説明

ファイル閲覧プログラム

【課題】第三者に盗聴される可能性を低減し、情報を共有できるプログラムを提供すること。
【解決手段】ファイル閲覧プログラム1は、第1パスワードを受け付けた状態で、第1施錠部123により、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態とし、第1パスワードを受け付けた状態で、第1開錠部125により、第1施錠部123による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除し、第2パスワードを受け付けた状態で、第2施錠部133により、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態とし、第2パスワードを受け付けた状態で、第2開錠部135により、第2施錠部133による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除する制御を端末に実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル閲覧プログラムに関する。詳しくは、電子ファイルに記憶されたパスワードに基づく当該電子ファイルの情報の閲覧の制御を端末に実行させるファイル閲覧プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末からの要求に応じて、文書情報や、数値情報といった様々な情報を格納するファイルの内容を閲覧可能にするプログラムが知られている。このようなプログラムは、端末のユーザにより起動されたことに応じて、ファイルの情報を、端末が備える表示部に表示させる。
【0003】
ところで、ファイルに格納されている情報には、重要な情報が含まれている場合がある。このような場合、このようなファイルを管理するユーザは、ファイルに含まれる情報に対し、閲覧制限を掛けて、閲覧可能なユーザを制限する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、文書に係る情報を記憶する領域と、パスワードを記憶する領域と、パスワードの入力を受け付けるパスワード入力手段と、文書に係る情報の読み取り制御を行う処理手段と、を備え、処理手段は、パスワード入力手段により入力されたパスワードが、パスワードを記憶する領域に記憶されているパスワードと一致する場合に、文書に係る情報をコンピュータが読み取り可能な状態とするデータシートが提案されている。
【0005】
このデータシートは、情報を閲覧可能とするユーザ間でパスワードを共有することにより、このデータシートに記憶されている情報を閲覧可能なユーザを制限できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−344588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の提案では、パスワードを共有する際に、複数ユーザに対し、このパスワードを配送する必要が生じる。このため、上述の提案では、パスワードを配送する際に、第三者にパスワードを盗聴され、この結果、秘密にしたい情報が漏えいしてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、第三者にパスワードを盗聴される可能性を低減し、情報を共有できるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のファイル閲覧プログラムは、電子ファイルに記憶されたパスワードに基づく当該電子ファイルの情報の閲覧の制御を端末に実行させるファイル閲覧プログラムであって、前記端末より、第1パスワードの入力を受け付ける第1入力受付手段と、前記第1入力受付手段により前記第1パスワードを受け付けた状態で、前記第1パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする第1施錠手段と、前記第1入力受付手段により前記第1パスワードを受け付けた状態で、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する第1開錠手段と、前記端末より、第2パスワードの入力を受け付ける第2入力受付手段と、前記第2入力受付手段により前記第2パスワードを受け付けた状態で、前記第2パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする第2施錠手段と、前記第2入力受付手段により前記第2パスワードを受け付けた状態で、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する第2開錠手段と、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態ではない状態、及び前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態ではない状態において、前記電子ファイルの情報を閲覧可能とする閲覧許可手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この場合、前記端末より、前記第1パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする要求を受け付ける第1施錠受付手段と、前記端末より、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する要求を受け付ける第1開錠受付手段と、前記端末より、前記第2パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする要求を受け付ける第2施錠受付手段と、前記端末より、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する要求を受け付ける第2開錠受付手段と、前記第1施錠手段は、前記第1施錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とし、前記第1開錠手段は、前記第1開錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除し、前記第2施錠手段は、前記第2施錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とし、前記第2開錠手段は、前記第2開錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除することが好ましい。
【0011】
この場合、前記第1施錠手段は、前記第1パスワードを前記電子ファイルに記憶させ、前記第2施錠手段は、前記第2パスワードを前記電子ファイルに記憶させ、前記第1開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている前記第1パスワードと、前記第1入力受付手段により受け付けた前記第1パスワードと、が一致しているか否かを判定し、前記第1パスワードが一致していると判定した場合に、前記電子ファイルの情報が閲覧できる状態とし、前記第2開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている前記第2パスワードと、前記第2入力受付手段により受け付けた前記第2パスワードと、が一致しているか否かを判定し、前記第2パスワードが一致していると判定した場合に、前記電子ファイルの情報が閲覧できる状態とすることが好ましい。
【0012】
この場合、前記第1施錠手段は、前記第1パスワードを暗号化して前記電子ファイルに記憶させ、前記第2施錠手段は、前記第2パスワードを暗号化して前記電子ファイルに記憶させ、前記第1開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている、暗号化された前記第1パスワードを復号し、前記第2開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている、暗号化された前記第2パスワードを復号することが好ましい。
【0013】
この場合、第1施錠受付手段は、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態において、前記端末からの要求を受け付けず、第2施錠受付手段は、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態において、前記端末からの要求を受け付けないことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第三者にパスワードを盗聴される可能性を低減し、情報を共有できるプログラム及び電子ファイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るファイル閲覧プログラム及び電子ファイルの機能構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る端末の表示部に対してファイル閲覧プログラムに係る起動画面が表示されたときの一例(その1)を示す図である。
【図3】本実施形態に係る端末の表示部に対してファイル閲覧プログラムに係る起動画面が表示されたときの一例(その2)を示す図である。
【図4】本実施形態に係る端末の表示部に対してファイル閲覧プログラムに係る起動画面が表示されたときの一例(その3)を示す図である。
【図5】本実施形態に係る端末の表示部に対してファイル閲覧プログラムに係る起動画面が表示されたときの一例(その4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るファイル閲覧プログラム1及び電子ファイル2の機能構成を示す図である。
このファイル閲覧プログラム1は、電子ファイル2に記憶されたパスワードに基づく当該電子ファイル2の情報の閲覧の制御を端末に実行させるプログラムである。
【0018】
ここで、端末は、一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータは、例えば、制御部として、中央処理装置(CPU)を備える他、記憶部として、メモリ(RAM、ROM)、ハードディスク(HDD)及び光ディスク(CD、DVD等)を、ネットワーク通信部として、各種有線及び無線LAN装置を、表示部として、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種ディスプレイを、操作部として、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)を適宜備え、これらはバスラインにより接続されているものである。
【0019】
ファイル閲覧プログラム1は、画面表示制御部111と、第1入力受付部121と、第1施錠受付部122と、第1施錠部123と、第1開錠受付部124と、第1開錠部125と、第2入力受付部131と、第2施錠受付部132と、第2施錠部133と、第2開錠受付部134と、第2開錠部135と、情報表示受付部141と、情報表示制御部142と、を備える。
【0020】
電子ファイル2は、第1パスワードを記憶する第1パスワード記憶領域211と、第2パスワードを記憶する第2パスワード記憶領域212と、閲覧対象情報の内容を記憶する情報記憶領域213と、を備える。
なお、閲覧対象情報は、例えば、文書や画像や計算データ等、電子的に保存できる情報であれば特定されない。閲覧対象情報は、閲覧されるだけではなく、追記、変更等を行うことができる情報である。
【0021】
ここで、第1施錠部123により、電子ファイル2の情報が閲覧できない状態とすることが可能な状態を第1開錠状態という。また、第1施錠部123により、電子ファイル2の情報が閲覧できなくなっている状態を、第1施錠状態という。
また、第2施錠部133により、電子ファイル2の情報が閲覧できない状態とすることが可能な状態を第2開錠状態という。また、第2施錠部133により、電子ファイル2の情報が閲覧できなくなっている状態を、第2施錠状態という。
【0022】
画面表示制御部111は、パスワードの入力を受け付ける起動画面の表示制御を行う。具体的には、端末により、ファイル閲覧プログラム1に対応する電子ファイル2の閲覧要求に係る操作が行われたことに応じて、画面表示制御部111は、この端末が備える表示部に対して起動画面を表示させる処理を、この端末が備える制御部に行わせる。
【0023】
第1入力受付部121は、第1パスワードの入力を受け付ける。具体的には、第1入力受付部121は、起動画面において表示される入力フォーム等により構成される。第1パスワードは、文字や数字や記号といったテキスト情報である。
【0024】
第1施錠受付部122は、第1開錠状態において、第1入力受付部121に第1パスワードが入力されている場合、端末より、電子ファイル2の情報が閲覧できない状態とする要求を受け付ける。
第1施錠部123は、第1施錠受付部122が端末より要求を受け付けたことに応じて、電子ファイル2の情報が閲覧できない状態とするとともに、第1入力受付部121により受け付けられた第1パスワードを暗号化して、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶させる。ここで、第1パスワードの暗号化の方法は、公知のものであればよく、特に限定されない。
また、第1施錠部123は、第1入力受付部121が入力フォームである場合に、入力フォームに入力されている第1パスワードを消去する。
第1施錠部123は、第2施錠状態である場合でも、第1施錠状態とすることが可能である。
【0025】
第1開錠受付部124は、第1施錠状態において、第1入力受付部121に第1パスワードが入力されている場合、端末より、第1施錠状態を解除する要求を受け付ける。
第1開錠部125は、第1開錠受付部124が端末より要求を受け付けたことに応じて、第1入力受付部121に入力されている第1パスワードが、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードと一致するか否かを判定する。ここで、第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードは暗号化されているので、第1開錠部125は、第1パスワードを復号する。
第1開錠部125は、第1パスワードが一致すると判定した場合、第1施錠状態を解除するとともに、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードを消去する。また、第1開錠部125は、第1パスワードが一致しなかったと判定した場合、第1施錠状態を維持する。
第1開錠部125は、第2施錠状態である場合でも、第1施錠状態を解除することが可能である。
【0026】
第2入力受付部131は、第2パスワードの入力を受け付ける。具体的には、第2入力受付部131は、起動画面において表示される第2パスワード入力欄等により構成される。第2パスワードは、文字や数字や記号といったテキスト情報である。
【0027】
第2施錠受付部132は、第2開錠状態において、第2入力受付部131に第2パスワードが入力されている場合、端末より、電子ファイル2の情報が閲覧できない状態とする要求を受け付ける。
第2施錠部133は、第2施錠受付部132が端末より要求を受け付けたことに応じて、電子ファイル2の情報が閲覧できない状態とするとともに、第2入力受付部131により受け付けられた第2パスワードを暗号化して、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶させる。ここで、第2パスワードの暗号化の方法は、公知のものであればよく、特に限定されない。
また、第2施錠部133は、第2入力受付部131が入力フォームである場合に、入力フォームに入力されている第2パスワードを消去する。
第2施錠部133は、第1施錠状態である場合でも、第2施錠状態とすることが可能である。
【0028】
第2開錠受付部134は、第2施錠状態において、第2入力受付部131に第2パスワードが入力されている場合、端末より、第2施錠状態を解除する要求を受け付ける。
第2開錠部135は、第2開錠受付部134が端末より要求を受け付けたことに応じて、第2入力受付部131に入力されている第2パスワードが、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードと一致するか否かを判定する。ここで、第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードは暗号化されているので、第2開錠部135は、第2パスワードを復号する。
第2開錠部135は、第2パスワードが一致すると判定した場合、第2施錠状態を解除するとともに、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードを消去する。また、第2開錠部135は、第2パスワードが一致しなかったと判定した場合、第2施錠状態を維持する。
第2開錠部135は、第1施錠状態である場合でも、第2施錠状態を解除することが可能である。
【0029】
情報表示受付部141は、第1開錠状態、かつ、第2開錠状態である場合、端末より、電子ファイル2の情報の表示を受け付ける。
情報表示制御部142は、情報表示受付部141が要求を受け付けたことに応じて、端末が備える表示部に対して電子ファイル2の情報記憶領域213に記憶されている閲覧対象情報を表示させる処理を、端末が備える制御部に行わせる。
【0030】
続いて、起動画面の表示例を示して、ファイル閲覧プログラム1の動作について図2〜図5を用いて説明する。
図2〜図5は、本実施形態に係るファイル閲覧プログラム1に係る起動画面150の一例を示す図である。
【0031】
具体的には、図2は、起動画面150が、第1開錠状態、かつ、第2開錠状態となっている状態を示す図である。図3は、起動画面150が、第1施錠状態、かつ、第2開錠状態となっている状態を示す図である。図4は、起動画面150が、第1開錠状態、かつ、第2施錠状態となっている状態を示す図である。図5は、起動画面150が、第1施錠状態、かつ、第2施錠状態となっている状態を示す図である。
なお、図2〜図5において、破線による表示は、要求を受け付けないことを示すものである。
【0032】
起動画面150は、入力フォームとして第1入力受付部121及び第2入力受付部131と、受付ボタンとして、第1施錠受付部122、第1開錠受付部124、第2施錠受付部132、第2開錠受付部134及び情報表示受付部141と、を備える。
第1入力受付部121及び第2入力受付部131は、入力フォームに文字列が入力されることにより、入力を受け付ける。
第1施錠受付部122、第1開錠受付部124、第2施錠受付部132、第2開錠受付部134及び情報表示受付部141は、それぞれに対応するボタンが押下されることにより、受け付けに係る要求を受け付ける。
【0033】
図2では、起動画面150は、第1開錠状態、かつ、第2開錠状態である。また、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211及び第2パスワード記憶領域212には、パスワードが記憶されていない状態である。
図2に示す状態では、第1施錠受付部122、第2施錠受付部132及び情報表示受付部141は、端末の操作部からの要求に係る操作を受け付けることができる。
【0034】
起動画面150が図2に示す状態のとき、第1入力受付部121に第1パスワードが入力され、第1施錠受付部122が押下されると、第1施錠部123は、第1施錠状態とする。また、第1施錠部123は、第1入力受付部121により受け付けられた第1パスワードを、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶させる。また、第1施錠部123は、第1入力受付部121としての入力フォームに入力されている第1パスワードを消去する。
続いて、起動画面150は、図3に示す状態に遷移する。
【0035】
また、起動画面150が図2に示す状態のとき、第2入力受付部131に第2パスワードが入力され、第2施錠受付部132が押下されると、第2施錠部133は、第2施錠状態とする。また、第2施錠部133は、第2入力受付部131により受け付けられた第2パスワードを、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶させる。また、第2施錠部133は、第2入力受付部131としての入力フォームに入力されている第2パスワードを消去する。
続いて、起動画面150は、図4に示す状態に遷移する。
【0036】
また、起動画面150が図2に示す状態のとき、情報表示受付部141が押下されると、情報表示制御部143は、電子ファイル2の情報記憶領域213に記憶されている情報を端末の表示部に表示させる。
【0037】
図3では、電子ファイル2は、第1パスワード記憶領域211に、第1パスワードが記憶されており、第2パスワード記憶領域212に、第2パスワードが記憶されていない状態となっている。この場合、ファイル閲覧プログラム1がこの電子ファイル2の閲覧を行う場合に起動される起動画面150は、第1施錠状態、かつ、第2開錠状態である。
図3に示す状態では、第1開錠受付部124及び第2施錠受付部132は、端末の操作部からの要求に係る操作を受け付けることができる。
【0038】
起動画面150が図3に示す状態のとき、第2入力受付部131に第2パスワードが入力され、第2施錠受付部132が押下されると、第2施錠部133は、第2施錠状態とする。また、第2施錠部133は、第2入力受付部131により受け付けられた第2パスワードを、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶させる。また、第2施錠部133は、第2入力受付部131としての入力フォームに入力されている第2パスワードを消去する。
続いて、起動画面150は、図5に示す状態に遷移する。
【0039】
また、起動画面150が図3に示す状態のとき、第1入力受付部121に第1パスワードが入力され、第1開錠受付部124が押下されると、第1開錠部125は、第1入力受付部121に入力されている第1パスワードが、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードと一致するか否かを判定する。
第1開錠部125は、第1パスワードが一致すると判定した場合、第1施錠状態を解除するとともに、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードを消去する。第1施錠状態が解除されると、起動画面150は、図2に示す状態に遷移する。
一方、第1開錠部125は、第1パスワードが一致しなかったと判定した場合、第1施錠状態を維持する。この場合、起動画面150は、図3に示す状態に維持される。
【0040】
図4では、電子ファイル2は、第1パスワード記憶領域211に、第1パスワードが記憶されてなく、第2パスワード記憶領域212に、第2パスワードが記憶されている状態である。この場合、ファイル閲覧プログラム1がこの電子ファイル2の閲覧を行う場合に起動される起動画面150は、第1開錠状態、かつ、第2施錠状態である。
図4に示す状態では、第1施錠受付部122及び第2開錠受付部134は、端末の操作部からの要求に係る操作を受け付けることができる。
【0041】
起動画面150が図4に示す状態のとき、第1入力受付部121に第1パスワードが入力され、第1施錠受付部122が押下されると、第1施錠部123は、第1施錠状態とする。また、第1施錠部123は、第1入力受付部121により受け付けられた第1パスワードを、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶させる。また、第1施錠部123は、第1入力受付部121としての入力フォームに入力されている第1パスワードを消去する。
続いて、起動画面150は、図5に示す状態に遷移する。
【0042】
また、起動画面150が図4に示す状態のとき、第2入力受付部131に第2パスワードが入力され、第2開錠受付部134が押下されると、第2開錠部135は、第2入力受付部131に入力されている第2パスワードが、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードと一致するか否かを判定する。
第2開錠部135は、第2パスワードが一致すると判定した場合、第2施錠状態を解除するとともに、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードを消去する。第2施錠状態が解除されると、起動画面150は、図2に示す状態に遷移する。
一方、第2開錠部135は、第2パスワードが一致しなかったと判定した場合、第2施錠状態を維持する。この場合、起動画面150は、図4に示す状態に維持される。
【0043】
図5では、電子ファイル2は、第1パスワード記憶領域211に、第1パスワードが記憶され、第2パスワード記憶領域212に、第2パスワードが記憶されている状態である。この場合、ファイル閲覧プログラム1がこの電子ファイル2の閲覧を行う場合に起動される起動画面150は、第1施錠状態、かつ、第2施錠状態である。
図5に示す状態では、第1開錠受付部124及び第2開錠受付部134は、端末の操作部からの要求に係る操作を受け付けることができる。すなわち、起動画面150では、第1施錠受付部122及び第2施錠受付部132が要求を受け付ける順番に関わらず、第1開錠状態としたり、第2開錠状態としたりすることが可能となる。
【0044】
起動画面150が図5に示す状態のとき、第1入力受付部121に第1パスワードが入力され、第1開錠受付部124が押下されると、第1開錠部125は、第1入力受付部121に入力されている第1パスワードが、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードと一致するか否かを判定する。
第1開錠部125は、第1パスワードが一致すると判定した場合、第1施錠状態を解除するとともに、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードを消去する。第1施錠状態が解除されると、起動画面150は、図4に示す状態に遷移する。
一方、第1開錠部125は、第1パスワードが一致しなかったと判定した場合、第1施錠状態を維持する。この場合、起動画面150は、図5に示す状態に維持される。
【0045】
また、起動画面150が図5に示す状態のとき、第2入力受付部131に第2パスワードが入力され、第2開錠受付部134が押下されると、第2開錠部135は、第2入力受付部131に入力されている第2パスワードが、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードと一致するか否かを判定する。
第2開錠部135は、第2パスワードが一致すると判定した場合、第2施錠状態を解除するとともに、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードを消去する。第2施錠状態が解除されると、起動画面150は、図3に示す状態に遷移する。
一方、第2開錠部135は、第2パスワードが一致しなかったと判定した場合、第2施錠状態を維持する。この場合、起動画面150は、図5に示す状態に維持される。
【0046】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)ファイル閲覧プログラム1は、第1パスワードを受け付けた状態で、第1施錠部123により、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態とし、第1パスワードを受け付けた状態で、第1開錠部125により、第1施錠部123による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除し、第2パスワードを受け付けた状態で、第2施錠部133により、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態とし、第2パスワードを受け付けた状態で、第2開錠部135により、第2施錠部133による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除する制御を端末に実行させる。
【0047】
よって、第1ユーザ及び第2ユーザといった、異なる2人のユーザ間で、以下のように電子ファイル2をやりとりすることができる。
つまり、第1ユーザにより第1パスワードにより施錠を行い、第1施錠状態、かつ、第2開錠状態とした電子ファイル2を第2ユーザに受け渡す。続いて、第2ユーザにより、第2パスワードにより施錠を行い、第1施錠状態、かつ、第2施錠状態とした電子ファイル2を第1ユーザに受け渡す。続いて、第1ユーザにより、第1パスワードにより開錠を行い、第1開錠状態、かつ、第2施錠状態とした電子ファイル2を第2ユーザに受け渡す。続いて、第2ユーザは、第2パスワードにより開錠を行い、電子ファイル2を、第1開錠状態、かつ、第2開錠状態とする。
【0048】
このようにすることで、第1ユーザ及び第2ユーザは、第1ユーザと第2ユーザとの間でパスワードをやりとりすることなく、第1施錠状態及び/又は第2施錠状態、すなわち、他ユーザが内容を閲覧できない状態となっている電子ファイル2の受け渡しを行うことができる。よって、ファイル閲覧プログラム1を使用して電子ファイル2の受け渡しを行うことで、パスワードのやりとりをする場合に比べて、第三者にパスワードを盗聴される可能性を低減し、情報を共有できる。
また、パスワードのやりとりを行うことが不要となるので、パスワードの管理が容易になる。
【0049】
(2)第1施錠受付部122により、端末より、第1パスワードに基づいて、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態とする要求を受け付け、第1開錠受付部124により、端末より、第1施錠部123による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除する要求を受け付け、第2施錠受付部132により、端末より、第2パスワードに基づいて、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態とする要求を受け付け、第2開錠受付部134により、端末より、第2施錠部133による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除する要求を受け付ける。
【0050】
また、第1施錠部123により、第1施錠受付部122により要求を受け付けたことに応じて、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態(第1施錠状態)とし、第1開錠部125により、第1開錠受付部124により要求を受け付けたことに応じて、第1施錠部123による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除(第1開錠状態)し、第2施錠部133により、第2施錠受付部132により要求を受け付けたことに応じて、電子ファイル2を、情報が閲覧できない状態(第2施錠状態)とし、第2開錠部135により、第2開錠受付部134により要求を受け付けたことに応じて、第2施錠部133による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態を解除(第2開錠状態)する。
このようにすることで、端末を操作するユーザにより、電子ファイル2の施錠/開錠状態を変更できる。
【0051】
(3)第1施錠部123により、第1パスワードを電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶させ、第2施錠部133により、第2パスワードを電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶させた。
また、第1開錠部125により、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている第1パスワードと、第1入力受付部121により受け付けた第1パスワードと、が一致しているか否かを判定し、第2開錠部135により、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている第2パスワードと、第2入力受付部131により受け付けた第2パスワードと、が一致しているか否かを判定する。
【0052】
このようにすることで、電子ファイル2に第1パスワード及び第2パスワードが記憶されるので、ファイル閲覧プログラム1は、この電子ファイル2に記憶されている第1パスワード及び第2パスワードを用いて、閲覧させるか否かの判定を行うことができる。
【0053】
(4)第1施錠部123により、第1パスワードを暗号化して電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶させ、第2施錠部133により、第2パスワードを暗号化して電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶させ、第1開錠部125により、電子ファイル2の第1パスワード記憶領域211に記憶されている、暗号化された第1パスワードを復号し、第2開錠部135により、電子ファイル2の第2パスワード記憶領域212に記憶されている、暗号化された第2パスワードを復号する。
【0054】
このようにすることで、第三者に電子ファイル2を解析されて、電子ファイル2に記憶される第1パスワード及び第2パスワードが知られるのを抑制することができる。
【0055】
(5)第1施錠受付部122により、第1施錠部123による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態(第1施錠状態)において、端末からの要求を受け付けず、第1開錠受付部124により、第1施錠部123による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態ではない状態(第1開錠状態)において、端末からの要求を受け付けず、
第2施錠受付部132は、第2施錠部133による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態(第2施錠状態)において、端末からの要求を受け付けず、第2開錠受付部134は、第2施錠部133による電子ファイル2の情報が閲覧できない状態ではない状態(第2開錠状態)において、端末からの要求を受け付けないこととした。
【0056】
このようにすることで、施錠状態にある場合には、施錠状態にする要求を受け付けず、開錠状態にある場合には、開錠状態にする要求を受け付けないので、ファイル閲覧プログラム1は、不要な処理を抑制することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 ファイル閲覧プログラム
2 電子ファイル
111 画面表示制御部
121 第1入力受付部
122 第1施錠受付部
123 第1施錠部
124 第1開錠受付部
125 第1開錠部
131 第2入力受付部
132 第2施錠受付部
133 第2施錠部
134 第2開錠受付部
135 第2開錠部
141 情報表示受付部
142 情報表示制御部
211 第1パスワード記憶領域
212 第2パスワード記憶領域
213 情報記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ファイルに記憶されたパスワードに基づく当該電子ファイルの情報の閲覧の制御を端末に実行させるファイル閲覧プログラムであって、
前記端末より、第1パスワードの入力を受け付ける第1入力受付手段と、
前記第1入力受付手段により前記第1パスワードを受け付けた状態で、前記第1パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする第1施錠手段と、
前記第1入力受付手段により前記第1パスワードを受け付けた状態で、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する第1開錠手段と、
前記端末より、第2パスワードの入力を受け付ける第2入力受付手段と、
前記第2入力受付手段により前記第2パスワードを受け付けた状態で、前記第2パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする第2施錠手段と、
前記第2入力受付手段により前記第2パスワードを受け付けた状態で、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する第2開錠手段と、
前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態ではない状態、及び前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態ではない状態において、前記電子ファイルの情報を閲覧可能とする閲覧許可手段と、
を備えるファイル閲覧プログラム。
【請求項2】
前記端末より、前記第1パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする要求を受け付ける第1施錠受付手段と、
前記端末より、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する要求を受け付ける第1開錠受付手段と、
前記端末より、前記第2パスワードに基づいて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とする要求を受け付ける第2施錠受付手段と、
前記端末より、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除する要求を受け付ける第2開錠受付手段と、
前記第1施錠手段は、前記第1施錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とし、
前記第1開錠手段は、前記第1開錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除し、
前記第2施錠手段は、前記第2施錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記電子ファイルを、情報が閲覧できない状態とし、
前記第2開錠手段は、前記第2開錠受付手段により要求を受け付けたことに応じて、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除することを特徴とする請求項1に記載のファイル閲覧プログラム。
【請求項3】
前記第1施錠手段は、前記第1パスワードを前記電子ファイルに記憶させ、
前記第2施錠手段は、前記第2パスワードを前記電子ファイルに記憶させ、
前記第1開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている前記第1パスワードと、前記第1入力受付手段により受け付けた前記第1パスワードと、が一致しているか否かを判定し、前記第1パスワードが一致していると判定した場合に、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除し、
前記第2開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている前記第2パスワードと、前記第2入力受付手段により受け付けた前記第2パスワードと、が一致しているか否かを判定し、前記第2パスワードが一致していると判定した場合に、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載のファイル閲覧プログラム。
【請求項4】
前記第1施錠手段は、前記第1パスワードを暗号化して前記電子ファイルに記憶させ、
前記第2施錠手段は、前記第2パスワードを暗号化して前記電子ファイルに記憶させ、
前記第1開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている、暗号化された前記第1パスワードを復号し、
前記第2開錠手段は、前記電子ファイルに記憶されている、暗号化された前記第2パスワードを復号することを特徴とする請求項3に記載のファイル閲覧プログラム。
【請求項5】
第1施錠受付手段は、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態において、前記端末からの要求を受け付けず、
第1開錠受付手段は、前記第1施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態ではない状態において、前記端末からの要求を受け付けず、
第2施錠受付手段は、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態において、前記端末からの要求を受け付けず、
第2開錠受付手段は、前記第2施錠手段による前記電子ファイルの情報が閲覧できない状態ではない状態において、前記端末からの要求を受け付けないことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のファイル閲覧プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−186920(P2011−186920A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53308(P2010−53308)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】