説明

ビスアリール−結合アリールトリアゾロン及びその用途

本出願は、新規なビスアリール-結合5-アリール-1,2,4-トリアゾロン誘導体、それらの製造方法、それらの単独又は組合せでの疾患の処置及び/又は予防のための使用及びまたそれらの疾患の処置及び/又は予防、より具体的には心血管疾患の処置及び/又は予防のための医薬の製造のための使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
R1は、(C1-C6)-アルキル、(C2-C6)-アルケニル又は(C2-C6)-アルキニルを表し、それぞれフッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C1-C4)-アルコキシ、(C3-C7)-シクロアルキル及びフェニルからなる群から選択される同一又は異なる基でモノないしトリ置換されていてもよく、
ここで、(C3-C7)-シクロアルキルは、フッ素、トリフルオロメチル、(C1-C4)-アルキル、オキソ、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ及び(C1-C4)-アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる基で2回まで置換されていてもよく、
ここで、フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-アルコキシメチル、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニル及びジ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニルからなる群から選択される同一又は異なる基で3回まで置換されていてもよく、
又は
フッ素、トリフルオロメチル、(C1-C4)-アルキル、オキソ、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ及び(C1-C4)-アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されていてもよい(C3-C7)-シクロアルキルを表し、
Ar1は、フェニル、チエニル又はフリルであり、それぞれハロゲン、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ及び(C1-C4)-アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ-ないしトリ置換されていてもよく、
L1は、-CH2-、-C(=O)-又は-SO2-を表し、
Qは、フェニル環、N、O及びSからなる群から選択される3つまでの環ヘテロ原子を有する5員へテロアリール環、又は3つまでの環窒素原子を有する6員ヘテロアリール環を表し、
R2は、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、(C1-C4)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキル、フェニル、ヒドロキシル、(C1-C4)-アルコキシ、アミノ、アミノカルボニルアミノ、(C1-C4)-アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニル及びジ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニルからなる群から選択される置換基を表し、
ここで、(C1-C4)-アルキル置換基は、その部分をヒドロキシル、(C1-C4)-アルコキシ、カルバモイルオキシ、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニル又はジ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニルによって、又は3回までフッ素によって置換されていてもよく、
及び
ここで、フェニル置換基は、その部分をフッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル又はメトキシによって置換されていてもよく、
nは、0、1又は2であり、
ここで、置換基R2が2回現れる場合には、その意義は同一でも異なっていてもよく、
L2は、結合、-O-又は-(CR3AR3B)p-の群を表し、ここで
R3Aは、水素、フッ素又はメチルを表し、
R3Bは、水素、フッ素、(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルを表し、
ここで、(C1-C4)-アルキルは、ヒドロキシル又はカルバモイルオキシによって又は、3回までフッ素によって置換されていてもよく、
又は
R3A及びR3Bは、互いに結合し、一緒になって-(CH2)r架橋を形成し、
ここで、
rは2、3、4又は5の数字を表し、
この架橋のCH2基は-O-で置き換えられていてもよく、
pは1又は2の数字を表し、
ここで、-CR3AR3B-基が2回現れる場合には、それぞれの場合において、R3A及びR3Bは同一であっても異なっていてもよく、
Ar2は、フェニル、ナフチル又はN、O及びSからなる群から選択される3つまでの環ヘテロ原子を有する、5-ないし10-員ヘテロアリールを表し、それぞれハロゲン、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び(C1-C4)-アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノないしトリ置換されていてもよい。〕
の化合物及びその塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
【請求項2】
R1が、フッ素、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、(C3-C6)-シクロアルキル及びフェニルからなる群から選択される同一又は異なる基でモノないしトリ置換されていてもよい(C1-C6)-アルキルを表し、ここで
(C3-C6)-シクロアルキルは、フッ素、メチル、トリフルオロメチル、エチル及びヒドロキシルからなる群から選択される同一又は異なる基で2回まで置換されていてもよく、
フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル及びアミノカルボニルからなる群から選択される同一又は異なる基で2回まで置換されていてもよく、
又は
(C2-C6)-アルケニルを表すか、
又は
フッ素、メチル、トリフルオロメチル、エチル及びヒドロキシルからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されていてもよい(C3-C6)-シクロアルキルを表し、
Ar1が、フェニル又はチエニルを表し、それぞれフッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、トリフルオロメトキシ及びエトキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノまたはジ置換されていてもよく、
L1が、-CH2-又は-SO2-を表し、
Qが、フェニル環、N、O及びSからなる群からなる3つまでの環ヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環、又は2つまでの環窒素原子を有する6員ヘテロアリール環を表し、
R2が、フッ素、塩素、臭素、(C1-C4)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキル、フェニル、(C1-C4)-アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、アミノカルボニル及びモノ-(C1-C4)-アルキルアミノカルボニルからなる群から選択される置換基を表し、ここで、
(C1-C4)-アルキル置換基は、その部分がヒドロキシル、(C1-C4)-アルコキシ、カルバモイルオキシ、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルによって、又は3回までフッ素によって置換されていてもよく、
ここで、フェニル置換基は、その部分がフッ素、塩素、メチル又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく、
nが、0又は1の数字を表し、
L2が、結合を表し又は式-(CR3AR3B)p-を表し、ここで
R3Aが、水素又はメチルを表し、
R3Bが、水素、(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルを表し、ここで
(C1-C4)-アルキルは、ヒドロキシル又はカルバモイルオキシで置換されていてもよく、
pが、1又は2の数字を表し、ここで
-CR3AR3B-基が2回現れる場合には、
それぞれのR3A及びR3Bは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、
Ar2が、フッ素、塩素、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C1-C4)-アルキル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びエトキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されていてもよいフェニルを表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物及びその塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
【請求項3】
R1が、フッ素、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシル及びフェニルからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されていてもよい(C1-C4)-アルキルを表し、ここで、
フェニルは、その部分がフッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ヒドロキシカルボニル及びメトキシカルボニルからなる群から選択される基で置換されていてもよく、
又は
アリル又はシクロプロピルを表し、
Ar1が、フェニル又はチエニルを表し、それぞれフッ素及び塩素からなる群から選択される基で置換されていてもよく、
L1が、-CH2-を表し、
Qが、式
【化2】

で示されるピリジル環、ピリミジニル環又は場合により置換されていてもよいフェニル環、又は、

【化3】

で示される場合により置換されていてもよい5員へテロアリール環を表し、
ここで、
*が、L1との結合点を表し、
**が、L2との結合点を表し、
R2Aが、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、カルバモイルオキシメチル、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル又はtert-ブチルアミノカルボニルを表し、
R2Bが、水素、メチル又はトリフルオロメチルを表し、
R2Cが、水素又はヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル又はアミノカルボニルで置換されていてもよいメチルを表し、
L2が、結合又は-CH2-基を表し、
Ar2が、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びトリフルオロメトキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されたフェニルを表す、
請求項1または2に記載の式(I)の化合物及びその塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
【請求項4】
R1が、フッ素、トリフルオロメチル及びヒドロキシルからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されていてもよい(C1-C4)-アルキル、又はシクロプロピルを表し、
Ar1が、p-クロロフェニルを表し、
L1が、-CH2-を表し、
Qが、式
【化4】

で示されるピリミジニル環又は

【化5】

で示される場合により置換されていてもよい5員へテロアリール環を表し、
ここで
*が、L1との結合点を表し、
**が、L2との結合点を表し、
R2Bが、水素、メチル又はトリフルオロメチルを表し、
R2Cが、水素又はヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル又はアミノカルボニルにより置換されていてもよいメチルを表し、
L2が、結合又は-CH2-基を表し、
Ar2が、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びトリフルオロメトキシからなる群から選択される同一又は異なる基でモノ又はジ置換されていてもよいフェニルを表す、
請求項1、2、又は3のいずれかに記載の式(I)の化合物及びその塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物。
【請求項5】
式(II)、
【化6】

(式中、Ar1及びR1は、請求項1ないし4のいずれかに記載した意味である)
の5-アリール-1,2,4-トリアゾロン誘導体を塩基の存在下、
[A] 式(III)
【化7】

(式中、Ar2、L1、L2、Q、R2及びnは、請求項1ないし4のいずれかに記載した意味であり、
X1は、脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メシレート又はトシレートである)
の化合物と反応させて式(I)の化合物を得るか、
又は
[B] 別法として、
式(I)において、L2が結合を表し、Ar2基が環Qの炭素原子に結合する場合に、
式(IV)
【化8】

(式中、L1、Q、R2及びnは、請求項1ないし4のいずれかに記載した意味であり、
X1は、脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メシレート又はトシレートであり、
X2は、脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メシレート又はトリフレートであり、ここで、これは環Qの炭素原子に結合している)
の化合物と反応させ、式(V)
【化9】

(式中、Ar1、L1、Q、R1、R2、X2及びnは、上述の意味である)
で示される中間体を得て、続いてこれを遷移金属触媒存在下、式(VI)
【化10】

(式中、Ar2は、請求項1ないし4のいずれかに記載した意味であり、
Mは、式-B(OR4)2、-MgHal、-ZnHal又は-Sn(R5)3基を表し、ここで
Halは、ハロゲン、特に塩素、臭素又はヨウ素を表し、
R4は、水素又は(C1-C4)-アルキル、又は基R4はいずれも互いに結合し、-(CH2)2-、-(CH2)3、-C(CH3)2-C(CH3)2-又は-CH2-C(CH3)2-CH2-架橋を形成し、
R5は、(C1-C4)-アルキルを表す)
の化合物とカップリングさせて、
式(I-A)
【化11】

(式中、Ar1、Ar2、L1、Q、R1、R2及びnは上述の意味である)
の化合物を得るか、
又は、
[C] 別法として、式(I)のL2が、請求項1ないし4のいずれかに定義した-(CR3AR3B)p-を表し、環Qの窒素原子と結合する場合には、
式(VII)
【化12】

(式中、L1、R2及びnは、請求項1ないし4のいずれかに記載した意味であり、
Q’は、Qについて請求項1ないし4のいずれかに定義した5員へテロアリール環であり、示した水素原子に結合する三価の窒素環原子を有するものを表し、
X1は、脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メシレート又はトシレートを示す)
の化合物と反応させ、式(VIII)
【化13】

(式中、Ar1、L1、Q’、R1、R2及びnは、上述の意味である)
の中間体を生成し、続いてこれを、塩基の存在下、式(IX)
【化14】

(式中、Ar2は、請求項1ないし4のいずれかに記載した意味であり、
L2Aは、請求項1ないし4のいずれかに定義した-(CR3AR3B)p-基を表し、
X3は、脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、メシレート又はトシレートである)
の化合物でN-アルキル化して、
式(I-B)
【化15】

(式中、Ar1、Ar2、L1、L2A、Q’、R1、R2及びnは、上述の意味である)
の化合物を得て、
生成した式(I)、(I-A)又は(I-B)の化合物を、場合によりそれらのエナンチオマー及び/又はジアステレオマー及び/又は適切な(i)溶媒及び/又は(ii)塩基又は酸によりそれらの溶媒和物、塩及び/又はその塩の溶媒和物に変換する
ことにより特徴付けられる、請求項1ないし4のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項6】
疾患の処置及び/又は予防のための請求項1ないし4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
急性及び慢性心不全、循環血液量増加型及び正常血液量型低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の処置及び/又は予防方法に使用するための請求項1ないし4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
急性及び慢性心不全、循環血液量増加型及び正常血液量型低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の処置及び/又は予防用医薬を製造するための請求項1ないし4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれかに定義される式(I)の化合物を1種以上の不活性、非毒性、薬学的に適切な補助剤と共に含む医薬。
【請求項10】
さらに利尿薬、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、β受容体ブロッカー、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、有機硝酸薬、NO供与体及び陽性変力効果物質からなる群からなる活性物質の1つ以上と組合せた、請求項1ないし4のいずれかに記載の式(I)の化合物を含む医薬。
【請求項11】
急性及び慢性心不全、循環血液量増加型及び正常血液量型低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の処置及び/又は予防のための請求項9又は10に記載の医薬。
【請求項12】
少なくとも1つの請求項1ないし4に記載の式(I)の化合物又は請求項9ないし11のいずれかに記載の医薬の有効量を用いる、ヒト及び動物における急性及び慢性心不全、循環血液量増加型及び正常血液量型低ナトリウム血症、肝硬変、腹水、浮腫及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の処置及び/又は予防のための方法。

【公表番号】特表2013−520470(P2013−520470A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554345(P2012−554345)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052781
【国際公開番号】WO2011/104322
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512137348)バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (91)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
【Fターム(参考)】