説明

ヒートポンプ装置

【課題】複数のモータを用いるヒートポンプ装置において、複数のモータを駆動する複数の電力供給手段を有するモータ駆動装置の長寿命化及びコスト削減を図る。
【解決手段】モータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、圧縮機用モータ15に駆動用の電力を供給するインバータ回路32を持っている。この第1電力供給手段18は、インバータ回路32と交流電源30との間に、ヒートポンプ装置の寿命のボトルネックとなるエネルギー平滑用の電解コンデンサを持たないように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ装置に関し、特に、複数のモータを備えるヒートポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空気調和装置の室外機や室内機あるいは給湯器の熱源ユニットなどのヒートポンプ装置では、圧縮機モータやファンモータとして永久磁石同期モータの一種であるブラシレスDCモータが用いられている。ブラシレスDCモータは、高効率化を図るために有効であり、特に空気調和装置などの高級機を中心として、適用範囲が広がっている。
【0003】
また、ヒートポンプ装置では、一般的に、圧縮機用モータを駆動するインバータと、ファンモータなどを駆動するインバータとを備え、両インバータの直流部を共通化しているモータ駆動装置が用いられている(特許文献1及び特許文献2)。このように、モータ駆動装置において、複数のインバータの直流部を共通化することで、直流部の整流回路を一つに集約することができ、回路の簡素化、低廉化を図ることができる。また、整流回路に力率改善の機能を付加することで、電源高調波規制への対応も可能であるが、この場合も力率改善回路を一つに集約することができる。
【特許文献1】特開平9−224393号公報
【特許文献2】特開2001−286174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、モータ駆動装置において一つの直流部を複数のインバータで共用して複数のモータを駆動するためには、直流部の電圧が安定している必要があり、電圧を安定させる必要から複数のモータの電気容量に合わせて大容量の平滑コンデンサを設ける必要がある。大容量の平滑コンデンサを設ける場合には、一般的に電解コンデンサが用いられることから、電解コンデンサの寿命やコストが原因でモータ駆動装置の寿命やコストやサイズなどを改善することが難しくなる。また、共通化された整流回路に力率改善用の回路を設ける場合は、複数のモータの電気容量に合わせた大型のリアクタや大電流用の力率改善回路が必要となり、さらにコストやサイズなどの改善を難しくしている。
【0005】
本発明の課題は、複数のモータを用いるヒートポンプ装置において、複数のモータを駆動する複数の電力供給手段を有するモータ駆動装置の長寿命化及びコスト削減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係るヒートポンプ装置は、圧縮機と第1モータと第2モータとモータ駆動装置を備える。また、モータ駆動装置は、第1電力供給手段と第2電力供給手段とを有する。第1モータは、圧縮機を駆動する。第1モータよりも電気容量の小さい第2モータは、圧縮機以外の機器を駆動する。交流電源に接続されているモータ駆動装置は、第1モータ及び第2モータを駆動する。モータ駆動装置の第1電力供給手段は、第1モータに駆動用の電力を供給する第1インバータ回路またはコンバータ回路を持つ。この第1電力供給手段は、第1インバータ回路またはコンバータ回路と交流電源との間にエネルギー平滑用の電解コンデンサを持たない。交流電源に接続されている第2電力供給手段は、第2モータに駆動用の電力を供給する。
【0007】
本発明によれば、第1電力供給手段がエネルギー平滑用の電解コンデンサを持たないことから、エネルギー平滑用の電解コンデンサの寿命がヒートポンプ装置の寿命のボトルネックとなることがなくなる。また、エネルギー平滑用の電解コンデンサを省くことにより、電解コンデンサに要していたコストは省くことができるとともに、モータ駆動装置のサイズを小さくすることができる。
【0008】
第2発明に係るヒートポンプ装置は、第1発明のヒートポンプ装置であって、第1電力供給手段は、交流電源の多相交流を整流するPWM整流回路をさらに有する。また、第1電力供給手段の第1インバータ回路は、PWM整流回路の出力から第1モータに出力する多相交流を生成するPWMインバータ回路である。
【0009】
本発明によれば、第1電力供給手段が電解コンデンサを持たないため、エネルギーバッファが少ないか又は存在しないことから入力電流波形や出力電圧波形がひずむが、これらの補正を比較的行い易くなる。
【0010】
第3発明に係るヒートポンプ装置は、第1発明のヒートポンプ装置であって、PWM整流回路は、電源側への回生を行わない回路である。
【0011】
本発明によれば、第1モータが異常停止した場合にも第1モータが持っていたエネルギーが第2電力供給手段や第2モータに流入しないため、第1モータの異常停止時でも第2モータを安定して運転することができる。
【0012】
第4発明に係るヒートポンプ装置は、第1発明のヒートポンプ装置であって、コンバータ回路は、交流電源の多相交流から第1モータに出力する多相交流を生成するマトリクスコンバータ回路である。
【0013】
本発明によれば、入出力間のスイッチング素子数を低減できる。また、第1電力供給手段が電解コンデンサを持たないため、エネルギーバッファが存在しないことから入力電流波形や出力電圧波形がひずむが、これらの補正を比較的行い易くなる。
【0014】
第5発明に係るヒートポンプ装置は、第1発明のヒートポンプ装置であって、第1電力供給手段の第1インバータ回路は、PWMインバータ回路である。この第1電力供給手段は、PWMインバータ回路を第1インバータ回路として持っているほか、整流回路とフィルムコンデンサをさらに持っている。第1電力供給手段において、整流回路は、交流電源の出力を整流してPWMインバータ回路に直流電力を出力する。また、フィルムコンデンサは、整流回路の出力を平滑化する。
【0015】
本発明によれば、フィルムコンデンサで平滑化することで、圧縮機駆動に必要な程度の安定した電源を供給しながら、入力電流のひずみを小さく、高力率とすることができる。
【0016】
第6発明に係るヒートポンプ装置は、第1発明から第5発明のいずれかのヒートポンプ装置であって、第2モータは交流モータである。そして、第2電力供給手段は、交流電源から交流の供給を受け、直接第2モータに交流を供給する。
【0017】
本発明によれば、交流モータに直接交流を供給することから、第2電力供給手段の構成が簡素になる。また、第2電力供給手段にインバータを持たないため、ノイズフィルタや高調波対策回路を簡素化することができる。
【0018】
第7発明に係るヒートポンプ装置は、第1発明から第5発明のいずれかのヒートポンプ装置であって、第2電力供給手段は、整流回路と直流平滑回路と第2インバータ回路とを持つ。整流回路は、交流電源の出力を整流する。直流平滑回路は、整流回路の出力を平滑化する。第2インバータ回路は、整流回路の出力を受けて第2モータに駆動用の電力を供給する。
【0019】
本発明によれば、第1モータと切り離して比較的電気容量の小さい第2モータに供給する電力を第2電力供給手段で生成するので、第2電力供給手段は、直流平滑回路におけるエネルギーバッファが小さくても比較的安定した電力を供給できる。また、モータをインバータで駆動するため、モータを高効率で運転することができる。
【0020】
第8発明に係るヒートポンプ装置は、第7発明のヒートポンプ装置であって、第2電力供給手段は、交流電源の力率を改善する力率改善回路をさらに持っている。
【0021】
本発明によれば、第1モータと切り離して比較的電気容量の小さい第2モータに供給する電力を第2電力供給手段で生成するので、第1電力供給手段と第2電力供給手段の直流部を共通化する場合に比べて力率改善回路で扱う電流を小さくできる。
【発明の効果】
【0022】
第1発明に係るヒートポンプ装置では、長寿命化とコスト削減、小型化を図ることができる。
【0023】
第2発明に係るヒートポンプ装置では、エネルギー平滑用の電解コンデンサを持たなくとも、第1モータのトルク振動や騒音を抑え易くなる。また、電源系統への障害を起こし難い。
【0024】
第3発明に係るヒートポンプ装置では、第1モータの異常停止時に第2モータを安定して運転することができるので、異常時や異常時から復帰する際のヒートポンプ装置の安定性や信頼性を向上することができる。
【0025】
第4発明に係るヒートポンプ装置では、入出力間のスイッチング素子数低減により損失低減が可能になる。また、エネルギー平滑用の電解コンデンサを持たなくとも、第1モータのトルク振動や騒音を抑え易くなる。
【0026】
第5発明に係るヒートポンプ装置では、圧縮機駆動に必要な程度の安定した電源を供給しつつ、高力率とし、長寿命で安価なヒートポンプ装置を実現できる。
【0027】
第6発明に係るヒートポンプ装置では、第2電力供給手段の構成が簡素になりコスト削減が図れるとともに、部品点数が少ないため、部品の故障によるシステムの信頼性低下を起こしにくい。また、ノイズフィルタや高調波対策回路も簡素化することができる。
【0028】
第7発明に係るヒートポンプ装置では、第2電力供給手段の直流平滑回路におけるエネルギーバッファが小さくても比較的安定した電力を供給でき、長寿命で安価、高効率なモータ駆動装置を得やすくなる。
【0029】
第8発明に係るヒートポンプ装置では、力率改善回路で扱う電流を小さくでき、力率の改善を行いつつ長寿命化とコスト削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
〔第1実施形態〕
<空気調和装置の構成の概要>
本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ装置を備える空気調和装置について、図を用いて説明する。空気調和装置においては、室外機や室内機がヒートポンプ装置であるが、この例においては室外機に本発明を適用した場合について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の構成の概略を示す図である。図1の空気調和装置1には、圧縮機、四方切替弁、室外熱交換器、電動弁、アキュムレータ及び室外ファン等からなる室外機2が熱源ユニットとして設けられている。室外機2には配管7が接続しており、配管7は、室外機2から冷媒を室外機2の外部へと導き、また外部から還流する冷媒を室外機2へと導く。配管7には分岐ユニット6が接続しており、室外機2から配管7を経由して循環する冷媒を後段の配管8,9,10に分配する。配管8,9,10にはそれぞれ室内機3,4,5が利用ユニットとして接続しており、室内機3,4,5は、配管8,9,10から供給される冷媒を用いて室内の暖房または冷房を行う。
【0031】
空気調和装置1において、室外機2と分岐ユニット6と各室内機3,4,5は冷媒が循環する冷媒回路を構成している。例えば、暖房時には、室外機2で室外の熱を取り込んだ冷媒が各室内機3,4,5に分岐ユニット6を経て流れ、冷媒は室内機3,4,5で室内空気に熱を放出する。そして、熱を放出して冷えた冷媒が室内機3,4,5から室外機2へと分岐ユニット6を経て戻る。逆に、冷房時には、室外機2で室外へ熱を放出して冷えた冷媒が各室内機3,4,5に分岐ユニット6を経て流れ、冷媒は室内機3,4,5で熱を取り込むことにより室内空気から熱を奪う。室内機3,4,5で熱を奪って温度が上昇した冷媒が再び分岐ユニット6を経由して室外機2に戻る。
【0032】
このように、冷媒を循環させ、熱交換のために冷媒を圧縮することから室外機2には圧縮機が設けられている。また、室外機2や室内機3,4,5において、熱交換を行うために室外空気や室内空気の気流を発生させるファンが必要になる。
【0033】
図2は、冷媒循環や熱交換に必要な電力供給の観点から空気調和装置を見たときの空気調和装置の概略構成を示すブロック図である。空気調和装置1は、冷媒回路11と、ファン12と、モータ駆動装置13とを備えている。冷媒回路11は、室外機2に配置されている圧縮機、四方切替弁、室外熱交換器、電動弁、及びアキュムレータ、並びに室内機3,4,5に配置されている室内熱交換器が環状に接続されて構成されている。冷媒回路11において、冷媒を圧縮・循環させるための圧縮機14を駆動するための圧縮機用モータ15が大きな電力を必要とする。また、室外機2や室内機3,4,5で気流を発生させるためのファン12を駆動するファンモータ17も比較的大きな電力を必要とする。これら圧縮機用モータ15やファンモータ17によって冷房や暖房の程度に応じて冷媒の循環量や気流の強弱が制御される。そのため、圧縮機用モータ15やファンモータ17の回転数などを調整することから、圧縮機用モータ15やファンモータ17を駆動するためのモータ駆動装置13が供給する電力の調整も必要になる。モータ駆動装置13においては、比較的大きな電力を必要とする圧縮機用モータ15と、圧縮機用モータに比べて電気容量の小さいファンモータ17を制御するため第1及び第2電力供給手段18,19が設けられている。圧縮機用モータ15の電気容量が例えば5kW程度であるのに対し、ファンモータ17の電気容量は例えば50〜100W程度である。
【0034】
<冷媒回路の構成>
冷媒回路11の構成を、図3を参照して説明する。圧縮機15の吐出側には四方切替弁22が設けられている。四方切替弁22は、冷房時には実線で示した接続になり、暖房時には破線で示した接続になることによって、冷房時と暖房時の冷媒の流れる方向を切り替える。圧縮機15から吐出された冷媒は、四方切替弁22によって、冷房時には室外機熱交換器23に供給され、暖房時には分岐ユニット6に供給される。四方切替弁22の残りの一つの出入り口には、アキュムレータ28が接続されている。アキュムレータ28に戻ってくる冷媒は、四方切替弁22によって、冷房時には分岐ユニット6から供給され、暖房時には室外機熱交換器23から供給される。
【0035】
室外機熱交換器23は、四方切替弁22と接続されていない方の出入口を電動弁24に接続している。電動弁24は、室外機熱交換器23と接続されていない方の出入口を分岐ユニット6に接続している。分岐ユニット6は、四方切替弁22から流入して電動弁24へ流出するか又は、電動弁24から流入して四方切替弁22へ流出する冷媒を、室内熱交換器25,26,27に分配して室内熱交換器25,26,27を経由させる。
【0036】
冷房運転時には、四方切替弁22を実線の位置とし、電動弁24を所定の開度に絞り、圧縮機15を起動する。圧縮機15から吐出される高圧の冷媒は、室外熱交換器23で凝縮された後、電動弁24で減圧される。電動弁24で減圧されて低圧になった冷媒は、室内交換機25,26,27で蒸発させられる。室内熱交換器25,26,27で冷媒が蒸発する際に室内空気から熱を奪うため、室内空気は温度が下がって冷気となる。室内熱交換器25,26,27を出た気体状の冷媒は、四方切替弁22とアキュムレータ28を経由して圧縮機15に戻る。このとき、アキュムレータ28は、気体状の冷媒と液体状の冷媒が混合するのを防止する。
【0037】
暖房運転時には、四方切替弁22を点線の位置とし、電動弁24を所定の開度に絞り、圧縮機15を起動する。圧縮機15から吐出される高圧の冷媒は、室内熱交換器25,26,27で凝縮された後、電動弁24で減圧される。電動弁24で減圧されて低圧になった冷媒は、室外熱交換機23で蒸発させられる。室内熱交換器25,26,27で冷媒が凝縮する際に室内空気に熱を与えるため、室内空気は温度が上がって暖気となる。室外熱交換器23を出た気体状の冷媒は、四方切替弁22とアキュムレータ28を経由して圧縮機15に戻る。このとき、アキュムレータ28は、気体状の冷媒と液体状の冷媒が混合するのを防止する。
【0038】
ファン12には、室外機2の取り付けられている室外ファンと、室内機25,26,27に取り付けられている室内ファンがある。室外ファンは、室外熱交換器23に室外空気を吸込み、室外熱交換器23で冷気もしくは暖気となった室外空気を吹出す。室内ファンは、室内熱交換器25,26.27に室内空気を吸込み、室内熱交換器25,26,27で暖気もしくは冷気となった室外空気を吹出す。このように、ファン12によって気流を発生し熱交換を促進している。
【0039】
<モータ駆動装置>
モータ駆動装置13は、図2に示すように、圧縮機用モータ15に電力を供給する第1電力供給手段18と、ファンモータ17に電力を供給する第2電力供給手段19とを備えている。ここでは、圧縮機用モータ15とファンモータ17にブラシレスDCモータが用いられているものを例に、圧縮機用モータ15とファンモータ17を駆動するモータ駆動装置13について説明する。
【0040】
図4はモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。モータ駆動装置13は、三相交流電源30に接続されている。モータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、三相交流電源30の三相交流をPWM整流回路31で直流に変換する。第1電力供給手段18は、さらにPWM整流回路31の出力をPWMインバータ回路32で三相交流に再度変換して圧縮機駆動用モータ15に供給する。また、モータ駆動装置13の第2電力供給手段19は、三相交流電源30の単相交流を整流回路33で直流に変換する。第2電力供給手段19は、さらに整流回路33の出力を、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34で平滑化した後、インバータ回路35で三相交流に変換してファンモータ17に供給する。例えば、ファンモータ17は室外機2の室外ファン用モータであり、このような場合、第1電力供給手段18と第2電力供給手段19は室外機2の同じ電装品箱の中に収納される。
【0041】
第1電力供給手段18のPWM整流回路31は、2個の交流スイッチSW1からなる3組の直列回路を互いに並列に接続したブリッジ回路で構成されている。3組の直列回路の各々に2個の交流スイッチSW1の接続部が形成されるが、それら3つの接続部に三相交流電源30の3つの出力がそれぞれ入力される。交流スイッチSW1は整流回路制御手段41によりスイッチングが制御され、2つの出力端子から直流電圧を出力する。
【0042】
整流回路制御手段41は、直流部の瞬時有効電力を一定とし、ひずみのない良好な入力電流波形及び出力電圧波形を得るため、例えば、三相交流電源30の出力電圧を検知し、正相分電圧の大きさVp及び逆相分電圧の大きさVnを分離検出する。そして、整流回路制御手段41は、例えば、正相分電流指令から逆相分電流指令を減じることにより得られる次式の入力電流指令iに応じてスイッチングを行うことで、直流部の瞬時有効電力を一定とし、ひずみのない良好な入力電流波形及び出力電圧波形を得る。例えば、入力電流指令iは、(3/2)0.5×Im{exp(j×(θ+αp))}−(3/2)0.5×Im{(Vn/Vp)×exp(−j×(θ+αn))}で与えられる。なお、αpは正相分位相、αnは逆相分位相、Vpは正相分電圧、Vnは逆相分電圧である。また、Imは入力電流の振幅を示している。
【0043】
第1電力供給手段18のインバータ回路32は、2つのスイッチング素子SE1からなる3組の直列回路を互いに並列に接続したブリッジ回路で構成されている。この3組の直列回路は、PWM整流回路31の出力端子間に接続され、2つのスイッチング素子SE1の接続部がインバータ回路32の出力端子になる。このインバータ回路32は、インバータ制御手段42により制御される。インバータ回路32は、インバータ制御手段42からの制御信号に基づいてスイッチング素子SE1をスイッチングし、PWM整流回路31から出力される直流電圧を3相のパルス幅変調された電圧に変換する。このインバータ回路32の出力により圧縮機用モータ15が駆動される。なお、スイッチング素子SE1は、例えば、IGBTなどのトランジスタTR1に還流ダイオードD1を接続して構成される。直流部にエネルギーバッファ(平滑用回路)を持たないことから、直流部は、直流電圧成分に交流電圧成分が重畳したような電圧となる。また、この第1電力供給手段18の回路は、ひずみのない入力電流波形を得られるので、力率改善回路(高調波対策回路)としても機能している。
【0044】
第2電力供給手段19の整流回路33は、直列に接続される2個のダイオード同士を並列に接続したダイオードブリッジにより構成される。直列に接続される2個のダイオードの接続部に三相交流電源30の出力のうちの2相が入力される。ダイオードブリッジを構成するダイオードのカソード同士の接続部が整流回路33の高電位側の出力端子であり、ダイオードのアノード同士の接続部が整流回路33の低電位側の出力端子である。
【0045】
整流回路33の後段には、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34が接続されている。この直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34は出力電圧制御手段43により制御される。直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34は、リアクタLとスイッチング素子SE2とダイオードD1と電解コンデンサC1とで構成されている。整流回路33の高電位側の出力端子には、リアクタLの一端が接続されている。リアクタLの他端はスイッチング素子SE2の高電位側の一端に接続されている。スイッチング素子SE2の他端は、整流回路33の低電位側の出力端子に接続されている。このスイッチング素子SE2は、出力電圧制御手段43の制御信号に基づいてスイッチングする。ダイオードD1のアノードがスイッチング素子SE2の一端に接続され、カソードが電解コンデンサC1の高電位側の端子に接続されている。電解コンデンサC1の低電位側の端子は整流回路33の低電位側の出力端子に接続されている。ダイオードD1は、スイッチング素子SE2が導通した際に電解コンデンサC1からスイッチング素子SE2に電流が還流するのを防止する。直流電圧制御手段43は、電解コンデンサC1の両端の電圧すなわち直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34の出力電圧Voutと、リアクタLに流れる電流すなわち直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34の入力電流Iinと、リアクタLの一端とスイッチング素子SE2の他端の間の電圧すなわち直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34の入力電圧Vinと、設定電圧Vsとを入力する。そして、直流電圧制御手段43は、出力電圧Voutと設定電圧Vsとを比較して、出力電圧Voutと設定電圧Vsが一致するようにかつ、入力電流Iinと入力電圧Vinが相似形となるように、スイッチング素子SE2に制御信号を出力する。つまり、リアクタLとスイッチング素子SE2とは力率改善回路(高調波対策回路)として機能している。
【0046】
第2電力供給手段19のインバータ回路35は、2つのスイッチング素子SE3からなる3組の直列回路を互いに並列に接続したブリッジ回路で構成されている。この3組の直列回路は、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34の出力端子間に接続され、2つのスイッチング素子SE3の接続部がインバータ回路35の出力端子になる。このインバータ回路35は、インバータ制御手段44により制御される。インバータ回路35は、インバータ制御手段44からの制御信号に基づいてスイッチング素子SE3をスイッチングさせ、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34から出力される直流電圧を3相のパルス幅変調された電圧に変換する。スイッチング素子SE3は、例えば、スイッチング素子SE1と同様にIGBTなどのトランジスタTr2に還流ダイオードD3を接続して構成される。
【0047】
<変形例>
(a)
上記第1実施形態によるモータ駆動装置13では、PWM整流回路31や整流回路33は三相交流電源30に直接接続されている。しかし、図5に示すように、ノイズ防止用フィルタ50を介してPWM整流回路31と整流回路33とに対して三相交流電源30の出力を与えるようにしてもよい。
【0048】
モータ駆動装置13において、電力供給手段を圧縮機用モータ15に用いるものと圧縮機用モータ15よりも電気容量が小さいものとに別けることにより、モータ駆動装置13から発生する、三相交流電源30や周辺機器への配線を介した伝搬ノイズや放射ノイズの周波数成分を、レベルが小さいまま分散することができる。そのため、ノイズ防止用フィルタ50を小さくすることができ、省スペース化、低コスト化を図ることができる。特に、ノイズ発生レベルの高い高調波対策回路を設ける場合に効果がある。
【0049】
図6は、ノイズの発生状況を示す概念図である。図6(a)には、従来のように直流部を複数のインバータで共用し、高調波対策回路も共有化した場合のノイズの発生状況を示し、図6(b)には、第一実施形態のように、高調波対策回路を圧縮機用モータ以外のモータに対してのみ設けた場合のノイズの発生状況を示す。図6において、Na1,Na2は圧縮機用モータ15に電力を供給するインバータ回路が発生するノイズ、Nb1,Nb2は例えばファンモータ17に供給するインバータ回路が発生するノイズ、Nc1,Nc2は例えば高調波対策回路が発生するノイズを示している。図6(a)と図6(b)のノイズNc1,Nc2は、同じ回路構成の高調波対策回路から生じているものである。回路構成が同じにも拘らず、図6(b)のノイズNc2が図6(a)のノイズNc1に比べて大幅に低減されているのは、高調波対策回路の扱うエネルギーの大きさの違いによる。ノイズNc2が小さいため、全体的にノイズレベルが小さくなり、インピーダンスの小さなフェライトコアで対策ができる。圧縮機用モータ15に供給するインバータ回路のノイズは、ノイズNa1に比べてNa2が大きくなる場合もあるがほぼ同じくらいの大きさであり、ノイズNc2の低減効果が大きいため全体としてはノイズレベルが小さくなる。
【0050】
(b)
図5には、ノイズ防止用フィルタ50を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とで共有する場合を示したが、ノイズ防止用フィルタを別々に設けてもよい。図7に示すように、ノイズ防止用フィルタ51を第1電力供給手段18専用に設け、ノイズ防止用フィルタ52を第2電力供給手段19専用に設ける。つまり、ノイズ防止用フィルタ51,52は、三相交流電源30の出力が第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とに分岐する分岐点よりも後段でかつ整流回路31,33の前段に設けられる。
【0051】
ノイズ防止用フィルタ51,52を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19の各々に設けることにより、各手段に対して最適なフィルタ回路を構成でき、フィルタ回路全体として省スペース・低コスト化を図ることが可能となる。
【0052】
(c)
図4に示す第1実施形態によるモータ駆動装置13では、第2電力供給手段19への電力供給に三相交流電源30の線間電圧を用いたが、図8に示すように、3相4線式の場合には、中性線70と他の相の結線71との間の電圧、例えばN相とT相との間の電圧を用いてもよい。
【0053】
このような構成とすることにより、第2電力供給手段19やファンモータ17(第2モータ)に、電圧最大定格の低いものを使用することができるため、低コスト化、小型化が可能となる。
【0054】
(d)
上記第1実施形態では、図1及び図2に示す空気調和装置1で用いられる圧縮機用モータ15(第1モータ)とファンモータ17(第2モータ)を例にあげて説明したが、給湯器システムにおいては熱源ユニットがヒートポンプ装置であることから、同様に、給湯器システム用熱源ユニットの圧縮機用モータとポンプ用モータについても本発明を適用できる。給湯器システム用熱源ユニットの圧縮機用モータとポンプ用モータについて図9を用いて説明する。
【0055】
図9は、給湯器システム用熱源ユニットを備えるヒートポンプ式給湯装置の一例を示す概略図である。ヒートポンプ式給湯装置は、タンクユニット81と熱源ユニット82からなる。タンクユニット81は、高温の温湯を貯える貯湯タンク80と循環路89を有している。一方、熱源ユニット82は、冷媒回路83を有しており、循環路89を通して冷媒回路83から貯湯タンク80へ高温になるまで加熱された温湯を供給する。そのために、熱源ユニット82は、循環路89に循環用ポンプ90と熱交換路91を接続し、循環路89を流れる温湯の加熱と循環を行っている。
【0056】
熱源ユニット82の冷媒回路83は、熱交換路91を構成する水熱交換器85に、膨張弁87と、蒸発器88と、圧縮機84とを順に接続して構成されている。圧縮機84を駆動させることにより、冷媒回路83の冷媒は、蒸発器88で熱を取り込み、水熱交換器85における加熱のための熱を供給する。
【0057】
この熱源ユニット82(ヒートポンプ装置)において、圧縮機84を駆動するモータが空気調和装置1の圧縮機用モータ15(第1モータ)に相当し、循環ポンプ90を駆動するモータが空気調和装置1のファンモータ17(第2モータ)に相当する。すなわち、第1実施形態で説明した上記モータ駆動装置13は、熱源ユニット82の圧縮機84のモータと循環ポンプ90を駆動するモータの駆動に適用することができる。また、空気調和装置1のモータ駆動装置13を熱源ユニットのモータ駆動装置として使用することができるのは、後述する実施形態においても同様である。
【0058】
蒸発器の熱交換用に、ファン及びファンモータを用いている場合には、第2モータをファンモータとすることも可能である。
【0059】
また、貯湯タンク80の湯水を用いた暖房システムを構成し、第2モータを暖房用循環ポンプ用モータとすることも可能である。
【0060】
(e)
上記第1実施形態においては、第2電力供給手段19の力率改善(高調波対策)のために、アクティブフィルタ34を用いる場合を例にあげて説明したが、第2電力供給手段19の力率改善の方法はアクティブフィルタを用いる方法に限られるものではない。例えば、PWM整流回路を用いても上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この点については、後述する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
【0061】
(f)
上記第1実施形態においては、モータ駆動装置13によって駆動されるモータとして、ブラシレスDCモータを例にあげて説明したが、モータ駆動装置13により駆動されるモータはブラシレスDCモータに限られない。例えば、モータ駆動装置13が駆動するモータは、三相誘導電動機であってもよい。
【0062】
(g)
上記第1実施形態においては、第2電力供給手段19にインバータ回路35が設けられているが、インバータ回路35はファンモータ17(第2モータ)に内蔵されていても構わない。
【0063】
(h)
上記第1実施形態においては、第2モータとして室外ファン用モータ(ファンモータ17)を例にあげて説明しているが、第2モータは室内ファン用モータであってもよい。
【0064】
また、ファンモータ17(第2モータ)は複数台であってもよい。ファンモータ17(第2モータ)が複数台ある場合に、ファンモータ17(第2モータ)の電気容量が小さいことから、整流回路33で変換された直流部を複数のファンモータ17(第2モータ)で共用しても良い。また、第2電力供給手段19をファンモータ17(第2モータ)一台に一つずつ別個に設け、第2電力供給手段19を複数設けても良い。
【0065】
なお、これはファンモータに限らず、ポンプ用モータであっても同様である。
【0066】
(i)
上記第1実施形態においては、スイッチSW1として交流スイッチを用いてPWM整流回路31を構成したが、スイッチSW1として単方向スイッチを用いて構成してもよい。
【0067】
単方向スイッチは、例えば逆阻止IGBTや、IGBTと直列にダイオードを接続することによって逆方向への導通を阻止する回路により実現することができる。この単方向スイッチを6個組み合せ、PWM整流回路31を構成する。
【0068】
単方向スイッチでPWM整流回路31を構成することにより、PWM整流回路31は電源側への回生が行われない回路となる。電源側への回生が行われないため、例えば電気容量の大きな圧縮機用モータ15(第1モータ)が異常停止した場合などに、圧縮機用モータ15(第1モータ)が持っていたエネルギーが第2電力供給手段19やファンモータ17(第2モータ)に流入する恐れがないため、圧縮機用モータ15(第1モータ)の異常時にもファンモータ17(第2モータ)を安定して運転することができる。
【0069】
それにより、例えばファンモータ17(第2モータ)が室外ファンモータの場合には、圧縮機14の異常停止時にもファン12を回転させることができるために熱交換が行われ、冷媒回路11を均圧化できるので、圧縮機14の再起動時に安定して速やかに起動を行うことが可能となる(図2参照)。それにより、室外機2(ヒートポンプ装置)の安定性、信頼性を高めることができる。
【0070】
また、例えばファンモータ17(第2モータ)が図1に示す室内機3,4,5の室内ファンモータの場合には、上記同様電源側への回生が行われないPWM整流回路31を用いてモータ駆動装置13を構成することにより、冷媒回路11の安定化を行うことができると共に、室内機3,4,5の送風運転が可能となるため、ユーザの快適性を極力損なわない空気調和装置1を実現できる(図1及び図2参照)。
【0071】
また、電源側への回生が行われない回路で構成されたPWM整流回路31を備えるモータ駆動装置13を図9に示す熱源ユニット82(ヒートポンプ装置)に適用すれば、圧縮機84を駆動する圧縮機モータ(第1モータ)が異常時に停止しても、循環ポンプ90を駆動する循環ポンプ用モータ(第2モータ)を運転し、熱源側の余熱を用いて熱交換を行うことができる。それにより、圧縮機モータ(第1モータ)が異常停止した場合でも、熱源ユニット82によって生成した熱を有効に利用でき、安定性、信頼性の高い給湯器システムとすることができる。
【0072】
また、第2モータが暖房ポンプ用モータであれば、暖房運転が停止することがないため、安定した暖房システムとすることが可能となる。
【0073】
なお、この変形例のように、電源側への回生が行われない回路においては、圧縮機モータ(第1モータ)の異常停止時や圧縮機モータが低力率で運転される場合などにモータ側から電力が回生されるため、その電力を吸収するクランプ回路を必要とする。このクランプ回路には、例えばコンデンサと能動素子及びその制御回路からなる回路や、コンデンサとダイオードを組み合わせたパッシブスナバ構成の回路が適用される。このクランプ回路には小容量のコンデンサが必要とされ、クランプ回路に電解コンデンサを用いることもできる。しかし、この場合においても、クランプ回路の電解コンデンサは直流部のエネルギー平滑に用いるわけではなく、クランプ回路に小容量の電解コンデンサを用いても本発明の効果が失われるものではない。
【0074】
以上本変形例で述べたこれらの点については、第4実施形態についても同様である。
【0075】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る空気調和装置について図10を用いて説明する。第2実施形態に係る空気調和装置の構成の概略は、第1実施形態の空気調和装置と同様である。図2には空気調和装置を冷媒循環や熱交換に必要な電力供給の観点から見たときの空気調和装置の概略構成を示したが、この図2に示す空気調和装置の概略構成のブロック図において、第2実施形態の空気調和装置が第1実施形態の空気調和装置と異なるのはモータ駆動装置13の構成である。そこで、第2実施形態の空気調和装置のモータ駆動装置13の詳細以外の説明を省略し、図10にモータ駆動装置13の構成を示して説明することにより、第2実施形態の空気調和装置の説明とする。
【0076】
<モータ駆動装置>
図10はモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。モータ駆動装置13は、三相交流電源30に接続されている。モータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、三相交流電源30の三相交流をマトリクスコンバータ回路36で所望の電圧と周波数を持つ三相交流に変換する。マトリクスコンバータ回路36は、三相交流電源30の1相につき3つの双方向スイッチSW2を接続し、合計で9つの双方向スイッチを有している。例えば、三相交流電源30のR相と圧縮機用モータ15のU相の間、R相とV相の間、R相とW相の間にそれぞれ双方向スイッチSW2が各1つずつ接続されている。同様に、三相交流電源30のS相と圧縮機用モータ15のU,V,W相との間、T相とU,V,W相との間に双方向スイッチSW2が接続されている。双方向スイッチSW2は、例えば、IGBT等の2個の半導体スイッチング素子を逆方向に直列接続すると共に、各スイッチング素子に還流ダイオードをそれぞれ逆並列に接続して構成される。コンバータ制御手段45は、例えば数kHzでパルス幅変調(PWM)された制御信号で9つの双方向スイッチSW2をスイッチングすることにより、マトリクスコンバータ回路36の出力の電圧、周波数を可変に制御する。
【0077】
コンバータ制御手段45によるマトリクスコンバータ回路36の制御については、例えば、図4におけるPWM整流回路31とPWMインバータ回路32と同様な構成のPWM整流回路とPWMインバータ回路を仮想し、これら仮想整流回路及び仮想インバータ回路に対する制御信号を作成すると共に、これらの制御信号を合成してマトリクスコンバータ回路36を制御する方法が知られており、このような方法を用いることができる。
【0078】
第2実施形態の第2電力供給手段19の整流回路33、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34、及びインバータ回路35の構成は、図4に示した第1実施形態の第2電力供給手段19と同様の構成であるので説明を省略する。
【0079】
<変形例>
(a)
上記第2実施形態によるモータ駆動装置13では、マトリクスコンバータ回路36は三相交流電源30に直接接続されている。しかし、図11に示すように、ノイズ防止用フィルタ53を介してマトリクスコンバータ回路36と整流回路33とに対して三相交流電源30の出力を与えるようにしてもよい。
【0080】
モータ駆動装置13において、電力供給手段を圧縮機用モータ15に用いるものと圧縮機用モータ15よりも電気容量が小さいものとに別けることにより、モータ駆動装置13から発生する、三相交流電源30や周辺機器への配線を介した伝搬ノイズや放射ノイズの周波数成分を、レベルが小さいまま分散することができる。そのため、ノイズ防止用フィルタ53を小さくすることができ、省スペース化、低コスト化を図ることができる。特に、ノイズ発生レベルの高い高調波対策回路を設ける場合に効果がある。ノイズを低減することができる効果については、第1実施形態1の変形例(a)と同様である。
【0081】
(b)
図11には、ノイズ防止用フィルタ53を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とで共有する場合を示したが、ノイズ防止用フィルタを別々に設けてもよい。図12に示すように、ノイズ防止用フィルタ54を第1電力供給手段18専用に設け、ノイズ防止用フィルタ55を第2電力供給手段19専用に設ける。つまり、ノイズ防止用フィルタ54,55は、三相交流電源30の出力が第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とに分岐する分岐点よりも後段でかつマトリクスコンバータ回路36と整流回路33の前段に設けられる。
【0082】
ノイズ防止用フィルタ54,55を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19の各々に設けることにより、各手段に対して最適なフィルタ回路を構成でき、フィルタ回路全体として省スペース・低コスト化を図ることが可能となる。
【0083】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係る空気調和装置について図13を用いて説明する。第3実施形態に係る空気調和装置の構成の概略は、第1実施形態の空気調和装置と同様である。図2には空気調和装置を冷媒循環や熱交換に必要な電力供給の観点から見たときの空気調和装置の概略構成を示したが、この図2に示す空気調和装置の概略構成のブロック図において、第3実施形態の空気調和装置が第1実施形態の空気調和装置と異なるのは、モータ駆動装置13の構成である。そこで、第3実施形態の空気調和装置のモータ駆動装置13の詳細以外の説明を省略し、図13にモータ駆動装置13の構成を示して説明することにより、第3実施形態の空気調和装置の説明とする。
【0084】
<モータ駆動装置>
図13はモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。モータ駆動装置13は、二相交流電源40に接続されている。モータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、二相交流電源40の単相交流を整流回路37で直流に変換する。第1電力供給手段18は、さらに整流回路37の出力を、直流平滑回路38で平滑化した後、インバータ回路39で三相交流に変換して圧縮機用モータ15に供給する。
【0085】
第1電力供給手段18の整流回路37は、直列に接続される2個のダイオード同士を並列に接続したダイオードブリッジにより構成される。直列に接続される2個のダイオードの接続部に単相交流電源40の出力が入力される。ダイオードブリッジを構成するダイオードのカソード同士の接続部が整流回路37の高電位側の出力端子であり、ダイオードのアノード同士の接続部が整流回路37の低電位側の出力端子である。
【0086】
整流回路37の後段には、直流平滑回路38が接続されている。直流平滑回路38は、フィルムコンデンサC2で構成されている。フィルムコンデンサC2は整流回路37の高電位側の出力端子と低電位側の出力端子との間に接続されている。フィルムコンデンサC2の両端が整流回路37の2つの出力端子になる。フィルムコンデンサC2を用いることで、大容量の電解コンデンサを用いる従来の直流平滑回路に比べて電圧の変動は大きくなるが、例えばモータを内部磁石形同期モータとし、d軸、q軸電流を制御してモータのトルクを電源周波数の2倍の周波数で制御することで、効率低下、性能低下を抑えたまま、かつ入力電流波形のひずみを小さくし、高力率で運転する事が可能となる。圧縮機用モータ15の電圧変動の許容範囲に抑えることができる。
【0087】
第1電力供給手段19のインバータ回路39は、2つのスイッチング素子SE3からなる3組の直列回路を互いに並列に接続したブリッジ回路で構成されている。この3組の直列回路は、直流平滑回路38の出力端子間に接続され、2つのスイッチング素子SE4の接続部がインバータ回路39の出力端子になる。このインバータ回路39は、インバータ制御手段46により制御される。インバータ回路39は、インバータ制御手段46からの制御信号に基づいてスイッチング素子SE4をスイッチングさせ、直流平滑回路38から出力される直流電圧を3相のパルス幅変調された電圧に変換する。スイッチング素子SE4は、例えば、スイッチング素子SE1と同様にIGBTに還流ダイオードを接続して構成される。
【0088】
第3実施形態の第2電力供給手段19の整流回路33、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34、及びインバータ回路35の構成は、図4に示した第1実施形態の第2電力供給手段19と同様の構成であるので説明を省略する。
【0089】
<変形例>
(a)
上記第3実施形態によるモータ駆動装置13では、整流回路33,37は単相交流電源40に直接接続されている。しかし、図14に示すように、ノイズ防止用フィルタ56を介して整流回路33,37に対して単相交流電源40の出力を与えるようにしてもよい。
【0090】
モータ駆動装置13において、電力供給手段を圧縮機用モータ15に用いるものと圧縮機用モータ15よりも電気容量が小さいものとに別けることにより、モータ駆動装置13から発生する、単相交流電源40や周辺機器への配線を介した伝搬ノイズや放射ノイズの周波数成分を、レベルが小さいまま分散することができる。そのため、ノイズ防止用フィルタ56を小さくすることができ、省スペース化、低コスト化を図ることができる。特に、ノイズ発生レベルの高い直流平滑回路(高調波対策回路)を設ける場合に効果がある。ノイズを低減することができる効果については、第1実施形態1の変形例(a)と同様である。
【0091】
(b)
図14には、ノイズ防止用フィルタ56を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とで共有する場合を示したが、ノイズ防止用フィルタを別々に設けてもよい。図15に示すように、ノイズ防止用フィルタ57を第1電力供給手段18専用に設け、ノイズ防止用フィルタ58を第2電力供給手段19専用に設ける。つまり、ノイズ防止用フィルタ57,58は、単相交流電源40の出力が第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とに分岐する分岐点よりも後段でかつ整流回路33,37の前段に設けられる。
【0092】
ノイズ防止用フィルタ57,58を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19の各々に設けることにより、各手段に対して最適なフィルタ回路を構成でき、フィルタ回路全体として省スペース・低コスト化を図ることが可能となる。
【0093】
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態に係る空気調和装置について図16を用いて説明する。第4実施形態に係る空気調和装置の構成の概略は、第1実施形態の空気調和装置と同様である。図2には空気調和装置を冷媒循環や熱交換に必要な電力供給の観点から見たときの空気調和装置の概略構成を示したが、この図2に示す空気調和装置の概略構成のブロック図において、第4実施形態の空気調和装置が第1実施形態の空気調和装置と異なるのは、モータ駆動装置13の構成である。そこで、第4実施形態の空気調和装置のモータ駆動装置13の詳細以外の説明を省略し、図16にモータ駆動装置13の構成を示して説明することにより、第4実施形態の空気調和装置の説明とする。
【0094】
<モータ駆動装置>
図16はモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。モータ駆動装置13は、三相交流電源30に接続されている。モータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、三相交流電源30の三相交流をPWM整流回路31で直流に変換する。第1電力供給手段18は、さらにPWM整流回路31の出力をPWMインバータ回路32で三相交流に再度変換して圧縮機駆動用モータ15に供給する。この第1電力供給手段18の構成は、第1実施形態の第1電力供給手段18と同じであることから説明を省略する。
【0095】
モータ駆動装置13の第2電力供給手段19は、フィルムコンデンサC3を備え、三相交流電源30の単相交流を直接ファンモータ17aに供給する。ファンモータ17aは、交流で動作する電気容量の小さいファンモータである。ファンモータ17aの主巻線には三相交流電源30の出力がスイッチ95を介して直接与えられ、ファンモータ17aの補助巻線には、主巻線よりも電流位相を進ませるためフィルムコンデンサC3を介して三相交流電源30の出力が与えられる。ファンモータの運転・停止は、スイッチ95をON・OFFすることで切り替えられる。
【0096】
<変形例>
(a)
上記第4実施形態によるモータ駆動装置13では、整流回路31とファンモータ17aは単相交流電源40に直接接続されている。しかし、図17に示すように、ノイズ防止用フィルタ59を介して整流回路31とファンモータ17aに対して三相交流電源30の出力を与えるようにしてもよい。
【0097】
この実施形態では、ファンモータがインバータ駆動でないため、第2電力供給手段から発生するノイズレベルは小さいが、モータ駆動装置13において、電力供給手段を圧縮機用モータ15に用いるものと圧縮機用モータ15よりも電気容量が小さいファンモータ17aとに別けることにより、モータ駆動装置13から発生する、三相交流電源30や周辺機器への配線を介した伝搬ノイズや放射ノイズの周波数成分を、レベルが小さいまま分散することができる。そのため、ノイズ防止用フィルタ59を小さくすることができ、省スペース化、低コスト化を図ることができる。ノイズを低減することができる効果については、第1実施形態1の変形例(a)と同様である。
【0098】
(b)
図17には、ノイズ防止用フィルタ59を第1電力供給手段18とファンモータ17aとで共有する場合を示したが、ノイズ防止用フィルタを個別に設けてもよい。図18に示すように、ノイズ防止用フィルタ60を第1電力供給手段18専用に設け、ノイズ防止用フィルタ61を第2電力供給手段19専用に設ける。つまり、ノイズ防止用フィルタ60,61は、三相交流電源30の出力が第1電力供給手段18と第2電力供給手段19とに分岐する分岐点よりも後段でかつ整流回路31、フィルムコンデンサC3の前段に設けられる。
【0099】
ノイズ防止用フィルタ60,61を第1電力供給手段18と第2電力供給手段19の各々に設けることにより、各手段に対して最適なフィルタ回路を構成でき、フィルタ回路全体として省スペース・低コスト化を図ることが可能となる。
【0100】
なお、この第4実施形態では、ファンモータがインバータ駆動ではないため、発生ノイズレベルも小さいので、ノイズフィルタ61を削除できる可能性もある。
【0101】
いずれの変形例においても、交流モータは高調波をほとんど発生しないことから、高調波対策は第1電力供給手段のみで行なうことになるため、高調波対策に起因する発生ノイズも小さくなり、フィルタ回路の効果が得られやすい。
【0102】
(c)
上記第4実施形態によるモータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、第1実施形態の第1電力供給手段18と同様にPWM整流回路31とPWMインバータ回路32を用いて構成する場合について説明したが、第2実施形態のマトリクスコンバータ回路36を用いて構成してもよく(図19参照)、第3実施形態の整流回路37と直流平滑回路38とインバータ回路39とを用いて構成してもよい(図20参照)。
【0103】
また、図19や図20に示すモータ駆動装置13に、第2実施形態や第3実施形態において説明したように、ノイズフィルタ53,54,55,56,57,58に相当するものを挿入してもよい。またその際に、ノイズフィルタ55,58に相当するものを省くことができる可能性があるのは上述の変形例(b)で説明したとおりである。
【0104】
(d)
上記第4実施形態では、第2モータとして単相交流モータを例にあげて説明したが、第2モータは三相モータ(例えば三相誘導電動機)であってもよい。この場合には、第2電力供給手段19は、スイッチやリレーで構成される。
【0105】
<特徴>
(1)
モータ駆動装置13の第1電力供給手段18は、圧縮機用モータ15(第1モータ)に駆動用の電力を供給するインバータ回路32,39(第1インバータ回路)またはマトリクスコンバータ回路36を持っている。この第1電力供給手段18は、インバータ回路32,39またはコンバータ回路36と交流電源30,40との間にエネルギー平滑用の電解コンデンサを持たない。
【0106】
第1電力供給手段18がエネルギー平滑用の電解コンデンサを持たないことから、エネルギー平滑用の電解コンデンサの寿命が空気調和装置1の寿命のボトルネックとなることがなくなる。また、エネルギー平滑用の電解コンデンサを省くことにより、電解コンデンサに要していたコストを省くことができるとともに、モータ駆動装置のサイズを小さくすることができる。それらにより、長寿命化とコスト削減、小型化を図ることができる。
【0107】
(2)
第1実施形態においては、第1電力供給手段18は、三相交流電源30の三相交流を整流するPWM整流回路31を備えている。また、PWMインバータ回路32が、PWM整流回路31の出力から圧縮機用モータ15に出力する三相交流を生成する。第1電力供給手段18にエネルギーバッファとしての電解コンデンサが存在しないことから第1電力供給手段18の入力電流波形や出力電圧波形がひずむが、PWM整流回路31とPWMインバータ回路32を用いることで、入力電流波形や出力電圧波形のひずみの補正を比較的行いやすくなる。そのため、エネルギー平滑用の電解コンデンサを持たなくとも、第1モータのトルク振動や騒音を抑えやすい。また、電源系統への障害を起こし難い。
【0108】
(3)
第2実施形態においては、第1電力供給手段18は、三相交流電源の多相交流から第1モータに出力する多相交流を生成するマトリクスコンバータ回路である。
【0109】
本発明によれば、入出力間のスイッチング素子数を低減できる。また、第1電力供給手段18がエネルギーバッファとしての電解コンデンサが存在しないことから第1電力供給手段18の入力電流波形や出力電圧波形がひずむが、これらの補正を比較的行いやすくなる。また、第1電力供給手段18の入出力間のスイッチング素子数低減により損失低減が可能になる。また、エネルギー平滑用の電解コンデンサを持たなくとも、圧縮用モータ15のトルク振動や騒音を抑えやすい。
【0110】
(4)
第3実施形態においては、第1電力供給手段18は、PWMインバータ回路39を第1インバータ回路として持っているほか、整流回路37とフィルムコンデンサC2からなる直流平滑回路38を備えている。第1電力供給手段18において、整流回路37は、交流電源30の出力を整流してPWMインバータ回路39に直流電力を出力するが、フィルムコンデンサC2で平滑化することで、圧縮機用モータ15の駆動に必要な程度の安定した電源を供給しながら、入力電流のひずみを小さく、高力率とすることができる。
【0111】
(5)
第4実施形態においては、第2電力供給手段19は、単相交流電源40から単相交流の供給を受け、直接ファンモータ17a(第2モータ)に単相交流を供給する。交流モータであるファンモータ17aに直接単相交流を供給することから、第2電力供給手段19の構成がフィルムコンデンサC3だけの簡素な構成になり、また、第2電力供給手段19にインバータを含まないため、発生するノイズが少なく、高調波も少ないため力率改善回路(高調波対策回路)が不要であるため、コスト削減が図れる。
【0112】
(6)
第1乃至第3実施形態における第2電力供給手段19は、整流回路33と直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34とPWMインバータ回路35(第2インバータ回路)とを備えている。圧縮機用モータ15(第1モータ)と切り離して比較的電気容量の小さいファンモータ17(第2モータ)に供給する電力を第2電力供給手段19で生成するので、第2電力供給手段19は、直流平滑回路を含むアクティブフィルタ34におけるエネルギーバッファ(電解コンデンサC1)が小さくても比較的安定した電力を供給でき、長寿命で安価なモータ駆動装置13を得やすくなる。
【0113】
(7)
第1乃至第3実施形態における第2電力供給手段19は、交流電源30,40の力率を改善する力率改善回路を持っている。この力率改善回路は、リアクタLとスイッチング素子SE2を備えて構成されている。圧縮用モータ15と切り離して比較的電気容量の小さいファンモータ17に供給する電力を第2電力供給手段19で生成するので、第1電力供給手段18と第2電力供給手段19の直流部を共通化する場合に比べて力率改善回路(リアクタLとスイッチング素子SE2)で扱う電流を小さくでき、リアクタLやスイッチング素子SE2として低電流用のものを用いることができる。それにより、第2電力供給手段19において力率の改善を行いつつモータ駆動装置13の長寿命化とコスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施形態に係る空気調和装置の構成の概略を示す図。
【図2】図1の空気調和装置を冷媒循環や熱交換に必要な電力供給の観点から見たときの概略構成を示すブロック図。
【図3】図1の空気調和装置の冷媒回路の構成図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図5】第1実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図6】(a)直流平滑回路を共有化した場合のノイズの発生状況を示す概念図。(b)直流平滑回路を圧縮機用モータ以外のモータに対してのみ設けた場合のノイズの発生状況を示す概念図。
【図7】第1実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図8】第1実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図9】第1実施形態を適用できる給湯器システム用熱源ユニットの構成の概略を説明するための図。
【図10】本発明の第2実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図11】第2実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図12】第2実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第3実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図14】第3実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図15】第3実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図16】本発明の第4実施形態に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図17】第4実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図18】第4実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図19】第4実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図20】第4実施形態の変形例に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0115】
1 空気調和装置
13 モータ駆動装置
14 圧縮機
15 圧縮機用モータ
17,17a ファンモータ
18 第1電力供給手段
19 第2電力供給手段
30 三相交流電源
31 PWM整流回路
32,35,39 PWMインバータ回路
33,37 整流回路
34 直流平滑回路を含むアクティブフィルタ
36 マトリクスコンバータ回路
40 単相交流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(14)と、
前記圧縮機を駆動する第1モータ(15)と、
前記圧縮機以外の機器を駆動する、前記第1モータよりも電気容量の小さい第2モータ(16、17、17a)と、
交流電源(30、40)に接続され、前記第1モータ及び前記第2モータを駆動するモータ駆動装置(13)とを備え、
前記モータ駆動装置は、
前記第1モータに駆動用の電力を供給する第1インバータ回路またはコンバータ回路を持ち、前記第1インバータ回路または前記コンバータ回路と前記交流電源との間にエネルギー平滑用の電解コンデンサを持たない第1電力供給手段(18)と、
前記交流電源に接続され、前記第2モータに駆動用の電力を供給する第2電力供給手段(19)とを有するヒートポンプ装置。
【請求項2】
前記第1電力供給手段は、前記交流電源の多相交流を整流するPWM整流回路(31)をさらに有し、
前記第1インバータ回路は、前記PWM整流回路の出力から前記第1モータに出力する多相交流を生成するPWMインバータ回路(32)である、請求項1に記載のヒートポンプ装置。
【請求項3】
前記PWM整流回路は、電源側への回生を行わない回路である、請求項2に記載のヒートポンプ装置。
【請求項4】
前記コンバータ回路は、前記交流電源の多相交流から前記第1モータに出力する多相交流を生成するマトリクスコンバータ回路(36)である、請求項1に記載のヒートポンプ装置。
【請求項5】
前記第1インバータ回路は、PWMインバータ回路(39)であり、
前記第1電力供給手段は、前記交流電源の出力を整流して前記PWMインバータ回路に直流電力を出力する整流回路(37)と、前記整流回路の出力を平滑化するフィルムコンデンサ(C2)とをさらに持つ、請求項1に記載のヒートポンプ装置。
【請求項6】
前記第2モータは交流モータ(17a)であり、
前記第2電力供給手段は、前記交流電源から交流の供給を受け、直接前記第2モータに前記交流を供給する、請求項1から5のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
【請求項7】
前記第2電力供給手段は、前記交流電源の出力を整流する整流回路(33)と、前記整流回路の出力を平滑化する直流平滑回路(34)と、前記整流回路の出力を受けて前記第2モータに駆動用の電力を供給する第2インバータ回路(35)とを持つ、請求項1から5のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
【請求項8】
前記第2電力供給手段は、前記交流電源の力率を改善する力率改善回路(L,SE2)をさらに持つ、請求項7に記載のヒートポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−112585(P2010−112585A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283440(P2008−283440)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】