説明

ピストン−シリンダ・ユニットから駆動装置を切り離すためのブレーキペダルによって切り替え可能なクラッチを含むブレーキシステム

本発明は、少なくとも1つの仕事室内に圧力を発生させるための少なくとも1つのピストン−シリンダ・ユニット(4)と、少なくとも1つの車輪ブレーキに、少なくとも1つの油圧ラインを通して接続される仕事室とを含むブレーキシステムであって、少なくとも1つの駆動装置(1)と、特にブレーキペダルの形状の作動装置(10)とを含み、駆動装置(1)は、通常運転の間、ピストン−シリンダ・ユニット(4)の少なくとも1つの第1のピストン(3)に、第1の力伝達手段(2)によって圧力を上昇及び低減するために作用し、駆動装置の故障の場合に、作動装置(10)は、第2の力伝達手段(5、16)によってピストン(3)に機械的に作用する、ブレーキシステムであって、第2の力伝達手段(5、16)の調節は、第1の力伝達手段(2)とピストン(3)との間の接続を作動装置(10)によって切り離すことを特徴とする、ブレーキシステムに関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの仕事室内に圧力を発生させるための少なくとも1つのピストン−シリンダ・ユニットと、少なくとも1つの車輪ブレーキに、少なくとも1つの油圧ラインを通して接続される仕事室とを含むブレーキシステムであって、少なくとも1つの駆動装置と、特にブレーキペダルの形状の作動装置とを含み、駆動装置は、通常運転の間、ピストン−シリンダ・ユニットの少なくとも1つの第1のピストンに、第1の力伝達手段によって圧力を上昇及び低減するために作用し、駆動装置の故障の場合に、作動装置は、第2の力伝達手段によってピストンに機械的に作用する、ブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキシステムに関係して、真空サーボブレーキを油圧又は電動サーボブレーキに交換する傾向がある。電動サーボブレーキの1つの型が、ドイツ特許公開第10 2004 050 103 A1号に説明される。ここで、圧力調整が別個のユニット内に生じる。電動によるブーストは、スピンドル駆動部を伴う電気モータによってピストンに所望のブーストをもたらす力センサによって提供される。スピンドルは、圧力を上昇するためにキャリアに作用し、ダンピング要素がスピンドルとキャリアとの間に挿入される。キャリアの戻りが、主ブレーキシリンダ及び戻りバネ(図示せず)の圧力によって生じる。モータ駆動部の故障の場合、ブレーキペダルがキャリアを介して直接ピストンに作用する。
【0003】
また、ドイツ特許公開第10 2005 018 649号に、サーボ制動とは別のソレノイドバルブによって対応するピストン制御を通して、ABS/ESPのための圧力調整を実行する電動サーボブレーキが説明される。ここで、主ブレーキシリンダのピストンはモータ駆動部に直接接続される。これは、低圧力状態における急速な昇圧のために、ここで、ブレーキ圧力及びバネからの戻り力が弱すぎるので必要である。モータの故障の場合に、特別なクラッチがスピンドルナットに提供され、それはモータの故障のような場合にこれを解放し、それによって、ペダルの力が直接主ブレーキシリンダのピストンに、対応する伝達部材を通して印加される。この解決策は、高価であって、広い設置空間を必要とする。
【0004】
同様に、ドイツ特許公開第10 2006 050 277号はステップ又は環状ピストンを電動サーボブレーキに提供する。外部ピストンはスピンドル駆動部に直接接続され、モータと一体にサーボ制動及び圧力調整を引き起こす。この解決策に関して、モータ駆動部の故障の場合、伝達部材を伴う内部ピストンは、同様にブレーキペダルに接続され、それによって、この場合充分な制動効果が達成できる。この解決策に関する課題はピストンの密封であり、特に小さいピストン直径におけるもので、それはこのシステムにはまさに好ましいものである。更に、より小さいピストンは、より小さい量の変位のために、より大きいいわゆるフローティングピストンと比較すると高いブレーキ圧力において、それは小さいピストンに掛かり、異なるブレーキ圧力をもたらすため不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許公開第10 2004 050 103 A1号
【特許文献2】ドイツ特許公開第10 2005 018 649号
【特許文献3】ドイツ特許公開第10 2006 050 277号
【特許文献4】ドイツ特許公開第10 2006 059 840.7号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、駆動ユニットの故障の場合に、ブレーキシリンダ内の圧力が、特にブレーキペダルの形状の作動装置によって、駆動ユニットとは独立して、上昇させられることができるブレーキシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、この課題は請求項1の特徴及び従属請求項の特徴を有するブレーキシステムによって解決される。
【0008】
本発明は、第1及び第2の力伝達手段を提供するという考え方に基づいている。ここで、第1の力伝達手段は、駆動装置によって、特にスピンドルの形状の電動駆動装置によって、駆動される。そして、第2の力伝達手段は、特にブレーキペダルの形状の作動装置の故障の場合に、通常運転において第1の力伝達手段とピストンとの間に存在する形状嵌めの、第2の力伝達手段によって生じる分離と同時に、ピストンを移動、調節する。圧力を上昇又は低減するように駆動装置によってピストンが調節される通常運転において、本発明に従って、ピストンと第1の力伝達手段との間の形状嵌めは、第2の力伝達手段によって確保され、それは、ピストンと並んで駆動装置によって調節される。駆動部が故障し、制動効果が必要とされる場合、ブレーキペダルを通して、力は、第2の力伝達手段に印加され、その結果として、これは、バネ抵抗力に対抗してピストンの方向にピストン及び第1の力伝達手段に対して調節される。この相対的移動を通して、形状嵌めの固定が除去される。そのように、形状嵌めは分離されて、ピストンは、第2の力伝達手段によって、駆動装置から自由な昇圧のために調節できる。
【0009】
通常運転においてクラッチが係合された状態を維持する、換言すると、形状嵌めが確保されているようにするために、バネは、第2の力伝達手段を第1の係合位置に押し込む。この位置又はピストンと2つの力伝達手段との間の各々に対する相対的位置において、連結要素は、その位置を生み出す形状嵌め内に固定して保持される。
【0010】
上記のクラッチが、ピストンの直近に配置されることは有利である。第1及び第2の力伝達手段が、それらの端部近くで、ピストン−シリンダ・ユニットの仕事室から反対方向を向くピストンの、特にボウル状の凹部内で静止することは特に有利である。ここで、少なくとも1つの連結要素が、ピストン上で、又はそこに固定された部品、特にブッシュ上で、シリンダの軸に対して半径方向にシフトできるように支持される。2つの力伝達手段の相互、及び、ピストンに対する位置によって、連結要素は調節され、それによって、それは、ピストンと第1の力伝達手段との間の形状嵌めを作るか、又は、第2の力伝達手段から、従って、駆動部からピストンを切り離す。
【0011】
ここで、第1の力伝達手段は、そのボウル状の表面によってブッシュを包含し、その中に少なくとも1つの連結要素が支持され、それは、翻っては、ピストンの一部であるか又はこれに固定される。第2の力伝達手段の自由端部はブッシュに囲まれる。戻りバネも、ブッシュ内に配置され、これは、第2の力伝達手段を、形状嵌めを確保する第1の位置に押し込む。ブッシュの半径方向の開口は、半径方向に変位可能な仕方で、少なくとも1つの連結要素を支持し、それは、2つの力伝達手段の案内湾曲部を通して、それぞれの他の力伝達手段の凹部内で移動可能である。ロールバレル又は球体は、摩擦を最小にするために、ここで、連結要素として有利に使用される。第2の力伝達手段は、移動可能な仕方で第1の力伝達手段内に包含される。
【0012】
2つ力伝達手段内の凹部は、それらの最も単純な形態では、環状の溝であり、溝側は案内湾曲部の形状であり、それによって、相対的移動が存在する箇所で、少なくとも1つの連結要素は半径方向に調節される。
【0013】
ロールバレルの使用は、とても安全で、費用効率が高く、コンパクトである。プッシュロッド、従って、主ブレーキシリンダの構成要素として、これらは、ユニット全体を分解する必要なく、容易に交換できる。更に、クラッチの動作は、稼働中の場合、ペダル位置エンコーダと、モータがオン及びオフに切り替えられる場合の圧力トランスデューサの比較によって容易に診断できる。
【0014】
本発明のブレーキシステム好ましい実施形態において、第1及び/又は第2の力伝達手段は、移動可能及び/又は回転可能な仕方で、ピストン上、又は、ピストン上の凹部内に支持される。ここで、第2の力伝達手段は、特にロッドの形状であり、第2の力伝達手段内に移動可能な仕方で支持される。
【0015】
本発明は、図面の補助と共に以下に更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のブレーキシステムの概略図である。
【図2】クラッチを包含する本発明のブレーキシステムの部分の抽出図である。
【図3】本発明のクラッチの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、付随するロータ1aを伴う電気モータ1と一体化された、スピンドルナット2を駆動するサーボブレーキを表す。プッシュロッドピストン3は直列式主シリンダ4内に移動可能な仕方で配置される。そして、クラッチ14は、駆動部1が損なわれていない場合に限り、ピストン3とスピンドル2との間で作用する。クラッチ自体、ピストン3とスピンドル2との間の連結、及び、これを解除するか、又は、故障の場合にクラッチを切り離すペダルプランジャ5が図1に概略的にだけ表され、図2を使用して詳細に説明される。
【0018】
通常運転において、ブレーキペダル10の始動は、ペダル移動センサ11によって検出され、プッシュロッドピストン3のスピンドル駆動部5を伴うモータ1によって、圧力の上昇又は低減が引き起こされる。昇圧及び減圧のための機能は、最新技術として本出願に説明される文書から、すでに充分に知られている。これに関連して、これらの文書全体が参照される。昇圧及び減圧は、電気モータ1によって、ピストン−シリンダ・ユニット4の手段で、個々の車輪ブレーキ(図示せず)のための多重モードのバルブ13にもたらされる。レギュレーションが、センサ15と圧力センサ12との間の比較によって起こる。ペダルの反応は経路シミュレータ8によって生成される。ペダル経路が圧力制御ピストン3の反応に束縛されないように、ある小さい量の自由経路sが、どの真空サーボブレーキにおいても使用されるように、電気モータの僅かな始動遅れに配慮するために使用される。自由経路はまた、少なくとも部分的にクラッチ14自体内に設けられる。
【0019】
経路シミュレータ8は、ドイツ特許公開第10 2006 059 840.7号の適応可能な非稼働ストローク回路と共にハウジング8内に一体化される。電気モータ1が損なわれていない場合、この移動可能なハウジングは、電磁経路シミュレータロック9によって、移動が妨害される。駆動部1の故障の場合、知られている伝達部材及び連結要素6を伴うブレーキペダル10は、ペダルプランジャ5に、これは次いで、クラッチ14を介して圧力制御ピストン3に作用する。
【0020】
スピンドル2はまた、第1の力伝達手段であると理解され、それを介して(ピストンが左に変位される)昇圧、及び、ピストンがまた、左に変位される減圧の両方のために、駆動部1から力がピストン3に伝達される。
【0021】
ペダルプランジャはまた、第2の力伝達手段であると理解され、それを介してブレーキペダル10からピストン3に力が伝達される。このようにして、ペダルの移動は、直列式主シリンダ4に直接作用する。
【0022】
経路シミュレータ8及び非稼働ストロークsを通して、モータが損なわれていない場合、ペダルの移動は、ピストンの移動から切り離される。
【0023】
ABS/ESPのための圧力調整が、いわゆる多重モードにおいて、対応するモータ制御及びピストンの移動によって起こり、そのモードでは、昇圧、減圧、又は、保守のための制御アルゴリズムに関連した必要な圧力レベルに準じて、制御バルブ13が交互に切り替えられる。圧力センサによって、対応する圧力レベルが検出できる。
【0024】
クラッチは、緊急モードにおいてのみ切り替えられ、それは一般にまれにしか起こらないが、誤作動の場合にその稼働が極めて重要であるため、どのような妨害の可能性も排除するために、クラッチを切り替える能力が診断されることが推奨される。
【0025】
とりわけ、例えば、車両が始動するとき、又は、電気モータ1の車両加速段階の間、スピンドル2が、図2に示される開始位置からペダルストロークの方向とは反対の方向の乗員室の方向に、換言すると右に、移動する場合、クラッチ14の診断は実行される。運転手の方向におけるペダルはストップ(図示せず)を備えるので、固定化されたペダルプランジャ5は、結果として、スピンドル2内に押し込まれ、クラッチプランジャ16をスピンドル2に対して変位させる。クラッチ14が充分に稼働している場合、それは、説明された仕方で開き、モータは、クラッチ内で有用な自由経路s以遠にスピンドル2を変位できる。スピンドルの行程は角度センサ15によって検知できる。万一クラッチ14が故障した場合、自由行程sを通って戻った後のスピンドルはストップと接し、それに応じてモータ電流は急激に増加する。
【0026】
図2は、ピストン3とのスピンドル2の連結を表す。クラッチ14は、特に、直列型主ブレーキシリンダ4の仕事室から反対を向いた面上に配置されるプッシュロッドピストン3の球体状の凹部3a内に一体化される。主ブレーキシリンダ4の基本要素は、それらは一般に知られているので説明されない。ピストン3は、幾つかの球体18又は、必要ならば、シリンダ状のロール体を内蔵する球形ブッシング17と形状嵌めで接続する。
【0027】
ブッシング17内で、ペダルプランジャ5の端部と接続されるクラッチプランジャ16が支持される。クラッチプランジャ16は、球形ブッシングのストップ17aに対するバネ19によって、初期位置に戻される。図の上半部は、係合状態のクラッチ14を表す。スピンドル2は、直接ピストン3に接する補償円板20を介して圧力を上昇するように作用する。減圧の間、スピンドル2は、クラッチプランジャ16内の対応する球体軌道16aによって内側半径方向の移動が防止される球体18に、半球頭2aを介して作用する。従って、ブレーキペダル10以外から圧力がペダルプランジャに印加される場合、球体軌道16aは、クラッチが開くことを防止する妨害面として働く。このようにして、通常運転において、スピンドル2とピストン3との間の形状嵌めが達成され、それは、電気モータ1による減圧のためのピストン3の急速な戻りを可能にする。通常運転において、ストップ9を伴う経路シミュレータの説明された構造によって、ペダルプランジャ5に伝達される力はない。
【0028】
説明されたように、モータ駆動部が故障した場合、ブレーキペダル10によるハウジング8の稼働を通して、ペダルプランジャ5は移動し、次いで、それはクラッチプランジャ16に作用する。クラッチプランジャ16は、自由経路7を進み、バネ19を圧縮した後、ピストン3に作用する。これは、それと共に球形ブッシング17を運び、その結果として、球体18は、半球頭又は案内湾曲部2aによって、クラッチプランジャ16の凹部16b内に押し込まれる。これは、ピストン3とスピンドル2との間の形状嵌めを分離して、クラッチが開く。ここで、ピストン3は、昇圧のためにブレーキペダルによって、駆動部から独立して調節できる。球形ブッシング16内に、シリンダ4が取り付けられるか、又は、取り去られる場合に、球体が外に外れないようにするために、差込部21が設けられる。
【0029】
スピンドル2と球体18との間、又は、球体とクラッチプランジャ16との間の接触面は半球形状を備え、それによって、直線的接触が発生し、相応して表面圧力は低減される。
【0030】
クラッチプランジャ16は、球形ブッシング17に対する回転に対して固定される。この結果、球体軌道16aは、それらが凹部16b内に突出するように充分に設計され、それによって、クラッチはもはや有効ではなくなる。
【0031】
図3は、クラッチの主要部分を表す拡大抽出部を表す。
【符号の説明】
【0032】
1:電気モータ、1a:スピンドルナットを伴うロータ、2:スピンドル、2a:案内湾曲部又は半球頭、2b:凹部、3:圧力制御ピストン、3a:球体状の凹部、4:直列型主ブレーキシリンダ、5:ペダルプランジャ、6:ブレーキペダルを伴う連結要素、7:自由経路、8:適応可能な自由行程切り替えを有する経路シミュレータ、9:経路シミュレータストップ、10:ブレーキペダル、11:ペダル移動センサ、12:圧力センサ、13:制御バルブ、14:クラッチ、15:回転角度センサ、16:クラッチプランジャ、16a:球体軌道、16b:凹部、16c:案内湾曲部、17:球形ブッシング、17a:球形ブッシング内のストップ、18:球体、19:戻りバネ、20:補償円板、21:差込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの仕事室内に圧力を発生させるための少なくとも1つのピストン−シリンダ・ユニット(4)であって、当該仕事室は少なくとも1つの油圧ラインを通して少なくとも1つの車輪ブレーキに接続される、少なくとも1つのピストン−シリンダ・ユニット(4)と、
少なくとも1つの駆動装置(1)と、
特にブレーキペダルの形状の作動装置(10)と、を含むブレーキシステムであって、
前記駆動装置(1)は、通常運転の間、第1の力伝達手段(2)によって圧力を上昇及び低減するために、前記ピストン−シリンダ・ユニット(4)の少なくとも1つの第1のピストン(3)に作用し、
前記作動装置(10)は、前記駆動装置が故障の場合、第2の力伝達手段(5、16)によって前記ピストン(3)に機械的に作用する、ブレーキシステムにおいて、
前記第2の力伝達手段(5、16)の調節は、前記作動装置(10)によって前記第1の力伝達手段(2)と前記ピストン(3)との間の接続を切り離す、ブレーキシステム。
【請求項2】
請求項1記載のブレーキシステムにおいて、
特にスピンドルの形状を有する前記第1の力伝達手段(2)は、通常運転時に、シリンダの軸に沿って方向付けられる前記ピストン(3)に力を印加するために、特に形状嵌めで当該ピストン(3)に接続する、ブレーキシステム。
【請求項3】
請求項2記載のブレーキシステムにおいて、
前記第2の力伝達手段(5、16)は、故障の場合に、特にストップ手段(18)を解除することによって、前記形状嵌めを分離する、ブレーキシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
クラッチ(14)が、前記ピストン(3)と前記第1の力伝達手段(2)との間に配置され、
前記第2の力伝達手段(5、16)は、前記クラッチ(14)を操作する、ブレーキシステム。
【請求項5】
請求項4記載のブレーキシステムにおいて、
前記ピストン(3)は、前記駆動装置(1)によって前記シリンダ(4)内で前後に移動でき、
前記第2の力伝達手段(5、16)は、前記駆動装置(1)が故障の場合、前記作動装置(10)によって、前記ピストン(3)に対する、特に当該ピストン(3)に向けた移動が付勢され、
前記クラッチ(14)及び前記ピストン(3)は、前記作動装置(10)によって開き、
前記第2の力伝達手段(5、16)は、前記駆動装置(1)とは独立に、圧力を上昇するように調整可能である、ブレーキシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
前記第1及び/又は前記第2の力伝達手段(2;5、16)は、前記ピストン(3)上で切り替え及び/又は回転できるか、或いは、当該ピストン(3)の凹部(3a)内に支持される、ブレーキシステム。
【請求項7】
請求項6記載のブレーキシステムにおいて、
前記第2の力伝達手段(5、16)は、バネ(19)の圧力によって第1の位置及び作動装置(10)の方向に付勢されており、当該バネの圧力に対抗して、前記ピストン(3)に対して第2の位置に向けて調節可能であり、
前記第2の力伝達手段(5、16)は、前記第1の位置において、第1の力伝達手段(2)とピストン(3)との間の接続を確保し、前記第2の位置又は当該第1及び第2の位置の間の範囲において、当該接続を分離するか又は解除し、
前記ピストン(3)によって支持される少なくとも1つの連結要素(18)は、特に前記第1の位置において、特にピン、球体、又は、ロールバレルの形状で、少なくとも特に前記第1の力伝達手段(2)の凹部(2b)内に前記第2の力伝達手段(5、16)によって保持され、形状嵌めを作る、ブレーキシステム。
【請求項8】
請求項7記載のブレーキシステムにおいて、
前記少なくとも1つの連結要素(18)は、前記第2の位置において、前記第2の力伝達手段(16)の凹部(16b)内に囲まれて、第1の力伝達手段(2)とピストン(3)との間に形状嵌めを作らず、
前記少なくとも1つの連結要素(18)は特に、半径方向に移動可能な方法で、前記ピストン(3)上に形成されるか、又は、当該ピストン(3)に固定される球形ブッシング(17)内に囲まれる、ブレーキシステム。
【請求項9】
請求項8記載のブレーキシステムにおいて、
前記第1及び第2の力伝達手段(2;16)は、各々の場合に、案内湾曲部(2a;16c)を備え、
前記案内湾曲部(2a;16c)は、前記第1及び第2の力伝達手段(2;16)が前記支持部(17)に対して移動するとき、前記少なくとも1つの連結要素(18)を、それ自身の凹部(2b;16b)から外に押し出し、それぞれの他の力伝達手段の前記凹部に押し込む、ブレーキシステム。
【請求項10】
請求項9記載のブレーキシステムにおいて、
前記第2の力伝達手段(16)は妨害面(16a)を備え、
前記妨害面(16a)は、前記第1の位置において、前記少なくとも1つの連結要素(18)が前記第1の力伝達手段(2)の前記凹部(2b)から外に移動することを防止する、ブレーキシステム。
【請求項11】
請求項10記載のブレーキシステムにおいて、
前記妨害面の軸方向長さは、前記クラッチ(14)が、ある経路(7)の後にのみ、第2の力伝達手段(5、16)とピストン(3)との間の相対的移動によって切り離されるような大きさにされる、記載のブレーキシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
前記駆動装置(1)は、前記ピストン(3)と並んで前記第1の位置にある前記第2の力伝達手段(5、16)を調節する、ブレーキシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
通常運転において、前記第2の力伝達部材と、前記作動装置又は、これらの間で接続される経路シミュレータとの間に、自由行程の構成のための間隔がある、ブレーキシステム。
【請求項14】
請求項13記載のブレーキシステムにおいて、
前記必要な自由行程の部分は、前記クラッチ(14)により達成され、
前記クラッチ(14)は、ペダルプランジャ(5)とピストン(3)との間を、ある相対的移動の後にのみ、切り離す、ブレーキシステム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
経路シミュレータ(8)は、前記作動装置(10)と前記第2の力伝達手段(5、16)との間に配置され、
前記経路シミュレータ(8)のペダル行程の制限は、特に、装置(9)によってオフに切り替えられる、ブレーキシステム。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
前記駆動装置(1)は、電気モータ又は油圧駆動ユニットを含む、ブレーキシステム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
前記ピストン−シリンダ・ユニット(4)は、直列式ピストンと2つの仕事室とを備える、ブレーキシステム。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
各々の仕事室と付随する車輪ブレーキとの間に、2/2−指向性制御バルブが配置される、ブレーキシステム。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
前記駆動装置の対応する起動を通して、前記ブレーキシステムは、ABS及び/又はESP機能のための必要なサーボ制動及び圧力調整を備える、ブレーキシステム。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
前記ピストン(3)、特に前記球形ブッシング(17)に対する前記第2の力伝達手段(5、16)、特に前記クラッチプランジャ(16)は、特に形状嵌めによって回転に対して固定される、ブレーキシステム。
【請求項21】
請求項20記載のブレーキシステムにおいて、
回転に対する前記固定は、少なくとも1つの球体軌道(16a)によって生じ、
前記球体軌道(16a)は、それぞれの隣接する凹部(16b)内に延びる、ブレーキシステム。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
接触面(2a)は、半球頭の形状であり、それによって、前記第1の力伝達手段(2)と前記連結要素(18)との間に直線的接触が生じる、ブレーキシステム。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項記載のブレーキシステムにおいて、
接触面(16a)は、半球頭の形状であり、それによって、前記クラッチプランジャ(16)と前記連結要素(18)との間に直線的接触が生じる、ブレーキシステム。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項記載のブレーキシステムの操作を試験するための方法であって、
可能なペダルとスピンドルの行程との比較を通して、前記ピストンを調節することによって、前記クラッチの操作が試験される、方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、
前記クラッチの操作は、固定化された第2の力伝達手段に抗して前記駆動装置によって前記第1の力伝達手段が開始位置内に移動させられる点で診断され、
それにより前記第1の力伝達手段に対して前記クラッチプランジャを操作し、
それによって、前記クラッチを切り離し、当該クラッチの稼働可能性は、前記第1の力伝達手段が連結経路s(7)以遠に移動できる場合に、決定される、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−502854(P2011−502854A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532439(P2010−532439)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009683
【国際公開番号】WO2009/059619
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509159159)アイピーゲート・アクチェンゲゼルシャフト (6)
【Fターム(参考)】