説明

フィルム積層体及びそれを用いた電子材料用包装袋体

【課題】簡便にヒートシールできると共に、低い水蒸気透過性を有するフィルム積層体及びそれを用いた電子材料用包装袋体を提供する。
【解決手段】ポリエチレンフィルム層(A層)と、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)と、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)とを含み、かつ該ポリエチレンフィルム層(A層)を表層とするフィルム積層体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料に適したフィルム積層体に関するもので、特に、メモリー、CPU、フレキシブルプリント基板、磁気記録媒体等の電子部品の包装に適した電子材料用包装袋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メモリー、CPU、フレキシブルプリント基板、磁気記録媒体等の電子部品を包装する包装袋には、簡便にヒートシールできること、湿気による電子部品の性能低下を防止可能であること、等が望まれている。
例えば、特許文献1には、ポリエステルフィルムのオリゴマー封止層の面上にアルミニウム蒸着層とその保護層を形成した電子材料包装用フィルムが開示され、特許文献2には、プラスチックフィルムの少なくとも片面に珪素酸化物又は珪素酸化物を主成分とした蒸着薄膜層を設けた包装用フィルムが開示されているが、いずれも、蒸着層1層のみのフィルムであり、所望する水蒸気透過性が得られなかった。
これを改良するものとして、高分子フィルム層の片面に金属酸化物 蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層、厚さ2〜15nmのアルミニウム蒸着 薄膜層を順次積層したバリア性積層フィルムAの一方の高分子フィルム層側に、高分子フィルム層の片面に金属酸化物蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次積層したバリア性積層フィルムBのガスバリア性被膜層側を積層し、バリア性積層フィルムAの他方の厚さ2〜15nmのアルミニウム蒸着薄膜層側にシーラント層を積層した積層体からなる積層包装材料が提案されている。(特許文献3参照)
しかしながら、この包装材料は、あまりに多層であり、しかも、高分子フィルム層にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ナイロン(Ny)樹脂等の高融点で、機械的強度、寸法安定性を有するものを用いているので、簡便にヒートシールできるものではなかった。
そこで、簡便にヒートシールできると共に、水蒸気透過性が低く、湿気による電子部品の性能低下を防止し得る包装材料が求められていた。
【0003】
【特許文献1】特開平6−328646号公報
【特許文献2】特開平6−158280号公報
【特許文献3】特開2004−175062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような状況下で、簡便にヒートシールできると共に、低い水蒸気透過性を有するフィルム積層体及びそれを用いた電子材料用包装袋体を提供することを目的とするものである。
また、好ましくは、上記特性に加えて、良好な帯電防止性をも併せ持つフィルム積層体及びそれを用いた電子材料用包装袋体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、最内層用材料を低融点とすると共に、特定の蒸着層を有するフィルム層を複数配設することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.ポリエチレンフィルム層(A層)と、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)と、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)とを含み、かつ該ポリエチレンフィルム層(A層)を表層とするフィルム積層体。
2.ポリエチレンフィルム層(A層)、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)の順に積層してなる上記1に記載のフィルム積層体。
3.ポリエチレンフィルム層(A層)、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)の順に積層してなる上記1に記載のフィルム積層体。
4.ポリエチレンフィルム層(A層)とは反対側の表層に、更に保護有機物層(D層)を積層してなる上記1〜3のいずれかに記載のフィルム積層体。
5.金属蒸着層と保護有機物層(D層)とが隣接してなる請求項4に記載のフィルム積層体。
6.無機化合物蒸着層と保護有機物層(D層)とが隣接してなる上記4に記載のフィルム積層体。
7.無機化合物蒸着層の厚みが50〜100nmである上記1〜6のいずれかに記載のフィルム積層体。
8.金属蒸着層の厚みが20〜40nmである上記1〜7のいずれかに記載のフィルム積層体。
9.保護有機物層(D層)の厚みが0.1〜10μmである上記1〜8のいずれかに記載のフィルム積層体。
10.無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)の基材フィルムの表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである上記1〜9のいずれかに記載のフィルム積層体。
11.金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)の基材フィルムの表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである上記1〜10のいずれかに記載のフィルム積層体。
12.ポリエチレンフィルム層(A層)の表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである上記1〜11のいずれかに記載のフィルム積層体。
13.保護有機物層(D層)の表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである上記4〜12のいずれかに記載のフィルム積層体。
14.ポリエチレンフィルム層(A層)が添加物を含まず、かつ金属触媒を含まないポリエチレンからなる上記1〜13のいずれかに記載のフィルム積層体。
15.無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)及び/又は金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)における樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、6ナイロン及び66ナイロンから選ばれるフィルムである上記1〜14のいずれかに記載のフィルム積層体。
16.ポリエチレンフィルム層(A層)が高圧法低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンから選ばれるフィルムである上記1〜15のいずれかに記載のフィルム積層体。
17.保護有機物層(D層)がポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、シリコン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から選ばれる有機物からなる上記1〜16のいずれかに記載のフィルム積層体。
18.無機化合物蒸着層が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムから選ばれる無機化合物からなる上記1〜17のいずれかに記載のフィルム積層体。
19.金属蒸着層がアルミニウムからなる上記1〜18のいずれかに記載のフィルム積層体。
20.水蒸気透過率が20g/m2・24hr以下である上記1〜19のいずれかに記載のフィルム積層体。
21. 光線透過率が10%以上である上記1〜20のいずれかに記載のフィルム積層体。
22.上記1〜21のいずれかに記載のフィルム積層体を袋体本体とする電子材料用包装袋体。
23.袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、プラスチックチャックを設けてなる上記22に記載の電子材料用包装袋体。
24.プラスチックチャックが、雄雌一対の鈎爪を有し、且つ雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを、各々有するプラスチックチャックである上記23に記載の電子材料用包装袋体。
25.袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、雄雌一対の鈎爪を有する2本のプラスチックチャックを平行に設けた袋体であって、開口側のプラスチックチャック及び内容物側のプラスチックチャックのいずれもが、雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを、各々有するプラスチックチャックである上記23に記載の電子材料用包装袋体。
26.開口側のプラスチックチャック及び/又は内容物側のプラスチックチャックが、チャックが契合された状態で、連続締付壁と連続押付けリブの少なくとも一方の表面に予め設けられた易剥離プラスチック層を介して連続締付壁と連続押付けリブとが接着されている上記25に記載の電子材料用包装袋体。
27.袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、雄雌一対の鈎爪を有する2本のプラスチックチャックを平行に設けた袋体であって、開口側のプラスチックチャックが、雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを各々有するプラスチックチャックであり、内容物側のプラスチックチャックが、内容物側からの開口強度が開口側からの開口強度より大きい非対称形の鈎爪を有するプラスチックチャックである上記23に記載の電子材料用包装袋体。
28.開口側のプラスチックチャックが、チャックが契合された状態で、連続締付壁と連続押付けリブの少なくとも一方の表面に予め設けられた易剥離プラスチック層を介して連続締付壁と連続押付けリブとが接着されている上記27に記載の電子材料用包装袋体。
29.内容物側のプラスチックチャックが、チャックが契合された状態で、雄爪鈎の頂部と雌爪鈎の底部の少なくとも一方の表面に予め設けられた易剥離プラスチック層を介して雄爪鈎の頂部と雌爪鈎の底部とが接着されている上記27又は28に記載の電子材料用包装袋体。
30.内容物側のプラスチックチャックの内容物側からの開口強度と開口側からの開口強度との差が20N/50mm以上である上記27〜29のいずれかに記載の電子材料用包装袋体。
31.易剥離プラスチック層とそれに接着される部分の表面の色が異なった2色である上記26、28及び29のいずれかに記載の電子材料用包装袋体。
32.プラスチックチャックが低融点プラスチックで形成されるか又はプラスチックチャックの透明フィルム側に低融点プラスチックからなる層が形成されてなる上記24〜31のいずれかに記載の電子材料用包装袋体。
33.低融点プラスチックが、融点105℃以下の、線状のエチレン−α−オレフィン共重合体、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタロセン触媒で合成されたポリエチレンから選ばれる樹脂である上記32に記載の電子材料用包装袋体。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、簡便にヒートシールできると共に、低い水蒸気透過性を有するフィルム積層体及びそれを用いた電子材料用包装袋体を提供することができる。
更に、良好な帯電防止性をも併せ持つフィルム積層体及びそれを用いた電子材料用包装袋体をも提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のフィルム積層体を図面を参照しつつ、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明のフィルム積層体Sの典型的な実施態様を示す模式図である。上から順に、ポリエチレンフィルム層(A層)11、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)12、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)13及び保護有機物層(D層)14が積層されている。ここで、樹脂フィルム層(B層)12では、B層の基材フィルム12aに無機化合物蒸着層12bが蒸着されており、樹脂フィルム層(C層)13では、C層の基材フィルム13aに金属蒸着層13bが蒸着されている。図1の実施態様では、上側が包装される電子材料等の製品側(即ち、内表面側)となり、保護有機物層(D層)14が外表面側となる。保護有機物層(D層)14は、必要に応じ配設されるものである。しかし、金属蒸着層13bが外表面側に配置される場合は、金属蒸着層13bの摩滅等を防止するために、図1のように保護有機物層(D層)14を配設することが好ましい。
図1において、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)12のB層の基材フィルム12aと無機化合物蒸着層12bとの配置順序が逆であってもよい。
【0008】
図2は、本発明のフィルム積層体Sの他の実施態様を示す模式図である。図1と同様に、上から順に、ポリエチレンフィルム層(A層)11、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)12、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)13及び保護有機物層(D層)14が積層されているが、B層の基材フィルム12aと無機化合物蒸着層12bとの配置順序、及びC層の基材フィルム13aと金属蒸着層13bとの配置順序が図1と逆になっている。この場合、保護有機物層(D層)14がなくても、金属蒸着層13bが外表面になることはないので、金属蒸着層13bの摩滅等を防止する観点からは保護有機物層(D層)14は、なくてもよい。但し、基材フィルム13aに帯電防止機能を付与しない場合は、帯電防止機能を付与した保護有機物層(D層)14を外表面に配設することが好ましい。
図2において、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)12のB層の基材フィルム12aと無機化合物蒸着層12bとの配置順序が逆であってもよい。
【0009】
図3は、本発明のフィルム積層体Sの他の実施態様を示す模式図である。包装される電子材料等の製品側(即ち、内表面側)から順に、ポリエチレンフィルム層(A層)11、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)13、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)12及び保護有機物層(D層)14が積層されている。図3の場合は、無機化合物蒸着層12bが外表面側に配置されるので、無機化合物蒸着層12bの摩滅等を防止するために、保護有機物層(D層)14を配設することが好ましい。
図3において、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)13のC層の基材フィルム13aと金属蒸着層13bとの配置順序が逆であってもよい。
【0010】
図4は、本発明のフィルム積層体Sの他の実施態様を示す模式図である。図3と同様に、包装される電子材料等の製品側(即ち、内表面側)から順に、ポリエチレンフィルム層(A層)11、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)13、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)12及び保護有機物層(D層)14が積層されている。しかし、C層の基材フィルム13aと金属蒸着層13bとの配置順序及びB層の基材フィルム12aと無機化合物蒸着層12bとの配置順序が図3と逆になっている。この場合、保護有機物層(D層)14がなくても、無機化合物蒸着層12bが外表面になることはないので、無機化合物蒸着層12bの摩滅等を防止する観点からは保護有機物層(D層)14は、なくてもよい。但し、基材フィルム13aに帯電防止機能を付与しない場合は、帯電防止機能を付与した保護有機物層(D層)14を外表面に配設することが好ましい。
【0011】
本発明のフィルム積層体Sに用いられるポリエチレンフィルム層(A層)11は、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンとしては、チーグラー触媒によるもの又はメタロセン触媒によるものがより好ましく、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンがさらに好ましい。
ポリエチレンフィルム層(A層)11の厚みとしては、40〜60μmが好ましい。
また、A層11として、帯電防止成分を含んだ直鎖状低密度ポリエチレンが、内容物保護の観点から特に好ましい。優れた帯電防止効果を奏するためには、A層11の表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ω、特に1×106〜5×1011Ωであることがさらに好ましい。
特に低温ヒートシール性のためにはメタロセン触媒によるものが好ましい。また、ブリードするスリップ剤、ブロッキング防止剤などの添加剤は入れない方が好ましい。
【0012】
本発明のフィルム積層体Sに用いられるB層の基材フィルム12a及び/又はC層の基材フィルム13aとしては、ナイロンフィルム及び/又はポリエステルフィルムが好ましい。ナイロンフィルムとしては、2軸延伸されたナイロンフィルムが好ましい。ナイロンとしては、6ナイロン又は66ナイロンが好ましく、ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレートが好ましい。基材フィルム12a又は13aの厚みとして10〜20μmが好ましく、10〜15μmがさらに好ましい。
【0013】
上述のB層の基材フィルム12a又はC層の基材フィルム13aが、ポリエチレンフィルム層(A層)とは反対側の表層に配置される場合、即ち、図2又は図4において、保護有機物層(D層)14が存在しない場合は、B層の基材フィルム12a又はC層の基材フィルム13aが帯電防止効果を奏することが好ましく、これらの表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ω、特に1×106〜5×1011Ωであることがさらに好ましい。
【0014】
無機化合物蒸着層12bの無機化合物としては、酸化珪素又は酸化アルミニウム、酸化マグネシウム若しくは酸化カルシウム等の金属酸化物が好ましい。これらの内、酸化珪素又は酸化アルミニウムが特に好ましい。無機化合物蒸着層の厚みとしては、50〜100nmであることが好ましい。
【0015】
金属蒸着層13bの金属としては、アルミニウム、金、銀等が好ましい。これらの内、アルミニウムが特に好ましい。金属蒸着層の厚みとしては、20〜40nmであることが好ましく、20〜35nmであることが更に好ましく、25〜35nmであることが特に好ましい。
【0016】
本発明のフィルム積層体Sの外表面に必要に応じ配設される保護有機物層(D層)14としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、シリコン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。保護有機物層(D層)14の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
保護有機物層(D層)14は帯電防止効果を奏することが好ましく、この表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ω、特に1×106〜5×1011Ωであることがさらに好ましい。
【0017】
帯電防止効果を奏するために、ポリエチレンフィルム層(A層)11、B層の基材フィルム12a、C層の基材フィルム13a及び/又は保護有機物層(D層)14に含有させる帯電防止剤としては、各種の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。これらの内、カチオン性、両性界面活性剤等が帯電防止、吸湿性の面で好ましい。
【0018】
本発明のフィルム積層体Sは、無機化合物蒸着層及び金属蒸着層を有するので、優れた水蒸気透過防止効果を奏するが、水蒸気透過率が20g/m2・24hr以下、特に5g/m2・24hr以下であることが好ましい。
また、本発明のフィルム積層体Sは、金属蒸着層の厚みを20〜40nmの薄層にすること等により、その光線透過率を10%以上、特に20%以上とすることが好ましい。包装袋としたとき、包装内容物が見えるようにするためである。
【0019】
本発明は、また、上述の如きフィルム積層体Sを袋体本体とする電子材料用包装袋体、更には、該袋体本体の開口端にプラスチックチャックを設けた電子材料用包装袋体を提供する。
プラスチックチャックを設ける場合、プラスチックチャックとしてはフィルム積層体Sが有するガスバリヤー性を損なわない高気密性を有するものが好ましく、例えば、特許第29838784号として提案されている、雄雌一対の鈎爪を有し、且つ雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを、各々有するプラスチックチャック(以下「密閉型チャック」ということがある。)が適当である。
更に、袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、2本のプラスチックチャックを平行に設け、且つ、開口側のプラスチックチャック及び内容物側のプラスチックチャックのいずれをも密閉型チャックとするか、又は、開口側のプラスチックチャックを密閉型チャックとし、内容物側のプラスチックチャックを内容物側からの開口強度が開口側からの開口強度より大きい非対称形の鈎爪を有するプラスチックチャックとした袋が、機密性の点で好ましい。
【0020】
図5は、本発明の電子材料用包装袋体を示す、2本のプラスチックチャックを平行に設けた袋の模式図であり、2枚のフィルム積層体S、S'を、ポリエチレンフィルム層を内側にして重ね合わせ、両側部S1、S2及び一端部S3を熱融着した袋体本体の開口端Oに、該開口端と平行に、2本のプラスチックチャックT1、T2を平行に設けている。
【0021】
図6及び図7は、2本のプラスチックチャックを設けた態様における結合状態でのプラスチックチャックを示す断端面図である。いずれの態様においても、開口側(図における上方側)のプラスチックチャックT1は、密閉型チャックであり、雄爪(M1−1、M1−2)と雌爪(F1−1、F1−2)との一対の鈎爪を有し、且つ雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁R1−1を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブR2−1を、各々有している。
図6の態様の場合は、内容物側(図における下方側)のプラスチックチャックT2も、密閉型チャックであり、雄爪(M2−1、M2−2)と雌爪(F2−1、F2−2)との一対の鈎爪を有し、且つ雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁R1−2を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブR2−2を、各々有している。
図7の態様の場合は、内容物側(図における下方側)のプラスチックチャックT2は、雄爪(M3)と雌爪(F3−1、F3−2)との一対の鈎爪を有しているが、内容物側からの開口強度が開口側からの開口強度より大きい非対称形の鈎爪となっている。
図6及び図7の態様の場合は、内容物側から、空気圧等の力が加えられても、プラスチックチャックは容易に開くことはなく、内容物は充分に保護される。特に図7の態様の場合は、内容物側からの開口強度と開口側からの開口強度との差が20N/50mm以上であるのが好ましい。
なお、いずれの態様において、図6及び図7に示すように、開口側のプラスチックチャックの雄爪と内容物側のプラスチックチャックの雄爪とを、また、開口側のプラスチックチャックの雌爪と内容物側のプラスチックチャックの雌爪とを、同じ側にする必要はなく、互いに逆にしても差し支えない。
【0022】
プラスチックチャックの接合面、即ち、密閉型チャックにおける連続締付壁と連続押し付けリブとの接合面、又は、図7の態様での内容物側のプラスチックチャックにおける雄爪と雌爪との接合面は、接合するいずれか一方又は両方にあらかじめ設けた易剥離プラスチック層を介して接着(ヒートシール)すると、密着性が高められると共に、プラスチックチャックを開く場合には大きな力を要しないため、好ましい。図8は、連続押し付けリブに易剥離プラスチック層Aを設けた場合を示す断端面図であり、図9は連続締付壁に易剥離プラスチック層Bを設けた場合を示す、断端面図である。
この、易剥離プラスチック層とは一般的にはJIS Z0238に記載の測定方法でヒートシールしたフィルムの剥離強度が6N/15mm以下であるプラスチック層のことであるが、かかる易剥離プラスチック層を形成する材料としては、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン/ポリプロピレン混合物、並びにこれらの樹脂を含む樹脂の混合物など、通常易剥離プラスチックとして使用される樹脂組成物ならば特に制限は無いが、易剥離の形式は凝集剥離に比べて界面剥離の方が開封後にチャックを開閉する際のチャック密閉性の保持で優れている。
【0023】
また、易剥離プラスチック層を介して接着する部分において、予め設けておく易剥離プラスチック層の樹脂の色とそれと接着する相手方の樹脂(両方の側に易剥離プラスチック層が予め設けられている場合は易剥離プラスチックであり、一方の側だけに易剥離プラスチック層が予め設けられている場合は、チャックを構成する樹脂である)の色を異なった2色とする事で、密閉包装後に開封されたことを検知する機能を付与する事ができる。
【0024】
本発明の電子部品用透明包装袋においては、プラスチックチャックを透明フィルムに融着する際の熱により無機化合物蒸着層が損傷を受けることを避ける為には、プラスチックチャックを低融点プラスチックで形成するか、又はプラスチックチャックの透明フィルム側に低融点プラスチック、好ましくは、融点105℃以下のプラスチックの層を形成するのが好ましくい。かかる、低融点プラスチックとしては、線状のエチレン−α−オレフィン共重合体、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタロセン触媒で合成されたポリエチレンを例示することができる。
なお、袋体本体において、両側部及び一端部(下端部)の全てを熱融着した後にプラスチックチャックを設けてもよいが、両側部のみを熱融着した後にプラスチックチャックを設けておき、内容物である電子部品を下端から入れてから、下端部を熱融着してもよい。特に、上記のように、易剥離プラスチック層を介して接着して閉じたプラスチックチャックを使用する場合は、後者の方法を採ることとなる。
【0025】
2本のプラスチックチャックを設けた袋における、プラスチックチャックの開閉は、スライダーを用い行なうのが適当である。
図10は、スライダーを袋に装着した状態を示す斜視図であり、図11〜13は、スライダーの移動(スライド)に従って、プラスチックチャックが閉じた状態から開いた状態に移行する行程を示す断端面図である。
図10に示すように、スライダーGは、外側ガイドOGと内側ガイドIGとを有しており、袋の開口に沿って移動し、プラスチックチャックの開閉をするようになっている。
先ず、図11は、プラスチックチャックが、スライダーの外側ガイドOGによって挟み付けられ閉まっている状態を示している。
図12は、スライダーの楔型の内側ガイドIGが、2本のプラスチックチャックの間の部分に入り込み、外側に押し広げてプラスチックチャックの鉤爪の結合の一部を外している状態を示している。
図13は、プラスチックチャックの鉤爪の結合が、内側ガイドIGにより完全に外された状態を示している。
なお、図10〜13に示す方法ではなく、外側ガイドOGのみを有し、内側ガイドIGは有しないスライダーを用いて、チャックの契合のみをスライダーで行い、チャックの開放は開口部を手で拡げることにより行う形であっても差し支えない。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、表面固有抵抗、水蒸気透過率及び光線透過率は、下記の方法に従って測定した。
【0027】
1.表面固有抵抗
ASTM D256に準拠し、印加電圧を500V、1分後に測定を行った。
2.水蒸気透過率
温度40℃、相対湿度90%RHの条件下でJIS K−6782に従って測定を行った。
3.光線透過率
JIS K 7105に準拠し測定を行った。
【0028】
実施例1〜4及び比較例1〜2
表1に示す構成及び材料により6種類のフィルム積層体をドライラミネート法により調製した。これら6種類のフィルム積層体について、水蒸気透過率及び光線透過率を評価した。表1に評価結果を示す。
【0029】
【表1】

【0030】
*1: メタロセン触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン、(日本ポリエチレン社製、商品名:KF370)
*2: 2軸延伸された66ナイロン、(東洋紡社製、商品名:T−662)
*3: 2軸延伸された帯電防止剤含有66ナイロン、(東洋紡社製、商品名:T−662、帯電防止剤種:ペレスタット300、含有量:10質量%)
*4: ポリエチレンテレフタレート、(東洋紡社製、商品名:EMC405A)
*5: 帯電防止剤含有ポリエチレンテレフタレート、(東洋紡社製、商品名:EMC405A、帯電防止剤種:ペレスタット300、含有量:10質量%)
*6: 帯電防止剤含有シリコン、(信越化学社製、商品名:KR255、帯電防止剤種:ペレスタット300、含有量:10質量%)
【0031】
表1から分かるように、本発明のフィルム積層体(実施例1〜4)は、比較例1及び2のフィルム積層体に比べて著しく低い水蒸気透過率を達成できた。また、いずれも光線透過率が35%以上と高く、包装後の包装内容物を視認できた。
【0032】
実施例5〜8
実施例1〜4のフィルム積層体を、ポリエチレンフィルム層を内側にして重ね合わせ、両側部を熱融着して、底の開いた袋体本体を形成した。
プラスチックチャックとしては、材質が融点120℃のLLDPEで、契合状態におけるチャックの幅が3.9mm、厚さが2.6mmのテープ状の密閉型チャックであって、図6に示すように、開口側のプラスチックチャックは、雌チャックの連続押付けリブの表面のみに、10μmの厚みで材質がLLDPE、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリブテンの混合物で剥離強度を3.1N/15mmに調整した青色透明の易剥離プラスチック層を設け、黄色透明の雄爪の連続締付壁と易剥離プラスチック層とを接着(ヒートシール)することにより、接着面が緑色となっており、且つ、いずれのプラスチックチャックにおいても、袋体本体を形成するフィルム積層体との接合面に融点90℃のメタロセン触媒からなる低融点プラスチック層を設けたプラスチックチャックを使用した。
この袋体本体の開口端部に、上記のプラスチックチャックを2本、開口端に平行で且つ互いに平行に設けた。開口側のプラスチックチャックの中心と開口端との距離は9.0mmであり、開口側のプラスチックチャックの中心と内容物側のプラスチックチャックの中心との距離は8.0mmである。
更に、図10に示すようなスライダーを装着した。
この電子材料用包装袋体に底部から電子部品を入れ、下端を熱シールして、密閉状態とした。
内容物である電子部品の様子は充分に視認でき、電子部品に付されたバーコード情報も支障なく読み取ることができた。
また、2日間に亘って、温度23℃、相対湿度50%の環境下に置いても、水蒸気等のガスの侵入による電子部品への影響は見られなかった。
また、プラスチックチャックの開口はスライダーに対する大きな抵抗がなく、スムースに行うことができ、しかも、プラスチックチャックの連続押付けリブと連続締付壁との接合部は、プラスチックチャックが閉じた状態では緑色であったが、開口すると元の青色と黄色となり、しかも、再び閉じても開口前の緑色に戻らず、不正な開封を検知する機能が確認できた。
【0033】
実施例9〜12
図7に示すように、内容物側のプラスチックチャックを、内容物側からの開口強度が開口側からの開口強度より大きい非対称形の鈎爪を有するプラスチックチャックに代えた以外は実施例5〜8と同様に実施した。
非対称形の鈎爪を有するプラスチックチャックは、材質が融点120℃のLLDPEで、契合状態におけるチャックの幅が3.9mm、厚さが2.6mmのテープ状であり、内容物側からの開口強度が10N/50mm、開口側のからの開口強度が40N/50mmのものである。
実施例5〜8と同様に電子部品を封入して観察し、また開封したが、実施例と全く同じ結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のフィルム積層体は、電子材料包装用、食品包装用、医薬品包装用等の各種の包装用フィルムとして好適に用いられる。また、本発明の電子材料用包装袋体は、IC、LSI、CPU、フラッシュメモリー、RAMメモリー、ROMメモリー、マザーボード等の半導体部品、ハードディスクドライブ、MOドライブ、DVDドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ等の各種ドライブ装置、各種プリント基板等の広範囲な電子材料の包装用として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のフィルム積層体の実施態様を示す模式図である。
【図2】本発明のフィルム積層体の他の実施態様を示す模式図である。
【図3】本発明のフィルム積層体の他の実施態様を示す模式図である。
【図4】本発明のフィルム積層体の他の実施態様を示す模式図である。
【図5】本発明の電子材料用包装袋体を示す模式図である。
【図6】本発明の電子材料用包装袋体の第1の態様における、結合状態でのプラスチックチャックを示す断端面図である。
【図7】本発明の電子材料用包装袋体の第2の態様における、結合状態でのプラスチックチャックを示す断端面図である。
【図8】連続押し付けリブに易剥離プラスチック層を設けた状態を示す断端面図である。
【図9】連続締付壁に易剥離プラスチック層を設けた状態を示す断端面図である。
【図10】スライダーを袋に装着した状態を示す斜視図である。
【図11】プラスチックチャックが、スライダーの外側ガイドOGによって挟み付けられ閉まっている状態を示す断端面図である。
【図12】スライダーの楔型の内側ガイドが、2本のプラスチックチャックの間の部分に入り込み、外側に押し広げてプラスチックチャックの鉤爪の結合の一部を外している状態を示す断端面図である。
【図13】プラスチックチャックの鉤爪の結合が、内側ガイドにより完全に外された状態を示す断端面図である。
【符号の説明】
【0036】
S、S': フィルム積層体
11: ポリエチレンフィルム層(A層)
12: 無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)
12a: B層の基材フィルム
12b: 無機化合物蒸着層
13: 金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)
13a: C層の基材フィルム
13b: 金属蒸着層
14: 保護有機物層(D層)
O: 開口端
S1、S2: 袋体の両側部
S3: 袋体の一端部
T1、T2: プラスチックチャック
M1−1、M1−2、M2−1、M2−2、M3: 雄爪
F1−1、F1−2、F2−1、F2−2、F3−1、F3−2: 雌爪
R1−1、R1−2: 連続締付壁
R2−1、R2−2: 連続押付けリブ
A、B: 易剥離プラスチック層
G: スライダー
OG: スライダーの外側ガイド
IG: スライダーの内側ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンフィルム層(A層)と、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)と、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)とを含み、かつ該ポリエチレンフィルム層(A層)を表層とするフィルム積層体。
【請求項2】
ポリエチレンフィルム層(A層)、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)の順に積層してなる請求項1に記載のフィルム積層体。
【請求項3】
ポリエチレンフィルム層(A層)、金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)、無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)の順に積層してなる請求項1に記載のフィルム積層体。
【請求項4】
ポリエチレンフィルム層(A層)とは反対側の表層に、更に保護有機物層(D層)を積層してなる請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項5】
金属蒸着層と保護有機物層(D層)とが隣接してなる請求項4に記載のフィルム積層体。
【請求項6】
無機化合物蒸着層と保護有機物層(D層)とが隣接してなる請求項4に記載のフィルム積層体。
【請求項7】
無機化合物蒸着層の厚みが50〜100nmである請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項8】
金属蒸着層の厚みが20〜40nmである請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項9】
保護有機物層(D層)の厚みが0.1〜10μmである請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項10】
無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)の基材フィルムの表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである請求項1〜9のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項11】
金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)の基材フィルムの表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである請求項1〜10のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項12】
ポリエチレンフィルム層(A層)の表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである請求項1〜11のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項13】
保護有機物層(D層)の表面固有抵抗が1×106〜5×1013Ωである請求項4〜12のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項14】
ポリエチレンフィルム層(A層)が添加物を含まず、かつ金属触媒を含まないポリエチレンからなる請求項1〜13のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項15】
無機化合物蒸着層を有する樹脂フィルム層(B層)及び/又は金属蒸着層を有する樹脂フィルム層(C層)における樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、6ナイロン及び66ナイロンから選ばれるフィルムである請求項1〜14のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項16】
ポリエチレンフィルム層(A層)が高圧法低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンから選ばれるフィルムである請求項1〜15のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項17】
保護有機物層(D層)がポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、シリコン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から選ばれる有機物からなる請求項1〜16のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項18】
無機化合物蒸着層が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムから選ばれる無機化合物からなる請求項1〜17のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項19】
金属蒸着層がアルミニウムからなる請求項1〜18のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項20】
水蒸気透過率が20g/m2・24hr以下である請求項1〜19のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項21】
光線透過率が10%以上である請求項1〜20のいずれかに記載のフィルム積層体。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載のフィルム積層体を袋体本体とする電子材料用包装袋体。
【請求項23】
袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、プラスチックチャックを設けてなる請求項22に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項24】
プラスチックチャックが、雄雌一対の鈎爪を有し、且つ雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを、各々有するプラスチックチャックである請求項23に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項25】
袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、雄雌一対の鈎爪を有する2本のプラスチックチャックを平行に設けた袋体であって、開口側のプラスチックチャック及び内容物側のプラスチックチャックのいずれもが、雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を、雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを、各々有するプラスチックチャックである請求項23に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項26】
開口側のプラスチックチャック及び/又は内容物側のプラスチックチャックが、チャックが契合された状態で、連続締付壁と連続押付けリブの少なくとも一方の表面に予め設けられた易剥離プラスチック層を介して連続締付壁と連続押付けリブとが接着されている請求項25に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項27】
袋体本体の開口端部に、開口端と平行に、雄雌一対の鈎爪を有する2本のプラスチックチャックを平行に設けた袋体であって、開口側のプラスチックチャックが、雄鉤爪の内側に該爪と平行な連続締付壁を雌鉤爪の内側に該爪と平行な連続押付けリブを各々有するプラスチックチャックであり、内容物側のプラスチックチャックが、内容物側からの開口強度が開口側からの開口強度より大きい非対称形の鈎爪を有するプラスチックチャックである請求項23に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項28】
開口側のプラスチックチャックが、チャックが契合された状態で、連続締付壁と連続押付けリブの少なくとも一方の表面に予め設けられた易剥離プラスチック層を介して連続締付壁と連続押付けリブとが接着されている請求項27に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項29】
内容物側のプラスチックチャックが、チャックが契合された状態で、雄爪鈎の頂部と雌爪鈎の底部の少なくとも一方の表面に予め設けられた易剥離プラスチック層を介して雄爪鈎の頂部と雌爪鈎の底部とが接着されている請求項27又は28に記載の電子材料用包装袋体。
【請求項30】
内容物側のプラスチックチャックの内容物側からの開口強度と開口側からの開口強度との差が20N/50mm以上である請求項27〜29のいずれかに記載の電子材料用包装袋体。
【請求項31】
易剥離プラスチック層とそれに接着される部分の表面の色が異なった2色である請求項26、28及び29のいずれかに記載の電子材料用包装袋体。
【請求項32】
プラスチックチャックが低融点プラスチックで形成されるか又はプラスチックチャックの透明フィルム側に低融点プラスチックからなる層が形成されてなる請求項24〜31のいずれかに記載の電子材料用包装袋体。
【請求項33】
低融点プラスチックが、融点105℃以下の、線状のエチレン−α−オレフィン共重合体、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びメタロセン触媒で合成されたポリエチレンから選ばれる樹脂である請求項32に記載の電子材料用包装袋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−175987(P2007−175987A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376557(P2005−376557)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000187068)昭和高分子株式会社 (224)
【Fターム(参考)】