのディスクを回転させるための駆動手段から構成され、パッドはパネルの第一の面に押し付けられる。
【0018】
また、第一のクリーニング手段として、テープタイプのクリーニングヘッド、及び第一のパネル保持板に保持している前記パネルの第一の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための移動手段から構成されるものを使用してもよい。このクリーニングヘッドは、コンタクトローラ、及びテープを送り出し、この送り出されたテープを巻き取る手段から構成され、テープは、コンタクトローラを介してパネルの第一の面に押し付けられる。
【0019】
第二のクリーニング手段として、ディスクタイプのクリーニングヘッド、及び第二のパネル保持板に保持しているパネルの第二の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための移動手段から構成されるものが使用できる。このクリーニングヘッドは、表面にパッドを貼り付けたディスク、及びこのディスクを回転させるための駆動手段から構成され、パッドはパネルの第二の面に押し付けられる。
【0020】
また、第二のクリーニング手段として、テープタイプのクリーニングヘッド、及び第二のパネル保持板に保持しているパネルの第二の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための移動手段から構成されるものを使用してもよい。このクリーニングヘッドは、コンタクトローラ、及びテープを送り出し、この送り出されたテープを巻き取る手段から構成され、テープは、コンタクトローラを介してパネルの第二の面に押し付けられる。
【0021】
パネル洗浄乾燥手段は、パネル挟持手段に保持されているパネルの第一及び第二の面に洗浄液を吹き付けて洗浄する洗浄手段、及びパネル挟持手段に保持されているパネルの第一及び第二の面にエアーを吹き付けて乾燥する乾燥手段から構成される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、第一、第二及び第三のパネル回転搬送体の各々において、パネルが、直線的ではなく、円周軌道を描くように搬送されるので、短時間でパネルの両面のクリーニング、洗浄及び乾燥ができ、また装置設備のスペースを小さくできる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
<パネルクリーニング装置> 本発明のパネルクリーニング装置は、パネルの両面(すなわち、第一の面と、この第一の面の裏側の第二の面)をクリーニングするためのものであり、10mm×10mmから50mm×50mmのサイズのパネルをクリーニングするのに適するものである。
【0024】
図1及び図2に示すように本発明のパネルクリーニング装置10は、パネルPを搬送するためのパネル搬送手段、パネルPの第一の面及び第二の面をクリーニングするためのパネルクリーニング手段、及びパネルPの第一の面及び第二の面を洗浄し、乾燥するためのパネル洗浄乾燥手段から構成される。
【0025】
パネル搬送手段は、パネルPを保持しながら回転して、このパネルPを搬送する第一、第二及び第三のパネル回転搬送体11、12、13、及び第一と第二のパネル回転搬送体11、12の間でパネルPを移送し、第二と第三のパネル回転搬送体12、13の間でパネルPを移送する第一及び第二のパネル移送手段14、15から構成される。
【0026】
第一のパネル回転搬送体11は、第一の回転軸X1に関して回転する(図1の平面図において時計周りの方向)。そして、パネルPを保持するため、第一のパネル回転搬送体11は、その外周面上に、パネルPの第二の面を吸着してパネルPを保持する第一の保持手段21を有する。
【0027】
この第一の保持手段21は、好適に、パネルPの第二の面を吸着するための第一の吸着面(図示せず)と、この第一の吸着面上に設けた第一のパネル保持枠(図示せず)とを有する第一のパネル保持板24から構成される。図示の例では、第一のパネル回転搬送体11の外周面上に、四つの第一のパネル保持板24が90°間隔で配置されているが、第一のパネル保持板24の個数は、少なくとも一つあればよく、第一のパネル回転搬送体11のサイズにより適宜に選定できる。
【0028】
第一の吸着面には、小さい吸気穴(図示せず)が形成され、これら吸気穴は、外部の吸気ポンプ(図示せず)に連結されている。この吸気ポンプは、使用者によるスイッチのオン・オフ操作により適宜に作動又は停止させることができるものであり、吸気ポンプを作動させるとパネルPを吸着面に吸着でき、吸気ポンプの作動を停止するとパネルの吸着面への吸着を解除できる。
【0029】
第一のパネル保持枠は、図示しないが、第一の回転軸X1に沿った方向に長い縦材と、この縦材の足から第一のパネル回転搬送体11の回転方向に長い横材とから成るL字形の枠材から構成され、これら縦材と横材は、それぞれ、パネルPの厚さと同一又はそれ以下の厚さにある。これら縦材と横材は、パネルのコーナーをサポートできる程度の長さでよい。
【0030】
第二のパネル回転搬送体12は、第一の回転軸X1と平行な第二の回転軸X2に関して回転する(図1の平面図で時計周りの方向)。そして、パネルPを保持するため、第二のパネル回転搬送体12は、その外周面上に、パネルPの第一の面を吸着してパネルPを保持する第二の保持手段22を有する。
【0031】
この第二の保持手段22は、好適に、パネルPの第一の面を吸着するための第二の吸着面(図示せず)と、この第二の吸着面上に設けた第二のパネル保持枠(図示せず)とを有する第二のパネル保持板25から構成される。図示の例では、第二のパネル回転搬送体12の外周面上に、四つの第二のパネル保持板25が配置されているが、第二のパネル保持板25の個数は、少なくとも一つあればよく、第二のパネル回転搬送体12のサイズにより適宜に選定できる。
【0032】
第二の吸着面には、上記と同様に、小さい吸気穴(図示せず)が形成され、これら吸気穴は、外部の吸気ポンプ(図示せず)に連結されている。この吸気ポンプは、使用者によるスイッチのオン・オフ操作により適宜に作動又は停止させることができるものであり、吸気ポンプを作動させるとパネルを吸着面に吸着でき、吸気ポンプの作動を停止するとパネルの吸着面への吸着を解除できる。
【0033】
図示しないが、第二のパネル保持枠は、第二の回転軸X2に沿った方向に長い縦材と、この縦材の足から第二のパネル回転搬送体12の回転方向に長い横材とから成るL字形の枠材から構成され、これら縦材と横材は、それぞれ、パネルの厚さと同一又はそれ以下の厚さにある。これら縦材と横材は、パネルのコーナーをサポートできる程度の長さでよい。
【0034】
第三のパネル回転搬送体13は、第一の回転軸X1と平行な第三の回転軸X3に関して回転する(図1の平面図で時計周りの方向)。そして、パネルPを保持するため、第三のパネル回転搬送体13は、その外周に、パネルPの向かい合った二辺を挟んでパネルPを保持するパネル挟持手段23を有する。
【0035】
第三のパネル回転搬送体13は、第三の回転軸X3から放射方向に長い複数(図示の例では、四つであるが、少なくとも一つあればよい)のアーム部26を有し、このアーム部26の先端(すなわち、第三のパネル回転搬送体13の外周)に、パネルPの向かい合った二辺を挟んでパネルPを保持する二本の可動フィンガー27、28から構成されるホルダーハンド(符号23で示すパネル挟持手段)が取り付けられている。これら可動フィンガー27、28は、アーム部26の先端の付近を支点としてパネルPの幅方向に開閉するものであり、この開閉動作は、例えば、これら可動フィンガー27、28を連結しているスプリング29のスプリング力を適用し解除する既知の機構によって行える。
【0036】
第一のパネル移送手段14は、第一の保持手段21に保持されているパネルPを第二の保持手段22に向けて移送し、このパネルPを第二の保持手段22に保持させるためのものである。
【0037】
第一のパネル移送手段14は、好適に、第一のパネル保持板24と第一のパネル回転搬送体11の外周面との間を連結するスプリング(図示せず)、第一のパネル保持板24に設けた第一の回転軸X1と平行な方向に突き出した突起31、及び第一の回転軸X1と平行な第四の回転軸X4に関して回転する第一の回転アーム体33から構成される。
【0038】
図示の例では、第一のパネル保持板24は、第一のパネル回転搬送体11の外周に設けた凹部内に挿入され、この凹部の底面に上記のスプリングで連結されており、第一のパネル保持板24には、第一のパネル回転搬送体11の外周面(すなわち、図示の例では、第一のパネル保持板24を挿入している凹部の底面)に向かうスプリング力が常に働いている。そして、第一の回転アーム体33は、第四の回転軸X4と垂直な方向に長いアーム35を有し、第四の回転軸X4に関して回転して、このアーム35を第一のパネル保持板24に設けた上記の突起31に接触させ、第一の回転アーム体33のアーム35でこの突起31を押して、上記のスプリング力に抗して第一のパネル保持板24を第二のパネル保持板25に向けて移動し、パネルPの第一の面を第二のパネル保持板25の第二の吸着面に接触させる。
【0039】
変形的に、第一のパネル保持板24に上記の突起31と反対方向に突き出したもう一つの突起(図示せず)を設け、第一の回転アーム体33に、上記のアーム35と同じアーム35´をもう一本平行に設け、二本のアーム35、35´で二つの突起を押して、第一のパネル保持板24を第二のパネル保持板25に向けて移動させてもよい。
【0040】
第二のパネル移送手段15は、第二の保持手段25に保持されているパネルPをパネル挟持手段23に向けて移送し、このパネルPをパネル挟持手段23に保持させるためのものである。
【0041】
第二のパネル移送手段15は、好適に、第二のパネル保持板25と第二のパネル回転搬送体12の外周面との間を連結するスプリング(図示せず)、第二のパネル保持板25に設けた上記の回転軸X1と平行な方向に突き出した突起32、及び第一の回転軸X1と平行な第五の回転軸X5に関して回転する第二の回転アーム体34から構成される。
【0042】
図示の例では、第二のパネル保持板25は、上記の第一のパネル保持板24と同様に、第二のパネル回転搬送体12の外周に設けた凹部内に挿入され、この凹部の底面に上記のスプリングで連結されており、第二のパネル保持板25には、第二のパネル回転搬送体12の外周面(すなわち、図示の例では、第二のパネル保持板25を挿入している凹部の底面)に向かうスプリング力が常に働いている。そして、第二の回転アーム体24は、第五の回転軸X5と垂直な方向に長いアーム36を有し、第五の回転軸X5に関して回転して、このアーム36を第二のパネル保持板25に設けた上記の突起32に接触させ、第二の回転アーム体24のアーム26でこの突起32を押して、上記のスプリング力に抗して第二のパネル保持板25をパネル挟持手段23に向けて移動させる。
【0043】
変形的に、第二のパネル保持板25に上記の突起32と反対方向に突き出したもう一つの突起(図示せず)を設け、第二の回転アーム体34に、上記のアーム36と同じアーム36´をもう一本平行に設け、二本のアーム36、36´で二つの突起を押して、第二のパネル保持板25をパネル挟持手段23に向けて移動させてもよい。
【0044】
第一のパネル回転搬送体11の第一のパネル保持板24と、第二のパネル回転搬送体12の第二のパネル保持板25は、それぞれ向き合える位置にある。また、第二のパネル回転搬送体12の第二のパネル保持板25と、第三のパネル回転搬送体13のパネル挟持手段23も、それぞれ向き合える位置にある。
【0045】
パネルクリーニング手段は、第一の保持手段21に保持されているパネルPの第一の面をクリーニングするための第一のクリーニング手段41、及び第二の保持手段22に保持されているパネルPの第二の面をクリーニングするための第二のクリーニング手段42から構成される。
【0046】
パネルPの第一の面は、第一のパネル回転搬送体11に保持されているとき、外側に向いた状態にあり、このときに、第一の面は、第一のクリーニング手段41によってクリーニングされる。また、パネルPの第二の面は、第二のパネル回転搬送体12に保持されているとき、外側に向いた状態にあり、このときに、第二の面は、第二のクリーニング手段42によってクリーニングされる。
【0047】
第一のクリーニング手段41として、図1に示すようなディスクタイプのクリーニングヘッド、及び第一のパネル保持板に保持しているパネルの第一の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための既知の移動手段(図示せず)から構成されたものが使用できる。このクリーニングヘッドは、表面にパッド43を貼り付けたディスク44、及びこのディスク44を回転させるための駆動手段(符号45で示すモータ)から構成され、パッド43はパネルPの第一の面に押し付けられる。パッドPとして、織布、不織布、起毛布、植毛布、又は発泡体などからなるパッドが使用される。
【0048】
また、第一のクリーニング手段41として、図示しないが、既知のテープタイプのクリーニングヘッド、及び第一のパネル保持板24に保持しているパネルPの第一の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための既知の移動手段から構成されるものを使用してもよい。このクリーニングヘッドは、コンタクトローラ、及びテープを送り出し、この送り出されたテープを巻き取る手段から構成され、テープは、コンタクトローラを介してパネルPの第一の面に押し付けられる。このテープとして、織布、不織布、起毛布、植毛布、又は発泡体などからなるテープが使用される。
【0049】
第二のクリーニング手段42として、図1に示すようなディスクタイプのクリーニングヘッド、及び第二のパネル保持板25に保持しているパネルPの第二の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための移動手段(図示せず)から構成されるものが使用できる。このクリーニングヘッドは、表面にパッド46を貼り付けたディスク47、及びこのディスク47を回転させるための駆動手段(符号48で示すモータ)から構成され、パッド46はパネルPの第二の面に押し付けられる。パッド46として、織布、不織布、起毛布、植毛布、又は発泡体などからなるパッドが使用される。
【0050】
また、第二のクリーニング手段42として、図示しないが、既知のテープタイプのクリーニングヘッド、及び第二のパネル保持板25に保持しているパネルPの第二の面に向けてこのクリーニングヘッドを移動させるための既知の移動手段から構成されるものを使用してもよい。このクリーニングヘッドは、コンタクトローラ、及びテープを送り出し、この送り出されたテープを巻き取る手段から構成され、テープは、コンタクトローラを介してパネルの第二の面に押し付けられる。このテープとして、織布、不織布、起毛布、植毛布、又は発泡体などからなるテープが使用される。
【0051】
パネル洗浄乾燥手段は、パネル挟持手段23に保持されているパネルPの第一及び第二の面に洗浄液を吹き付けて洗浄する洗浄手段、及びパネル挟持手段23に保持されているパネルPの第一及び第二の面にエアーを吹き付けて乾燥する乾燥手段から構成される。図示しないが、洗浄手段は、パネルPの第一の面と第二の面にそれぞれ向けられた二本のノズルから構成され、これらノズルは、外部の洗浄液タンクに連結されている。洗浄液として、水が使用される。また、図示しないが、乾燥手段は、パネルPの第一の面と第二の面にそれぞれ向けられた二本のエアーノズルから構成される。
【0052】
<パネルクリーニング方法> 本発明に従って、パネルをクリーニングする。まず、第一のパネル回転搬送体11の第一のパネル保持板24にパネルの第二の面を吸着してパネルを保持し、第一のパネル回転搬送体11を第一の回転軸X1に関して90°回転し、第一のパネル回転搬送体11を停止させる。第一のクリーニング手段41でパネルPの第一の面をクリーニングする。このとき、2枚目のパネルを第一のパネル回転搬送体11の第一のパネル保持板24に保持させる。
【0053】
1枚目のパネルの第一の面をクリーニングした後、第一のパネル回転搬送体11を第一の回転軸X1に関して90°回転し、第一のパネル回転搬送体11を停止させる。
【0054】
第一のパネル移送手段14の第一の回転アーム体33を第四の回転軸X4に関して回転させ、第一のパネル保持板24を第二のパネル回転搬送体12の第二のパネル保持板25に向けて移送し、1枚目のパネルの第一の面を第二のパネル保持板25の吸着面に接触させ、第二のパネル保持板25に第一の面を吸着させるとともに、第二の面の第一のパネル保持板24への吸着を解除して、1枚目のパネルを第二のパネル回転搬送体12に保持させる。そして、第一の回転アーム体33を第四の回転軸X4に関して逆の方向に回転させて、第一のパネル保持板24を第一のパネル回転搬送体11の外周面上に戻す。
【0055】
このとき、2枚目のパネルの第一の面を1枚目のパネルと同様にしてクリーニングする。これと同時に、3枚目のパネルを第一のパネル回転搬送体11に上記のようにして保持させる。
【0056】
一方、1枚目のパネルを保持している第二のパネル回転搬送体12を第二の回転軸X2に関して90°回転し、停止させる。そして、この1枚目のパネルの第二の面を第二のクリーニング手段42でクリーニングする。
【0057】
そして、2枚目のパネルの第一の面をクリーニングした後、第一のパネル回転搬送体11を第一の回転軸X1に関して90°回転し、第一のパネル回転搬送体11を停止させ、上記のように第一のパネル移送手段14により2枚目のパネルを第二のパネル回転搬送体12に保持させる。そして、3枚目のパネルの第一の面を上記のようにしてクリーニングし、このとき、4枚目のパネルを上記のようにして第一のパネル回転搬送体11に保持させる。
【0058】
2枚目のパネルを保持した第二のパネル回転搬送体12を第二の回転軸X2に関して回転し、停止させる。そして、第二のパネル移送手段15の第二の回転アーム体34を第五の回転軸X5に関して回転して、第二のパネル保持板25を第三のパネル回転搬送体13のパネル挟持手段23に向けて移送し、1枚目のパネルの向かい合った二辺を可動フィンガー27、28で挟むとともに、このパネルの第一の面の第二のパネル保持板25への吸着を解除して、1枚目のパネルを第三のパネル回転搬送体13に保持させるこのとき、2枚目のパネルの第二の面を1枚目のパネルと同様にして第二のクリーニング手段42でクリーニングする。
【0059】
1枚目のパネルを保持した第三の回転搬送体13を第三の回転軸X3に関して90°回転させたときに、このパネルの両面に洗浄液を吹き付けて洗浄し、さらに90°回転させたときにエアーを吹き付けて乾燥させる。1枚目のパネルは、その後、第三の回転搬送体13から適宜に取り出され、これにより、1枚目のパネルの両面のクリーニングが終了する。以下、2枚目、3枚目と第一のパネル回転搬送体11に保持されたパネルは、順次、1枚目のパネルと同様にして搬送、クリーニング、洗浄及び乾燥され、クリーニングを順次終了する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明のパネルクリーニング装置の平面図である。
【図2】図2は、図1の装置の側面図である。
【符号の説明】
【0061】
10・・・パネルクリーニング装置
11・・・第一のパネル回転搬送体
12・・・第二のパネル回転搬送体
13・・・第三のパネル回転搬送体
14・・・第一のパネル移送手段
15・・・第二のパネル移送手段
21・・・第一の保持手段
22・・・第二の保持手段
23・・・パネル挟持手段
24・・・第一のパネル保持板
25・・・第二のパネル保持板
26・・・アーム部
27、28・・・可動フィンガー
29・・・スプリング
31、32・・・突起
33・・・第一の回転アーム体
34・・・第二の回転アーム体
35、35´、36、36´・・・アーム
41・・・第一のクリーニング手段
42・・・第二のクリーニング手段
43、46・・・パッド
44、47・・・ディスク
45、48・・・モータ
X1・・・第一の回転軸
X2・・・第二の回転軸
X3・・・第三の回転軸
X4・・・第四の回転軸
X5・・・第五の回転軸
P・・・パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの第一の面と、この第一の面の裏側の第二の面をクリーニングするためのパネルクリーニング装置であって、
前記パネルを搬送するためのパネル搬送手段、
前記パネルの第一及び第二の面をクリーニングするためのパネルクリーニング手段、及び
前記パネルの第一及び第二の面を洗浄し、乾燥するためのパネル洗浄乾燥手段、
から成り、
前記パネル搬送手段が、
前記パネルを保持しながら第一の回転軸に関して回転して、このパネルを搬送する第一のパネル回転搬送体であって、前記第一のパネル回転搬送体の外周面上に、前記パネルの第二の面を吸着して前記パネルを保持する第一の保持手段を有する、第一のパネル回転搬送体、
パネルを保持しながら前記第一の回転軸と平行な第二の回転軸に関して回転して、このパネルを搬送する第二のパネル回転搬送体であって、前記第二のパネル回転搬送体の外周面上に、前記パネルの第一の面を吸着して前記パネルを保持する第二の保持手段を有する、第二のパネル回転搬送体、
パネルを保持しながら前記第一の回転軸と平行な第三の回転軸に関して回転して、このパネルを搬送する第三のパネル回転搬送体であって、前記第三のパネル回転搬送体の外周に、前記パネルの向かい合った二辺を挟んで前記パネルを保持するパネル挟持手段を有する、第三のパネル回転搬送体、
前記第一の保持手段に保持されているパネルを前記第二の保持手段に向けて移送し、このパネルを前記第二の保持手段に保持させるための第一のパネル移送手段、及び
前記第二の保持手段に保持されているパネルを前記パネル挟持手段に向けて移送し、このパネルを前記パネル挟持手段に保持させるための第二のパネル移送手段、
から成り、
前記パネルクリーニング手段が、
前記第一の保持手段に保持されている前記パネルの第一の面をクリーニングするための第一のクリーニング手段、及び
前記第二の保持手段に保持されている前記パネルの第二の面をクリーニングするための第二のクリーニング手段、
から成り、
前記パネル洗浄乾燥手段が、
前記パネル挟持手段に保持されているパネルの第一及び第二の面に洗浄液を吹き付けて洗浄する洗浄手段、及び
前記パネル挟持手段に保持されているパネルの第一及び第二の面にエアーを吹き付けて乾燥する乾燥手段、
から成る、
ところのパネルクリーニング装置。
【請求項2】
前記第一の保持手段が、前記パネルの第二の面を吸着するための第一の吸着面と、前記第一の吸着面上に設けた第一のパネル保持枠とを有する第一のパネル保持板から成り、
前記第二の保持手段が、前記パネルの第一の面を吸着するための第二の吸着面と、前記第二の吸着面上に設けた第二のパネル保持枠とを有する第二のパネル保持板から成り、
前記第一のパネル移送手段が、
前記第一のパネル保持板と前記第一のパネル回転搬送体の外周面との間を連結するスプリングであって、前記第一のパネル保持板に、前記第一のパネル回転搬送体の外周面に向かうスプリング力が常に働く、スプリング、
前記第一のパネル保持板に設けた前記第一の回転軸と平行な方向に突き出した突起、及び
前記第一の回転軸と平行な第四の回転軸に関して回転する第一の回転アーム体であって、前記第一の回転アーム体が、前記第四の回転軸と垂直な方向に長いアームを有し、前記第四の回転軸に関して回転して、前記アームを前記突起に接触させ、前記アームで前記突起を押して、前記スプリング力に抗して前記第一のパネル保持板を前記第二のパネル保持板に向けて移動し、前記パネルの第一の面を前記第二のパネル保持板の第二の吸着面に接触させる、第一の回転アーム体、
から成り、
前記第二のパネル移送手段が、
前記第二のパネル保持板と前記第二のパネル回転搬送体の外周面との間を連結するスプリングであって、前記第二のパネル保持板に、前記第二のパネル回転搬送体の外周面に向かうスプリング力が常に働く、スプリング、
前記第二のパネル保持板に設けた前記第一の回転軸と平行な方向に突き出した突起、及び
前記第一の回転軸と平行な第五の回転軸に関して回転する第二の回転アーム体であって、前記第二の回転アーム体が、前記第五の回転軸と垂直な方向に長いアームを有し、前記第五の回転軸に関して回転して、前記アームを前記突起に接触させ、前記アームで前記突起を押して、前記スプリング力に抗して前記第二のパネル保持板を前記パネル挟持手段に向けて移動する、第二の回転アーム体、
から成る、
ところの請求項1のパネルクリーニング装置。
【請求項3】
前記第一のパネル保持枠が、前記第一の回転軸に沿った方向に長い縦材と、この縦材の足から前記第一のパネル回転搬送体の回転方向に長い横材とから成るL字形の枠材から成り、
これら縦材と横材は、それぞれ、前記パネルの厚さと同一又はそれ以下の厚さにある、
ところの請求項2のパネルクリーニング装置。
【請求項4】
前記第二のパネル保持枠が、前記第二の回転軸に沿った方向に長い縦材と、この縦材の足から前記第二のパネル回転搬送体の回転方向に長い横材とから成るL字形の枠材から成り、
これら縦材と横材は、それぞれ、前記パネルの厚さと同一又はそれ以下の厚さにある、
ところの請求項2のパネルクリーニング装置。
【請求項5】
前記第一のクリーニング手段が、
ディスクタイプのクリーニングヘッド、及び
前記第一のパネル保持板に保持している前記パネルの第一の面に向けて前記クリーニングヘッドを移動させるための移動手段、
から成り、
前記クリーニングヘッドが、
表面にパッドを貼り付けたディスク、及び
このディスクを回転させるための駆動手段、
から成り、
前記パッドが前記パネルの第一の面に押し付けられる、
ところの請求項1のパネルクリーニング装置。
【請求項6】
前記第一のクリーニング手段が、
テープタイプのクリーニングヘッド、及び
前記第一のパネル保持板に保持している前記パネルの第一の面に向けて前記クリーニングヘッドを移動させるための移動手段、
から成り、
前記クリーニングヘッドが、
コンタクトローラ、及び
テープを送り出し、この送り出されたテープを巻き取る手段、
から成り、
前記テープが、前記コンタクトローラを介して前記パネルの第一の面に押し付けられる、
ところの請求項1のパネルクリーニング装置。
【請求項7】
前記第二のクリーニング手段が、
ディスクタイプのクリーニングヘッド、及び
前記第二のパネル保持板に保持している前記パネルの第二の面に向けて前記クリーニングヘッドを移動させるための移動手段、
から成り、
前記クリーニングヘッドが、
表面にパッドを貼り付けたディスク、及び
このディスクを回転させるための駆動手段、
から成り、
前記パッドが前記パネルの第二の面に押し付けられる、
ところの請求項1のパネルクリーニング装置。
【請求項8】
前記第二のクリーニング手段が、
テープタイプのクリーニングヘッド、及び
前記第二のパネル保持板に保持している前記パネルの第二の面に向けて前記クリーニングヘッドを移動させるための移動手段、
から成り、
前記クリーニングヘッドが、
コンタクトローラ、及び
テープを送り出し、この送り出されたテープを巻き取る手段、
から成り、
前記テープが、前記コンタクトローラを介して前記パネルの第二の面に押し付けられる、
ところの請求項1のパネルクリーニング装置。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−130437(P2006−130437A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323727(P2004−323727)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(390037165)日本ミクロコーティング株式会社 (79)
【Fターム(参考)】