説明

フローティングノズル

【課題】 1箇所以上のスリットより流体を吐出して吐出流体の誘導と整流調整が容易にできる一体型に製作した構造のフローティングノズルの提供を目的とする。
【解決手段】 常温流体と、熱流体と、低温流体の何れかの状態の流体を吐出するフローティングノズルで、該フローティングノズル30は方形体をして2箇所のスリット33より流体を吐出する。矢印は流体の方向を示している。長手方向の両側は長手方向横壁面31と、底は流体受口39を設けた底壁面38とを一体型に製作して、短長手方向の両側は短手方向壁面34を設けて方形体を形成した。流体受口39から流入する流体の誘導と、流体の整流を行う山型状の流体誘導壁面36を設け、流体誘導壁面36は流体を流通させる複数の流体流通孔36aを設けた。流体流通孔36aは必要とする流体吐出量によって孔径を定める。必要な流体を吐出量するスリット33の間隔寸法は、長手方向に沿った長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32とで定める構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体であって、また、常温流体と、熱流体と、低温流体の何れかの状態の流体を複数のスリットから吐出させるフローティングノズルで、連続的に搬送される支持体に気体を吐出させることで支持体を浮上させるフローティングノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から連続的に搬送される支持体を浮上して走行する支持体をウェブと称されることがある。発明の名称:ウェブに対するエアフローテイング処理法。符号は当該公報の符号の通り記載する。走行する薄いウェブの片面又は両面に溶液を塗布し、熱風で乾燥させるとき、乾燥工程終了まで何物にも触れさせずに、加熱空気の流れを利用してウェブを保持通過せしめ、効率的なフローテイングを実施する風洞が提示されている。風洞1は、熱風吹出し用スリットノズル3と、ウェブ入口側にウェブ接触防止用の空気吹出し孔4と、ウェブ出口側には、減圧用の吸込孔5を装備せしめるとある。ゆっくりウェブ2を乾燥させている。風洞1は、熱風吹出し用スリットノズル3と、接触防止用の空気吹出し孔4と、減圧用の吸込孔5の3箇所あるので熱風と空気とを送り込み、その混合物を吸い込む構造であるので、ウェブ2の搬送速度は風まかせとなる。風洞構造上に基づく吹出スリット及び吹出孔、吸込孔との構造は製造費用と、送風基の熱風供給や、空気供給において複雑な構造となることは避けられない。(特許文献1.2を参照)
【0003】
薄いウエブに対してバタッキとシワの発生を制御できる。発明の名称:フローティングノズル及びフローティング方法。符号は当該公報の符号の通り記載する。スリット2を少なくとも1つ以上有するフローティングノズル1の幅方向の両端部に側板3を設けた。スリットから噴射された気体は、ウェブ3の両端を持ち上げる方向に流れるため、低いテンションでも薄いウェブをバタッキやシワ無く走行させることが出来る。該フローティングノズル1の形態では、ウェブの搬送速度が高速搬送となると、ウェブの両端部でのパタツキが大きくなってくるという問題が生じる。フローティングノズルの内部構造は不明である。(特許文献3を参照)。
【0004】
接触現象を生じさせることなくシート状被乾燥帯を安定した状態で連続走行させて乾燥する。発明の名称:ドライヤノズル及びドライヤノズルを備えたフローティング乾燥装置。
符号は当該公報の符号の通り記載する。連続走行されるシート状被乾燥体1との対向面21に、走行方向をAと直交して設けられた一対のノズル口22から乾燥風を吹き出させてシート状被乾燥体1を浮上状態に保持して連続走行させて乾燥する。ノズル口22に対して走行方向Aの前方側と後方側とに位置してシート状被乾燥体1に対する浮上圧力を保持する静圧領域保持部26が一体に形成される。図7は、従来のドライヤノズルの要部断面図で、図1がドライヤノズルの要部断面図であり、図3はその要部斜視図であるがドライヤノズル20の内部構造は不明である。(特許文献4を参照)。
【0005】
支持体の搬送速度が高速搬送となった場合でも、支持体の両端部でのバタツキが目立って大きくならず、高速搬送の安定した連続運転が可能で、生産性の向上を図ることが出来る。発明の名称:フローティングノズルおよびフローティン方法。符号は当該公報の符号の通り記載する。連続的に搬送される支持体に気体を吹き付けながら支持体を浮上させる。当該フローティングノズルは、ノズル本体となる筐体部と、当該筐体部の支持体対向面長手方向に沿って形成され、気体の吹き出し口となるノズルスリットと、前記筐体部の長手方向両端部にそれぞれ形成されたフロー制御板とを有し、前記フロー制御板は、前記ノズルスリットの端部の覆い(roof)となるように、ノズルスリット中央部に向けて形成された傾斜面を有しているように構成されている。フローティングノズル10の内部構造は、筐体11に2箇所のスリットを設け、筐体部11の長手方向両端部にそれぞれ形成されたフロー制御板20,30,40とを設けてあるがフローティングノズル10と、筐体11との内部構造には特別な仕掛けは無い。(特許文献5を参照)。
【0006】
【特許文献1】 特開5651266公報
【特許文献2】 特公昭59−53109公報
【特許文献3】 特開平9−262504公報
【特許文献4】 特開平10−339575公報
【特許文献5】 特開2000−24574公報
【0007】
従来型フローティングノズルの一例である。図7〜図10は従来型のノズルとその使用例を示した図である。
図7は、従来型フローティングノズル使用例の断面図を示した図である。
従来からフローティングノズル30は、フローティング装置100に組込まれ、例えば熱風を発生する熱風発生機と接続され目的とする各種のスプレーパタンでスプレーされる。フローティングノズル30は方形体で、吐出口となる長尺状のスリット33を2個所設けてある。熱風発生機から熱風を取り込んで吐出する熱流体は吐出口であるスリット33よりカーテンスプレーパターンを吐出する。図では、フローティングノズル30はフローティング装置100に設けられた流体供給用筐体29の上方及び下方に並列載置され、フローティングノズル30の底壁面38に設けた流体受口39は、流体供給用筐体29と嵌合している。熱風発生機で発生した熱風は流体受口39から供給を受け流体誘導壁面36に沿って2個所に設けた長尺状のスリット33から熱流体を吐出している。上方及び下方の長尺状のスリット33から吐出する熱流体で支持体70は浮上して搬送される。
【0008】
図8は、図7の従来型フローティングノズルの使用例を斜視図で示した図である。
図においては、流体供給用筐体29を省略した。フローティングノズル30を上方及び下方に並列に載置した。フローティングノズル30に設けた2個所の長尺状のスリット33から熱流体を吐出している。フローティングノズル30の長尺状のスリット33から吐出する熱流体が支持体70を浮上させ搬送される。
【0009】
図9は、図7の従来型フローティングノズルの斜視図を示した図である。
方形体をしたフローティングノズル30は、方形体の長い面の両側に長手方向横壁面31と、長手方向横壁面31の間に長手方向上壁面32を設け、熱流体等を吸い込む流体受口39を設けた底壁面38と、方形体の短い面の両側に短手方向壁面34を設けた。長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32との間に熱流体を吐出するスリット33を設けた。
熱流体を吐出するスリット33がフローティングノズルの重要な調整ポイントである。
長手方向横壁面31は、凸状態のスリット調整用螺子40と、平面状の流体誘導壁面固定螺子45を設けた。スリット調整用螺子40は凸状態の部分が作業の邪魔になる平面状態にすることが望まれていた。
【0010】
図10は、図9の従来型フローティングノズルの断面図を示した図である。
フローティングノズル30の断面図は左右対称である。図の右側は符号を省略して熱流体の流れを矢印で示した。支持体70によって、左右のスリット33は、長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32との間隔の広げ具合で吐出量が決定される。長手方向上壁面32は熱流体の放熱を防止の二重壁面35を設けている。底壁面38の流体受口39から吸い込んだ熱流体は流体誘導壁面36に沿って左右のスリット33から熱流体を吐出する。スリット33の間隔が熱膨張で変形することを防止するスリット調整用螺子40と、幅固定用座金41、42、43、44を用いてスリット33が固定されている。内部に設けた流体誘導壁面36を固定する流体誘導壁面固定螺子36bを設けている。フローティング装置100に設けられた流体供給用筐体29と、フローティングノズル30の流体受口39は流体供給用筐体29と嵌合している。嵌合した流体受口39の気密性を高めるため底壁面38の流体受口39に直接パッキン37を固定して設けた。流体受口39に整流調整用の金網を設ける場合がある。底壁面38の流体受口39に直接パッキン37を固定したのでパッキン37を交換するときの作業性が良くなかった。
【0011】
図11は、図10の一部を拡大して切り欠いだ断面図を示した図である。
フローティングノズル30の熱流体の流れを矢印で示した。スリット33から吐出する熱流体の必要吐出量によりスリット33の間隔は決められる。フローティング装置100に設けられた流体供給用筐体29の上方及び下方にフローティングノズル30は並列に載置された。支持体70を浮上させる条件はそれぞれ載置した個所で異なる。載置した個所でスリット33の流体を吐出量で最適な寸法は決められる。該最適な寸法によって長手方向横壁面31と長手方向上壁面32と、長手方向上壁面32に固着した二重壁面35等の寸法を決め、該寸法によって方形体の短面の両側に設ける短手方向壁面34も決定する。
方形体の寸法に合わせて流体誘導壁面36は長手方向横壁面31の内側に流体誘導壁面固定螺子36bで固定される。スリット33の間隔を固定するため固定用座金41、42、43、44と、スリット調整用螺子40とで両側の長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32と、流体誘導壁面36とは固定される。フローティングノズル30の熱流体の流れは矢印に示すように底壁面38の流体受口39から受け入れた熱流体は流体誘導壁面36に沿って二重壁面35に激突して流れを転換をして長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32との間を通過してスリット33より所定の熱流体の吐出量を噴出する。スリット33から吐出する熱流体の吐出量を決める寸法決定作業は極めて困難である。
【0012】
図12は、図10の一部を拡大して切り欠いだ断面図を示した図である。
フローティング装置100に設けられた流体供給用筐体29の上方及び下方に並列に載置されたフローティングノズル30は載置された個所によってスリット33の間隔が異なる。スリット33が熱膨張で変形することを避けなくてはならない。スリット調整用螺子40と、幅固定用座金41、42、43、44を用いて固定した。スリット33に合わせた寸法にスリット調整用螺子40を通す円筒形の固定用座金41、42、43、44を設けた。長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32と、長手方向上壁面32に固着した二重壁面35と、流体誘導壁面36の間に製作した固定用座金41、42、43、44を嵌め込みスリット調整用螺子40を用いて固定する組立て作業は複雑で多大な工数を必要とした。フローティングノズル30の複雑な構造を簡略化して原価の低減を図りたい。また、フローティングノズル30の完成品はたびたび清掃を必要とするが水洗いしても構造上長手方向上壁面32と、二重壁面35との間に水が溜まり乾燥し難い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来のフローティングノズルの特許文献3,4,5は、1箇所以上の吐出口となる長尺状のスリットを有しているが流体を通過させる構造上の特徴はない。符号は当該公報の符号の通り記載した。特許文献1,2は、風洞1は、熱風吹出し用スリットノズル3と、接触防止用の空気吹出し孔4と、減圧用の吸込孔5の3箇所あるので熱風と空気とを送り込み、その混合物を吸い込む構造であるので、風洞構造上吹出スリット及び吹出孔、吸込孔との構造は製造費用と、送風基の熱風供給や、空気供給において複雑な構造であり、ウェブ2の搬送速度は風まかせとなる。
【0014】
また、前記記載のフローティング装置100に設けられた流体供給用筐体29の上方及び下方に並列載置されたフローティングノズル30は載置された個所によって吐出する熱流体の吐出量を調整している。調整する吐出量によってスリット33の間隔を変更した。
熱膨張及び冷却収縮による変化を避け所定の吐出量を確保するために、所定寸法固定螺子40と、幅固定用座金41、42、43、44を用いて固定している。所定の寸法に合わせたフローティングノズル30を仕上げるため両側に設けた長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32と、長手方向上壁面32に固着した二重壁面35と、流体誘導壁面36との間隔を保持する円筒形の固定用座金41、42、43、44を設けた。製作が複雑な円筒形をした固定用座金41、42、43、44を用いて両側に配置する長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32と、長手方向上壁面32に固着した二重壁面35と、流体誘導壁面36との各面の間に嵌め込み所定寸法固定螺子40を用いて固定する作業は組立ても調整も複雑で多大な工数を必要とした。フローティングノズル30の複雑な構造を追求して原価の低減を図る。また、フローティングノズル30の完成品はたびたび清掃を必要とするが水洗いしても構造上長手方向上壁面32と、二重壁面35との間に水が溜まり乾燥し難い。フローティングノズル30のスリット33の間隔寸法の微調整は構造上困難である。複雑な構造を追求して工数と材料費の削減を図り原価の低減と良好な品質を保つ。
溶接工程を無くして材質例えばSUSの成分変化を無くする等構造上の多くの課題があった。
【0015】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、フローティングノズル30の構造において、所定の寸法に製作した個々の部品である両側に配置する長手方向横壁面31と、上方に配置する長手方向上壁面32と、長手方向上壁面32に溶接した二重壁面35と、流体誘導壁面36等を所定の間隔に保つ円筒形の固定用座金41、42、43、44を嵌め込み所定寸法固定螺子40を用いて固定する組立てと、溶接と、調整と、仕上げをする作業は複雑で多大な工数を必要とした。円筒形の固定用座金41、42、43、44と、所定寸法固定螺子40を使用しないで済むように両側に配置する長手方向横壁面31と、底に配置する底壁面38を一体型構造として壁面個々の組立てと、溶接作業を無する。流体の誘導と、整流調整を行う流体流通孔を設けた流体誘導壁面を設けて吐出量の調整を容易にする。フローティングノズル30の構造を追求して性能と品質を向上して製作工数も大幅に削減して減価を低減した常温流体と熱流体と低温流体を吐出するフローティングノズルを提供することを目的としている。ここで取り扱う流体は、気体であって、また常温流体、熱流体、低温流体の何れかの状態のものである。気体は、空気、酸素、炭酸ガス、都市ガス、ブタン等である。
【0016】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、常温流体と、熱流体と、低温流体の何れかの状態の流体を吐出する方形体をした1箇所以上の長尺状の隙間から常温流体、熱流体、低温流体の何れかの状態の流体を吐出するフローティングノズルであって、該フローティングノズル30は、流体を受け入れるように設けた流体受口39を底壁面38に設けた。該底壁面38の長尺両側に長手方向横壁面31を一体型に製作して曲げ形成して設けた。該長手方向横壁面31と上方で挟まれるように配置した長手方向上壁面32とで必要な流体の吐出量によって定めた長尺状の隙間寸法をスリット33として1箇所以上設けた。該長手方向上壁面32は吐出する流体を流通させる流体流通孔32aと、流体移動による長手方向上壁面32の形状変化を防止するために吐出口変形防止円柱32bを設けた。該吐出口変形防止円柱32bは長手方向上壁面32の要所に溶接して設けた。溶接した長手方向上壁面32は設けた固定平螺子32cで長手方向横壁面31の両側内面の要所に固定して設けた。下方の流体受口39から流入する流体の誘導と流体の整流を行うように設けた流体流通孔36aを設けた山型状の流体誘導壁面36に設けた。該流体誘導壁面36は設けた固定平螺子36bで長手方向横壁面31の両側内面の要所に固定して設けた。短手方向の両側面に短手方向壁面34を設けた。フローティングノズル30と流体供給用筐体29との嵌合において、流体供給用筐体29との着脱が容易となるよう低壁面38に嵌合部39aを設けた。該嵌合部39aは設けた固定螺子39bで低壁面38の要所に固定して設けた。流体供給用筐体29と流体受口39との気密性を高め保持するパッキン37を設けた。該パッキン37は耐熱耐寒性を有し保守交換を容易にした構成のフローティングノズルである。
【発明の効果】
【0018】
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0019】
請求項1記載の発明では、常温流体と、熱流体と、低温流体の何れかの状態の流体を吐出する方形体をした1箇所以上の長尺状の隙間から常温流体、熱流体、低温流体の何れかの状態の流体を吐出するフローティングノズルであって、該フローティングノズルは、流体を受け入れるように設けた流体受口を底壁面に設けた。該底壁面の長尺両側に長手方向横壁面を一体型に製作して曲げ形成して設けた。該長手方向横壁面と上方で挟まれるように配置した長手方向上壁面とで必要な流体の吐出量によって定めた長尺状の隙間寸法をスリットとして1箇所以上設けた。該長手方向上壁面は吐出する流体を流通させる流体流通孔と、流体移動による長手方向上壁面の形状変化を防止するために吐出口変形防止円柱を設けた。該吐出口変形防止円柱は長手方向上壁面の要所に溶接して設けた。溶接した長手方向上壁面は設けた固定平螺子で長手方向横壁面の両側内面の要所に固定して設けた。下方の流体受口から流入する流体の誘導と流体の整流を行うように設けた流体流通孔を設けた山型状の流体誘導壁面に設けた。該流体誘導壁面は設けた固定平螺子で長手方向横壁面の両側内面の要所に固定して設けた。短手方向の両側面に短手方向壁面を設けた。 フローティングノズルと流体供給用筐体との嵌合において、流体供給用筐体との着脱が容易となるよう低壁面に嵌合部を設けた。該嵌合部は設けた固定螺子で低壁面の要所に固定して設けた。流体供給用筐体と流体受口との気密性を高め保持するパッキンを設けた。 該パッキンは耐熱耐寒性を有し保守交換を容易にした構成のフローティングノズルであるので、複雑な構造を一体型に製作して設けたので製作が容易で材料費と工数との削減が図れた。原価の低減と良好な品質を保つことが出来た。流体の誘導と流体の整流を行う流体誘導壁面により吐出量の調整が容易となる。溶接作業を大幅に削減したので材質例えばSUSの成分変化を無くした。フローティングノズルはたびたび清掃を必要とするが最適な構造としたので水洗は容易になる。水洗のあとの乾燥が大変よい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に示す実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1ないし図6に示す本発明の第1の実施するための最良の第1の形態において、図1は、本発明のフローティングノズルの断面図を示した図である。
フローティングノズル30は方形体をして2箇所のスリット33より常温流体、熱流体、低温流体の何れかの状態の流体を吐出する。矢印は流体の方向を示している。該スリット33は、両側の長手方向横壁面31が長手方向上壁面32を挟むようにして左右に流体を吐出する2箇所の長尺状の隙間を設けた。スリット33は、長手方向に沿った長手方向横壁面31と、長手方向上壁面32とで必要な流体の吐出量によって間隔寸法が決まる。流体受口39を設けた底壁面38を間に挟んで両側に長手方向横壁面31を一体型に製作して設けた。一体型に製作した底壁面38を底にして両側の長手方向横壁面31を直角に曲げて設けた。流体受口39から流入する流体の誘導と、流体の整流を行う山型状の流体誘導壁面36を設け、流体誘導壁面36は流体を流通させる流体流通孔36aを設けた。流体誘導壁面36は両側の長手方向横壁面31内側に固定平螺子36bで要所を固定して設けた。短手方向の側面に短手方向壁面34を設けた。上方に位置する長手方向上壁面32は、吐出する流体を流通させる流体流通孔32aと、流体移動に伴う長手方向上壁面32の変形を防止する吐出口変形防止円柱32bを設け、吐出口変形防止円柱32bを要所に溶接して設けた。長手方向上壁面32は、両側の長手方向横壁面31内側に固定平螺子32cで要所を固定して設けた。フローティングノズル30と流体供給用筐体29と嵌合のとき着脱が容易となる嵌合部39aを低壁面38に設けた。嵌合部39aは固定螺子39bで低壁面38の要所を固定して設けた。流体供給用筐体29と嵌合のとき流体受口39気密性を高め保持するパッキン37を設けた。パッキン37は耐熱耐寒性を有し保守交換がし易い構成である。
【0022】
図2は、本発明のフローティングノズルの斜視図を示した図である。
上記記載のフローティングノズル30は、方形体をして2個所から流体を吐出するスリット33を設けた。スリット33からの矢印は流体の方向を示している。長手方向の両側は長手方向横壁面31と、短長手方向の両側は短手方向壁面34と、底は底壁面38とで方形体が形成されている。長手方向横壁面31に長手方向上壁面32を固定した固定平螺子32cと、流体誘導壁面36を固定した固定平螺子36bとの構成である。
【0023】
図3は、本発明のフローティングノズルの一部を切り欠いだ側面図を示した図である。
上記記載のフローティングノズル30は、上方に流体を吐出するスリッ33を設けた。
側面は長手方向横壁面31である。一部を切り欠いだ個所は、長手方向上壁面32に設けた吐出する流体を流通させる流体流通孔32aと、流体移動に伴う長手方向上壁面32の変形を防止する吐出口変形防止円柱32bを設け、吐出口変形防止円柱32bを要所に溶接して設けた溶接痕32dである。下方は、フローティングノズル30と流体供給用筐体29と嵌合のとき着脱が容易となる嵌合部39aを低壁面38に設けた。32cは、長手方向上壁面32を固定した固定平螺子32cと、36bは、流体誘導壁面36を固定した固定平螺子36bとの構成である。
【0024】
図4は、本発明のフローティングノズルの一部を切り欠いだ斜視図を示した図である。
上記記載のフローティングノズル30は、上方に流体を吐出するスリッ33を2箇所に設けた。長手方向側面は長手方向横壁面31である。短長手方向の両側は短手方向壁面34である。一部を切り欠いだ個所は、長手方向上壁面32に設けた吐出する流体を流通させる流体流通孔32aと、流体移動に伴う長手方向上壁面32の変形を防止する吐出口変形防止円柱32bを設け、吐出口変形防止円柱32bを要所に溶接して設けた溶接痕32dである。32cは、長手方向上壁面32を固定した固定平螺子32cと、36bは、流体誘導壁面36を固定した固定平螺子36bとの構成である。
【0025】
図5は、本発明のフローティングノズルの一部を切り欠いだ斜視図を示した図である。
上記記載のフローティングノズル30は、上方に流体を吐出するスリッ33を2箇所に設けた。長手方向側面は長手方向横壁面31である。一部を切り欠いだ個所は、短長手方向の短手方向壁面34と、長手方向上壁面32に設けた吐出する流体を流通させる流体流通孔32aと、流体移動に伴う長手方向上壁面32の変形を防止する吐出口変形防止円柱32bとを省略して流体誘導壁面36を示した図である。底壁面38に設けた流体受口39から流入する流体の誘導と、流体の整流を行う山型状の流体誘導壁面36を設け、流体誘導壁面36は流体を流通させる流体流通孔36aを設けた。流体誘導壁面36は両側の長手方向横壁面31内側に固定平螺子36bで要所を固定して設けた構成である。
【0026】
図6は、本発明のフローティングノズル底面の斜視図を示した図である。
上記記載のフローティングノズル30は、低壁面38にフローティングノズル30と流体供給用筐体29との嵌合着脱が容易となる嵌合部39aを設けた。嵌合部39aは固定螺子39bで低壁面38の要所に固定して設けた。流体供給用筐体29と嵌合において、流体受口39の気密性を高め保持するパッキン37を設けた。パッキン37は耐熱耐寒性を有し保守交換がし易い。流体を吐出するスリッ33を2箇所に設け、長手方向側面は長手方向横壁面31を両側に設け、短長手方向は短手方向壁面34を両側に設けた。32cは、長手方向上壁面32を固定した固定平螺子32cで、36bは、流体誘導壁面36を固定した固定平螺子36bとの構成である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、フローティングノズルを製造販売する産業で利用される。また、製紙分野におけるキャストコーター用エアドライヤーや抄紙嵌伸び工程の熱ロール等各種の乾燥及び加熱装置の熱風吹出し装置として、長尺状のフローティングノズルを上方及び下方に並列に載置して使用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態のフローティングノズルの断面図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態のフローティングノズルの斜視図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態のフローティングノズルの一部を切り欠いだ側面図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態のフローティングノズルの一部を切り欠いだ斜視図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態のフローティングノズルの一部を切り欠いだ斜視図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態のフローティングノズルの底面の斜視図。
【図7】従来型フローティング装置の側面図。
【図8】従来型フローティングノズルの斜視図。
【図9】従来型フローティングノズルの斜視図。
【図10】従来型フローティングノズルの断面図。
【図11】従来型フローティングノズルの一部を拡大した断面図。
【図12】従来型フローティングノズルの一部を拡大した断面図。
【符号の説明】
【0029】
29 流体供給用筐体
30 フローティングノズル
31 長手方向横壁面
32 長手方向上壁面
32a 流体流通孔
32b 吐出口変形防止円柱
32c 固定平螺子
33 スリット
34 短手方向壁面
35 流入部
36 流体誘導壁面
36a 流体流通孔
36b 固定平螺子
37 パッキン
38 底壁面
39 流体受口
39a 嵌合部
39b 固定螺子
70 支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温流体と、熱流体と、低温流体の何れかの状態の流体を吐出する方形体をした1箇所以上の長尺状の隙間から常温流体、熱流体、低温流体の何れかの状態の流体を吐出するフローティングノズルであって、該フローティングノズル(30)は、流体を受け入れるように設けた流体受口(39)を設けた底壁面(38)と、該底壁面(38)の長尺両側に一体型に製作して曲げ形成して設けた長手方向横壁面(31)と、該長手方向横壁面(31)と上方で挟まれるように配置した長手方向上壁面(32)とで必要な流体の吐出量によって定めた長尺状の隙間寸法を1箇所以上設けたスリット(33)と、該長手方向上壁面(32)は、吐出する流体を流通させる流体流通孔(32a)と、流体移動による長手方向上壁面(32)の形状変化を防止するために設けた吐出口変形防止円柱(32b)と、該吐出口変形防止円柱(32b)は長手方向上壁面(32)の要所に溶接して設け、溶接した長手方向上壁面(32)は設けた固定平螺子(32c)で長手方向横壁面(31)の両側内面の要所に固定して設け、下方の流体受口(39)から流入する流体の誘導と流体の整流を行う流体流通孔(36a)を設けた山型状の流体誘導壁面(36)と、該流体誘導壁面(36)は設けた固定平螺子(36b)で長手方向横壁面(31)の両側内面の要所に固定して設け、短手方向の両側面に短手方向壁面(34)を設け、フローティングノズル(30)と流体供給用筐体(29)との嵌合において、流体供給用筐体(29)との着脱が容易となるよう低壁面(38)に設けた嵌合部(39a)と、該嵌合部(39a)は設けた固定螺子(39b)で低壁面(38)の要所に固定して設け、流体供給用筐体(29)と流体受口(39)との気密性を高め保持するパッキン(37)を設け、該パッキン(37)は耐熱耐寒性を有し保守交換を容易にした構成であることを特徴とするフローティングノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−237151(P2007−237151A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95672(P2006−95672)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(300059821)有限会社堀口工業所 (12)
【出願人】(502359024)伊藤忠産機株式会社 (8)
【Fターム(参考)】