説明

フードストッパ

【課題】フード又は車体への衝撃時に衝撃吸収部材がストッパ本体に対して移動することにより、衝撃力を吸収することができるフードストッパを得る。
【解決手段】フード20から衝撃吸収部材18へ車体下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、ねじ部材32の雄ねじ部34のねじ山が潰れ(塑性変形する)、雄ねじ部34が雌ねじ部24を突き抜けてしまう。つまり、衝撃吸収部材18に作用する衝撃力をねじ部材32の雄ねじ部34のねじ山を塑性変形させる変形力に変換させることによって、衝撃吸収部材18に作用する衝撃力が吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に取付けられたフードの閉止時の衝撃吸収材として設けられるフードストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体に取付けられたフード閉止時の衝撃吸収材として、ラジエータサポートの上端部にゴム製のフードストッパを設ける技術が知られており、このフードストッパは、ラジエータサポートの上端部に取付けられた取付部と、この取付部に取付けられフードが接触する衝撃吸収材としてのクッション部と、で構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、取付部とクッション部を一体に設け、衝撃時、該クッション部が反力に逆らいながら変形すると共に、取付部内に挿入された芯部材(挿入部材)が取付部から抜け出ることによって、該取付部の変形を可能にして、さらに衝撃を吸収する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、取付部とクッション部を一体に設けると共に、クッション部内にはバネを配設し、フード閉止時にはこのバネは撓まないが、衝撃時にバネが撓むことによって衝撃を吸収する技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、芯部材が取付部から抜け落ちるため、衝撃を受けた後、抜け落ちた芯部材が車体内に残っていないか調べる必要が生じる。
【0006】
また、特許文献2では、フード閉止時の衝撃で撓まないようにするためのバネの圧縮荷重は、衝撃時にバネが撓む際、フードに対する反力となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−193348号公報
【特許文献2】特開2000−2281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、フード又は車体への衝撃時に衝撃吸収部材がストッパ本体に対して移動することにより、衝撃力を吸収することができるフードストッパを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、車体に開閉可能に取付けられたフードの閉止時の衝撃を吸収するフードストッパであって、前記車体及び前記フードの何れか一方に取付けられたストッパ本体と、前記車体及び前記フードの何れか他方と接触しフード閉止時の衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、前記ストッパ本体内に設けられ、前記衝撃吸収部材を定位置で支持して前記フード閉止時の衝撃を吸収させると共に、前記車体及び前記フードの何れか他方から所定値以上の荷重が前記衝撃吸収部材に作用したとき、前記衝撃吸収部材を前記ストッパ本体の下方へ移動させ定位置から退避させる移動手段と、を有している。
【0010】
請求項1に記載の発明では、フード(又は車体)と接触してフード閉止時の衝撃を吸収する衝撃吸収部材が、車体(又はフード)に取付けられたストッパ本体内に設けられており、移動手段によって、該衝撃吸収部材がストッパ本体の上下方向へ移動可能としている。
【0011】
衝撃吸収部材が定位置で支持された状態で、フード閉止時の衝撃が該衝撃吸収部材で吸収される。また、フード(又は車体)から所定値以上の荷重が衝撃吸収部材に作用したとき、衝撃吸収部材は定位置で支持された状態が解除されるが、このとき、衝撃吸収部材に作用する衝撃力が吸収される。そして、衝撃吸収部材は定位置で支持された状態が解除されると、ストッパ本体の下方へ移動して定位置から退避するが、衝撃吸収部材の移動量が、フードの変形ストロークとなる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフードストッパにおいて、前記移動手段が、前記ストッパ本体に形成された雌ねじ部と、前記衝撃吸収部材に形成され、前記雌ねじ部にねじ込んで衝撃吸収部材を定位置で支持し、かつ、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、前記雌ねじ部を突き抜ける雄ねじ部と、を含んで構成されている。
【0013】
請求項2に記載の発明では、ストッパ本体に雌ねじ部を形成し、衝撃吸収部材には、雌ねじ部にねじ込み可能な雄ねじ部を設け、雄ねじ部及び雌ねじ部を介して衝撃吸収部材を定位置で支持している。そして、フード(又は車体)から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、ねじ山が潰れる(塑性変形させる)ことによって、雄ねじ部が雌ねじ部を突き抜けるようにしている。
【0014】
つまり、衝撃吸収部材に作用する衝撃力を衝撃吸収部材の雄ねじ部又はストッパ本体の雌ねじ部のねじ山を潰し、塑性変形させる変形力に変換させることによって、衝撃吸収部材に作用する衝撃力が吸収される。そして、ねじ山が潰れた後、衝撃吸収部材は、ストッパ本体内を下方へ移動することとなるが、このとき、衝撃吸収部材には、衝撃吸収部材への衝撃力に対する反力は作用しない。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のフードストッパにおいて、前記移動手段が、前記ストッパ本体又は前記衝撃吸収部材を保持する保持部材に設けられ、前記保持部材を支持して前記衝撃吸収部材を定位置とし、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、弾性変形する弾性片である。
【0016】
請求項3に記載の発明では、ストッパ本体又は衝撃吸収部材を保持する保持部材に弾性片を設けている。この弾性片は、保持部材を支持して衝撃吸収部材を定位置とし、フード(又は車体)から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、弾性変形して、保持部材を介して衝撃吸収部材を下方へ移動させる。
【0017】
つまり、ここでは、衝撃吸収部材に作用する衝撃力を弾性片を弾性変形させる変形力に変換させることによって、衝撃吸収部材に作用する衝撃力が吸収される。そして、弾性片が弾性変形した後、衝撃吸収部材は、ストッパ本体内を下方へ移動する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のフードストッパにおいて、前記移動手段が、前記ストッパ本体及び前記衝撃吸収部材を保持する保持部材の一方に設けられた被係合部と、前記ストッパ本体及び前記衝撃吸収部材を保持する保持部材の他方に設けられ前記被係合部と係合して、衝撃吸収部材を定位置で支持し、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、被係合部との係合状態が解除される係合部と、を含んで構成されている。
【0019】
請求項4に記載の発明では、ストッパ本体(又は衝撃吸収部材を保持する保持部材)に被係合部を設け、衝撃吸収部材を保持する保持部材(又はストッパ本体)に被係合部と係合する係合部を設けている。この係合部は、衝撃吸収部材を定位置で支持し、フード(又は車体)から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、係合部(又は被係合部)が破断し、或いは、係合部(又は被係合部)が弾性変形することによって、係合部と被係合部との係合状態が解除される。
【0020】
つまり、衝撃吸収部材に作用する衝撃力を係合部と被係合部との係合状態を解除させるために必要な力(塑性変形力や弾性変形力など)に変換することで、衝撃吸収部材に作用する衝撃力が吸収される。そして、係合部と被係合部との係合状態が解除された後、保持部材を介して衝撃吸収部材を下方へ移動させる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のフードストッパにおいて、前記移動手段が、前記衝撃吸収部材を保持する保持部材に設けられたピンと、前記ストッパ本体に設けられ、前記ピンが係合するカム溝と、を含んで構成され、前記カム溝に、前記ピンを移動規制して前記衝撃吸収部材を定位置で支持すると共に、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、前記ピンが摺動して移動規制状態が解除される移動規制部と、前記ピンの移動規制状態が解除されると、該ピンを前記ストッパ本体の下方へ移動させる移動可能部と、が形成されている。
【0022】
請求項5に記載の発明では、衝撃吸収部材を保持する保持部材にピンを設け、ストッパ本体にはピンが係合するカム溝を設けている。カム溝には移動規制部及び移動可能部を設けており、移動規制部では、ピンを移動規制して衝撃吸収部材を定位置で支持する。そして、フード(又は車体)から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、ピンが摺動して移動規制状態が解除され、移動可能部へ移動する。
【0023】
つまり、ここでは、衝撃吸収部材に作用する衝撃力をピンが摺動させる摺動力に変換させることによって、衝撃吸収部材に作用する衝撃力が吸収される。そして、ピンが移動可能部へ移動した後、ピン及び保持部材を介して衝撃吸収部材は、ストッパ本体内を下方へ移動する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上記構成としたので、フード又は車体への衝撃時に衝撃吸収部材がストッパ本体に対して移動することにより、衝撃力を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態に係るフードストッパが車体に取付けられた状態を示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係るフードストッパを示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るフードストッパを示す断面図であり、(A)は通常の状態を示し、(B)は衝撃吸収部材に所定値以上の荷重が作用した状態を示している。
【図4】第2実施形態に係るフードストッパを示す分解斜視図である。
【図5】第2実施形態に係るフードストッパを示す斜視図である。
【図6】第2実施形態に係るフードストッパを示す断面図であり、(A)は通常の状態を示し、(B)は衝撃吸収部材に所定値以上の荷重が作用した状態を示している。
【図7】第3実施形態に係るフードストッパを示す分解斜視図である。
【図8】第3実施形態に係るフードストッパを示す断面斜視図である。
【図9】第3実施形態に係るフードストッパの通常の状態を示す、(A)は正面図、(B)は断面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
【図10】第3実施形態に係るフードストッパの衝撃吸収部材に所定値以上の荷重が作用した状態を示す、(A)は正面図、(B)は断面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
【図11】第3実施形態に係るフードストッパの変形例であり、(A)は通常の状態を示す正面図、(B)は(A)の断面図、(C)は、衝撃吸収部材に所定値以上の荷重が作用した状態を示す正面図、(D)は(C)の断面図である。
【図12】第4実施形態に係るフードストッパを示す断面図であり、(A)は通常の状態を示し、(B)は衝撃吸収部材に所定値以上の荷重が作用した状態を示している。
【図13】第5実施形態に係るフードストッパを示す断面図であり、(A)は通常の状態を示し、(B)は衝撃吸収部材に所定値以上の荷重が作用した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るフードストッパについて説明する。
図1には、第1実施形態に係るフードストッパ10が示されている。このフードストッパ10は、車体12の一部を構成するストッパ取付座14に取り付け可能とされている。ここで、ストッパ取付座14は、板金をプレス加工して形成されたものであり、例えば、図示しないラジエータサポートアッパの上部に取り付けられている。
【0027】
<第1実施形態>
ここで、第1実施形態について説明する。
図2及び図3(A)に示すように、フードストッパ10は、略円筒状を成す有底のストッパ本体16と、該ストッパ本体16内へ収納可能とされた略円柱状の衝撃吸収部材18と、を含んで構成されている。ストッパ本体16はPOMなどのポリアセタール系樹脂によって形成されており、衝撃吸収部材18はゴム材などの弾性部材で形成され、フード20(図1参照)を閉止する際、フード20の内面側に設けられたフードインナパネル20Aが衝撃吸収部材18に接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。
【0028】
ストッパ本体16の底板22の中央部には、雌ねじ部24が形成されている。また、ストッパ本体16の開口端からは、環状のフランジ部26が外側へ向かって張り出しており、ストッパ取付座14の取付孔28の周辺部に面接触可能としている。
【0029】
また、ストッパ本体16の外周面からは、ストッパ本体16の軸方向の中央部からフランジ部26へ向かって斜め上方へ向かう係止片30が延出しており、この係止片30は、ストッパ本体16の外周面の周方向に沿って等間隔で2つ配置されている。
【0030】
ここで、取付孔28の内径寸法は、ストッパ本体16の外径寸法よりも大きくされており、ストッパ本体16が取付孔28へ挿通可能とされている。また、取付孔28の内径寸法は、係止片30の基部の外面同士の離間距離よりも狭くされているが、取付孔28には、互いに対面して一対の切欠き部28Aが矩形状に切り欠かれており、係止片30はこの切欠き部28A内へ挿通可能とされている。このため、係止片30を切欠き部28Aの位置に合わせて、ストッパ本体16を取付孔28へ挿通させる。
【0031】
ストッパ本体16を取付孔28へ挿通させ、ストッパ本体16のフランジ部26がストッパ取付座14に面接触した状態で、ストッパ本体16は下方への移動を規制されるが、
【0032】
この状態で、係止片30の先端部が切欠き部28Aの奥壁に当接するように係止片30の長さは設定されている。
【0033】
ここで、係止片30の先端部の外面同士の離間距離は、切欠き部28A同士の奥壁の離間距離よりも長くなっており、ストッパ本体16のフランジ部26がストッパ取付座14に面接触した状態では、該係止片30は突っ張った状態で切欠き部28Aに係止される。
【0034】
一方、衝撃吸収部材18の下部には、ガラス繊維入りナイロン等のポリアミド系樹脂製のねじ部材32が衝撃吸収部材18と一体に成形されている。
【0035】
ねじ部材32の一端部には、環状の抜け止め部32Aが複数形成されており、衝撃吸収部材18内に埋め込まれ、成形後、ねじ部材32が衝撃吸収部材18から抜けることがないようにしている。また、ねじ部材32の他端部には、雄ねじ部34が形成されており、該雄ねじ部34がストッパ本体16の雌ねじ部24へねじ込まれる。
【0036】
衝撃吸収部材18の上部には、略円柱状の空洞部18Aが設けられており、衝撃吸収部材18を変形しやすくしている。また、衝撃吸収部材18の上面には、ドライバー等が係合可能な溝部36が形成されており、溝部36を介して衝撃吸収部材18が回転し、ストッパ本体16の上下方向に対して衝撃吸収部材18が位置合わせされる。
【0037】
つまり、衝撃吸収部材18のねじ部材32の雄ねじ部34をストッパ本体16の雌ねじ部24へねじ込むことで、ストッパ本体16を介して、衝撃吸収部材18が、ストッパ取付座14に取り付けられると共に、ストッパ取付座14を基準として高さ調整される。そして、この状態では、衝撃吸収部材18とストッパ本体16の底板22との間には、隙間H(約3〜5mm)が設けられている。
【0038】
また、衝撃吸収部材18の外周面には、周方向に沿って突起38が設けられている。この突起38はストッパ本体16の内周面に当接可能とされており、衝撃吸収部材18がストッパ本体16内を移動するときのガイドの機能を有している。
【0039】
(作用)
本実施形態では、ねじ部材32がポリアミド系樹脂で形成されており、ストッパ本体16はポリアセタール系樹脂で形成されている。つまり、ストッパ本体16の方がねじ部材32よりも機械的強度が高い。このため、フード20から衝撃吸収部材18へ車体12(図1参照)下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、ねじ部材32の雄ねじ部34のねじ山が潰れ(塑性変形する)、図3(B)に示すように、雄ねじ部34が雌ねじ部24を突き抜けてしまう。
【0040】
つまり、本実施形態では、衝撃吸収部材18に作用する衝撃力をねじ部材32の雄ねじ部34のねじ山を塑性変形させる変形力に変換させることによって、衝撃吸収部材18に作用する衝撃力が吸収される。
【0041】
そして、雄ねじ部34のねじ山が潰れた後は、衝撃吸収部材18は、衝撃吸収部材18とストッパ本体16の底板22との間に設けられた隙間H分、ストッパ本体16内を下方へ移動することとなる。この衝撃吸収部材18の移動量が、フード20の変形ストロークとなる。そして、このとき、衝撃吸収部材18には、本体下方への衝撃力に対する反力は作用しない。
【0042】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るフードストッパ50について説明する。
図4に示すように、フードストッパ50は、略円筒状を成し外周面に雌ねじ部52が形成されたストッパ本体54と、該ストッパ本体54内へ収容可能とされた略円筒状の保持部材56と、保持部材56に保持された略円筒状を成す有底の衝撃吸収部材58と、を含んで構成されている。
【0043】
衝撃吸収部材58はゴム材などの弾性部材で形成され、フード20を閉止する際、フード20が接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。また、図6(A)に示すように、保持部材56とストッパ本体54の間には、挿入体60が挿入可能とされている。
【0044】
図5及び図6(A)に示すように、ストッパ本体54の雌ねじ部52は、ストッパ取付座14に形成された取付孔28内へねじ込み可能とされており、該ストッパ本体54の雌ねじ部52を取付孔28へねじ込むことで、ストッパ本体54を介して、衝撃吸収部材58が、ストッパ取付座14に取り付けられると共に、ストッパ取付座14を基準として高さ調整される。
【0045】
図4に示すように、ストッパ本体54の内周面には、ストッパ本体54の軸方向の中央部から下端部に架けて、一対のガイドリブ62が設けられており、このガイドリブ62は、ストッパ本体54の内周面の周方向に沿って等間隔で4組配置されている。そして、一対のガイドリブ62の先端部同士には、係合部64が架け渡されている。
【0046】
一方、保持部材56は、周方向に沿って係合片66とガイド片68が交互に配置されている。係合片66とガイド片68は、それぞれ4つ設けられており、係合片66とガイド片68の間には、切込み部70が形成され、それぞれ弾性変形可能とされている。
【0047】
係合片66の保持部材56の軸方向に沿った中央部には、ストッパ本体54の係合部64が係合可能な凹部72が形成されており、係合片66の外面には、係合片66の両端部から該凹部72ヘ向かって外側へ突出する傾斜面66A、66Bが形成されている。一方、ガイド片68の上部中央には、係合突起74が設けられている。
【0048】
挿入体60の上端部には、環状のフランジ部76が外側へ向かって張り出している。また、挿入体60には周方向に沿って等間隔で、切欠き部78が4つ形成されており、切欠き部78と切欠き部78の間には、ガイド片80が設けられている。
【0049】
このガイド片80は、保持部材56の係合片66と係合片66の間に配置可能とされている。ガイド片80には、フランジ部76の内縁部に架けてガイド孔82が形成されている。このガイド孔82に係合突起74が係合し、ガイド孔82の下端面に当接可能とされている。
【0050】
このため、衝撃吸収部材58を介して、保持部材56がストッパ本体54の下方へ移動すると、保持部材56の係合突起74及び挿入体60のガイド孔82を介して、挿入体60がストッパ本体54の下方へ移動する。
【0051】
また、挿入体60の外径寸法は、対面する係合部64同士の離間距離よりも大きくなっており、挿入体60の切欠き部78の奥壁は、係合片66の傾斜面66A及び係合部64に当接可能としている。
【0052】
このため、切欠き部78の奥壁が、係合片66の傾斜面66Aに当接した状態で、挿入体60が下方へ移動し、切欠き部78の奥壁を介して係合片66が押圧されると、係合片66は縮径し、係合片66の凹部72が係合部64から外れる(なお、係合部64が破断する場合も含む)。これにより、切欠き部78の奥壁は係合部64に当接するが、この状態で、挿入体60は下方への移動が規制されることとなる(図6(B)参照)。
【0053】
一方、衝撃吸収部材58の下部には、小径部84が形成されており、衝撃吸収部材58の頭部86よりも小径となっている。小径部84の外周面には、衝撃吸収部材58の周方向に沿って等間隔で爪部88が4つ設けられている。
【0054】
衝撃吸収部材58の小径部84には、略円錐台状の空洞部84A(図6(A)参照)が設けられており、衝撃吸収部材58を変形しやすくしている。また、衝撃吸収部材58の小径部84は、保持部材56の上板90に形成された貫通孔92内へ挿入可能とされており、小径部84を弾性変形させ、爪部88を通過させると、図6(A)に示すように、小径部84が貫通孔92内へ挿入される。この状態で、衝撃吸収部材58の頭部86が上板90に当接し、該上板90によって移動規制される。
【0055】
(作用)
本実施形態では、フード20(図1参照)から衝撃吸収部材58へ車体12(図1参照)下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、衝撃吸収部材58及び保持部材56の係合片66の凹部72を介して、係合部64が破断する。或いは、衝撃吸収部材58を介して、保持部材56がストッパ本体54の下方へ移動すると、保持部材56の係合突起74及び挿入体60のガイド孔82を介して、挿入体60がストッパ本体54の下方へ移動することとなるが、該挿入体60が係合片66を押圧することによって、係合片66が縮径し弾性変形する。
【0056】
このように、係合部64が破断、或いは弾性変形することによって、図6(B)に示すように、係合部64が係合片66の凹部72から外れる(凹部72との係合状態が解除される)。なお、ここでは、係合部64が破断された状態は図示していない。
【0057】
つまり、本実施形態では、衝撃吸収部材58に作用する衝撃力を係合片66の凹部72とストッパ本体54の係合部64との係合状態を解除させるために必要な力(係合部64を破断させる塑性変形力、或いは係合片66を弾性変形させる弾性変形力等)に変換することで、衝撃吸収部材58に作用する衝撃力が吸収される。
【0058】
そして、凹部72と係合部64との係合状態が解除された後は、保持部材56がストッパ本体54の下方へ移動可能となり、衝撃吸収部材58がストッパ本体54の下方へ移動する。ここで、保持部材56がストッパ本体54の下方へ移動すると、保持部材56の係合突起74及び挿入体60のガイド孔82を介して、挿入体60がストッパ本体54の下方へ移動する。これにより、フード20の変形ストロークを得る。
【0059】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るフードストッパ100について説明する。
図7及び図8に示すように、フードストッパ100は、略円筒状を成す有底のストッパ本体102と、該ストッパ本体102内へ収納可能とされた略円筒状を成す有底の保持部材104と、該保持部材104の上部に一体成形された略円柱状の衝撃吸収部材106と、を含んで構成されている。
【0060】
衝撃吸収部材106はゴム材などの弾性部材で形成され、フード20(図1参照)を閉止する際、フード20が接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。衝撃吸収部材106の上部には、略円柱状の凹部106Aが設けられており、衝撃吸収部材106を変形しやすくしている。
【0061】
一方、ストッパ本体102の開口側は、大径部108とされており、大径部108の外周面には、雄ねじ部110が形成されている。ストッパ本体102の雄ねじ部110は、ストッパ取付座14に形成された取付孔28(図5参照)内へねじ込み可能とされており、該ストッパ本体102を取付孔へねじ込むことで、ストッパ本体102を介して、衝撃吸収部材106が、ストッパ取付座14に取り付けられると共に、ストッパ取付座14を基準として高さ調整される。
【0062】
また、ストッパ本体102の底板114の中央部からは、ストッパ本体102の軸方向に沿って、横断面が十字状の装着部116が突出しており、装着部116には、スプリング118が外挿されている。スプリング118の上端部には、略正方形状の板材122が配置されており、板材122はスプリング118の付勢力によって装着部116の軸方向で位置決めされている。
【0063】
板材122の中央部には、装着部116へ外挿可能な十字状の係合孔120が形成されており、板材122が装着部116へ外挿された状態で、該板材122は装着部116に対して回り止めされている。
【0064】
また、図9(A)に示すように、ストッパ本体102の周壁には、周方向に沿って等間隔に2つのカム溝124が貫通している。このカム溝124は、ストッパ本体102の軸方向に沿って形成され、ストッパ本体102の周方向及び軸方向で互いに位置が異なる移動部126、128と、移動部126と移動部128を繋ぐ傾斜部130と、で構成されている。
【0065】
図7に示すように、保持部材104の下端側の外周面からは、周方向に沿って等間隔に角状のピン132が2つ突出しており、該ピン132がカム溝124に係合可能としている。ここで、ピン132は保持部材104の外周面に対して突出可能としており、該ピン132を押込んだ状態で、保持部材104はストッパ本体102内に挿入される。
【0066】
また、保持部材104の内周面には、保持部材104の軸方向に沿って突設部134が設けられており、保持部材104の周方向に沿って等間隔で4つ配置されている。
【0067】
ここで、図8及び図9(A)〜(C)に示すように(なお、図9(C)は図9(B)のC−C線断面図である。)、ピン132がカム溝124の移動部126に配置されている状態では、保持部材104の内周面に設けられた突設部134が、板材122に面接触している。つまり、保持部材104は板材122によって移動規制されている。
【0068】
この状態では、保持部材104は、ピン132が移動部126内を移動する範囲内で、板材122を介してスプリング118の付勢力を受け、衝撃力を吸収することができる。つまり、前述したように、フード20を閉止する際、フード20が該衝撃吸収部材106に接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。
【0069】
また、図10(A)〜(C)に示すように(なお、図10(C)は図10(B)のC−C線断面図である。)、ピン132がカム溝124の移動部128に配置された状態では、ピン132が移動部126に位置する状態から、ピン132を介して保持部材104がストッパ本体102の周方向に沿って回転する。この状態で、保持部材104の内周面に設けられた突設部134と板材122とは干渉しない位置に配置されるようにしている。つまり、この状態では、保持部材104は板材122によって移動規制された状態が解除される。
【0070】
(作用)
本実施形態では、フード20(図1参照)から衝撃吸収部材106へ車体12(図1参照)下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、ピン132がカム溝124の移動部126から傾斜部130を経て移動部128へ移動する。
【0071】
このとき、ピン132は傾斜部130によって摺動抵抗を受ける。つまり、傾斜部130内をピン132が摺動することとなるが、衝撃吸収部材106に作用する衝撃力を傾斜部130内をピン132が摺動するときの摺動力に変換することで、衝撃吸収部材106に作用する衝撃力が吸収される。
【0072】
そして、ピン132が傾斜部130から移動部128へ移動すると、保持部材104は板材122によって移動規制された状態が解除されるため、保持部材104がストッパ本体102の下方へ移動可能となり、保持部材104を介して衝撃吸収部材106が、ストッパ本体102内を下方へ移動する。これにより、フード20の変形ストロークを得る。
【0073】
なお、ここでは、カム溝124を、ストッパ本体102の周方向及び軸方向で互いに位置が異なる移動部126、128と、移動部126と移動部128を繋ぐ傾斜部130と、で構成し、フード20から衝撃吸収部材106へ車体12下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、衝撃吸収部材106に作用する衝撃力が、傾斜部130内をピン132が摺動するときの摺動力に変換されるようにしたが、衝撃吸収部材106に作用する衝撃力を別の力に変換することができれば良いため、これに限るものではない。
【0074】
例えば、図11(A)、(B)に示すように、カム溝136をストッパ本体102の軸方向に沿って形成し、該カム溝136内に突起部138を設け、フード20から衝撃吸収部材106へ車体12下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、図11(C)、(D)に示すように、ピン140を介して該突起部138が破断するようにして、衝撃吸収部材106に作用する衝撃力を塑性変形力に変換して、該衝撃力が吸収されるようにしても良い。
【0075】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係るフードストッパ150について説明する。
図12(A)に示すように、フードストッパ150は、略円筒状のストッパ本体152と、該ストッパ本体152内の上下方向へ移動可能な軸体154と、を含んで構成されており、軸体154の上端部に、キャップ状の衝撃吸収部材156が嵌め込まれている。この衝撃吸収部材156はゴム材などの弾性部材で形成され、フード20(図1参照)を閉止する際、フード20が接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。
【0076】
ストッパ本体152はストッパ取付座14に形成された取付孔158内へ嵌め込み可能とされており、該ストッパ本体152を取付孔158へ嵌め込むことによって、ストッパ本体152がストッパ取付座14に取り付けられる。
【0077】
一方、軸体154の上端側の外周面からは環状のフランジ部160が張り出しており、軸体154の外周面には、雄ねじ部162が形成されている。ストッパ本体152内には、略筒状の保持部材164が挿入可能とされている。
【0078】
この保持部材164の上端部からは内側へ向かってフランジ部164Aが張り出しており、該フランジ部164Aに軸体154の雄ねじ部162がねじ込み可能とされており、該軸体154をフランジ部164Aへねじ込むことで、軸体154を介して、衝撃吸収部材156が、ストッパ取付座14に取り付けられると共に、ストッパ取付座14を基準として高さ調整される。
【0079】
また、ストッパ本体152の下端部には、ストッパ本体152の内周面に沿って溝部166が形成された装着部168が設けられており、該溝部166内には、略V字状を成した板バネ170が装着可能とされている。
【0080】
この板バネ170はストッパ本体152の周方向に沿って等間隔で2つ配置されている。また、板バネ170の頂部170Aは、ストッパ本体152の内側へ向かって突出しており、保持部材164が接触可能とされている。保持部材164はこの板バネ170に接触した状態で、保持される。
【0081】
この状態では、保持部材164は板バネ170の付勢力の範囲内で、衝撃力を吸収することができる。つまり、前述したように、フード20を閉止する際、フード20が該衝撃吸収部材156に接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。
【0082】
(作用)
本実施形態では、フード20(図1参照)から衝撃吸収部材106へ車体12(図1参照)下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、衝撃吸収部材156及び軸体154を介して、保持部材164が板バネ170の付勢力の抗する方向へ押圧される。
【0083】
これにより、板バネ170は弾性変形して延ばされることとなるが、衝撃吸収部材156に作用する衝撃力を板バネ170を弾性変形させる変形力に変換することで、衝撃吸収部材156に作用する衝撃力が吸収される。
【0084】
そして、保持部材164がストッパ本体152の下方へ移動することで、該保持部材164を介して衝撃吸収部材156が、ストッパ本体152内を下方へ移動する(図12(B)参照)。これにより、フード20の変形ストロークを得る。
【0085】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係るフードストッパ200について説明する。
図13(A)に示すように、フードストッパ200は、略円筒状を成す有底のストッパ本体202と、ストッパ本体202内で上下方向へ移動可能とされるスライダ(保持部材)204と、該スライダ204によって保持された衝撃吸収部材206と、を含んで構成されている。衝撃吸収部材206はゴム材などの弾性部材で形成され、フード20(図1参照)を閉止する際、フード20が接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。
【0086】
ストッパ本体202の開口端からは、環状のフランジ部208が外側へ向かって張り出しており、ストッパ取付座14の取付孔210の周辺部に面接触可能としている。また、ストッパ本体202の開口側の外周面には、ストッパ本体202の軸方向に沿ってガイド孔214が形成されている。この該ガイド孔214は、ストッパ本体202の周方向に沿って等間隔で2つ設けられている。
【0087】
ガイド孔214の近傍には、縮径可能な係止爪212が設けられている。ストッパ本体202を取付孔210に挿入させるとき、取付孔210が係止爪212に当接すると、該係止爪212は縮径し、取付孔210を通過すると復元して、フランジ部208との間で、取付孔210の周辺部を挟持する。これによって、ストッパ本体202がストッパ取付座14に取り付けられる。
【0088】
一方、スライダ204の外周面には、ストッパ本体202のガイド孔214と係合可能な一対のガイド爪222が設けられており、ガイド孔214及びガイド爪222を介して、スライダ204をストッパ本体202の上下方向に沿って移動させることができる。
【0089】
また、スライダ204の高さはストッパ本体202よりも低くされており、スライダ204とストッパ本体202の間には、板バネ216が配設されている。この板バネ216は長方形状を成しており、中央部を固定され、両端部が上方へ向かって屈曲している。
【0090】
この板バネ216の両端部にスライダ204が当接することで、スライダ204はストッパ本体202の高さ方向でその位置を保持される。また、板バネ216には、孔部218が設けられており、図13(B)に示すように、板バネ216が延ばされた状態で、スライダ204の裏面に設けられた突起部220が挿入可能とされている。
【0091】
ここで、ストッパ本体202の底板には、突起部220が挿入可能な退避孔228が形成されており、スライダ204がストッパ本体202の下方へ移動するとき、該突起部220がストッパ本体202の底板と干渉しないようにして、衝撃吸収部材206の移動量(いわゆるフード20の変形ストローク)を確保するようにしている。
【0092】
一方、衝撃吸収部材206の下部側には、雄ねじ部224が形成されており、スライダ204の開口端側に位置し、スライダ204の対面する内周面に沿って等間隔に形成された一対の爪部226にねじ込み可能とされている。この爪部226に衝撃吸収部材206の雄ねじ部224をねじ込むことで、スライダ204を介して、衝撃吸収部材206が、ストッパ取付座14に取り付けられると共に、ストッパ取付座14を基準として高さ調整される。
【0093】
この状態では、スライダ204は板バネ216の付勢力の範囲内で、衝撃力を吸収することができる。つまり、前述したように、フード20を閉止する際、フード20が該衝撃吸収部材206に接触して、車体12(図1参照)下方への衝撃を吸収する。
【0094】
(作用)
本実施形態では、フード20(図1参照)から衝撃吸収部材206へ車体12(図1参照)下方へ向かって所定値以上の荷重が作用すると、衝撃吸収部材206を介して、スライダ204が板バネ216の付勢力の抗する方向へ押圧される。
【0095】
このため、板バネ216はスライダ204に押され、弾性変形して延ばされることとなるが、衝撃吸収部材206に作用する衝撃力を板バネ216を弾性変形させる変形力に変換することで、衝撃吸収部材206に作用する衝撃力が吸収される。
【0096】
そして、スライダ204がストッパ本体202の下方へ移動することで、該スライダ204を介して衝撃吸収部材206が、ストッパ本体202内を下方へ移動する(図13(B)参照)。これにより、フード20の変形ストロークを得る。
【0097】
ここで、板バネ216の延ばされると、スライダ204の裏面に設けられた突起部220が板バネ216の孔部218に挿入され、板バネ216は延ばされた状態で保持されることとなる。つまり、この状態では、フード20に対する反力は作用しない。
【0098】
なお、以上の実施形態では、図1に示すように、フードストッパ10を、車体12側に取り付けるようにしたが、このフードストッパ10はフード20の閉止時の衝撃を吸収することができれば良いため、車体12側に限るものではない。例えば、図示はしないが、フードインナパネル20A(図1参照)にフードストッパ10を取付けて、衝撃吸収部材18を車体12側に接触させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0099】
10 フードストッパ
14 ストッパ取付座(車体)
16 ストッパ本体
18 衝撃吸収部材
20 フード
24 雌ねじ部(移動手段)
34 雄ねじ部(移動手段)
50 フードストッパ
54 ストッパ本体
56 保持部材
58 衝撃吸収部材
64 係合部(被係合部、移動手段)
66 係合片(係合部、移動手段)
100 フードストッパ
102 ストッパ本体
104 保持部材
106 衝撃吸収部材
124 カム溝(移動手段)
128 移動部(移動部、カム溝)
130 傾斜部(移動規制部、カム溝)
132 ピン(移動手段)
136 カム溝(移動手段)
138 突起部(移動規制部)
140 ピン(移動手段)
150 フードストッパ
152 ストッパ本体
156 衝撃吸収部材
164 保持部材
170 板バネ(弾性片、移動手段)
200 フードストッパ
202 ストッパ本体
204 スライダ(保持部材)
206 衝撃吸収部材
216 板バネ(弾性片、移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に開閉可能に取付けられたフードの閉止時の衝撃を吸収するフードストッパであって、
前記車体及び前記フードの何れか一方に取付けられたストッパ本体と、
前記車体及び前記フードの何れか他方と接触しフード閉止時の衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、
前記ストッパ本体内に設けられ、前記衝撃吸収部材を定位置で支持して前記フード閉止時の衝撃を吸収させると共に、前記車体及び前記フードの何れか他方から所定値以上の荷重が前記衝撃吸収部材に作用したとき、前記衝撃吸収部材を前記ストッパ本体の下方へ移動させ定位置から退避させる移動手段と、
を有するフードストッパ。
【請求項2】
前記移動手段が、
前記ストッパ本体に形成された雌ねじ部と、
前記衝撃吸収部材に形成され、前記雌ねじ部にねじ込んで衝撃吸収部材を定位置で支持し、かつ、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、前記雌ねじ部を突き抜ける雄ねじ部と、
を含んで構成された請求項1に記載のフードストッパ。
【請求項3】
前記移動手段が、前記ストッパ本体又は前記衝撃吸収部材を保持する保持部材に設けられ、前記保持部材を支持して前記衝撃吸収部材を定位置とし、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、弾性変形する弾性片である請求項1に記載のフードストッパ。
【請求項4】
前記移動手段が、
前記ストッパ本体及び前記衝撃吸収部材を保持する保持部材の一方に設けられた被係合部と、
前記ストッパ本体及び前記衝撃吸収部材を保持する保持部材の他方に設けられ前記被係合部と係合して、衝撃吸収部材を定位置で支持し、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、被係合部との係合状態が解除される係合部と、
を含んで構成された請求項1に記載のフードストッパ。
【請求項5】
前記移動手段が、
前記衝撃吸収部材を保持する保持部材に設けられたピンと、
前記ストッパ本体に設けられ、前記ピンが係合するカム溝と、を含んで構成され、
前記カム溝に、
前記ピンを移動規制して前記衝撃吸収部材を定位置で支持すると共に、前記車体及び前記フードの何れか他方から衝撃吸収部材へ所定値以上の荷重が作用した際に、前記ピンが摺動して移動規制状態が解除される移動規制部と、
前記ピンの移動規制状態が解除されると、該ピンを前記ストッパ本体の下方へ移動させる移動可能部と、
が形成された請求項1に記載のフードストッパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−228675(P2010−228675A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80365(P2009−80365)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】