説明

フランジ締結構造

【課題】 セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなるフランジと、セラミックス材あるいは金属材からなるボルトとを有機的に組み合わせて、フランジ締着面のシール性を向上させ、セラミックス材あるいは金属材からなるボルトの耐久性を高め得るフランジ締結構造を提供する。
【解決手段】 セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジ1,2をボルトによって締着するフランジ締結構造であって、ボルト11をセラミックス材で構成して一対のフランジ1,2に貫設されたボルト孔15に挿通し、ボルト11の締結側端部にテーパ面11aまたは水平面11bからなる締結面を形成するとともに、締付ナット13を締結ピース12にねじ込むことにより締結ピース12の加圧面とボルト11の締結面とを圧着させてボルト11に締付力を発生せしめるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温機器のケーシング固定部や高温配管の接続部等に適用されるフランジであって、セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するように構成されたフランジ締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
高温機器のケーシング固定部や高温配管の接続部等に適用される金属製フランジにおいては、一般に、金属材からなるメタルボルトによる締結構造が採用されている。このような、メタルボルトによるフランジ締結構造は、ボルト材料とフランジ材料との線膨張係数の差が比較的大きくないため、高温時においても所要のボルト軸力が保持され、フランジ締着面は所要のシール機能を発揮している。
【0003】
一方、腐食環境が厳しく、且つ高温下での使用条件にある原子力水素製造装置、化学プラント等の配管フランジは、前記のような金属製のフランジ及びボルトでは耐食性が不充分であるため、炭化珪素(SiC)等のセラミックス材が金属材と併せて使用されている。
【0004】
このような、セラミックス材と金属材とを併用したフランジ構造については、たとえば特許文献1(特開平9−196260号公報)、特許文献2(特開平11−248066号公報)等で、セラミックス製フランジと金属製フランジとの締着面における高温使用時におけるシール性を保持せしめる技術が提案されている。
【特許文献1】特開平9−196260号公報
【特許文献2】特開平11−248066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、いずれも、セラミックス材からなるフランジと金属材からなるメタルボルトとの線膨張係数による熱膨張量の差を所定値以下に抑えて、フランジとの締着面における高温使用時におけるシール性を保持せしめるように構成されているにとどまり、セラミックス材あるいは金属材からなるフランジと、セラミックス材あるいは金属材からなるボルトとを有機的に組み合わせて、フランジ締着面のシール性を向上させ、セラミックス材あるいは金属材からなるボルトの耐久性を高める手段については示されていない。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなるフランジと、セラミックス材あるいは金属材からなるボルトとを有機的に組み合わせて、フランジ締着面のシール性を向上させ、セラミックス材あるいは金属材からなるボルトの耐久性を高め得るフランジ締結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材で構成して前記一対のフランジに貫設されたボルト孔に挿通し、前記ボルトの締結側端部にテーパ面または水平面からなる締結面を形成するとともに、該締結面と同形状の加圧面を有する締結ピース及び該締結ピースの外周に螺合される締付ナットを備え、該締付ナットを前記締結ピースにねじ込むことにより前記締結ピースの加圧面と前記ボルトの締結面とを圧着させて前記ボルトに締付力を発生せしめ、該締付力によって前記一対のフランジを締着するように構成している。
【0008】
前記発明に加えて、次のように構成するのが好ましい。
【0009】
(1) 前記締付ナットと該締付ナットの締付面に対向する前記フランジの締付面との間には、皿バネが介装され、該締付ナットの締付力が前記皿バネを介して前記フランジの締着面に伝達するように構成されている。
【0010】
(2) 前記締付ナットと該締付ナットの締付面に対向する前記フランジの締付面との間には、金属材からなるメタルワッシャが介装され、前記締付ナットの締付力が前記メタルワッシャを介して前記フランジの締着面に伝達するように構成されている。
【0011】
(3) テーパ面または水平面のようなセラミックス材との接触部においては、片当たりによるセラミックス部材の破壊を防ぐために、メタル側の部材の接触面に軟質のめっきを施工したり、軟質の金属板を挿入して極力広い面で接触するように構成されている。
【0012】
また、本発明は、前記フランジ締結構造において、前記ボルトを金属材からなるメタルボルトで構成して前記一対のフランジに貫設されたボルト孔に挿通するとともに、セラミックス材からなり前記一対のフランジの締着面を相互に圧接させた状態で該一対のフランジを挟み込むセラミックスピースを設け、前記メタルボルトの熱膨張量が一定量以上になったとき前記セラミックスピースの締付力により前記一対のフランジを締着するように構成している。
【0013】
前記発明において、具体的には次のように構成するのが好ましい。
【0014】
(1) 前記一対のフランジは多角形状の角型フランジに構成され、前記セラミックスピースを該角型フランジの辺部と同数設けて該辺部に刻設された溝に挿入し、前記セラミックピースにより前記一対のフランジが挟み込まれている。
【0015】
(2) 前記一対のフランジは円形状の円形フランジに構成され、前記一対のフランジと前記セラミックスピースとの当接面には円周方向に沿ってキー溝が刻設され、前記メタルボルトと併設された複数の前記セラミックスピースを前記円形フランジの円周方向複数箇所で前記円形フランジの端部を挟み込むとともに、前記キー溝に嵌合したキーによって前記セラミックスピースが前記円形フランジに係止されている。
【0016】
(3) 前記セラミックスピース及び一対のフランジを貫通して設けられたセラミックス材からなるセラミックスボルトを備え、該セラミックスボルトの締付力により前記セラミックスピースを介して前記一対のフランジが締着されている。
【0017】
さらに、本発明において、前記一対のフランジの端部及び前記セラミックスピースの端部が当接する当接部は、前記セラミックスピースの前記フランジ半径方向の移動に従い前記一対のフランジ間の締着力が増加可能な傾斜面に形成されているとともに、前記セラミックスピースに前記フランジ半径方向の荷重を付与する金属材からなるメタルボルトを備え、前記メタルボルトにより前記セラミックスピースと前記一対のフランジの端部とを締め付けることにより、前記傾斜面に形成された前記当接部を介して前記一対のフランジが締着されている。
【0018】
かかる発明において、好ましくは、前記メタルボルトと前記セラミックスピースとの間には、断熱材からなる断熱座金が介装されている。
【0019】
また、本発明は、セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材からなるセラミックスボルトで構成するとともに、前記一対のフランジにおける前記ボルトの座面に、金属材からなるメタルワッシャを介装している。
【0020】
また、本発明は、セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材で構成して前記一対のフランジに貫設されたボルト孔に挿通し、前記ボルトの締結側端部の外周に外周段部を形成するとともに、該外周段部に係合する内周段部が形成された締結ナット及び該締結ナットに螺合されて前記締結ナットを固定する止めリングを備え,前記締結ナットと前記ボルトとを前記外周段部及び内周段部を介して係合し、前記止めリングを前記締結ナットに締め付けて発生する締付力によって前記一対のフランジを締着するように構成している。
【0021】
この発明において、前記ボルト端部の一方側の外周には、前記外周段部が形成されているとともに、前記内周段部を有する締結ナット及び前記止めリングが取り付けられ、前記ボルト端部の他方側にはボルト頭が形成されている。
【0022】
また、本発明は、セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材料からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材あるいは金属材料のいずれか一方で構成するとともに、前記一対のフランジにおける前記ボルトの座面に、金属材料からなる皿バネを介装している。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、セラミックス材からなるボルトをフランジのボルト孔に挿通して、ボルトの締結側端部のテーパ面または水平面からなる締結面に締結ピースの加圧面を当てて該締結ピースの外周に螺合される締付ナットを締結ピースにねじ込むことにより、該締結ピースの前記加圧面と前記ボルトの締結面とを圧着させて発生したボルト締付力によって一対のフランジを締着しているので、高温時に前記一対のフランジが熱膨張しても、かかる熱膨張よる力を締付ナット、締結ピース及びテーパ面または水平面からなる締結面を介してセラミックス材からなるボルトで受けることとなり、熱膨張係数の小さいセラミックス材からなるボルトでフランジの熱膨張を規制することができる。
【0024】
これにより、高温時においても前記一対のフランジの締着面は良好なシール機能を保持できる。また、前記フランジ側からの力を前記締付ナット、締結ピース及びテーパ面という緩衝機能を有する要素を介してセラミックス材からなるボルトで受けるので、セラミックス材のボルトに過大な荷重が掛かるのを防止でき、セラミックス材のボルトは高い耐久性を保持することができる。さらに、テーパ面または水平面のようなセラミックス材のボルトとの接触部においては、メタル側部材の接触面に軟質のめっきを施工したり、軟質の金属板を挿入して極力広い面で接触させ、片当たりによる破壊を防ぐことによりセラミックス材のボルトは高い信頼性を保持することができる。
【0025】
また、前記締付ナットと該締付ナットの締付面に対向する前記フランジの締付面との間に、皿バネを介装し、該締付ナットの締付力を該皿バネを介して前記フランジの締着面に伝達するように構成し、あるいは、前記締付ナットと該締付ナットの締付面に対向する前記フランジの締付面との間に、金属材料からなるメタルワッシャを介装し、該締付ナットの締付力を該メタルワッシャを介して前記フランジの締着面に伝達するように構成すれば、弾力性を有する前記皿バネあるいはメタルワッシャを介してフランジ側とセラミックス材のボルトとが連結されていることから、フランジ側からの過大荷重を皿バネあるいはメタルワッシャで緩衝でき、セラミックス材のボルトに過大荷重が掛かるのを回避できる。
【0026】
また、高温時における前記フランジ側の熱膨張を前記皿バネあるいはメタルワッシャで吸収でき、セラミックス材のボルトに掛かる熱膨張による力を低減できる。これらにより、セラミックス材のボルトの耐久性向上が図れる。
【0027】
また、本発明によれば、常温時には一対のフランジを締着しているメタルボルトによって、角型フランジ、円形フランジ等の一対のフランジを締めつけてフランジ締着面のシール性を保持し、高温時に前記メタルボルトの熱膨張量が一定量以上になったときには,前記フランジを挟み込むセラミックスピースによって前記一対のフランジを締着しているので、全温度域においてフランジ締着面のシール性を良好に保持できる。
【0028】
そして、セラミックスピース及び一対のフランジを貫通して設けられたセラミックスボルトの締付力により、前記セラミックスピースを介して前記一対のフランジを締着するように構成すれば、フランジ側からの熱膨張力をセラミックスピース及びセラミックスボルトの双方で受け持つことになり、フランジ締着面のシール性向上効果がさらに大きくなる。
【0029】
また、本発明によれば、メタルボルトによりセラミックスピースと一対のフランジの端部とを締め付けることにより、セラミックスピースの傾斜面に形成された当接部を介して一対のフランジを締着するように構成したので、メタルボルトの引張力をセラミックスピースの傾斜面に加えることにより、一対のフランジの締着面の面圧を増大でき、該締着面のシール性の向上効果が大きくなる。
【0030】
しかも、前記メタルボルトと前記セラミックスピースとの間に断熱材からなる断熱座金を介装すれば、該断熱座金によってセラミックスピース側からメタルボルト側への伝熱が遮断でき、メタルボルトの熱膨張を抑制できる。
【0031】
また、本発明によれば、一対のフランジの締付用ボルトをセラミックスボルトで構成するとともに、ボルトの座面にメタルワッシャを介装したので、弾力性を有するメタルワッシャを介してフランジ側とセラミックス材のボルトとが連結されているため、フランジ側からの過大荷重をメタルワッシャで緩衝できて、セラミックス材のボルトに過大荷重が掛かるのを回避できる。そして、高温時におけるフランジ側の熱膨張をメタルワッシャで吸収でき、セラミックス材のボルトに掛かる熱膨張による力を低減できる。
【0032】
また、本発明によれば、セラミックス材からなるボルトと締結ナットとを段部にて係合し、止めリングの締付力で該段部の係合を強固になすので、脆性の大きいセラミックスボルトと締結ナットとをねじ結合することが不要となって、該セラミックスボルトと締結ナットとの係合時における該セラミックスボルトの破損の発生を防止できる。
【0033】
したがって、本発明のフランジ締結構造は、腐食環境が厳しく、且つ高温下での使用条件にある原子力水素製造装置、化学プラント等の配管フランジに適用することが可能となり、高い信頼性を有する配管フランジを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
[第1実施形態]
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明の第1実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)はフランジのボルト締結部の断面図、(B)は平面図である。また、図2及び図2-1は前記第1実施形態におけるボルト締結部の詳細を示し、(A)はテーパ部を有する場合の図1のZ部拡大図、(B)は(A)におけるA矢視図である。また、(A')は水平部を有する場合のZ部拡大図、(B')は(A')におけるB矢視図である。
【0036】
図1及び図2において、1はセラミックス材からなる上フランジ、2は金属材からなる下フランジであり、これら一対のフランジ1,2は、締結機構10によって締着面1aで流体シールされて締着されている。なお、前記上フランジ1及び下フランジ2は、前記した配置とは逆に上フランジ1が金属材、下フランジ2がセラミックス材でも、あるいは双方がセラミックス材でもよい。1sはシール流体管である。
【0037】
前記締結機構10の詳細を示す図2において、11はセラミックス材からなるセラミックスボルトであり、該セラミックスボルト11は、前記一対のフランジ1,2に貫設されたボルト孔15に挿通されている。セラミックスボルト11の締結側端部外周には、締結面であるテーパ面11aまたは水平面11bが形成されている。12は半割りに構成された金属製締結ピースであり、この締結ピース12の内周には、前記テーパ面11aまたは水平面11bと同一形状で該テーパ面11aまたは水平面11bと圧接される加圧面12aまたは12bが形成されている。13はロックナット(締付ナット)であり、該ロックナット13は、締結ピース12の外周に螺合されるようになっている。なお、締結ピース12の加圧面12aまたは12bには、片当たりを防止すべく、めっきが施工されている。
【0038】
ロックナット13の下面と上フランジ1の上面との間には、皿バネ14が介装されており、ロックナット13の締付力は、皿バネ14及び上フランジ1の上面を介して締着面1aに伝達されるようになっている。
【0039】
この第1実施形態において、セラミックスボルト11をフランジ1,2のボルト孔15に挿通して、セラミックスボルト11の締結側端部のテーパ面11aまたは水平面11bを半割りの締結ピース13の加圧面12aまたは12bに当てて、締結ピース12の外周に螺合されるロックナット13をねじ込むことにより、締結ピース12の加圧面12aまたは12bとセラミックスボルト11のテーパ面11aまたは11bとを圧着させ、これにて発生したボルト締付力により一対のフランジ1,2が締着されることになる。
【0040】
従って、高温時に一対のフランジ1,2が熱膨張を起こしても、かかる熱膨張による力をロックナット13、テーパ面11aまたは水平面11b及び締結ピース12の加圧面12aまたは12bからなる締結面を介して、セラミックスボルト11で受けることとなり、熱膨張係数の小さいセラミックス材からなるセラミックスボルト11で前記フランジ1,2の熱膨張を規制することが可能となる。
【0041】
これにより、高温時においても一対のフランジ1,2の締着面1aは良好なシール性を保持できる。また、フランジ1,2側からの力をロックナット13、テーパ面11a及び締結ピース12の加圧面12aという緩衝機能を有する要素を介してセラミックスボルト11で受けるため、セラミックスボルト11に過大な荷重が掛かるのを防止でき、セラミックスボルト11は高い耐久性を保持することができる。
【0042】
また、ロックナット13と当該ロックナット13の締付面に対向する上フランジ1の上面との間に皿バネ14が介装され、ロックナット13の締付力が皿バネ14を介して一対のフランジ1,2の締着面1aに伝達するように構成されており、弾力性を有する皿バネ14を介してフランジ1,2側とセラミックスボルト11とが連結されているため、フランジ1,2側からの過大荷重を皿バネ14で緩衝でき、セラミックスボルト11に過大荷重が掛かるのを回避できる。
【0043】
また、高温時におけるフランジ1,2側の熱膨張を皿バネ14で吸収することが可能となるため、セラミックスボルト11に掛かる熱膨張による力を低減できる。
【0044】
さらに、テーパ面または水平面のようなセラミックス材のボルトとの接触部においては、締結ピースの加圧面に軟質のめっきを施工して、片当たりによるセラミックス材のボルトの破壊を回避できる。
【0045】
[第2実施形態]
図3は本発明の第2実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)はフランジのボルト締結部の断面図、(B)は(A)におけるY部詳細図である。
【0046】
図3において、1はセラミックス材からなる上フランジ、2は金属材からなる下フランジであり、これら一対のフランジ1,2は、締結機構10によって締着面1aで流体シールされて締着されている。なお、前記第1実施形態と同様に、上フランジ1及び下フランジ2は前記した配置とは逆に上フランジ1が金属材、下フランジ2がセラミックス材でも、あるいは双方がセラミックス材でもよい。
【0047】
11は前記締結機構10を構成するもので、セラミックス材からなるセラミックスボルトであり、該セラミックスボルト11は、前記一対のフランジ1,2に貫設されたボルト孔15に挿通されている。
【0048】
セラミックスボルト11の締結側端部外周には、締結面であるテーパ面11aが形成されている。5は半割りに構成された金属製締結ピースであり、この締結ピース5の内周には、前記テーパ面11aと同形状で該テーパ面11aと圧接される加圧面5aが形成されている。6はロックナット(締付ナット)であり、該ロックナット6は、締結ピース5の外周ねじ部5bに螺合されるようになっている。
【0049】
ロックナット6の下面と上フランジ1の上面との間には、メタルワッシャ54が介装されており、ロックナット13の締付力は、メタルワッシャ54及び上フランジ1の上面を介して締着面1aに伝達されるようになっている。
【0050】
この第2実施形態において、セラミックスボルト11をフランジ1,2のボルト孔15に挿通して、セラミックスボルト11の締結側端部のテーパ面11aを半割りの締結ピース5の加圧面5aに当てて,締結ピース5の外周に螺合されるロックナット6を締結ピース5にねじ込むことにより、締結ピース5の加圧面5aとセラミックスボルト11のテーパ面11aとを圧着させ、これにて発生したボルト締付力により一対のフランジ1,2が締着されることになる。
【0051】
従って、高温時に一対のフランジ1,2が熱膨張を起こしても、かかる熱膨張による力をロックナット6、テーパ面11a及び締結ピース5の加圧面5aからなる締結面を介して、セラミックスボルト11で受けることとなり、熱膨張係数の小さいセラミックス材からなるセラミックスボルト11でフランジ1,2の熱膨張を規制することが可能となる。
【0052】
これにより、高温時においても一対のフランジ1,2の締着面1aは良好なシール性を保持できる。また、フランジ1,2側からの力をロックナット6、締結ピース5の加圧面5a及びテーパ面11aという緩衝機能を有する要素を介してセラミックスボルト11で受けるので、セラミックスボルト11に過大な荷重が掛かるのを防止でき、セラミックスボルト11は高い耐久性を保持できる。
【0053】
また、ロックナット6と該ロックナット6の締付面に対向する上フランジ1の上面との間にメタルワッシャ54が介装され、ロックナット6の締付力がメタルワッシャ54を介して一対のフランジ1,2の締着面1aに伝達するように構成されており、弾力性を有するメタルワッシャ54を介してフランジ1,2側とセラミックスボルト11とが連結されているため、フランジ1,2側からの過大荷重をメタルワッシャ54で緩衝でき、セラミックスボルト11に過大荷重が掛かるのを回避できる。
【0054】
また、高温時におけるフランジ1,2側の熱膨張をメタルワッシャ54で吸収することが可能となるため、セラミックスボルト11に掛かる熱膨張による力を低減できる。
【0055】
[第3実施形態]
図4は本発明の第3実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB―B線断面図である。
【0056】
図4(A),(B)において、一対の上フランジ1及び下フランジ2は四角形(多角形であればよい)の角型フランジに構成されている。22は上フランジ1と下フランジ2とを一定の面圧で締着する金属材からなるメタルボルトであり、図4(A)のように、一対のフランジ1,2の外周辺部の4箇所でメタルボルト22により、上フランジ1と下フランジ2とが一定面圧で圧接した状態で締着されている。51は一対のフランジ1,2の締着面1aの流体シール用に設けられたシールリングである。
【0057】
21はセラミックス材からなるセラミックスピースである。このセラミックスピース21は、図4(A)のように、上フランジ1及び下フランジ2の辺部と同数個設けられており、各辺部に刻設された溝1e,2eに挿入配置されるようになっている。
【0058】
すなわち、セラミックスピース21は、図4(B)のように、断面略コの字状に形成され、対向する内周壁には爪部21aが互いに内方へ突出すべく形成されており、爪部21aが上フランジ1及び下フランジ2に刻設された溝1e,2eに挿入されて、前記のように、一対のフランジ1,2の締着面1aを一定の面圧で圧接させた状態で、一対のフランジ1,2を挟み込むようにして取り付けられている。
【0059】
この第3実施形態においては、常温時にメタルボルト22によって一対のフランジ1,2を一定面圧で圧接させた状態で締着するとともに、かかる一定面圧で圧接させた状態で、各セラミックスピース21の爪部21aを上フランジ1及び下フランジ2の溝1e,2eに挿入して、これら一対のフランジ1,2を挟み込む。
【0060】
このように構成することにより、高温時にメタルボルト22の熱膨張量が一定量以上になったときには、高温時の熱膨張量が微小なセラミックスピース21の締付力により、前記一定面圧を保持して一対のフランジ1,2を締着することが可能となり、前記一対のフランジ1,2の締着面1aのシール性を保持することになる。その結果、全温度域において一対のフランジ1,2の締着面1aのシール性を良好に保持できるとともに、高温時におけるメタルボルト22への過大荷重が回避されて、メタルボルト22の耐久性を向上させることができる。
【0061】
[第4実施形態]
図5は本発明の第4実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるC―C線断面図である。
【0062】
この第4実施形態においては、前記一対のフランジ1,2が円形状の円形フランジに構成されている点が、前記第3実施形態と異なる点である。
【0063】
すなわち、図5(A),(B)において、前記一対のフランジ1,2は円形フランジに形成され、内外周辺部のメタルボルト27,28と併設したセラミックスピース21は円周方向に沿って複数個(この例では4個)設けられており、円形のフランジ1,2の円周方向複数箇所(この例では4箇所)でセラミックスピース21によって円形のフランジ1,2の端部が挟み込まれている。
【0064】
そして、一対のフランジ1,2とセラミックスピース21との当接面のフランジ1,2側には円周方向に沿ってキー溝26が刻設されているとともに、セラミックスピース21側にはキー溝21bが刻設されており、該キー溝26及び21bに嵌合したキー25によってセラミックスピース21は一対のフランジ1,2に係止されるようになっている。
【0065】
この第4実施形態によれば、前記第3実施形態と同様に、高温時にメタルボルト27,28の熱膨張量が一定量以上になったときには、高温時の熱膨張量が微小なセラミックスピース21の締付力により、前記一定面圧を保持して一対のフランジ1,2を締着することが可能となり、前記一対のフランジ1,2の締着面1aのシール性を保持することになる。従って、全温度域において一対のフランジ1,2の締着面1aのシール性を良好に保持できるとともに、高温時におけるメタルボルト27,28への過大荷重が回避されて、メタルボルト27,28の耐久性向上を図ることができる。
【0066】
[第5実施形態]
図6は本発明の第5実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示すもので、フランジのボルト締結部の断面図である。
【0067】
この第5実施形態においては、前記セラミックスピース21及び一対のフランジ1,2を貫通して設けられたセラミックス材からなるセラミックスボルト32が追加して設けられており、前記第3及び第4実施形態のような各セラミックスピース21の爪部21a、上フランジ1及び下フランジ2の溝1e,2eを除去して、セラミックスボルト32の締付力により、セラミックスピース21を介して一対のフランジ1,2を締着するように構成されている。
【0068】
この第5実施形態によれば、セラミックスピース21及び一対のフランジ1,2を貫通して設けられたセラミックスボルト32の締付力によりセラミックスピース21を介して一対のフランジを締着するように構成したので、高温時において、フランジ1,2側からの熱膨張力をセラミックスピース21及びセラミックスボルト32の双方で受け持つことになり、前記第3及び第4実施形態よりも、さらにフランジ締着面1aのシール性及びメタルボルト22の耐久性の向上効果が大きくなる。
【0069】
[第6実施形態]
図7は本発明の第6実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、図6に対応した断面図である。
【0070】
この第6実施形態において、前記一対のフランジ1,2の端部及び前記セラミックスピース21の端部が当接する当接部は、セラミックスピース21のフランジ半径方向の移動に従い、一対のフランジ1,2間の締着力が増大可能となる傾斜面21c,21cに形成されている。
【0071】
さらに、この第6実施形態におけるセラミックスピース21には、これと関連して、前記フランジ半径方向の荷重、つまり前記傾斜面21c,21cにおいて前記セラミックスピース21と一対のフランジ1,2とが圧接されるような半径方向荷重を付与する金属材からなるメタルボルト36が設けられており、該メタルボルト36により、断熱材からなる断熱座金37を介して、セラミックスピース21と一対のフランジ1,2の端部とが締め付けられるようになっている。
【0072】
その他の構成は前記第3実施形態(図4)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示している。
【0073】
かかる第6実施形態によれば、メタルボルト36により、セラミックスピース21と一対のフランジ1,2の端部とを、セラミックスピース21及び一対のフランジ1,2の傾斜面21cを介して締着するように構成したので、メタルボルト36の引張力を傾斜面21cに加えることにより、一対のフランジ1,2の締着面1aの面圧を増大できて、締着面1aのシール性の向上効果がより一層大きくなる。
【0074】
また、メタルボルト36とセラミックスピース21との間に断熱材からなる断熱座金37を介装したので、断熱座金37によってセラミックスピース21側からメタルボルト36側への伝熱を遮断でき、メタルボルト36の熱膨張を抑制することができる。
【0075】
[第7実施形態]
図8は本発明の第7実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、図6に対応した断面図である。
【0076】
この第7実施形態においては、セラミックス材からなるセラミックスボルト39及びナット39aにより一対のフランジ1,2が締着されるとともに、一対のフランジ1,2におけるセラミックスボルト39及びナット39aの座面には、金属材料からなるメタルワッシャ40が介装されている。なお、セラミックスボルト39とナット39aとの組み合わせは、次の4通りが好ましい。
(1)SiCボルトとSiCナット
(2)SiCボルトとC/Cナット
(3)SiCボルトと金属製ナット
(4)C/CボルトとC/Cナット
*C/Cはカーボン/カーボン複合材料
かかる第7実施形態によれば、一対のフランジ1,2の締付用のボルト及びナットをセラミックス材で構成するとともに、セラミックスボルト39及びナット39aの座面にメタルワッシャ40を介装しており、弾力性を有するメタルワッシャ40を介してフランジ側とセラミックス材からなるボルト39及びナット39aとが連結されているため、フランジ側からの過大荷重をメタルワッシャ40で緩衝できて、セラミックス材からなるボルト39及びナット39aに過大荷重が掛かるのを回避できる。また、高温時におけるフランジ側の熱膨張がメタルワッシャ40で吸収可能となるため、セラミックス材からなるボルト39に掛かる熱膨張による力を低減できる。
【0077】
[第8実施形態]
図9は本発明の第8実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)は第1例を示す図6に対応した断面図、(B)は第2例を示す図6に対応した一部断面図である。
【0078】
この第8実施形態においては、一対のフランジ1,2の締付用のボルトをセラミックス材で構成した段付きボルト60として、一対のフランジ1,2に貫設されたボルト孔15に挿通されている。また、段付きボルト60の締結側端部の外周には、複数の外周段部60aが形成されている。なお、適用フランジに応じて、段部60aの段数は1段でも良い。
【0079】
この第8実施形態においては、段付きボルト60の外周段部60aに係合する内周段部48が形成された半割れナット45が設けられているとともに、半割れナット45の外周に螺合されて半割れナット45を固定する止めリング46が設けられており、半割れナット45と段付きボルト60とを外周段部60a及び内周段部48を介して係合し、止めリング46を半割れナット45に締め付け、これにて発生する締付力により一対のフランジ1,2が締着面1aにて締着されている。
【0080】
また、この第8実施形態では、図9(B)に示す第2例のように、段付きボルト60の端部の一方側の外周に前記第1例と同様な複数の外周段部60aを形成して、内周段部48が形成された半割れナット45及び前記止めリング46を取り付け、段付きボルト60端部の他方側にはボルト頭60bを形成した構造とすることも可能である。
【0081】
かかる第8実施形態によれば、セラミックス材からなる段付きボルト60と半割れナット45とを段部60a,48にて係合し、止めリング46の締付力で部60a,48の係合を強固に行うので、脆性の大きいセラミックスボルト(段付きボルト60)と締結ナット(半割れナット45)とをねじ結合することが不要となり、セラミックスボルトと締結ナットとの係合時におけるセラミックスボルトの破損の発生を防止できる。
【0082】
なお、この第8実施形態において、止めリング46の締付け座部にメタルワッシャ47を介装してもよい。
【0083】
[第9実施形態]
図10は、本発明の第9実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、図6に対応した断面図である。
【0084】
この第9実施形態においては、一対のフランジ1,2の締付用のボルト41がセラミックス材あるいは金属材のいずれか一方で構成されているとともに、一対のフランジ1,2におけるボルト41の座面に、金属材からなる皿バネ42が介装されている。
【0085】
かかる第9実施形態によれば、弾力性を有する皿バネ42を介してフランジ1,2側とボルト41側とが連結されているため、フランジ側1,2側からの過大荷重を皿バネ42で緩衝でき、ボルト41に過大荷重が掛かるのを回避できる。また、高温時におけるフランジ1,2側の熱膨張が皿バネ42で吸収可能となり、ボルト41に掛かる熱膨張による力を低減できる。
【0086】
さらに、皿バネ42の枚数を変化させることにより、フランジ側1,2の締着面1aの面圧を調整できる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)はフランジのボルト締結部の断面図、(B)は平面図である。
【図2】前記第1実施形態におけるボルト締結部の詳細を示し、(A)はテーパ部を有する場合の図1のZ部拡大図、(B)は(A)におけるA矢視図である。
【図2−1】前記第1実施形態におけるボルト締結部の詳細を示し、(A')は水平部を有する場合のZ部拡大図、(B')は(A')におけるB矢視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)はフランジのボルト締結部の断面図、(B)は(A)におけるY部詳細図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB―B線断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるC―C線断面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、フランジのボルト締結部の断面図である。
【図7】本発明の第6実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示す図6に対応した断面図である。
【図8】本発明の第7実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示す図6に対応した断面図である。
【図9】本発明の第8実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示し、(A)は第1例を示す図6に対応した断面図、(B)は第2例を示す図6に対応した一部断面図である。
【図10】本発明の第9実施形態に係る高温配管のフランジ締結構造を示す図6に対応した断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 上フランジ
2 下フランジ
5,12 締結ピース
5a 加圧面
6,13 ロックナット
10 締結機構
11,32 セラミックスボルト
11a テーパ面
11b 水平面
14,42 皿バネ
15 ボルト孔
21 セラミックスピース
22,27,28,36 メタルボルト
21b,26 キー溝
25 キー
37 断熱座金
39 セラミックスボルト
39a ナット
40 メタルワッシャ
41 ボルト
45 半割れナット
60 段付きボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材で構成して前記一対のフランジに貫設されたボルト孔に挿通し、前記ボルトの締結側端部にテーパ面または水平面からなる締結面を形成するとともに、該締結面と同形状の加圧面を有する締結ピース及び該締結ピースの外周に螺合される締付ナットを備え、該締付ナットを前記締結ピースにねじ込むことにより前記締結ピースの加圧面と前記ボルトの締結面とを圧着させて前記ボルトに締付力を発生せしめ、該締付力によって前記一対のフランジを締着するように構成したことを特徴とするフランジ締結構造。
【請求項2】
前記締付ナットと該締付ナットの締付面に対向する前記フランジの締付面との間には、皿バネが介装され、該締付ナットの締付力が前記皿バネを介して前記フランジの締着面に伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフランジ締結構造。
【請求項3】
前記締付ナットと該締付ナットの締付面に対向する前記フランジの締付面との間には、金属材からなるメタルワッシャが介装され、前記締付ナットの締付力が前記メタルワッシャを介して前記フランジの締着面に伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフランジ締結構造。
【請求項4】
セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトを金属材からなるメタルボルトで構成して前記一対のフランジに貫設されたボルト孔に挿通するとともに、セラミックス材からなり前記一対のフランジの締着面を相互に圧接させた状態で該一対のフランジを挟み込むセラミックスピースを設け、前記メタルボルトの熱膨張量が一定量以上になったとき前記セラミックスピースの締付力により前記一対のフランジを締着するように構成したことを特徴とするフランジ締結構造。
【請求項5】
前記一対のフランジは多角形状の角型フランジに構成され、前記セラミックスピースを該角型フランジの辺部と同数設けて該辺部に刻設された溝に挿入し、前記セラミックピースにより前記一対のフランジが挟み込まれていることを特徴とする請求項4に記載のフランジ締結構造。
【請求項6】
前記一対のフランジは円形状の円形フランジに構成され、前記一対のフランジと前記セラミックスピースとの当接面には円周方向に沿ってキー溝が刻設され、前記メタルボルトと併設された複数の前記セラミックスピースを前記円形フランジの円周方向複数箇所で前記円形フランジの端部を挟み込むとともに、前記キー溝に嵌合したキーによって前記セラミックスピースが前記円形フランジに係止されていることを特徴とする請求項4に記載のフランジ締結構造。
【請求項7】
前記セラミックスピース及び一対のフランジを貫通して設けられたセラミックス材からなるセラミックスボルトを備え、該セラミックスボルトの締付力により前記セラミックスピースを介して前記一対のフランジが締着されていることを特徴とする請求項4に記載のフランジ締結構造。
【請求項8】
前記一対のフランジの端部及び前記セラミックスピースの端部が当接する当接部は、前記セラミックスピースの前記フランジ半径方向の移動に従い前記一対のフランジ間の締着力が増加可能な傾斜面に形成されているとともに、前記セラミックスピースに前記フランジ半径方向の荷重を付与する金属材からなるメタルボルトを備え、前記メタルボルトにより前記セラミックスピースと前記一対のフランジの端部とを締め付けることにより、前記傾斜面に形成された前記当接部を介して前記一対のフランジが締着されていることを特徴とする請求項3に記載のフランジ締結構造。
【請求項9】
前記メタルボルトと前記セラミックスピースとの間には、断熱材からなる断熱座金が介装されていることを特徴とする請求項8に記載のフランジ締結構造。
【請求項10】
セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材からなるセラミックスボルトで構成するとともに、前記一対のフランジにおける前記ボルトの座面に、金属材からなるメタルワッシャを介装したことを特徴とするフランジ締結構造。
【請求項11】
セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材で構成して前記一対のフランジに貫設されたボルト孔に挿通し、前記ボルトの締結側端部の外周に外周段部を形成するとともに、該外周段部に係合する内周段部が形成された締結ナット及び該締結ナットに螺合されて前記締結ナットを固定する止めリングを備え,前記締結ナットと前記ボルトとを前記外周段部及び内周段部を介して係合し、前記止めリングを前記締結ナットに締め付けて発生する締付力によって前記一対のフランジを締着するように構成したことを特徴とするフランジ締結構造。
【請求項12】
前記ボルト端部の一方側の外周には、前記外周段部が形成されているとともに、前記内周段部を有する締結ナット及び前記止めリングが取り付けられ、前記ボルト端部の他方側にはボルト頭が形成されていることを特徴とする請求項11に記載のフランジ締結構造。
【請求項13】
セラミックス材及び金属材のうち、少なくとも一方がセラミックス材料からなる一対のフランジをボルトによって締着するフランジ締結構造であって、前記ボルトをセラミックス材あるいは金属材料のいずれか一方で構成するとともに、前記一対のフランジにおける前記ボルトの座面に、金属材料からなる皿バネを介装したことを特徴とするフランジ締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図2−1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−220164(P2006−220164A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31262(P2005−31262)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】