説明

プラスチックの分解方法

【課題】 樹脂原料となる有機酸の化合物、多価アルコール及び有機酸を高収率で回収することができ、回収した樹脂原料から物性が劣化することなく再度同様のプラスチックを再生することができるプラスチックの分解方法を提供する。
【解決手段】 不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチック1を、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界水を用いて分解して(工程A)、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール3及び有機酸4と架橋部を構成する有機酸の化合物5とを含む水溶液2とし、得られた水溶液2をpH4〜12に調整した後、得られた水溶液を濾過して(工程B)、水溶液2中から有機物の化合物5を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にFRP(繊維強化プラスチック)に適した不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチックの分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、軽量、高強度であり、錆や腐食に強く、着色が自由、電気絶縁性に優れ、成形が容易であり、さらに大量生産が可能であるという利点を有することから、自動車、航空機、家庭用品の各材料として多量に使用されている。このため、廃プラスチックの量は増加の一途を辿っている。
【0003】
従来、廃プラスチックの大部分は、埋め立て又は焼却して処分されていた。しかし、廃プラスチックを埋め立てると、埋め立て後の地盤が不安定となり、また埋め立て用地を確保し難いという問題が生じていた。また、廃プラスチックを焼却すると、有害ガス(例えば、CO2)や悪臭が発生し、環境汚染が懸念されるだけではなく、焼却炉が損傷してしまうという問題も生じていた。
【0004】
そこで、平成7年に容器包装廃棄物法(リサイクル法)が制定されて、廃プラスチックを回収し、その再利用が義務付けられた。この法律の施行に伴い、廃プラスチックを再資源化するための技術の開発が急速に進められている。
【0005】
例えば、超臨界水を反応媒体として廃プラスチックを熱分解した油状物質を回収する方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、廃プラスチックである硬化不飽和ポリエステル樹脂を粉砕した後、約100℃〜300℃の温度でジカルボン酸又はジアミンにより分解して得られた分解物を樹脂原料として再利用し、不飽和ポリエステル樹脂を再合成する方法も開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−67991号公報
【特許文献2】特開平9−221565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の超臨界法を用いて廃プラスチックを熱分解すると、処理温度が高すぎるため、廃プラスチック中の主鎖や側鎖が無秩序に切断されてしまい、得られる油状物質中には多種類の低分子化された成分が含まれていた。廃プラスチックを熱分解して得た油状物質は、主に、液体燃料として再利用されるが、熱分解後の油状物質の品質を確保するために、熱分解後に油状物質を触媒(例えば、ゼオライト)を用いて改質しなければならず、後処理が必要となることから、処理コストが高くなる要因となっていた。また、改質処理をした場合であっても、改質後の生成油を石油製品(例えば、灯油、軽油など)そのものとして再利用することは難しかった。
【0008】
また、特許文献2記載の方法では、得られた分解物を不飽和ポリエステル樹脂原料として再利用することができるが、280℃を超える高温で硬化不飽和プラスチックを分解すると、熱分解が進行してしまい、再硬化させたときに熱硬化性樹脂の強度が低下するという問題を有していた。さらに、分解時の温度を約100℃〜180℃の低温とした場合であっても、分解後に回収できる樹脂原料の回収率が低かった。これらの理由から、回収した原料樹脂を再硬化させて製品として利用する割合は低くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明のプラスチックの分解方法は、不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチックを、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界水を用いて分解して、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール及び有機酸と、架橋部と前記有機酸の化合物とを含む水溶液とし、得られた水溶液をpH4〜12に調整した後、得られた水溶液を濾過して、水溶液中から有機物の化合物を分離することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のプラスチックの分解方法によれば、樹脂原料として再利用可能な有機酸の化合物、多価アルコール及び有機酸を高収率で回収することができ、回収した樹脂原料から物性がほとんど劣化することなく再度同等のプラスチックを再生することができる。この結果、廃プラスチックを再資源化して有効活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を説明する。
【0012】
本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を図1により説明する。
【0013】
まず、図1に示すように、不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチック1を、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界水を用いて加水分解する(工程A)。分解すると水溶液2が得られるが、水溶液2中には、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール3(例えば、グリコール)及び有機酸4(例えば、フマル酸)と、不飽和ポリエステル樹脂中の架橋部と前記有機酸の化合物5(例えば、スチレンフマレート:スチレンとフマル酸の共重合体)と、が含まれる。
【0014】
次に、得られた水溶液2のpHを4〜12の範囲内に調整した後、pH調整後の水溶液を濾過する(工程B)。濾過後、濾液を乾燥し、有機酸の化合物5(例えば、スチレンフマレート)の固形物として分離する。
【0015】
その後、有機酸の化合物5を分離した多価アルコールと有機酸4を含む水溶液を蒸留して(工程C)、多価アルコール3と有機酸4を得る。
【0016】
一般に、多価アルコール及び有機酸を含む原料から製造されるプラスチックを加水分解する場合、低温(約100℃)環境下では熱硬化性プラスチックを分解することはできず、また、熱可塑性プラスチックを分解するためには、数十時間の処理時間を要し、長時間反応となる。一方、臨界水(臨界点の臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)を用いた場合のように、高温(約360℃)、高圧(約20MPa)環境下においてプラスチックを加水分解すると、分解生成物の2次分解が起こり、さらに装置の腐食が懸念される。このため、樹脂の原料モノマの単位で分解し、原料モノマを高収率で回収することは難しかった。本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法によれば、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界状態とした水(280℃未満、7MPa以下)を用いて分解することにより、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマ単位に分離して回収することができる。さらに、亜臨界水による分解後の水溶液のpHを調整した後、濾過すると、有機酸の化合物を分離し、有機酸の化合物を高収率で回収することができる。
【0017】
上記プラスチックの分解方法において、分解後に得られた水溶液のpHを調整するときに、水溶液中に塩酸、硫酸、硝酸などを投入してpHを調整する。
【0018】
pHを4以上と規定したが、pHが4未満になると有機酸の化合物5(スチレンフマレート)が寒天様に膨潤してしまい、有機酸の化合物5、グリコール及びフマル酸の回収が困難となるからである。また、pHが12を超えると、一般に濾過に用いる濾過剤の強度が低下してしまい、有機酸の化合物5を効率的に濾過することが困難となる。
【0019】
水溶液のpHを4〜7に調整したときは、水溶液を中空糸、精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)又は逆浸透膜(RO)を用いて濾過することができるが、特に、中空糸または精密濾過膜(MF)を用いて濾過すると、低い処理圧で濾過が可能なため、設備が簡易になり好ましい。また、水溶液のpHを7〜12に調整したときは、精密濾過膜、限外濾過膜又は逆浸透膜を用いて濾過することができるが、特に、精密濾過膜を用いると、有機酸の化合物5を分離して回収できる比率が高くなり好ましい。
【0020】
有機酸の化合物5(スチレンフマレート)は、2価の酸であり、pH9以上の場合は、2価ともイオン化して水に相溶し、pH4〜7の場合は、1価のみイオン化して懸濁状となり、pH4未満の場合は、2価ともイオン化せずに水溶性が低下して寒天様に膨潤してしまう。したがって、溶解状態となるpH9以上の場合は、中空糸より目の細かい精密濾過膜またはそれより小さい膜を使用すると、確実に濾過することができ、また、懸濁状であるpH4〜7については、粒子が比較的大きくなるため、中空糸でも確実に濾過することが可能となる。また、pH7〜9の場合は、pH4〜7の場合の状態とpH9以上の場合の状態が共存した状態となり、pH9以上の場合と同様に、中空糸より目の細かい精密濾過膜またはそれより小さい膜を使用すると、確実に濾過することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRP(繊維強化プラスチック)の分解方法を図2により具体的に説明する。
【0022】
まず、FRP(プロピレングリコール−無水マレイン酸−スチレン共重合物34wt%とガラス繊維と充填材の炭酸カルシウム66wt%とを含む)を1.7mmアンダーで粉砕したものを480g準備する。
【0023】
次に、図2(a)に示すように、ステンレス製の筒状耐圧容器10(内径150mm、深さ350mm、耐圧7MPa)内に、粉砕したFRPa480g、水酸化カリウムb(ナカライテスク(株)社製)53g、純水c1800gをそれぞれ投入した後、耐熱容器10の蓋11を閉じる。
【0024】
その後、図2(b)に示すように、230℃で120分間加熱して、亜臨界水によりFRPを分解する。室温まで冷却した後、ガラスフィルタ(アドバンテック東洋(株)社製、GC-25)を用いて固液分離する。図2(c)に示すように、分離された固形物は、ガラス繊維と炭酸カルシウムの無機物dであり、回収後、無機充填剤として再利用される。無機物dを除去した水溶液e中には、分解されたグリコール、フマル酸及びスチレンフマレート(スチレン・フマル酸共重合体)が含まれている。なお、この水溶液e1710mlは、後述する濾過試験用の試験水として使用される。
【0025】
次に、図2(d)に示すように、無機物dを除去した水溶液e中に1NのHClfを加えて、pHを4〜12に調整する。その後、得られた水溶液e´を精密濾過膜(MF)を用いた濾過装置により濾過をする。精密濾過膜を用いた濾過装置20を図2(e)に示す。濾過装置20は、容器21内部に容器21高さの中央より下側に精密濾過膜22が配置される。容器21上方には窒素ガスhを供給する窒素供給配管23を介して窒素ガスボンベ24が接続され、窒素供給配管23には調圧器25が設置され、この調圧器25により窒素ガスボンベ24から容器21内に導入される窒素ガス量を調節し、容器21内の圧力を調節する。容器21下方には、精密濾過膜22を透過した濾液gを貯留するシリンダ26が濾液配管27を介して接続される。なお、ここで使用した精密濾過膜22は、公称口径0.1μmの試験用平膜であり、ポリテトラフルオロエチレン製膜である。
【0026】
濾過により回収されたスチレンフマレートiは、図3に示す分子構造であり、樹脂原料として再利用される。一方、スチレンフマレートを除去した濾液gを蒸留して、グリコールmとフマル酸nを回収する。
【0027】
なお、図2に示した方法では、精密濾過膜を用いた濾過装置によりスチレンフマレートを分離したが、水溶液のpHを4〜7に調整したときは、中空糸を用いた濾過装置によりスチレンフマレートを分離すると良い。中空糸を用いた濾過装置30を図4に示す。濾過装置30は、ビーカ31内に中空糸32が配置され、各中空糸32から濾液を集める機構33を接続し、この機構33に濾液配管34を連結している。濾液配管34端部には吸引瓶35が配置され、吸引瓶35内部に濾液を貯留するビーカ36が設置され、吸引瓶35にはコンプレッサ37が接続される。中空糸32は、市販の浄水器の交換カートリッジであるトレビーノのスーパーシリーズ(東レ(株)社製)を使用したが、これに限定されるものではない。
【0028】
以下、さらに具体的に実施例により説明する。
【0029】
(実施例1)
実施例1では、図4に示した中空糸を用いた濾過装置により濾過試験を行った。FRPの分解方法としては図2に示す手順と同様とし、図2(c)に示す水溶液eを濾過試験用の試験水として用いた。この水溶液eに1NのHClを投入し、図2(c)に示す水溶液e´のpHを4.6に調整した。
【0030】
(実施例2)
実施例2では、図2に示した精密濾過膜を用いた濾過装置により濾過試験を行った。FRPの分解方法としては、図2に示す手順と同様とし、図2(c)に示す水溶液eを濾過試験用の試験水として用いた。この水溶液eに1NのHClを投入し、図2(c)に示す水溶液e´のpHを4.6に調整した。
【0031】
(実施例3)
実施例3では、図4に示した中空糸を用いた濾過装置により濾過試験を行った。FRPの分解方法としては、図2に示す手順と同様とし、図2(c)に示す水溶液eを濾過試験用の試験水として用いた。この水溶液eはアルカリ性を示したため、1NのHClを投入して水溶液e´のpHを9.4に調整した。
【0032】
(実施例4)
実施例4では、図2に示した精密濾過膜を用いた濾過装置により濾過試験を行った。FRPの分解方法としては、図2に示す手順と同様とし、図2(c)に示す水溶液eを濾過試験用の試験水として用いた。この水溶液eもアルカリ性を示したため、1NのHClを投入して水溶液e´のpHを9.4に調整した。
【0033】
(比較例)
比較例では、図2に示す手順によりFRPを分解し、図2(c)に示す水溶液eを濾過試験用の試験水として用いた。この水溶液eに1NのHClを投入して水溶液e´のpHを3に調整した。
【0034】
上述した実施例1〜実施例4及び比較例から回収されたスチレンフマレートの濃度を次の方法を用いて求めた。
【0035】
まず、予め秤量した遠心分離用サンプル容器内に、図2(c)に示す水溶液e300mlを試験水として入れた。その後、1NのHClを投入してpHを2に調整した後、遠心分離をした。その後、上澄みを除去し、純水を加えて洗浄した後、再び遠心分離をした。さらに、上澄みを除去した後、105℃で2時間乾燥し、容器全体の重量を測定した。容器全体の重量から、先に測定した遠心分離用サンプル容器の容器のみの重量を差し引いて、水溶液e中に含まれるスチレンフマレートの量を求めた。求めたスチレンフマレートの量に基づき、水溶液e中のスチレンフマレートの濃度を算出し、また、濾過処理後の濾液中におけるスチレンフマレートの濃度を算出した。水溶液及び濾液のスチレンフマレートの濃度からスチレンフマレートの溶出阻止率(%)を求めて、スチレンフマレートの回収率を評価した。
【0036】
表1に実施例1及び実施例2の結果を示し、表2に実施例3及び実施例4の結果を示した。なお、比較例では、スチレンフマレートが寒天様に膨潤してしまい、スチレンフマレート、グリコール及びフマル酸を回収することができなかった。
【表1】

【表2】

【0037】
表1に示すように、固液分離後の水溶液eのpHを4.6に調整した場合は、中空糸又は精密濾過膜のいずれを使用してもスチレンフマレートを高収率で回収することができた。また、表2に示すように、固液分離後の水溶液e´のpHを9.4に調整した場合には、精密濾過膜を使用するとスチレンフマレートを高収率で回収できるが、中空糸を使用するとスチレンフマレートの回収率が少し低下してしまうことが判明した。この結果から、pHを7以上とした場合には、精密濾過膜を使用することが特に好ましいことが判った。
【0038】
さらに、実施例1から実施例4までにより回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸のそれぞれの回収量から回収率を算出した。まず、濾過後における濾液のグリコールの濃度をガスクロマトグラフ分析装置により計測し、フマル酸の濃度をイオンクロマトグラフ装置により計測した。その後、計測されたグリコールとフマル酸との濃度に試料量を乗じて、下記の式1及び式2に基づき回収率を求めた。
【0039】
[式1] グリコールの回収率(%)=回収したグリコール量(g)/(使用したFRP量×グリコール配合割合)
[式2] フマル酸の回収率(%)=回収したフマル酸量(g)/(使用したFRP量×フマル酸配合割合)
使用したFRP量は480(g)、FRP中の樹脂の割合は34wt%、その樹脂中に配合されるグリコール及びフマル酸の配合割合は、樹脂部を100wt%としたとき、それぞれ23wt%である。このため、FRP量×グリコール配合割合は480(g)×34(wt%)×23(wt%)、FRP量×フマル酸配合割合は480(g)×34(wt%)×23(wt%)により求めることができる。
【0040】
これらの結果を表3に示した。
【表3】

【0041】
表3に示すように、比較例では、水溶液のpHを3に調整した後に濾過処理をしたため、スチレンフマレート、フマル酸及びグリコールを回収することができなかった。これに対して、実施例1〜実施例4では、水溶液のpHを4〜12に調整した上で濾過処理をしたため、スチレンフマレート、フマル酸及びグリコールを高収率で回収できることが判明した。この結果、FRPを用いて再度FRPの樹脂原料として再利用可能な状態にして高収率で回収することができ、廃棄プラスチックを再資源化して有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPの分解方法を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPの分解方法から回収されたスチレンフマレートの分子構造を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPの分解方法に使用される中空糸を用いた濾過装置を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1…不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチック,
2…水溶液(多価アルコール3、有機酸4及び有機酸の化合物5を含む),
3…多価アルコール,
4…有機酸,
5…有機酸の化合物,
6…水溶液(多価アルコール3及び有機酸4を含む),

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチックを、前記不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界水を用いた分解して、前記不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール及び有機酸と、前記架橋部と前記有機酸の化合物とを含む水溶液とし、
得られた前記水溶液をpH4〜12に調整した後、得られた水溶液を濾過して、前記水溶液中から前記有機物の化合物を分離することを特徴とするプラスチックの分解方法。
【請求項2】
分解後に得られた前記水溶液をpH4〜7に調整し、得られた水溶液を中空糸又は精密濾過膜を用いて濾過することを特徴とする請求項1記載のプラスチックの分解方法。
【請求項3】
分解後に得られた前記水溶液をpH7〜12に調整し、得られた水溶液を精密濾過膜により濾過することを特徴とする請求項1記載のプラスチックの分解方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−241380(P2006−241380A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61546(P2005−61546)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(591288355)財団法人国際環境技術移転研究センター (53)
【Fターム(参考)】