ファイバ又はフィラメント
電気光学的に活性な層と、第一電極と、第二電極とを含むファイバ又はフィラメントであって、光学的に活性な層は、少なくとも部分的に第一電極と第二電極との間に位置付けられ、ファイバ又はフィラメントは、その所定領域の長さを制御し得るよう、所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバ又はフィラメント、具体的には、その内部に組み込まれる1つ又はそれよりも多くの表示器ディスプレイを有する織物又は衣服内への包含に適したファイバ又はフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
色変化を受け得る電気光学的材料から成る多様な種類のファイバ及びフィラメントが知られている。例えば、エレクトロルミネセンス材料又はポリマーLED材料のような電気光学的に活性な材料からファイバ又はフィラメントを形成することが知られている。液晶、電気泳動粒子、又は、エレクトロクロム材料を、ファイバ又はフィラメントを形成する電気光学的材料として使用することも可能である。
【0003】
一般的に、この種類の全ての既知のファイバ及びフィラメントは、同一の基本構造を有し、以下を含む。
1.ファイバ又はフィラメントの中心で或いは中心に向かってファイバ又はフィラメントを通じて軸方向に走る伝導性コア又は電極と、
2.コア電極を被覆する電気光学層と、
3.透明な伝導性外部電極。
【0004】
コア電極と外部電極との間に電圧差を印加することによって、ファイバの全長に亘って電気光学層内に電界が生成される。生成される電界はファイバに沿った方向に均質であり、電気光学層の光学的状態に変化を誘発する。光学的状態の変化は、電気光学層を形成する材料及び電極に亘って印加される電界に依存する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気光学的に活性な層に亘って印加される電圧差によって、ファイバ又はフィラメントの光学的に活性な部分の長さを制御し得る、ファイバ又はフィラメントを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の特徴によれば、
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含むファイバ又はフィラメントであって、
電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に第一電極と第二電極との間に位置付けられ、
ファイバ又はフィラメントは、
ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含む、
ファイバ又はフィラメントが提供される。
【0007】
本発明を用いることで、所定領域の長さを制御し得るよう、ファイバ又はフィラメントの所定領域の光学的状態を制御することが可能である。
【0008】
ファイバ又はフィラメント内の位置での光学的状態は、電気光学的に活性な層によって放射され、反射され、或いは、吸収される光によって特徴付けられる。請求されるような本発明は、内部又は外部の光源の双方からの光を反射し或いは吸収する光学的に活性な層を有するファイバ又はフィラメントに関する。
【0009】
使用中、所定領域の光学的状態は、ファイバの他の部分が発光しないときに発光するようであり得る。
【0010】
これは、電気光学的に活性な層の光学的状態を電極の全長に亘って均質に変更することだけが可能な既知の色変化ファイバ又はフィラメントと鮮明なコントラストがある。実際には、これは、既知の色変化ファイバにおける光学的状態がファイバの全長に沿って同一であることを意味する。
【0011】
これは、例えば、電気光学的に活性な層が、その上はオン状態にあり且つその下はオフ状態にある閾電圧を有する材料から成るとき、既知の色変化ファイバにおいて、ファイバ全体は、発光しないオフ状態或いは発光するオン状態のいずれかにあることを意味する。
【0012】
本発明を用いることで、ファイバ又はフィラメントの可変な長さがオン状態にあり、従って、如何なる所与の時間にも光を放射するよう、電気光学的に活性な材料の光学的状態をファイバ又はフィラメントの長さに沿って変更することが可能である。
【0013】
ファイバ又はフィラメントの所定領域は、ファイバ又はフィラメントだけの部分を含み得るし、或いは、ファイバ又はフィラメント全体を含み得る。
【0014】
本発明は、表示器として、或いは、衣服に組み込まれる表示器としての使用に特に適している。
【0015】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、電気光学的に活性な層に亘って電圧差を印加するための電圧手段を含む。
【0016】
好ましくは、制御手段は、ファイバの長さに沿って、電気光学的に活性な層に亘って印加される電圧差を制御可能に変化する。
【0017】
電圧差は、直流電圧差又は交流電圧差であり得る。
【0018】
好ましくは、ファイバ又はフィラメントは実質的に円筒形である。
【0019】
有利に、第一電極は、ファイバ又はフィラメントの中心部分に或いは中心部分に近接して位置付けられ、第二電極は、ファイバ又はフィラメントの外面に或いは外面に近接して位置付けられる。
【0020】
有利に、第一電極は、実質的にファイバ又はフィラメントの軸に沿って延在する。
【0021】
便利に、第二電極は、第一伝導性塗膜を含み、第一伝導性塗膜は、好適実施態様において透明である。
【0022】
好ましくは、電気光学的に活性な層は、エレクトロルミネセンス材料を含むが、他の種類の光学的に活性な材料も使用し得る。
【0023】
代替的に、電気光学的に活性な層は、発光ポリマー(ポリLED)、液晶材料、電気泳動粒子、懸濁液、又は、エレクトロクロム材料を含み得る。
【0024】
エレクトロルミネセンス材料に亘って印加される電界を変えることによって、エレクトロルミネセンス材料の光学的状態を変更し得る。材料は、典型的には約200ボルトの閾電圧を有する。閾電圧より下の電界が材料に印加されるとき、材料はオフ状態のままであり、発光しない。閾値レベルよりも上の電界が材料に亘って印加されるとき、材料は、それが発光するオン状態に切り換わる。
【0025】
好ましくは、制御手段は、第一電極と第二電極との間に延在する導体を含む。
【0026】
導体は、如何なる便利な形態をも取り得るし、例えば、電気光学的に活性な材料を通じて第一電極から第二電極に延在するディスクの形状にあり得る。
【0027】
よって、導体は、第一電極と第二電極との間に短絡を創成する働きをする。次いで、これは、もし第一電極及び第二電極に亘って電圧差が印加されるならば、電気光学的に活性な層に創成される電界の強度は、導体に向かって減少することを意味する。
【0028】
次いで、これは、電気光学的に活性な材料の光学的状態は材料中に存在する段階の強度によって支配されるので、電気光学的に活性な材料の光学的状態は、第一電極及び第二電極の長さに沿って印加される電圧差と共に変化する。
【0029】
第一電極及び第二電極の一方は、より高い抵抗を備える材料から成り得る。
【0030】
チタン(ρ=5.6×10−7Ωm)又はインコネル(ρ=9.8×10−7Ωm)若しくはニクロム(ρ=11×10−7Ωm)のようなニッケル−クロム合金抵抗電極を作成し得る。
【0031】
代替的に、十分に高い抵抗をもたらすために、ファイバが適切な寸法を有するようファイバを製造し得る。例えば、20μmの直径(米国電線規格52に対応する)を有する銅(ρ=0.17×10−7Ωm)から成る極めて薄いワイヤは、より従来的な200μmの直径(米国電線規格32に対応する)を備える銅線よりも100倍大きい抵抗を有する。20μmの薄い銅線は、ニクロムから作成される200μmの厚い電線と同程度の抵抗を有する。
【0032】
本発明のそのような実施態様において、第一電極及び第二電極に亘る、従って、電気光学的に活性な層に亘る電界は、ファイバ又はフィラメントの長さに沿って漸減する。
【0033】
有利に、第一電極又は第二電極は、第一長さセグメント及び第二長さセグメントを少なくとも含む複数の長さセグメントに分割され、その第一長さセグメント及び第二長さセグメントは、第一電極の両端に或いは両端に向かって位置付けられる。
【0034】
本発明の1つの実施態様において、制御手段は、一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる第一抵抗器を含み得る。好ましくは、制御手段は、複数の第一抵抗器を含み、それぞれの第一抵抗器は、それぞれの一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる。有利に、制御手段は、最終長さセグメントと関連付けられる第二抵抗器をさらに含む。
【0035】
そのような実施態様において、導体は、好ましくは、最終長さセグメントに或いは最終長さセグメントに近接して位置付けられる。
【0036】
抵抗(Rfibre)及び静電容量(Cfibre)を介して、第一電極と第二電極との間の平行接続によって、電気光学的に活性な層の各長さセグメントを設計し得る。第一電極と第二電極の各長さセグメントは、各抵抗器と共に、抵抗Rwireを有する抵抗素子を形成する。抵抗素子(Rwire)の抵抗がRfibreよりも低いように選択されるとき、第一電極に印加される直流電圧は、第一電極の長さに亘って直線的に分かれる。
【0037】
他の実施態様では、電気光学的に活性な層を駆動するために、交流電圧が使用される。交流電圧が使用されるとき、抵抗素子(長さセグメント及び抵抗器)のインピーダンスは、電気光学的に活性な層の総インピーダンスよりも低くなければならない。換言すれば、各抵抗素子のインピーダンスRwireは、Rfibre及び1/(2πfCfibre)の両方よりも低くなければならない。
【0038】
抵抗素子の存在の故に、電圧差が第一電極及び第二電極に亘って印加されるとき、電力はファイバ全体に亘って均一に分配されない。第一セグメントは第二セグメントよりも多くの電力を受け取り、最終セグメントまで、第二セグメントは第三セグメントよりも多くの電力を受け取ったり等である。これは、特定の電圧差まで、第一セグメントのみがオン状態にあることを意味する。十分な電力がファイバに加えられると想定すれば、電圧差が増大すると、最終セグメントまで、第二セグメントも発光する等である。
【0039】
ファイバの長さに沿った電力の分割を同調するために第二抵抗器を使用し得る。第二抵抗器の抵抗が高ければ高いほど、連続的な長さセグメントをオン状態に切り換えさせるために、より少ない電力が必要とされる。
【0040】
本発明の好適実施態様において、制御手段は、一対の隣接するセグメントの間に位置付けられる第一コンデンサを含む。
【0041】
好ましくは、制御手段は、複数の第一コンデンサを含み、それぞれの第一コンデンサは、それぞれの一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる。
【0042】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、最終長さセグメントと関連付けられる第二コンデンサをさらに含む。
【0043】
抵抗器よりもむしろコンデンサを使用することの利点は、コンデンサがそれ自体では電力を散逸しないことである。従って、コンデンサを組み込むファイバ又はフィラメントは、抵抗器を組み込むファイバ又はフィラメントよりも低い電力要求を有する。
【0044】
交流電圧が第一電極及び第二電極に亘って供給されるとき、コンデンサは電圧を分割するが、それらは如何なる電力をも散逸しない。各コンデンサのインピーダンス(1/(2πfCwire))は、電気光学的に活性な層の均等なインピーダンスよりも低く(且つRfibre及び(1/(2πfCfibre))の両方よりも低く)なければならない。
【0045】
代替的に、第一電極又は第二電極は、複数の離間した絶縁体を含む。
【0046】
複数の絶縁体は、長さセグメントへの容量接続を形成する。
【0047】
そのようなファイバ又はフィラメントでは、第一電極を形成するために使用される材料はその内部に「容量性」材料を包含するので、離散的なコンデンサを使用することは不要である。第一電極を形成する材料は、例えば、金粒子で充填された絶縁多孔性母材料を含む感光性の伝導性材料を含み得る。
【0048】
次に、感光性の伝導性材料をレーザに晒して、金を蒸発し、隣接する長さセグメントの間の容量性接続として作用する非伝導性スペーサを構築し得る。
【0049】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、第一電極に沿って離間間隔に位置付けられる複数の第一導体と、各導体と関連付けられるダイオードとを含む。
【0050】
好ましくは、制御手段は、1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つのダイオードを含む。
【0051】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、第三電極をさらに含み、制御手段は、1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられ且つ第三電極に接続される、少なくとも1つの第三コンデンサをさらに含む。
【0052】
一部の実施態様では、第三電極を接地し得る。
【0053】
ダイオードの破壊電圧よりも少ない低い駆動電圧が第一電極及び第三電極に亘って印加されるとき、第一長さセグメント内のダイオードは、高度に抵抗性の接続のように挙動する。これは、全電流が、第一ファイバセグメントを通じ、次に、接地に向かって流れることを意味する。これは、接地に対する第三コンデンサのインピーダンスが、電気光学的に活性な層の総インピーダンスよりも低いように選択されるからである。次いで、これは、低い駆動電圧で、全電力が第一長さセグメントに向けられることを意味する。
【0054】
駆動電圧の振幅が閾破壊電圧を越えて増大すると、第一長さセグメントと関連付けられる少なくとも1つのダイオードが「破壊」し、低いインピーダンスで伝導し始める。閾破壊電圧を越える超過電圧は、第三コンデンサによって吸収される。これは第三コンデンサを越えて電圧を上げる。同時に、第二長さセグメントに亘る電圧が増加し始める。このシーケンスは電極の全長に沿って反復される。
【0055】
代替的な実施態様において、ファイバ又はフィラメントは、第三電極に接続される第三コンデンサよりもむしろ第三抵抗器を含む。他の実施態様において、ファイバ又はフィラメントは、1つ又はそれよりも多くのコンデンサ及び抵抗器の組み合わせを含み得る。
【0056】
好ましくは、制御手段は、第一電極に沿って離間間隔で位置付けられる複数の導体と、各導体と関連付けられるダイオードとを含む。
【0057】
有利に、各導体は絶縁体を含む。好ましくは、ファイバ又はフィラメントは、外部絶縁塗膜をさらに含む。便利に、ファイバ又はフィラメントは、第二伝導性塗膜を含む。
【0058】
本発明の第二の特徴によれば、
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含み、
電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に第一電極と第二電極との間に位置付けられるファイバ又はフィラメントを製造する方法であって、
ファイバ又はフィラメントは、
ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含み、
当該方法は、
(i)伝導性コアを電気光学層で被覆するステップと、
(ii)電気光学層を伝導性塗膜で被覆し、電気光学層を伝導性塗膜及び伝導性コアに接触するステップとを含む、
方法が提供される。
【0059】
本発明の第二の特徴の好適且つ有利な機能は、添付の請求項25乃至38に示されている。
【0060】
本発明の第三の特徴によれば、複数のファイバ又はフィラメントから成る織物又は編物が提供される。
【0061】
添付の図面を参照して、本発明をさらに例証としてのみ記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
図1a及び1bを参照すると、従来的な色変化ファイバが概ね参照番号2によって指し示されている。既知の色変化ファイバは、一般的に、内部コア電極と、透明塗膜の形態の外部電極とを含む。内部電極と外部電極との間には、電気光学的に活性な材料がある。図1aにおいて、電気光学的に活性な材料は、オフ状態で示されており、図1bにおいて、電気光学的に活性な材料は、光を放射するオン状態で示されている。従来的な色変化ファイバでは、オン状態又はオフ状態にあるファイバ全体を有することだけが可能である。換言すれば、発光するか或いは発光しないファイバ全体を有することだけが可能である。
【0063】
図2a、b、c、及び、dを参照すると、本発明に従ったファイバが概ね参照番号4によって指し示されている。本発明によれば、以下により詳細に説明されるように、所定領域6の長さを制御し得るよう、ファイバ4の所定領域の光学的状態を変更することが可能である。
【0064】
図2aでは、ファイバ全体がオフ状態にある。図2bでは、所定領域6がオン状態にある。図2cでは、所定領域6の長さは、図2bの領域6よりも長く、図2dでは、ファイバ全体がオン状態にある。
【0065】
よって、本発明を用いることで、ファイバ4の発光部分の長さを変えることが可能である。
【0066】
衣服又は他の装着可能なエレクトロニクスを形成するために、本発明に従ったファイバを使用し得る。
【0067】
図3に今や転じると、本発明に従った複数のファイバ4から成る織物から形成されたネックストラップ8が示されている。再生されている音楽のトラック、電池の電力容量、音量等のような音楽システムの多様なパラメータを表示するために、MP3プレーヤーのような個人音楽システムと共にネックストラップを使用し得る。
【0068】
図4に今や転じると、本発明の第一実施態様に従ったファイバが、概ね参照番号10によって指し示されている。ファイバ10は、伝導性コアの形態の第一電極12と、透明な伝導性塗膜の形態の第二電極14とを含む。ファイバは、如何なる適切な電気光学的に活性な材料からも形成される電気光学的に活性な層16をさらに含む。この実施態様において、電気光学的に活性な層は、エレクトロルミネセンス材料から成る。第一電極は、高い抵抗を有する材料、例えば、ρ=11×10−7Ωmの抵抗率を有するニクロムから成る。ファイバ10は、第一電極12及び第二電極14を短絡する働きをする伝導性ディスク18をさらに含む。第一電極及び第二電極に亘って電圧差が創成される。第一電極及び第二電極を短絡する伝導性ディスク18の存在は、電気光学的に活性な層16内に創成される電界が、ファイバ10の第一端部20からファイバ10の第二端部22に減少することを意味する。
【0069】
本発明の代替的な実施態様において、伝導性コア12は、より低い抵抗を有する材料、例えば、ρ=0.17×10−7Ωmの抵抗率を有する銅から成る。第一電極12は、複数の長さセグメント(図示せず)に分割され、第一端部20に向けて位置付けられる第一長さセグメントと、伝導性ディスク18に関連付けられ且つファイバ10の第二端部22に位置付けられる最終長さセグメントとを少なくとも含む。抵抗器が、第一電極12の隣接する長さセグメントの間に位置付けられている。各長さセグメントは、隣接する抵抗器と共に、抵抗性素子を形成する。
【0070】
電気光学的に活性な層16の抵抗(Rfibre)及び静電容量(Cfibre)を介して、ファイバ電極間の平行接続によって、電気光学的に活性な材料16の各長さセグメントを設計し得る。
【0071】
抵抗素子の抵抗(Rwire)は、それがRfibreよりも低いように選択される。これは、直流電圧が第一電極12に印加されるとき、電圧がコア電極の長さに亘って直線的に分かれることを意味する。
【0072】
図5は、第一電極12が複数の長さセグメント500に分割された実施態様における、図4に示されるファイバと均等な回路図を概略的に示している。
【0073】
第一抵抗器24が、隣接する長さセグメント500の間に位置付けられ、第二抵抗器26が、伝導性ディスク18と関連付けられている。
【0074】
第一電極12に印加される電圧は、交流電源でもあり得る。交流電源が第一電極12に印加される本発明の実施態様において、各抵抗素子のインピーダンスは、対応する長さセグメントの電気光学的に活性な層16のインピーダンス未満である。換言すれば、各抵抗素子のインピーダンスは、Rfibre及び1/(2πfCfibre)の両方よりも低い。
【0075】
第一電極12を便利な数の長さセグメント500に形成し得る。
【0076】
図6に今や転じると、5つの長さセグメント500を有するファイバ10における電力分布が示されている。
【0077】
本発明のこの実施態様では、電気光学的に活性な層が発光するよう任意の長さセグメントにおける光学的状態を変更するために克服されなければならない0.2ワットの電力閾値がある。
【0078】
図6のグラフに示される結果は、以下の値の様々なパラメータを使用して達成された。
Rfibre=100KΩ
Cfibre=100pF
Rwire=10KΩ
Cend=10KΩ
周波数=20KHz(正弦)
【0079】
それぞれの5つのセグメントのための電力は、それぞれ28,30,32,34,38で印付けされた線によって指し示されている。200ボルトの駆動電圧で、線28によって表わされる第一セグメントにおける電力が電力閾値に達することが分かる。この地点で、第一長さセグメントは発光するが、他のセグメントは発光しない。
【0080】
順次的に、この実施例において、300ボルトの直ぐ下の駆動電圧で、第二セグメントが線30によって表わされるように発光し、ほぼ450ボルトの駆動電圧で、第三セグメントが線32によって表示されるように発光するよう、他のセグメントの光学的状態が変更される。ほぼ700ボルトの駆動電圧で、第四セグメントも線34によって表示されるように発光する。この図示の実施態様において、第五セグメントが発光するのを可能にするために、駆動電圧は決して十分ではない。
【0081】
換言すれば、増大する駆動電圧のために、初期的に、第一セグメントは発光状態に切り換わり、第二セグメント等が後続する。これは電気光学的に活性な層16を形成するエレクトロルミネセンス材料の特性を使用する。そのような材料は、200mW(セグメント当たり)の閾電力を有し、その下では、顕著な光は放射されない。
【0082】
もし端部抵抗器26の抵抗が増大されるならば、セグメントに亘る電力の分割は同調され得る。抵抗器26の抵抗が(抵抗器24と比べ)高ければ高いほど、ファイバセグメントの電圧上の同調は、図7に示されるように、より近接して離間されるようになる。換言すれば、端部抵抗の値が40KΩであるファイバ10のための電力分布を示す図7に示されるように、電力閾値が、より低い駆動電圧で、各ファイバセグメントにおいて達成される。他のパラメータは、図6に関して上記に示されたパラメータと同一である。図7のグラフ中の線は、参照の容易性のために、図6の参照番号に対応する参照番号が付与されている。
【0083】
図7に示される実施例において、全ての5つの長さセグメントは、ほぼ300ボルトの駆動電圧でオン状態にある。
【0084】
図8を今や参照すると、本発明に従ったファイバ80又はフィラメントと均等な回路図に関して、本発明のさらなる実施態様が例証されている。この実施態様に従ったファイバ80は、図4及び5に示される部分と類似する部分を有する。しかしながら、ファイバの長さに沿って電圧を分割するために抵抗器を使用するよりもむしろ、コンデンサが代わりに使用されている。
【0085】
ファイバ80は、再び5つの長さセグメント500に分割され、隣接する長さセグメント間には、第一コンデンサ38が位置付けられている。ファイバ80は、ファイバの第二端部22に向かって位置付けられ且つ伝導性ディスク18と関連付けられた第二コンデンサ40をさらに含む。
【0086】
図9を参照すると、ファイバ80のそれぞれの5つのセグメント500のファイバ電力のグラフ表示が例証されている。線42,44,46,48,50は、それぞれの5つの長さセグメントにおける電力を表わしている。図9に示される実施例では、以下のパラメータが使用された。
Rfibre=100KΩ
Cfibre=100pF
Rwire=1nF
Cend=1nF
周波数=20KHz(正弦)
【0087】
抵抗器よりもむしろコンデンサを使用することの利点は、コンデンサが如何なる電力も散逸せず、従って、抵抗器ではなくコンデンサを使用するファイバ10の電力要件がより低いからである。
【0088】
図10を参照すると、本発明のさらなる実施態様が示されている。図4に示される部分に対応するファイバの部分は、参照の容易性のために、対応する参照番号が付与されている。ファイバ52は、その内部にコンデンサを包含する第一電極12を含む。第一電極12は、複数の絶縁スペーサ54をさらに含む。絶縁スペーサ54は、第一電極12を複数の伝導性コア56に分割する働きをする。絶縁スペーサ54は、隣接する伝導性コア56間の容量接続を幾何学的に形成している。
【0089】
露光地域の伝導率が照明位置で著しく減少するよう、例えば、感光性の伝導性材料をレーザに局所的に露光することによって、絶縁スペーサ54を形成し得る。感光性材料は、例えば、金粒子が充填された絶縁多孔性母材料であり得る。レーザビームによる露光は金を蒸発し、よって、非伝導性スペーサ54を構築する。
【0090】
図11及び12を参照すると、さらなる実施態様に従ったファイバ58が例証されている。
【0091】
図11は、ファイバ58を表わす回路図であり、図12は、ファイバ58の概略図である。
【0092】
ファイバ58は、図4に示される部分と類似する部分を含むが、追加的に、第二電極14を取り囲む絶縁透明塗膜76と、第二の透明伝導性塗膜の形態の第三電極64とを含む。
【0093】
ファイバ58は、各長さセグメントと平行な一対のダイオード69を含む。ダイオードは実質的に同一であり、約200ボルトの(結合)破壊電圧を有する。
【0094】
一対のダイオード60は、所定の破壊電圧を有し、反対の前方方向と直列に接続されている。離散的な構成素子を使用するときには、従来的な整流器(例えば、フィリップス半導体BYV27シリーズ)を使用し得る。
【0095】
加えて、各ダイオード60と関連付けられているのは、第一電極12及び第二電極14を接続する短絡と、第三電極64に接続される第三コンデンサ62である。
【0096】
第一電極12は、複数の離間した伝導性ディスク18を含み、伝導性ディスクのそれぞれは、1つの側で、絶縁リング82によって絶縁されている。絶縁リング82に対する伝導性ディスクの他の側に、第一電極12は、一対のダイオード60を含む。例えば、伝導性コアのために半導体性ベース材料を使用することによって、ダイオードを形成し得る。伝導性コアは、反対のドーピングが2つの適合された接合ダイオードを同時に創成する小さな地域を除き、高度にドープされる(P又はN型ドーピングのいずれか)。
【0097】
透明な伝導性塗膜14は、ディスク80の非絶縁側に接触している。第一及び第二の透明な伝導性塗膜14,64の間に位置付けられた絶縁透明塗膜76は、容量結合を形成する。
【0098】
交流電圧差が、第一電極12と第三電極64との間の第一長さセグメントに初期的に印加される。第一電極12と第二電極14との間の短絡の故に、交流電位は第二電極14に向けられる。しかしながら、もし電圧の大きさが破壊電圧よりも下であるならば、ダイオード60は交流電圧を遮断するのに対し、第三コンデンサ62は、第三電極64のゼロ電位を第一電極12に伝える。これは、第一電極12の第一長さセグメントにおいて、ダイオード60の右側で、電位がゼロであることを意味する。次いで、これは、第一電極12と第二電極14との間の電気光学的材料が、第一電極12と第三電極64との間に印加される実質的に全ての交流電圧を受けることを意味する。しかしながら、全ての他の長さセグメントにおいて、第一電極12及び第二電極14上の電位は、双方ともゼロ電圧と等しく、従って、それらのセグメントにおける電気光学層は電圧を受けない。
【0099】
これは交流電圧が第一ダイオード60の破壊電圧を超過するときに変わる。この時点で、ダイオードは、その破壊レベル(過電圧)の上にある交流電圧レベルの一部を、第一電極12の第一セグメント中のダイオード60の右側に移転する。次いで、これは、第一電気光学層を越える電圧が、ダイオードの破壊電圧と等しくなり、且つ、限定されることを意味する。過電圧は、短絡によって、第二長さセグメントの第二電極14に移転される。しかしながら、過電圧が破壊レベルよりも下である限り、換言すれば、ファイバに印加される交流電圧がダイオード60の破壊レベルの二倍と等しいレベルより下にあるとき、第二長さセグメントのダイオードは過電圧を遮断する。
【0100】
これは、第二長さセグメントにおいて、ダイオード60の右側にある第一電極12がゼロ電位のままであることを意味する。次いで、これは、第二長さセグメント中の電気光学層が過電圧を受け、従って、その光学的特性が変化することを意味する。これは、交流電圧がダイオード60の破壊レベルの二倍よりも大きくなるまで継続し、次に、ファイバを形成する第三長さセグメントが、ファイバの長さに沿って活性化され始めたりなどする。
【0101】
図11は接地接続を行うコンデンサ62を示しているが、抵抗器又はコンデンサ及び抵抗器の組み合わせも使用し得る。抵抗器を使用する利点は、直流電圧を使用することも可能であり、一対のダイオードよりもむしろ1つのダイオードだけが必要とされることである。しかしながら、抵抗器を使用するファイバは、上記に説明されたように、より少ない電力効率を有する。
【0102】
図11及び12に描写される実施態様では、電気光学的に活性な層が鋭い閾値を有する材料で形成されることは不要である。これは閾値が今やダイオードの非直線的なコンダクタンスに組み込まれるからであり、ダイオードはそれ自体が鋭い閾値(破壊)を示す。
【0103】
図13に今や転じると、図11及び12に示されるファイバ58を形成する5つのファイバ長さセグメントのそれぞれにおける電力が、線65,66,68,70,72によってグラフ的にそれぞれ例証されている。
【0104】
図13に見られるように、所与のファイバセグメントにおける電力は、それが閾値レベルに達するまで増大する。閾値レベル(この実施例では、200ボルト)で、そのファイバ長さセグメントにおける電力は飽和し始め、追加的な電力は隣の長さセグメントに移転される。このシーケンスは、それぞれの長さセグメントに沿って反復される。
【0105】
図13に描写される実施例では、以下のパラメータが適用された。
Rfibre=100KΩ
Cfibre=100pF
Vtダイオード=200V
Cground=100pF
F=20KHz(正弦)
【0106】
図14を今や参照すると、本発明に従った複数のファイバから成る織物88が概略的に例証されている。
【0107】
織物88は、長さセグメント100を有する本発明の第一の特徴に従った複数のファイバで形成されている。それぞれの長さセグメント100は、抵抗材料を含む第一電極102を含む。コア電極102は、ファイバの両端で互いに接続されている。それぞれの長さセグメントの第一電極及び第二電極は、織物の端部104で短絡される。織物の反対端部106で第一電極に電圧Vを印加することによって、それぞれの長さセグメントの光学的に活性な長さを同時に制御し得る。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】aは、従来的な色変化ファイバのオフ状態を示す概略図であり、bは、従来的な色変化ファイバのオン状態を示す概略図である。
【図2】a乃至dは、本発明に従ったファイバ又はフィラメントの所定部分の光学的状態を本発明に従ってどのように変化し得るかを示す概略図である。
【図3】状態を監視する表示器、例えば、MP3プレーヤーのような個人音楽システムとして働くネックストラップに組み込まれた本発明の第一の特徴に従ったファイバ又はフィラメントを示す概略図である。
【図4】本発明に従ったファイバ又はフィラメントを示す概略図である。
【図5】図4のファイバを示す回路図である。
【図6】図5の回路図のセグメントにおける異なる駆動電圧のための電力レベルを示すグラフである。
【図7】ファイバの最終セグメントと関連付けられた増大された抵抗を備える図5の回路図のセグメントに亘る電力分布を示すグラフである。
【図8】制御手段が1つ又はそれよりも多くのコンデンサを含む本発明の第一の特徴の第二実施態様を示す回路図である。
【図9】図8の回路図によって表わされるファイバのセグメント中の電力分布を示すグラフである。
【図10】複数の絶縁スペーサを含む本発明の第一の特徴の第三実施態様に従ったファイバを示す概略図である。
【図11】本発明の第一の特徴の第四実施態様に従ったファイバを示す回路図である。
【図12】本発明の第一の特徴の第四実施態様に従ったファイバを示す概略図である。
【図13】図11の回路図によって表わされるファイバの一部を形成するセグメントにおける電力分布を示すグラフである。
【図14】本発明の第一の特徴に従ったファイバ又はフィラメントから成る織物を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバ又はフィラメント、具体的には、その内部に組み込まれる1つ又はそれよりも多くの表示器ディスプレイを有する織物又は衣服内への包含に適したファイバ又はフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
色変化を受け得る電気光学的材料から成る多様な種類のファイバ及びフィラメントが知られている。例えば、エレクトロルミネセンス材料又はポリマーLED材料のような電気光学的に活性な材料からファイバ又はフィラメントを形成することが知られている。液晶、電気泳動粒子、又は、エレクトロクロム材料を、ファイバ又はフィラメントを形成する電気光学的材料として使用することも可能である。
【0003】
一般的に、この種類の全ての既知のファイバ及びフィラメントは、同一の基本構造を有し、以下を含む。
1.ファイバ又はフィラメントの中心で或いは中心に向かってファイバ又はフィラメントを通じて軸方向に走る伝導性コア又は電極と、
2.コア電極を被覆する電気光学層と、
3.透明な伝導性外部電極。
【0004】
コア電極と外部電極との間に電圧差を印加することによって、ファイバの全長に亘って電気光学層内に電界が生成される。生成される電界はファイバに沿った方向に均質であり、電気光学層の光学的状態に変化を誘発する。光学的状態の変化は、電気光学層を形成する材料及び電極に亘って印加される電界に依存する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気光学的に活性な層に亘って印加される電圧差によって、ファイバ又はフィラメントの光学的に活性な部分の長さを制御し得る、ファイバ又はフィラメントを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の特徴によれば、
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含むファイバ又はフィラメントであって、
電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に第一電極と第二電極との間に位置付けられ、
ファイバ又はフィラメントは、
ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含む、
ファイバ又はフィラメントが提供される。
【0007】
本発明を用いることで、所定領域の長さを制御し得るよう、ファイバ又はフィラメントの所定領域の光学的状態を制御することが可能である。
【0008】
ファイバ又はフィラメント内の位置での光学的状態は、電気光学的に活性な層によって放射され、反射され、或いは、吸収される光によって特徴付けられる。請求されるような本発明は、内部又は外部の光源の双方からの光を反射し或いは吸収する光学的に活性な層を有するファイバ又はフィラメントに関する。
【0009】
使用中、所定領域の光学的状態は、ファイバの他の部分が発光しないときに発光するようであり得る。
【0010】
これは、電気光学的に活性な層の光学的状態を電極の全長に亘って均質に変更することだけが可能な既知の色変化ファイバ又はフィラメントと鮮明なコントラストがある。実際には、これは、既知の色変化ファイバにおける光学的状態がファイバの全長に沿って同一であることを意味する。
【0011】
これは、例えば、電気光学的に活性な層が、その上はオン状態にあり且つその下はオフ状態にある閾電圧を有する材料から成るとき、既知の色変化ファイバにおいて、ファイバ全体は、発光しないオフ状態或いは発光するオン状態のいずれかにあることを意味する。
【0012】
本発明を用いることで、ファイバ又はフィラメントの可変な長さがオン状態にあり、従って、如何なる所与の時間にも光を放射するよう、電気光学的に活性な材料の光学的状態をファイバ又はフィラメントの長さに沿って変更することが可能である。
【0013】
ファイバ又はフィラメントの所定領域は、ファイバ又はフィラメントだけの部分を含み得るし、或いは、ファイバ又はフィラメント全体を含み得る。
【0014】
本発明は、表示器として、或いは、衣服に組み込まれる表示器としての使用に特に適している。
【0015】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、電気光学的に活性な層に亘って電圧差を印加するための電圧手段を含む。
【0016】
好ましくは、制御手段は、ファイバの長さに沿って、電気光学的に活性な層に亘って印加される電圧差を制御可能に変化する。
【0017】
電圧差は、直流電圧差又は交流電圧差であり得る。
【0018】
好ましくは、ファイバ又はフィラメントは実質的に円筒形である。
【0019】
有利に、第一電極は、ファイバ又はフィラメントの中心部分に或いは中心部分に近接して位置付けられ、第二電極は、ファイバ又はフィラメントの外面に或いは外面に近接して位置付けられる。
【0020】
有利に、第一電極は、実質的にファイバ又はフィラメントの軸に沿って延在する。
【0021】
便利に、第二電極は、第一伝導性塗膜を含み、第一伝導性塗膜は、好適実施態様において透明である。
【0022】
好ましくは、電気光学的に活性な層は、エレクトロルミネセンス材料を含むが、他の種類の光学的に活性な材料も使用し得る。
【0023】
代替的に、電気光学的に活性な層は、発光ポリマー(ポリLED)、液晶材料、電気泳動粒子、懸濁液、又は、エレクトロクロム材料を含み得る。
【0024】
エレクトロルミネセンス材料に亘って印加される電界を変えることによって、エレクトロルミネセンス材料の光学的状態を変更し得る。材料は、典型的には約200ボルトの閾電圧を有する。閾電圧より下の電界が材料に印加されるとき、材料はオフ状態のままであり、発光しない。閾値レベルよりも上の電界が材料に亘って印加されるとき、材料は、それが発光するオン状態に切り換わる。
【0025】
好ましくは、制御手段は、第一電極と第二電極との間に延在する導体を含む。
【0026】
導体は、如何なる便利な形態をも取り得るし、例えば、電気光学的に活性な材料を通じて第一電極から第二電極に延在するディスクの形状にあり得る。
【0027】
よって、導体は、第一電極と第二電極との間に短絡を創成する働きをする。次いで、これは、もし第一電極及び第二電極に亘って電圧差が印加されるならば、電気光学的に活性な層に創成される電界の強度は、導体に向かって減少することを意味する。
【0028】
次いで、これは、電気光学的に活性な材料の光学的状態は材料中に存在する段階の強度によって支配されるので、電気光学的に活性な材料の光学的状態は、第一電極及び第二電極の長さに沿って印加される電圧差と共に変化する。
【0029】
第一電極及び第二電極の一方は、より高い抵抗を備える材料から成り得る。
【0030】
チタン(ρ=5.6×10−7Ωm)又はインコネル(ρ=9.8×10−7Ωm)若しくはニクロム(ρ=11×10−7Ωm)のようなニッケル−クロム合金抵抗電極を作成し得る。
【0031】
代替的に、十分に高い抵抗をもたらすために、ファイバが適切な寸法を有するようファイバを製造し得る。例えば、20μmの直径(米国電線規格52に対応する)を有する銅(ρ=0.17×10−7Ωm)から成る極めて薄いワイヤは、より従来的な200μmの直径(米国電線規格32に対応する)を備える銅線よりも100倍大きい抵抗を有する。20μmの薄い銅線は、ニクロムから作成される200μmの厚い電線と同程度の抵抗を有する。
【0032】
本発明のそのような実施態様において、第一電極及び第二電極に亘る、従って、電気光学的に活性な層に亘る電界は、ファイバ又はフィラメントの長さに沿って漸減する。
【0033】
有利に、第一電極又は第二電極は、第一長さセグメント及び第二長さセグメントを少なくとも含む複数の長さセグメントに分割され、その第一長さセグメント及び第二長さセグメントは、第一電極の両端に或いは両端に向かって位置付けられる。
【0034】
本発明の1つの実施態様において、制御手段は、一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる第一抵抗器を含み得る。好ましくは、制御手段は、複数の第一抵抗器を含み、それぞれの第一抵抗器は、それぞれの一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる。有利に、制御手段は、最終長さセグメントと関連付けられる第二抵抗器をさらに含む。
【0035】
そのような実施態様において、導体は、好ましくは、最終長さセグメントに或いは最終長さセグメントに近接して位置付けられる。
【0036】
抵抗(Rfibre)及び静電容量(Cfibre)を介して、第一電極と第二電極との間の平行接続によって、電気光学的に活性な層の各長さセグメントを設計し得る。第一電極と第二電極の各長さセグメントは、各抵抗器と共に、抵抗Rwireを有する抵抗素子を形成する。抵抗素子(Rwire)の抵抗がRfibreよりも低いように選択されるとき、第一電極に印加される直流電圧は、第一電極の長さに亘って直線的に分かれる。
【0037】
他の実施態様では、電気光学的に活性な層を駆動するために、交流電圧が使用される。交流電圧が使用されるとき、抵抗素子(長さセグメント及び抵抗器)のインピーダンスは、電気光学的に活性な層の総インピーダンスよりも低くなければならない。換言すれば、各抵抗素子のインピーダンスRwireは、Rfibre及び1/(2πfCfibre)の両方よりも低くなければならない。
【0038】
抵抗素子の存在の故に、電圧差が第一電極及び第二電極に亘って印加されるとき、電力はファイバ全体に亘って均一に分配されない。第一セグメントは第二セグメントよりも多くの電力を受け取り、最終セグメントまで、第二セグメントは第三セグメントよりも多くの電力を受け取ったり等である。これは、特定の電圧差まで、第一セグメントのみがオン状態にあることを意味する。十分な電力がファイバに加えられると想定すれば、電圧差が増大すると、最終セグメントまで、第二セグメントも発光する等である。
【0039】
ファイバの長さに沿った電力の分割を同調するために第二抵抗器を使用し得る。第二抵抗器の抵抗が高ければ高いほど、連続的な長さセグメントをオン状態に切り換えさせるために、より少ない電力が必要とされる。
【0040】
本発明の好適実施態様において、制御手段は、一対の隣接するセグメントの間に位置付けられる第一コンデンサを含む。
【0041】
好ましくは、制御手段は、複数の第一コンデンサを含み、それぞれの第一コンデンサは、それぞれの一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる。
【0042】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、最終長さセグメントと関連付けられる第二コンデンサをさらに含む。
【0043】
抵抗器よりもむしろコンデンサを使用することの利点は、コンデンサがそれ自体では電力を散逸しないことである。従って、コンデンサを組み込むファイバ又はフィラメントは、抵抗器を組み込むファイバ又はフィラメントよりも低い電力要求を有する。
【0044】
交流電圧が第一電極及び第二電極に亘って供給されるとき、コンデンサは電圧を分割するが、それらは如何なる電力をも散逸しない。各コンデンサのインピーダンス(1/(2πfCwire))は、電気光学的に活性な層の均等なインピーダンスよりも低く(且つRfibre及び(1/(2πfCfibre))の両方よりも低く)なければならない。
【0045】
代替的に、第一電極又は第二電極は、複数の離間した絶縁体を含む。
【0046】
複数の絶縁体は、長さセグメントへの容量接続を形成する。
【0047】
そのようなファイバ又はフィラメントでは、第一電極を形成するために使用される材料はその内部に「容量性」材料を包含するので、離散的なコンデンサを使用することは不要である。第一電極を形成する材料は、例えば、金粒子で充填された絶縁多孔性母材料を含む感光性の伝導性材料を含み得る。
【0048】
次に、感光性の伝導性材料をレーザに晒して、金を蒸発し、隣接する長さセグメントの間の容量性接続として作用する非伝導性スペーサを構築し得る。
【0049】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、第一電極に沿って離間間隔に位置付けられる複数の第一導体と、各導体と関連付けられるダイオードとを含む。
【0050】
好ましくは、制御手段は、1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つのダイオードを含む。
【0051】
有利に、ファイバ又はフィラメントは、第三電極をさらに含み、制御手段は、1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられ且つ第三電極に接続される、少なくとも1つの第三コンデンサをさらに含む。
【0052】
一部の実施態様では、第三電極を接地し得る。
【0053】
ダイオードの破壊電圧よりも少ない低い駆動電圧が第一電極及び第三電極に亘って印加されるとき、第一長さセグメント内のダイオードは、高度に抵抗性の接続のように挙動する。これは、全電流が、第一ファイバセグメントを通じ、次に、接地に向かって流れることを意味する。これは、接地に対する第三コンデンサのインピーダンスが、電気光学的に活性な層の総インピーダンスよりも低いように選択されるからである。次いで、これは、低い駆動電圧で、全電力が第一長さセグメントに向けられることを意味する。
【0054】
駆動電圧の振幅が閾破壊電圧を越えて増大すると、第一長さセグメントと関連付けられる少なくとも1つのダイオードが「破壊」し、低いインピーダンスで伝導し始める。閾破壊電圧を越える超過電圧は、第三コンデンサによって吸収される。これは第三コンデンサを越えて電圧を上げる。同時に、第二長さセグメントに亘る電圧が増加し始める。このシーケンスは電極の全長に沿って反復される。
【0055】
代替的な実施態様において、ファイバ又はフィラメントは、第三電極に接続される第三コンデンサよりもむしろ第三抵抗器を含む。他の実施態様において、ファイバ又はフィラメントは、1つ又はそれよりも多くのコンデンサ及び抵抗器の組み合わせを含み得る。
【0056】
好ましくは、制御手段は、第一電極に沿って離間間隔で位置付けられる複数の導体と、各導体と関連付けられるダイオードとを含む。
【0057】
有利に、各導体は絶縁体を含む。好ましくは、ファイバ又はフィラメントは、外部絶縁塗膜をさらに含む。便利に、ファイバ又はフィラメントは、第二伝導性塗膜を含む。
【0058】
本発明の第二の特徴によれば、
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含み、
電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に第一電極と第二電極との間に位置付けられるファイバ又はフィラメントを製造する方法であって、
ファイバ又はフィラメントは、
ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含み、
当該方法は、
(i)伝導性コアを電気光学層で被覆するステップと、
(ii)電気光学層を伝導性塗膜で被覆し、電気光学層を伝導性塗膜及び伝導性コアに接触するステップとを含む、
方法が提供される。
【0059】
本発明の第二の特徴の好適且つ有利な機能は、添付の請求項25乃至38に示されている。
【0060】
本発明の第三の特徴によれば、複数のファイバ又はフィラメントから成る織物又は編物が提供される。
【0061】
添付の図面を参照して、本発明をさらに例証としてのみ記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
図1a及び1bを参照すると、従来的な色変化ファイバが概ね参照番号2によって指し示されている。既知の色変化ファイバは、一般的に、内部コア電極と、透明塗膜の形態の外部電極とを含む。内部電極と外部電極との間には、電気光学的に活性な材料がある。図1aにおいて、電気光学的に活性な材料は、オフ状態で示されており、図1bにおいて、電気光学的に活性な材料は、光を放射するオン状態で示されている。従来的な色変化ファイバでは、オン状態又はオフ状態にあるファイバ全体を有することだけが可能である。換言すれば、発光するか或いは発光しないファイバ全体を有することだけが可能である。
【0063】
図2a、b、c、及び、dを参照すると、本発明に従ったファイバが概ね参照番号4によって指し示されている。本発明によれば、以下により詳細に説明されるように、所定領域6の長さを制御し得るよう、ファイバ4の所定領域の光学的状態を変更することが可能である。
【0064】
図2aでは、ファイバ全体がオフ状態にある。図2bでは、所定領域6がオン状態にある。図2cでは、所定領域6の長さは、図2bの領域6よりも長く、図2dでは、ファイバ全体がオン状態にある。
【0065】
よって、本発明を用いることで、ファイバ4の発光部分の長さを変えることが可能である。
【0066】
衣服又は他の装着可能なエレクトロニクスを形成するために、本発明に従ったファイバを使用し得る。
【0067】
図3に今や転じると、本発明に従った複数のファイバ4から成る織物から形成されたネックストラップ8が示されている。再生されている音楽のトラック、電池の電力容量、音量等のような音楽システムの多様なパラメータを表示するために、MP3プレーヤーのような個人音楽システムと共にネックストラップを使用し得る。
【0068】
図4に今や転じると、本発明の第一実施態様に従ったファイバが、概ね参照番号10によって指し示されている。ファイバ10は、伝導性コアの形態の第一電極12と、透明な伝導性塗膜の形態の第二電極14とを含む。ファイバは、如何なる適切な電気光学的に活性な材料からも形成される電気光学的に活性な層16をさらに含む。この実施態様において、電気光学的に活性な層は、エレクトロルミネセンス材料から成る。第一電極は、高い抵抗を有する材料、例えば、ρ=11×10−7Ωmの抵抗率を有するニクロムから成る。ファイバ10は、第一電極12及び第二電極14を短絡する働きをする伝導性ディスク18をさらに含む。第一電極及び第二電極に亘って電圧差が創成される。第一電極及び第二電極を短絡する伝導性ディスク18の存在は、電気光学的に活性な層16内に創成される電界が、ファイバ10の第一端部20からファイバ10の第二端部22に減少することを意味する。
【0069】
本発明の代替的な実施態様において、伝導性コア12は、より低い抵抗を有する材料、例えば、ρ=0.17×10−7Ωmの抵抗率を有する銅から成る。第一電極12は、複数の長さセグメント(図示せず)に分割され、第一端部20に向けて位置付けられる第一長さセグメントと、伝導性ディスク18に関連付けられ且つファイバ10の第二端部22に位置付けられる最終長さセグメントとを少なくとも含む。抵抗器が、第一電極12の隣接する長さセグメントの間に位置付けられている。各長さセグメントは、隣接する抵抗器と共に、抵抗性素子を形成する。
【0070】
電気光学的に活性な層16の抵抗(Rfibre)及び静電容量(Cfibre)を介して、ファイバ電極間の平行接続によって、電気光学的に活性な材料16の各長さセグメントを設計し得る。
【0071】
抵抗素子の抵抗(Rwire)は、それがRfibreよりも低いように選択される。これは、直流電圧が第一電極12に印加されるとき、電圧がコア電極の長さに亘って直線的に分かれることを意味する。
【0072】
図5は、第一電極12が複数の長さセグメント500に分割された実施態様における、図4に示されるファイバと均等な回路図を概略的に示している。
【0073】
第一抵抗器24が、隣接する長さセグメント500の間に位置付けられ、第二抵抗器26が、伝導性ディスク18と関連付けられている。
【0074】
第一電極12に印加される電圧は、交流電源でもあり得る。交流電源が第一電極12に印加される本発明の実施態様において、各抵抗素子のインピーダンスは、対応する長さセグメントの電気光学的に活性な層16のインピーダンス未満である。換言すれば、各抵抗素子のインピーダンスは、Rfibre及び1/(2πfCfibre)の両方よりも低い。
【0075】
第一電極12を便利な数の長さセグメント500に形成し得る。
【0076】
図6に今や転じると、5つの長さセグメント500を有するファイバ10における電力分布が示されている。
【0077】
本発明のこの実施態様では、電気光学的に活性な層が発光するよう任意の長さセグメントにおける光学的状態を変更するために克服されなければならない0.2ワットの電力閾値がある。
【0078】
図6のグラフに示される結果は、以下の値の様々なパラメータを使用して達成された。
Rfibre=100KΩ
Cfibre=100pF
Rwire=10KΩ
Cend=10KΩ
周波数=20KHz(正弦)
【0079】
それぞれの5つのセグメントのための電力は、それぞれ28,30,32,34,38で印付けされた線によって指し示されている。200ボルトの駆動電圧で、線28によって表わされる第一セグメントにおける電力が電力閾値に達することが分かる。この地点で、第一長さセグメントは発光するが、他のセグメントは発光しない。
【0080】
順次的に、この実施例において、300ボルトの直ぐ下の駆動電圧で、第二セグメントが線30によって表わされるように発光し、ほぼ450ボルトの駆動電圧で、第三セグメントが線32によって表示されるように発光するよう、他のセグメントの光学的状態が変更される。ほぼ700ボルトの駆動電圧で、第四セグメントも線34によって表示されるように発光する。この図示の実施態様において、第五セグメントが発光するのを可能にするために、駆動電圧は決して十分ではない。
【0081】
換言すれば、増大する駆動電圧のために、初期的に、第一セグメントは発光状態に切り換わり、第二セグメント等が後続する。これは電気光学的に活性な層16を形成するエレクトロルミネセンス材料の特性を使用する。そのような材料は、200mW(セグメント当たり)の閾電力を有し、その下では、顕著な光は放射されない。
【0082】
もし端部抵抗器26の抵抗が増大されるならば、セグメントに亘る電力の分割は同調され得る。抵抗器26の抵抗が(抵抗器24と比べ)高ければ高いほど、ファイバセグメントの電圧上の同調は、図7に示されるように、より近接して離間されるようになる。換言すれば、端部抵抗の値が40KΩであるファイバ10のための電力分布を示す図7に示されるように、電力閾値が、より低い駆動電圧で、各ファイバセグメントにおいて達成される。他のパラメータは、図6に関して上記に示されたパラメータと同一である。図7のグラフ中の線は、参照の容易性のために、図6の参照番号に対応する参照番号が付与されている。
【0083】
図7に示される実施例において、全ての5つの長さセグメントは、ほぼ300ボルトの駆動電圧でオン状態にある。
【0084】
図8を今や参照すると、本発明に従ったファイバ80又はフィラメントと均等な回路図に関して、本発明のさらなる実施態様が例証されている。この実施態様に従ったファイバ80は、図4及び5に示される部分と類似する部分を有する。しかしながら、ファイバの長さに沿って電圧を分割するために抵抗器を使用するよりもむしろ、コンデンサが代わりに使用されている。
【0085】
ファイバ80は、再び5つの長さセグメント500に分割され、隣接する長さセグメント間には、第一コンデンサ38が位置付けられている。ファイバ80は、ファイバの第二端部22に向かって位置付けられ且つ伝導性ディスク18と関連付けられた第二コンデンサ40をさらに含む。
【0086】
図9を参照すると、ファイバ80のそれぞれの5つのセグメント500のファイバ電力のグラフ表示が例証されている。線42,44,46,48,50は、それぞれの5つの長さセグメントにおける電力を表わしている。図9に示される実施例では、以下のパラメータが使用された。
Rfibre=100KΩ
Cfibre=100pF
Rwire=1nF
Cend=1nF
周波数=20KHz(正弦)
【0087】
抵抗器よりもむしろコンデンサを使用することの利点は、コンデンサが如何なる電力も散逸せず、従って、抵抗器ではなくコンデンサを使用するファイバ10の電力要件がより低いからである。
【0088】
図10を参照すると、本発明のさらなる実施態様が示されている。図4に示される部分に対応するファイバの部分は、参照の容易性のために、対応する参照番号が付与されている。ファイバ52は、その内部にコンデンサを包含する第一電極12を含む。第一電極12は、複数の絶縁スペーサ54をさらに含む。絶縁スペーサ54は、第一電極12を複数の伝導性コア56に分割する働きをする。絶縁スペーサ54は、隣接する伝導性コア56間の容量接続を幾何学的に形成している。
【0089】
露光地域の伝導率が照明位置で著しく減少するよう、例えば、感光性の伝導性材料をレーザに局所的に露光することによって、絶縁スペーサ54を形成し得る。感光性材料は、例えば、金粒子が充填された絶縁多孔性母材料であり得る。レーザビームによる露光は金を蒸発し、よって、非伝導性スペーサ54を構築する。
【0090】
図11及び12を参照すると、さらなる実施態様に従ったファイバ58が例証されている。
【0091】
図11は、ファイバ58を表わす回路図であり、図12は、ファイバ58の概略図である。
【0092】
ファイバ58は、図4に示される部分と類似する部分を含むが、追加的に、第二電極14を取り囲む絶縁透明塗膜76と、第二の透明伝導性塗膜の形態の第三電極64とを含む。
【0093】
ファイバ58は、各長さセグメントと平行な一対のダイオード69を含む。ダイオードは実質的に同一であり、約200ボルトの(結合)破壊電圧を有する。
【0094】
一対のダイオード60は、所定の破壊電圧を有し、反対の前方方向と直列に接続されている。離散的な構成素子を使用するときには、従来的な整流器(例えば、フィリップス半導体BYV27シリーズ)を使用し得る。
【0095】
加えて、各ダイオード60と関連付けられているのは、第一電極12及び第二電極14を接続する短絡と、第三電極64に接続される第三コンデンサ62である。
【0096】
第一電極12は、複数の離間した伝導性ディスク18を含み、伝導性ディスクのそれぞれは、1つの側で、絶縁リング82によって絶縁されている。絶縁リング82に対する伝導性ディスクの他の側に、第一電極12は、一対のダイオード60を含む。例えば、伝導性コアのために半導体性ベース材料を使用することによって、ダイオードを形成し得る。伝導性コアは、反対のドーピングが2つの適合された接合ダイオードを同時に創成する小さな地域を除き、高度にドープされる(P又はN型ドーピングのいずれか)。
【0097】
透明な伝導性塗膜14は、ディスク80の非絶縁側に接触している。第一及び第二の透明な伝導性塗膜14,64の間に位置付けられた絶縁透明塗膜76は、容量結合を形成する。
【0098】
交流電圧差が、第一電極12と第三電極64との間の第一長さセグメントに初期的に印加される。第一電極12と第二電極14との間の短絡の故に、交流電位は第二電極14に向けられる。しかしながら、もし電圧の大きさが破壊電圧よりも下であるならば、ダイオード60は交流電圧を遮断するのに対し、第三コンデンサ62は、第三電極64のゼロ電位を第一電極12に伝える。これは、第一電極12の第一長さセグメントにおいて、ダイオード60の右側で、電位がゼロであることを意味する。次いで、これは、第一電極12と第二電極14との間の電気光学的材料が、第一電極12と第三電極64との間に印加される実質的に全ての交流電圧を受けることを意味する。しかしながら、全ての他の長さセグメントにおいて、第一電極12及び第二電極14上の電位は、双方ともゼロ電圧と等しく、従って、それらのセグメントにおける電気光学層は電圧を受けない。
【0099】
これは交流電圧が第一ダイオード60の破壊電圧を超過するときに変わる。この時点で、ダイオードは、その破壊レベル(過電圧)の上にある交流電圧レベルの一部を、第一電極12の第一セグメント中のダイオード60の右側に移転する。次いで、これは、第一電気光学層を越える電圧が、ダイオードの破壊電圧と等しくなり、且つ、限定されることを意味する。過電圧は、短絡によって、第二長さセグメントの第二電極14に移転される。しかしながら、過電圧が破壊レベルよりも下である限り、換言すれば、ファイバに印加される交流電圧がダイオード60の破壊レベルの二倍と等しいレベルより下にあるとき、第二長さセグメントのダイオードは過電圧を遮断する。
【0100】
これは、第二長さセグメントにおいて、ダイオード60の右側にある第一電極12がゼロ電位のままであることを意味する。次いで、これは、第二長さセグメント中の電気光学層が過電圧を受け、従って、その光学的特性が変化することを意味する。これは、交流電圧がダイオード60の破壊レベルの二倍よりも大きくなるまで継続し、次に、ファイバを形成する第三長さセグメントが、ファイバの長さに沿って活性化され始めたりなどする。
【0101】
図11は接地接続を行うコンデンサ62を示しているが、抵抗器又はコンデンサ及び抵抗器の組み合わせも使用し得る。抵抗器を使用する利点は、直流電圧を使用することも可能であり、一対のダイオードよりもむしろ1つのダイオードだけが必要とされることである。しかしながら、抵抗器を使用するファイバは、上記に説明されたように、より少ない電力効率を有する。
【0102】
図11及び12に描写される実施態様では、電気光学的に活性な層が鋭い閾値を有する材料で形成されることは不要である。これは閾値が今やダイオードの非直線的なコンダクタンスに組み込まれるからであり、ダイオードはそれ自体が鋭い閾値(破壊)を示す。
【0103】
図13に今や転じると、図11及び12に示されるファイバ58を形成する5つのファイバ長さセグメントのそれぞれにおける電力が、線65,66,68,70,72によってグラフ的にそれぞれ例証されている。
【0104】
図13に見られるように、所与のファイバセグメントにおける電力は、それが閾値レベルに達するまで増大する。閾値レベル(この実施例では、200ボルト)で、そのファイバ長さセグメントにおける電力は飽和し始め、追加的な電力は隣の長さセグメントに移転される。このシーケンスは、それぞれの長さセグメントに沿って反復される。
【0105】
図13に描写される実施例では、以下のパラメータが適用された。
Rfibre=100KΩ
Cfibre=100pF
Vtダイオード=200V
Cground=100pF
F=20KHz(正弦)
【0106】
図14を今や参照すると、本発明に従った複数のファイバから成る織物88が概略的に例証されている。
【0107】
織物88は、長さセグメント100を有する本発明の第一の特徴に従った複数のファイバで形成されている。それぞれの長さセグメント100は、抵抗材料を含む第一電極102を含む。コア電極102は、ファイバの両端で互いに接続されている。それぞれの長さセグメントの第一電極及び第二電極は、織物の端部104で短絡される。織物の反対端部106で第一電極に電圧Vを印加することによって、それぞれの長さセグメントの光学的に活性な長さを同時に制御し得る。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】aは、従来的な色変化ファイバのオフ状態を示す概略図であり、bは、従来的な色変化ファイバのオン状態を示す概略図である。
【図2】a乃至dは、本発明に従ったファイバ又はフィラメントの所定部分の光学的状態を本発明に従ってどのように変化し得るかを示す概略図である。
【図3】状態を監視する表示器、例えば、MP3プレーヤーのような個人音楽システムとして働くネックストラップに組み込まれた本発明の第一の特徴に従ったファイバ又はフィラメントを示す概略図である。
【図4】本発明に従ったファイバ又はフィラメントを示す概略図である。
【図5】図4のファイバを示す回路図である。
【図6】図5の回路図のセグメントにおける異なる駆動電圧のための電力レベルを示すグラフである。
【図7】ファイバの最終セグメントと関連付けられた増大された抵抗を備える図5の回路図のセグメントに亘る電力分布を示すグラフである。
【図8】制御手段が1つ又はそれよりも多くのコンデンサを含む本発明の第一の特徴の第二実施態様を示す回路図である。
【図9】図8の回路図によって表わされるファイバのセグメント中の電力分布を示すグラフである。
【図10】複数の絶縁スペーサを含む本発明の第一の特徴の第三実施態様に従ったファイバを示す概略図である。
【図11】本発明の第一の特徴の第四実施態様に従ったファイバを示す回路図である。
【図12】本発明の第一の特徴の第四実施態様に従ったファイバを示す概略図である。
【図13】図11の回路図によって表わされるファイバの一部を形成するセグメントにおける電力分布を示すグラフである。
【図14】本発明の第一の特徴に従ったファイバ又はフィラメントから成る織物を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含む、
ファイバ又はフィラメントであって、
前記電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に前記第一電極と前記第二電極との間に位置付けられ、
当該ファイバ又はフィラメントは、
当該ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、前記所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含む、
ファイバ又はフィラメント。
【請求項2】
前記電気光学的に活性な層に亘る電圧差を印加するための電圧手段を含む、請求項1に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項3】
前記制御手段は、当該ファイバ又はフィラメントの長さに沿って、前記電気光学的に活性な層に印加される前記電圧差を制御可能に変更する、請求項2に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項4】
当該ファイバ又はフィラメントは、実質的に円筒形である、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項5】
前記第一電極は、当該ファイバ又はフィラメントの中心部に或いは中心部に近接して位置付けられ、前記第二電極は、当該ファイバ又はフィラメントの外面に或いは外面に近接して位置付けられる、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項6】
前記第一電極は、実質的に当該ファイバ又はフィラメントの軸に沿って延在する、請求項4に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項7】
前記第二電極は、第一伝導性塗膜を含む、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項8】
前記第一伝導性塗膜は透明である、請求項7に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項9】
前記電気光学的に活性な層は、エレクトロルミネセンス材料を含む、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第一電極と前記第二電極との間に延在する導体を含む、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項11】
前記第一電極は、前記第一電極の両端部に或いは両端部に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割される、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項12】
前記第二電極は、前記第二電極の両端部に或いは両端部に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割される、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント
【請求項13】
前記制御手段は、一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる第一抵抗器をさらに含む、前記第一電極の両端部に或いは両端部に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割される、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項14】
前記制御手段は、複数の第一抵抗器をさらに含み、それぞれの第一抵抗器は、隣接する長さセグメントのそれぞれの対の間に位置付けられる、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項15】
前記制御手段は、前記最終長さセグメントに関連付けられる第二抵抗器をさらに含む、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項16】
前記制御手段は、一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる第一コンデンサをさらに含む、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項17】
前記制御手段は、複数の第一コンデンサをさらに含み、それぞれの第一コンデンサは、それぞれの対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項18】
前記制御手段は、前記最終長さセグメントに関連付けられる第二コンデンサをさらに含む、請求項11、12、16、又は、17に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項19】
前記第一電極は、複数の離間した絶縁体をさらに含む、請求項16乃至18のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項20】
前記第二電極は、複数の離間した絶縁体を含む、請求項16乃至18のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項21】
前記制御手段は、1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つのダイオードをさらに含む、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項22】
第三電極を含み、前記制御手段は、前記1つの又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つの第三コンデンサをさらに含み、該第三コンデンサは、前記第三電極に接続される、請求項21に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項23】
第三電極を含み、前記制御手段は、前記1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つの第三抵抗器を含み、該第三抵抗器は、前記第三電極に接続される、請求項21に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項24】
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含み、
前記電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に前記第一電極と前記第二電極との間に位置付けられるファイバ又はフィラメントを製造する方法であって、
前記ファイバ又はフィラメントは、
前記ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、前記所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含み、
当該方法は、
(i)伝導性コアを電気光学層で被覆するステップと、
(ii)前記電気光学層を伝導性塗膜で被覆し、前記電気光学層を前記伝導性塗膜及び前記伝導性コアに接触するステップとを含む、
方法。
【請求項25】
高抵抗材料で前記伝導性コアを形成するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記伝導性コアと接触する導体を配置するステップを含む、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
(iii)前記伝導性コアを、前記伝導性コアの両端に或いは該両端に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割するステップをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項28】
(iv)第一抵抗器を少なくとも一対の隣接する長さセグメントの間に挿入するステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
(v)第二抵抗器を前記最終長さセグメントと関連付けるステップをさらに含む、
請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
(iv)第一コンデンサを少なくとも一対の隣接する長さセグメントの間に挿入するステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項31】
第二コンデンサを前記最終長さセグメントと関連付けるステップをさらに含む、
請求項27又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記ステップ(i)の前に、
(a)前記伝導性コアに沿った離間間隔で複数の絶縁体を形成するステップをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項33】
(iv)少なくとも1つのダイオードを少なくとも1つの長さセグメントと関連付けるステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項34】
(v)第三抵抗器を少なくとも1つの長さセグメントと関連付けるステップと、
(vi)前記ファイバ又はフィラメントの実質的又は部分的な周りに第三電極を形成するステップと、
(vii)前記第三抵抗器を前記第三電極と並びに前記第一電極及び前記第二電極の一方又は両方と接続するステップとをさらに含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(v)第三コンデンサを前記少なくとも1つの長さセグメントと関連付けるステップと、
(vi)前記ファイバ又はフィラメントの実質的又は部分的な周りに第三電極を形成するステップと、
(vii)前記第三コンデンサを前記第三電極並びに前記第一電極及び前記第二電極の一方又は両方と接続するステップとをさらに含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ステップ(i)の前に、
(a)複数の導体を前記伝導性コアに沿った離間間隔で前記伝導性コアと接触して配置し、前記導体を前記伝導性塗膜に接続するステップと、
(b)ダイオードを各導体に関連付けるステップとをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(ii)の後に、
(iii)絶縁塗膜を前記ファイバ又はフィラメントに塗布するステップをさらに含む、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
(iv)第二伝導性塗膜を前記ファイバ又はフィラメントに塗布することによって第三電極を形成するステップをさらに含む、
請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
請求項1乃至23のうちいずれか1項に記載の複数のファイバ又はフィラメントから成る織物又は編物。
【請求項40】
請求項1乃至23のうちいずれか1項に記載の複数のファイバ又はフィラメントから成る衣服。
【請求項1】
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含む、
ファイバ又はフィラメントであって、
前記電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に前記第一電極と前記第二電極との間に位置付けられ、
当該ファイバ又はフィラメントは、
当該ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、前記所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含む、
ファイバ又はフィラメント。
【請求項2】
前記電気光学的に活性な層に亘る電圧差を印加するための電圧手段を含む、請求項1に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項3】
前記制御手段は、当該ファイバ又はフィラメントの長さに沿って、前記電気光学的に活性な層に印加される前記電圧差を制御可能に変更する、請求項2に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項4】
当該ファイバ又はフィラメントは、実質的に円筒形である、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項5】
前記第一電極は、当該ファイバ又はフィラメントの中心部に或いは中心部に近接して位置付けられ、前記第二電極は、当該ファイバ又はフィラメントの外面に或いは外面に近接して位置付けられる、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項6】
前記第一電極は、実質的に当該ファイバ又はフィラメントの軸に沿って延在する、請求項4に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項7】
前記第二電極は、第一伝導性塗膜を含む、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項8】
前記第一伝導性塗膜は透明である、請求項7に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項9】
前記電気光学的に活性な層は、エレクトロルミネセンス材料を含む、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第一電極と前記第二電極との間に延在する導体を含む、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項11】
前記第一電極は、前記第一電極の両端部に或いは両端部に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割される、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項12】
前記第二電極は、前記第二電極の両端部に或いは両端部に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割される、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント
【請求項13】
前記制御手段は、一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる第一抵抗器をさらに含む、前記第一電極の両端部に或いは両端部に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割される、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項14】
前記制御手段は、複数の第一抵抗器をさらに含み、それぞれの第一抵抗器は、隣接する長さセグメントのそれぞれの対の間に位置付けられる、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項15】
前記制御手段は、前記最終長さセグメントに関連付けられる第二抵抗器をさらに含む、上記請求項のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項16】
前記制御手段は、一対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる第一コンデンサをさらに含む、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項17】
前記制御手段は、複数の第一コンデンサをさらに含み、それぞれの第一コンデンサは、それぞれの対の隣接する長さセグメントの間に位置付けられる、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項18】
前記制御手段は、前記最終長さセグメントに関連付けられる第二コンデンサをさらに含む、請求項11、12、16、又は、17に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項19】
前記第一電極は、複数の離間した絶縁体をさらに含む、請求項16乃至18のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項20】
前記第二電極は、複数の離間した絶縁体を含む、請求項16乃至18のうちいずれか1項に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項21】
前記制御手段は、1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つのダイオードをさらに含む、請求項11又は12に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項22】
第三電極を含み、前記制御手段は、前記1つの又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つの第三コンデンサをさらに含み、該第三コンデンサは、前記第三電極に接続される、請求項21に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項23】
第三電極を含み、前記制御手段は、前記1つ又はそれよりも多くの長さセグメントのそれぞれと関連付けられる少なくとも1つの第三抵抗器を含み、該第三抵抗器は、前記第三電極に接続される、請求項21に記載のファイバ又はフィラメント。
【請求項24】
電気光学的に活性な層と、
第一電極と、
第二電極とを含み、
前記電気光学的に活性な層は、少なくとも部分的に前記第一電極と前記第二電極との間に位置付けられるファイバ又はフィラメントを製造する方法であって、
前記ファイバ又はフィラメントは、
前記ファイバ又はフィラメントの所定領域の長さを制御し得るよう、前記所定領域の光学的状態を制御可能に変更するための制御手段をさらに含み、
当該方法は、
(i)伝導性コアを電気光学層で被覆するステップと、
(ii)前記電気光学層を伝導性塗膜で被覆し、前記電気光学層を前記伝導性塗膜及び前記伝導性コアに接触するステップとを含む、
方法。
【請求項25】
高抵抗材料で前記伝導性コアを形成するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記伝導性コアと接触する導体を配置するステップを含む、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
(iii)前記伝導性コアを、前記伝導性コアの両端に或いは該両端に向かって位置付けられる、第一長さセグメントと、最終長さセグメントとを少なくとも含む、複数の長さセグメントに分割するステップをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項28】
(iv)第一抵抗器を少なくとも一対の隣接する長さセグメントの間に挿入するステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
(v)第二抵抗器を前記最終長さセグメントと関連付けるステップをさらに含む、
請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
(iv)第一コンデンサを少なくとも一対の隣接する長さセグメントの間に挿入するステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項31】
第二コンデンサを前記最終長さセグメントと関連付けるステップをさらに含む、
請求項27又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記ステップ(i)の前に、
(a)前記伝導性コアに沿った離間間隔で複数の絶縁体を形成するステップをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項33】
(iv)少なくとも1つのダイオードを少なくとも1つの長さセグメントと関連付けるステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項34】
(v)第三抵抗器を少なくとも1つの長さセグメントと関連付けるステップと、
(vi)前記ファイバ又はフィラメントの実質的又は部分的な周りに第三電極を形成するステップと、
(vii)前記第三抵抗器を前記第三電極と並びに前記第一電極及び前記第二電極の一方又は両方と接続するステップとをさらに含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(v)第三コンデンサを前記少なくとも1つの長さセグメントと関連付けるステップと、
(vi)前記ファイバ又はフィラメントの実質的又は部分的な周りに第三電極を形成するステップと、
(vii)前記第三コンデンサを前記第三電極並びに前記第一電極及び前記第二電極の一方又は両方と接続するステップとをさらに含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ステップ(i)の前に、
(a)複数の導体を前記伝導性コアに沿った離間間隔で前記伝導性コアと接触して配置し、前記導体を前記伝導性塗膜に接続するステップと、
(b)ダイオードを各導体に関連付けるステップとをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(ii)の後に、
(iii)絶縁塗膜を前記ファイバ又はフィラメントに塗布するステップをさらに含む、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
(iv)第二伝導性塗膜を前記ファイバ又はフィラメントに塗布することによって第三電極を形成するステップをさらに含む、
請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
請求項1乃至23のうちいずれか1項に記載の複数のファイバ又はフィラメントから成る織物又は編物。
【請求項40】
請求項1乃至23のうちいずれか1項に記載の複数のファイバ又はフィラメントから成る衣服。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−513829(P2008−513829A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531930(P2007−531930)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053027
【国際公開番号】WO2006/030393
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053027
【国際公開番号】WO2006/030393
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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